特許拒絶査定不服審判
2020-015895
商品データ登録装置、商品データ処理方法およびプログラム
- 審判番号
- 2020-015895
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-057072
- 請求日
- 2020年11月17日
- 審決日
- 2022年01月11日
- 公報発行日
- 2022年04月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】東芝テック株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人酒井国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 一ノ瀬 覚
- 審判官 出口 昌哉
- 審判官 藤井 昇
- 分類
- P18 .121-Z (G07G) / P18 .57 -Z (G07G) / P18 .575-Z (G07G)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019-57072号「商品データ登録装置、商品データ処理方法およびプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和1年6月27日出願公開、特開2019-106218号〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成26年1月30日に出願した特願2016-239661号(以下「原出願」という。)の一部を平成31年3月25日に新たな特許出願としたものであって、令和1年5月7日に上申書及び手続補正書が提出され、令和2年4月15日付けで拒絶理由が通知され、同年6月19日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年8月11日付けで拒絶査定がされ、これに対して、同年11月17日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 令和2年11月17日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和2年11月17日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1 補正の内容
令和2年11月17日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲を補正するものであって、請求項1について本件補正前後の記載を補正箇所に下線を付して示すと以下のとおりである。
(1)本件補正後の請求項1
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。
「 【請求項1】
商品の商品情報を取得する取得手段と前記取得手段によって取得した商品情報に対応する価格に基づいて合計金額を算出する算出手段とを備える商品データ登録装置と、前記商品データ登録装置とネットワークを介して接続され当該商品データ登録装置で商品情報を取得した商品の会計処理を実行する複数の会計装置と、を有するチェックアウトシステムの前記商品データ登録装置において、
一取引の締め操作を受け付ける締め操作キーと、
前記締め操作キーの操作を受け付けると、前記複数の会計装置のうち、予め定められた一部の会計装置毎に当該会計装置に対応するボタンを当該会計装置の状態とともに表示器に表示する制御手段と、
前記表示器に表示された前記ボタンを介する入力によって一の会計装置を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された会計装置にて前記会計処理を実行するための情報を出力する出力手段と、
を備える商品データ登録装置。」
(2)本件補正前の請求項1
本件補正前の、令和2年6月19日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「 【請求項1】
商品の商品情報を取得する取得手段と前記取得手段によって取得した商品情報に対応する価格に基づいて合計金額を算出する算出手段とを備える商品データ登録装置と、前記商品データ登録装置とネットワークを介して接続され当該商品データ登録装置で商品情報を取得した商品の会計処理を実行する複数の会計装置と、を有するチェックアウトシステムの前記商品データ登録装置において、
一取引の締め操作を受け付ける締め操作キーと、
前記締め操作キーの操作を受け付けると操作可能な前記複数の会計装置のうち予め定められた一部の会計装置に対応するボタンを、当該一部の会計装置の状態とともに表示器に表示する制御手段と、
前記表示器に表示された前記ボタンを介する入力によって一の会計装置を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された会計装置にて前記会計処理を実行するための情報を出力する出力手段と、
を備える商品データ登録装置。」
2 補正の適否
2-1
本件補正に係る請求項1の補正は、本件補正前の「操作可能な前記複数の会計装置」という事項から、「操作可能な」という事項を削除する補正を含んでいる。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当しない。
また、本件補正は、特許法第17条の2第5項第1号に規定する請求項の削除、同第3号に規定する誤記の訂正、同第4号に規定する明りょうでない記載の釈明のいずれを目的とするものにも該当しない。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反する。
2-2
仮に、本件補正が、特許法第17条の2第5項第2号に掲げられた特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するとして、本件補正後の請求項1に記載された事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が、同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献並びに引用文献に記載された事項及び発明
1:特開平5-233963号公報
2:特開2013-242839号公報
3:特開2005-84779号公報
4:特開平6-290345号公報
以下それぞれ引用文献1なしい4という。
(2-1)引用文献1について
ア 引用文献1に記載された事項
原査定の拒絶の理由に示され、原出願の出願前に頒布された引用文献1には、図面とともに、以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同様である。)。
(1a)
「【0006】しかし、上記従来技術では、商品登録処理と支払登録処理とが同一のPOS端末で連続して行われるため、商品登録時間と支払登録時間とが一致しないことにより、商品販売がスム-ズに行かないという問題がある。すなわち、チェッカ部とキャッシャ部との間に支払待ちの顧客がたまったり、逆に、キャッシャが暇だったりして、精算効率が悪くなると共に、顧客も待ち時間が多くなるという問題が発生する。
【0007】本発明の目的は、商品登録時間と支払登録時間のずれを解消して、販売の効率を向上して、販売時間を短縮し、顧客の待ち時間を少なくすることができる商品販売システムを提供することにある。
【0008】更に、顧客はPOS端末まで行かなければ、どのPOS端末が、どの程度混雑しているか判断できない。そのため、急いでいる時に、あまり混雑していないPOS端末があるにもかかわらず、混雑しているPOS端末に並んでしまうことがある。上記従来の技術では、この点に配慮されていない。
【0009】そこで、本発明の他の目的は、精算しようとした時に、現状の混雑状況を把握可能にすることができる商品販売システムを提供することにある。
・・・
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の一態様によれば、顧客が購入した商品を特定する情報およびその価格を少なくとも登録して取引明細デ-タを生成する1または2以上のチェッカ装置と、上記生成される取引明細デ-タに基づいて購入商品の精算処理を行なう2以上のキャッシャ装置と、チェッカ装置およびキャッシャ装置に対する通信、ならびに、チェッカ装置およびキャッシャ装置の動作状態の管理を少なくとも行なう管理装置とを備え、チェッカ装置は、登録した取引について、精算処理を行なうべきキャッシャ装置を指定する手段と、少なくとも管理装置との通信を行なう手段とを有し、管理装置は、上記取引明細デ-タおよびキャッシャ装置を指定する情報を、チェッカ装置から受信して、このキャッシャ装置を指定する情報に基づいて、指定されたキャッシャ装置に転送する手段を備えることを特徴とする商品販売システムが提供される。」
(1b)
「【0035】本POSシステムは、チェッカ装置1と、キャッシャ装置2と、POSコントロ-ラ3と、ストアプロセッサ4とを有する。ストアプロセッサ4およびPOSコントロ-ラ3に、1台もしくは複数台のチェッカ装置1と、1台もしくは複数台のキャッシャ装置2とが通信回線9を介して接続されている。
【0036】チェッカ装置1とキャッシャ装置2とは、配置について、1体1、1対多、多対1、多対多等のように、種々の対応関係とすることができる。例えば、図58(A)に示すように、1台のチェッカ装置1に2台のキャッシャ装置2、同図(B)に示すように、2台のチェッカ装置1に1台のキャッシャ装置2、同図(C)に示すように、2台のチェッカ装置1に2台のキャッシャ装置2、等の配置ができる。ここで、キャッシャ装置2を複数台用いる場合、それらを現金専用、カ-ド専用、共用等に使い分けるようにしてもよい。
・・・
【0044】図2(A)および図60に示すように、チェッカ装置1は、入力装置11と、表示装置12と、客用表示装置13と、スキャナ14と、磁気カ-ドリ-ダ15と、装置全体の制御、演算等を行なう処理装置16と、通信回線50を介してPOSコントロ-ラ3等と通信するための通信装置17とを有する。
【0045】入力装置11は、数字キ-、小計キ-や合計キ-等の制御キ-などを有し、商品コ-ド等の数字入力や、小計、合計等の制御指令等を入力するものである。表示装置12は、例えば、液晶ディスプレイ等のディスプレイ、その駆動装置等を有し、商品名、値段等を表示する。客用表示装置13は、同様に、例えば、液晶ディスプレイ等のディスプレイ、その駆動装置等を有し、商品名や値段等を顧客に表示する。なお、客用表示装置13は、本実施例では、さらに、次に、どのキャッシャ装置に進むべきかを示す案内の表示をも行なう。スキャナ14は、商品に付された識別コ-ド、例えば、バ-コ-ドを読み取るものである。磁気カ-ドリ-ダ15は、顧客カ-ド等の磁気カ-ドの記録内容を読み取るものである。
・・・
【0047】図3および図60に示すように、キャッシャ装置2は、入力装置21と、表示装置22と、客用表示装置23と、プリンタ24と、ドロア25と、磁気カ-ドリ-ダ26と、伝票プリンタ27と、装置全体の制御、演算等を行なう処理装置28と、通信回線50を介してPOSコントロ-ラ3等と通信するための通信装置29と、当該キャッシャ装置を識別するためにキャッシャ装置ごとに与えられた符号(本実施例では番号)を表示するキャッシャ符号表示部20とを有する。」
(1c)
「【0051】図4は図2のチェッカ装置1の動作を示すフロ-チャ-トである。
・・・
【0053】そして、処理装置16は、入力装置11からのキ-入力をモニタ-する(ステップ1002)。終了キ-押下の時は終了し、小計キ-押下の時はステップ1009に行く。押下がない時には、商品の通過をモニタ-し(ステップ1003)、商品の通過を検知すると、スキャナ14がスキャンした商品のバ-コ-ドを読み取る(ステップ1004)。ここで、商品の通過を検知しなかった時には、ステップ1002に戻る。
【0054】処理装置16は、読み取ったバ-コ-ドに対応する商品の値段と商品名を検索する(ステップ1005)。すなわち、処理装置16は、読み取ったバ-コ-ドを通信装置17および通信回線50を介してPOSコントロ-ラ3に送る。これを受けて、POSコントロ-ラ3は、PLUファイル6(図6)からバ-コ-ドに対応する商品の値段と商品名を検索する。そして、検索結果をチェッカ装置1に送る。チェッカ装置1では、通信装置17でこれを受けて、処理装置16は、表示装置12および客用表示装置13の文字エリアに検索した商品の商品名を、数値エリアに検索した商品の値段を表示する(ステップ1006)。この後、商品名と値段とを、RAM163内の取引明細テ-ブル101(図7)の商品名と値段の項目に記憶すると共に(ステップ1007)、記憶した小計額に検索した商品の値段を加えたものを、取引明細テ-ブル9の小計の項目に記憶し(ステップ1008)、ステップ1002に戻る。
【0055】処理装置16は、ステップ1002で小計キ-が押されたら、税(TAX)を計算し、取引明細テ-ブル101に記憶する(ステップ1009)。次に、小計とTAXとから合計を計算し、取引明細テ-ブル101に記憶し(ステップ1010)、精算指示処理を行い(ステップ1011)、一顧客登録終了処理として、取引番号を更新する(+1する)と共に、小計=0に(ステップ1012)する。そして、その顧客が支払を行なうべきキャッシャ装置2の識別符号(キャッシャ番号)を表示する(ステップ1013)。このキャッシャ番号は、図60に示すように、キャッシャ装置2のキャッシャ符号表示部20に付されている。表示は、客用表示装置13の画面で行なうことができる。この後、再びステップ1002に戻る。
・・・
【0069】処理装置28は、チェッカ装置1から送られてくる取引明細テ-ブル101をモニタ-し(ステップ2005)、なければ、ステップ2002に行き、受け取れば、取引明細受取処理(図12)を行い(ステップ2006)、ステップ2002に行く。」
(1d)
「【0125】図31は、図2(A)に示すチェッカ装置に、キャッシャ装置番号と取引番号を磁気で印字した磁気カ-ドを発行する磁気カ-ドライタ31を付加したものである。」
(1e)
「【0135】上記実施例では、チェッカ装置上で、該取引に対応するキャッシャ装置が決まり、顧客が自由に決められないが、顧客が好きなキャッシャ装置を選び、それによってチェッカ装置が磁気カ-ドを出力し、選んだキャッシャ装置でその磁気カ-ドを挿入することにより、取引を識別してもよい。以下にその例を示す。
【0136】顧客が好きなキャッシャ装置を選ぶ場合のチェッカ装置1”の構成を図37に示す。図37のチェッカ装置の構成は、図31に示すチェッカ装置1の構成に、顧客の入力を行う客用入力装置32を加えたものであり、キャッシャ装置は、図3に示す構成と同じである。
【0137】チェッカ装置の処理フロ-は、図4のフロ-チャ-トと同じであるが、精算指示処理(ステップ1011)が異なり、図38に示すフロ-となる。
【0138】本実施例の精算指示処理では、処理装置16は、まず、客用表示装置13に「お好きな精算装置を選んで下さい」という旨のメッセ-ジを、選択対象となるキャッシャ装置の番号およびその位置と共に表示する(ステップ6101)。選択対象となるキャッシャ装置は、図39に示すキャッシャ装置テ-ブル102’”の該当チェッカ装置に対応するキャッシャ番号で示される。図39の例では、10、15、16、17のキャッシャ装置が該当する。
【0139】処理装置16は、客用入力装置32のキ-入力をモニタ-する(ステップ6102)。該当する番号のキ-入力があれば、取引明細テ-ブル101の精算装置の項目に、入力キャッシャ番号をセットする(ステップ6103)。ここでは、5,6,7以外の数字キ-が入力されたときに、キャッシャ番号10のキャッシャ装置が選択される。また、5の数字キ-が入力されたときキャッシャ番号15のキャッシャ装置が、6の数字キ-が入力されたときキャッシャ番号16のキャッシャ装置が、7の数字キ-が入力されたときキャッシャ番号17のキャッシャ装置がそれぞれ選択される。
【0140】次に、客用表示装置13に「ご精算は、現金ですか、カ-ドですか」という旨のメッセ-ジを表示し(ステップ6104)、客用入力装置32のキ-の入力をモニタ-する(ステップ6105)。
【0141】入力キ-が現金キ-であれば、取引明細テ-ブル101の精算方法の項目に“現金”とセットする(ステップ6106)。さらに、セットした取引明細テ-ブル101をストアプロセッサ4に送り(ステップ6107)、精算指示処理は終了する。
【0142】入力キ-がカ-ドであれば、磁気カ-ドリ-ダ15からの磁気カ-ドの入力をモニタ-する(ステップ6108)。
【0143】ここで、磁気カ-ドの入力がなければ、ステップ6108に行き、あれば、磁気カ-ドの顧客識別番号を読み取る(ステップ6109)。そして、取引明細テ-ブル101の精算方法の項目にカ-ドと、顧客番号の項目に顧客識別番号をセットする(ステップ6110)。次に、顧客の与信チェックを行うため、与信チェックテ-ブル103および取引明細テ-ブル101の顧客番号に顧客識別番号を、キャッシャ番号に精算装置のキャッシャ装置番号をセットし、ストアプロッセッサ4に送り(ステップ6111)、精算指示処理は終了する。
【0144】これにより、顧客が好きな精算装置を、空いている、特定の出口に近い、サ-ビスのよい、近い等を考慮して選ぶことができ、顧客の利便性を考え、かつ、精算の効率を上げることが可能となる。
【0145】なお、これまでの実施例では、全部の取引明細テ-ブル101をストアプロセッサ4に送っているが、全部の取引明細をストアプロセッサ4に送るのではなく、通常は送らず、属性が分離の時にのみ送っても良い。例えば、通常は全精算をペアのキャッシャ装置で行い、混んだときのみ、分離となり、現金はペアのキャッシャ装置で、カ-ドは別のキャッシャ装置で行うような時には、カ-ドのみの取引明細テ-ブル101をストアプロセッサ4に送り、現金の取引明細テ-ブル101は、直接ペアのキャッシャ装置に送っても良い。
【0146】また、ストアプロセッサ4を介さず、直接、精算装置に送ってもよい。」
(1f)
図1~4、図31、図37~39、図47,図49、図58は、以下のとおりである。
[図:0001382785000001.jpg]
[図:0001382785000002.jpg]
[図:0001382785000003.jpg]
[図:0001382785000004.jpg]
[図:0001382785000005.jpg]
[図:0001382785000006.jpg]
[図:0001382785000007.jpg]
[図:0001382785000008.jpg]
[図:0001382785000009.jpg]
[図:0001382785000010.jpg]
[図:0001382785000011.jpg]
イ 引用文献1に記載された発明
(ア)
摘記(1e)の段落【0136】には、「顧客が好きなキャッシャ装置を選ぶ場合のチェッカ装置1”の構成を図37に示す。図37のチェッカ装置の構成は、図31に示すチェッカ装置1の構成に、顧客の入力を行う客用入力装置32を加えたものであり、キャッシャ装置は、図3に示す構成と同じである。」と記載され、同【0137】には、「チェッカ装置の処理フロ-は、図4のフロ-チャ-トと同じであるが、精算指示処理(ステップ1011)が異なり、図38に示すフロとなる。」と記載され、摘記(1d)の段落【0125】には、「図31は、図2(A)に示すチェッカ装置に、キャッシャ装置番号と取引番号を磁気で印字した磁気カ-ドを発行する磁気カ-ドライタ31を付加したものである。」と記載されていることから、
図37のチェッカ装置は、実質的に、図2(A)に示すチェッカ装置1に、チェッカ装置1に、磁気カ-ドライタ31と、客用入力装置32とを加えた、チェッカ装置1であり、キャッシャ装置は、図3に示す構成と同じであるから、キャッシャ装置2であり、これらチェッカ装置1及びキャッシャ装置2は、図1に示すPOSシステムの構成要素となっている、すなわち、「顧客が好きなキャッシャ装置を選ぶ」実施例は、図1~3において、図3のチェッカ装置1に、磁気カ-ドライタ31と、客用入力装置32とを加えた、POSシステムである、といえる。
そして、このPOSシステムにおける、チェッカ装置1は、図4のフロ-チャ-トの精算指示処理(ステップ1011)が、図38に示すフロ-となるものである。
(イ)
摘記(1e)の段落【0138】~【0142】の「処理装置16」についての記載(特に段落【0139】の「処理装置16」についての記載)を参照すると、「処理装置16」が「取引明細テ-ブル101」などの管理を行うことが明らかであるから、段落【0140】~【0143】に記載の事項(特に、下線を付した「取引明細テ-ブル101」に関連する事項)は、「処理装置16」が行う事項であることが明らかであり、これらの記載事項を総合すると、入力キャッシャ番号をセットした後、処理装置16は、取引明細テ-ブル101の精算方法の項目に現金又はカ-ドという精算方法をセットし、取引明細テ-ブル101をストアプロセッサ4に送り、精算指示処理は終了することが明らかである。
(ウ)
摘記(1b)の【0047】の「キャッシャ装置2は、」「処理装置28」「を有する。」という記載、摘記(1c)の【0069】の「処理装置28は、チェッカ装置1から送られてくる取引明細テ-ブル101をモニタ-し(ステップ2005)、」「受け取れば、取引明細受取処理(図12)を行い(ステップ2006)、」という記載、及び、摘記(1a)の【0010】の「取引明細デ-タを生成する1または2以上のチェッカ装置と、上記生成される取引明細デ-タに基づいて購入商品の精算処理を行なう2以上のキャッシャ装置」という記載から、「取引明細デ-タ」は、取引明細テ-ブル101に記憶された情報であることが明らかであり、これらのことに併せて、摘記(1e)の【0145】の「これまでの実施例では、全部の取引明細テ-ブル101をストアプロセッサ4に送っている」という記載を参照すると、キャッシャ装置2は、チェッカ装置1からストアプロセッサ4を介して送られてくる取引明細テ-ブル101をモニタ-し、取引明細テ-ブル101に記憶された情報に基づいて精算処理を行うことが明らかである。
(エ)
上記(ア)~(ウ)、摘記(1b)~(1e)及び図1~4、図31、図37~39(摘記(1f)参照)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
[引用発明]
「チェッカ装置1と、チェッカ装置1からストアプロセッサ4を介して送られてくる取引明細テ-ブル101をモニタ-し、取引明細テ-ブル101に記憶された情報に基づいて精算処理を行う、キャッシャ装置2と、POSコントロ-ラ3と、ストアプロセッサ4とを有し、ストアプロセッサ4およびPOSコントロ-ラ3に、1台もしくは複数台のチェッカ装置1と、1台もしくは複数台のキャッシャ装置2とが通信回線9を介して接続されている、POSシステムにおける、チェッカ装置1において、
チェッカ装置1は、小計キ-などを有する入力装置11と、表示装置12と、客用表示装置13と、スキャナ14と、磁気カ-ドリ-ダ15と、装置全体の制御、演算等を行なう処理装置16と、磁気カ-ドライタ31と、客用入力装置32と、通信回線50を介してPOSコントロ-ラ3等と通信するための通信装置17とを有し、
処理装置16は、
読み取ったバ-コ-ドに対応する商品の値段と商品名を検索し、
表示装置12および客用表示装置13の文字エリアに検索した商品の商品名を、数値エリアに検索した商品の値段を表示し、
商品名と値段とを、RAM163内の取引明細テ-ブル101の商品名と値段の項目に記憶すると共に、記憶した小計額に検索した商品の値段を加えたものを、取引明細テ-ブル9の小計の項目に記憶し、
小計キ-が押されたら、TAXを計算し、取引明細テ-ブル101に記憶し、小計とTAXとから合計を計算し、取引明細テ-ブル101に記憶し、精算指示処理を行い、
精算指示処理では、処理装置16は、
客用表示装置13にお好きな精算装置を選んで下さいという旨のメッセ-ジを、選択対象となるキャッシャ装置の番号およびその位置と共に表示し、客用入力装置32のキ-入力をモニタ-し、該当する番号のキ-入力があれば、取引明細テ-ブル101の精算装置の項目に、入力キャッシャ番号をセットし、
取引明細テ-ブル101の精算方法の項目に現金又はカ-ドという精算方法をセットし、
取引明細テ-ブル101をストアプロセッサ4に送り、
精算指示処理は終了する、
チェッカ装置1。」
(2-2)引用文献2について
原査定の拒絶の理由に示され、原出願の出願前に頒布された引用文献2には、以下の事項が記載されている。
(2a)
「【0091】
次に、図7を参照して、図5のステップS25における送信先精算用POSレジスタの表示処理での表示例について説明する。図7は、登録用POSレジスタ20の表示部(店員用)205の表示例を示している。図7の表示例では、商品選択用の(この例では野菜の)アイコンや、金額、個数などを示す情報とともに、精算用POSレジスタ30a~30cのステ-タス情報を表すボタン2051~2053が表示されている。ただし、精算用POSレジスタ30a~30cは、それぞれ装置1~3として表示している。さらに、ステップS22の処理で選択されたステ-タス情報が空き状態の精算用POSレジスタ30aについては、網掛けして示したように、他のボタンと異なる形態で(例えば点滅状態としたり表示色を異ならせたりして)表示を行っている。図7の例では、この形態を変更することで、精算用POSレジスタ30aが送信先として選択されたことが示されている。
【0092】
なお、前述したように、登録用POSレジスタ20は、表示部(客用)205aに、送信先の精算用POSレジスタ30を示す案内を表示するようにしてもよい。例えば、登録用POSレジスタ20は、図7に示す精算用POSレジスタ30a~30cのステ-タス情報を表すボタン2051~2053を、表示部(客用)205aに表示するようにしてもよい。」
(2b)
「【0125】
例えば、前述したように、店員が、登録用POSレジスタ20のタッチパネル上に表示された各精算用POSレジスタ30のステ-タス情報を見て、登録用POSレジスタ20において登録された登録デ-タを送信する精算用POSレジスタ30を選択する構成としてもよい。具体的な一例としては、登録用POSレジスタ20のタッチパネル上には、登録デ-タを送信する精算用POSレジスタ30を選択可能なように、各精算用POSレジスタ30に対応するボタンが表示され、店員は、この各精算用POSレジスタ30に対応するボタンのうちの1つを選択して押下することにより、登録デ-タを送信する精算用POSレジスタ30を選択してもよい。このような場合、登録用POSレジスタ20は、ステ-タス情報が「使用中」である精算用POSレジスタ30を選択出来ないように制御してもよい。例えば、登録用POSレジスタ20は、各精算用POSレジスタ30に対応するボタンのうちのステ-タス情報が「使用中」である精算用POSレジスタ30に対応するボタンを選択不可能なように表示してもよい。また、登録中の顧客が精算用POSレジスタ30で登録デ-タ(会計デ-タ)を保留にした顧客である場合は、当該顧客が保留にした精算用POSレジスタ30と対応するボタンが「保留」の表示となっているので、当該「保留」を表示しているボタンを店員が押下すると当該顧客が保留にした登録デ-タ(会計デ-タ)が呼出される。その後、顧客が買い忘れた商品の追加登録が完了し、精算用POSレジスタ30と対応する「保留」が表示されているボタンが押下されると、「保留」ボタンと対応する精算用POSレジスタ30に登録デ-タ(会計デ-タ)が送信されるようにしてもよい。」
(2-3)引用文献3について
原査定の拒絶の理由に示され、原出願の出願前に頒布された引用文献3には、以下の事項が記載されている。
(3a)
「【0024】
締めキ-34は、小計を求めたり現金売及び釣銭計算処理を行なうときなどの取引完了時に使用される「小計」キ-や「現/預」キ-である。」
(2-4)引用文献4について
原査定の拒絶の理由に示され、原出願の出願前に頒布された引用文献4には、以下の事項が記載されている。
(4a)
「【0020】締めキ-群12には、信用売りキ-18、掛売りキ-19、小計キ-20および現金売りキ-21が含まれる。」
(3)対比
本件補正発明と引用発明とを対比する。
ア
引用発明の「チェッカ装置1」について、以下のことがいえる。
(ア)
引用発明の「チェッカ装置1」は、本件補正発明の「商品データ登録装置」に相当する。
引用発明の「商品」は、本件補正発明の「商品」に相当する。
引用発明の「読み取ったバ-コ-ド」、「読み取ったバ-コ-ドに対応する商品の」「商品名」ないし「読み取ったバ-コ-ドに対応する商品の値段と商品名」は、本件補正発明の「商品の商品情報」に相当する。
引用発明の「検索し」、「表示し」、及び、「記憶する」ことは、本件補正発明の「取得する」ことに相当する。
引用発明の「読み取ったバ-コ-ドに対応する商品の値段」ないし「小計」は、本件補正発明の「前記取得手段によって取得した商品情報に対応する価格」に相当する。
引用発明の「小計とTAXとから」「計算し」た「合計」は、本件補正発明の「合計金額」に相当する。
引用発明の「小計とTAXとから合計を計算」することは、本件補正発明の「合計金額を算出する」ことに相当する。
(イ)
引用発明において、「処理装置16は、読み取ったバ-コ-ドに対応する商品の値段と商品名を検索し、表示装置12および客用表示装置13の文字エリアに検索した商品の商品名を、数値エリアに検索した商品の値段を表示し、商品名と値段とを、RAM163内の取引明細テ-ブル101の商品名と値段の項目に記憶すると共に、記憶した小計額に検索した商品の値段を加えたものを、取引明細テ-ブル9の小計の項目に記憶し、小計キ-が押されたら、TAXを計算し、取引明細テ-ブル101に記憶し、小計とTAXとから合計を計算し、取引明細テ-ブル101に記憶」するから、上記(ア)を踏まえると、引用発明の「処理装置16」は、本件補正発明の「商品の商品情報を取得する取得手段と前記取得手段によって取得した商品情報に対応する価格に基づいて合計金額を算出する算出手段とを備える」構成を有しているといえる。
(ウ)
引用発明の「チェッカ装置1」は、本件補正発明の「商品データ登録装置」に相当すること(上記(ア)参照)、及び、上記(イ)を踏まえると、引用発明の「小計キ-などを有する入力装置11と、表示装置12と、客用表示装置13と、スキャナ14と、磁気カ-ドリ-ダ15と」、「読み取ったバ-コ-ドに対応する商品の値段と商品名を検索し、表示装置12および客用表示装置13の文字エリアに検索した商品の商品名を、数値エリアに検索した商品の値段を表示し、商品名と値段とを、RAM163内の取引明細テ-ブル101の商品名と値段の項目に記憶すると共に、記憶した小計額に検索した商品の値段を加えたものを、取引明細テ-ブル9の小計の項目に記憶し、小計キ-が押されたら、TAXを計算し、取引明細テ-ブル101に記憶し、小計とTAXとから合計を計算し、取引明細テ-ブル101に記憶」する「装置全体の制御、演算等を行なう処理装置16と、」「磁気カ-ドライタ31と、客用入力装置32と、通信回線50を介してPOSコントロ-ラ3等と通信するための通信装置17とを有し」ている「チェッカ装置1」は、上記(イ)で述べた「処理装置16」を有しているから、本件補正発明の「商品の商品情報を取得する取得手段と前記取得手段によって取得した商品情報に対応する価格に基づいて合計金額を算出する算出手段とを備える商品データ登録装置」に相当する。
イ
引用発明の「キャッシャ装置2」について、以下のことがいえる。
(ア)
引用発明の「キャッシャ装置2」は、本件補正発明の「会計装置」に相当し、引用発明の「複数台のキャッシャ装置2」は、本件補正発明の「複数の会計装置」に相当する。
引用発明において、「キャッシャ装置2」は、「チェッカ装置1からストアプロセッサ4介して送られてくる取引明細テ-ブル101をモニタ-し」ていること、及び、「ストアプロセッサ4およびPOSコントロ-ラ3に、1台もしくは複数台のチェッカ装置1と、1台もしくは複数台のキャッシャ装置2とが通信回線9を介して接続されている」ことから、引用発明の「チェッカ装置1」、「ストアプロセッサ4」及び「複数台のキャッシャ装置2」は、「ストアプロセッサ4およびPOSコントロ-ラ3」を介して、ネットワークを構成しているといえる。
これらのことと、引用発明の「チェッカ装置1」は、「商品データ登録装置」に相当すること(上記ア(ア))を踏まえると、引用発明の「チェッカ装置1からストアプロセッサ4を介して送られてくる取引明細テ-ブル101をモニタ-」する「複数台の」「キャッシャ装置2」は、本件補正発明の「前記商品データ登録装置とネットワークを介して接続され」る「複数の会計装置」に相当する。
(イ)
引用発明の「RAM163」は、「装置全体の制御、演算等を行なう処理装置16」の「RAM163」であることが明らかであるところ、引用発明の「チェッカ装置1」が「有」する「装置全体の制御、演算等を行なう処理装置16」の「RAM163内」の「取引明細テ-ブル101」に着目すると、以下のことがいえる。
「取引明細テ-ブル101」は、「チェッカ装置1」が「有」する「処理装置16」の動作により、「商品名と値段の項目に」「商品名と値段とを」「記憶すると共に」、「小計の項目に」「記憶した小計額に検索した商品の値段を加えたもの」(すなわち「小計」といえる。)を「記憶し」、「計算し」た「TAX」を「記憶」し、「小計とTAXとから」「計算し」「合計」を「記憶し」、「精算装置の項目に、入力キャッシャ番号をセットし、取引明細テ-ブル101の精算方法の項目に現金又はカ-ドという精算方法をセットし」、そして、「取引明細テ-ブル101」は、「ストアプロセッサ4に送」られる、要するに、「チェッカ装置1」の「取引明細テ-ブル101」には、「商品名」、「値段」、「小計」、「TAX」、「合計」、「入力キャッシャ番号」及び「精算方法」が「記憶」され、その「取引明細テ-ブル101」が「ストアプロセッサ4に送」られる。
このことから、引用発明の「チェッカ装置1からストアプロセッサ4介して送られてくる取引明細テ-ブル101」について、当該「取引明細テ-ブル101に記憶された情報」は、具体的には、「チェッカ装置1」の「取引明細テ-ブル101」に「記憶」されれた「商品名」、「値段」、」「小計」、「TAX」、「合計」、「入力キャッシャ番号」及び「精算方法」等であり、「チェッカ装置1」で取得された商品の商品情報といえる。
引用発明の「精算処理を行う」ことは、「会計処理を実行する」ことに相当する。
これらのことと、引用発明の「複数台のキャッシャ装置2」は、本件補正発明の「複数の会計装置」に相当すること(上記(ア))を踏まえると、引用発明の「取引明細テ-ブル101に記憶された情報に基づいて精算処理を行う」「複数台の」「キャッシャ装置2」は、本件補正発明の「当該商品データ登録装置で商品情報を取得した商品の会計処理を実行する」「複数の会計装置」に相当する。
(ウ)
上記(ア)及び(イ)から、引用発明の「チェッカ装置1からストアプロセッサ4を介して送られてくる取引明細テ-ブル101をモニタ-し、取引明細テ-ブル101に記憶された情報に基づいて精算処理を行う」、「複数台の」「キャッシャ装置2」は、本件補正発明の「前記商品データ登録装置とネットワークを介して接続され当該商品データ登録装置で商品情報を取得した商品の会計処理を実行する複数の会計装置」に相当する。
ウ
引用発明の「チェッカ装置1」及び「キャッシャ装置2」については、それぞれ、上記ア及びイのとおりである。
引用発明の「POSシステム」は、本件補正発明の「チェックアウトシステム」に相当する。
したがって、引用発明の「チェッカ装置1と、チェッカ装置1からストアプロセッサ4を介して送られてくる取引明細テ-ブル101をモニタ-し、取引明細テ-ブル101に記憶された情報に基づいて精算処理を行う、キャッシャ装置2と、POSコントロ-ラ3と、ストアプロセッサ4とを有し、ストアプロセッサ4およびPOSコントロ-ラ3に、1台もしくは複数台のチェッカ装置1と、1台もしくは複数台のキャッシャ装置2とが通信回線9を介して接続されている、POSシステム」は、本件補正発明の「商品の商品情報を取得する取得手段と前記取得手段によって取得した商品情報に対応する価格に基づいて合計金額を算出する算出手段とを備える商品データ登録装置と、前記商品データ登録装置とネットワークを介して接続され当該商品データ登録装置で商品情報を取得した商品の会計処理を実行する複数の会計装置と、を有するチェックアウトシステム」に相当する。
エ
引用発明の「処理装置16」は、「精算指示処理」を行うところ、「処理装置16」の動作及び「精算指示処理」の処理内容に着目すると、以下のことがいえる。
(ア)
引用発明において、「チェッカ装置1は、小計キ-などを有する入力装置11」を「有」しているところ、「小計キ-が押されたら、TAXを計算し、取引明細テ-ブル101に記憶し、小計とTAXとから合計を計算し、取引明細テ-ブル101に記憶し、精算指示処理を行」うことから、引用発明の「小計キ-」は、「精算指示処理を行」うためのキ-であり、すなわち、実質的に、一取引の締め操作を受け付けるキ-であり(必要であれば、摘記(3a)及び(4a)なども参照)、本件補正発明の「一取引の締め操作を受け付ける締め操作キー」に相当する。
したがって、引用発明の「チェッカ装置1」は、本件補正発明の「商品データ登録装置」に相当すること(上記ア(ア))を踏まえると、引用発明の「精算指示処理を行」う「小計キ-などを有する入力装置11」を「有」している「チェッカ装置1」は、本件補正発明の「一取引の締め操作を受け付ける締め操作キー」「を備える商品データ登録装置」に相当する。
(イ)
a
引用発明の「複数台のキャッシャ装置2」は、本件補正発明の「複数の会計装置」に相当するところ(上記イ(ア)参照)、引用発明において、「複数台のキャッシャ装置2」と「選択対象となるキャッシャ装置」との関係を、一義的に特定することはできないが、引用発明では、「客用表示装置13にお好きな精算装置を選んで下さいという旨のメッセ-ジを、選択対象となるキャッシャ装置の番号およびその位置と共に表示」することから、引用発明の「選択対象となるキャッシャ装置」は、表示するために、予め定められているといえるし、引用発明の「選択対象となるキャッシャ装置」は、「複数台のキャッシャ装置2」のうちの全部又は一部のいずれかであることが明らかであり、引用発明の「選択対象となるキャッシャ装置」と、本件補正発明の「前記複数の会計装置のうち、予め定められた一部の会計装置」とは、「前記複数の会計装置のうち、予め定められた会計装置」において共通している。
b
引用発明の「客用表示装置13」は、本件補正発明の「表示器」に相当する。
引用発明の「選択対象となるキャッシャ装置の番号」も、本件補正発明の「会計装置に対応するボタン」も、会計装置を認識するための機能を有する手段であることでは共通するから、これらは、「会計装置に対応する認識手段」において共通しているといえる。
これらのことから、引用発明の「客用表示装置13に」「表示」する「選択対象となるキャッシャ装置の番号」と、本件補正発明の「表示器に表示する」「会計装置に対応するボタン」とは、「表示器に表示する」「会計装置に対応する認識手段」において共通している。
また、引用発明の「その位置」すなわち「選択対象となるキャッシャ装置の位置」も、本件補正発明の「会計装置の状態」も、会計装置に関する情報を表すものであるから、これらは、「会計装置に関する情報」において共通しているといえることと、上記の「表示器」の相当関係を踏まえると、引用発明の「客用表示装置13に」「表示」する「その位置」すなわち「選択を対象となるキャッシャ装置の位置」と、本件補正発明の「表示器に表示する」「当該会計装置の状態」とは、「表示器に表示する」「当該会計装置に関する情報」において共通している。
c
上記a、bから、引用発明の「客用表示装置13にお好きな精算装置を選んで下さいという旨のメッセ-ジを、選択対象となるキャッシャ装置の番号およびその位置と共に表示」することと、本件補正発明の「前記複数の会計装置のうち、予め定められた一部の会計装置毎に当該会計装置に対応するボタンを当該会計装置の状態とともに表示器に表示する」こととは、「前記複数の会計装置のうち、予め定められた会計装置毎に当該会計装置に対応する認識手段を当該会計装置に関する情報とともに表示器に表示する」ことにおいて共通している。
d
引用発明の「客用表示装置13にお好きな精算装置を選んで下さいという旨のメッセ-ジを、選択対象となるキャッシャ装置の番号およびその位置と共に表示」することは、「処理装置16」が行うから、引用発明の「処理装置16」は、そのための制御手段を備えている、すなわち、上記cを踏まえると、引用発明の「処理装置16」は、「前記複数の会計装置のうち、予め定められた会計装置毎に当該会計装置に対応する認識手段を当該会計装置に関する情報とともに表示器に表示する制御手段」を備えているといえる。
したがって、引用発明の「チェッカ装置1」は、本件補正発明の「商品データ登録装置」に相当すること(上記ア(ア))、及び、上記(ア)を踏まえると、引用発明の「小計キ-が押されたら、・・・精算指示処理を行い、精算指示処理では、・・・客用表示装置13にお好きな精算装置を選んで下さいという旨のメッセ-ジを、選択対象となるキャッシャ装置の番号およびその位置と共に表示」する「装置全体の制御、演算等を行なう処理装置16」を「有」する、「チェッカ装置1」と、「前記締め操作キーの操作を受け付けると、前記複数の会計装置のうち、予め定められた一部の会計装置毎に当該会計装置に対応するボタンを当該会計装置の状態とともに表示器に表示する制御手段」「を備える商品データ登録装置」とは、「前記締め操作キーの操作を受け付けると、前記複数の会計装置のうち、予め定められた一部の会計装置毎に当該会計装置に対応する認識手段を当該会計装置に関する情報とともに表示器に表示する制御手段」「を備える商品データ登録装置」において共通している。
(ウ)
a
引用発明の「客用入力装置32のキ-」は、ボタンといえる。
引用発明の「取引明細テ-ブル101の精算装置の項目に、入力キャッシャ番号をセット」することは、本件補正発明の「一の会計装置を選択する」ことに相当する。
これらのことから、引用発明の「客用入力装置32のキ-入力をモニタ-し、該当する番号のキ-入力があれば、取引明細テ-ブル101の精算装置の項目に、入力キャッシャ番号をセット」することと、本件補正発明の「前記表示器に表示された前記ボタンを介する入力によって一の会計装置を選択する」こととは、「ボタンを介する入力によって一の会計装置を選択する」ことにおいて共通している。
b
引用発明の「客用入力装置32のキ-入力をモニタ-し、該当する番号のキ-入力があれば、取引明細テ-ブル101の精算装置の項目に、入力キャッシャ番号をセット」することは、「処理装置16」が行うから、引用発明の「処理装置16」は、そのセット(実質的に選択する動作といえる。)ための選択手段を備えている、すなわち、上記aを踏まえると、引用発明の「処理装置16」は、「ボタンを介する入力によって一の会計装置を選択する選択手段」を備えているといえる。
したがって、引用発明の「チェッカ装置1」は、本件補正発明の「商品データ登録装置」に相当すること(上記ア(ア))を踏まえると、引用発明の「客用入力装置32」と「客用入力装置32のキ-入力をモニタ-し、該当する番号のキ-入力があれば、取引明細テ-ブル101の精算装置の項目に、入力キャッシャ番号をセット」する「装置全体の制御、演算等を行なう処理装置16」とを「有」する、「チェッカ装置1」と、「前記表示器に表示された前記ボタンを介する入力によって一の会計装置を選択する選択手段」「を備える商品データ登録装置」とは、「ボタンを介する入力によって一の会計装置を選択する選択手段」「を備える商品データ登録装置」において共通している。
(エ)
引用発明の「取引明細テ-ブル101に記憶された情報に基づいて精算処理を行う、キャッシャ装置2」及び上記イから、引用発明の「取引明細テ-ブル101に記憶された情報」は、本件補正発明の「前記選択手段によって選択された会計装置にて前記会計処理を実行するための情報」に相当する。
引用発明の「処理装置16」が、「精算指示処理」で、「取引明細テ-ブル101をストアプロセッサ4に送」ることは、本件補正発明の「前記選択手段によって選択された会計装置にて前記会計処理を実行するための情報を出力する」ことに相当し、引用発明の「処理装置16」は、「取引明細テ-ブル101をストアプロセッサ4に送り」るための出力手段(本件補正発明の「前記選択手段によって選択された会計装置にて前記会計処理を実行するための情報を出力する出力手段」に相当するといえる。)を備えているといえる。
したがって、引用発明の「チェッカ装置1」は、本件補正発明の「商品データ登録装置」に相当すること(上記ア(ア))を踏まえると、引用発明の「精算指示処理」で「取引明細テ-ブル101をストアプロセッサ4に送」る「装置全体の制御、演算等を行なう処理装置16」を「有」する、「チェッカ装置1」は、本件補正発明の「前記選択手段によって選択された会計装置にて前記会計処理を実行するための情報を出力する出力手段」「を備える商品データ登録装置」に相当する。
以上から、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
「商品の商品情報を取得する取得手段と前記取得手段によって取得した商品情報に対応する価格に基づいて合計金額を算出する算出手段とを備える商品データ登録装置と、前記商品データ登録装置とネットワークを介して接続され当該商品データ登録装置で商品情報を取得した商品の会計処理を実行する複数の会計装置と、を有するチェックアウトシステムの前記商品データ登録装置において、
一取引の締め操作を受け付ける締め操作キーと、
前記締め操作キーの操作を受け付けると、前記複数の会計装置のうち、予め定められた会計装置毎に当該会計装置に対応する認識手段を当該会計装置に関する情報とともに表示器に表示する制御手段と、
ボタンを介する入力によって一の会計装置を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された会計装置にて前記会計処理を実行するための情報を出力する出力手段と、
を備える商品データ登録装置。」
<相違点>
「前記締め操作キーの操作を受け付けると、前記複数の会計装置のうち、予め定められた会計装置毎に当該会計装置に対応する認識手段を当該会計装置に関連する情報とともに表示器に表示する制御手段と、ボタンを介する入力によって一の会計装置を選択する選択手段」が、
本件補正発明では、
前記締め操作キーの操作を受け付けると、前記複数の会計装置のうち、予め定められた「一部の」会計装置毎に当該会計装置に対応する「ボタン」を「当該会計装置の状態」とともに表示器に表示する制御手段と、「前記表示器に表示された前記ボタン」を介する入力によって一の会計装置を選択する選択手段、であるのに対して、
引用発明では、
「処理装置16は、」
「小計キ-が押されたら、税を計算し、取引明細テ-ブル101に記憶し、小計とTAXとから合計を計算し、取引明細テ-ブル101に記憶し、精算指示処理を行い、
精算指示処理は、客用表示装置13にお好きな精算装置を選んで下さいという旨のメッセ-ジを、選択対象となるキャッシャ装置の番号およびその位置と共に表示し、客用入力装置32のキ-入力をモニタ-し、該当する番号のキ-入力があれば、取引明細テ-ブル101の精算装置の項目に、入力キャッシャ番号をセットし、取引明細テ-ブル101の精算方法の項目に精算方法をセットし、取引明細テ-ブル101をストアプロセッサ4に送る、精算指示処理である」点。
(4)判断
以下、相違点について検討する。
ア
引用文献1の段落【0138】には、「選択対象となるキャッシャ装置は、図39に示すキャッシャ装置テ-ブル102’”の該当チェッカ装置に対応するキャッシャ番号で示される。」(摘記(1e)参照)と記載されていることから、引用文献1の図39の「キャッシャ装置テ-ブル102’”」は、各「チェッカ装置」に対応する「選択対象となるキャッシャ装置」を示しているといえるが、引用発明の「複数台のキャッシャ装置2」との関係を示すものではないから、この「キャッシャ装置テ-ブル102’”」の、各「チェッカ装置」に対応する「選択対象となるキャッシャ装置」が、引用発明の「複数台のキャッシャ装置2」を意味しているのか否かは、不明である。
補足すると、引用発明の「選択対象となるキャッシャ装置」(例えば、チェッカ番号10のチェッカ装置に対応する、キャッシャ番号10、15、16、17の4つのキャッシャ装置であり、本件補正発明の「前記複数の会計装置のうち、予め定められた会計装置」に相当する。)は、引用発明の「複数台のキャッシャ装置2」(本件補正発明の「前記商品データ登録装置とネットワークを介して接続され当該商品データ登録装置で商品情報を取得した商品の会計処理を実行する複数の会計装置」に相当。)と同じものであるのか、「複数台のキャッシャ装置2」の一部であるのか、これらが、いずれの関係となっているのかは定かでない。
後者であるとすると、上記相違点に係る「一部」は、実質的な相違点とはいえない。
また、前者であるとすると、以下のとおりである。
引用文献1の段落【0036】には、「チェッカ装置1とキャッシャ装置2とは、配置について、・・・1対多・・・等のように、種々の対応関係とすることができる。例えば、図58(A)に示すように、1台のチェッカ装置1に2台のキャッシャ装置2、・・・同図(C)に示すように、2台のチェッカ装置1に2台のキャッシャ装置2、等の配置ができる。ここで、キャッシャ装置2を複数台用いる場合、それらを現金専用、カ-ド専用、共用等に使い分けるようにしてもよい。」(摘記(1b)参照)と記載され、この記載を併せると、図8から、「チェッカ番号10のチェッカ装置に、属性が分離であり精算方法が現金であるキャッシャ番号10のキャッシャ装置と、属性が分離であり精算方法がカ-ドであるキャッシャ番号20のキャッシャ装置とを対応させること」が看取でき、図47から、「チェッカ番号C10のチェッカ装置に、属性が通常のキャッシャ番号10のキャッシャ装置を対応させ、チェッカ番号K10のチェッカ装置に、属性が分離であるキャッシャ番号1~9のキャッシャ装置を対応させること」が看取できる。
これらのことを総合すると、引用発明の「複数台のキャッシャ装置2」は、「選択対象となるキャッシャ装置」に限ることなく、「選択対象となるキャッシャ装置」(例えば、チェッカ番号10のチェッカ装置に対応する、キャッシャ番号10、15、16、17の4つのキャッシャ装置)に、キャッシャ番号1~9、20などの別のキャッシャ装置を加えた構成としてもよいこと、すなわち、多数、多様の「キャッシャ装置2」としてもよいこと、が示唆されているといえるから、引用発明の「複数台のキャッシャ装置2」を、前記構成とすることで、要するに、引用発明の「複数台のキャッシャ装置2」に、選択対象とされない別のキャッシャ装置を加えて「複数台のキャッシャ装置2」とすることで、引用発明の「選択対象となるキャッシャ装置」を、「複数の会計装置のうち、予め定められた一部の会計装置」として、上記相違点に係る本件補正発明の「一部」を想到することは、当業者が容易になし得たといえる。
イ
摘記(2b)から、引用文献2には、「登録用POSレジスタ20のタッチパネル上に表示された各精算用POSレジスタ30のステ-タス情報を見て、登録用POSレジスタ20において登録された登録デ-タを送信する精算用POSレジスタ30を選択する」「登録用POSレジスタ20」であって、「登録用POSレジスタ20のタッチパネル上には、登録デ-タを送信する精算用POSレジスタ30を選択可能なように、各精算用POSレジスタ30に対応するボタンが表示され、店員は、この各精算用POSレジスタ30に対応するボタンのうちの1つを選択して押下することにより、登録デ-タを送信する精算用POSレジスタ30を選択」する「登録用POSレジスタ20」(以下「引用文献2に記載された技術事項」という。)が記載されていると認められる。
ウ
引用文献2に記載された技術事項の「精算用POSレジスタ30」及び「登録用POSレジスタ20」は、それぞれ、本件補正発明の「会計装置」及び「商品データ登録装置」に相当する。
引用文献2に記載された技術事項の「各精算用POSレジスタ30に対応するボタンのうちの1つを選択して押下することにより、登録デ-タを送信する精算用POSレジスタ30を選択する」ことは、本件補正発明の「ボタンを介する入力によって一の会計装置を選択する」ことに相当する。
これらのことと上記一致点を踏まえると、引用発明と引用文献2に記載された技術事項とは、「商品データ登録装置」において技術分野が共通し、「ボタンを介する入力によって一の会計装置を選択する」という機能も共通することから、引用発明に引用文献2に記載された技術事項を適用する動機付けは十分にあるいといえる。
エ
ここで、上記一致点の「会計装置に関連する情報」に関して、引用発明は、「キャッシャ装置の」「位置」であり、本件補正発明は、「会計装置の状態」であるが、引用発明の「キャッシャ装置の」「位置」は、キャッシャ装置(会計装置)の配置の状態を示しているといえるから、本件補正発明の「会計装置の状態」に相当し、当該「会計装置に関連する情報」に係る相違点は、実質的な相違点とはいえない。
また、仮に、当該相違点が実質的な相違点であったとしても、引用文献1には、キャッシャ装置(会計装置)に関連する情報として、「待ち数」(図49等参照)などのキャッシャ装置の状態を、表示画面に表示することが記載されていること、及び、引用文献2に記載された技術の「タッチパネル上に表示された各精算用POSレジスタ30のステ-タス情報」を参照(摘記(2a)も参照)することで、引用発明の「キャッシャ装置の」「位置」に加えて、「待ち数」や「ステ-タス情報」なども併せて表示することで、各「キャッシャ装置」(会計装置)の状態を「客用表示装置13」(表示器)に表示し、上記相違点に係る本件補正発明の「会計装置の状態」とすることは、当業者が適宜なし得たことにすぎない。
オ
そして、上記ウのとおりであるから、引用発明に引用文献2に記載された技術事項を適用することで、上記ア、ウで述べたことに加え、引用発明において、「客用表示装置13」をタッチパネル式とし、「客用表示装置13」の「選択対象となるキャッシャ装置の番号」の「表示」部分を、キャッシャ装置(会計装置)に対応するタッチ式のボタンとすることで、「客用表示装置13」(表示器)に表示されたボタンを介する入力によって一の「キャッシャ装置」(会計装置)を選択するようにして、上記相違点に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たといえる。
カ
また、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献1ないし2に記載された技術事項から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
キ
さらに、審判請求人の主張については、以下のとおりである。
(ア)
審判請求書の「【請求の理由】」「5.拒絶理由について」「5-2.本願発明と引用発明との対比」において、審判請求人は、
「また、引用文献1の段落[0137]-[0146]には、複数のキャッシャ装置の中から一のキャッシャ装置を選択可能な構成(以下、第2の構成)が記載されています。
・・・
第2の構成では、選択候補となるキャッシャ装置は、本願発明でいうところの『…会計処理を実行可能な複数の会計装置』の全てに相当するものであり、『前記複数の会計装置のうち、予め定められた一部の会計装置』を選択の候補とするものではありません。」と主張している。
(イ)
しかしながら、引用発明は、実質的に第2の構成を採用しているところ(上記(2)(2-1)イで述べた引用発明の認定を参照。)、上記アで述べたとおり、引用発明の「選択対象となるキャッシャ装置」を、「会計処理を実行可能な複数の会計装置」の一部として構成することは、当業者が容易になし得たといえるから、上記(ア)の主張は採用できない。
(ウ)
さらに、上記(3)における対比及び上記ア~カの判断は、審判請求書や令和3年8月31日に行った面接などにおける審判請求人の主張(上記(ア)の主張など)を考慮して行ったものであるが、当該対比に関して、実質的には、以下のこともいえる。
引用発明の「複数台のチェッカ装置1」ないし「選択対象となるキャッシャ装置」は、本件補正発明の「前記複数の会計装置」に相当する。
本件補正発明の「予め定められた一部の会計装置毎に」の「毎」という記載から、本件補正発明に限ると、「一部」は、実質的に「一」を意味しているとも解されるから、本件補正発明の「前記複数の会計装置のうち、予め定められた一部の会計装置」には、「前記複数の会計装置のうち」の一つの「会計装置」も該当するといえること、及び、本件補正発明は、「予め定められた一部の会計装置」から、「一の会計装置を選択する」ことを特定するものではないから、要するに、本件補正発明は、「前記複数の会計装置のうち」の各「会計装置」が「予め定められた一部の会計装置」であり、「前記複数の会計装置のうち」(「ボタン」が「表示」された各「会計装置」)の一つの「会計装置」を、「一の会計装置」として「選択する」ものともいえる。
そうすると、引用発明の「選択対象となるキャッシャ装置」のうちの各「キャッシャ装置」は、本件補正発明の「前記複数の会計装置のうち、予め定められた一部の会計装置」に相当する。
引用文献1の実施例で補足すると、引用発明の「選択対象となるキャッシャ装置」(キャッシャ番号10、15、16、17のキャッシャ装置)は、本件補正発明の「前記複数の会計装置」に相当し、引用発明の「選択対象となるキャッシャ装置」のうち各「選択対象となるキャッシャ装置」(キャッシャ番号10、15、16、17のキャッシャ装置のうちの、いずれかのキャッシャ装置)は、本件補正発明の「前記複数の会計装置のうち、予め定められた一部の会計装置」に相当する。
したがって、上記(ア)の「第2の構成では、選択候補となるキャッシャ装置は、本願発明でいうところの『…会計処理を実行可能な複数の会計装置』の全てに相当するものであり、『前記複数の会計装置のうち、予め定められた一部の会計装置』を選択の候補とするものではありません。」という主張は、本件補正発明に基づいた主張とはいえないともいえる。
(エ)
上記(イ)、(ウ)のとおりであるから、上記主張は採用できない。
(5)小括
したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献1ないし2に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反する。
3 本件補正についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、又は、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和2年11月17日付けの手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~7に係る発明は、令和2年6月19日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」ともいう。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1~7に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
[引用文献等]
1:特開平5-233963号公報
2:特開2013-242839号公報
3:特開2005-84779号公報(周知技術を示す文献)
4:特開平6-290345号公報(周知技術を示す文献)
3 引用文献に記載された事項等
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1~4の記載事項等は、前記第2[理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
(1)対比
本願発明と引用発明とを対比する。
ア
上記第2[理由]2 2-2(3)ア~ウ及びエ(ア)(ウ)(エ)における「本件補正発明」を、「本願発明」に読み替えたのと同じことがいえる。
イ
本願発明の「制御手段」に係る構成と引用発明の構成との対比については、以下のとおりである。
(ア)
引用発明の「複数台のキャッシャ装置2」は、本願発明の「複数の会計装置」に相当するところ、引用発明において、「複数台のキャッシャ装置2」と「選択対象となるキャッシャ装置」との関係を、一義的に特定することはできないが、引用発明では、「客用表示装置13にお好きな精算装置を選んで下さいという旨のメッセ-ジを、選択対象となるキャッシャ装置の番号およびその位置と共に表示」することから、引用発明の「選択対象となるキャッシャ装置」は、表示するために、予め定められているといえるし、引用発明の「選択対象となるキャッシャ装置」は、「複数台のキャッシャ装置2」のうちの全部又は一部のいずれかであることが明らかであり、引用発明の「選択対象となるキャッシャ装置」と、本願発明の「操作可能な前記複数の会計装置のうち予め定められた一部の会計装置」とは、「前記複数の会計装置のうち予め定められた会計装置」において共通している。
(イ)
引用発明の「客用表示装置13」は、本願発明の「表示器」に相当する。
引用発明の「選択対象となるキャッシャ装置の番号」も、本願発明の「会計装置に対応するボタン」も、会計装置を認識するための機能を有する手段であることでは共通するから、これらは、「会計装置に対応する認識手段」において共通しているといえる。
これらのことから、引用発明の「客用表示装置13に」「表示」する「選択対象となるキャッシャ装置の番号」と、本願発明の「表示器に表示する」「会計装置に対応するボタン」とは、「表示器に表示する」「会計装置に対応する認識手段」において共通している。
また、引用発明の「その位置」すなわち「選択対象となるキャッシャ装置の位置」も、本願発明の「会計装置の状態」も、会計装置に関する情報を表すものであるから、これらは、「会計装置に関する情報」において共通しているといえることと、上記の「表示器」の相当関係を踏まえると、引用発明の「客用表示装置13に」「表示」する「その位置」すなわち「選択を対象となるキャッシャ装置の位置」と、本願発明の「表示器に表示する」「当該一部の会計装置の状態」とは、「表示器に表示する」「当該会計装置に関する情報」において共通している。
(ウ)
上記(ア)、(イ)から、引用発明の「客用表示装置13にお好きな精算装置を選んで下さいという旨のメッセ-ジを、選択対象となるキャッシャ装置の番号およびその位置と共に表示」することと、本願発明の「操作可能な前記複数の会計装置のうち予め定められた一部の会計装置に対応するボタンを、当該一部の会計装置の状態とともに表示器に表示する」こととは、「前記複数の会計装置のうち予め定められた会計装置に対応する認識手段を、当該会計装置に関する情報とともに表示器に表示する」ことにおいて共通している。
(エ)
引用発明の「客用表示装置13にお好きな精算装置を選んで下さいという旨のメッセ-ジを、選択対象となるキャッシャ装置の番号およびその位置と共に表示」することは、「処理装置16」が行うから、引用発明の「処理装置16」は、そのための制御手段を備えている、すなわち、上記(ウ)を踏まえると、引用発明の「処理装置16」は、「前記複数の会計装置のうち予め定められた会計装置に対応する認識手段を、当該会計装置に関する情報とともに表示器に表示する制御手段」を備えているといえる。
したがって、引用発明の「チェッカ装置1」は、本願発明の「商品データ登録装置」に相当することなどを踏まえると、引用発明の「小計キ-が押されたら、・・・精算指示処理を行い、精算指示処理では、・・・客用表示装置13にお好きな精算装置を選んで下さいという旨のメッセ-ジを、選択対象となるキャッシャ装置の番号およびその位置と共に表示」する「装置全体の制御、演算等を行なう処理装置16」を「有」する、「チェッカ装置1」と、「前記締め操作キーの操作を受け付けると操作可能な前記複数の会計装置のうち予め定められた一部の会計装置に対応するボタンを、当該一部の会計装置の状態とともに表示器に表示する制御手段」「を備える商品データ登録装置」とは、「前記締め操作キーの操作を受け付けると前記複数の会計装置のうち予め定められた会計装置に対応する認識手段を、当該会計装置に関する情報とともに表示器に表示する制御手段」「を備える商品データ登録装置」において共通している。
以上から、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点A>
「商品の商品情報を取得する取得手段と前記取得手段によって取得した商品情報に対応する価格に基づいて合計金額を算出する算出手段とを備える商品データ登録装置と、前記商品データ登録装置とネットワークを介して接続され当該商品データ登録装置で商品情報を取得した商品の会計処理を実行する複数の会計装置と、を有するチェックアウトシステムの前記商品データ登録装置において、
一取引の締め操作を受け付ける締め操作キーと、
前記締め操作キーの操作を受け付けると前記複数の会計装置のうち予め定められた会計装置に対応する認識手段を、当該会計装置に関連する情報とともに表示器に表示する制御手段と、
ボタンを介する入力によって一の会計装置を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された会計装置にて前記会計処理を実行するための情報を出力する出力手段と、
を備える商品データ登録装置。」
<相違点A>
「前記締め操作キーの操作を受け付けると前記複数の会計装置のうち予め定められた会計装置に対応する認識手段を、当該会計装置に関連する情報とともに表示器に表示する制御手段と、
ボタンを介する入力によって一の会計装置を選択する選択手段」が、
本願発明では、
前記締め操作キーの操作を受け付けると「操作可能な」前記複数の会計装置のうち予め定められた「一部の」会計装置に対応する「ボタン」を、「当該一部の会計装置の状態」とともに表示器に表示する制御手段と、「前記表示器に表示された前記ボタン」を介する入力によって一の会計装置を選択する選択手段、であるのに対して、
引用発明では、
「処理装置16は、」
「小計キ-が押されたら、税を計算し、取引明細テ-ブル101に記憶し、小計とTAXとから合計を計算し、取引明細テ-ブル101に記憶し、精算指示処理を行い、
精算指示処理は、客用表示装置13にお好きな精算装置を選んで下さいという旨のメッセ-ジを、選択対象となるキャッシャ装置の番号およびその位置と共に表示し、客用入力装置32のキ-入力をモニタ-し、該当する番号のキ-入力があれば、取引明細テ-ブル101の精算装置の項目に、入力キャッシャ番号をセットし、取引明細テ-ブル101の精算方法の項目に精算方法をセットし、取引明細テ-ブル101をストアプロセッサ4に送る、精算指示処理である」点。
(2)判断
以下、相違点Aについて検討する。
ア
引用発明では、「1台もしくは複数台のチェッカ装置1と、1台もしくは複数台のキャッシャ装置2とが通信回線9を介して接続されている」こと、及び、引用文献1の「キャッシャ装置2を複数台用いる場合、それらを現金専用、カ-ド専用、共用等に使い分けるようにしてもよい」(摘記(1b)参照)という記載から、引用発明の「複数台のキャッシャ装置2」は、操作可能な複数台のキャッシャ装置であるといえる。
仮に、そこまでいえないとしても、引用発明において、操作可能でないキャッシャ装置を除いた、操作可能なキャッシャ装置だけを、表示対象とすることで、引用発明の「複数台のキャッシャ装置2」を、操作可能な「複数台のキャッシャ装置2」とすることは、当業者が適宜なし得たことにすぎない。
イ
上記相違点Aに係る本願発明の「一部の」、「ボタン」、「当該一部の会計装置の状態」及び「前記表示器に表示された前記ボタン」についての判断は、上記第2[理由]2 2-2(4)ア~カにおける「本件補正発明」、「相違点」及び「複数の会計装置のうち、予め定められた」を、それぞれ、「本願発明」、「相違点A」及び「複数の会計装置のうち予め定められた」に読み替えたのと同じことがいえる。
ウ
したがって、本願発明も、引用発明及び引用文献1ないし2に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2020-015895