商標拒絶査定不服審判
2020-650027
エイケイテイ、アクト
- 審判番号
- 2020-650027
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 1433439
- 請求日
- 2020年06月22日
- 審決日
- 2021年08月20日
- 公報発行日
- 2022年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】AKT FRANCHISE, LLC
- 【請求人代理人】特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 青野 紀子
- 分類
- T18 .261-Z (W41) / T18 .262-Z (W41) / T18 .263-Z (W41) / T18 .264-Z (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
国際登録第1433439号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。
結論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「AKT」の欧文字を黒色で横書きしてなり、第41類「Physical fitness studio services, namely, providing group exercise instruction, equipment, and facilities; physical fitness training of individuals and groups.」を指定役務として、2018年(平成30年)9月28日に国際商標登録出願されたものである。
なお、本願は、令和元年11月8日付けで暫定拒絶通報が通知され、同2年1月16日に意見書が提出されたが、同年3月16日付けで拒絶査定がされたものである。
これに対して同年6月23日に拒絶査定を不服とする審判の請求がなされている。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5239307号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲1のとおり、「AKT」の欧文字を、オレンジ色で横書きしてなり、平成20年9月30日に登録出願、第41類「ネットワーク通信・インターネット又はコンピュータプログラムの設計・作成に関する知識の教授」を指定役務として、同21年6月19日に設定登録され、その後、令和元年11月26日に商標権の存続期間の更新登録がなされており、現に有効に存続しているものである。
3 当審における証拠調べ
本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲2に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対し、令和2年10月29日付けで証拠調べの結果を通知したところ、請求人からは、同3年2月1日受付の意見書が提出された。
4 当審の判断
(1)本願商標の商標法第4条第1項第11号の該当性について
ア 本願商標と引用商標との類否について
(ア)本願商標について
本願商標は、上記1のとおり、「AKT」の欧文字を黒色で横書きしてなるところ、当該文字は、「行為、しわざ;動作」の意味を有するドイツ語(「コンサイス独和辞典」株式会社 三省堂)であるとしても、我が国において一般に親しまれた語とはいえないことから、この文字に接する取引者、需要者が、直ちに特定の意味合いを理解するとはいい難いものであり、一種の造語として理解されると判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、その構成文字に相応して「エーケーティー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(イ)引用商標について
引用商標は、上記2のとおり、「AKT」の欧文字をオレンジ色で横書きしてなるところ、当該文字は上記(ア)と同様に、一種の造語として理解されると判断するのが相当である。
したがって、引用商標は、その構成文字に相応して「エーケーティー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(ウ)本願商標と引用商標との類否について
本願商標及び引用商標の構成は、上記(ア)及び(イ)のとおりの構成からなり、両者は、「AKT」の欧文字からなるところ、文字の色彩が相違するとしても、そのつづりを共通にするものであるから、外観上、類似するものであり、また、称呼については、「エーケーティー」の称呼を共通にするものであり、観念については、いずれも我が国において特定の観念を想起させるものではないものの、ドイツ語で同じ意味を有するものであるから、この点において、両者に相違はない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
イ 本願の指定役務と引用商標の指定役務との類否について
役務の類否の判断は、役務の目的又は場所が一致するかどうか、需要者の範囲が一致するかどうか、業種が同じかどうか、同一の事業者が提供するものであるかどうかなどを総合的に考察して行うべきものである。
(ア)本願の指定役務について
本願の指定役務中、「physical fitness training of individuals and groups.」は、エクササイズの方法やそれに関する専門的知識を有するインストラクター等が、受講者に対して、身体のフィットネストレーニングに関する知識や技術の教授を行うサービスである。
また、本願の指定役務中、「Physical fitness studio services, namely, providing group exercise instruction, equipment, and facilities;」は、フィットネスクラブ内で、エクサイズの方法やそれに関する専門的知識を有するインストラクター等が、受講者に対して、エクササイズ(運動)に関する知識や技術の教授を行うサービスを包含するものである。
そして、受講者は、年齢、性別に関係ない一般の需要者といえる。
(イ)引用商標の指定役務について
引用商標の指定役務は、上記2のとおり、第41類「ネットワーク通信・インターネット又はコンピュータプログラムの設計・作成に関する知識の教授」であり、ネットワーク通信・インターネット又はコンピュータプログラムの設計・作成に関する専門的知識を有するインストラクター等が、受講者に対して、ネットワーク通信・インターネット又はコンピュータプログラムの設計・作成についての知識の教授を目的とするサービスである。
そして、受講者は、年齢、性別に関係ない一般の需要者といえる。
(ウ)本願の指定役務と引用商標の指定役務との類否について
a 提供の目的、場所について
本願の指定役務(以下「本願役務」という場合がある。)は、上記(ア)のとおり、インストラクター等が、受講者に対して、エクササイズ(運動)や身体のフィットネストレーニングに関する知識や技術の教授を行うサービスである。
他方、引用商標の指定役務(以下「引用役務」という場合がある。)は、上記(イ)のとおり、インストラクター等が、受講者に対して、ネットワーク通信・インターネット又はコンピュータプログラムの設計・作成についての知識の教授を行うサービスである。
そうすると、本願役務と引用役務の提供の目的は、いずれも、他人(受講者)に対して、知識や技術の教授を行うことであるため、その目的は共通するといえる。
また、本願役務と引用役務とは、役務の提供場所が、学校やカルチャーセンター等の教育施設である場合があり、役務の提供の場所を共通にすることがあるといえる。
b 需要者の範囲について
本願役務と引用役務の需要者は、知識や技術の教授を受ける受講者であり、一般の需要者であるから、需要者の範囲は共通するといえる。
c 業種について
本願役務と引用役務を提供する業種は、いずれも「教育機関」(教育・学習支援業)である場合があり、業種を共通にすることがあるといえる。
d 事業者について
本願役務を提供する事業者は、フィットネススタジオ、カルチャーセンター等を運営する、知識や技術を教授する事業者であり、また、引用役務を提供する事業者は、パソコンスクール、カルチャーセンター等を運営する、知識や技術を教授する事業者であるといえるから、事業者は共通するといえる。
e 小括
そうすると、本願役務と引用役務とは、知識を教授する内容が相違するとしても、本願役務と引用役務の提供の目的は、いずれも、他人(受講者)に対して、知識や技術の教授を行うことであるため、目的は共通である。
また、提供の場所は大学、カルチャーセンター等の教育施設を共通にする場合があり、需要者の範囲は知識や技術の教授を受ける受講者であり、一般の需要者の範囲を共通にし、業種は教育機関等を共通にする場合があり、指定役務を提供する事業者は知識や技術を教授する者であるから、事業者も共通するものであって、それらを総合的に考慮すれば、本願役務と引用役務は、類似するものであることは明らかである。
そうすると、本願役務と引用役務とは、役務の提供の目的、場所、需要者の範囲、業種及び事業者等を共通にする類似の役務と判断するのが相当である。
ウ まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定役務と類似する役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張
ア 請求人は、証拠調べ通知書に挙げた事例(別掲2)(以下「引用事例」という。)は、本願役務と引用役務の通常の営業主体を示すものではなく、特殊事例を示したものである旨、また、引用事例で挙げる大学、カルチャースクール等は、幅広い「知識教育」を目的とした総合的な教育施設であり、役務の提供の機会・場所の施設提供者にすぎず、本願及び引用商標の通常の提供主としては馴染まない旨主張する。
しかしながら、別掲2のとおり、本願役務及び引用役務と同種の役務が、請求人以外の者、例えば、大学及びカルチャーセンターにおいて、ともに、実際に提供されている事実があり、また、大学及びカルチャーセンターに限らずとも、本願役務と引用役務とは、知識や技術を教授する事業者が提供する役務であって、本願役務と引用役務の提供者が共通であるといえるから、請求人の主張は採用することはできない。
イ 請求人は、引用事例は、全て不適切な事例であると主張し、引用事例について、本願役務と引用役務とは相違する、又は、内容が不明であるなどと述べている。
しかしながら、引用事例は、本願役務に関連したフィットネスやエクササイズ等の身体運動を内容とする知識の教授と、引用役務に関連したネットワーク通信・インターネットやコンピュータプログラムの設計・作成等を内容とする知識の教授とが、同一営業主によって、提供されている事例を挙げたものであって、引用事例に挙げた授業の内容(知識や技術の教授の内容)が、本願役務、あるいは、引用役務と全く同一でないとしても、それぞれ、他人に知識や技術の教授を行うという目的、及び提供者、需要者の範囲等において共通するものであることを示したものといえることから、請求人の主張は採用することができない。
ウ 請求人は、過去の審決において、「ソフトウェアの知識の教授」と「健康管理についての知識の教授,スポーツの教授」が、非類似の役務と認定されていることを挙げ、本件において、これと異なる判断をすべき合理的理由はない旨主張する。
しかしながら、商標法第4条第1項第11号に該当するか否かは、過去の審決例等の判断に拘束されることなく、査定時又は審決時における個別具体的な事情に基づき判断されるものであって、請求人の挙げた審決例をもって、本願商標の商標法第4条第1項第11号の該当性についてした上記(1)の認定、判断が左右されるべきではない。
したがって、請求人の主張は採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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