2021-000170
予約支援方法、予約支援プログラム、及び予約支援装置
- 審判番号
- 2021-000170
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-148644外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2021年01月06日
- 審決日
- 2022年03月24日
- 公報発行日
- 2023年02月24日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (G06Q) / P18 .575-Z (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
本願は、平成28年7月28日を出願日とする出願であって、令和2年3月10日付けで拒絶理由が通知され、同年2年5月18日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、同年9月30日付けで拒絶の査定がなされ、これに対し、令和3年1月6日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 令和3年1月6日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年1月6日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。
「 一又は複数のプロセッサーが、予約対象となる第1施設と一又は複数の予約内容とを含む初期予約条件の入力をユーザー端末から受け付け、前記第1施設に対応する施設端末に前記予約内容を通知し、前記施設端末からの返信を受け付けた場合に予約を成立させ又は返信内容を前記ユーザー端末に通知し、前記予約内容が前記施設端末に通知された後、前記施設端末からの返信を有効に受け付ける期間として予め設定された待機期間内に前記施設端末からの返信がない場合に、前記施設端末からの返信受付を終了して、前記初期予約条件に基づいて前記第1施設を除く一又は複数の第2施設を抽出し、前記抽出された一又は複数の前記第2施設の情報を前記ユーザー端末に通知する、予約支援方法。」
2 補正の適否
上記補正は、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「待機期間」について、「予め設定された待機期間」が「前記施設端末からの返信を有効に受け付ける期間として」予め設定されたものであるという限定事項を付加するものであって、当初明細書の段落【0030】に記載された事項であり、新規事項を追加するものではなく、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献
ア 原査定の拒絶の理由に引用された特開2002-197329号公報(以下、「引用文献1」という。)には、次のとおりの記載がある。下線は、注目箇所に当審が付した。
「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、施設予約システム及び方法に関し、特に、インターネット等のネットワークを介してオンラインで地図上から施設を指定して予約を行うことができる施設予約システム及び方法に関する。」
「【0003】【発明が解決しようとする課題】従来の予約方法は、利用者がサーチエンジンなどを利用して各施設が独自に提供するホームページを検索する必要があった。例えば、宿泊施設の予約を入れる場合、目的地に最寄りの宿泊施設を検索し、そのホームページをたどることになる。しかしながら、施設の場所、地図、施設までの交通手段などの情報は、各施設のホームページの内容に限定されてしまい、また各ホームページの内容によって表現がまちまちであることが多く、どの施設が自分の目的に合っているのか判断に困ることがあった。また、利用者の希望する施設の予約がとれなかった場合、利用者は改めて別の施設の再検索からやり直す必要があり、面倒な作業を強いられていた。【0004】本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、希望する施設の検索から予約申し込みまでを同じホームページ上で容易に行うことができ、また予約がNGであった場合でも別候補の施設の検索・予約を容易に行うことができる施設予約システム及び方法を提供することを目的とする。」
「【0017】【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付の図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る施設予約システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本発明の施設予約システムは、ユーザ端末10と、地図情報サーバ20と、施設予約情報サーバ30とがネットワーク100を介して相互に接続されている。ネットワーク100は、インターネット、WAN、LAN等のネットワークをいうが、本実施形態ではインターネットとして説明する。また、説明を簡単にするためにユーザ端末10は1つしか示していないが、実際には複数のユーザ端末がネットワーク100に接続されているものとする。【0018】ユーザ端末10は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。ユーザ端末10は、地図情報サーバ20がネットワーク100上に提供しているホームページにアクセスし、地図情報や施設情報を画面に表示する機能を備えている。表示情報としては、例えば該当施設が表示された地図、施設の名称、住所等による検索画面や施設予約用の入力画面である。また地図情報としては、該当施設、交通手段を表示した地図を含み、施設情報としては施設名、住所、連絡先、利用価格、空き状況、サービス内容等の情報を含む。またユーザ端末10は、利用者が利用を希望する施設の予約要求情報をネットワーク100を介して地図情報サーバ20に送信する機能を有する。【0019】地図情報サーバ20は、本システムの運用者が使用し、ワークステーションサーバ等の情報処理装置から構成され、地図情報を格納する地図情報データベース21と、各施設の管理情報を格納する施設情報データベース22とを備える。この地図情報サーバ20は、利用者の操作によりユーザ端末10が送信した施設検索情報を受け取り、該当施設周辺、あるいは該当地域の地図情報を生成してユーザ端末10に送信する機能を備えている。ここで、施設検索情報は、施設名、住所等を識別するための情報であり、この情報に基づいて地図情報データベース21を検索して地図情報を生成する。続きを表示(全20行)【0020】また地図情報サーバ20は、利用者が地図上の施設を選択した場合、該当する施設の施設情報を施設情報データベース22から検索して、予約要求情報入力用のフォーマットと共にユーザ端末10に送信する。更に地図情報サーバ20は、利用者の操作によりユーザ端末10が送信した予約要求情報を受け取り、予約情報を生成して施設予約情報サーバ30に送信する機能を備えている。この予約情報は、該当する施設の予約処理を行うのに必要な情報であり、利用者を識別するための情報を含んでいる。【0021】また地図情報サーバ20は、後述する予約結果情報を施設予約情報サーバ30から受信し、ユーザ端末10に電子メール等の手段により通知する。更に、予約結果情報が予約NGを示す情報である場合、施設情報データベース22から別候補の施設を検索し、当該施設の地図情報、施設情報をユーザ端末10に送信する機能を備えている。【0022】施設予約情報サーバ30は、ワークステーションサーバ等の情報処理装置であり、各施設に設けられる。この施設予約情報サーバ30は、地図情報サーバ20から予約情報を受信する。また施設予約情報サーバ30は、予約処理を実施した後、予約がOKかNGであるかの予約結果情報を地図情報サーバ20に送信する機能を備える。【0023】次に、本発明に係る施設予約システムの処理の流れを図1~図4を用いて説明する。図2は本発明に係る施設予約システムの動作を説明するためのフローチャートであり、図3はユーザ端末10の検索条件入力画面を示す図であり、図4はユーザ端末10の地図表示画面を示す図である。尚、本実施形態における「施設」は、例えばホテルや旅館などの宿泊施設として説明する。【0024】まず、利用者は自分のユーザ端末10を介して、ネットワーク100上に開設されている地図情報サーバ20のホームページにアクセスする(ステップA1)。地図情報サーバ20はユーザ端末10からのアクセスに応答して、地図情報を含む検索画面情報をユーザ端末10に送信する(ステップA2)。例えば、図3に示すようにユーザ端末10の画面上には、ユーザが利用したい施設名、住所、あるいは地域名等を入力する各種の検索画面が表示される。【0025】利用者は端末10の検索画面上で、宿泊したい施設名を検索条件として直接入力するか、目的地周辺の宿泊施設を探したい場合は目的地の住所や地域を検索条件として入力する。利用者が、ユーザ端末10の画面上で指定する施設の検索を実行すると、地図情報サーバ20は地図情報データベース21から検索条件に該当する施設周辺の地図を検索し、地図画面情報をユーザ端末10に送信する(ステップA3)。【0026】(略)【0027】図4に示すように、ユーザ端末10の画面上には、利用者が指定した施設とその周辺の地図が表示される。ここで、この地図情報には検索条件に該当する施設を表示するマークと、当該施設の最寄りの交通手段を同時に表示するのが好ましい。利用者がユーザ端末10画面の地図上にある「施設」ボタン、あるいは地図上の施設のマークを直接クリックすると、地図情報サーバ20は、施設情報データベース22から該当施設の施設情報を検索し、ユーザ端末10に送信する。尚、「施設」ボタンをクリックすると、地図上に表示された施設の施設情報が一覧で表示されるようにするのが好ましい。【0028】ユーザ端末10には、施設情報として、施設名や住所、周辺の地図、部屋の空き状況、宿泊料金、サービス内容等の情報と共に、予約要求情報の入力フォーマットが表示される(ステップA4)。すなわち、ホームページの地図上にマッピングされた施設をクリックすることにより、あるいは施設情報一覧画面から希望の施設を選択することにより、施設予約用のホームページにジャンプすることができる。【0029】利用者はユーザ端末10画面上の入力フォーマットにより(図示せず)、施設予約に必要な情報、例えば氏名、住所、電話番号、宿泊人数、宿泊日、到着時間等の情報含む予約要求情報を入力して送信ボタンをクリックすると、地図情報サーバ20にネットワーク100を介して送信される(ステップA5)。地図情報サーバ20は、この予約要求情報を受信すると、利用者を識別するための利用者識別情報と予約内容を含む予約情報を生成して、施設予約情報サーバ30に送信する(ステップA6)。尚、この予約要求情報は施設予約情報サーバ30に直接送信する形態でも構わない。【0030】施設予約情報サーバ30は予約情報を受信すると、当該予約情報に基づいて予約登録処理を行う(ステップA7)。施設予約情報サーバ30は自動的に、あるいは宿泊施設の予約担当者が予約登録の可否を判断して、予約がOKかNGか否かの予約結果情報を地図情報サーバ20に送信する(ステップA8)。【0031】予約結果情報を受信した地図情報サーバ20は、予約登録可否の結果を電子メール等によりユーザ端末10に通知する。または、利用者自身が地図情報サーバ20の提供するホームページ上で予約登録可否の結果を確認できるようにしてもよい(ステップA9)。ここで、予約結果情報の予約登録可否の結果がNGであった場合(ステップA8)、地図情報サーバ20は、施設情報データベース22から予約要求情報の条件に該当するもの、あるいはそれに関連するものを自動的に再検索し、別候補の地図情報や施設情報をユーザ端末10に送信する(ステップA10)。【0032】利用者は、ユーザ端末10に表示された別候補に関する地図情報、施設情報から別の宿泊施設を選択することによって、再度予約要求情報を作成し送信すればよい。また別候補が気に入らない場合などは、施設の検索(ステップA2)から再度やり直すようにしてもよい。【0033】尚、上述の実施形態において、利用者が一旦予約要求等を行った場合に、利用者を識別するIDやパスワードを設けるようにして、利用者を登録しておき、2回目の検索要求や予約要求に対しては利用者を識別できるようにしておくのが好ましい。【0034】上述した実施形態における施設予約は、主にホテルや旅館などの宿泊施設を例にとって説明したが、本発明はこの例に限定されるものではない。例えば、イベント会場、レンタル会議場、球技場、宴会場など、その目的に応じて様々な用途に用いることができる。施設予約の方法は上述の実施形態の場合と同様である。尚、この場合、地図情報サーバ10は、施設利用の目的に合わせて複数のデータベースを有するようにして用途毎に施設検索をできるようにするのが好ましい。」
[図:0001393458000001.jpg]
図1
[図:0001393458000002.jpg]
図2
引用文献1の上記記載によれば、以下のことがいえる。
(ア) 【0017】、【0034】、図1の記載によると、引用文献1には、「ユーザ端末10と、地図情報サーバ20と、各施設に設けられる施設予約情報サーバ30とがネットワーク100を介して相互に接続されている施設予約システム」が記載され、【0020】~【0022】の記載によると、「地図情報サーバ20」が、「ユーザ端末10」と「施設予約情報サーバ30」との間で施設予約を行うから、引用文献1には、「ユーザ端末10と、地図情報サーバ20と、各施設に設けられる施設予約情報サーバ30とがネットワーク100を介して相互に接続されている施設予約システムにおける地図情報サーバ20による施設予約の方法」が記載されている。
(イ) 【0023】、【0024】、図2の記載によれば、「地図情報サーバ20」は、「ユーザ端末10からのホームページに対するアクセスに応答して、ユーザ端末10に地図情報を含む検索画面情報を送信」するものであり、「当該検索画面情報は、ユーザが利用したい施設名、住所、あるいは地域名等を入力する各種の検索画面をユーザ端末10に表示するためのもの」である。
(ウ) 【0025】、図2の記載によれば、「地図情報サーバ20」は、「利用者が、ユーザ端末10の検索画面上で、宿泊したい施設名を検索条件として直接入力するか、目的地周辺の宿泊施設を探したい場合は目的地の住所や地域を検索条件として入力することにより、ユーザ端末10の画面上で指定する施設の検索を実行すると、地図情報データベース21から検索条件に該当する施設周辺の地図を検索し、地図画面情報をユーザ端末10に送信する」ものである。
(エ) 【0027】、【0028】、図2の記載によれば、「地図情報サーバ20」は、「ユーザ端末10において、検索条件に該当する施設を示すマークと、当該施設の最寄りの交通手段を同時に表示された地図が表示された画面において、地図上にある「施設」ボタン、あるいは地図上の施設のマークの利用者によるクリックを受け、施設情報データベース22から該当施設の、施設名や住所、周辺の地図、部屋の空き状況、宿泊料金、サービス内容等の施設情報を検索し、ユーザ端末10に送信する」ものである。
(オ) 【0028】~【0031】、図2の記載によれば、「地図情報サーバ20」は、「ユーザ端末10の入力フォーマットにおいて入力された、施設予約に必要な情報、例えば氏名、住所、電話番号、宿泊人数、宿泊日、到着時間等の情報含む予約要求情報を受信すると、利用者を識別するための利用者識別情報と予約内容を含む予約情報を生成して、施設予約情報サーバ30に送信し、施設予約情報サーバ30から、当該予約情報に基づく、自動的、あるいは宿泊施設の予約担当者により判断される予約登録可否(OKかNG)の予約結果情報を受信し、当該予約登録可否の結果を電子メール等によりユーザ端末10に通知する」ものである。
(カ) 【0031】、【0032】、図2の記載によれば、「地図情報サーバ20」は、「受信した予約結果情報の予約登録可否の結果がNGであった場合、施設情報データベース22から予約要求情報の条件に該当するもの、あるいはそれに関連するものを自動的に再検索し、別候補の地図情報や施設情報をユーザ端末10に送信し、ユーザ端末10から、利用者により選択され、作成された別候補の再度予約要求情報を受信することができる」ものである。
(キ) 以上、(ア)~(カ)によると、引用文献1には、
「ユーザ端末10と、地図情報サーバ20と、各施設に設けられる施設予約情報サーバ30とがネットワーク100を介して相互に接続されている施設予約システムにおける地図情報サーバ20による施設予約の方法であって、ユーザ端末10からのホームページに対するアクセスに応答して、ユーザ端末10に地図情報を含む検索画面情報を送信するものであって、当該検索画面情報は、ユーザが利用したい施設名、住所、あるいは地域名等を入力する各種の検索画面をユーザ端末10に表示するためのものであり、利用者が、ユーザ端末10の検索画面上で、宿泊したい施設名を検索条件として直接入力するか、目的地周辺の宿泊施設を探したい場合は目的地の住所や地域を検索条件として入力することにより、ユーザ端末10の画面上で指定する施設の検索を実行すると、地図情報データベース21から検索条件に該当する施設周辺の地図を検索し、地図画面情報をユーザ端末10に送信し、ユーザ端末10において、検索条件に該当する施設を示すマークと、当該施設の最寄りの交通手段を同時に表示された地図が表示された画面において、地図上にある「施設」ボタン、あるいは地図上の施設のマークの利用者によるクリックを受け、施設情報データベース22から該当施設の、施設名や住所、周辺の地図、部屋の空き状況、宿泊料金、サービス内容等の施設情報を検索し、ユーザ端末10に送信し、ユーザ端末10の入力フォーマットにおいて入力された、施設予約に必要な情報、例えば氏名、住所、電話番号、宿泊人数、宿泊日、到着時間等の情報含む予約要求情報を受信すると、利用者を識別するための利用者識別情報と予約内容を含む予約情報を生成して、施設予約情報サーバ30に送信し、施設予約情報サーバ30から、当該予約情報に基づく、自動的、あるいは宿泊施設の予約担当者により判断される予約登録可否(OKかNG)の予約結果情報を受信し、当該予約登録可否の結果を電子メール等によりユーザ端末10に通知し、受信した予約結果情報の予約登録可否の結果がNGであった場合、施設情報データベース22から予約要求情報の条件に該当するもの、あるいはそれに関連するものを自動的に再検索し、別候補の地図情報や施設情報をユーザ端末10に送信し、ユーザ端末10から、利用者により選択され、作成された別候補の再度予約要求情報を受信することができる、方法。」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
イ 原査定の拒絶の理由に引用された特開2002-312654号公報(以下、「引用文献2」という。)には、次のとおりの記載がある。下線は、注目箇所に当審が付した。
「【0002】【従来の技術】従来の宿泊施設の予約方法は、電話やインターネットを用いてホテルあるいは旅館等の空き情報を直接検索して予約を入れるといった宿泊希望者であるユーザが施設に対して個別に問い合わせるものであった。」
「【0008】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の予約方法においては、以下のような問題点があった。利用者側から見た場合、空き室のあるホテルや旅館を見つけるのに手間がかかるという問題点があった。【0009】すなわち、電話にて検索する場合もホームページから検索する場合も、一部のグループホテルについては情報を共有してホームページ上で提供している場合もあるが、大多数のホテルは個別に情報を提供しているため、電話番号やURLを調べたり検索した上で、空き室を見つけるまで1軒1軒個別に探さなければならないといった不具合があった。」
「【0014】本発明は、上記問題点に鑑みて成されたものであり、宿泊希望するユーザからの依頼を受けて、空きのある宿泊施設を検索して仮予約を行い、その結果をユーザに通知するまでを自動的に行う宿泊施設検索システム、その仮予約方法及びそのプログラムを提供することを第1の目的とする。」
「【0037】【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照しながら本発明の実施形態である宿泊施設検索システム、その仮予約方法及びそのプログラムを詳細に説明する。図1から図16に、本発明に係る宿泊施設検索システム、その仮予約方法及びそのプログラムの実施の形態を示す。【0038】〈第1の実施形態〉図1は、本発明の第1の実施形態である宿泊施設検索システムの概略構成を示すブロック図である。図1において、本発明の第1の実施形態である宿泊施設検索システムは、通信ネットワークとしてのインターネット100を介して、宿泊希望者が保有するユーザ端末101と、本システムの運営を担う仮予約センタにより管理される仮予約センタ端末102と、宿泊施設側で管理するホテル端末(宿泊施設端末)103と、が相互に接続されて構成される。【0039】ユーザ端末101は、webと電子メールが使用できるコンピュータあるいはインターネット100への接続可能な移動通信端末、例えば、携帯電話機(iモードやLモード等)である。ユーザ端末101は、仮予約センタによりインターネット100上で提供されているホテル検索情報等にアクセスし、検索情報を画面に表示し、選択結果を返す機能を備えている。【0040】検索情報としては、例えば、ホテルの種別、場所、部屋タイプ、料金等に関する情報であり、検索の優先順位等の選択も行え、同時に仮予約の結果を返す連絡先(メールアドレスや電話番号)を指定できる。ユーザ端末101は、さらに、仮予約確定結果をインターネット100を介して仮予約センタ端末102から受け取る機能を有する。【0041】仮予約センタ端末102は、ホテルの仮予約を代行する者により管理され、ワークステーション・サーバ等の情報処理装置によって構成される。仮予約センタ端末102は、ユーザの操作によりユーザ端末101から送出されたホテル検索条件等を受け付け、それに基づいた検索結果一覧を生成する機能を備えている。【0042】特に、ホテルの場所に関しては、住所や最寄り駅等からの距離による判断の他に、電話番号(市外局番や地域局番)もしくは郵便番号(地域番号を始めとして指定したい地区の桁まで)を指定することにより、その範囲内にあるホテルを抽出できる機能を有する。【0043】仮予約センタ端末102は、生成された検索結果一覧の上位のホテルから順に宿泊の仮予約が取れるまで、各ホテルのホテル端末103に空き情報の問い合わせを送信し、かつ送信確認する機能を備えている。この問い合わせ情報とは、ユーザと要求内容を識別するための情報であり、ユーザ端末101からの1回の要求毎に固有の情報として生成され、要求受付番号、要求者の人数、宿泊日程、部屋タイプ等の情報を含む。【0044】なお、仮予約センタ端末102は、インターネット100を介してホテル端末103から、仮予約の可否を受け取り、宿泊不可であれば、検索結果一覧の次のホテル端末103へ同様の処理を行い、宿泊可であればインターネット100を介して、当該ホテル端末103に宿泊者の連絡先等の情報を送信する機能を有する。連絡先等情報には仮予約受付番号と共に要求者の氏名、連絡先電話番号等を含む。」
「【0048】図2は、本発明の第1の実施形態である宿泊施設検索システムの処理例を示すフローチャートである。まず、システムへの登録を希望するホテルは、事前に仮予約センタへ必要情報を送信することにより、登録済みの状態とする。登録以降、ホテル情報に変更(料金や利用可能施設等の変更)が生じた場合、登録後に発行されるホテルコードと、パスワードとをweb上で入力することにより、更新処理を行うことも可能であるが、急でない場合は、この更新処理を電子メールやFAX等で変更届として仮予約センタ端末に依頼することもできる。仮予約センタ端末102がアクセスするホテル情報としては、例えば、図3に示すようなホテル情報が登録される。なお、このホテル情報は、ホテル種別により分けて、登録情報の項目を変えてもよい。【0049】仮予約を希望する要求者の情報も要求者情報に登録されるが、これは最初に仮予約の要求を行ったときに自動的に行われる。それ以降、特に更新のない限りは生年月日と連絡先のみの入力で仮予約が行える。ユーザ情報としては、例えば、図4に示すような情報が登録される。【0050】図2を参照すると、ユーザは、自分のユーザ端末101を介して、仮予約センタ端末102がインターネット100上に開設しているホテル仮予約ホームページにアクセスする(ステップS1)。仮予約センタ端末102は、これに応答するようにして、ホテルの検索情報をユーザ端末101に送信する(ステップS2)。【0051】ステップS2において、仮予約センタ端末102から送信された検索情報は、例えば、図5に示すような画面としてユーザ端末101に各種検索条件が表示される。ユーザは、この検索情報を確認し、宿泊希望するホテルの検索条件、優先度の高い選択項目、ユーザの情報等の必要事項を画面上で選択・指定し(ステップS4)、仮予約センタ端末102へ送信する(ステップS5)。続きを表示(全21行)【0052】ここでユーザの情報に関しては、最低限、生年月日と連絡先とするが、その他の情報も登録しておけば、より満足できる仮予約が行える。また生年月日と連絡先以外のユーザ情報に関しては、一度登録しておけば、以降変更がない限り登録する必要はない。【0053】仮予約センタ端末102は、ステップS5において、ユーザ端末101から送出された検索条件や連絡先等の情報を受信すると(ステップS6)、まず、受付番号の有無を確認し、受付番号が無い(新規要求の)場合は受付番号を発行し、ユーザ端末101へ通知する(ステップS7)。ユーザ端末101は、仮予約センタ端末102から通知された受付番号を受信し(ステップS8)、当該受付番号を以降の連絡確認および再検索時に使用する。【0054】仮予約センタ端末102は、ユーザ端末101から送出された検索条件と優先順位情報等を含むホテル情報とに基づいて仮予約を行うホテル(宿泊施設)の仮予約順の一覧を作成する(ステップS9)。なお、ホテルの位置判断は、住所や最寄駅等からの距離の他に、電話番号の市外局番や地域局番または郵便番号の地区コード等の番号によっても可能である。【0055】ステップS9において、仮予約候補のホテル順序の一覧作成後、一覧の最上位のホテル端末103に対して空き問い合わせ情報を送信する(ステップS10)。【0056】この空き問い合わせ情報に関しては、例えば、図6に示すような情報が送信される。これらの問い合わせと同時に、ホテルの電話に対して自動コールし、問い合わせ情報の送信連絡も行う。【0057】ホテル端末103は、仮予約センタ端末102からの空き問い合わせ情報を受信すると(ステップS11)、図7に示すような宿泊可否の結果を一定時間内に仮予約センタ端末102へ連絡する(ステップS12)。【0058】仮予約センタ端末102は、宿泊可否の結果を受信し(ステップS13)、宿泊が不可ならば再度ホテル順序の一覧の次のホテルを一覧から検索し(ステップS14)、検索された次のホテル端末103に対して空き問い合わせ情報の送信を行う(ステップS10)。【0059】上述する処理をホテル順序の一覧に候補のホテルが無くなるまで繰り返すが、最後まで宿泊可のホテルが無かった場合は、その旨を、例えば、図8に示すようなメッセージとしてユーザ端末101に通知する(ステップS17)。ユーザ端末101は、仮予約ができなかった旨の情報(メッセージ)を受信すると(ステップS18)、再度検索条件を変更して検索することも可能である(ステップS1からの処理を繰り返す)。【0060】仮予約センタ端末102は、ホテル端末103が宿泊可否の通知を一定時間経過(タイムアウト)しても行わなかった場合(ステップS20)、ホテル端末103に対して、例えば、図9に示すようなキャンセルの通知を送信し(ステップS21)、ホテルの優先度情報を更新する(ステップS22)。ホテル端末103は、このキャンセル通知を受信する(ステップS23)。【0061】ステップS13において、宿泊の許可がもらえた場合は、そのホテル端末103にホテル側で必要とするユーザ(仮予約成立者)の連絡先等を含んだ情報、例えば、図10に示すようなユーザ情報を通知して仮予約を行う(ステップS15)。【0062】また、仮予約センタ端末102は、ユーザ端末101に対して、仮予約の取れたホテルの情報を最終仮予約結果として、例えば、図11に示すような情報を通知し(ステップS17)、ユーザ端末101は、その内容を受信する(ステップS18)。【0063】ホテル端末103は、仮予約センタ端末102からユーザの仮予約情報を受け付け(ステップS16)、その後、必要に応じて仮予約の成立したユーザに電話連絡をし、正式な予約手続を行う。特に、観光ホテルタイプ等では、夕食の選択や利用施設の予約等の細かな打ち合わせに関して、電話連絡によって取り決められることとなる。【0064】仮予約センタ端末102は、仮予約の締結により、当該仮予約の成立したホテルの優先度情報を更新し(ステップS19)、次回以降の優先順位付けに反映させる。【0065】優先度情報とは、図3に示すように、ホテル情報内の空き情報問い合わせ総回数、仮予約成立総回数、宿泊不可連絡回数、最新仮予約日時等項目から成る。これにより、例えば、検索条件による順位が同等のホテルが複数存在した場合は、空き情報問い合わせ総回数が少ない順、それも同じであれば仮予約成立総回数が少ない順、それも同じであれば宿泊不可連絡回数が多い順(ホテル側は、宿泊不可の連絡を仮予約センタ端末102に通知する可能性が高くなる)、それも同じであれば最新仮予約日時が古い順、それも同じであれば登録ホテルコード順に列べることによって仮予約の問い合わせを行うホテルに偏りが生じないようにすることができる。つまり、検索条件において全く同じホテルA,B,Cが存在していた場合、1回目の仮予約候補一覧ではA→B→Cの順に並んでいたとしても、Aのホテルに関して仮予約が行われた後、同じ条件で仮予約候補一覧を作成したときは、ホテルの優先度情報により今度はB→C→Aの順となる。【0066】仮予約センタ端末102は、仮予約の可否情報をユーザに対して通知した後、仮予約の再要求が行われる場合を考慮し、仮予約の可否に係わらず、その受付番号、宿泊希望初日を仮予約センタ端末102内にユーザ情報とリンクさせて保存しておく。この受付番号は、仮予約候補のホテル一覧表ともリンクしており、宿泊希望初日を過ぎた時点で、その受付番号と、宿泊希望初日と、対応する仮予約候補一覧表とが仮予約センタ端末102内から削除される。【0067】なお、仮予約が不可だった場合、ユーザ端末101から前回の受付番号と前回より検索条件を緩めた条件での仮予約の要求を行うことで、仮予約センタ端末102は、前回問い合わせを行ったホテルへの問い合わせを避けることができ、効率よい仮予約の問い合わせを行うことができる。【0068】また、仮予約が成立した場合、その後のホテルとの電話連絡で正式予約に至らず、再度仮予約の要求を行う際にも、ユーザ端末101から前回の受付番号で仮予約の再要求を行うことで、仮予約センタ端末102は、仮予約候補のホテル一覧表の前回問い合わせを行ったホテルの続きから問い合わせ行うことができ、効率よい仮予約の問い合わせを行うことができる。その際、未問い合わせホテルの優先度情報が前回と変わっていた場合は、その部分の並べ替えを行う。」
[図:0001393458000003.jpg]
図2
(3)対比
本件補正発明と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「ユーザ端末10」は、本件補正発明の「ユーザー端末」に相当する。
引用発明は、ユーザ端末からの利用者が地図上でクリックされた施設を示すマークに対応する施設について、利用者の入力による予約要求情報を受け取って該当する施設の予約処理を行うのに必要な予約情報を生成することから、引用発明の「利用者によるクリックを受けた施設を示すマークに対応する施設」、「利用者の入力による予約要求情報」は、それぞれ、本件補正発明の「予約対象となる第1施設」、「一又は複数の予約内容」に相当する。
よって、引用発明の「ユーザ端末10において、検索条件に該当する施設を示すマークと、当該施設の最寄りの交通手段を同時に表示された地図が表示された画面において、」「地図上の施設のマークの利用者によるクリックを受け、」「ユーザ端末10の入力フォーマットにおいて入力された、施設予約に必要な情報、例えば氏名、住所、電話番号、宿泊人数、宿泊日、到着時間等の情報含む予約要求情報を受信する」ことと、本件補正発明の「予約対象となる第1施設と一又は複数の予約内容とを含む初期予約条件の入力をユーザー端末から受け付け」ることとは、「予約対象となる第1施設と一又は複数の予約内容の入力をユーザー端末から受け付け」る点で共通する。
イ 引用発明の、予約要求情報を受信すると利用者を識別するための利用者識別情報と予約内容を含む予約情報を生成して施設予約情報サーバ30に送信する処理において、予約情報を送信する先である施設予約情報サーバは、予約対象の施設に対応するものであることは明らかであるから、本件補正発明の「第1施設」に対応するものである。
よって、引用発明の、予約要求情報を受信すると、利用者を識別するための利用者識別情報と予約内容を含む予約情報を生成して施設予約情報サーバ30に送信することと、本件補正発明の「前記第1施設に対応する施設端末に前記予約内容を通知」することとは、「前記第1施設に対応する情報処理装置に前記予約内容を通知」する点で共通する。
ウ 引用発明の「予約結果情報」は、施設予約情報サーバ30から受信する「予約要求情報」に対する予約登録可否(OKかNG)の情報であるから、本件補正発明の「施設端末からの返信」に相当する。
よって、引用発明の、「施設予約情報サーバ30から、当該予約情報に基づく、自動的、あるいは宿泊施設の予約担当者により判断される予約登録可否(OKかNG)の予約結果情報を受信し、当該予約登録可否の結果を電子メール等によりユーザ端末10に通知」することと、本件補正発明の「又は」で択一的に記載された「前記施設端末からの返信を受け付けた場合に予約を成立させ又は返信内容を前記ユーザー端末に通知」することの一方の「前記施設端末からの返信を受け付けた場合に返信内容を前記ユーザー端末に通知」することとは、「前記情報処理装置からの返信を受け付けた場合に返信内容を前記ユーザー端末に通知」する点で共通する。
エ 引用発明の、予約内容に含まれる「施設予約に必要な情報」として例示される、宿泊人数、宿泊日、到着時間等の情報は条件といえるものであり、引用発明の「別候補の」「施設情報」は、「前記第1施設を除く一又は複数の第2施設」であることは明らかであるから、引用発明の、施設情報データベース22から予約要求情報の条件に該当するもの、あるいはそれに関連するものを自動的に再検索し、別候補の地図情報や施設情報をユーザ端末10に送信することと、本件補正発明の「前記予約内容が前記施設端末に通知された後、前記施設端末からの返信を有効に受け付ける期間として予め設定された待機期間内に前記施設端末からの返信がない場合に、前記施設端末からの返信受付を終了して、前記初期予約条件に基づいて前記第1施設を除く一又は複数の第2施設を抽出し、前記抽出された一又は複数の前記第2施設の情報を前記ユーザー端末に通知する」こととは、「予約内容に基づいて前記第1施設を除く一又は複数の第2施設を抽出し、前記抽出された一又は複数の前記第2施設の情報を前記ユーザー端末に通知する」点で共通する。
オ 引用発明の地図情報サーバは、ワークステーションサーバ等の情報処理装置から構成されるものであり、一般的に、情報処理装置は一又は複数のプロセッサーを備え、当該プロセッサーが処理を行うものであるから、施設予約システムにおける地図情報サーバによる施設予約の方法である引用発明は、地図情報サーバが備える一又は複数のプロセッサーが実行していることは明らかである。
また、引用発明における施設予約の方法は、施設予約を行うためのものであるから、予約支援方法といえる。
よって、引用発明の「地図情報サーバによる施設予約方法」は、本件補正発明と同様の「一又は複数のプロセッサーが」行う「予約支援方法」であるといえる。
カ 以上、上記ア~オによると、本件補正発明と引用発明とは、次の一致点、相違点を有する。
[一致点]
一又は複数のプロセッサーが、
予約対象となる第1施設と一又は複数の予約内容の入力をユーザー端末から受け付け、
前記第1施設に対応する情報処理装置に前記予約内容を通知し、
前記情報処理装置からの返信を受け付けた場合に予約を成立させ又は返信内容を前記ユーザー端末に通知し、
予約内容に基づいて前記第1施設を除く一又は複数の第2施設を抽出し、前記抽出された一又は複数の前記第2施設の情報を前記ユーザー端末に通知する、
予約支援方法。
[相違点1]
本件補正発明では、ユーザー端末から第1施設と一又は複数の予約内容とを含む初期予約条件の入力を受け付けるのに対し、引用発明では、第1施設と一又は複数の予約内容の入力を受け付けるものの、これらを初期予約条件と称していない点。
[相違点2]
予約内容の通知先であって、返信の送信元でもある、第1施設に対応する情報処理装置が、本件補正発明では施設端末であるのに対し、引用発明では施設予約情報サーバである点。
[相違点3]
予約内容に基づいて第1施設を除く一又は複数の第2施設を抽出し、前記抽出された一又は複数の前記第2施設の情報を前記ユーザー端末に通知する処理を、本件補正発明では、予約内容が施設端末に通知された後、前記施設端末からの返信を有効に受け付ける期間として予め設定された待機期間内に前記施設端末からの返信がない場合に行い、併せて、施設端末からの返信受付を終了するのに対し、引用発明では、予約結果情報の予約登録可否の結果がNGであった場合に行う点。
(4)判断
上記[相違点1]、[相違点2]、[相違点3]について検討する。
ア[相違点1]について
引用発明においても、ユーザー端末から第1施設と一又は複数の予約内容を受け付け、予約結果情報の予約登録可否の結果がNGであった場合、同じ予約内容で別候補を再検索するから、予約内容を初期予約条件と称することは、当業者が適宜なし得たことである。
イ[相違点2]について
引用文献1の【0022】において「施設予約情報サーバ30は、ワークステーションサーバ等の情報処理装置であり、各施設に設けられる。」と記載されていることから、引用発明の施設予約情報サーバに代えて、情報処理装置の一種である施設端末を用いる構成とすることは、当業者であれば適宜なし得たことである。
ウ[相違点3]について
引用発明は、施設予約情報サーバ30から、当該予約情報に基づく、自動的、あるいは宿泊施設の予約担当者により判断される予約登録可否(OKかNG)の予約結果情報を受信するものであり、予約担当者により予約登録の可否が判断される場合も想定している。そして、予約担当者により予約登録の可否が判断される場合には予約結果情報が長時間送信されてこないことが生じ得ることは明らかである。
ユーザーにとって、予約を早く行いたいというニーズがあることは自明であり、宿泊施設の予約担当者により予約登録の可否が判断される場合、少なくとも予約結果情報が送信されてくるまでの間は第1施設の予約はできておらず、さらに、予約結果情報が送信されてくるのを待っている間に、第1施設に類似する他の施設(第2施設)が他者により予約されてしまい予約枠が埋まってしまうことがあり得るから、予約結果情報が送信されてくるのを単に待ち続けることは、第1施設に類似する他の施設(第2施設)の予約ができなくなるリスクがあることは明らかである。
一方、引用文献2には、
「宿泊施設の仮予約において、仮予約センタ端末102は、ホテル端末103に対して空き問い合わせ情報を送信し(【0043】)、ホテル端末103は、仮予約センタ端末102からの空き問い合わせ情報を受信すると、宿泊可否の結果を一定時間内に仮予約センタ端末へ連絡し(【0057】)、仮予約センタ端末102は、宿泊可否の結果を受信し、宿泊が不可ならば、次のホテル端末103に対して空き問い合わせ情報の送信を行い(【0058】)、宿泊の許可がもらえた場合は、そのホテル端末103にホテル側で必要とするユーザ(仮予約成立者)の連絡先等を含んだユーザ情報を通知して仮予約を行い(【0061】)、仮予約センタ端末102は、ホテル端末103が宿泊可否の通知を一定時間経過(タイムアウト)しても行わなかった場合、ホテル端末103に対して、キャンセルの通知を送信し、次のホテルへ空き問い合わせ情報を送信する(【0058】、【0060】、図2)、こと」(以下、「引用文献2記載技術」という。)が記載されており、引用文献2の「仮予約」は、宿泊が可であることを表すから実質的に宿泊の予約といえるため、引用発明と引用文献2記載技術とは、施設側に問い合わせて返信を受けることにより施設の予約を行うという共通の機能を有する。
よって、当業者であれば、引用発明の上記リスクを勘案して、施設端末から予約結果情報が送信されてこない場合であっても予約の処理を進めるために、引用発明に上記引用文献2記載技術を適用し、予約内容が施設端末に通知された後、前記施設端末からの返信を有効に受け付ける期間として予め設定された待機期間内に前記施設端末からの返信がない場合にも、予約がNGの場合と同様に、次の施設に問い合わせるために、初期予約条件に基づいて第1施設を除く一又は複数の第2施設を抽出し、前記抽出された一又は複数の前記第2施設の情報を前記ユーザー端末に通知するようにすること、及び、次の施設の予約のための処理を開始することから、第1施設に対応する施設端末にキャンセルの通知をする等の返信受付を終了することは当業者が容易になし得たことである。
エ 作用効果について
(ア)本願明細書の「ところで、この種のシステムでは、特定の施設への予約要求をユーザー端末から受け付けた後、その特定の施設からの返信に応じて予約を成立させる予約手法が採用されることがある。このような予約手法では、施設からの返信が遅ければユーザーの待ち時間が長くなるため、施設からの返信は迅速に行われることが望ましい。」(【0004】)及び、「本発明の目的は、ユーザーの要求に対する施設側の早期の返信を促すことが可能な予約支援方法、予約支援プログラム、及び予約支援装置を提供することにある。」(【0005】)の記載によれば、本件補正発明の効果は、「ユーザーの要求に対する施設側の早期の返信を促す」ことである。
一方、引用文献2の「仮予約センタ端末102は、ホテル端末103が宿泊可否の通知を一定時間経過(タイムアウト)しても行わなかった場合(ステップS20)、ホテル端末103に対して、例えば、図9に示すようなキャンセルの通知を送信し(ステップS21)、ホテルの優先度情報を更新する(ステップS22)。ホテル端末103は、このキャンセル通知を受信する(ステップS23)。」(【0060】)及び「優先度情報とは、図3に示すように、ホテル情報内の空き情報問い合わせ総回数、仮予約成立総回数、宿泊不可連絡回数、最新仮予約日時等項目から成る。これにより、例えば、検索条件による順位が同等のホテルが複数存在した場合は、空き情報問い合わせ総回数が少ない順、それも同じであれば仮予約成立総回数が少ない順、それも同じであれば宿泊不可連絡回数が多い順(ホテル側は、宿泊不可の連絡を仮予約センタ端末102に通知する可能性が高くなる)、それも同じであれば最新仮予約日時が古い順、それも同じであれば登録ホテルコード順に列べることによって仮予約の問い合わせを行うホテルに偏りが生じないようにすることができる。つまり、検索条件において全く同じホテルA,B,Cが存在していた場合、1回目の仮予約候補一覧ではA→B→Cの順に並んでいたとしても、Aのホテルに関して仮予約が行われた後、同じ条件で仮予約候補一覧を作成したときは、ホテルの優先度情報により今度はB→C→Aの順となる。」(【0065】)の記載によれば、引用文献2記載技術は、宿泊不可の通知を行うと仮予約候補一覧の作成に用いられる優先度情報を高くすることによって、宿泊不可の連絡を一定時間が経過する前に行うことを促す構成といえるから、本件補正発明の作用効果は、引用発明及び引用文献2記載技術の奏する作用効果から予測される範囲のものである。
よって、本件補正発明の効果は、格別のものでない。
(イ)請求人が審判請求書の請求の理由において主張する、本件補正発明は、ユーザー端末のユーザーが、再検索操作などの手間を要することなく有益な情報を容易に得ることができるという作用効果は、引用文献1の【0031】に「ここで、予約結果情報の予約登録可否の結果がNGであった場合(ステップA8)、地図情報サーバ20は、施設情報データベース22から予約要求情報の条件に該当するもの、あるいはそれに関連するものを自動的に再検索し、別候補の地図情報や施設情報をユーザ端末10に送信する(ステップA10)」と記載されていることから、引用発明に引用文献2記載技術を適用した際に当然得られる作用効果である。
また、請求人が審判請求書の請求の理由において主張する、「前記第1施設としては、前記待機期間内に返信をしなければ、予約受付の契機を逃してしまうだけでなく、ユーザーが前記第2施設の情報を知得して当該第2施設を利用することになる可能性があるため、前記第1施設から予約内容についての返信が早く行われることが期待され、ユーザーの待ち時間を短縮することができる」という作用効果も、前記(ア)に記載のとおり、引用文献2の記載からみて、引用発明及び引用文献2記載技術の奏する作用効果から予測される範囲のものである。
オ むすび
したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2記載技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 補正の却下の決定についてのむすび
よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和3年1月6日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和2年5月18日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし14に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。
「 【請求項1】一又は複数のプロセッサーが、予約対象となる第1施設と一又は複数の予約内容とを含む初期予約条件の入力をユーザー端末から受け付け、前記第1施設に対応する施設端末に前記予約内容を通知し、前記施設端末からの返信を受け付けた場合に予約を成立させ又は返信内容を前記ユーザー端末に通知し、前記予約内容が前記施設端末に通知された後、予め設定された待機期間内に前記施設端末からの返信がない場合に、前記施設端末からの返信受付を終了して、前記初期予約条件に基づいて前記第1施設を除く一又は複数の第2施設を抽出し、前記抽出された一又は複数の前記第2施設の情報を前記ユーザー端末に通知する、予約支援方法。」
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
(1)対比
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「予め設定された待機期間」が「前記施設端末からの返信を有効に受け付ける期間として」予め設定されたものであるという限定事項を削除したものである。
よって、本願発明と引用発明とを対比すると、本願発明と引用発明とは、前記第2の[理由]2(3)に示した一致点を有する。
そして、両者は、下記の相違点1~3′を有する。
[相違点1]
本願発明では、ユーザー端末から第1施設と一又は複数の予約内容とを含む初期予約条件の入力を受け付けるのに対し、引用発明では、第1施設と一又は複数の予約内容の入力を受け付けるものの、これらを初期予約条件と称していない点。
[相違点2]
予約内容の通知先であって、返信の送信元でもある、第1施設に対応する情報処理装置が、本願発明では施設端末であるのに対し、引用発明では施設予約情報サーバである点。
[相違点3′]
予約内容に基づいて第1施設を除く一又は複数の第2施設を抽出し、前記抽出された一又は複数の前記第2施設の情報を前記ユーザー端末に通知する処理を、本願発明では、予約内容が施設端末に通知された後、予め設定された待機期間内に前記施設端末からの返信がない場合に行い、併せて、施設端末からの返信受付を終了するのに対し、引用発明では、予約結果情報の予約登録可否の結果がNGであった場合に行う点。
(2)判断
相違点1~2は、前記第2の[理由]2(3)に示した相違点1~2と同じであり、また、相違点3′の「予め設定された待機期間」は「前記施設端末からの返信を有効に受け付ける期間として」予め設定されたものである場合を含むものである点で前記第2の[理由]2(3)に示した相違点3と共通することから、相違点1~3′についての検討の内容は、前記第2の[理由]2(4)アないしエに示したとおりのものとなる。
したがって、本願発明は、当業者が引用発明及び引用文献2記載技術に基いて容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2021-000170