特許訂正審判
2020-390111
ディジタルカメラ
- 審判番号
- 2020-390111
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2005-233514
- 登録番号
- 3845446
- 請求日
- 2020年12月11日
- 審決日
- 2021年11月16日
- 公報発行日
- 2022年07月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】稲葉 稔
- 審判長/審判官
- 審判長 五十嵐 努
- 審判官 木方 庸輔
- 審判官 渡辺 努
- 分類
- P141 .851-Z (G03B) / P141 .857-Z (H04N) / P141 .854-Z (G03B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 行政事件訴訟法46条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第3845446号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第3845446号(以下、「本件特許」という。)に係る出願は、平成17年8月11日の特許出願であって、平成18年8月25日にその特許権の設定登録がされたものである。
その後、令和2年12月11日に差し出された訂正審判請求書(書面上の日付は同年12月10日。以下「本件訂正審判請求書」という。)によって訂正審判の請求がなされ、令和3年3月25日に手続補正書が差し出され、
同年8月6日付けで訂正拒絶理由が通知され、
当該訂正拒絶理由に対して同年8月15日に手続補正書(書面上の日付は同年8月14日。以下、「本件補正書」という。)が差し出され、同年8月17日に意見書が提出されたものである。
第2 本件補正書による補正
1 補正の内容
本件補正書による補正(以下、「本件補正」という。)は、本件訂正審判請求書の5(2)に記載された訂正事項1~5を、本件補正書の3に記載された訂正事項1~12とする補正を求めるものと認められる。
2 本件補正に対する当審の判断
(1)訂正事項1
本件補正書の訂正事項1は、請求項1を削除するとの訂正を求めるものであり、訂正請求書の5(2)(ア)で求める訂正と同様のものであるから、本件補正による訂正事項1に係る補正は、審理対象の拡張変更を伴わないため、審判請求書の要旨を変更しないものと認められる。
(2)訂正事項2
本件補正書の訂正事項2は、請求項2を削除するとの訂正を求めるものであり、訂正請求書の5(2)(イ)で求める訂正と同様のものであるから、本件補正による訂正事項2に係る補正は、審理対象の拡張変更を伴わないため、審判請求書の要旨を変更しないものと認められる。
(3)訂正事項3
本件補正書の訂正事項3は、請求項3に対する訂正について、以下のa.への訂正を求めるものであり、訂正請求書の5(2)(ウ)で求める以下のb.への訂正と同様のものであるから、本件補正による訂正事項3に係る補正は、審理対象の拡張変更を伴わないため、審判請求書の要旨を変更しないものと認められる。(なお、下線は当審で付した。)
a.「【請求項3】ディジタルカメラは撮影レンズをレンズ交換可能に構成され、該交換レンズとカメラ本体との間に、該カメラ本体の内部を密閉するための防塵板を取り付け、前記カメラ本体内の撮像素子表面に塵埃が付着しないように構成したことを特徴とするディジタルカメラ。」
b.「【請求項3】ディジタルカメラは、撮影レンズをレンズ交換可能に構成され、該交換レンズとカメラ本体との間に、該カメラ本体の内部を密閉するための防塵板を取り付け、前記カメラ本体内の撮像素子表面に塵埃が付着しないように構成したことを特徴とするディジタルカメラ。」
(4)訂正事項4
本件補正書の訂正事項4は、請求項4を削除するとの訂正を求めるものであり、訂正請求書の5(2)(エ)で求める請求項4の訂正であったものから請求項4を削除し、審理の対象がなくなるものであるから、本件補正による訂正事項4に係る補正は、審理対象の拡張変更を伴わないため、審判請求書の要旨を変更しないものと認められる。
(5)訂正事項5
本件補正書による訂正事項5は、訂正請求書ではなく、令和3年3月25日に差し出された手続補正書に記載された訂正事項5を削除するものと認められるから、本件補正による訂正事項5に係る補正は、審理対象の拡張変更を伴わないため、審判請求書の要旨を変更しないものと認められる。
(6)訂正事項6~7
本件補正書による訂正事項6~7は、本件特許に係る特許出願の要約書における【要約】または【選択図】の記載について訂正を求めるものと認める。しかし、要約書は、特許法126条1項柱書きの規定する訂正の対象ではないから、訂正審判の請求において訂正の対象とはならないものである。したがって、本件補正の適否の判断においては、訂正事項6~7を除いて判断するものとする。
(7)訂正事項8~12
本件補正書による訂正事項8~12は、請求項1~2及び4の削除に係る訂正事項1~2及び4を変更する補正に整合させるための訂正事項の補正を求めるものと認められるから、本件補正による訂正事項8~12に係る補正は、審理対象の拡張変更を伴わないため、審判請求書の要旨を変更しないものと認められる。
(8)まとめ
上記(1)~(7)で検討したとおりであるかから、本件補正書による本件訂正審判請求書の補正は、適法なものと認められる。
第3 請求の趣旨
1 本件訂正審判請求書の「4 請求の趣旨」について
本件訂正審判請求書の4に記載された本件訂正審判の請求の趣旨は、本件訂正審判請求書の1に記載された特許番号及び本件補正書の3の冒頭部分の記載を参酌することにより、以下のとおりのものと認める。
「特許第3845446号の明細書、特許請求の範囲及び図面を本訂正審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」
2 本件訂正審判請求書の5の「(2)「訂正事項」」について
本件補正書の3(オ)の記載により、本件訂正審判の請求から訂正事項5を削除するものと認められるから、本件訂正審判請求書の5(2)に記載された本件訂正審判の請求による訂正事項は、本件補正書の3に(ア)~(エ)及び(カ)~(シ)として記載された訂正事項1~4及び6~12の記載により、以下のとおりのものと認める。
(1)本件訂正審判請求書に記載された訂正事項について
・訂正事項1 (本件補正書の(ア)に対応)
訂正事項1は、特許請求の範囲における請求項1を削除することを求めるものと認める。
・訂正事項2 (本件補正書の(イ)に対応)
訂正事項2は、特許請求の範囲における請求項2を削除することを求めるものと認める。
・訂正事項3 (本件補正書の(ウ)に対応)
訂正事項3は、特許請求の範囲における請求項3を、以下の訂正前の請求項3(以下、「旧請求項3」という。)から訂正後の請求項3(以下、「新請求項3」という。)に変更することを求めるものと認める。(下線は当審で付した。)
旧請求項3:「上記ディジタルカメラは、レンズ交換可能に構成され、該交換レンズとカメラ本体との間に、該カメラ本体の内部を密閉するための防塵板を取り付け、前記カメラ本体内の撮像素子表面に塵埃が付着しないように構成したことを特徴とする請求項1記載のディジタルカメラ。」
新請求項3:「ディジタルカメラは撮影レンズをレンズ交換可能に構成され、該交換レンズとカメラ本体との間に、該カメラ本体の内部を密閉するための防塵板を取り付け、前記カメラ本体内の撮像素子表面に塵埃が付着しないように構成したことを特徴とするディジタルカメラ。」
・訂正事項4 (本件補正書の(エ)に対応)
訂正事項4は、特許請求の範囲における請求項4を削除することを求めるものと認める。
・訂正事項6 (本件補正書の(カ)に対応)
訂正事項6は、本件特許に係る特許出願の要約書における【要約】の記載について訂正を求めるものと認める。
・訂正事項7 (本件補正書の(キ)に対応)
訂正事項7は、本件特許に係る特許出願の要約書における【選択図】の記載について訂正を求めるものと認める。
・訂正事項8 (本件補正書の(ク)に対応)
訂正事項8は、明細書における段落【0004】の記載のうち、「【特許文献1】特開2002-335438号公報」の部分を「【特許文献1】特開2000-241869号公報」とする訂正を求めるものと認める。
・訂正事項9 (本件補正書の(ケ)に対応)
訂正事項9は、本件特許の明細書の以下の段落を削除することを求めるものと認める。
段落【0002】~【0007】,【0009】~【0011】,【0013】~【0016】,【0019】~【0023】,【0026】~【0029】,【0031】~【0057】,【0066】~【0068】.
・訂正事項10 (本件補正書の(コ)に対応)
訂正事項10は、本件特許の明細書の段落【0070】における以下の図面番号とその説明を削除することを求めるものと認める。
図1,図2,図7,図8,図9.
・訂正事項11 (本件補正書の(サ)に対応)
訂正事項11は、本件特許の明細書の段落【0071】から以下の部品番号とその説明を削除することを求めるものと認める。
1,2,3,4,「5,5」,6,7,「8,8」,「9,9」,10,11,12,13,14,21,「22,23」,「24,25」,202,203,204,205,26,51,52,53,61,62,63.
・訂正事項12 (本件補正書の(シ)に対応)
訂正事項12は、本件特許の図面から以下の図面番号の図面を削除することを求めるものと認める。
【図1】~【図2】,【図5】~【図9】.
3 本件訂正審判請求書の5の「(3)「訂正の理由」)について
本件訂正審判請求書の5(3)には、「ア 「別の訂正単位とする求め」すべての訂正事項に対して」と記載されており、また、本件補正書の3の冒頭部分には「特許第3845446号の明細書、特許請求の範囲及び図面を「別の訂正単位とすることを求め」として、」と記載されていることから、本件訂正審判の請求は、訂正事項1~4及び6~12をそれぞれ別の訂正単位として訂正を請求しているものと認める。
第4 当審の判断
1 訂正の対象について
(1)訂正事項6~7について
訂正事項6~7に係る訂正は、要約書の【要約】または【選択図】の訂正を求めるものである。しかし、要約書の訂正は、特許法126条1項柱書きの規定する訂正審判の請求における訂正の対象ではないから、訂正事項6~7に係る訂正は、訂正審判の請求において訂正の対象とはならないものである。
2 訂正の請求単位について
上記第3の3で述べたとおり、請求人は各訂正事項を別の訂正単位とすることを求めているものと認められる。
しかし、訂正前の請求項2~4は、それぞれ訂正前の請求項1を引用しており、また、当該請求項に係る訂正(訂正事項2~4)は、下記3(2)~(4)で後述するとおり、引用形式での記載を独立形式での記載に改めるものでもないから特許法126条1項ただし書4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」に該当する訂正ではない。よって、訂正前の請求項1~4は、同法120条の5第4項に規定される一群の請求項であるから、これらの請求項に係る訂正事項1~4の訂正は、請求項ごとに請求できないものであり、一体の訂正事項として取り扱われるものである。
また、訂正事項8~12による明細書または図面の訂正に係る請求項は、訂正前の請求項1~4からなる一群の請求項である。そして、この一群の請求項に係る訂正事項は、訂正事項1~4である。ここで、明細書または図面の訂正は、同法126条4項に規定されるとおり、明細書または図面の訂正に係る請求項の全て(すなわち、一群の請求項の全て)について一体として請求しなければならない。したがって、訂正事項8~12は、訂正事項1~4と一体の訂正事項と認められるから、訂正事項1~4及び8~12は、一体の訂正事項と認められる。
よって、本件訂正審判の請求は、訂正事項1~4及び8~12が一体の訂正事項であり、別の訂正単位とすることは認められない。
3 訂正の目的について
(1)訂正事項1の「訂正の目的」の適否について
訂正事項1は、請求項の削除を求めるものであるから、特許請求の範囲を減縮するものと認められる。したがって、当該訂正は、特許法126条1項ただし書1号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)訂正事項2の「訂正の目的」の適否について
訂正事項2は、請求項の削除を求めるものであるから、特許請求の範囲を減縮するものと認められる。したがって、当該訂正は、同条1項ただし書1号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(3)訂正事項3の「訂正の目的」の適否について
旧請求項3は、訂正前の請求項1(以下、「旧請求項1」という。)を引用しており、構成として旧請求項1の構成を備えるものであったが、新請求項3は、旧請求項1の構成を備えずに、単に旧請求項1を引用しない形式に訂正するものである。当該訂正は、請求項の構成を変更する訂正であり、請求項間の引用関係を解消する訂正とは認められないから、当該訂正は、同条1項ただし書4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」に該当する訂正ではない。
また、当該訂正は、請求項に記載された構成を削減するものであるから、特許請求の範囲を減縮するものではないことは明らかである。したがって、当該訂正は、同条1項ただし書1号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものでもない。
また、当該訂正が同条1項ただし書2号「誤記又は誤訳の訂正」及び同3号「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正に該当しないことは、明らかである。
したがって、当該訂正は、同条1項ただし書各号に掲げる事項を目的とするものであるとはいえない。
以上のとおり、訂正事項3に係る訂正は、同条1項ただし書各号に掲げるいずれの事項を目的とするものではない。
(4)訂正事項4の「訂正の目的」の適否について
訂正事項4は、請求項4の削除を求めるものであるから、特許請求の範囲を減縮するものと認められる。したがって、当該訂正は、同条1項ただし書1号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(5)訂正事項8~12の「訂正の目的」の適否について
上記2で検討したとおり、訂正事項1~4及び8~12は、一体の訂正事項と認められ、かつ、上記3(3)で検討したとおり訂正事項3に係る訂正は、同条1項ただし書各号に掲げるいずれの事項を目的とするものではないから、訂正事項8~12について検討するまでもなく、一体の訂正事項である訂正事項1~4及び8~12は、同条1項ただし書各号に掲げるいずれの事項を目的としないものを含むものである。
4 特許請求の範囲の拡張または変更について
訂正事項3の「特許請求の範囲の拡張または変更」について検討する。
訂正事項3に係る新請求項3への訂正は、旧請求項3に係る発明から訂正前の旧請求項1に記載されていた構成を省くものであるから、実質上、特許請求の範囲を拡張するものである。したがって、訂正事項3は、特許法126条6項の規定に違反するものである。
そして、上記2で検討したとおり、訂正事項1~4及び8~12は、一体の訂正事項と認められ、かつ、訂正事項3に係る訂正は、同条6項の規定に違反するものであるものであるから、訂正事項1~2,4及び8~12について検討するまでもなく、一体の訂正事項である訂正事項1~4及び8~12は、同条6項の規定に違反するものである。
第5 むすび
本件訂正審判の請求は、訂正事項1~4及び6~12について訂正を求めるものである。
しかし、上記第4の1で検討したとおり、訂正事項6~7は、特許法126条1項柱書きに規定する訂正審判の請求における訂正の対象に適合しないものである。
また、上記第4の3(3)で検討したとおり、訂正事項3は、同条1項ただし書各号に規定する訂正の目的の要件に適合するものではなく、かつ、上記第4の4で検討したとおり、訂正事項3は、同条6項に違反して特許請求の範囲を拡張するものである。そして、上記第4の2で検討したとおり、訂正事項1~4及び8~12は、一体の訂正事項と認められる。したがって、一体の訂正事項である訂正事項1~4及び8~12は、同条1項ただし書各号に規定された目的に該当せず、かつ、同条6項の規定に違反するものである。
したがって、特許第3845446号の特許請求の範囲を本件訂正審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり訂正することを認めることはできない。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2020-390111