審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2023-013720

マッピング方法、エンコーダ、デコーダ及びコンピュータ記憶媒体

審判番号
2023-013720
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-555866
請求日
2023年08月15日
審決日
2024年11月06日
公報発行日
2025年04月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】オッポ広東移動通信有限公司
  • 【請求人代理人】宮嶋 学
  • 【請求人代理人】関根 毅
  • 【請求人代理人】吉田 昌司
  • 【請求人代理人】出口 智也
  • 【請求人代理人】吉元 弘
審判長/審判官
  • 審判長 畑中 高行
  • 審判官 坂本 聡生
  • 審判官 圓道 浩史
分類
P18 .121-Z (H04N) / P18 .575-Z (H04N)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第36条第5項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021-555866「マッピング方法、エンコーダ、デコーダ及びコンピュータ記憶媒体」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年12月30日国際公開、WO2020/258013、令和 4年 5月19日国内公表、特表2022-525770〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、2019年(令和元年)6月25日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年 9月15日 :手続補正書及び上申書の提出 令和4年10月25日付け:拒絶理由の通知 令和5年 1月12日 :意見書の提出 同年 4月21日付け:拒絶査定 同年 8月15日 :審判請求書及び手続補正書の提出 同年10月17日付け:前置報告 第2 令和5年8月15日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和5年8月15日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正の内容 (1)本件補正の内容 本件補正は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1~21を、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1~17に補正するものであって、次の補正を含むものである。 ア 本件補正前の請求項11を削除する補正。 イ 本件補正前の請求項13を独立項形式に改め、本件補正後の請求項9とする補正。 ウ 本件補正前の請求項12について、上記ア、イの補正に伴い、引用する請求項を請求項11から請求項9に変更して、本件補正後の請求項10とする補正。 エ 本件補正前の請求項14について、上記ア、イの補正に伴い、引用する請求項を請求項11又は12から請求項9又は10に変更して、本件補正後の請求項11とする補正。 オ 本件補正前の請求項15について、上記ア、イの補正に伴い、引用する請求項を請求項11又は12から請求項9又は10に変更して、本件補正後の請求項12とする補正。 本件補正前の請求項11、12、14、15と、本件補正後の請求項9~12は以下のとおりである。(下線は、本件補正により補正された箇所を示すために当審が付したものである。また、記号「A」~「O」は、分説するために当審が付したものであり、記号「A」~「O」に対応する発明特定事項を、以下「構成A」~「構成O」という。) (2) 本件補正前の請求項11、12、14、15 「 【請求項11】 A エンコーダに適用される画像符号化方法であって、 B 現在画像ブロックのイントラ予測モードを決定することと、 C 前記イントラ予測モードが行列に基づくイントラ予測(MIP)モードである場合、前記MIPモードを前記現在画像ブロックの画像輝度成分のイントラ予測モードとして使用することと、 D 前記MIPモードを第1非MIPモードにマッピングし、前記第1非MIPモードは前記現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードを決定することに用いられ、前記第1非MIPモードは予め設定された非MIPモードの1つであり、前記非MIPモードは直流イントラ予測モード、平面イントラ予測モード及び方向イントラ予測モードのうちの少なくとも1つを含むことと、 E 前記画像輝度成分のイントラ予測モード及び前記画像色度成分のイントラ予測モードを使用して、前記現在画像ブロックを符号化することと、を含む F ことを特徴とする画像符号化方法。 【請求項12】 G 前記第1非MIPモードは前記平面イントラ予測モードである H 請求項11に記載の方法。 【請求項13】 I ビットストリームに予測モード情報を書き込むことを含み、前記予測モード情報は前記現在画像ブロックのイントラ予測モードを示すことに用いられる J 請求項11又は12に記載の方法。 【請求項14】 K 前記第1非MIPモードを、前記現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードを決定する1つのパラメータとして使用する L 請求項11又は12に記載の方法。 【請求項15】 M 前記第1非MIPモードを前記現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードとする N 請求項11又は12に記載の方法。」 (3) 本件補正後の請求項9~12 「 【請求項9】 A エンコーダに適用される画像符号化方法であって、 B 現在画像ブロックのイントラ予測モードを決定することと、 C 前記イントラ予測モードが行列に基づくイントラ予測(MIP)モードである場合、前記MIPモードを前記現在画像ブロックの画像輝度成分のイントラ予測モードとして使用することと、 D 前記MIPモードを第1非MIPモードにマッピングし、前記第1非MIPモードは前記現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードを決定することに用いられ、前記第1非MIPモードは予め設定された非MIPモードの1つであり、前記非MIPモードは直流イントラ予測モード、平面イントラ予測モード及び方向イントラ予測モードのうちの少なくとも1つを含むことと、 E 前記画像輝度成分のイントラ予測モード及び前記画像色度成分のイントラ予測モードを使用して、前記現在画像ブロックを符号化することと、を含み、 O 更に、 I ビットストリームに予測モード情報を書き込むことを含み、前記予測モード情報は前記現在画像ブロックのイントラ予測モードを示すことに用いられる F ことを特徴とする画像符号化方法。 【請求項10】 G 前記第1非MIPモードは前記平面イントラ予測モードである H’ 請求項9に記載の方法。 【請求項11】 K 前記第1非MIPモードを、前記現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードを決定する1つのパラメータとして使用する L’ 請求項9又は10に記載の方法。 【請求項12】 M 前記第1非MIPモードを前記現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードとする N’ 請求項9又は10に記載の方法。」 2 補正の適否について (1) 補正の目的について 本件補正により、本件補正前の請求項14を、本件補正後の請求項11とする補正は、上記1(1)エで述べたとおり、引用する請求項を、本件補正前の請求項11又は12から本件補正後の請求項9又は10に変更する内容を含むものである。本件補正前の請求項11は独立項形式の請求項であり、本件補正前の請求項12は独立項形式の当該請求項11を引用するものである。また、本件補正後の請求項9は独立項形式の請求項であり、本件補正後の請求項10は独立項形式の当該請求項9を引用するものである。 そうすると、本件補正前の請求項14を、本件補正後の請求項11とする補正は、直接又は間接に引用する独立項形式の請求項を、本件補正前の請求項11から、本件補正後の請求項9に変更する内容を含むものである。 本件補正後の請求項9は、上記1(1)イで述べたとおり、本件補正前の請求項13を独立項形式に改めたものであり、本件補正前の請求項13が引用していた請求項11の構成A~F及び請求項13の構成Iを含むものである。独立項形式に改めるにあたっては、本件補正前の請求項11に係る発明の「画像符号化方法」の発明特定事項である構成Eのうち、「を含む」の記載が「含み、」と変更され、当該「含み、」の記載に続けて、「更に、」の記載(構成O)、及び、本件補正前の請求項13における「ビットストリームに予測モード情報を書き込むことを含み、前記予測モード情報は前記現在画像ブロックのイントラ予測モードを示すことに用いられる」の記載(構成I)が挿入されている。 そうすると、本件補正後の請求項11は、本件補正前の請求項14に対し、発明特定事項として構成O、Iが追加されている。 そして、構成Iは、本件補正後の請求項11に係る発明の「方法」である「画像符号化方法」(構成F)が、「ビットストリームに予測モード情報を書き込むことを含み、前記予測モード情報は前記現在画像ブロックのイントラ予測モードを示すことに用いられる」ことを特定するものである。つまり、構成Iは、「ビットストリームに予測モード情報を書き込む」ことに関する事項を特定するものである。 しかしながら、本件補正前の請求項14の構成A~H、K、Lでは、画像を符号化する方法について特定がされているものの、「ビットストリーム」に関する事項や、符号化された情報を「ビットストリーム」に書き込むことに関する事項は何ら特定されていないから、構成Iの追加は、本件補正前の請求項14に係る発明の構成A~H、K、Lのいずれの発明特定事項の限定ともいえない。 また、上記1(1)オで述べた、本件補正前の請求項15を、本件補正後の請求項12とする補正についても、以上で検討した、本件補正前の請求項14を、本件補正後の請求項11とする補正と同様に、構成Iの追加がなされているが、本件補正前の請求項15に係る発明の構成A~H、M、Nのいずれの発明特定事項の限定ともいえない。 したがって、構成Iの追加は、本件補正前の請求項14、15に係る発明のいずれの発明特定事項の限定ともいえず、「特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)」を目的とするものに該当しない。 また、構成Iの追加が、請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明のいずれを目的とするものにも該当しないことは明らかである。 以上のとおり、本件補正は、特許法第36条第5項に規定する請求項の削除、特許請求の範囲の減縮、誤記の訂正、及び、明りょうでない記載の釈明のいずれの事項を目的とするものではないから、同法第17条の2第5項に規定する要件に適合しないものである。 したがって、本件補正は、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 (2) 独立特許要件について 上記(1)で検討したとおり、本件補正前の請求項14、15を本件補正後の請求項11、12とする補正にあたって、本件補正前の請求項14、15が引用する請求項11を、本件補正後の請求項11、12が引用する請求項9とする補正(上記1(2)イの構成Iの追加)は、「特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)」を目的とするものに該当しないが、仮に当該減縮を目的とするものに該当するとしても、本件補正後の特許請求の範囲の請求項9に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)は、以下に検討するとおり、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでない(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合しない)。 ア 本件補正発明 本件補正発明は、本件補正により補正された特許請求の範囲、明細書及び図面の記載からみて、上記「1 本件補正の内容」の「(3) 本件補正後の請求項9~12」に「【請求項9】」として示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項9に記載されたとおりのものと認める。 イ 引用文献、引用発明等 (ア) 引用文献1について a 引用文献1に記載された事項 原査定の拒絶理由に引用された、引用文献1である K. RAMASUBRAMONIAN, Adarsh et al.,Non-CE3: MIP simplifications,Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11 15th Meeting: Gothenburg, SE, 3-12 July 2019, [JVET-O0187-v1],JVET-O0187 (version 1),ITU-T,2019年06月23日,<URL:https://jvet-experts.org/doc_end_user/documents/15_Gothenburg/wg11/JVET-O0187-v1.zip>: JVET-O0187-v1.docx: pp.1-5 には、以下の記載がある。 (a) 「1 Introduction Matrix intra prediction (MIP) was adopted in the 14th JVET meeting. Under MIP, prediction samples for a block are derived from a subset of the reference samples of the block using a matrix multiplication. The block sizes are classified into three categories, and under each category several MIP modes are defined. The encoder signals the mode from the category associated with the current block: the signalling mechanism may either using an MPM index (three MPMs are defined for MIP) or a remaining mode index. Table 1 shows the different categories of blocks and number of MIP modes defined for each category.」 (第1頁第22行~第28行) (当審仮訳: 1 序論 行列イントラ予測(MIP)は、第14回JVET会議で採用された。MIPの下では、ブロックの予測サンプルは、行列乗算を用いて当該ブロックの参照サンプルの部分集合から導出される。当該ブロックのサイズは、3つのカテゴリーに分類され、各カテゴリーについて複数のMIPモードが定義される。エンコーダは、現在ブロックのカテゴリーからモードを信号化する:信号化のメカニズムは、MPMインデックス(MIPに対して3つのMPMが定義される)を用いるか、残りのモードのインデックスを用いることができる。表1は、ブロックの異なるカテゴリーと、各カテゴリーに定義されるMIPモードの数を示す。) (b) 「For derivation of MPM of non-MIP blocks, neighbouring MIP-coded blocks are considered as follows: a mapping table is used to derive an “equivalent” regular mode from the MIP mode used by the neighbouring MIP-coded block. This equivalent regular mode is used in the MPM derivation of non-MIP blocks. Similarly, in chroma DM derivation, a collocated luma block may be coded with MIP; an equivalent regular mode is derived using the mapping table and used as the chroma DM mode.」 (第1頁第29行~第33行) (当審仮訳: 非MIPブロックのMPMの導出に対し、MIP符号化された隣接ブロックは、次のように考慮される。MIP符号化された隣接ブロックによって使用されるMIPモードから“等価な”レギュラーモードを導出するために、マッピングテーブルが使用される。この等価なレギュラーモードは、非MIPブロックのMPMの導出に使用される。同様に、色度DMの導出にあたり、コロケートされた輝度ブロックがMIPで符号化され得る;マッピングテーブルを用いて等価なレギュラーモードが導出され、色度DMモードとして使用される。) (c) 「2 Proposal This document proposes three simplifications for the MIP tool: 1. Proposal 1: When a neighbouring block is MIP-coded, the MPM derivation for non-MIP modes considers the neighbouring block as unavailable and uses PL mode as the neighbouring mode. Similarly, when a collocated luma block used in chroma DM derivation is MIP-coded, the chroma DM mode is chosen as PL mode.」(第2頁第4行~第9行) (当審仮訳: 2 提案 この文書は、MIPツールの3つの簡略化を提案する: 1.提案1:隣接ブロックがMIP符号化されるとき、非MIPモードのためのMPMの導出にあたって、隣接ブロックは利用できないとして、隣接モードとしてPLモードを使用する。同様に、色度DM導出にあたり、コロケートされた輝度ブロックがMIP符号化される場合、色度DMモードはPLモードとして選択される。) b 引用発明の認定 (a) 上記a(a)には、「1 序論 行列イントラ予測(MIP)は、第14回JVET会議で採用された。MIPの下では、・・・」の記載があるから、引用文献1の「1 序論」では、「第14回JVET会議で採用された行列イントラ予測(MIP)を用いる場合」について記載されていることは明らかである。その上で、「複数のMIPモードが定義される」こと、「エンコーダは、現在ブロックの・・・モードを信号化する」こと、及び、当該「信号化・・・は、MPMインデックス・・・を用いるか、残りのモードのインデックスを用いることができる」ことが記載されている。 上記a(a)では、「各カテゴリーについて複数のMIPモードが定義される」とされており、「現在ブロックのカテゴリーからモードを信号化する」にあたっての「モード」はMIPモードと解されるから、引用文献1には、「第14回JVET会議で採用された行列イントラ予測(MIP)を用いる場合、エンコーダは、現在ブロックのMIPモードをMPMインデックス又は残りのモードのインデックスを用いて信号化する」ことが記載されており、「行列イントラ予測(MIP)を用いる場合」の「エンコーダ」による「信号化」の方法が記載されていると言える。 (b) 上記a(b)には、「色度DMの導出にあたり、コロケートされた輝度ブロックがMIPで符号化され得る;マッピングテーブルを用いて等価なレギュラーモードが導出され、色度DMモードとして使用される」ことが記載されている。「;」が密接に関連する文を接続する記号であることを踏まえると、「色度DMの導出にあたり、コロケートされた輝度ブロックがMIPで符号化され得る」ことに関して、「マッピングテーブルを用いて等価なレギュラーモードが導出され、色度DMモードとして使用される」と解されるから、「色度DMの導出にあたり、コロケートされた輝度ブロックがMIPで符号化され」る場合に「マッピングテーブルを用いて等価なレギュラーモードが導出され、色度DMモードとして使用される」ことは明らかである。 さらに、上記a(b)には、「MIPモードから“等価な”レギュラーモードを導出するために、マッピングテーブルが使用される」こと、すなわち、マッピングテーブルを用いてMIPモードから等価なレギュラーモードが導出されることが記載されているから、「色度DMの導出にあたり、コロケートされた輝度ブロックがMIPで符号化される場合にマッピングテーブルを用いてMIPモードから等価なレギュラーモードが導出され、色度DMモードとして使用される」ことは明らかである。 上記a(b)の記載は、上記a(a)に続く記載であり、上記(a)で検討したとおり、「第14回JVET会議で採用された行列イントラ予測(MIP)」について示すものであることは明らかである。 そうすると、引用文献1には、「色度DMの導出にあたり、コロケートされた輝度ブロックが第14回JVET会議で採用された行列イントラ予測(MIP)で符号化される場合、マッピングテーブルを用いてMIPモードから等価なレギュラーモードが導出され、色度DMモードとして使用されること」が記載されており、「第14回JVET会議で採用された行列イントラ予測(MIP)で符号化される場合」のモードの導出方法が記載されていると言える。 (c) 上記a(c)には、「2 提案」として、「この文書は、MIPツールの3つの簡略化を提案する」こと、及び、当該「3つの簡略化」のうちの「提案1」として、「色度DM導出にあたり、コロケートされた輝度ブロックがMIP符号化される場合、色度DMモードはPLモードとして選択される」ことが記載されている。 そして、当該「2 提案」の「MIPツールの3つの簡略化」は、上記a(a)の「1 序論」で記載されている「第14回JVET会議で採用された行列イントラ予測(MIP)」のツールに対する簡略化と解される。 上記a(c)の「提案1」に記載の「色度DM導出」については、「1 序論」では、上記(b)で検討したとおり、「色度DMの導出にあたり、コロケートされた輝度ブロックが第14回JVET会議で採用された行列イントラ予測(MIP)で符号化される場合、マッピングテーブルを用いてMIPモードから等価なレギュラーモードが導出され、色度DMモードとして使用されること」が記載されている。 そうすると、上記a(c)では、「1 序論」において「色度DMの導出にあたり、コロケートされた輝度ブロックが第14回JVET会議で採用された行列イントラ予測(MIP)で符号化される場合、マッピングテーブルを用いてMIPモードから等価なレギュラーモードが導出され、色度DMモードとして使用される」とされている点について、「色度DM導出にあたり、コロケートされた輝度ブロックがMIP符号化される場合、色度DMモードはPLモードとして選択される」ようにする簡略化が提案されていると解される。 したがって、引用文献1には、「色度DMの導出にあたり、コロケートされた輝度ブロックが第14回JVET会議で採用された行列イントラ予測(MIP)で符号化される場合、マッピングテーブルを用いてMIPモードから等価なレギュラーモードが導出され、色度DMモードとして使用されることに代えて、色度DM導出にあたり、コロケートされた輝度ブロックがMIP符号化される場合、色度DMモードはPLモードとして選択されるように簡略化する」ことが記載されており、「行列イントラ予測(MIP)で符号化される場合」の「モード」の導出方法が記載されていると言える。 (d) 上記a(a)には、「行列イントラ予測(MIP)は、第14回JVET会議で採用された」ことが記載されており、JVET会議で検討されている「イントラ予測」は「エンコーダ」又は「デコーダ」で実施する画像符号化に関する技術であることは技術常識である。上記(a)で検討したとおり、引用文献1には「行列イントラ予測(MIP)を用いる場合」の「エンコーダ」による「信号化」の方法が記載されていることも踏まえれば、引用文献1には、エンコーダに適用される画像符号化の技術が記載されていると言える。 上記(a)~(c)で検討したとおり、上記a(a)には、「エンコーダ」による「信号化」の方法が、上記a(b)、a(c)には、「行列イントラ予測(MIP)で符号化される場合」のモードの導出方法が記載されているから、引用文献1には、エンコーダに適用される画像符号化方法が記載されている。 以上を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認める。(記号「a」~「c」は、分説するために当審が付したものであり、記号「a」~「c」に対応する発明特定事項を、以下「構成a」~「構成c」という。) 「a エンコーダに適用される画像符号化方法であって、 b 第14回JVET会議で採用された行列イントラ予測(MIP)を用いる場合、エンコーダは現在ブロックのMIPモードをMPMインデックス又は残りのモードのインデックスを用いて信号化し、 c 色度DMの導出にあたり、コロケートされた輝度ブロックが第14回JVET会議で採用された行列イントラ予測(MIP)で符号化される場合、マッピングテーブルを用いてMIPモードから等価なレギュラーモードが導出され、色度DMモードとして使用されることに代えて、色度DMモードはPLモードとして選択されるように簡略化した a 画像符号化方法。」 (イ) 参考文献1について a 参考文献1に記載された事項 Jonathan Pfaff et al.,CE3: Affine linear weighted intra prediction (CE3-4.1, CE3-4.2),Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11 14th Meeting: Geneva, CH, 19-27 March 2019, [JVET-N0217],JVET-N0217 (version 1),ITU-T,2019年03月12日,<URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/documents/14_Geneva/wg11/JVET-N0217-v1.zip>: JVET-M1001-v5_proposal_text_CE3-4.1_v1.docx: PP. 43,44,90,91,105-116 は、本願の国際出願日前に公表された第14回JVET会議の寄書であり、以下「参考文献1」という。 そして、参考文献1には、以下の記載がある。 (a) 「intra_lwip_flag[ x0 ][ y0 ] equal to 1 specifies that the intra prediction type for luma samples is affine linear weighted intra prediction. intra_lwip_flag[ x0 ][ y0 ] equal to 0 specifies that the intra prediction type for luma samples is not affine linear weighted intra prediction. (中略) The array indices x0, y0 specify the location ( x0 , y0 ) of the top-left luma sample of the considered coding block relative to the top-left luma sample of the picture.」(第90頁第12行-第19行) (当審仮訳: intra_lwip_flag[ x0 ][ y0 ]が1に等しいことは、輝度サンプルのイントラ予測タイプがアフィン線形重み付けイントラ予測であることを示す。intra_lwip_flag[ x0 ][ y0 ]が0に等しいことは、輝度サンプルのイントラ予測タイプがアフィン線形重み付けイントラ予測でないことを示す。 (中略) 配列インデックスx0,y0は、ピクチャの最上部-左の輝度サンプルに対する、考慮される符号化ブロックの最上部-左の輝度サンプルの位置(x0,y0)を特定する。) (b) 「intra_chroma_pred_mode[ x0 ][ y0 ] specifies the intra prediction mode for chroma samples.」(第91頁第14行) (当審仮訳: intra_chroma_pred_mode[ x0 ][ y0 ]は、色度サンプルのイントラ予測モードを示す。) (c) 「8.4.1 General decoding process for coding units coded in intra prediction mode Inputs to this process are: - a luma location ( xCb, yCb ) specifying the top-left sample of the current coding block relative to the top left luma sample of the current picture, (中略) 1. The luma intra prediction mode is derived as follows: - If intra_lwip_flag[ xCb ][ yCb ] is equal to 1, the derivation process for the affine linear weighted intra prediction mode as specified in clause 8.4.X is invoked with the luma location ( xCb, yCb ), the width of the current coding block in luma samples cbWidth and the height of the current coding block in luma samples cbHeight as input.」(第105頁第2行-第25行) (当審仮訳: 8.4.1 イントラ予測モードで符号化された符号化ユニットの一般復号プロセス このプロセスへの入力: - 輝度位置( xCb, yCb )は、現在ピクチャの最上部左の輝度サンプルに対する現在符号化ブロックの最上部-左のサンプルを特定する。 (中略) 1.輝度イントラ予測モードは次のように導出される: - もし、intra_lwip_flag[ xCb ][ yCb ]が1に等しい場合、輝度位置( xCb, yCb )について、輝度サンプルの現在符号化ブロックの幅cbWidthと、輝度サンプルの現在符号化ブロックの高さcbHeightを入力として、8.4.X節で特定されるアフィン線形重み付けイントラ予測モードの導出プロセスが呼び出される。) (d) 「8.4.X Derivation process for affine linear weighted intra prediction mode (中略) In this process, the affine linear weighted intra prediction mode IntraPredModeY[ xCb ][ yCb ] is derived.」(第106頁第9行~第15行) (当審仮訳: 8.4.X アフィン線形重み付けイントラ予測モードの導出プロセス このプロセスでは、アフィン線形重み付けイントラ予測モードIntraPredModeY[ xCb ][ yCb ]が導出される。) (e) 「8.4.2 Derivation process for luma intra prediction mode (中略) In this process, the luma intra prediction mode IntraPredModeY[ xCb ][ yCb ] is derived.」(第109頁第7行~第13行) (当審仮訳: 8.4.2 輝度イントラ予測モードの導出プロセス このプロセスでは、輝度イントラ予測モードIntraPredModeY[ xCb ][ yCb ]が導出される。) (f) 「Table 8-X3 - Specification of mapping between affine linear weighted intra prediction and intra prediction modes 」(第115頁第1行) (当審仮訳: 表8-X3 - アフィン線形重み付けイントラ予測とイントラ予測モードとの間のマッピングの仕様) (g) 「8.4.3 Derivation process for chroma intra prediction mode (中略) In this process, the chroma intra prediction mode IntraPredModeC[ xCb ][ yCb ] is derived. The corresponding luma intra prediction mode lumaIntraPredMode is derived as follows: - If intra_lwip_flag[ xCb ][ yCb ] is equal to 1, lumaIntraPredMode is derived by the following ordered steps: i. The size type derivation process for a block as specified in clause 8.4.X.1 is invoked with the width of the current coding block in luma samples cbWidth and the height of the current coding block in luma samples cbHeight as input, and the output is assigned to variable sizeId. ii. The luma intra prediction mode is derived using IntraPredModeY[ xCb + cbWidth / 2 ][ yCb + cbHeight / 2 ] and sizeId as specified in Table 8-X3 and assigning the value of candIntraPredModeX to lumaIntraPredMode. - Otherwise, lumaIntraPredMode is set equal to IntraPredModeY[ xCb + cbWidth / 2 ][ yCb + cbHeight / 2 ]. The chroma intra prediction mode IntraPredModeC[ xCb ][ yCb ] is derived using intra_chroma_pred_mode[ xCb ][ yCb ] and lumaIntraPredMode as specified in Table 8-2 and Table 8-3.」(第115頁第1行-第116頁第5行) (当審仮訳: 8.4.3 色度イントラ予測モードの導出プロセス このプロセスでは、色度イントラ予測モードIntraPredModeC[ xCb ][ yCb ]が導出される。 対応する輝度イントラ予測モードlumaIntraPredModeは、次のように導出される。 - もし、intra_lwip_flag[ xCb ][ yCb ]が1に等しい場合、lumaIntraPredModeは、次の順序のステップによって導出される。 i. 輝度サンプルの現在符号化ブロックの幅cbWidthと、輝度サンプルの現在符号化ブロックの高さcbHeightを入力として、8.4.X.1節で特定されるブロックのサイズのタイプの導出プロセスが呼び出され、出力が変数sizeIdに割り当てられる。 ii. 表8-X3で特定されるように、IntraPredModeY[ xCb + cbWidth / 2 ][ yCb + cbHeight / 2 ]と、sizeIdを使用して、輝度のイントラ予測モードが導出され、candIntraPredModeXの値が、lumaIntraPredModeに割り当てられる。 - そうでなければ、lumaIntraPredModeは、IntraPredModeY[ xCb + cbWidth / 2 ][ yCb + cbHeight / 2 ]に等しくセットされる。 色度イントラ予測モードIntraPredModeC[ xCb ][ yCb ]は、表8-2と、表8-3で特定されるように、intra_chroma_pred_mode[ xCb ][ yCb ]とlumaIntraPredModeを使用して導出される。) b 参考文献1に記載された技術事項 上記参考文献1に記載された事項及びこの分野における技術常識を考慮すると、参考文献1には、以下の技術事項が記載されている。 (a) 上記a(a)には、「intra_lwip_flag[ x0 ][ y0 ]が1に等しいことは、輝度サンプルのイントラ予測タイプがアフィン線形重み付けイントラ予測であることを示す」こと、及び、「intra_lwip_flag[ x0 ][ y0 ]が0に等しいことは、輝度サンプルのイントラ予測タイプがアフィン線形重み付けイントラ予測でないことを示す」ことが記載されている。 (b) 上記a(b)には、「intra_chroma_pred_mode[ x0 ][ y0 ]は、色度サンプルのイントラ予測モードを示す」ことが記載されている。 (c) 上記a(c)には、「イントラ予測モードで符号化された符号化ユニットの一般復号プロセス」において、「輝度イントラ予測モードは次のように導出される」として、「intra_lwip_flag[ xCb ][ yCb ]が1に等しい場合、・・・アフィン線形重み付けイントラ予測モードの導出プロセスが呼び出される」ことが記載されている。 「輝度イントラ予測モード」の「導出」にあたって「アフィン線形重み付けイントラ予測モードの導出プロセスが呼び出され」るから、「アフィン線形重み付けイントラ予測モードの導出」によって、「輝度イントラ予測モード」が「導出される」といえる。 したがって、参考文献1には、「イントラ予測モードで符号化された符号化ユニットの一般復号プロセスにおいて、intra_lwip_flag[ xCb ][ yCb ]が1に等しい場合、アフィン線形重み付けイントラ予測モードの導出によって、輝度イントラ予測モードが導出される」ことが記載されている。 (d) 上記a(d)には、「アフィン線形重み付けイントラ予測モードIntraPredModeY[ xCb ][ yCb ]が導出される」ことが記載されている。 また、上記a(e)には、「輝度イントラ予測モードIntraPredModeY[ xCb ][ yCb ]が導出される」ことが記載されている。 したがって、IntraPredModeY[ xCb ][ yCb ]は、輝度のイントラ予測モードを示し、アフィン線形重み付けイントラ予測モードを示すことにも用いられているものと認められる。 (e) 上記a(f)には、参考文献1の「表8-X3」の表題として、「アフィン線形重み付けイントラ予測とイントラ予測モードとの間のマッピングの仕様」が記載されている。 (f) 上記a(g)には、「このプロセスでは、色度イントラ予測モードIntraPredModeC[ xCb ][ yCb ]が導出される」と記載されているから、「色度イントラ予測モードIntraPredModeC[ xCb ][ yCb ]」の「導出」について記載されている。 そして、上記a(g)には、「intra_lwip_flag[ xCb ][ yCb ]が1に等しい場合、lumaIntraPredModeは、次の順序のステップによって導出される」とした上で、「表8-X3で特定されるように、IntraPredModeY[ xCb + cbWidth / 2 ][ yCb + cbHeight / 2 ]と、sizeIdを使用して、輝度のイントラ予測モードが導出され」ることが記載されているから、「intra_lwip_flag[ xCb ][ yCb ]が1に等しい場合、表8-X3で特定されるように、IntraPredModeY[ xCb + cbWidth / 2 ][ yCb + cbHeight / 2 ]と、sizeIdを使用して、輝度のイントラ予測モードが導出される」といえる。 また、上記a(g)には、「色度イントラ予測モードIntraPredModeC[ xCb ][ yCb ]は、・・・intra_chroma_pred_mode[ xCb ][ yCb ]とlumaIntraPredModeを使用して導出される」ことが記載されているので、「色度イントラ予測モードIntraPredModeC[ xCb ][ yCb ]は、intra_chroma_pred_mode[ xCb ][ yCb ]とlumaIntraPredModeを使用して導出される」といえる。 上記a(g)では、「輝度イントラ予測モードlumaIntraPredMode」と記載されており、「lumaIntraPredMode」は、「輝度イントラ予測モード」を示すことを踏まえると、「intra_lwip_flag[ xCb ][ yCb ]が1に等しい場合、表8-X3で特定されるように、IntraPredModeY[ xCb + cbWidth / 2 ][ yCb + cbHeight / 2 ]と、sizeIdを使用して、輝度のイントラ予測モードlumaIntraPredModeが導出され、色度イントラ予測モードIntraPredModeC[ xCb ][ yCb ]は、intra_chroma_pred_mode[ xCb ][ yCb ]と輝度イントラ予測モードlumaIntraPredModeを使用して導出される」といえる。 さらに、上記(b)の検討より、「intra_chroma_pred_modeは、色度サンプルのイントラ予測モードを示す」こと、上記(d)の検討より、「IntraPredModeY[ xCb ][ yCb ]は、輝度のイントラ予測モードを示」すこと、及び、上記(e)の検討より、「表8-X3」には、「アフィン線形重み付けイントラ予測とイントラ予測モードとの間のマッピングの仕様」が記載されていることを考慮すると、参考文献1には、「intra_lwip_flag[ xCb ][ yCb ]が1に等しい場合、アフィン線形重み付けイントラ予測とイントラ予測モードとの間のマッピングに基づき、IntraPredModeY[ xCb + cbWidth / 2 ][ yCb + cbHeight / 2 ]と、sizeIdを使用して、輝度のイントラ予測モードlumaIntraPredModeが導出され、色度イントラ予測モードIntraPredModeC[ xCb ][ yCb ]は、色度サンプルのイントラ予測モードintra_chroma_pred_mode[ xCb ][ yCb ]と輝度のイントラ予測モードlumaIntraPredModeを使用して導出される」ことが記載されている。 (g) 上記a(a)には、「配列インデックスx0,y0は、ピクチャの最上部-左の輝度サンプルに対する、考慮される符号化ブロックの最上部-左の輝度サンプルの位置(x0,y0)を特定する」ことが記載されており、上記a(c)には、「輝度位置( xCb, yCb )は、現在ピクチャの最上部左の輝度サンプルに対する現在符号化ブロックの最上部-左のサンプルを特定する」ことが記載されている。 そうすると、サンプルの位置に関して「x0,y0」と「xCb, yCb」はいずれもピクチャの最上部-左の輝度サンプルに対する、符号化ブロックの最上部-左の輝度サンプルの位置を特定するものであって、デコーディングプロセスにおける「現在」位置を意味する際には「xCb, yCb」が用いられているものの、「x0,y0」と「xCb, yCb」のいずれの表記であっても、「flag」や「Mode」、「mode」自体の意味が変わるものではない。 (h) 上記(a)、(f)の検討を総合した上で、上記(g)の検討を踏まえて、位置「x0,y0」と「xCb, yCb」等の記載を省略すると、参考文献1には、「intra_lwip_flagが1に等しいことは、輝度サンプルのイントラ予測タイプがアフィン線形重み付けイントラ予測であることを示し、intra_lwip_flagが0に等しいことは、輝度サンプルのイントラ予測タイプがアフィン線形重み付けイントラ予測でないことを示し、intra_lwip_flagが1に等しい場合、アフィン線形重み付けイントラ予測とイントラ予測モードとの間のマッピングに基づき、IntraPredModeYと、sizeIdを使用して、輝度のイントラ予測モードlumaIntraPredModeが導出され、色度イントラ予測モードIntraPredModeCは、色度サンプルのイントラ予測モードintra_chroma_pred_modeと輝度のイントラ予測モードlumaIntraPredModeを使用して導出される」技術事項(以下、「参考文献1技術事項」という。)が記載されている。 (ウ) 参考文献2について a 参考文献2に記載された事項 Jonathan Pfaff et al.,8-bit implementation and simplification of MIP,Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11 15th Meeting: Gothenburg, SE, 3-12 July 2019, [JVET-O0084],JVET-O0084 (version 1),ITU-T,2019年06月18日,<URL: https://jvet-experts.org/doc_end_user/documents/15_Gothenburg/wg11/JVET-O0084-v1.zip>: JVET-O0084-v1.docx: pp.1-6 は、本願の国際出願日前に公表された第15回JVET会議の寄書であり、以下「参考文献2」という。 そして、参考文献2には、以下の記載がある。 (a) 「Abstract At the 14th JVET meeting, held in Geneva from March 19th to March 27th 2019, matrix-based intra prediction (MIP) was adopted.」(第1頁第14行~第16行) (当審仮訳: 要約 ジュネーブにおいて2019年3月19日から3月27日まで開催された第14回JVET会議で行列イントラ予測(MIP)が採用された。) (b) 「1 8-bit implementation of MIP 1.1 Algorithmic description In this section, the 8-bit implementation of MIP is described. Only the steps that need to be changed in comparison to the adopted version of [1] are described in detail, whereas for all other steps the reader is referred to [1].」(第1頁第36行~第40行) (当審仮訳: 1 MIPの8ビット実装 1.1 アルゴリズムの説明 このセクションでは、MIPの8ビット実装が説明される。採用されたバージョン[1]との比較で変更が必要なステップのみ詳細に説明される。他の全てのステップについては、読者は[1]を参照されたい。) (c) 「5 References [1] J. Pfaff et al., “CE3: Affine linear weighted intra prediction (CE3-4.1, CE3-4.2)”, JVET-N0217, Geneva, Switzerland, March 2019.」(第5頁第9行~第11行) (当審仮訳: 5 参考文献 [1]J. Pfaff他、「CE3: アフィン線形重み付けイントラ予測(CE3-4.1, CE3-4.2)」、JVET-N0217、ジュネーブ、スイス、2019年3月。) b 参考文献2に記載された技術事項 上記参考文献2に記載された事項及びこの分野における技術常識を考慮すると、参考文献2には、以下の技術事項が記載されている。 (a) 上記a(a)には、「第14回JVET会議で行列イントラ予測(MIP)が採用された」ことが記載されている。 (b) 上記a(b)には、「MIPの・・・実装」に関し、「採用されたバージョン[1]との比較」について記載されている。この記載によれば、MIPの採用されたバージョンは[1]であると認められる。 (c) 上記a(c)には、参考文献として、「[1]・・・「CE3: Affine linear weighted intra prediction (CE3-4.1, CE3-4.2)」、JVET-N0217」であることが記載されている。 (d) 以上を総合すると、参考文献2には、「第14回JVET会議で行列イントラ予測(MIP)が採用され、MIPの採用されたバージョンは[1]「CE3: Affine linear weighted intra prediction (CE3-4.1, CE3-4.2)」、JVET-N0217である」技術事項(以下、「参考文献2技術事項」という。)が記載されている。 (エ) 周知技術を示す文献 a 特表2014-518473号公報に記載された事項 特表2014-518473号公報には、以下の記載がある。 (a) 「【0024】 (中略) 図4は、この種のエンコーダのための一実施形態を示す。図4のエンコーダは、変換ステージ100と、エントロピー符号器102と、逆変換ステージ104と、予測器106と、減算器108と、加算器110とを備える。減算器108、変換ステージ100およびエントロピー符号器102は、図4のエンコーダの入力112と出力114との間に、言及された順番で連続的に接続される。また、逆変換ステージ104、加算器110および予測器106は、変換ステージ100の出力と減算器108の逆入力との間に、言及される順番で接続され、予測器106の出力は、加算器110の更なる入力と接続されている。 【0025】 図4のエンコーダは、予測的な変換ベースのブロックエンコーダである。 (中略) 予測器106は、ブロックを予測するために、イントラ予測モードおよびインター予測モードなどの異なる予測モードを使用することができ、予測パラメータは、データストリームへの挿入のためにエントロピー符号器102に転送される。インター予測された予測ブロックごとに、各動きデータは、復号化側が予測をやり直すことを可能にするために、エントロピー符号器114を介してビットストリームに挿入される。画像の予測ブロックのための動きデータは、例えば、隣接する既に符号化された予測ブロックの動きベクトルからの規定された方法によって導き出された動きベクトル予測因子に対する現在の予測ブロックのための動きベクトルを区別して符号化する動きベクトル差を示している構文要素を含むシンタックス部分に関与しうる。すなわち、図4の実施形態によれば、変換係数ブロックは、その実際の情報サンプルではなく、むしろサンプル配列の残差のスペクトル表現を示す。」 (b) 「【0032】 従って、上記のすべてのエンコーダおよびデコーダは、構文要素の特定のシンタックスを処理するように構成される。すなわち、変換係数レベルなどの前述の構文要素、変換ブロックの有意性マップに関する構文要素、インター予測ブロックに関する動きデータ構文要素などは、所定の方法でデータストリームの中で順次配置されるとみなされる。この種の所定の方法は、例えば、H.264標準または他のオーディオ/ビデオコーデックにおいてなされているように、擬似コードの形で示されることができる。」 b 周知技術の認定 (a) 上記a(a)には、「エンコーダは、・・・予測器106・・・を備え」、「予測器106は、・・・イントラ予測モード・・・を使用することができ、予測パラメータは、データストリームへの挿入のためにエントロピー符号器102に転送される」ことが記載されており、予測パラメータのデータストリームへの挿入は、予測パラメータをデータストリームに書き込むことに他ならない。 (b) 上記a(b)には、「エンコーダおよびデコーダは、構文要素の特定のシンタックスを処理するように構成され」ること、「構文要素などは、所定の方法でデータストリームの中で順次配置されるとみなされる」こと、及び「この種の所定の方法は、例えば、H.264標準・・・においてなされているように、擬似コードの形で示されることができる」ことが記載されており、構文要素などは、所定の方法でデータストリームの中で順次配置され、この種の所定の方法は、例えば、H.264標準においてなされているように行われる。 (c) 画像符号化の技術分野では、「データストリーム」は「ビットストリーム」に相当し、符号化の処理対象ブロックについて現在画像ブロックと呼ぶこと、及び、H.264標準のイントラ予測モードの予測パラメータが予測モード情報を含むことは技術常識である。 (d) 上記(a)の検討によれば、「エンコーダ」が「予測パラメータをデータストリームに書き込む」から、上記(c)を踏まえると、エンコーダが現在画像ブロックのイントラ予測モードの予測モード情報をビットストリームに書き込むといえる。 (e) 特表2014-518473号公報に記載された上記(d)の技術事項として例示されるように、「エンコーダが現在画像ブロックのイントラ予測モードの予測モード情報をビットストリームに書き込むこと」は、従前の標準(例えば、H.264標準)でも行われていた技術であり、周知技術といえる。 ウ 対比・判断 (ア) 対比 本件補正発明を引用発明と対比する。 a 構成A、Fについて 引用発明の構成aの「エンコーダ」及び「画像符号化方法」は、それぞれ本件補正発明の構成A、Fの「エンコーダ」及び「画像符号化方法」に相当するから、引用発明の構成aの「エンコーダに適用される画像符号化方法」は、本件補正発明の構成A、Fに相当する。 b 構成Bについて (a) 画像符号化の技術分野では、「ブロック」は「画像ブロック」を意味するから、引用発明の「現在ブロック」は、本件補正発明の「現在画像ブロック」に相当する。 (b) 引用発明の「行列イントラ予測(MIP)モード」は、「イントラ予測モード」の一種であるから、本件補正発明の「イントラ予測モード」に含まれる。 (c) 上記(a)、(b)の検討を踏まえれば、引用発明の「現在ブロックのMIPモード」は、本件補正発明の「現在画像ブロックのイントラ予測モード」に含まれる。 (d) 引用発明の構成bの、「現在ブロックのMIPモードを・・・信号化」することに関して、モードを信号化するにあたっては、いずれのモードを使用するかを決定しなければ、モードを信号化できないことは技術常識であるから、MIPモードの信号化にあたっては、MIPモードの決定を行うといえる。 (e) 上記(c)、(d)の検討より、本件補正発明の「画像符号化方法」と、引用発明の「画像符号化方法」は、構成Bの「現在画像ブロックのイントラ予測モードを決定」することを含む点で一致する。 c 構成Cについて (a) 引用発明の構成bでは、「行列イントラ予測(MIP)を用いる場合、・・・現在ブロックのMIPモードを・・・信号化」する。 (b) 引用文献1公表時には、イントラ予測モードには、行列イントラ予測(MIP)モード以外のモードも含まれることは以下のように技術常識である。 例えば、上記イ(イ)b(g)の参考文献1技術事項は、「intra_lwip_flagが1に等しいことは、輝度サンプルのイントラ予測タイプがアフィン線形重み付けイントラ予測であることを示し、intra_lwip_flagが0に等しいことは、輝度サンプルのイントラ予測タイプがアフィン線形重み付けイントラ予測でないことを示」す技術事項である。 当該「アフィン線形重み付けイントラ予測」は、行列イントラ予測(MIP)の別名であり、これは上記イ(ウ)b(d)の参考文献2技術事項で「第14回JVET会議」における「MIPの採用されたバージョン」であるとして参考文献1に記載された「アフィン線形重み付けイントラ予測」が参照されていることからも明らかである。 参考文献1技術事項によれば、「intra_lwip_flagが0に等しいことは、輝度サンプルのイントラ予測タイプがアフィン線形重み付けイントラ予測でないことを示す」とされており、イントラ予測タイプがアフィン線形重み付けイントラ予測すなわち行列イントラ予測(MIP)、以外の場合もあることが示唆されている。 そうすると、引用発明の「行列イントラ予測(MIP)を用いる場合」は、他にもイントラ予測モードがある中で、「行列イントラ予測(MIP)を用いる場合」であるから、本件補正発明の「イントラ予測モードが行列に基づくイントラ予測(MIP)モードである場合」に相当する。 (c) 引用発明の構成bの、「現在ブロックのMIPモードを・・・信号化」することは、MIPモードを現在画像ブロックのモードとして使用することに他ならず、また、上記b(b)で説示したとおり、引用発明の「行列イントラ予測(MIP)モード」は、「イントラ予測モード」の一種であるから、本件補正発明の「MIPモードを現在画像ブロック」の「イントラ予測モードとして使用する」ことに相当する。 (d) 引用文献1公表時には、行列に基づくイントラ予測(MIP)モードが画像輝度成分を対象とするモードであることも以下のように技術常識である。 引用発明の構成cでは、「コロケートされた輝度ブロックが第14回JVET会議で採用された行列イントラ予測(MIP)で符号化される場合、マッピングテーブルを用いて・・・等価なレギュラーモードが導出され、色度DMモードとして使用される」として、輝度ブロックで行列イントラ予測(MIP)が用いられることが示されている。 また、上記(b)に記載したとおり、参考文献1技術事項によれば、「intra_lwip_flagが1に等しいことは、輝度サンプルのイントラ予測タイプがアフィン線形重み付けイントラ予測であることを示」すとされており、上記(b)の検討のとおり、「アフィン線形重み付けイントラ予測」は、行列イントラ予測(MIP)の別名であるから、行列イントラ予測(MIP)は、輝度サンプルのイントラ予測タイプのモードとして使用されることが明らかである。 (e) 上記(a)~(c)の検討によれば、引用発明の構成bは、上記(b)、(c)に示すとおり、本件補正発明の「イントラ予測モードが行列に基づくイントラ予測(MIP)モードである場合、MIPモードを現在画像ブロック」の「イントラ予測モードとして使用する」ことに相当する。 当該「行列に基づくイントラ予測(MIP)モード」は、上記(d)の検討のとおり、引用発明の構成c及び参考文献1技術事項で示されるように、画像輝度成分を対象とするモードであることが技術常識であることから、引用発明では、「MIPモード」を「画像輝度成分のイントラ予測モードとして使用する」といえる。 そうすると、本件補正発明の「画像符号化方法」と、引用発明の「画像符号化方法」は、「前記イントラ予測モードが行列に基づくイントラ予測(MIP)モードである場合、前記MIPモードを前記現在画像ブロックの画像輝度成分のイントラ予測モードとして使用する」ことを含む点で一致する。 d 構成Dについて (a) 引用発明の構成cでは、「色度DMの導出にあたり、コロケートされた輝度ブロックが第14回JVET会議で採用された行列イントラ予測(MIP)で符号化される場合、マッピングテーブルを用いてMIPモードから等価なレギュラーモードが導出され、色度DMモードとして使用されることに代えて、色度DMモードはPLモードとして選択されるように簡略化」する。 引用発明の「輝度ブロックが・・・行列イントラ予測(MIP)で符号化される場合、・・・色度DMモードはPLモードとして選択される」ことは、マッピングテーブルを用いたレギュラーモードの導出に代わるものだから、マッピングしていることは明らかで、本件補正発明の「マッピング」することに相当する。 (b) PLモードがPlanarモードの略称であって平面イントラ予測モードを示すことは技術常識であり、当該平面イントラ予測モードはMIPモードではないから、引用発明の「PLモード」は、本件補正発明の「第1非MIPモード」に相当する。 (c) 引用発明の構成cの、「輝度ブロックが・・・行列イントラ予測(MIP)で符号化される場合、・・・色度DMモードはPLモードとして選択される」ことは、上記(a)で検討したとおり、「マッピング」に相当し、当該「マッピング」は、MIPモードをPLモードにマッピングするものであるから、上記(b)の検討を踏まえれば、本件補正発明の「前記MIPモードを第1非MIPモードにマッピング」することに相当する。 (d) 上記(b)で説示したとおり、引用発明の「PLモード」は、平面イントラ予測モードを示し、イントラ予測のモードである。また、画像符号化にあたり、候補として選択された予測モードは最終的に符号化される予測モードの決定に用いることが当然に予定されているから、引用発明の「PLモード」はイントラ予測モードを決定することに用いられるといえ、本件補正発明の「イントラ予測モードを決定することに用いられる」予測モードに相当する。 (e) 引用発明では、「色度DMモードはPLモードとして選択される」ことから、予測モードが「色度DMモード」に決定される場合には、「PLモード」で予測が行われることとなる。 引用発明の「色度DMモード」は、その名称のとおり、色度のモードであり、画像符号化の技術分野では、画像輝度成分の画像ブロックや、画像色度成分の画像ブロックに対して予測モードが導出されること、及び、モード選択などの処理を行う符号化の処理対象ブロックについて、「現在」の語を付し、現在画像ブロックと呼ぶことを踏まえれば、「色度DMモード」に決定される場合の当該「PLモード」は、本件補正発明の「現在画像ブロックの画像色度成分」の予測モードに相当する。 (f) 引用発明の「PLモード」は、上記(b)の検討より、本件補正発明の「第1非MIPモード」に相当し、かつ上記(d)、(e)の検討より、本件補正発明の「前記現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードを決定することに用いられ」る予測モードに相当するから、上記(c)の検討を踏まえれば、引用発明における構成cの、「輝度ブロックが・・・行列イントラ予測(MIP)で符号化される場合、・・・色度DMモードはPLモードとして選択される」ことは、本件補正発明の「前記MIPモードを第1非MIPモードにマッピングし、前記第1非MIPモードは前記現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードを決定することに用いられ」ることに相当する。 (g) 引用発明の構成cでは、「色度DMの導出にあたり、コロケートされた輝度ブロックが・・・行列イントラ予測(MIP)で符号化される場合、・・・色度DMモードはPLモードとして選択される」ことから、上記(b)で検討したとおり、PLモードが平面イントラ予測モードを示すことは技術常識であることを踏まえれば、輝度ブロックが行列イントラ予測(MIP)で符号化される場合、色度DMモードは平面イントラ予測モードとして選択される。輝度ブロックが行列イントラ予測(MIP)であるときに色度DMモードとして平面イントラ予測モードを選択する場合、エンコーダに当該選択を行うことが設定されていなければ、正しく符号化できないことは明らかであり、引用発明のエンコーダにおいて、色度DMモードとして平面イントラ予測モードを選択することが予め設定されるといえるから、上記(b)の検討を踏まえれば、引用発明の「PLモード」は、本件補正発明の「予め設定された非MIPモード」に相当する。また、引用発明の当該「PLモード」は、非MIPモードの1つであるから、本件補正発明の「前記第1非MIPモードは予め設定された非MIPモードの1つであ」るとする「第1非MIPモード」に相当する。 (h) 上記(f)、(g)の検討より、引用発明における構成cの、「輝度ブロックが・・・行列イントラ予測(MIP)で符号化される場合、・・・色度DMモードはPLモードとして選択される」ことは、本件補正発明の「前記MIPモードを第1非MIPモードにマッピングし、前記第1非MIPモードは前記現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードを決定することに用いられ、前記第1非MIPモードは予め設定された非MIPモードの1つであ」ることに相当する。 そして、本件補正発明では、「前記非MIPモードは直流イントラ予測モード、平面イントラ予測モード及び方向イントラ予測モードのうちの少なくとも1つを含む」とされており、「非MIPモード」が「平面イントラ予測モード」であることを含むから、本件補正発明の「画像符号化方法」と、引用発明の「画像符号化方法」は、「前記MIPモードを第1非MIPモードにマッピングし、前記第1非MIPモードは前記現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードを決定することに用いられ、前記第1非MIPモードは予め設定された非MIPモードの1つであり、前記非MIPモードは平面イントラ予測モードを含む」ことを含む点で一致する。ただし、本件補正発明の「画像符号化方法」では、「前記非MIPモードは直流イントラ予測モード、平面イントラ予測モード及び方向イントラ予測モードのうちの少なくとも1つを含む」とされているのに対し、引用発明では、当該発明特定事項が特定されていない点で相違する。 e 構成Eについて 上記d(e)で検討したとおり、画像符号化の技術分野では、画像輝度成分の画像ブロックや、画像色度成分の画像ブロックに対して予測モードが導出されること、及び、モード選択などの処理を行う符号化の処理対象ブロックを現在画像ブロックと呼ぶことが技術常識である。そして、予測モードの導出は当該予測モードを使用して符号化を行うことを目的としており、当該予測モードを使用して処理対象である現在画像ブロックの符号化を行うことも技術常識である。 これらの技術常識を踏まえると、画像輝度成分の予測モード及び画像色度成分の予測モードを使用して、現在画像ブロックを符号化することは、「輝度ブロックが行列イントラ予測(MIP)で符号化される場合、・・・色度DMモードはPLモードとして選択される」引用発明において自明のことである。 また、引用発明の構成b、cの「行列イントラ予測(MIP)」は、名称のとおり、イントラ予測を行うモードであり、構成cの「PLモード」も、上記d(b)で検討したとおり、平面イントラ予測モードを示し、イントラ予測を行うものである。 そうすると、引用発明において使用する予測モードはイントラ予測モードであることから、画像輝度成分のイントラ予測モード及び画像色度成分のイントラ予測モードを使用して、現在画像ブロックを符号化するといえる。 したがって、本件補正発明の「画像符号化方法」と、引用発明の「画像符号化方法」は、「前記画像輝度成分のイントラ予測モード及び前記画像色度成分のイントラ予測モードを使用して、前記現在画像ブロックを符号化する」ことを含む点で一致する。 f 構成O及びIについて 本件補正発明では、「更に、 ビットストリームに予測モード情報を書き込むことを含み、前記予測モード情報は前記現在画像ブロックのイントラ予測モードを示すことに用いられる」のに対し、引用発明では、当該発明特定事項が特定されていない点で両者は相違する。 (イ) 一致点及び相違点 以上を総合すると、本件補正発明と引用発明とは、以下の点で一致ないし相違する。 (一致点) 「A エンコーダに適用される画像符号化方法であって、 B 現在画像ブロックのイントラ予測モードを決定することと、 C 前記イントラ予測モードが行列に基づくイントラ予測(MIP)モードである場合、前記MIPモードを前記現在画像ブロックの画像輝度成分のイントラ予測モードとして使用することと、 D’ 前記MIPモードを第1非MIPモードにマッピングし、前記第1非MIPモードは前記現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードを決定することに用いられ、前記第1非MIPモードは予め設定された非MIPモードの1つであり、前記非MIPモードは平面イントラ予測モードを含むことと、 E 前記画像輝度成分のイントラ予測モード及び前記画像色度成分のイントラ予測モードを使用して、前記現在画像ブロックを符号化することと、を含む F 画像符号化方法。」 (相違点1) 本件補正発明では、「前記非MIPモードは直流イントラ予測モード、平面イントラ予測モード及び方向イントラ予測モードのうちの少なくとも1つを含む」とされているのに対し、引用発明では、当該発明特定事項が特定されていない点。 (相違点2) 本件補正発明では、「更に、 ビットストリームに予測モード情報を書き込むことを含み、前記予測モード情報は前記現在画像ブロックのイントラ予測モードを示すことに用いられる」との発明特定事項を有するのに対し、引用発明では、当該発明特定事項が特定されていない点。 (ウ) 相違点についての判断 上記相違点について検討する。 a 相違点1について 本件補正発明の「前記非MIPモードは直流イントラ予測モード、平面イントラ予測モード及び方向イントラ予測モードのうちの少なくとも1つを含む」ことは、「のうちの少なくとも1つ」の記載により、「前記非MIPモード」に含むモードが択一的に特定されているから、「前記非MIPモード」として「平面イントラ予測モード」のみを含む場合であっても、当該「前記非MIPモードは直流イントラ予測モード、平面イントラ予測モード及び方向イントラ予測モードのうちの少なくとも1つを含む」ことに該当する。 上記(ア)d(b)で検討したとおり、引用発明の「PLモード」は平面イントラ予測モードであって「非MIPモード」に相当し、非MIPモードとして平面イントラ予測モードを含むといえるから、上記「前記非MIPモードは直流イントラ予測モード、平面イントラ予測モード及び方向イントラ予測モードのうちの少なくとも1つを含む」ことに該当する。 したがって、相違点1に関して、本件補正発明と引用発明とは実質的には相違しない。 b 相違点2について 上記イ(エ)b(e)のとおり、エンコーダが現在画像ブロックのイントラ予測モードの予測モード情報をビットストリームに書き込むことは、従前の標準(例えば、H.264標準)でも行われていた技術であり、周知の技術事項である。 エンコーダがイントラ予測モードを使用して符号化を行うのは、符号量の削減を目的、課題とするものであり、引用発明のエンコーダが、行列イントラ予測(MIP)に関し、現在ブロックのモードを信号化するにあたっても、符号量の削減といった目的、課題が共通する従前の標準技術であって周知の技術事項を適用することは当業者が普通に想到し得ることである。 したがって、引用発明において、更に、エンコーダが現在画像ブロックのイントラ予測モードの予測モード情報をビットストリームに書き込むようにすることで、「更に、ビットストリームに予測モード情報を書き込むことを含み、前記予測モード情報は前記現在画像ブロックのイントラ予測モードを示すことに用いられる」にようにすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 (エ) 請求人の主張について a 請求人の主張 審判請求人は、審判請求書の「本願発明が特許されるべき理由」において、以下のとおり主張している。 「理由1及び2(新規性及び進歩性) 1、請求項1 請求項1はデコーダに適用される画像復号化方法を定義し、現在画像ブロックのイントラ予測モードを決定することと、前記イントラ予測モードが行列に基づくイントラ予測(MIP)モードである場合、前記MIPモードを前記現在画像ブロックの画像輝度成分のイントラ予測モードとして使用することと、前記MIPモードを第1非MIPモードにマッピングし、前記第1非MIPモードは前記現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードを決定することに用いられ、前記第1非MIPモードは予め設定された非MIPモードの1つであり、前記非MIPモードは直流イントラ予測モード、平面イントラ予測モード及び方向イントラ予測モードのうちの少なくとも1つを含むことと、前記画像輝度成分のイントラ予測モード及び前記画像色度成分のイントラ予測モードを使用して、前記現在画像ブロックを復号化することと、を含み、現在画像ブロックのイントラ予測モードを決定することは、ビットストリームに含まれる予測モード情報を解析することを含み、前記予測モード情報は前記現在画像ブロックのイントラ予測モードを示すことに用いられます。 1)新規性 請求項1に、「前記イントラ予測モードが行列に基づくイントラ予測(MIP)モードである場合、前記MIPモードを前記現在画像ブロックの画像輝度成分のイントラ予測モードとして使用する」という技術的特徴が開示され、即ち、現在画像ブロックのMIPモードを現在画像ブロックの画像輝度成分のイントラ予測モードとすることが開示されています。 審査官殿は、引用文献1に、色度DM生成において使用される輝度ブロックがMIP符号化ブロックである場合、ということが開示され、それは、請求項1における「前記MIPモードを前記現在画像ブロックの画像輝度成分のイントラ予測モードとして」に属する、という見解です。 しかし、請求項1は、「前記MIPモードを前記現在画像ブロックの画像輝度成分のイントラ予測モードとして」の条件を既に明確に開示し、即ち、「前記イントラ予測モードが行列に基づくイントラ予測(MIP)モードである場合」、即ち、イントラ予測モードがMIPモードである場合、前記MIPモードを前記現在画像ブロックの画像輝度成分のイントラ予測モードとして使用します。ここから分かりますように、請求項1では、MIPモードを現在画像ブロックの画像輝度成分のイントラ予測モードとして使用するためには、現在画像ブロックのイントラ予測モードがMIPモードである、という条件さえ満たせば良く、「MPM」には関連せず、マッピングテーブルを必要としません。 引用文献1では請求項1と似たような適用条件が開示されておらず、そして、色度DM生成において使用される輝度ブロックがMIP符号化ブロックである場合、ということが明確に開示され、そしてその前提は、For derivation of MPM of non-MIP blocks、ということであり、従って、引用文献1の全体の案によれば、それは、MPM及び色度DMの生成を、輝度ブロックがMIP符号化ブロックであることの条件とする必要がある、ということが開示されています。 従って、引用文献1は、請求項1における、MIPモードを現在画像ブロックの画像輝度成分のイントラ予測モードとして使用する完全な技術的特徴、即ち、「前記イントラ予測モードが行列に基づくイントラ予測(MIP)モードである場合、前記MIPモードを前記現在画像ブロックの画像輝度成分のイントラ予測モードとして使用する」ということを開示していません。 請求項1には更に、「前記イントラ予測モードが行列に基づくイントラ予測(MIP)モードである場合、前記MIPモードを第1非MIPモードにマッピングし、前記現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードを決定することに用いられる」という技術的特徴が特定され、即ち、請求項1では、直流イントラ予測モード、平面イントラ予測モード又は方向イントラ予測モードを、画像色度成分のイントラ予測モードとします。ここから分かりますように、請求項1における、前記MIPモードを第1非MIPモードにマッピングし、前記現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードを決定することに用いられる、ということも「MPM」には関連せず、従来の技術によく見られるマッピングテーブルは必要としません。 引用文献1に開示されたのは、色度DM生成において使用される輝度ブロックがMIP符号化ブロックである場合、色度DMモードをPLモードとして選択するということです。そして、引用文献1に開示された、色度DMモードをPLモードとして選択する、ということの前提は、やはりnon-MIPブロックのMPMの導出処理であり、マッピングテーブルで等価モードをマッピングする必要があります。 請求項1の案はマッピングテーブルに関連せず、non-MIPブロックのMPMの導出処理も必要とせず、MIPモードを第1非MIPモードに直接マッピングするということです。即ち、請求項1はマッピングテーブルの参与を必要としないマッピング案を提供し、そしてそのマッピングの条件は引用文献1と異なります。 従って、引用文献1は請求項1における、現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードを決定する案、即ち、「前記イントラ予測モードが行列に基づくイントラ予測(MIP)モードである場合、前記MIPモードを第1非MIPモードにマッピングし、前記現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードを決定することに用いられる」ということを開示していません。 補正後の請求項1は更に、現在画像ブロックのイントラ予測モードを決定することは、ビットストリームに含まれる予測モード情報を解析することを含み、前記予測モード情報は前記現在画像ブロックのイントラ予測モードを示すことに用いられる、という技術的特徴を含みます。 引用文献1は該技術的特徴を開示していません。 従って、引用文献1と比べて、補正後の請求項1は、「前記イントラ予測モードが行列に基づくイントラ予測(MIP)モードである場合、前記MIPモードを前記現在画像ブロックの画像輝度成分のイントラ予測モードとして使用する」、「前記イントラ予測モードが行列に基づくイントラ予測(MIP)モードである場合、前記MIPモードを第1非MIPモードにマッピングし、前記現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードを決定することに用いられる」、及び「現在画像ブロックのイントラ予測モードを決定することは、ビットストリームに含まれる予測モード情報を解析することを含み、前記予測モード情報は前記現在画像ブロックのイントラ予測モードを示すことに用いられる」という区別の技術的特徴を含みます。 従って、補正後の請求項1は新規性を有します。 2)進歩性 上記のように、引用文献1と比べて、請求項1は区別の技術的特徴を含みます。上記区別の技術的特徴によって、請求項1は、如何にして現在画像ブロックのイントラ予測モードを決定するか、如何にして現在画像ブロックの画像輝度成分のイントラ予測モードを決定するか、及び如何にして現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードを決定するか、という技術課題を解決します。 請求項1の案によれば、MPMを導出することなく、マッピングテーブルを要することなく、直接にMIPモードと現在画像ブロックの画像輝度成分のイントラ予測モードとの間の対応関係を確立し、そしてMIPモードを予め設定された非MIPモードの1つにマッピングし、従来技術のマッピング方法における、複数マッピングテーブルをクエリするという欠陥を回避でき、マッピングに必要な全てのテーブルを記憶する必要がなく、メモリスペースを節約し、MIPモードと従来モードとの間でマッピングする複雑度を簡素化します。 上記区別の技術的特徴は本分野の慣用の技術手段ではなく、本願の前に本分野では請求項1の技術手段は見られませんでした。 従って、引用文献1に基づいて本分野の慣用の技術手段を組み合わせたとしても、請求項1の全部の案を取得することはできず、請求項1は自明なものではありません。 請求項1の提供する案によれば、現在画像ブロックのイントラ予測モードが行列に基づくMIPモードである場合、MIPモードを現在画像ブロックの画像輝度成分のイントラ予測モードとして使用し、MIPモードを予め設定された非MIPモードの1つにマッピングし、前記現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードを決定することに用いられます。そうすると、従来のマッピング方法における複数のマッピングテーブルをクエリすることを回避し、マッピングに必要なすべてのテーブルを記憶する必要がなく、メモリスペースを節約し、それによりMIPモードと従来モードとの間でマッピングする複雑度を簡素化し、MIPモードと従来モードとのマッピングを迅速に実現することができ、符号化/復号化速度を向上させます。従って請求項1は顕著な進歩をもたらします。 上記のように、請求項1は自明なものではなく、そして顕著な進歩をもたらし、従って請求項1は進歩性を有します。 2、独立請求項6、11、16(今回補正後の請求項5、9、13) 請求項1と同じ又は類似する理由で、請求項6、11、16も新規性及び進歩性を有します。」 b 請求人の主張についての検討 請求人の当該主張について検討する。 請求人は、「引用文献1は、請求項1における、MIPモードを現在画像ブロックの画像輝度成分のイントラ予測モードとして使用する完全な技術的特徴、即ち、「前記イントラ予測モードが行列に基づくイントラ予測(MIP)モードである場合、前記MIPモードを前記現在画像ブロックの画像輝度成分のイントラ予測モードとして使用する」ということを開示していません。」と主張し、「請求項1と同じ又は類似する理由で」今回補正後の請求項9も「新規性及び進歩性を有」するとしている。 しかしながら、上記(ア)c(d)で検討したとおり、引用文献1公表時には、行列イントラ予測(MIP)モードが画像輝度成分を対象とするモードであることは技術常識である。これは、参考文献1技術事項の「intra_lwip_flagが1に等しいことは、輝度サンプルのイントラ予測タイプがアフィン線形重み付けイントラ予測であることを示す」ことにも裏付けられており、引用発明では、構成b、cにより「イントラ予測モードが行列に基づくイントラ予測(MIP)モードである場合、MIPモードを現在画像ブロックの画像輝度成分のイントラ予測モードとして使用する」といえる。 したがって、請求人の主張は採用できない。 請求人は、「引用文献1は請求項1における、現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードを決定する案、即ち、「前記イントラ予測モードが行列に基づくイントラ予測(MIP)モードである場合、前記MIPモードを第1非MIPモードにマッピングし、前記現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードを決定することに用いられる」ということを開示していません。」と主張し、「請求項1と同じ又は類似する理由で」今回補正後の請求項9も「新規性及び進歩性を有」するとしている。 しかしながら、上記(ア)d(a)で示したように、引用発明では、構成cにより、「行列イントラ予測(MIP)で符号化される場合、・・・色度DMモードはPLモードとして選択されるように簡略化」されており、上記(ア)d(c)で検討したように、「MIPモードを平面イントラ予測モードにマッピングし」、上記d(d)で検討したように「現在画像ブロックの画像色度成分のイントラ予測モードを決定することに用いられ」るといえる。 したがって、請求人の主張は採用できない。 請求人は、「補正後の請求項1は更に、現在画像ブロックのイントラ予測モードを決定することは、ビットストリームに含まれる予測モード情報を解析することを含み、前記予測モード情報は前記現在画像ブロックのイントラ予測モードを示すことに用いられる、という技術的特徴を含みます。引用文献1は該技術的特徴を開示していません。」と主張し、「請求項1と同じ又は類似する理由で」今回補正後の請求項9も「新規性及び進歩性を有」するとしている。 ここで、当該技術的特徴は、請求項9では、「更に、ビットストリームに予測モード情報を書き込むことを含み、前記予測モード情報は前記現在画像ブロックのイントラ予測モードを示すことに用いられる」ことに対応すると解される。 しかしながら、上記(ウ)相違点についての判断bで検討したとおり、エンコーダが現在画像ブロックのイントラ予測モードの予測モード情報をビットストリームに書き込むことは周知の技術事項といえ、引用発明において、「更に、ビットストリームに予測モード情報を書き込むことを含み、前記予測モード情報は前記現在画像ブロックのイントラ予測モードを示すことに用いられる」にようにすることは、当業者が容易に想到し得たものである。 したがって、請求人の主張は採用できない。 よって、本件補正発明は上記引用発明、参考文献1、2に例示される上記技術常識及び特表2014-518473号公報に例示される上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際、独立して特許を受けることができないものである。 3 小括 以上のとおり、本件補正は、本件補正発明が特許出願の際、独立して特許を受けることができないものであるから、特許法第17条の2第6項の規定により準用する特許法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 したがって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和 5年 8月15日にされた手続補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~21に係る発明は、令和 3年 9月15日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~21に記載された事項により特定されるものであるところ、そのうち、請求項11に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記「第2 令和5年8月15日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の項中の「1 本件補正の内容」(1)に記載したとおりのものである。 2 原査定における拒絶の理由 原査定(令和5年4月21日付け拒絶査定)における拒絶の理由は、概略、「この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」というものであり、請求項11に係る発明に対して、以下の引用文献1が引用された。 引用文献1:K. RAMASUBRAMONIAN, Adarsh et al.,Non-CE3: MIP simplifications,Joint Video Experts Team (JVET) of ITU-T SG 16 WP 3 and ISO/IEC JTC 1/SC 29/WG 11 15th Meeting: Gothenburg, SE, 3-12 July 2019, [JVET-O0187-v1],JVET-O0187 (version 1),ITU-T,2019年06月23日,<URL:https://jvet-experts.org/doc_end_user/documents/15_Gothenburg/wg11/JVET-O0187-v1.zip>: JVET-O0187-v1.docx: pp.1-5 3 引用発明 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1に記載された発明は上記「第2 令和5年8月15日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の項中の「2 補正の適否について」の「(2) 独立特許要件について」の項で、「イ 引用文献、引用発明等」の「(ア) 引用文献1について」の「b 引用発明の認定」として認定したとおりである。 4 対比・判断 上記「第2 令和5年8月15日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の項中の「2 補正の適否について」の「(1) 補正の目的について」で検討したように、本件補正後の請求項9に係る発明は、本件補正前の請求項11に係る発明の「画像符号化方法」の発明特定事項である構成Eのうち、「を含む」の記載が「含み、」と変更され、当該「含み、」の記載に続けて、「更に、」の記載(構成O)、及び、本件補正前の請求項13における「ビットストリームに予測モード情報を書き込むことを含み、前記予測モード情報は前記現在画像ブロックのイントラ予測モードを示すことに用いられる」の記載(構成I)が挿入されている。 そして、挿入された構成Iは、本件補正前の構成A、Fで特定される「画像符号化方法」が、本件補正前の構成B~Eに加えて、更に、「ビットストリームに予測モード情報を書き込むことを含み、前記予測モード情報は前記現在画像ブロックのイントラ予測モードを示すことに用いられる」ことを特定するものである。 そうすると、本願発明は本件補正発明から、「ビットストリームに予測モード情報を書き込むことを含み、前記予測モード情報は前記現在画像ブロックのイントラ予測モードを示すことに用いられる」に関する上記特定を除いたものである。 本願発明に対して本件補正に係る上記特定を行った本件補正発明が、上記「第2 令和5年8月15日にされた手続補正についての補正の却下の決定」の項中の「2 補正の適否について」の「(2)独立特許要件について」の項で検討したとおり、引用発明及び上記技術常識、上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、同「(2)独立特許要件について」の「ウ 対比・判断」における判断にあたって、上記周知技術は、上記特定の構成Iに対して適用され、構成Iを有しない本願発明に対しては適用を要しないから、本願発明は引用発明及び上記技術常識に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 5 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明及び参考文献1、2に例示される上記技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願発明はその余の請求項について論及するまでもなく拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2023-013720

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決131件(オッポ広東移動通信有限公司)
  • 2025-005040拒絶査定不服審判 / 2026-06-29 / 原査定取消(特許/登録すべき)画像予測方法、エンコーダ、デコーダ及び記憶媒体
    同じ当事者: オッポ広東移動通信有限公司
  • 2024-018738拒絶査定不服審判 / 2026-03-23 / 原査定取消(特許/登録すべき)画像符号化方法、画像復号化方法、並びに関連装置及びシステム
    同じ当事者: オッポ広東移動通信有限公司
  • 2024-019699拒絶査定不服審判 / 2026-02-20 / 請求不成立画像成分予測方法、符号化器、復号化器、並びに記憶媒体
    同じ当事者: オッポ広東移動通信有限公司
  • 2024-017979拒絶査定不服審判 / 2025-08-26 / 原査定取消(特許/登録すべき)制御チャネルの伝送方法、機器及び記憶媒体
    同じ当事者: オッポ広東移動通信有限公司
  • 2024-011935拒絶査定不服審判 / 2025-08-18 / 請求不成立ビデオ信号の符号化/復号化方法及び前記方法のための装置
    同じ当事者: オッポ広東移動通信有限公司
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)1,203件(121・H04N、575・H04N)
  • 2025-009024拒絶査定不服審判 / 2026-05-26 / 請求不成立撮像素子、および電子機器
    共通の審決分類: 121・H04N、575・H04N
  • 2024-018880拒絶査定不服審判 / 2026-01-27 / 請求不成立適応的映像符号化装置及び方法
    共通の審決分類: 121・H04N、575・H04N
  • 2025-002224拒絶査定不服審判 / 2026-01-06 / 請求不成立画像復号方法、画像符号化方法及び伝送方法
    共通の審決分類: 121・H04N、575・H04N
  • 2024-005972拒絶査定不服審判 / 2025-02-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)電子機器
    共通の審決分類: 121・H04N、575・H04N
  • 2023-010287拒絶査定不服審判 / 2024-09-17 / 請求不成立画像符号化装置、画像符号化方法、及びプログラム
    共通の審決分類: 121・H04N、575・H04N

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存