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特許拒絶査定不服審判

2021-002642

補正装置、補正方法および補正プログラム

審判番号
2021-002642
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-117326外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2021年03月01日
審決日
2022年01月17日
公報発行日
2022年04月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .537-WZ (G06Q)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法36条6項1号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第1号、特許法第50条の2、特許法第36条第6項第2号、特許法第17条の2第5項第4号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018-117326「補正装置、補正方法および補正プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 9月13日出願公開、特開2018-142381〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 9項目
理 由

第1 手続の経緯

折りたたみ中(クリックで表示)

本願は、平成28年3月18日に出願した特願2016-56057号の一部を平成30年6月20日に新たな特許出願としたものであって、令和2年4月10日付けで特許法第50条の2の通知を伴う拒絶理由が通知され、同年6月18日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、当該手続補正は、同年11月19日付けで補正の却下の決定により却下され、同日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、令和3年3月1日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

その後、当審において、令和3年9月27日付けで最後の拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)を通知し、これに対し、令和3年11月29日に意見書及び手続補正書が提出された。

第2 当審拒絶理由の概要

理由1(明確性)

この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

記

請求項1の「ユーザが所定のコンテンツに関する行動として、前記所定のコンテンツでコンバージョンを起こしてからの経過時間を取得する取得部と、

経過時間ごとのコンバージョン率の実績値と、前記経過時間ごとの前記実績値間での分散を平均化して得られた前記経過時間ごとのコンバージョン率の平均値との乖離の関係性に基づき設定された重み値であって、前記経過時間ごとに設定された重み値のうち、前記取得部によって取得された経過時間に対応する重み値を用いて、前記行動に基づく配信候補のコンテンツのコンバージョン率を補正する補正部と」

という記載における、「前記所定のコンテンツでコンバージョンを起こしてからの経過時間」の「コンバージョン」、「経過時間ごとのコンバージョン率」の「コンバージョン」、及び、「配信候補のコンテンツのコンバージョン率」の「コンバージョン」、という複数の「コンバージョン」それぞれの意味や相互の関係が明確でない。

理由2(サポート要件)

この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。

記

(1)請求項1に記載された「ユーザが所定のコンテンツに関する行動として、前記所定のコンテンツでコンバージョンを起こしてからの経過時間を取得する取得部」について、発明の詳細な説明の段落【0163】~【0169】に記載された「商品の購入完了ページ」は、広告AD11(AD21)の配信条件となっているページであって、所定のコンテンツでコンバージョンを起こしたことを示すものではなく、同じく「コンバージョン率」は、商品の購入完了ページEC111(EC211)にアクセスしたことに基づく広告コンテンツAD11(AD21)によるコンバージョン率のことであって、商品の購入完了ページがコンバージョンを起こしたことを示しているわけではない。

したがって、請求項1に記載された「ユーザが所定のコンテンツに関する行動として、前記所定のコンテンツでコンバージョンを起こしてからの経過時間を取得する取得部」は、発明の詳細な説明の段落【0163】~【0169】には記載されていないし、発明の詳細な説明の他の箇所にも記載されていない。

(2)(略)

第3 本願発明について

1 令和3年11月29日に提出された手続補正による補正(以下、「本件補正」という。)について

本件補正は、請求項1について、次のとおり補正することを含むものである(下線部は、補正箇所を示す。)。

「【請求項1】
ユーザがコンバージョンに至ったことに応じて所定のコンテンツに遷移されてから、前記コンバージョンに応じて前記所定のコンテンツに訪問した訪問者に配信することがリターゲティングの条件となっている配信候補のコンテンツに対する配信要求が前記ユーザによって送信されるまでに経過した経過時間である第1の経過時間を取得する取得部と、
前記所定のコンテンツに訪問した訪問者がリターゲティングされることによって前記配信候補のコンテンツに訪問するまでに経過した経過時間である第2の経過時間に応じて、前記配信候補のコンテンツのコンバージョン率がどのように変化したか、前記第2の経過時間に応じたコンバージョン率の変化を示す情報に基づき、前記第2の経過時間に含まれる所定のタイミングごとに設定された重み値のうち、前記取得部によって取得された第1の経過時間に対応する重み値を用いて、前記配信候補のコンテンツのコンバージョン率を補正する補正部と
を有することを特徴とする補正装置。」

2 補正の適否

本件補正のうち請求項1についてする補正は、当審拒絶理由において指摘したに理由1(明確性)に対して、「コンバージョン」の記載を明確化しようとするものであるから、特許法第17条の2第5項第4号に掲げる明りようでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)を目的とするものである。

したがって、請求項1についてする補正は、適法になされたものである。

3 本願発明

本願請求項1に係る発明は、上記1の本件補正により補正された特許の請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである。

第4 当審の判断

1 特許法第36条第6項第1号について

請求項1には

「ユーザがコンバージョンに至ったことに応じて所定のコンテンツに遷移されてから、前記コンバージョンに応じて前記所定のコンテンツに訪問した訪問者に配信することがリターゲティングの条件となっている配信候補のコンテンツに対する配信要求が前記ユーザによって送信されるまでに経過した経過時間である第1の経過時間を取得する取得部」

と記載されている。

審判請求人は上記「取得部」が、明細書の段落【0163】~【0169】等の記載に基づくと主張するので、以下に検討する。

明細書の段落【0163】~【0169】には、次のとおりの記載がある。下線は、当審が付した。

「【0163】
〔5-4.経過時間取得(2)〕
また、取得部133は、商品購入等を行うページ(以下、「購入ページ」とする)において、ユーザが資料請求や商品購入といった行動を行ってからの経過時間を取得してもよい。この点について、図14を用いて説明する。
【0164】
続きを表示(全15行)
図14は、変形例にかかる情報処理の一例を示す図である。図14に示すように、購入完了ページEC111は、購入ページEC11において商品の購入が決定された場合に、遷移されるページであり、商品名、購入価格、決済方法、配達情報といった購入された商品に関する情報を含む購入完了ページである。また、購入完了ページEC111には、リタゲタグTg152が設定される。また、購入ページEC11および購入完了ページEC111は、広告主C1によって管理されるコンテンツであるものとする。
【0165】
購入完了ページEC211は、購入ページEC21において商品の購入が決定された場合に、遷移されるページであり、商品名、購入価格、決済方法、配達情報といった購入された商品に関する情報を含む購入完了ページである。また、購入完了ページEC211には、リタゲタグTg162が設定される。また、購入ページEC21および購入完了ページEC211は、広告主C2によって管理されるコンテンツであるものとする。
【0166】
ここで、端末装置10は、ユーザU2の操作に従って、「2016年3月13日19時」に、購入ページEC11から購入完了ページEC111へ遷移させたとする。つまり、端末装置10は、ユーザU2によって購入ボタンB1が押下されることで商品が購入されたことにより、「2016年3月13日19時」に商品完了ページEC111にアクセスしたとする(ステップS31)。商品完了ページEC111には、リタゲタグTg152が設定されていることから、端末装置10は、ユーザID「U2」、広告主ID「C1」、アクセス日時「2016年3月13日19時」を情報処理装置100に送信する(ステップS32)。
【0167】
また、端末装置10は、ユーザU2の操作に従って、「2016年3月15日14時」に、購入ページEC21から購入完了ページEC211へ遷移させたとする。つまり、端末装置10は、ユーザU2によって購入ボタンB2が押下されることで商品が購入されたことにより、「2016年3月15日14時」に商品完了ページEC211にアクセスしたとする(ステップS33)。商品完了ページEC211には、リタゲタグTg162が設定されていることから、端末装置10は、ユーザID「U2」、広告主ID「C2」、アクセス日時「2016年3月15日14時」を情報処理装置100に送信する(ステップS34)。
【0168】
また、ここで、端末装置10は、ユーザU2の操作に従って、商品完了ページEC111およびEC211にアクセスしたことに基づく広告コンテンツの取得要求を情報処理装置100に送信したとする(ステップS35)。これにより、例えば、取得部100は、要求受信日「2016年3月15日22時」を取得したものとすると、かかる要求受信日時と、上記各アクセス日時との差分時間として、それぞれの経過時間を取得する(ステップS36)。
【0169】
また、補正部134は、取得部133により取得された経過時間に応じて、広告主C1およびC2によって入稿されている広告コンテンツのCVRを補正する。図6に示す広告コンテンツ記憶部122-1の例では、広告コンテンツAD11およびAD21が、広告主C1に入稿され、また、広告コンテンツAD21およびAD22が、広告主C2に入稿されている。かかる例では、補正部134は、この4つの広告コンテンツそれぞれのCVRを補正する。」

また、「コンバージョン」に関して、以下の記載がある。

「【0014】
また、実施形態にかかる情報処理装置100は、広告コンテンツから商品購入や会員登録等の利益につながる成果を1件獲得するのにかかるコストであるコンバージョン単価(CPA:Cost Per Action)の目標値である目標コンバージョン単価を広告主に設定させることで、かかる目標コンバージョン単価に基づいて、広告コンテンツに対して設定する入札単価を算出する機能を有する。」

以上、明細書の段落【0163】~【0169】の記載によると、発明の詳細な説明には、ユーザU2が購入ボタンB1を押下することで商品を購入したことにより、広告主C1(C2)によって、管理されるコンテンツである商品の購入完了ページEC111(EC211)にアクセスすると、そのアクセス日時を情報処理装置100に送信し、端末装置10が、ユーザU2の操作に従って、商品の購入完了ページEC111(EC211)にアクセスしたことに基づく広告コンテンツAD11(AD21)の取得要求を情報処理装置100に送信し、広告コンテンツの取得要求日時と、購入完了ページへのアクセス日時との差分時間として、経過時間を取得して、取得された経過時間に応じて、広告主C1(C2)によって入稿されている広告コンテンツAD11(AD21)のCVRを補正することが記載されている。

上記明細書の段落【0163】~【0169】に記載された変形例において、「経過時間」の起点は、ユーザが購入完了ページEC111(EC211)にアクセスするタイミングであり、「経過時間」の終点は、「商品完了ページEC111およびEC211にアクセスしたことに基づく広告コンテンツの取得要求」(【0168】)を情報処理装置が受信したタイミングであるであるところ、広告コンテンツの取得要求がこれから「コンバージョン」につながる行動であるから、ユーザが購入完了ページEC111(EC211)にアクセスした時点において、取得要求により取得された「広告コンテンツ」に基づく「コンバージョン」にはまだ至っていない。

そして、上記変形例には、「商品購入等を行うページ(以下、「購入ページ」とする)において、ユーザが資料請求や商品購入といった行動を行ってから」という記載はあるものの、資料請求や商品購入といった行動が、何らかの広告コンテンツに基づいて行われたものであるかは、明細書の他の個所を参照しても記載はないから、「ユーザが資料請求や商品購入といった行動」が、「コンバージョンに至った」とはいえない。

したがって、本件補正後の請求項1に記載された「ユーザがコンバージョンに至ったことに応じて所定のコンテンツに遷移されてから、前記コンバージョンに応じて前記所定のコンテンツに訪問した訪問者に配信することがリターゲティングの条件となっている配信候補のコンテンツに対する配信要求が前記ユーザによって送信されるまでに経過した経過時間である第1の経過時間を取得する取得部」は、発明の詳細な説明の段落【0163】~【0169】には記載されていないし、発明の詳細な説明の他の箇所にも記載されていない。

よって、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。

2 令和3年11月29日に提出された意見書について

審判請求人は、当審拒絶理由に対して、令和3年11月29日に意見書を提出しているが、当審拒絶理由における指摘事項に対して具体的に意見を述べたものではないから、意見書を検討しても、当審拒絶理由の上記理由2(サポート要件)を解消していない。

第5 むすび

以上のとおりであるから、この出願は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2021-002642

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