特許拒絶査定不服審判
2020-016871
表示装置
- 審判番号
- 2020-016871
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-019361外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年12月08日
- 審決日
- 2021年12月13日
- 公報発行日
- 2022年06月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】サターン ライセンシング エルエルシー
- 【請求人代理人】宮田 正昭
- 【請求人代理人】山田 英治
- 【請求人代理人】佐々木 榮二
- 【請求人代理人】澤田 俊夫
- 【請求人代理人】特許業務法人大同特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (H04N) / P18 .575-Z (H04N)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-19361「表示装置」拒絶査定不服審判事件〔令和元年7月18日出願公開、特開2019-118104〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2014年(平成26年)6月16日(優先権主張 2013年6月21日、2013年11月29日、2014年5月13日)を国際出願日とする出願である特願2015-522918号の一部を平成31年2月6日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年 1月21日付け:拒絶理由通知書
同年 6月24日 :意見書の提出
同年 8月 4日付け:拒絶査定
同年12月 8日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 令和2年12月8日にされた手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
令和2年12月8日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
本件補正は、出願時の特許請求の範囲の請求項1について以下のとおり補正する補正事項を含むものである。
〔本件補正前の請求項1〕
「【請求項1】
高速差動信号インタフェースであるマルチメディアインタフェース端子と、
一方向にTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)チャネルを含むマルチメディアインタフェース受信部と、
ハイダイナミックレンジ処理回路と、
パネル駆動回路と、
表示パネルを備え、
伝送路を介して送信装置から上記マルチメディアインタフェース受信部を通してハイダイナミックレンジの画像データを含むハイダイナミックレンジ信号を受信し、上記ハイダイナミックレンジの画像データのためのガンマ補正に関するインフォフレーム(InfoFrame)パケット内の情報を受信する 表示装置。」
〔本件補正後の請求項1〕
「【請求項1】
高速差動信号インタフェースであるマルチメディアインタフェース端子と、
一方向にTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)チャネルを含むマルチメディアインタフェース受信部と、
ハイダイナミックレンジ処理回路と、
パネル駆動回路と、
表示パネルを備え、
伝送路を介して送信装置から上記マルチメディアインタフェース受信部を通してハイダイナミックレンジの画像データを含むハイダイナミックレンジ信号を受信し、上記ハイダイナミックレンジの画像データのためのガンマ補正に関するインフォフレーム(InfoFrame)パケット内の情報を受信し、
HPD(Hot Plug Detection)信号が高レベル「H」であるときに、E-EDIDデータを使用して自身のハイダイナミックレンジに関する情報を上記送信装置に送信する
表示装置。」
2 補正の適否
上記1の補正事項は、本件補正前の請求項1の特定事項である、送信装置との間の情報伝送について、「HPD(Hot Plug Detection)信号が高レベル「H」であるときに、E-EDIDデータを使用して自身のハイダイナミックレンジに関する情報を上記送信装置に送信する」との限定を加えるものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下、「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1の〔本件補正後の請求項1〕に記載されている事項により特定されるとおりのものであり、以下に再掲する。
なお、各構成の符号(A)~(H)は、当審が付したものであり、以下、各構成を構成A~構成Hという。
〔本件補正発明〕【請求項1】
(A)高速差動信号インタフェースであるマルチメディアインタフェース端子と、
(B)一方向にTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)チャネルを含むマルチメディアインタフェース受信部と、
(C)ハイダイナミックレンジ処理回路と、
(D)パネル駆動回路と、
(E)表示パネルを備え、
(F)伝送路を介して送信装置から上記マルチメディアインタフェース受信部を通してハイダイナミックレンジの画像データを含むハイダイナミックレンジ信号を受信し、上記ハイダイナミックレンジの画像データのためのガンマ補正に関するインフォフレーム(InfoFrame)パケット内の情報を受信し、
(G)HPD(Hot Plug Detection)信号が高レベル「H」であるときに、E-EDIDデータを使用して自身のハイダイナミックレンジに関する情報を上記送信装置に送信する
(H)表示装置。
(2)引用文献
(2-1)引用文献1
ア 記載事項
原査定の拒絶の理由において引用文献1として引用された、本件出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である、国際公開第2012/153224号(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに次の記載がある。
なお、各記載事項に続く仮訳として、当該国際公開に対応する公表公報である特表2014-519620号公報に基づき作成した訳を併記した。
また、以降の下線は、強調のために当審が付したものである。
(ア)「FIELD OF THE INVENTION
The invention relates to generation and/or processing of an image signal comprising high dynamic range pixel values.」(1頁2~4行)
(仮訳:技術分野
本発明は、ハイダイナミックレンジ画素値を有する画像信号の生成及び/又は処理に関する。)
(イ)「FIG. 1 illustrates an example of an audio visual distribution path.」(11頁3行)
(仮訳:図1は、オーディオビジュアル分配経路の例を示す。)
(ウ)「The content processing device 103 is coupled to a display 107 via a communication path 109. The content processing device 103 generates a display signal comprising an audio visual signal representing the audiovisual content item.」(11頁27~29行)
(仮訳:コンテンツ処理装置103は、通信経路109を介してディスプレイ107に結合される。コンテンツ処理装置103は、前記オーディオビジュアルコンテンツアイテムを表すオーディオビジュアル信号を有するディスプレイ信号を生成する。)
(エ)「FIG. 2 illustrates an apparatus for generating an image signal.」(13頁31行)
(仮訳:図2は、画像信号を生成する装置を示す。)
(オ)「However, the following description will focus on an embodiment wherein the apparatus is implemented as part of the content processing device 103 of FIG. 1.」(14頁12~14行)
(仮訳:しかしながら、以下の記載は、前記装置が図1のコンテンツ処理装置103の一部として実施される実施例に焦点を合わせる。)
(カ)「In the example of FIG. 2, the receiver 201 is coupled to a first generator 203 which is arranged to include N-bit words in the image signal. In the specific example, this is done by generating data packets that include the N-bit words for the image. Further, in the example, the color representations and length of the words for the input and output signals are the same, and thus the first generator 203 may directly include the received M-bit words representing the HDR pixel values in the output image signal, e.g. by directly generating suitable data packets or segments comprising the M-bit values.
The receiver 201 is furthermore coupled to a second generator 205 which is arranged to generate and include an indicator in the image signal which indicates that HDR pixel values are encoded in the image signal. Thus, an indicator is provided as part of the image signal indicating that the signal comprises HDR values. The indicator may for example be included in the image signal by being included in a data message or data packet distributed along with the data messages or data packets comprising the pixel value data.
The first and second generators 203, 205 are coupled to an output unit 207 which is arranged to output the image signal. In the specific example, the output unit 207 may simply transmit the data messages or packets containing the pixel value data and the indicator.」(15頁8~24行)
(仮訳:図2の例において、受信器201は、前記画像信号にNビットワードを含めるように構成された第1の生成器203に結合される。具体例において、これは、前記画像に対する前記Nビットワードを含むデータパケットを生成することによりなされる。更に、この例において、入力及び出力信号に対するワードの色表現及び長さは同じであり、このようにして第1の生成器203は、例えばMビット値を有する適切なデータパケット又はセグメントを直接的に生成することにより、前記出力画像信号において前記HDR画素値を表す受信されたMビットワードを直接的に含めることができる。
受信器201は、HDR画素値が前記画像信号において符号化されることを示すインジケータを生成し、前記画像信号に含めるように構成される第2の生成器205に更に結合される。このようにして、インジケータは、前記信号がHDR値を有することを示す前記画像信号の一部として提供される。前記インジケータは、例えば、データメッセージ又は前記データメッセージと一緒に分配されたデータパケット又は前記画素値データを有するデータパケットに含められることにより前記画像信号に含められることができる。
第1及び第2の生成器203、205は、前記画像信号を出力するように構成された出力ユニット207に結合される。具体例において、出力ユニット207は、前記画素値データ及び前記インジケータを含むデータメッセージ又はパケットを単純に送信することができる。)
(キ)「FIG. 3 illustrates the apparatus of FIG. 2 modified to include a transformation processor 301 between the receiver 201 and the first generator 203. The transformation processor 301 is arranged to transform the high dynamic range pixel values from the first color representation to the second color representation.」(16頁11~14行)
(仮訳:図3は、受信器201と第1の生成器203との間に変換プロセッサ301を含むように修正された図2の装置を示す。変換プロセッサ301は、前記ハイダイナミックレンジ画素値を第1の色表現から第2の色表現に変換するように構成される。)
(ク)「It will be appreciated that in some embodiments, the transformation processor301 may be arranged to perform more complex processing and may for example map from one color representation to another taking into account image characteristics, display characteristics etc.
For example, the apparatus may be arranged to select between a range of color representations for encoding the HDR samples, and may select the one that is most suitable for the current image data. For example, for a sequence of images having a very high dynamic range, a non-linear (e.g. logarithmic) representation may be used whereas for a sequence of image ranges having a lower dynamic range a linear representation may be used. The apparatus may in such embodiments be further arranged to include an indication of the selected encoding in the image signal (e.g. an indication of a tone mapping function, or gamma function, etc.). Thus, the indicator may indicate the specific color representation used for the N-bit words of the image signal.」(18頁20~32行)
(仮訳:一部の実施例において、変換プロセッサ301は、より複雑な処理を実行するように構成されることができ、例えば、画像特性、ディスプレイ特性等を考慮に入れて1つの色表現から他の色表現にマッピングすることができると理解されたい。
例えば、前記装置は、HDRサンプルを符号化するようにある範囲の色表現の間で選択するように構成されることができ、現在の画像データに最も適したものを選択することができる。例えば、非常に高いダイナミックレンジを持つ画像のシーケンスに対して、非線形(例えば対数)表現が使用されることができ、より低いダイナミックレンジを持つ画像範囲のシーケンスに対して、線形表現が使用されることができる。前記装置は、このような実施例において、前記画像信号に選択された符号化の指標(例えばトーンマッピング関数又はガンマ関数等の指標)を含めるように構成されることができる。このようにして、前記インジケータは、前記画像信号のNビットワードに対して使用される特定の色表現を示すことができる。)
(ケ)「FIG. 4 illustrates an example of a sink for processing a signal provided by an apparatus as previously described. In the specific example, the sink is a display arranged to present the image of the image signal. The sink may specifically be the display 107 of FIG. 1.
The display 107 comprises a receiver 401 which receives the image signal. The image signal comprises a data segment which may contain high dynamic range pixel values in N-bit words according to one color representation or may contain low dynamic range pixel values (according another color representation). The image signal further comprises an indicator which is indicative of whether the data segment comprises the high dynamic range pixel values or the low dynamic range pixel values.
The receiver 401 is coupled to an extractor 403 which is arranged to extract the data from the data segment. The extractor 403 thus retrieves the pixel sample data from the image signal.
The extractor 403 is coupled to a processor for processing the pixel sample data. In the example, the processor is a display driver 405 which is further coupled to a display panel 407 and the receiver 401.
The display driver 405 receives the pixel sample data from the extractor 403 and the indicator from the receiver 401 and proceeds to generate a display drive signal for the display panel 407.
The processing of the display driver 405 is dependent on whether the indicator indicates that the pixel data is for an HDR or LDR image. For example, if the display is an LDR display, it may directly generate drive signals corresponding to the pixel values for the display provided the indicator reflects that the pixel values are already LDR values. However, if the indicator reflects that the received pixel values are indeed HDR pixel values, the display driver 405 may proceed to perform gamut mapping and other conversion from HDR to LDR. For example, a non-linear scaling may be applied to the HDR pixel values (e.g. corresponding to a log operation and clipping operation). Such a conversion may further take into account the dynamic range associated with the received HDR data in adapting the conversion.
Conversely, if the display is an HDR display it may directly use pixel values when the indicator indicates that the pixel data is HDR data, and may perform a gamut conversion (including luminance enhancement) when the indicator indicates that the pixel data is LDR data.」(20頁26行~21頁23行)
(仮訳:図4は、以前に記載された装置により提供される信号を処理するシンクの例を示す。具体例において、前記シンクは、前記画像信号の画像を提示するように構成されたディスプレイである。前記シンクは、特に、図1のディスプレイ107であることができる。
ディスプレイ107は、前記画像信号を受信する受信器401を有する。前記画像信号は、1つの色表現によるNビットワードのハイダイナミックレンジ画素値を含むことができるか又は(他の色表現による)ローダイナミックレンジ画素値を含むことができるデータセグメントを有する。前記画像信号は、前記データセグメントが前記ハイダイナミックレンジ画素値を有するか又は前記ローダイナミックレンジ画素値を有するかを示すインジケータを更に有する。
受信器401は、前記データセグメントからデータを抽出するように構成された抽出器403に結合される。抽出器403は、このようにして、前記画像信号から画素サンプルデータを取り出す。
抽出器403は、前記画素サンプルデータを処理するプロセッサに結合される。この例において、前記プロセッサは、ディスプレイパネル407及び受信器401に更に結合されるディスプレイドライバ405である。
ディスプレイドライバ405は、抽出器403から画素サンプルデータを、受信器401から前記インジケータを受信し、ディスプレイパネル407に対するディスプレイ駆動信号を生成するように進む。
ディスプレイドライバ405の処理は、前記インジケータが、前記画素データがHDRに対するものであることを示すか又はLDR画像に対するものであることを示すかに依存する。例えば、前記ディスプレイがLDRディスプレイである場合、これは、前記インジケータが画素値が既にLDR値であることを反映していることを条件として前記ディスプレイに対する画素値に対応する駆動信号を直接的に生成することができる。しかしながら、前記インジケータは、受信された画素値が実際にはHDR画素値であることを反映する場合、ディスプレイドライバ405は、HDRからLDRへの全範囲マッピング及び他の変換を実行するように進むことができる。例えば、非線形スケーリングは、HDR画素値に適用されることができる(例えば対数演算及びクリッピング操作に対応する)。このような変換は、前記変換を適応させる際に前記受信されたHDRデータと関連付けられたダイナミックレンジを考慮に入れることができる。
逆に、前記ディスプレイがHDRディスプレイである場合、これは、前記インジケータが、画素データがHDRデータであることを示す場合に、画素値を直接的に使用することができ、前記インジケータが、画素データがLDRデータであることを示す場合に、(輝度強化を含む)全範囲変換を実行することができる。)
(コ)「In the following, a specific example will be provided of an embodiment wherein the image signal is generated in accordance with the HDMITM standard. The embodiment utilizes the Deep Color mode of HDMITM to introduce HDR content.」(23頁1~3行)
(仮訳:以下、前記画像信号がHDMI規格によって生成される実施例の具体例が、提供される。前記実施例は、HDRコンテンツを導入するのにHDMIのディープカラーモードを使用する。)
(サ)「In the example, the HDMITM interface is set to Deep Color mode but with an indicator set to indicate that the content transmitted is not Deep Color data but rather HDR data. The indicator may be provided by setting suitably reserved fields in an AVI (Auxiliary Video Information) Info frame. As another example, the indicator may be provided in the form of a new info frame being defined specifically for indicating transmission of HDR content. As yet another example, the HDMITM vendor specific infoframe may be used to provide the indication.
In more detail, signaling in HDMITM is based on CEA861-D. CEA861-D defines the signaling from the sink to the source through E-EDID and from the source to the sink through the AVI-info frame.」(24頁13~22行)
(仮訳:この例において、HDMIインタフェースは、ディープカラーモードに設定されるが、インジケータは、送信されるコンテンツがディープカラーデータではなく、HDRデータであることを示すように設定される。前記インジケータは、AVI(補助ビデオ情報)インフォフレームの適切に予約されたフィールドを設定することにより提供されることができる。他の例として、前記インジケータは、特にHDRコンテンツの伝送を示すように規定された新しいインフォフレームの形式で提供されることができる。更に他の例として、HDMIベンダ固有インフォフレームが、前記指標を提供するのに使用されることができる。
より詳細には、HDMIにおける信号伝達は、CEA861-Dに基づく。CEA861-Dは、E-EDIDによる前記シンクから前記ソースへの信号伝達及びAVIインフォフレームによる前記ソースから前記シンクへの信号伝達を規定する。)
(シ)「In order to allow the Sink (the display) to indicate that it supports HDR content an extension of the E-EDID specification may be implemented. HDMTM uses E-EDID for signaling display capabilities from the display back to the playback device. The HDMITM specification, through a HDMITM vendor specific data block in the E-EDID, already specifies how to indicate support for Deep Color mode transmission. This may be enhanced to also include the possibility of support for HDR formats such as RGBE or other HDR color encodings.」(25頁22行~26頁5行)
(仮訳:前記シンク(前記ディスプレイ)がHDRコンテンツをサポートすることを前記シンク(前記ディスプレイ)が示すことを可能にするために、E-EDID仕様書の拡張が実施されることができる。HDMIは、前記ディスプレイから再生装置に戻すように表示性能を信号伝達するためにE-EDIDを使用する。HDMI仕様書は、前記E-EDID内のHDMIベンダ固有データブロックにより、ディープカラーモード伝送に対するサポートを示す方法を既に指定している。これは、RGBE又は他のHDR色符号化のようなHDRフォーマットに対するサポートの可能性をも含むように強化されることができる。)
(ス)「Fig. 7 shows an exemplary image decoding and displaying system at the receiving side, e.g. in a consumer's living room (the skilled person will understand how a similar system according to principles of our invention will look in e.g. a digital cinema theatre). An embodiment of color rendering image processing apparatus 701 is a set top box (which may correspond to the content processing device 103 of FIG. 1) with built-in Blu-ray reader (but this may also be e.g. a laptop computer, or portable device like a mobile phone etc., i.e. the apparatus 701 can be as small as a plug-in card [as long as it is able to read the regime specifications, and allow color processing with it] or as big as a professional cinema transcoding studio) is able to receive a Blu-ray 702 with the entire LDR/HDR extension image signal encoded on it, i.e. both the first picture with the LDR and the second picture with HDR extension data included.」(28頁15~25行)
(仮訳:図7は、受信側、例えば消費者のリビングルームにおける典型的な画像復号及び表示システムを示す(当業者は、どのようにして本発明の原理による同様のシステムが、例えばデジタルシネマシアターを見るかを理解している)。色レンダリング画像処理装置701の実施例は、ビルトインブルーレイリーダを持つ(図1のコンテンツ処理装置103に対応することができる)セットトップボックスであり(しかしながら、これは、例えばラップトップコンピュータ、又は携帯電話等のような携帯型装置であることもでき、すなわち装置701は、[レジーム仕様書を読み、色処理を可能にすることができる限り]プラグインカードほど小さい、又はプロフェッショナルシネマトランスコーディングスタジオほど大きいことができる)、符号化された全体的なLDR/HDR拡張画像信号、すなわちLDRを持つ第1のピクチャ及び含まれるHDR拡張データを持つ第2のピクチャの両方を持つブルーレイ702を受けることができる。)
(セ)「The player 701 may output its improved intended rendering output image IR' to the display/television over a video cable 720 (e.g. HDMI), but since the television may do (or be requested to do) additional processing (on its image analysis and/or processing IC 731), a second connection (cable or wireless) 721 may be present for control signals CS (which may comprise any data from the signal and/or control data derived therefrom). Typically these additional control signals may be added over the video cable, by updating e.g. the (wireless) HDMI protocol.」(29頁6~12行)
(仮訳:プレーヤ701は、ビデオケーブル720(例えばHDMI)を介して前記ディスプレイ/テレビに改良された意図されたレンダリング出力画像IR'を出力することができるが、前記テレビは、(画像分析及び/又は処理IC731上で)追加の処理を行う(又は行うように要求される)ことができるので、第2の接続(ケーブル又は無線)721は、(前記信号からのデータ及び/又はそれから得られる制御データを有することができる)制御信号CSに対して存在することができる。)
(ソ)「
[図:0001384701000001.jpg]
」
(タ)「
[図:0001384701000002.jpg]
」
(チ)「
[図:0001384701000003.jpg]
」
(ツ)「
[図:0001384701000004.jpg]
」
(テ)「
[図:0001384701000005.jpg]
」
イ 引用文献1に記載されている技術事項
上記アの記載事項から、引用文献1には次の技術事項が記載されているものと認められる。
(ア)記載事項(エ)及び(オ)によれば、図2の「画像信号を生成する装置」は、図1のコンテンツ処理装置103の一部として実施されるものであり、記載事項(キ)によれば、図3は修正された図2の装置であるから、図3は、画像信号を生成する装置として図1のコンテンツ処理装置103の一部として実施されるものであり、また、図3に係る記載事項(ク)に基づく構成は、コンテンツ処理装置103に係るものである。
(イ)記載事項(ス)によれば、図7の色レンダリング処理装置701は、図1のコンテンツ処理装置103に対応するものである。同様に、記載事項(セ)の「プレーヤ701」も、前記「色レンダリング処理装置701」と番号が同じであることから、図1のコンテンツ処理装置103に対応するものと認められる。
ウ 引用発明
上記アの記載及びイの技術事項から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
なお、引用発明の各構成の符号(a)~(g)は、説明のために当審が付したものであり、以下、「構成a」~「構成g」という。また、各構成の末尾において、対応する記載事項及び技術事項を括弧内に付した。
(引用発明)
(a)通信経路を介してコンテンツ処理装置に結合されるディスプレイであって、(記載事項(ウ))
(b)前記コンテンツ処理装置は、(技術事項(ア))
(b1)画像信号にNビットワードを含めるように構成された第1の生成器、及び、HDR画素値が前記画像信号において符号化されることを示すインジケータを生成し、前記画像信号に含めるように構成される第2の生成器を備え、(記載事項(カ))
(b2)第1及び第2の生成器は、前記画像信号を出力するように構成された出力ユニットに結合され、出力ユニットは、前記画素値データ及び前記インジケータを含むデータメッセージ又はパケットを送信することができ、(記載事項(カ))
(b3)受信器と第1の生成器との間にハイダイナミックレンジ画素値を第1の色表現から第2の色表現に変換するように構成される変換プロセッサを含み、(記載事項(キ))
(b31)前記変換プロセッサは、前記画像信号に選択された符号化の指標(ガンマ関数等の指標)を含めるように構成され、このようにして、前記インジケータは、前記画像信号のNビットワードに対して使用される特定の色表現を示すことができ、(記載事項(ク))
(c)前記ディスプレイは、前記画像信号を受信する受信器、前記画像信号から画素サンプルデータを取り出す抽出器、抽出器から画素サンプルデータを、受信器から前記インジケータを受信し、ディスプレイパネルに対するディスプレイ駆動信号を生成するディスプレイドライバ、及び、ディスプレイパネルを有し、(記載事項(ケ)、(ツ))
(c1)前記ディスプレイドライバの処理は、前記ディスプレイがHDRディスプレイである場合、前記インジケータが、画素データがHDRデータであることを示す場合に、画素値を直接的に使用し、前記インジケータが、画素データがLDRデータであることを示す場合に、(輝度強化を含む)全範囲変換を実行するというものであり、(記載事項(ケ))
(d)前記画像信号がHDMI規格によって生成され、(記載事項(コ))
(e)インジケータは、AVI(補助ビデオ情報)インフォフレームの適切に予約されたフィールドを設定することにより提供され、
HDMIベンダ固有インフォフレームが、前記指標を提供するのに使用され、
HDMIにおける信号伝達は、E-EDIDによる前記シンクから前記ソースへの信号伝達及びAVIインフォフレームによる前記ソースから前記シンクへの信号伝達を規定するCEA861-Dに基づくものであり、(記載事項(サ))
(f)HDMIは、前記ディスプレイから再生装置に戻すように表示性能を信号伝達するためにE-EDIDを使用し、
前記ディスプレイがHDRコンテンツをサポートすることを前記ディスプレイが示すことを可能にするために、E-EDID仕様書がHDRフォーマットに対するサポートの可能性をも含むように拡張され、(記載事項(シ))
(g)前記コンテンツ処理装置は、HDMIケーブルを介して前記ディスプレイに改良された意図されたレンダリング出力画像IR'を出力することができる(記載事項(セ)、技術事項(イ))
(a)ディスプレイ。
(2-2)引用文献2の記載事項
原査定の拒絶の理由において引用文献2として引用された、本件出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である、漆谷正義、「バス,シリアル,映像,ストレージ,有線,無線 インターフェース規格のすぐに役立つ基礎知識」、Interface、2009年2月、35巻、2号、76~87頁(以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに次の記載がある。
「●DVI(Digital Visual Interface)
DVIは,パソコンとディスプレイをディジタル接続するときの標準的な規格です.・・・
データ・フォーマットは、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling,別名PanelLink)を採用しています.」(78頁右欄2~12行)
「●HDMI
パソコン系のDVIをTV信号向け(ディジタル・テレビ,DVDレコーダなど)に拡張したものです.1本のケーブルで,映像,音声,制御信号の伝送が可能です.プロトコルは前述のTMDSです.」(80頁右欄7~11行)
(2-3)引用文献3の記載事項
当審により新たに追加された、本件出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である、特開2007-274065号公報(以下、「引用文献3」という。)には、図面とともに次の記載がある。
「【0041】
以下、本発明の実施の形態1において、ユーザ操作によってHDMIケーブル122の接続状態が変化する場合の動作について説明する。図2は本発明の実施の形態1におけるシステムの動作を示すシーケンス図である。図2において、ソース機器は本システムであり、接続対象となるCEC対応HDMIシンク機器123はCEC対応TVである。」
「【0045】
本システムのシステムコントローラ120は、HPD信号114、I/Oポート116を介して、HPD信号が“H”に遷移したことを検知する。そして、HPD信号のアサートを受けて、CEC対応HDMIシンク機器123のE-EDID情報を読み出し可能な状態に遷移したことを認識し、I2Cコントローラ109、DDCバス110を介してCEC対応HDMIシンク機器123のE-EDID情報を読み出す。」
(2-4)引用文献4の記載事項
当審により新たに追加された、本件出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である、特表2012-524317号公報(以下、「引用文献4」という。)には、図面とともに次の記載がある。
「【0033】
ソース・デバイス1全体の制御は、プロセッサ101(PROC)により保証される。プロセッサ101は、一連の、映像及び音声データ線(V/Aデータ)、制御線(CTRL)及びホット・プラグ検出線(HPD-src)経由でHDMIインタフェース回路102(HIF)に接続されており、HIFは、HDMIケーブル3とインタフェースする(たとえば、シングル・エンドから差動への変換、電圧レベル・シフティング及びバッファリングを行う)。」
「【0044】
シンク・デバイス2において、全体的な制御は、プロセッサ121により保証される。プロセッサ121は、映像及び音声データ(V/Aデータ)、制御(CTRL)及びホット・プラグ検出信号(HPD-sink)のラインを含む複数の信号ラインにより、HDMIインタフェース回路122に接続される。HDMIインタフェース回路122は、HDMIインタフェース回路102と同様の機能を有する。」
「【0054】
ステップ21で、ソース・デバイス1及びシンク・デバイス2は、HDMIケーブルを用いて接続される。ソース・デバイス1は、+5Vラインで利用可能な約5ボルトを供給する。5ボルトにより、HPD-sink信号をハイ・レベルとし、HPDラインを、抵抗127及びスイッチS4経由で、約5ボルトにプルアップする。HPDラインでのハイ・レベルは、プロセッサ101に、HDMIインタフェース回路102内の回路を用いて、HDMIケーブル3経由で接続されていることを検出させる。HPD-sink信号でのハイ・レベルは、プロセッサ121に、HDMIケーブル3経由で接続されていることを登録させる。
【0055】
その後、2つのプロセッサ101、プロセッサ121は、ホット・プラグ検出状態を登録し、ソース・デバイス1は、シンク・デバイス2についての情報を得るためにDDCラインを用いてシンク・デバイス2内のE-EDIDレジスタを読み始める。E-EDIDレジスタを読むこのステップは、HDMI標準の現行バージョンに規定されている通りである。」
(3)対比
本件補正発明と引用発明を対比する。
ア 構成Aについて
本件補正後の請求項3を参照すると、請求項3に係る発明は、「上記マルチメディアインタフェース端子は、HDMI(High Definition Multimedia Interface)端子である請求項1に記載の表示装置。」であり、「上記マルチメディアインタフェース端子」とは、本件補正発明の「高速差動信号インタフェースであるマルチメディアインタフェース端子」のことであるから、本件補正発明の「高速差動信号インタフェースであるマルチメディアインタフェース端子」にはHDMI端子が含まれるものと認められる。
そして、引用発明の「ディスプレイ」は、コンテンツ処理装置からの画像信号の受信が、HDMIケーブルを介してなされるもの(構成b2、構成c、構成g)であるから、当該HDMIのケーブルと接続するためのHDMIの端子が備わっているものといえる。
したがって、本件補正発明と引用発明は「高速差動信号インタフェースであるマルチメディアインタフェース端子」を備える点で一致する。
イ 構成Bについて
本件補正後の請求項4を参照すると、請求項4に係る発明は、「上記マルチメディアインタフェース受信部は、HDMI受信部である請求項3に記載の表示装置。」であり、「上記マルチメディアインタフェース受信部」とは、本件補正発明の「マルチメディアインタフェース受信部」のことであるから、本件補正発明の「マルチメディアインタフェース受信部」にはHDMI受信部が含まれるものと認められる。
そして、引用発明の「ディスプレイ」は、コンテンツ処理装置からの画像信号の受信が、HDMIケーブルを介してなされるもの(構成b2、構成c、構成g)であるから、引用発明の「ディスプレイ」(構成c)における「前記画像信号を受信する受信器」は、HDMIの受信部といえる。
したがって、本件補正発明と引用発明は「マルチメディアインタフェース受信部」を備える点で共通する。
しかしながら、前記マルチメディアインタフェース受信部が、本件補正発明では「一方向にTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)チャネルを含む」ものであるのに対し、引用発明では当該特定がなされたものではない点で、両者は相違する。
ウ 構成C、構成D、構成Eについて
引用発明の構成cの「ディスプレイパネルに対するディスプレイ駆動信号を生成するディスプレイドライバ」及び「ディスプレイパネル」は、本件補正発明の「パネル駆動回路」及び「表示パネル」にそれぞれ相当する。また、前記「ディスプレイドライバ」は、構成c1のHDRに係る処理を行うものであるから、本件補正発明の「ハイダイナミックレンジ処理回路」に相当する構成も備えるものといえる。
エ 構成Fについて
(ア)引用発明は、コンテンツ処理装置からディスプレイにHDMIケーブルを介して画像信号が送信されるもの(構成b2、構成c、構成g)であり、前記「コンテンツ処理装置」及び「HDMIケーブル」は、本件補正発明の「送信装置」及び「伝送路」にそれぞれ相当する。
そして、引用発明は、上記送信される画像信号にHDRの信号が含まれる(構成b1、構成c1)から、本件補正発明と引用発明は、「伝送路を介して送信装置から上記マルチメディアインタフェース受信部を通してハイダイナミックレンジの画像データを含むハイダイナミックレンジ信号を受信」するものである点で共通する。
しかしながら、「上記マルチメディアインタフェース受信部」について、本件補正発明と引用発明は、上記イで示した相違点と同様の相違点を有する。
(イ)引用発明の「選択された符号化の指標(ガンマ関数等の指標)」(構成b31)は、本件補正発明の「ガンマ補正に関する情報」に相当する。
さらに、上記指標は、ハイダイナミックレンジ画素値(構成b3)を対象とするものであるから、本件補正発明の「上記ハイダイナミックレンジの画像データのためのガンマ補正に関する情報」に相当する。
そして、引用発明は、前記指標が、HDMIベンダ固有インフォフレームによりソース(コンテンツ処理装置)からシンク(ディスプレイ)へパケットで提供されるもの(構成e、構成b2)であるから、本件補正発明と引用発明は、「上記ハイダイナミックレンジの画像データのためのガンマ補正に関するインフォフレーム(InfoFrame)パケット内の情報を受信」するものである点で一致する。
オ 構成Gについて
引用発明は、コンテンツ処理装置からディスプレイにHDMIケーブルを介して画像信号が送信されるもの(構成b2、構成c、構成g)である。ここで、当該HDMIにおける信号伝達には、E-EDIDによる前記シンクから前記ソースへの信号伝達が含まれ(構成e)、HDMIは、前記ディスプレイから再生装置に戻すように表示性能を信号伝達するためにE-EDIDを使用するもの(構成f)である。
そして、引用発明のE-EDIDの仕様書は、前記ディスプレイがHDRコンテンツをサポートすることを前記ディスプレイが示すことを可能にするために、HDRフォーマットに対するサポートの可能性をも含むように拡張されたもの(構成f)であるから、本件補正発明と引用発明は、「E-EDIDデータを使用して自身のハイダイナミックレンジに関する情報を上記送信装置に送信する」ものである点で共通する。
しかしながら、上記「E-EDIDデータを使用して自身のハイダイナミックレンジに関する情報を上記送信装置に送信する」ことが、本件補正発明では「HPD(Hot Plug Detection)信号が高レベル「H」であるときに、」行われるのに対し、引用発明では当該条件が特定されていない点で、両者は相違する。
カ 構成Hについて
引用発明の「ディスプレイ」(構成a)は、「表示装置」である点で本件補正発明と一致する。
キ 一致点、相違点について
上記ア~カから、本件補正発明及び引用発明の一致点及び相違点は、次のとおりである。
〔一致点〕
(A)高速差動信号インタフェースであるマルチメディアインタフェース端子と、
(B’)マルチメディアインタフェース受信部と、
(C)ハイダイナミックレンジ処理回路と、
(D)パネル駆動回路と、
(E)表示パネルを備え、
(F’)伝送路を介して送信装置から上記マルチメディアインタフェース受信部を通してハイダイナミックレンジの画像データを含むハイダイナミックレンジ信号を受信し、上記ハイダイナミックレンジの画像データのためのガンマ補正に関するインフォフレーム(InfoFrame)パケット内の情報を受信し、
(G’)E-EDIDデータを使用して自身のハイダイナミックレンジに関する情報を上記送信装置に送信する
(H)表示装置。
〔相違点1〕
マルチメディアインタフェース受信部が、本件補正発明では「一方向にTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)チャネルを含むマルチメディアインタフェース受信部」であるのに対し、引用発明では、当該特定がなされたものではない点。
〔相違点2〕
「E-EDIDデータを使用して自身のハイダイナミックレンジに関する情報を上記送信装置に送信する」ことが、本件補正発明では「HPD(Hot Plug Detection)信号が高レベル「H」であるときに、」行われるのに対し、引用発明では当該条件が特定されていない点。
(4)相違点についての判断
上記相違点について、以下、検討する。
ア 相違点1について
HDMIのケーブルにおける信号伝送のプロトコルがTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)であることは、引用文献2に記載されているように周知技術である。
引用発明の「前記画像信号を受信する受信器」(構成c)は、コンテンツ処理装置からHDMIケーブルを介して画像信号を受信するもの(構成b2、構成c、構成g)であるから、「一方向にTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)チャネルを含む」構成とすることは、当該周知技術を考慮することにより、当業者が容易に想到しうることである。
イ 相違点2について
HPD信号が高レベル「H」であるときに、シンク機器のE-EDIDデータがソース機器に読み出されることは、引用文献3及び引用文献4に記載されているように周知技術であり、引用発明における「E-EDIDデータを使用して自身のハイダイナミックレンジに関する情報を上記送信装置に送信する」ことを、「HPD(Hot Plug Detection)信号が高レベル「H」であるときに、」行うようにすることは、当該周知技術を考慮することにより、当業者が容易に想到しうることである。
ウ 効果について
本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
エ まとめ
以上から、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 本件補正についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記補正却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和2年12月8日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、出願時の特許請求の範囲の請求項1~21に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、明細書及び図面の記載からみて、その請求項1に記載された事項により特定される、上記第2[理由]1において〔本件補正前の請求項1〕として記載したとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
本願発明に係る原査定の拒絶の理由は、本願の請求項1に係る発明は、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった上記引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項及び引用発明、並びに、引用文献2の記載事項は、上記第2[理由]2(2)(2-1)及び(2-2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、上記第2[理由]2において検討した本件補正発明から、「HPD(Hot Plug Detection)信号が高レベル「H」であるときに、E-EDIDデータを使用して自身のハイダイナミックレンジに関する情報を上記送信装置に送信する」こと、すなわち構成Gを削除したものである。
そうすると、当該構成Gを備えていない本願発明と引用発明は、上記第2[理由]2(3)に記載したとおり、上記相違点1でのみ相違するから、上記第2[理由]2(4)に記載したとおり、引用発明及び引用文献2に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2020-016871