特許訂正審判
2020-390096
ディジタルカメラ
- 審判番号
- 2020-390096
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2005-233514
- 登録番号
- 特許第3845446号(P3845446)
- 請求日
- 2020年10月21日
- 審決日
- 2021年02月26日
- 公報発行日
- 2021年06月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】稲葉 稔
- 審判長/審判官
- 審判長 五十嵐 努
- 審判官 小池 正彦
- 審判官 渡辺 努
- 分類
- P141 .857-Z (G03B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第1項第4号、特許法第126条第1項第1号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第3845446号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 経緯
本件特許第3845446号に係る発明は、平成17年8月11日に特許出願されたものであって、平成18年8月25日に特許権の設定登録がなされた。
本件は、令和2年10月21日になされた訂正審判請求であって、当審において、令和2年11月30日付けで訂正拒絶理由通知がされたが、意見書は提出されなかった。
第2 請求
1 請求の趣旨
本件審判請求の趣旨は、特許第3845446号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項3について、訂正することを認める、との審決を求めるものである。
2 訂正事項
(1)訂正事項1
訂正前の請求項3に、
「上記ディジタルカメラは上記撮影レンズをレンズ交換可能に構成され、該交換レンズとカメラ本体との間に、該カメラ本体の内部を密閉するための防塵板を取り付け、前記カメラ本体内の撮像素子表面に塵埃が付着しないように構成したことを特徴とする請求項1記載のディジタルカメラ。」
とあるのを、
訂正後の請求項3は、
「ディジタルカメラは、電子ディスプレイを具備し、更に、撮影レンズを交換可能に構成され、該交換レンズとカメラ本体との間に、該カメラ本体の内部を密閉するための防塵板を取り付け、前記カメラ本体内の撮像素子表面に塵埃が付着しないように構成したことを特徴とするディジタルカメラ。」
に訂正する。
(2)訂正事項2
明細書の段落【0024】に、
「請求項3記載の発明は、上記ディジタルカメラは上記撮影レンズをレンズ交換可能に構成され、該交換レンズとカメラ本体との間に、該カメラ本体の内部を密閉するための防塵板を取り付け、前記カメラ本体内の撮像素子表面に塵埃が付着しないように構成した請求項1記載のディジタルカメラを提供する。」
とあるのを、
「ディジタルカメラは、電子ディスプレイを具備し、更に、撮影レンズを交換可能に構成され、該交換レンズとカメラ本体との間に、該カメラ本体の内部を密閉するための防塵板を取り付け、前記カメラ本体内の撮像素子表面に塵埃が付着しないように構成したことを特徴とするディジタルカメラ。」
に訂正する。
(3)訂正事項3
明細書の段落【0030】に、
「請求項3記載の発明は、レンズ交換時に、カメラ本体内の撮像素子表面に塵埃が付着することを阻止できるので、請求項1記載の発明の効果に加えて、撮像素子表面への塵埃付着による撮影不良を防止でき、良好な写真が常に安定して得られるという優れた効果を有する。」
とあるのを、
「請求項3記載の発明は、レンズ交換時に、カメラ本体内の撮像素子表面に塵埃が付着することを阻止できるので、撮像素子表面への塵埃付着による撮影不良を防止でき良好な写真が常に安定して得られるという優れた効果を有する。」
に訂正する。
第3 当審の判断
1 訂正事項1について
上記の訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書各号に揚げるいずれの事項を目的とするものではなく、特許法第126条第1項の規定に違反するものである。
詳細は、以下のとおりである。
(1)訂正前の請求項3について
訂正前の請求項3は、
「上記ディジタルカメラは上記撮影レンズをレンズ交換可能に構成され、該交換レンズとカメラ本体との間に、該カメラ本体の内部を密閉するための防塵板を取り付け、前記カメラ本体内の撮像素子表面に塵埃が付着しないように構成したことを特徴とする請求項1記載のディジタルカメラ。」であり、
請求項1は、
「撮像素子に結像される画像を電子ディスプレイによって視認しつつ、パースペクティブコントロールを行って撮影するディジタルカメラであって、
前記撮像素子を搭載した撮影基板は、カメラのボディーフレームの前面又は後面に板バネ等の押圧付勢部材で押圧され、かつ、撮影レンズの光軸と垂直方向となる縦方向及び横方向に各別に位置調整可能に設けられ、
前記撮影レンズによる投影像が前記撮像素子上に結像するように前記撮影基板を位置調整することにより、撮影前に前記電子ディスプレイによってパースペクティブ状態を視認調節できるように構成したディジタルカメラに於いて、
上記撮像素子を搭載した撮影基板は、該撮影基板の上方左右端近傍に上下方向に第一のラックが固定され、該第一のラックには、カメラ本体側に支持された横方向に延びる第一のピニオンの両端側部分が噛合し、かつ、前記撮影基板の上方端部近傍には、第二のラックが横方向に固定され、該ラックにはカメラ本体に支持された上下方向に延びる第二のピニオンが噛合して、前記カメラボディーフレームに設けられてなることを特徴とするディジタルカメラ。」
である。
したがって、訂正前の請求項3を「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとする」、すなわち、請求項1の記載を引用する請求項3の記載を請求項1の記載を引用しない形式に書き下すと、
「撮像素子に結像される画像を電子ディスプレイによって視認しつつ、パースペクティブコントロールを行って撮影するディジタルカメラであって、
前記撮像素子を搭載した撮影基板は、カメラのボディーフレームの前面又は後面に板バネ等の押圧付勢部材で押圧され、かつ、撮影レンズの光軸と垂直方向となる縦方向及び横方向に各別に位置調整可能に設けられ、
前記撮影レンズによる投影像が前記撮像素子上に結像するように前記撮影基板を位置調整することにより、撮影前に前記電子ディスプレイによってパースペクティブ状態を視認調節できるように構成したディジタルカメラに於いて、
上記撮像素子を搭載した撮影基板は、該撮影基板の上方左右端近傍に上下方向に第一のラックが固定され、該第一のラックには、カメラ本体側に支持された横方向に延びる第一のピニオンの両端側部分が噛合し、かつ、前記撮影基板の上方端部近傍には、第二のラックが横方向に固定され、該ラックにはカメラ本体に支持された上下方向に延びる第二のピニオンが噛合して、前記カメラボディーフレームに設けられてなることを特徴とするディジタルカメラであり、
上記ディジタルカメラは上記撮影レンズをレンズ交換可能に構成され、該交換レンズとカメラ本体との間に、該カメラ本体の内部を密閉するための防塵板を取り付け、前記カメラ本体内の撮像素子表面に塵埃が付着しないように構成したことを特徴とするディジタルカメラ。」(以下「請求項1記載を引用しないものとする請求項3」という。)
である。
(2)訂正の目的について
ア 他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること(特許法第126条第1項第4号)
請求人は、訂正事項1が「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を訂正の目的とするものであると主張するので、検討する。
上記(1)のとおり、請求項1記載を引用しないものとする請求項3は、
「撮像素子に結像される画像を電子ディスプレイによって視認しつつ、パースペクティブコントロールを行って撮影するディジタルカメラであって、
前記撮像素子を搭載した撮影基板は、カメラのボディーフレームの前面又は後面に板バネ等の押圧付勢部材で押圧され、かつ、撮影レンズの光軸と垂直方向となる縦方向及び横方向に各別に位置調整可能に設けられ、
前記撮影レンズによる投影像が前記撮像素子上に結像するように前記撮影基板を位置調整することにより、撮影前に前記電子ディスプレイによってパースペクティブ状態を視認調節できるように構成したディジタルカメラに於いて、
上記撮像素子を搭載した撮影基板は、該撮影基板の上方左右端近傍に上下方向に第一のラックが固定され、該第一のラックには、カメラ本体側に支持された横方向に延びる第一のピニオンの両端側部分が噛合し、かつ、前記撮影基板の上方端部近傍には、第二のラックが横方向に固定され、該ラックにはカメラ本体に支持された上下方向に延びる第二のピニオンが噛合して、前記カメラボディーフレームに設けられてなることを特徴とするディジタルカメラであり、
上記ディジタルカメラは上記撮影レンズをレンズ交換可能に構成され、該交換レンズとカメラ本体との間に、該カメラ本体の内部を密閉するための防塵板を取り付け、前記カメラ本体内の撮像素子表面に塵埃が付着しないように構成したことを特徴とするディジタルカメラ。」
である。
一方、訂正後の請求項3は、
「ディジタルカメラは、電子ディスプレイを具備し、更に、撮影レンズを交換可能に構成され、該交換レンズとカメラ本体との間に、該カメラ本体の内部を密閉するための防塵板を取り付け、前記カメラ本体内の撮像素子表面に塵埃が付着しないように構成したことを特徴とするディジタルカメラ。」
であって、上記の請求項1記載を引用しないものとする請求項3と構成が全く異なるものである。
したがって、訂正事項1は、「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を訂正の目的とするものとは認められない。
イ 特許請求の範囲の減縮、誤記又は誤訳の訂正、明瞭でない記載の釈明(特許法第126条第1項第1号~第3号)
訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮、誤記又は誤訳の訂正、明瞭でない記載の釈明を目的とするものとも認められない。
2 訂正事項2、3について
訂正事項2、3は、訂正事項1の請求項3の訂正に伴う明細書の訂正である。
上記1のとおり、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書各号に揚げるいずれの事項を目的とするものではなく、特許法第126条第1項の規定に違反するものである。
そうすると、訂正事項2、3は、訂正事項1と同様に、 特許法第126条第1項ただし書各号に揚げるいずれの事項を目的とするものではなく、特許法第126条第1項の規定に違反するものである。
第4 むすび
以上のとおり、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項の規定に違反するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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