特許異議申立
2020-700220
機械式駐車設備の制御方法と機械式駐車設備
- 審判番号
- 2020-700220
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2016-068988
- 登録番号
- 6626389
- 請求日
- 2020年03月31日
- 審決日
- 2021年10月07日
- 公報発行日
- 2022年01月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】新明和工業株式会社
- 【権利者代理人】後藤 高志
- 【異議申立人】小松 珠美
- 審判長/審判官
- 審判長 森次 顕
- 審判官 長井 真一
- 審判官 住田 秀弘
- 分類
- P1651.121-YAA(E04H) / P1651.537-YAA(E04H)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第36条、特許法第29条、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第4項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6626389号発明「機械式駐車設備の制御方法と機械式駐車設備」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第6626389号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~7〕について訂正することを認める。
特許第6626389号の請求項1ないし7に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第6626389号(以下「本件特許」という。)の請求項1ないし7に係る発明についての出願は、平成28年3月30日にされたものであって、令和1年12月6日にその特許権の設定登録がされ、同年12月25日に特許掲載公報が発行されたものである。
その後、本件特許の請求項1ないし7に係る発明の特許について、令和2年3月31日に特許異議申立人 小松珠美(以下「申立人」という。)より特許異議の申立てがされ、当審より同年9月25日付けで取消理由を通知したところ、その指定期間内に特許権者から同年11月27日付けで意見書の提出、及び訂正の請求がされ、これに対して令和3年1月8日付けで申立人より意見書が提出され、当審より令和3年3月24日付けで取消理由(予告)を通知したところ、その指定期間内に特許権者から同年5月27日付けで意見書の提出、及び訂正の請求(以下「本件訂正請求」といい、この請求による訂正を「本件訂正」という。)がされ、これに対して同年7月16日付けで申立人より意見書が提出されたものである。
なお、本件訂正請求がされたことにより、令和2年11月27日にされた訂正の請求は、特許法120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。
第2 本件訂正の適否についての判断
1 本件訂正の内容
本件訂正の内容は、以下のとおりである。下線部は、訂正箇所を示す。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲における請求項1の「前記車両の入出庫後に前記入出庫部における安全確認を前記利用者が行った後に行う安全確認処理と、」との記載を、
「前記車両の入出庫後に前記入出庫部における安全確認を前記利用者が行った後に行う安全確認処理と、
前記利用者による閉扉操作が実行されたか否かを判定する閉扉操作判定処理と、」との記載に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項3~7も同様に訂正する。)。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲における請求項1の「前記安全確認処理の後に前記利用者から第2認証データを取得する第2認証データ取得処理と、」との記載を、
「前記安全確認処理の後、かつ、前記閉扉操作判定処理の後に前記利用者から第2データを取得する第2認証データ取得処理と、」との記載に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項3~7も同様に訂正する。)。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲における請求項1の「前記利用者が前記入出庫部から退出したことを検知しない限り前記安全確認処理を受け付けない、」との記載を、
「前記利用者が前記入出庫部から退出したことを検知しない限り前記安全確認処理を受け付けず、
前記安全確認処理または前記閉扉操作判定処理の後、前記入出庫部内において前記車両を除く他の物体を検知した場合、前記安全確認処理および前記閉扉操作判定処理をリセットし、前記安全確認処理を再度受け付ける、」との記載に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項3~7も同様に訂正する。)。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲における請求項2の「前記車両の入出庫後に前記入出庫部における安全確認を前記利用者が行った後に行う安全確認処理と、」との記載を、
「前記車両の入出庫後に前記入出庫部における安全確認を前記利用者が行った後に行う安全確認処理と、
前記利用者による閉扉操作が実行されたか否かを判定する閉扉操作判定処理と、」との記載に訂正する(請求項2の記載を引用する請求項3~7も同様に訂正する。)。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲における請求項2の「前記安全確認処理の後に前記利用者から第2認証データを取得する第2認証データ取得処理と、」との記載を、
「前記安全確認処理の後、かつ前記閉扉操作判定処理の後に前記利用者から第2認証データを取得する第2認証データ取得処理と、」との記載に訂正する(請求項2の記載を引用する請求項3~7も同様に訂正する。)。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲における請求項2の「前記開扉処理を行った後は、非常停止以外の操作を受け付けない運転操作機能ロック状態とし、前記利用者が前記入出庫部から退出したことの検知と、前記車両を除く他の物体を検知していないことを条件に、前記運転操作機能ロック状態を解除して少なくとも前記安全確認処理を受け付けるようにした、」との記載を、
「前記開扉処理を行った後は、非常停止以外の操作を受け付けない運転操作機能ロック状態とし、前記利用者が前記入出庫部から退出したことの検知と、前記車両を除く他の物体を検知していないことを条件に、前記運転操作機能ロック状態を解除して少なくとも前記安全確認処理を受け付けるようにし、
前記安全確認処理または前記閉扉操作判定処理の後、前記入出庫部内において前記車両を除く他の物体を検知した場合、前記安全確認処理および前記閉操判定処理をリセットし、前記安全確認処理を再度受け付ける、」との記載に訂正する(請求項2の記載を引用する請求項3~7も同様に訂正する。)。
2 本件訂正請求についての当審の判断
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の請求項1に記載の「前記車両の入出庫後に前記入出庫部における安全確認を前記利用者が行った後に行う安全確認処理」の後に「前記利用者による閉扉操作が実行されたか否かを判定する閉扉操作判定処理」を行うものであることを特定し、「安全確認処理」の後の制御内容をさらに特定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に規定する、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項1は、上記アのとおり特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許に係る出願の願書に添付した明細書の段落【0030】には、「この実施形態では、この安全確認ボタン20が押されたか否かの判定とは別に、閉扉操作が実行されたか否かの判定も行われている(S9)。」との記載がされており、制御のフローを示す図2には、安全確認ボタン20が押されたか否かの判定(S8)の後に、閉扉操作が実行されたか否かの判定(S9)を行うことが記載されており、上記訂正に係る事項が記載されていることは明らかであるから、訂正事項1は、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。
(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前の請求項1に記載の「前記利用者から第2データを取得する第2認証データ取得処理」が「前記安全確認処理の後」になされるとしていたのを、「前記安全確認処理の後」であって、かつ「前記閉扉操作判定処理の後」になされるとして「第2認証データ取得処理」のなされるタイミングをさらに特定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に規定する、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項2は、上記アのとおり特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許に係る出願の願書に添付した明細書の段落【0036】には、「上記安全確認操作(S8)及び閉扉操作(S9)が実行された後、所定時間内に第2認証データ取得操作が実行されると(S12)、第2認証データ取得処理が行われる(S14)。」との記載がされており、制御のフローを示す図2には、安全確認ボタン20が押されたか否かの判定(S8)及び閉扉操作が実行されたか否かの判定(S9)の後に、第2認証データ取得処理(S14)を行うことが記載されており、上記訂正に係る事項が記載されていることは明らかであるから、訂正事項2は、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。
(3)訂正事項3
ア 訂正の目的について
訂正事項3は、訂正前の請求項1の記載において、「前記利用者が前記入出庫部から退出したことを検知しない限り前記安全確認処理を受け付け」ないとしていたのに加え、「前記安全確認処理または前記閉扉操作判定処理の後、前記入出庫部内において前記車両を除く他の物体を検知した場合、前記安全確認処理をリセットし、前記安全確認処理を再度受け付ける、」ものであるとして、「安全確認処理」を受け付ける条件についてさらに特定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に規定する、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項1は、上記アのとおり特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許に係る出願の願書に添付した明細書の段落【0035】には、「また、入出庫部3内の物体検知センサ11~15による検知を含めた制御としては、上記「安全確認操作」または「閉扉操作」の後、入出庫部3内の車両検知センサ10以外の物体検知センサ11~15が物体を検知した場合も、同様に、「安全確認操作」の入力をリセットし、再度「安全確認操作」の確認(S8)から行うようにできる。」との記載がされており、上記訂正に係る事項が記載されていることは明らかであるから、訂正事項1は、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。
(4)訂正事項4
ア 訂正の目的について
訂正事項4は、訂正前の請求項2に記載の「前記車両の入出庫後に前記入出庫部における安全確認を前記利用者が行った後に行う安全確認処理」の後に「前記利用者による閉扉操作が実行されたか否かを判定する閉扉操作判定処理」を行うものであることを特定し、「安全確認処理」の後の制御内容をさらに特定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に規定する、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項4は、上記アのとおり特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許に係る出願の願書に添付した明細書の段落【0030】には、「この実施形態では、この安全確認ボタン20が押されたか否かの判定とは別に、閉扉操作が実行されたか否かの判定も行われている(S9)。」との記載がされており、制御のフローを示す図2には、安全確認ボタン20が押されたか否かの判定(S8)の後に、閉扉操作が実行されたか否かの判定(S9)を行うことが記載されており、上記訂正に係る事項が記載されていることは明らかであるから、訂正事項4は、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。
(5)訂正事項5
ア 訂正の目的について
訂正事項5は、訂正前の請求項2に記載の「前記利用者から第2データを取得する第2認証データ取得処理」が「前記安全確認処理の後」になされるとしていたのを、「前記安全確認処理の後」であって、かつ「前記閉扉操作判定処理の後」になされるとして「第2認証データ取得処理」のなされるタイミングをさらに特定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に規定する、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項5は、上記アのとおり特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許に係る出願の願書に添付した明細書の段落【0036】には、「上記安全確認操作(S8)及び閉扉操作(S9)が実行された後、所定時間内に第2認証データ取得操作が実行されると(S12)、第2認証データ取得処理が行われる(S14)。」との記載がされており、制御のフローを示す図2には、安全確認ボタン20が押されたか否かの判定(S8)及び閉扉操作が実行されたか否かの判定(S9)の後に、第2認証データ取得処理(S14)を行うことが記載されており、上記訂正に係る事項が記載されていることは明らかであるから、訂正事項5は、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。
(6)訂正事項6
ア 訂正の目的について
訂正事項6は、訂正前の請求項2の記載において、「前記開扉処理を行った後は、非常停止以外の操作を受け付けない運転操作機能ロック状態とし、前記利用者が前記入出庫部から退出したことの検知と、前記車両を除く他の物体を検知していないことを条件に、前記運転操作機能ロック状態を解除して少なくとも前記安全確認処理を受け付ける」としていたのに加え、「前記安全確認処理または前記閉扉操作判定処理の後、前記入出庫部内において前記車両を除く他の物体を検知した場合、前記安全確認処理をリセットし、前記安全確認処理を再度受け付ける、」ものであるとして、「安全確認処理」を受け付ける条件についてさらに特定するものであるから、特許法120条の5第2項ただし書1号に規定する、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないこと
訂正事項1は、上記アのとおり特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法120条の5第9項において準用する同法126条6項の規定に適合する。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
本件特許に係る出願の願書に添付した明細書の段落【0035】には、「また、入出庫部3内の物体検知センサ11~15による検知を含めた制御としては、上記「安全確認操作」または「閉扉操作」の後、入出庫部3内の車両検知センサ10以外の物体検知センサ11~15が物体を検知した場合も、同様に、「安全確認操作」の入力をリセットし、再度「安全確認操作」の確認(S8)から行うようにできる。」との記載がされており、上記訂正に係る事項が記載されていることは明らかであるから、訂正事項1は、特許法120条の5第9項において準用する同法126条5項の規定に適合する。
3 一群の請求項について
訂正事項1に係る訂正前の請求項1及び3ないし7について、請求項3ないし7はそれぞれ請求項1を引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであり、訂正事項2に係る訂正前の請求項2ないし7について、請求項3ないし7はそれぞれ請求項2を引用しているものであって、訂正事項2によって記載が訂正される請求項2に連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項1及び3ないし7、並びに、請求項2ないし7はそれぞれ一群の請求項である。
そして、当該訂正前の請求項1及び3ないし7と請求項2ないし7とは、共通する請求項3ないし7を介して一体として特許請求の範囲の全部を形成するように連関している関係にあるから(特許法施行規則45条の4)、訂正前の請求項1ないし7に対応する訂正後の請求項1ないし7は、特許法120条の5第4項の規定に適合する一群の請求項である。
4 小括
以上検討したとおり、訂正事項1ないし6に係る訂正は、特許法120条の5第2項ただし書1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条9項で準用する同法126条5項及び6項の規定に適合するので、訂正後の請求項1ないし7について本件訂正のとおり訂正することを認める。
第3 本件発明
本件訂正後の請求項1ないし7に係る発明(以下、各請求項に係る発明を「本件発明1」などという。)は、以下のとおりである。
「【請求項1】
利用者が入出庫部において車両の入出庫を行う機械式駐車設備の制御方法であって、
前記機械式駐車設備の前記利用者を登録する登録処理と、
前記機械式駐車設備の出入口扉を開く前に前記利用者から取得した第1認証データに基づいて登録された前記利用者であるか否かを照合する第1認証処理と、
前記第1認証処理によって前記利用者であることが照合されたことで前記出入口扉を開放できる開扉処理と、
前記車両の入出庫後に前記入出庫部における安全確認を前記利用者が行った後に行う安全確認処理と、
前記利用者による閉扉操作が実行されたか否かを判定する閉扉操作判定処理と、
前記安全確認処理の後、かつ、前記閉扉操作判定処理の後に前記利用者から第2認証データを取得する第2認証データ取得処理と、
前記第1認証データと前記第2認証データとを照合する照合処理と、
前記照合処理で前記第1認証データと前記第2認証データとが一致したことで前記出入口扉を閉鎖する閉扉処理と、
を有し、
前記利用者が前記入出庫部から退出したことを検知しない限り前記安全確認処理を受け付けず、
前記安全確認処理または前記閉扉操作判定処理の後、前記入出庫部内において前記車両を除く他の物体を検知した場合、前記安全確認処理および前記閉扉操作判定処理をリセットし、前記安全確認処理を再度受け付ける、ことを特徴とする機械式駐車設備の制御方法。
【請求項2】
利用者が入出庫部において車両の入出庫を行う機械式駐車設備の制御方法であって、
前記機械式駐車設備の前記利用者を登録する登録処理と、
前記機械式駐車設備の出入口扉を開く前に前記利用者から取得した第1認証データに基づいて登録された前記利用者であるか否かを照合する第1認証処理と、
前記第1認証処理によって前記利用者であることが照合されたことで前記出入口扉を開放できる開扉処理と、
前記車両の入出庫後に前記入出庫部における安全確認を前記利用者が行った後に行う安全確認処理と、
前記利用者による閉扉操作が実行されたか否かを判定する閉扉操作判定処理と、
前記安全確認処理の後、かつ、前記閉扉操作判定処理の後に前記利用者から第2認証データを取得する第2認証データ取得処理と、
前記第1認証データと前記第2認証データとを照合する照合処理と、
前記照合処理で前記第1認証データと前記第2認証データとが一致したことで前記出入口扉を閉鎖する閉扉処理と、
を有し、
前記開扉処理を行った後は、非常停止以外の操作を受け付けない運転操作機能ロック状態とし、前記利用者が前記入出庫部から退出したことの検知と、前記車両を除く他の物体を検知していないことを条件に、前記運転操作機能ロック状態を解除して少なくとも前記安全確認処理を受け付けるようにし、
前記安全確認処理または前記閉扉操作判定処理の後、前記入出庫部内において前記車両を除く他の物体を検知した場合、前記安全確認処理および前記閉扉操作判定処理をリセットし、前記安全確認処理を再度受け付ける、ことを特徴とする機械式駐車設備の制御方法。
【請求項3】
前記安全確認処理は、前記出入口扉を閉鎖する実行指令を兼ねており、前記照合処理で前記第1認証データと前記第2認証データとが一致したことで前記安全確認処理に基づいて前記出入口扉を閉鎖するようにした、請求項1又は2に記載の機械式駐車設備の制御方法。
【請求項4】
前記第2認証データ取得処理の後、前記第1認証処理の前記第1認証データと前記第2認証データ取得処理の前記第2認証データの照合結果が一致することで、前記出入口扉の閉扉動作を開始することを前記利用者に報知し、報知後に所定時間を経過することで閉扉動作を開始するようにした、請求項1~3のいずれか1項に記載の機械式駐車設備の制御方法。
【請求項5】
前記第2認証データ取得処理の前に、該第2認証データ取得処理によって前記出入口扉の閉扉動作が開始されることを通知するようにした、請求項1~4のいずれか1項に記載の機械式駐車設備の制御方法。
【請求項6】
前記安全確認処理を行う安全確認ボタンと、少なくとも入出庫部からの退出、停車位置の車両の有無、停車位置周辺の利用者歩行部における物体の有無、を検知する物体検知センサと、を備え、
前記開扉処理を行った後は、非常停止以外の操作を受け付けない運転操作機能ロック状態とし、
前記利用者が前記入出庫部から退出したことを検知し、前記停車位置の車両の有無を検知する物体検知センサを除く他の物体検知センサが物体を検知していないことを条件に、前記運転操作機能ロック状態を解除して少なくとも前記安全確認ボタンの操作を受け付けるようにした、請求項1~5のいずれか1項に記載の機械式駐車設備の制御方法。
【請求項7】
利用者が入出庫部において車両の入出庫を行う機械式駐車設備であって、
請求項1~6のいずれか1項に記載の制御方法を記憶する記憶部を有する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記利用者の前記第1認証処理の結果に基づいて前記出入口扉を開放し、前記利用者の前記第2認証データ取得処理と前記第1認証処理との照合結果に基づいて前記出入口扉を閉鎖するように構成されている、ことを特徴とする機械式駐車設備。」
第4 取消理由の概要
1 取消理由の要旨
本件訂正前の請求項1ないし7に係る発明に対して、当審が令和3年3月24日付けの取消理由通知(決定の予告)において特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
請求項1ないし7に係る発明は、本件出願前に頒布された甲第1号証に記載された発明及び周知技術に基いて、又は甲第1号証に記載された発明、文献2技術事項及び周知技術に基いて、本件出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものである。
2 証拠
下記(1)、(2)における証拠は、上記取消理由通知(決定の予告)において引用したものである。
(1)申立人が異議申立書とともに提出した証拠
・甲第1号証:特開2006-118216号公報
・甲第2号証:特開昭51-42268号公報
・甲第5号証:機械式駐車装置の安全機能に関する認証基準
平成26年12月5日、公益社団法人立体駐車場工業会
(2)当審が職権により探知した証拠
・ 文献1 :特開2016-3493号公報
・ 文献2 :特開2003-970767号公報
(3)なお、申立人は、令和3年1月8日付け意見書に添付して甲第7号証を、本件訂正後に同年7月16日付けの意見書に添付して甲第8号証及び甲第9号証を提出した。
・甲第7号証:特開2015-48595号公報
・甲第8号証:特許第5480423号公報
・甲第9号証:特開2015-151679号公報
第5 取消理由通知(決定の予告)に記載した理由についての当審の判断
1 各証拠の記載
(1)甲第1号証
ア 甲第1号証(以下「甲1」という。)には、以下の記載がある(下線は当審で付した。他の証拠についても同じ。)。
(ア)「【0001】
本発明は機械式駐車装置に関する。」
(イ)「【0005】
本発明の機械式駐車装置は、車両を搭載する複数のパレットと、車両を入出庫させる入出庫口を開閉するゲートとを備え、当該複数のパレットのうち所望のパレットを所定の入出庫位置へ移動させる機械式駐車装置であって、複数のパレットを移動させるパレット駆動手段と、入出庫口を閉じる閉位置と入出庫口を開く開位置との間でゲートを移動させるゲート駆動手段と、所望のパレットに関する情報が予め記憶された外部記憶媒体から当該情報を読み取る情報読取手段と、情報読取手段にて読み取られた所望のパレットに関する情報に基づいて、当該情報に対応するパレットを所望のパレットとして入出庫位置へ移動させるようにパレット駆動手段を制御し、所望のパレットの移動後にゲートを閉位置から開位置に移動させるようにゲート駆動手段を制御し、ゲートの開位置への移動が完了した場合に、複数のパレット及びゲートの移動を禁止するようにパレット駆動手段及びゲート駆動手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。」
(ウ)「【0023】
また、この駐車装置1には、駐車装置1の稼働時における安全性を向上させるために、駐車装置1内への人の進入を防止し、また、地下への人などの転落を防止するために、車両入出庫口Q1にゲート21が設けられている。このゲート21は、車両入出庫口Q1を閉じる閉位置22aと、車両入出庫口Q1を開く開位置22bとの間を移動(昇降)可能に設けられている。ゲート21を移動させる昇降機構は、それ自体公知のものであり、チェーン、駆動モータ等を含んでいる。ゲート21の開位置22bの高さには、支柱5に固定されたリミットスイッチ24が設けられている。リミットスイッチ24は、ゲート21に接触することでゲート21が開位置22bへの移動したことを検知する検知手段として機能する。
【0024】
正面の支柱5には、利用者が操作を行う操作盤23が配設されている。操作盤23は、図3に示すように、カード読取部25、警告灯27、表示部29、指示入力部31、非常停止ボタン33、ロック解除ボタン34等を含んでいる。カード読取部(情報読取手段)25は、例えば、外部情報記憶媒体としてのICカード91(後述する)が近づくことにより、ICカード91を検出し、ICカード91との間で電波の授受によってICカード91に記憶された情報を読み込む、いわゆる非接触型のICカード読取装置が用いられる。カード読取部25は、ICカード91が通信可能な所定の距離範囲内に存在する場合にはICカード91を検出した旨の電気信号を統括制御部37(後述する)へ送信する。表示部29は、表示制御部49に制御され、ICカード91から読み込んだ情報の中のパレット番号や駐車装置1の動作状態等を表示する。警告灯27は、所定の場合に点灯又は点滅することによって動作状態を周囲に表示する。非常停止ボタン33は、例えば非常の際に利用者に操作されることによって駐車装置1の動作を停止させる。指示入力部31はテンキーを含む入力装置であり、利用者の指示が必要な所定の場合に、利用者による入力を受け付ける。ロック解除ボタン34は、駐車装置1が操作ロック状態にある際に、利用者に操作されることによって、当該操作ロック状態を解除する。操作ロック状態とは、利用者が車両を入出庫させる間に各パレット11等及びゲート21が誤って動くことがないように、操作盤23による利用者の操作が受け付けられなくなる状態である。操作ロック状態においては、操作盤23からの入力に関わらず各パレット11等の移動及びゲート21の移動が禁止される。」
(エ)「【0026】
図4は、駐車装置1の制御構成を示すブロック図である。制御盤35は、たとえばROM及びRAMを含む制御用CPU(図示せず)等を有している。制御用CPUは、ROMに記憶された制御プログラムを読み出して制御を行うことにより、図4に示されるように、統括制御部37、諸元データ記憶部41、通信制御部43、入力制御部47、表示制御部49、モータ制御部50等を含むように構成されることになる。」
(オ)「【0032】
図5は、駐車装置1における車両の入出庫処理のフロー図である。本図を参照しながら、駐車装置1の入出庫処理及び利用者の動作について説明する。
【0033】
まず、車両を入出庫しようとする利用者は、駐車装置1のカード読取部25にICカード91を接触させる。待機状態(S202)にあった駐車装置1では、カード読取部25でICカード91が検出されて(S204)、電源が入り、カード読取部25からデータ記憶部93に記憶された利用者ID及びパレット番号が読み込まれる(S206)。そして、諸元データ記憶部41に記憶されたデータと読み込まれた利用者ID及びパレット番号との比較が行われ、ICカード91の正当性がチェックされる(S208)。この正当性チェックでは、例えば、利用者IDが正しいデータであるか否か、利用者に駐車装置1の操作の権限があるか否か、パレット番号が駐車装置1に存在するパレットか否かが確認される。このとき、読み込まれた利用者ID又はパレット番号が不当であると判断された場合は、ICカード91が正当なカードではなく、カードの保持者に駐車装置1の操作の権限がないものとみなして、処理はS202の待機状態へ戻る。
【0034】
S208において、ICカード91が正当なカードであると判断された場合には、パレット駆動モータ61が駆動され、パレットの移動が開始される(S216)。このパレットの移動は、ICカード91から読み込まれたパレット番号に対応するパレット(所望のパレット)を下段駐車領域T1の着床位置P1(入出庫位置)へ移動させるべく、あらかじめ定められた順序で行われる。このとき、着床位置P1に移動させるべきパレットは複数ある下段駐車領域T1のうち、何れの着床位置P1へ移動されてもよい。なお、このパレット移動中には、ICカード91から読み込まれた利用者ID、パレット番号、及び所定のメッセージ等が表示部29に表示されてもよい。上記パレットの着床位置P1への移動が完了した後、ゲート21を開くべく、ゲート駆動モータ63が駆動される(S218)。そして、リミットスイッチ24によってゲート21が完全に開いたことが検知された後(S222)、駐車装置1は操作ロック状態とされ(S224)、ロック解除ボタン34が操作されるまで待機される(S226)。
【0035】
このように、駐車装置1は、ICカード91に記憶されたパレット番号をカード読取部25で読み取ることができ、統括制御部37はパレット番号のキー入力を利用者へ要求することなく、着床位置P1へ移動させるべきパレット番号を直接認識することができる。よって、車両を入出庫しようとする利用者は、ICカード91をカード読取部25に接触させる動作のみで、所望のパレットを着床位置P1へ移動し、ゲート21を開き、操作ロックを行うという一連の入出庫の準備を自動的に行わせることができる。
【0036】
その後、駐車装置1が操作ロック状態にある間に、利用者は、着床位置P1のパレットに車両Cを入庫、或いは着床位置P1のパレットから車両Cを出庫する。車両Cを入庫する場合にあっては、利用者は、着床位置P1に移動したパレットへ車両Cごと進入し、その後車両Cを降りて駐車装置1から離れる。また、車両Cを出庫する場合にあっては、利用者は、駐車装置1内へ進入し、着床位置P1に移動したパレット上にある車両Cに搭乗し、車両Cごと駐車装置1から出る。
【0037】
このような入出庫が行われている最中に、パレット11等やゲート21が誤って動いてしまうと危険であるので、上記のように自動的に駐車装置1を操作ロック状態にすることとしている。この操作ロックによって、車両の入出庫時にパレット11等やゲート21の移動が禁止されるように制御されるので、利用者が安全に車両の入出庫を行うことができる。なお、操作ロック状態にある間は、その旨を利用者に確認させるため、表示部29に操作ロック状態である旨が表示されてもよく、警告灯27を点灯させる等の動作がされてもよい。
【0038】
続いて、車両の入出庫を終えた利用者は、操作盤23のロック解除ボタン34の操作(例えば、ボタンの押下)を行う。駐車装置1ではロック解除ボタン34の操作が検出され(S226)、操作ロック状態が解除される(S228)。このように、操作ロック状態を解除する際にロック解除ボタン34を操作させることで、駐車装置1が次の動作に移行することを利用者に意識させ、安全確認を促すことができる。
【0039】
操作ロック状態の解除の後、利用者は、再びICカード91をカード読み取り部25へ接触させる。駐車装置1では、検出されたICカードが、先のS204に用いられたカードと同じであることが確認され(S232)、ゲート21を閉じるべくゲート駆動モータ63が駆動される(S234)。そして、ゲート21が閉じ切った後(S236)には、入出庫が終了した旨のメッセージが表示部29に表示され(S238)、電源が切られて待機状態(S202)へ戻る。なお、ゲート21が閉じきった後(S236の後)に、ICカード91を再びカード読取部25に接触させることを要求する処理を加えてもよい。このようにすれば、ゲート21が閉じきる前に利用者が立ち去ることを抑制することができるので、安全性を高めることができる。また、このとき、ICカード91が接触されなかった場合には、利用者が安全確認を怠ったことへのペナルティとして、当該利用者のIカード91を次回から使用不可能とする処理をしてもよい。
【0040】
なお、上記入出庫処理中に、非常停止ボタン33の操作が検出された場合には、安全のためパレット駆動モータ61、ゲート駆動モータ63等が停止される。
【0041】
以上のように、駐車装置1によれば、利用者の煩雑な操作を要求することなく車両の入出庫を行うことが可能である。」
(カ)図1、図3及び図5
「 【図1】 【図3】
[図:0001380921000001.jpg]
【図5】
[図:0001380921000002.jpg]
」
イ 上記アで摘記した事項からみて、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているといえる。
(甲1発明)
「車両を入出庫させる入出庫口を開閉するゲート21、非常の際に利用者に操作されることによって駐車装置1の動作を停止させる非常停止ボタン33、及び、駐車装置1が操作ロック状態にある際に、利用者に操作されることによって、当該操作ロック状態を解除するロック解除ボタン34を備える機械式駐車装置において、制御用CPUがROMに記憶された制御プログラムを読み出して制御を行う制御方法であって、
車両を入出庫しようとする利用者が駐車装置1のカード読取部25にICカード91を接触させると、待機状態(S202)にあった駐車装置1では、カード読取部25でICカード91が検出され(S204)、カード読取部25からデータ記憶部93に記憶された利用者ID及びパレット番号が読み込まれ(S206)、
諸元データ記憶部41に記憶されたデータと読み込まれた利用者ID及びパレット番号との比較が行われ、ICカード91の正当性がチェックされ(S208)、
S208において、ICカード91が正当なカードであると判断された場合には、パレット駆動モータ61が駆動され、パレットの移動が開始され(S216)、前記パレットの着床位置P1への移動が完了した後、ゲート21を開くべく、ゲート駆動モータ63が駆動され(S218)、リミットスイッチ24によってゲート21が完全に開いたことが検知された後(S222)、駐車装置1は操作ロック状態とされ(S224)、ロック解除ボタン34が操作されるまで待機され(S226)、
車両の入出庫を終えた利用者は、操作盤23のロック解除ボタン34の操作(例えば、ボタンの押下)を行い、駐車装置1ではロック解除ボタン34の操作が検出され(S226)、操作ロック状態が解除され(S228)、
操作ロック状態の解除の後、利用者が再びICカード91をカード読み取り部25へ接触させると、駐車装置1では、検出されたICカードが、先のS204に用いられたカードと同じであることが確認され(S232)、ゲート21を閉じるべくゲート駆動モータ63が駆動され(S234)、
上記入出庫処理中に、非常停止ボタン33の操作が検出された場合には、安全のためパレット駆動モータ61、ゲート駆動モータ63等が停止される、
機械式駐車装置の制御方法。」
(2)甲第2号証
ア 甲第2号証(以下「甲2」という。)には、図面とともに以下の記載がある。
(ア)「この発明は機械式駐車設備の搬出入口における人に対する安全装置に関する。」(1頁右下欄12ないし13行)
(イ)「これは第1図および第2図に示すごとく、搬出入口の搬入口装置11上に自動車12を乗せて、所定の場所へ入庫するよう構成された駐車設備において、搬出入口には光電ビームPH-1A、PH-1B、PH-2、PH-3、PH-4およびPH-5を設け、人および自動車の検出ならびに自動車の誘導を行つており、・・・」(2頁左上欄1ないし8行)
(ウ)「この発明の目的は、上記した従来技術の欠点をなくし、搬出入口内の人の閉じ込めをより少なくすることのできる機械式駐車設備の安全装置を提供することにある。
この発明の特徴とするところは、人が入つたことを記憶してドア閉じ装置および搬出入装置を動作不能にし、さらに人が出たことを検出して前記装置を動作可能とするようになした装置を付加した点にある。」(2頁左下欄7ないし15行)
(エ)「以下この発明を第3図に示した一実施例により説明する。
なお、搬出入口内の機器およびその配置は第1図と全く同じものとする。」(2頁左下欄16ないし19行)
(オ)「リレー60R(従来のリレー60と同等の機能を持つリレー)は付勢するとドア13を閉じることおよび搬出入装置を運転することを可能とするリレーであり、消勢するとドアを閉じることができなく、また搬出入装置11も運転することはできない。」(2頁右下欄17行ないし3頁左上欄2行)
(カ)「次に動作を説明する。今人が搬出入口内に入ると光電ビームPH-4を遮断し、接点PH-4Cによりリレー60Rが消勢する。このときリレー60Aは(+)-(PH-5b1)-(PH-3b)-(PH-1Ab)-(PH-1Bb)-(PH-2b1)-(PH-4C)-60A-(-)により付勢され接点60Aa1により自己保持される。しかし、さらに奥へ入り光電ビームPH-1Aを遮断するとリレー60Aの自己保持回路は開路しリレー60Aは消勢する。このためリレー60Rの付勢回路はリレー60Aが付勢されるまで構成されなくなる。したがつて、内部の人が光電ビームを1本も遮断しないときに安全確認ボタン14を押してもリレー60Rは付勢しない(従来例ではリレー60が消勢した)。
内部の人が外へ出てくるとき、光電ビームPH-4を遮断すると、リレー60Aは前述と同様に付勢し、接点60Aa1により自己保持し、また接点60Aa2が閉路するためリレー60Rは安全確認ボタン14を押すと付勢できるようになる。即ち、人が内部に入り光電ビームPH-4以外のビームを一度でも遮断すると再び一番入口に近い光電ビームPH-4を遮断しなくては、リレー60Rが付勢しないので搬出入口内部の人が外に出ない限り安全押ボタンスイッチ14は無効であるため内部の人の安全が確保される。」(3頁左上欄12行ないし右上欄17行)
(キ)「この発明は以上の説明で明らかなように一度人が一番出入口に近い光電ビームPH-4以外の光電ビームを切ると、再び光電ビームPH-4を遮断しなければドアを閉じることができないので、単に光電ビームPH-4を入(当審注:「人」の誤記と認める。)の出入りで必ず2回遮断することを利用したものよりも安全である。即ち、2人以上の人が内部に入つて1人の人が出て来ても内部にいる人が光電ビームPH-4以外の光電ビームを遮断すれば再びドア閉じはできなくなり人の閉じ込めは起きなくなる。」(3頁右下欄18行ないし4頁左上欄7行)
イ 上記アで摘記した事項からみて、甲2には、次の技術事項(以下「甲2技術事項」という。)が記載されているといえる。
(甲2技術事項)
「搬出入口に光電ビームPH-1A、PH-1B、PH-2、PH-3、PH-4およびPH-5を設け、人および自動車の検出を行う機械式駐車設備において、搬出入口における人に対する安全装置であって、
リレー60Rは付勢するとドア13を閉じることおよび搬出入装置を運転することを可能とするリレーであり、消勢するとドアを閉じることができなくなり、
人が搬出入口内に入ると光電ビームPH-4を遮断し、接点PH-4Cによりリレー60Rが消勢し、
内部の人が外へ出てくるとき、光電ビームPH-4を遮断すると、リレー60Rは安全確認ボタン14を押すと付勢できるようになって、人が内部に入り光電ビームPH-4以外のビームを一度でも遮断すると再び一番入口に近い光電ビームPH-4を遮断しなくては、リレー60Rが付勢しないので搬出入口内部の人が外に出ない限り安全押ボタンスイッチ14は無効であるため内部の人の安全が確保されるとともに、
人が出て来ても内部にいる人が光電ビームPH-4以外の光電ビームを遮断すれば再びドア閉じはできなくなり人の閉じ込めは起きなくなる、安全装置。」
(3)甲第5号証
甲第5号証(以下「甲5」という。)には、機械式駐車場に設置される機械式駐車装置について、以下の事項が記載されている。
ア 操作盤について
「8.3 操作盤
8.3.1 一般事項
・・・
8.3.2 無人確認手段
a)出入口扉を閉操作する場所から乗降領域内に人がいないことを直接目視できるか、目視と同等の手段(例えば、反射鏡、モニタ映像又は巡視)で確認できなければならない。
b)乗降領域と駐車・搬送領域を検知装置による区画(6.2.2参照)とした駐車設備では、次のいずれかの確認手段を設けなければならない。
1)どこが乗降領域になろうとも、出入口扉を閉操作する場所から死角となる乗降領域内の部分を視認するのに適切な場所(1ヶ所若しくは複数ヶ所)に、目視した範囲に人がいない確認をしたことを利用者が入力する、無人確認入力器を設ける。
・・・
f)無人確認入力器への入力開始から駐車設備を起動するまでの間に、侵入検知装置(8.5.1.2a)参照)、扉乗越え検知装置(8.5.1.2c)参照)、乗降領域を区画して人を検知する装置(6.2.2d)参照)、又は乗降領域の有人検知装置(8.6.1参照)が作動した場合は、それまでの入力はすべて無効としなければならない。」
(14頁28行ないし15頁18行)
イ 出入口制御について
「8.5 出入口制御
8.5.1 出入口扉
・・・
8.5.1.3 操作警報装置
出入口扉が動作中であることを聴覚・視覚等により注意喚起する装置を設けることが望ましい。」
(17頁23行ないし18頁17行)
(4)文献1
ア 文献1には、図面とともに以下の記載がある。
(ア)「【0001】
本発明は、機械式駐車場設備に係り、特に車両の入庫時および出庫時に、該車両のユーザー(ドライバー)自身が操作盤を操作しながら乗入室の安全を確認するように構成された機械式駐車場設備の安全確認システム、これを備えた機械式駐車場設備、および機械式駐車場設備の安全確認方法に関するものである。」
(イ)「【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
即ち、本発明の第一態様に係る機械式駐車場設備の安全確認システムは、駐車車両の入出庫が行われる乗入室と、前記乗入室の入出庫口を開閉する入出庫扉と、前記駐車車両を搬送する搬送機と、前記駐車車両のユーザーが、認証操作および、前記入出庫扉の開閉、起動といった機械操作を行うタッチパネル式の操作画面と、を備えた機械式駐車場設備における、前記乗入室内部の安全確認を行うシステムであって、前記操作画面と、前記乗入室の内部における前記駐車車両および人等の存在や前記駐車車両の停車位置等を検知するセンサと、前記乗入室の内部状況を撮影する乗入室カメラと、制御装置と、を具備し、前記制御装置は、前記操作画面に、前記乗入室カメラによって撮影されたリアルタイムな画像情報と、前記ユーザーが前記乗入室内の安全を確認したことを報知する安全確認ボタンと、を併せて表示させることを特徴とする。」
(ウ)「【0072】
このように、操作画面45に乗入室7内の画像情報CIと無人確認ボタンSB1の表示が行われるのは、乗入室7内の多数のセンサ30(301~320)が、いずれも乗入室7内におけるエラー状況を検知していないことが前提条件となる。ここで言うエラー状況とは、例えば乗入室7内に人や障害物等がある時等であり、そのまま機械を起動させると危険な状況を意味する。」
(エ)「【0086】
案内に従ってユーザーがテンキー81で自身の暗証番号を入力すると、第2の認証が成立し、操作画面45は図20に示す画面に切り替わる。図20~図23に示すように、操作画面45(入力部45b)には、入出庫扉4を閉じる前に、乗入室7の内部が確実に無人状態であることを再度ユーザーに確認させるための確認画面が表示される(2回目の安全確認操作)。」
(オ)「【0089】
このように、操作画面45に乗入室7内の画像情報CIと無人確認ボタンSB2の表示が行われるのは、1回目の安全確認操作の時と同じく、乗入室7内の多数のセンサ30(301~320)が、いずれも乗入室7内におけるエラー状況を検知していないことが前提条件となる。
【0090】
乗入室7の内部に車両2以外の物や人等が確実に無く、安全であることがユーザーによる無人確認ボタンSB2の押圧によって確定すると、2回目の安全確認操作が完了し、操作画面45の表示が図24の表示に切り替わる。また、所定の時間(例えば1分間)の間に各画面の無人確認ボタンSB2が押されない場合や、センサ30(301~320)が異常を検知した場合には、図16~図18に示すエラー状況検知時の画像に回帰するようになっている。」
(カ)「【0108】
そして、制御装置40においては、図34に示すように、先に手前側にある入出庫口非常停止センサ305が遮光されてONになり、次に奥側にある車両後部センサ302が遮光されてONになった時点で場内有人信号がONになり、ユーザーが場内に入ったと判断される。
また、図35に示すように、先に奥側にある車両後部センサ302が遮光されてONになり、次に手前側にある入出庫口非常停止センサ305が遮光されてONになった時点で場内有人信号がOFFになり、ユーザーが場内から退出したと判断される。」
イ 文献1に記載された技術事項
上記アで摘記した事項からみて、文献1には、以下の技術事項(以下「文献1技術事項」という。)が記載されている。
(文献1技術事項)
「機械式駐車場設備における、乗入室内部の安全確認を行うシステムであって、
操作画面と、乗入室の内部における駐車車両および人等の存在や前記駐車車両の停車位置等を検知するセンサと、制御装置と、を具備し、前記制御装置は、前記操作画面に、ユーザーが前記乗入室内の安全を確認したことを報知する安全確認ボタンを表示させるものであり、
操作画面45には、入出庫扉4を閉じる前に、乗入室7の内部が確実に無人状態であることを再度ユーザーに確認させるための確認画面が表示され、操作画面に無人確認ボタンの表示が行われるのは、乗入室内の多数のセンサ30が、いずれも乗入室7内におけるエラー状況を検知していないことが前提条件となり、前記エラー状況とは、乗入室7内に人や障害物等がある時等であり、そのまま機械を起動させると危険な状況を意味し、
先に奥側にある車両後部センサ302が遮光されてONになり、次に手前側にある入出庫口非常停止センサ305が遮光されてONになった時点で場内有人信号がOFFになり、ユーザーが場内から退出したと判断される、安全確認システム。」
(5)文献2
ア 文献2には、図面とともに以下の記載がある。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、駐車装置に関し、より特定的には、駐車場内での安全性確保の向上を可能とする駐車装置に関する。」
(イ)「【0019】次に、運転者が退出確認釦203を押したことを確認した後(S70)、退出案内表示盤200において、「場内より退出してください」の確認表示205を点滅させる(S80)。その後、運転者は駐車場内101から退出し(S90)、運転操作盤110に設けられた「安全確認」釦を押す(S100)。その後、運転者は、運転操作盤110に設けられた「終了扉閉」釦を押す(S110)。その後、出入口扉が閉じられる(S120)。以上により運転者による入庫作業が完了する。
【0020】なお、S70において、運転者が退出確認釦203を押していない場合は、図3中のフロー250で囲まれた領域のフローを実行することになる。
【0021】まず、運転者が退出確認釦203を押さずに駐車場内から退出した場合(S200)、運転操作盤110付近に設置した音声装置にて音声案内○3(当審注:○に数字は○内に数字。以下同様。)を放送する(S210)。次に、3分間経過した後は、(S220)、駐車装置100Aの状況を発報する(S230)。3分間が経過するまでの間は、S60からのフローを繰り返し実行する。
【0022】次に、監視センタにて、発報内容確認を確認する(S240)。その後、監視センタにて、遠隔操作により出入口扉110の閉指令を発する(S250)。次に、運転操作盤110付近に設置した音声装置にて音声案内○4を放送する(S260)。その後、出入口扉が閉じられる(S120)。」
(ウ)図4には、「音声合成放送内容」として、○1ないし○5が示されており、そのうち○3、○4の放送内容は以下のとおりである。
「○3
チャイム:(ピンポン)
アナウンス:「駐車場内の安全を確認して、退出確認釦を押して、退出してください。退出後は、運転ロック解除釦を押した後、扉閉釦を押して扉を閉めてください。」
○4
チャイム:(ピンポン)
「出入口の扉が閉まります。ご注意ください。」」
イ 文献2に記載された技術事項
上記アで摘記した事項からみて、文献2には、以下の技術事項(以下「文献2技術事項」という。)が記載されている。
(文献2技術事項)
「運転者が駐車場内から退出し、運転操作盤に設けられた「安全確認」釦を押すようにした駐車装置において、運転者が退出確認釦を押さずに駐車場内から退出した場合、「駐車場内の安全を確認して、退出確認釦を押して、退出してください。退出後は、運転ロック解除釦を押した後、扉閉釦を押して扉を閉めてください。」等の音声案内をし、その後、出入口扉110の閉指令を発すると「出入口の扉が閉まります。ご注意ください。」等の音声案内をし、出入口扉が閉じられる駐車装置。」
(6)甲第7号証
ア 甲第7号証(以下「甲7」という。)には、図面とともに以下の記載がある。
「【0064】
図4は、安全確認処理を行う場合に、制御装置50によって実行される安全確認プログラムの流れを示すフローチャートである。安全確認プログラムは、HDD58の所定領域に予め記憶されている。
なお、安全確認プログラムは、車両12がパレット16に載置された後に、開始される。また、安全確認プログラムの開始と共に、確認ボタン34の明滅が開示される。また、最終確認ボタン40に対する操作は、安全確認プログラムの開始時には無効とされている。
・・・
【0071】
ステップ106では、操作盤22に備えられる最終確認ボタン40への操作を有効とする。
乗降室20へ入室した人の退室が検知された後に、最終確認ボタン40への操作が有効とされることで、例えば安全確認者が乗降室20から出る前に他者によって最終確認ボタン40が操作されても、パレット16の搬送が実行されることは無い。
従って、本第1実施形態に係る機械式駐車装置10は、より確実に乗降室20内の安全性が確保できる。
【0072】
次のステップ107では、入退室検知センサ36が乗降室20内への人の入室を検知したか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ114へ移行し、否定判定の場合はステップ108へ移行する。
【0073】
ステップ108では、最終確認ボタン40が押圧されたか否かをボタン制御部64によって判定し、肯定判定の場合はステップ110へ移行する。
【0074】
ステップ110では、機械式駐車装置10の動作が開始され、本安全確認処理が終了する。具体的には、入出庫扉32が閉じられ、車両12が載置されたパレット16が格納庫18へ搬送される。
【0075】
なお、ステップ101及びステップ103で肯定判定となり、ステップ112へ移行すると、ステップ112において、確認ボタン34への入力が全て解除され、ステップ100へ戻る。確認ボタン34への入力の解除とは、それまでに行われた確認ボタン34への入力が取り消されることである。
【0076】
また、ステップ107で肯定判定となり、ステップ114へ移行すると、ステップ114において、確認ボタン34への入力が全て解除され、最終確認ボタン40への操作を無効とし、ステップ100へ戻る。
【0077】
ステップ112、114へ移行した場合、安全確認者は、再び確認ボタン34を押圧し、入退室検知センサ36によって退室を検知させ、最終確認ボタン40への操作を有効にしなければならない。このように、本第1実施形態に係る機械式駐車装置10は、新たに人が乗降室20内へ入室した場合に、再び乗降室20内の安全確認が必要とされるため、より確実に乗降室20内の安全性が確保される。」
イ 甲7に記載された技術事項
上記アで摘記した事項からみて、甲7には、次の技術事項(以下「甲7技術事項」という。)が記載されているといえる。
(甲7技術事項)
「乗降室20へ入室した人の退室が検知された後に、操作盤22に備えられる最終確認ボタン40への操作が有効とされた次のステップで入退室検知センサ36が乗降室20内への人の入室を検知した場合、最終確認ボタン40への操作を無効とし、安全確認者は、再び最終確認ボタン40への操作を有効にしなければならないようにすることで、より確実に乗降室20内の安全性が確保される技術。」
(7)甲第8号証
ア 甲第8号証(以下「甲8」という。)には、図面とともに以下の記載がある。
「【0001】
本発明は、機械式駐車場設備に係り、特に車両の入出庫操作時に、その入出庫操作を行う操作者の認証が行われる機械式駐車場設備の制御装置、これを備えた機械式駐車場設備、および機械式駐車場設備の制御方法に関するものである。
・・・
【0060】
まず、演算処理部30aは、前述したように操作盤22の蓋34が開錠されると、操作画面35に図7に示す認証画面を表示し、契約利用者に認証ボタン51をタッチさせる。この認証ボタン51がタッチされると、契約利用者が所持する携帯認証媒体41から発信されている認証情報を元に契約利用者の初回認証が自動的に行われる。
【0061】
そして、この初回認証が成功すると、立体駐車場1の中に当該契約利用者の車両が収容されているか否かによって入庫なのか出庫なのかが判定され、入庫の場合には図8に示す入庫確認画面が表示される。また、出庫の場合には図示しない出庫確認画面が表示される。以下では入庫の場合について説明する。
・・・
【0063】
さて、図8の入庫確認画面には、契約者の番号、車種と、「入庫しますか?」という案内、および「はい」、「いいえ」というボタン53,54が表示される。契約利用者が「はい」のボタン53にタッチすると、図9に示す待機指示画面に変わり、空きパレット18が乗入室7に到着するまでのカウントダウン等が表示される。
【0064】
空きパレット18が乗入室7に到着すると、図10に示す入庫指示画面が表示されるとともに、入出庫扉4aが開く。契約利用者は車両2を運転して乗入室7に乗り入れる。車両2が乗入室7の定位置に停車すると、操作画面35の表示が図11に示す安全確認指示画面に変わり、「場内の安全を確認し、確認ボタンを押して下さい」という案内と、確認ボタン56が表示される。契約利用者は車両2のアンテナが格納されているか、ドアミラーが畳まれているか、ドアが開いていないか、エンジンが停止しているか、車体がパレットからはみ出していないか、等を一通り確認し、異常が無ければ確認ボタン56にタッチする。
【0065】
すると、図12に示す閉扉操作画面に変わり、「場内の無人を確認し、扉を閉めて下さい」という案内と、閉扉ボタン57が表示される。契約利用者は、場内の無人を再度確認してから閉扉ボタン57にタッチして入出庫扉4aを閉める。これで入庫操作が完了する。なお、出庫の場合は、図8~図12中に表示されている「入庫」の文字が「出庫」となる。
・・・
【0075】
ところで、制御装置50(演算処理部30a)は、契約利用者が入出庫扉4aを閉扉操作する際に、当該契約利用者の再認証を行い、その認証結果と、初回認証時における認証結果とが一致した場合にのみ入出庫扉4aの閉扉を許可する制御を実行するようになっている。」
イ 甲8に記載された技術事項
上記アで摘記した事項からみて、甲8には、次の技術事項(以下「甲8技術事項」という。)が記載されているといえる。
(甲8技術事項)
「機械式駐車場設備の制御方法において、
演算処理部30aは、操作画面35に認証画面を表示し、契約利用者に認証ボタン51をタッチさせ、契約利用者が所持する携帯認証媒体41から発信されている認証情報を元に契約利用者の初回認証が自動的に行われ、
初回認証が成功すると、入庫確認画面が表示されて、「入庫しますか?」という案内、および「はい」、「いいえ」というボタン53,54が表示され、契約利用者が「はい」のボタン53にタッチすると、入出庫扉4aが開き、
車両2が乗入室7の定位置に停車すると、操作画面35の表示が安全確認指示画面に変わり、確認ボタン56が表示され、
異常が無ければ確認ボタン56にタッチすると、閉扉操作画面に変わり、「場内の無人を確認し、扉を閉めて下さい」という案内と、閉扉ボタン57が表示され、契約利用者は、場内の無人を再度確認してから閉扉ボタン57にタッチして入出庫扉4aを閉めるようにし、
演算処理部30aは、契約利用者が入出庫扉4aを閉扉操作する際に、当該契約利用者の再認証を行い、その認証結果と、初回認証時における認証結果とが一致した場合にのみ入出庫扉4aの閉扉を許可する制御を実行する技術。」
(8)甲第9号証
ア 甲第9号証(以下「甲9」という。)には、図面とともに以下の記載がある。
「【0001】
本発明は自動車などの車両を駐車するための駐車装置における安全機構に関する。
・・・
【0061】
[駐車装置の動作フロー]
図8は駐車装置100の動作および利用者の作業を説明するフローチャートを示す。まず、駐車装置100を作動させるために、駐車装置操作盤108の操作電源スイッチ120に操作キーを入れて電源を投入する操作をする(ステップS101)。そして、入出庫口に呼び出すパレット104を指示する操作(パレット番号を入力等)をする(ステップS103)。ただし、この時点では、コード入力部130に対してコードの入力が行われておらず、メモリ131にコードが記憶されていない。したがって、制御盤114による駆動装置200の制御が無効化されインターロックが作動している状態であるため、パレット104は移動されず、安全ゲート112も動かない。
【0062】
利用者によるコードの入力がコード入力部130に受け付けられる(ステップS105)と、コードがメモリ131に記憶される(ステップS107)。これにより駆動装置200による制御の無効化が解除され、パレットの移動が始まる(ステップS111)。指示したパレット104が入出庫口まで移動すると、安全ゲート112が開く動作をする(ステップS113)。なお、コードの入力(ステップS105)がパレット104を指示する操作(ステップS103)よりも先に行われてもよく、その場合には、パレット104を指示する操作が行われると、直ちにパレットの移動が始まる(ステップS111)。
【0063】
安全ゲート112が開くと、再び駆動装置200による制御が無効化されてインターロックが作動する。そして、インターロック表示部132のランプがオンになり、注意喚起の文字が表示される(ステップS115)。上記までの段階で、駐車装置100に入って車両の入出庫、充電等の作業を開始することが可能となる(ステップS121)。
【0064】
駐車装置100での作業が終了すると、利用者は安全ゲート112を閉める操作を行う(ステップS131)。ただし、この時点では、コード入力部130に対して再度のコードの入力が行われておらず、メモリ131にコードが記憶されたままになっている。したがって、制御盤114による駆動装置200の制御が無効化されインターロックが作動している状態であるため、安全ゲート112が動かず、閉じる動作が行われない。
【0065】
利用者によるコードの入力がコード入力部130に受け付けられる(ステップS133)と、このコードがメモリ131に記憶されているコードと一致するかどうかの判定が行われる(ステップS135)。コードが一致しない場合(ステップS135;No)には、エラー表示が行われる(ステップS137)。エラー表示は、インターロック表示部132に表示されてもよいし、表示部124に表示されてもよいし、それ以外の表示手段に表示されてもよい。
【0066】
入力されたコードがメモリ131に記憶されているコードと一致した場合(ステップS135;Yes)には、メモリ131に記憶されたコードがリセット(消去)される(ステップS141)。これにより駆動装置200による制御の無効化が解除され、安全ゲート112が閉じる動作をする(ステップS143)。」
イ 甲9に記載された技術事項
上記アで摘記した事項からみて、甲9には、次の技術事項(以下「甲9技術事項」という。)が記載されているといえる。
(甲9技術事項)
「駐車装置における安全機構に関し、
利用者によるコードの入力がコード入力部130に受け付けられ、指示したパレット104が入出庫口まで移動すると、安全ゲート112が開く動作をし、
安全ゲート112が開くと、駆動装置200による制御が無効化されてインターロックが作動し、車両の入出庫、充電等の作業を開始することが可能となり、
駐車装置100での作業が終了すると、利用者は安全ゲート112を閉める操作を行うが、この時点では、インターロックが作動している状態であるため、安全ゲート112が動かず、閉じる動作が行われず、
利用者によるコードの入力がコード入力部130に受け付けられる(ステップS133)と、このコードがメモリ131に記憶されているコードと一致するかどうかの判定が行われ、
入力されたコードがメモリ131に記憶されているコードと一致した場合、駆動装置200による制御の無効化が解除され、安全ゲート112が閉じる動作をする技術。」
2 本件発明1について
(1)対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
ア 甲1発明における「車両を入出庫しようとする利用者」は、本件発明1における「利用者」に相当する。そして、甲1発明における「車両を入出庫させる入出庫口を開閉するゲート21」を備える「機械式駐車装置」の「制御方法」は、本件発明1における「入出庫部において車両の入出庫を行う機械式駐車設備の制御方法」に相当する。
そうすると、甲1発明において「車両を入出庫しようとする利用者」が利用する「車両を入出庫させる入出庫口を開閉するゲート21」を備える「機械式駐車装置」の「制御方法」は、本件発明1における「利用者が入出庫部において車両の入出庫を行う機械式駐車設備の制御方法」に相当する。
イ 甲1発明においては「諸元データ記憶部41に記憶されたデータと読み込まれた利用者ID及びパレット番号との比較が行われ、ICカード91の正当性がチェックされ」るから、「諸元データ記憶部41」には、利用者IDが記憶されている。
そうすると、甲1発明において「諸元データ記憶部41」に「利用者ID」が記憶されることは、本件発明1における「前記機械式駐車設備の前記利用者を登録する登録処理」が行われることに相当する。
ウ 甲1発明において「利用者は、駐車装置1のカード読取部25にICカード91を接触させ」、「カード読取部25からデータ記憶部93に記憶された利用者ID及びパレット番号が読み込まれ」ることは、本件発明1において「利用者から」「第1認証データ」を「取得」することに相当する。
また、甲1発明において「諸元データ記憶部41に記憶されたデータと読み込まれた利用者ID及びパレット番号との比較が行われ、ICカード91の正当性がチェックされ」ることは、本件発明1における「登録された前記利用者であるか否かを照合する第1認証処理」に相当する。
また、甲1発明においては、「ICカード91が正当なカードであると判断された場合には、ゲート21を開くべく、ゲート駆動モータ63が駆動」されるから、ICカード91の正当性がチェックされるタイミングは、ゲート21を開く前であり、本件発明1において「前記機械式駐車設備の出入口扉を開く前」であるのと同じである。
そうすると、甲1発明において「ゲート21」を開く前に「利用者は、駐車装置1のカード読取部25にICカード91を接触させ」、「カード読取部25からデータ記憶部93に記憶された利用者ID及びパレット番号が読み込まれ」、「諸元データ記憶部41に記憶されたデータと読み込まれた利用者ID及びパレット番号との比較が行われ、ICカード91の正当性がチェックされ」ることは、本件発明1における「前記機械式駐車設備の出入口扉を開く前に前記利用者から取得した第1認証データに基づいて登録された前記利用者であるか否かを照合する第1認証処理」に相当する。
エ 甲1発明において、「ICカード91が正当なカードであると判断された場合には、」「ゲート21を開くべく、ゲート駆動モータ63が駆動され」ることは、本件発明1における「前記第1認証処理によって前記利用者であることが照合されたことで前記出入口扉を開放できる開扉処理」に相当する。
オ 甲1発明における「車両の入出庫を終えた利用者は、操作盤23のロック解除ボタン34の操作」を行うことは、本件発明1における「前記車両の入出庫後に前記入出庫部における安全確認を前記利用者が行った」ことに相当する。
また、甲1発明において「ロック解除ボタン34の操作が検出され」ることは、本件発明1における「安全確認処理」に相当する。
そうすると、甲1発明において、「車両の入出庫を終えた利用者は、操作盤23のロック解除ボタン34の操作(例えば、ボタンの押下)を行い、駐車装置1ではロック解除ボタン34の操作が検出され」ることは、本件発明1における「前記車両の入出庫後に前記入出庫部における安全確認を前記利用者が行った後に行う安全確認処理」に相当する。
カ 甲1発明において「操作ロック状態の解除の後、利用者は、再びICカード91をカード読み取り部25へ接触させ」ることは、当該接触後にカード読取部25からデータ記憶部93に記憶された利用者ID及びパレット番号が読み込まれるものであるから、上記「再びICカード91」を「接触させ」ることは、本件発明1における「前記安全確認処理の後に前記利用者から第2認証データを取得する第2認証データ取得処理」に相当する。
キ 甲1発明における「利用者は、再びICカード91をカード読み取り部25へ接触させ、駐車装置1では、検出されたICカードが、先のS204に用いられたカードと同じである」かどうかを「確認」することは、本件発明1における「前記第1認証データと前記第2認証データとを照合する照合処理」に相当する。
ク 甲1発明において、上記キの「確認」の結果、「検出されたICカードが、先のS204に用いられたカードと同じであることが確認され」たことは、本件発明1における「前記照合処理で前記第1認証データと前記第2認証データとが一致した」ことに相当する。
そうすると、甲1発明において「検出されたICカードが、先のS204に用いられたカードと同じであることが確認され」、「ゲート21を閉じるべくゲート駆動モータ63が駆動され」ることは、本件発明1における「記照合処理で前記第1認証データと前記第2認証データとが一致したことで前記出入口扉を閉鎖する閉扉処理」に相当する。
以上から、本件発明1と甲1発明は、以下の一致点及び相違点を有している。
(一致点)
「利用者が入出庫部において車両の入出庫を行う機械式駐車設備の制御方法であって、
前記機械式駐車設備の前記利用者を登録する登録処理と、
前記機械式駐車設備の出入口扉を開く前に前記利用者から取得した第1認証データに基づいて登録された前記利用者であるか否かを照合する第1認証処理と、
前記第1認証処理によって前記利用者であることが照合されたことで前記出入口扉を開放できる開扉処理と、
前記車両の入出庫後に前記入出庫部における安全確認を前記利用者が行った後に行う安全確認処理と、
前記安全確認処理の後に前記利用者から第2認証データを取得する第2認証データ取得処理と、
前記第1認証データと前記第2認証データとを照合する照合処理と、
前記照合処理で前記第1認証データと前記第2認証データとが一致したことで前記出入口扉を閉鎖する閉扉処理と、
を有する機械式駐車設備の制御方法。」
【相違点1】
本件発明1は、安全確認処理の後に「前記利用者による閉扉操作が実行されたか否かを判定する閉扉操作判定処理」をし、「前記安全確認処理の後、かつ、前記閉扉操作判定処理の後」に「前記利用者から第2認証データを取得する第2認証データ取得処理」をするのに対し、
甲1発明は、そもそも「前記利用者による閉扉操作」が行われないから、「前記利用者による閉扉操作が実行されたか否かを判定する閉扉操作判定処理」もなく、「前記閉扉操作判定処理の後」に「前記利用者から第2認証データを取得する第2認証データ取得処理」がされない点。
【相違点2】
本件発明1では、「前記利用者が前記入出庫部から退出したことを検知しない限り前記安全確認処理を受け付けず、前記安全確認処理または前記閉扉操作判定処理の後、前記入出庫部内において前記車両を除く他の物体を検知した場合、前記安全確認処理および前記閉扉操作判定処理をリセットし、前記安全確認処理を再度受け付ける、」のに対し、
甲1発明では、そのような構成を有することは特定されていない点。
(2)判断
事案に鑑み、まず相違点1について検討する。
甲8技術事項における「異常が無ければ確認ボタン56にタッチする」、「閉扉ボタン57にタッチして入出庫扉4aを閉める」、「演算処理部30aは、契約利用者が入出庫扉4aを閉扉操作する際に、当該契約利用者の再認証を行い、その認証結果と、初回認証時における認証結果とが一致した場合にのみ入出庫扉4aの閉扉を許可する」は、それぞれ、本件発明1における『安全確認処理』、『前記利用者による閉扉操作』、『前記閉扉操作判定処理の後に前記利用者から第2認証データを取得する第2認証データ取得処理』に相当するといえ、甲8技術事項は、「閉扉ボタン57にタッチして入出庫扉4aを閉める」操作を判定する処理(本件発明1における『閉扉操作判定処理』に相当)に当然に有していると認められるから、甲8技術事項は、相違点1に係る本件発明1の構成に相当する構成を有していると認められる。
しかし、甲1発明において、「ロック解除ボタン34の操作」(安全確認処理)の後、『利用者による閉扉操作』を要求していないのは、「利用者の煩雑な操作を要求することなく車両の入出庫を行うこと」を可能にする(甲1・【0041】)ためであると認められるところ、甲1発明において、甲8技術事項を採用し、『前記利用者による閉扉操作』を要求することは、利用者に更なる操作を要求することとなるから、甲1発明に甲8技術事項を採用する動機付けはないというべきである。
そして、この判断は、前記「第4の2」に示したいずれの証拠を参酌しても変わるものではない。
したがって、上記相違点1に係る本件発明1の構成とすることは、甲1発明及び周知技術に基いて当業者が容易に想到し得たことということはできない。
(3)小括
以上のとおりであるから、上記相違点2について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。
3 本件発明2について
(1)対比、判断
本件発明2は、本件発明1の構成における「前記利用者が前記入出庫部から退出したことを検知しない限り前記安全確認処理を受け付けず、」に代えて、「前記開扉処理を行った後は、非常停止以外の操作を受け付けない運転操作機能ロック状態とし、前記利用者が前記入出庫部から退出したことの検知と、前記車両を除く他の物体を検知していないことを条件に、前記運転操作機能ロック状態を解除して少なくとも前記安全確認処理を受け付けるようにし、」との構成を有していること以外は、本件発明1と共通する構成を有している。
本件発明1と共通する構成に係る対比については、上記「2(1)」で述べたとおりであることを踏まえると、本件発明2と甲1発明とは、上記相違点1と同様の相違点を有するが、上記相違点1は、上記「2(2)」で検討したとおり、当業者が容易に想到し得たものではない。
(2)小括
したがって、本件発明2は、甲1発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
4 本件発明3ないし7について
本件発明3ないし7は、本件発明1又は2を引用するものであり、本件発明1又は2の構成をすべて含んでいるところ、本件発明1及び2が上記「2」、「3」で検討したとおり、甲1発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない以上、本件発明3ないし7も甲1発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
(1)特許法29条2項
申立人は、前記「第4の2」に示した証拠のほかに、甲第3号証(実公昭49-3738号公報)、甲第4号証(実願昭62-1860号(実開昭63-111562号)のマイクロフィルム)、甲第6号証(特許第4750818号公報)も周知技術を示す周知例として提出しているが、これらの記載を参酌しても、前記「第5の2ないし4」で示した、本件発明1ないし7は甲1発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないとの判断は左右されない。
(2)特許法36条6項1号
申立人は、請求項1に記載の「安全確認処理」には、乗降室内に物体があるか否かを検知するセンサによって物体が検知されていないか否かを判定する、センサによる安全確認も含まれるが、本件特許明細書の段落【0049】には、「その後、利用者による安全確認操作が実行される(S44)。これにより、機械式駐車設備1の制御では、安全確認操作が実行されたか否かの判定でYESとなる(S8)。その後は、上記図2に示す「S9」以降が実行される。」とのみ記載されており、センサによる安全確認処理については一切言及されていないから、センサによる安全確認処理を含むものとして記載されている請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に開示されている範囲を超えるものであり、サポート要件を満たしていない旨申し立てている。
しかし、請求項1に記載の「安全確認処理」は、「前記車両の入出庫後に前記入出庫部における安全確認を前記利用者が行った後に行う安全確認処理」であり、「前記利用者」が「前記車両の入出庫後に前記入出庫部における安全確認を行った後」になされる処理を意味し、請求項1に記載の「安全確認処理」は、乗降室内に物体があるか否かを検知するセンサによって物体が検知されていないか否かを判定する、センサによる安全確認は含まれないから、申立人の当該申立てには、その前提において誤りがあり、理由がない。
申立人は、請求項2についても同様の申立てをしているが、同様の理由により理由がない。
また、請求項1又は2を引用する請求項3ないし7についても、同様の理由により理由がない。
(3)特許法36条6項2号
ア 「安全確認処理」について
(ア)申立人は、請求項1には「前記車両の入出庫後に前記入出庫部における安全確認を前記利用者が行った後に行う安全確認処理」と記載されているが、「安全確認処理」との記載は、安全確認処理自体が具体的にどのような処理であるのか不明であるし、利用者によって安全確認が行われたのか、また、それがいつ行われたのかをどのように検知するのかが不明である旨主張している。
しかし、上記記載によれば、当業者であれば、車両の入出庫後に利用者が入出庫部における安全確認を行った後に確認ボタンを押すなどし、機械式駐車設備の制御装置がこれを検知することなどを容易に想定し得るから、上記記載が不明確であるということはできない。
申立人は、請求項2についても同様の申立てをしているが、同様の理由により不明確ではない。
(イ)申立人は、請求項2に記載の「安全確認処理」にセンサによる安全確認を含むと解釈すると、「前記開扉処理を行った後は、・・・前記車両を除く他の物体を検知していないことを条件に、・・・少なくともセンサによる安全確認の処理を受け付けるようにした」(下線部は申立人が付加)との意となり、意味不明であるという旨主張しているが、上記(2)で述べたとおり、「安全確認処理」にセンサによる安全確認を含まれないから、上記記載が不明確であるということはできない。
(ウ)請求項1又は2を引用する請求項3ないし7についても、同様の理由により不明確ではない。
イ 「前記利用者が前記入出庫部から退出したことの検知」について
申立人は、請求項1には「前記利用者が前記入出庫部から退出したこと」を検知するために必要とされる発明特定事項が明らかに欠落しており、発明特定事項に技術的な不備があることは明らかであるという旨主張している。
しかし、前記「第4の2」に示した甲2などを踏まえると(その記載については前記「第5の1(2)」を参照)、当業者であれば「利用者が入出庫部から退出したこと」を検知するための構成は容易に想定できるから、上記記載が不明確であるということはできない。
申立人は、請求項2についても同様の申立てをしているが、同様の理由により不明確ではない。
また、請求項1又は2を引用する請求項3ないし7についても、同様の理由により不明確ではない。
(4)小括
以上のとおりであるから、請求項1ないし7に係る発明は、特許法29条2項の規定に違反して特許されたものであり、請求項1ないし7に係る発明は、特許法36条6項1号の規定に違反して特許されたものであり、請求項1ないし7に係る発明は、特許法36条6項2号の規定に違反して特許されたものである、との申立てはいずれも理由がない。
第7 むすび
よって、請求項1ないし7に係る特許は、取消理由通知(決定の予告)に記載した理由及び特許異議申立書に記載した理由及び証拠によっては取り消すことはできない。
さらに、他に請求項1ないし7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2020-700220