2020-014838
液晶媒体
- 審判番号
- 2020-014838
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-163349外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年10月23日
- 審決日
- 2021年07月28日
- 公報発行日
- 2022年01月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
- 【請求人代理人】伊藤 克博
- 分類
- P18 .121-Z (C09K)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
折りたたみ中(クリックで表示)
本願は、平成27年8月21日(パリ条約による優先権主張 2014年8月22日 (DE)ドイツ)の出願であって、令和元年8月6日付けで拒絶理由が通知され、その指定期間内である令和2年1月10日に意見書及び手続補正書が提出され、同年6月24日付けで拒絶査定され(謄本の発送は同月30日)、これに対し、令和2年10月23日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出されたものである。
なお、令和2年10月23日に提出された手続補正書による補正の目的は請求項の削除に該当し、令和2年1月10日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項5が令和2年10月23日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1とされた。
第2 本願発明
本願の請求項1ないし28に係る発明は、令和2年10月23日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし28に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、単に「本願発明」という。)は、次のとおりである。
「 【請求項1】・式PY-V2-O2の化合物、式CPY-V-O2の化合物および式CCY-V-O2の化合物と、ならびに・式CC-3-VおよびCC-3-V1の化合物から選択される少なくとも1種類の化合物とを含むことを特徴とする液晶媒体。【化1】[図:0001380531000001.jpg]【化2】[図:0001380531000002.jpg]」
第3 原査定の理由の概要
原査定の理由は、令和元年8月6日付け拒絶理由通知書に記載された理由2であって、要するに、上記本願発明は、下記の刊行物1、2、6、7~9に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
記
刊行物1.国際公開第2013/175892号
刊行物2.国際公開第2013/125379号
刊行物6.国際公開第2011/148928号
刊行物7.特開2008-208365号公報
刊行物8.特表2010-503733号公報
刊行物9.特開2014-84462号公報
第4 当審の判断
当審は、令和2年10月23日提出の審判請求書を斟酌しても、上記した原査定の拒絶の理由が依然として妥当すると判断する。
その理由は以下のとおりである。
1.刊行物及びその記載事項
折りたたみ中(クリックで表示)
(1)刊行物6:国際公開第2011/148924号
原査定で引用された本願出願日前に頒布された刊行物6には、次の記載がある。
(6a)「[請求項1]
第一成分として式(1)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第二成分として式(2)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、第三成分として式(3)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物、および第四成分として式(4)で表される化合物の群から選択された少なくとも1つの化合物を含有し、そして負の誘電率異方性を有する液晶組成物。
[図:0001380531000003.jpg]
ここで、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は独立して、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、または炭素数2から12のアルケニルであり;R7は炭素数1から12のアルキルまたは炭素数1から12のアルコキシであり;R8は、炭素数1から12のアルキル、炭素数1から12のアルコキシ、ビニル、または任意の水素がフッ素で置き換えられたビニルであり;環Aは1,4-シクロへキシレンまたは1,4-フェニレンであり;X1、X2、X3、およびX4は独立して、フッ素または塩素であり;Y1は水素またはメチルであり;Z1は単結合またはエチレンである。
・・・
[請求項20]
請求項1から19のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
[請求項21]
液晶表示素子の動作モードが、VAモード、IPSモード、FFSモード、またはPSAモードであり、液晶表示素子の駆動方式がアクティブマトリックス方式である請求項20に記載の液晶表示素子。」
(6b)「[0039]
第一に、組成物における成分化合物の構成を説明する。本発明の組成物は組成物Aと組成物Bに分類される。組成物Aはその他の液晶性化合物、添加物、不純物などをさらに含有してもよい。「その他の液晶性化合物」は、化合物(1)、化合物(2)、化合物(3)、化合物(4)、化合物(5)、化合物(6-1)、および化合物(6-2)とは異なる液晶性化合物である。このような化合物は、特性をさらに調整する目的で組成物に混合される。その他の液晶性化合物の中で、シアノ化合物は熱または紫外線に対する安定性の観点から少ない方が好ましい。シアノ化合物のさらに好ましい割合は0重量%である。添加物は、光学活性な化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素、消泡剤、重合可能な化合物、重合開始剤などである。不純物は成分化合物の合成などの工程において混入した化合物などである。この化合物が液晶性化合物であったとしても、ここでは不純物として分類される。
[0040]
組成物Bは、実質的に化合物(1)、化合物(2)、化合物(3)、化合物(4)、化合物(5)、化合物(6-1)、および化合物(6-2)から選択された化合物のみからなる。「実質的に」は、添加物および不純物を除いて、これらの化合物と異なる液晶性化合物を組成物が含有しないことを意味する。組成物Bは組成物Aに比較して成分の数が少ない。コストを下げるという観点から、組成物Bは組成物Aよりも好ましい。その他の液晶性化合物を混合することによって物性をさらに調整できるという観点から、組成物Aは組成物Bよりも好ましい。
[0041]
第二に、成分化合物の主要な特性、およびこの化合物が組成物の特性に及ぼす主要な効果を説明する。成分化合物の主要な特性を本発明の効果に基づいて表2にまとめる。表2の記号において、Lは大きいまたは高い、Mは中程度の、Sは小さいまたは低い、を意味
する。記号L、M、Sは、成分化合物のあいだの定性的な比較に基づいた分類であり、0(ゼロ)は、値がほぼゼロであることを意味する。
[0042]
[図:0001380531000004.jpg]
[0043]
成分化合物を組成物に混合したとき、成分化合物が組成物の特性に及ぼす主要な効果は次のとおりである。化合物(1)は、上限温度を上げ、光学異方性を上げ、誘電率異方性の絶対値を上げる。化合物(2)は、誘電率異方性の絶対値を上げ、下限温度を下げる。化合物(3)は、光学異方性を上げ、誘電率異方性の絶対値を上げ、下限温度を下げる。化合物(4)は、粘度を下げ、適切な光学異方性を調節し、下限温度を下げる。化合物(5)は、粘度を下げ、下限温度を下げる。化合物(6-1)および化合物(6-2)は、誘電率異方性の絶対値を上げ、下限温度を下げる。」
(6c)「[0085]
特性値の測定は下記の方法にしたがった。それらの多くは、社団法人電子情報技術産業協会(Japan Electronics and Information Technology Industries Association以下JEITAという)で審議制定されるJEITA規格(JEITA ED-2521B)に記載された方法、またはこれを修飾した方法である。
[0086]
ネマチック相の上限温度(NI;℃):偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱した。試料の一部がネマチック相から等方性液体に変化したときの温度を測定した。ネマチック相の上限温度を「上限温度」と略すことがある。
[0087]
ネマチック相の下限温度(TC;℃):ネマチック相を有する試料をガラス瓶に入れ、0℃、-10℃、-20℃、-30℃、および-40℃のフリーザー中に10日間保管したあと、液晶相を観察した。例えば、試料が-20℃ではネマチック相のままであり、-30℃では結晶またはスメクチック相に変化したとき、TCを≦-20℃と記載した。ネマチック相の下限温度を「下限温度」と略すことがある。
[0088]
粘度(バルク粘度;η;20℃で測定;mPa・s):測定にはE型回転粘度計を用いた。
[0089]
光学異方性(屈折率異方性;Δn;25℃で測定):測定は、波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により行なった。主プリズムの表面を一方向にラビングしたあと、試料を主プリズムに滴下した。屈折率n∥は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率n⊥は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。光学異方性の値は、Δn=n∥-n⊥、の式から計算した。
[0090]
誘電率異方性(Δε;25℃で測定):誘電率異方性の値は、Δε=ε∥-ε⊥、の式から計算した。誘電率(ε∥およびε⊥)は次のように測定した。
1)誘電率(ε∥)の測定:よく洗浄したガラス基板にオクタデシルトリエトキシシラン(0.16mL)のエタノール(20mL)溶液を塗布した。ガラス基板をスピンナーで回転させたあと、150℃で1時間加熱した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであるVA素子に試料を入れ、この素子を紫外線で硬化する接着剤で密閉した。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の長軸方向における誘電率(ε∥)を測定した。
2)誘電率(ε⊥)の測定:よく洗浄したガラス基板にポリイミド溶液を塗布した。このガラス基板を焼成した後、得られた配向膜にラビング処理をした。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が9μmであり、ツイスト角が80度であるTN素子に試料を入れた。この素子にサイン波(0.5V、1kHz)を印加し、2秒後に液晶分子の短軸方向における誘電率(ε⊥)を測定した。
[0091]
しきい値電圧(Vth;25℃で測定;V):測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプである。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであり、ラビング方向がアンチパラレルであるノーマリーブラックモード(normally black mode)のVA素子に試料を入れ、この素子をUV硬化の接着剤を用いて密閉した。この素子に印加する電圧(60Hz、矩形波)は0Vから20Vまで0.02Vずつ段階的に増加させた。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である電圧-透過率曲線を作成した。しきい値電圧は透過率が10%になったときの電圧である。
[0092]
電圧保持率(VHR-1;25℃;%):測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)は5μmである。この素子は試料を入れたあと紫外線によって重合する接着剤で密閉した。このTN素子にパルス電圧(5Vで60マイクロ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で16.7ミリ秒のあいだ測定し、単位周期における電圧曲線と横軸との間の面積Aを求めた。面積Bは減衰しなかったときの面積である。電圧保持率は面積Bに対する面積Aの百分率である。
[0093]
電圧保持率(VHR-2;80℃;%):測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)は5μmである。この素子は試料を入れたあと紫外線によって重合する接着剤で密閉した。このTN素子にパルス電圧(5Vで60マイクロ秒)を印加して充電した。減衰する電圧を高速電圧計で16.7ミリ秒のあいだ測定し、単位周期における電圧曲線と横軸との間の面積Aを求めた。面積Bは減衰しなかったときの面積である。電圧保持率は面積Bに対する面積Aの百分率である。
[0094]
電圧保持率(VHR-3;25℃;%):紫外線を照射したあと、電圧保持率を測定し、紫外線に対する安定性を評価した。測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を有し、そしてセルギャップは5μmである。この素子に試料を注入し、光を20分間照射した。光源は超高圧水銀ランプUSH-500D(ウシオ電機製)であり、素子と光源の間隔は20cmである。VHR-3の測定では、減衰する電圧を16.7ミリ秒のあいだ測定した。大きなVHR-3を有する組成物は紫外線に対して大きな安定性を有する。VHR-3は90%以上が好ましく、95%以上がより好ましい。
[0095]
電圧保持率(VHR-4;25℃;%):試料を注入したTN素子を80℃の恒温槽内で500時間加熱したあと、電圧保持率を測定し、熱に対する安定性を評価した。VHR-4の測定では、減衰する電圧を16.7ミリ秒のあいだ測定した。大きなVHR-4を有する組成物は熱に対して大きな安定性を有する。
[0096]
応答時間(τ;25℃で測定;ms):測定には大塚電子株式会社製のLCD5100型輝度計を用いた。光源はハロゲンランプである。ローパス・フィルター(Low-pass filter)は5kHzに設定した。2枚のガラス基板の間隔(セルギャップ)が4μmであり、ラビング方向がアンチパラレルであるノーマリーブラックモード(normally black mode)のVA素子に試料を入れ、この素子をUV硬化の接着剤を用いて密閉した。この素子に矩形波(60Hz、10V、0.5秒)を印加した。この際に、素子に垂直方向から光を照射し、素子を透過した光量を測定した。この光量が最大になったときが透過率100%であり、この光量が最小であったときが透過率0%である。応答時間は透過率90%から10%に変化するのに要した時間(立ち下がり時間;fall time;ミリ秒)である。
[0097]
比抵抗(ρ;25℃で測定;Ωcm):電極を備えた容器に試料1.0mLを注入した。この容器に直流電圧(10V)を印加し、10秒後の直流電流を測定した。比抵抗は次の式から算出した。(比抵抗)={(電圧)×(容器の電気容量)}/{(直流電流)×(真空の誘電率)}。
[0098]
ガスクロマト分析:測定には島津製作所製のGC-14B型ガスクロマトグラフを用いた。キャリアーガスはヘリウム(2mL/分)である。試料気化室を280℃に、検出器(FID)を300℃に設定した。成分化合物の分離には、Agilent Technologies Inc.製のキャピラリカラムDB-1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm;固定液相はジメチルポリシロキサン;無極性)を用いた。このカラムは、200℃で2分間保持したあと、5℃/分の割合で280℃まで昇温した。試料はアセトン溶液(0.1重量%)に調製したあと、その1μLを試料気化室に注入した。記録計は島津製作所製のC-R5A型Chromatopac、またはその同等品である。得られたガスクロマトグラムは、成分化合物に対応するピークの保持時間およびピークの面積を示した。
[0099]
試料を希釈するための溶媒は、クロロホルム、ヘキサンなどを用いてもよい。成分化合物を分離するために、次のキャピラリカラムを用いてもよい。Agilent Technologies Inc.製のHP-1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)、Restek Corporation製のRtx-1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)、SGE International Pty. Ltd製のBP-1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)。化合物ピークの重なりを防ぐ目的で島津製作所製のキャピラリカラムCBP1-M50-025(長さ50m、内径0.25mm、膜厚0.25μm)を用いてもよい。
[0100]
組成物に含有される液晶性化合物の割合は、次のような方法で算出してよい。液晶性化合物はガスクロマトグラフで検出することができる。ガスクロマトグラムにおけるピークの面積比は液晶性化合物の割合(モル数)に相当する。上に記載したキャピラリカラムを用いたときは、各々の液晶性化合物の補正係数を1とみなしてよい。したがって、液晶性化合物の割合(重量%)は、ピークの面積比から算出する。
[0101]
実施例により本発明を詳細に説明する。本発明は下記の実施例によって限定されない。比較例および実施例における化合物は、下記の表3の定義に基づいて記号により表した。
表3において、1,4-シクロヘキシレンに関する立体配置はトランスである。比較例および実施例において記号の後にあるかっこ内の番号は化合物の番号に対応する。(-)の記号はその他の液晶性化合物を意味する。液晶性化合物の割合(百分率)は、液晶組成物の全重量に基づいた重量百分率(重量%)であり、液晶組成物には不純物が含まれている。最後に、組成物の特性値をまとめた。
[0102]
[図:0001380531000005.jpg]
」
(6d)「[0115]
[実施例7]
1V2-BB(2F,3F)-O2 (1-1) 5%
2-HHB(2F,3F)-O2 (2-1-1) 3%
5-HHB(2F,3F)-O2 (2-1-1) 3%
1V2-HHB(2F,3F)-O2 (2-1-1) 5%
5-HH2B(2F,3F)-O2 (2-2-1) 7%
5-HBB(2F,3F)-O2 (3-1-1) 5%
V-HBB(2F,3F)-O2 (3-1-1) 3%
3-HH-V (4-2-1) 21%
V-BB-1 (5-2-1) 10%
V2-BB-1 (5-2-1) 5%
3-HHB-1 (5-4-1) 5%
3-BB(F)B-2V (5-6-1) 5%
3-HHEBH-3 (5-8-1) 3%
5-HB(F)HH-V (5-10-1) 3%
3-H2B(2F,3F)-O2 (6-1-2-1) 8%
3-H1OB(2F,3F)-O2 (6-1-3-1) 3%
3-HH2Cro(7F,8F)-5 (6-2-3-1) 3%
3-HH1OCro(7F,8F)-5 (6-2-4-1) 3%
NI=91.7℃;Tc≦-20℃;Δn=0.117;η=14.4mPa・s;Δε=-2.8;VHR-1=99.1%;VHR-2=97.7%;VHR-3=97.8%.
[0116]
[実施例8]
5-BB(2F,3F)-O2 (1-1) 3%
V2-BB(2F,3F)-O2 (1-1) 7%
5-HHB(2F,3F)-O2 (2-1-1) 3%
V-HHB(2F,3F)-O2 (2-1-1) 6%
1V2-HHB(2F,3F)-O2 (2-1-1) 5%
5-HH2B(2F,3F)-O2 (2-2-1) 5%
V2-HBB(2F,3F)-O2 (3-1-1) 3%
1V2-HBB(2F,3F)-O2 (3-1-1) 3%
3-HH-V (4-2-1) 20%
V-BB-1 (5-2-1) 10%
1V2-BB-1 (5-2-1) 5%
V2-HHB-1 (5-4-1) 5%
1V-HBB-2 (5-5-1) 2%
3-B(F)BB-2V (5-7-1) 4%
3-HHEBH-3 (5-8-1) 5%
3-HHEBH-5 (5-8-1) 3%
V-HB(2F,3F)-O2 (6-1-1-1) 5%
5-H2Cro(7F,8F)-5 (6-2-1-1) 3%
5-H1OCro(7F,8F)-5 (6-2-2-1) 3%
NI=92.1℃;Tc≦-20℃;Δn=0.120;η=14.7mPa・s;Δε=-3.1;VHR-1=99.2%;VHR-2=97.7%;VHR-3=97.9%.」
2.刊行物6に記載された発明について
刊行物6の請求項1(摘記6a)及び実施例8(摘記6d)の記載からみて、刊行物6には、「5-BB(2F,3F)-O2(1-1)を3%、V2-BB(2F,3F)-O2(1-1)を7%、5-HHB(2F,3F)-O2(2-1-1)を3%、V-HHB(2F,3F)-O2(2-1-1)を6%、1V2-HHB(2F,3F)-O2(2-1-1)を5%、5-HH2B(2F,3F)-O2(2-2-1)を5%、V2-HBB(2F,3F)-O2(3-1-1)を3%、1V2-HBB(2F,3F)-O2(3-1-1)を3%、3-HH-V(4-2-1)を20%、V-BB-1(5-2-1)を10%、1V2-BB-1(5-2-1)を5%、V2-HHB-1(5-4-1)を5%、1V-HBB-2(5-5-1)を2%、3-B(F)BB-2V(5-7-1)を4%、3-HHEBH-3(5-8-1)を5%、3-HHEBH-5(5-8-1)を3%、V-HB(2F,3F)-O2(6-1-1-1)を5%、5-H2Cro(7F,8F)-5(6-2-1-1)を3%、5-H1OCro(7F,8F)-5(6-2-2-1)を3%含む、液晶組成物」の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているといえる。
3.対比・判断
(1)本願発明と引用発明とを対比する。
引用発明の「V2-BB(2F,3F)-O2(1-1)」、「V-HHB(2F,3F)-O2(2-1-1)」、「3-HH-V(4-2-1)」、「液晶組成物」は、それぞれ、本願発明の「式PY-V2-O2の化合物」、「CCY-V-O2の化合物」、「式CC-3-Vの化合物」、「液晶媒体」に相当する。
そうすると、本願発明と引用発明とは、「・式PY-V2-O2の化合物および式CCY-V-O2の化合物と、ならびに
・式CC-3-VおよびCC-3-V1の化合物から選択される少なくとも1種類の化合物と
を含むことを特徴とする液晶媒体。」である点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点>
本願発明は式CPY-V-O2の化合物を含むのに対し、引用発明は式CPY-V-O2の化合物を含むことが特定されていない点。
(2)相違点について検討する。
引用発明はV2-HBB(2F,3F)-O2(3-1-1)のような式(3)の化合物を含むものである(摘記6a、6d参照)。
そして、刊行物6の実施例7には、式(3)の化合物としてV-HBB(2F,3F)-O2(3-1-1)が記載されており(摘記6d参照)、この化合物は本願発明のCPY-V-O2の化合物に相当する。
そうすると、引用発明において、式(3)の化合物としてV2-HBB(2F,3F)-O2(3-1-1)に代えて、共に同じ化合物(3)に属し同様の特定を持つ(摘記6bの段落[0042]~[0043])、本願発明のCPY-V-O2の化合物であるV-HBB(2F,3F)-O2(3-1-1)を採用することは、当業者が容易に想到し得ることである。
4.本願発明の効果について
引用発明の液晶組成物はTc≦-20℃であるから(摘記6d参照)、良好な低温安定性を示すものであり、低温安定性について、本願発明が、引用発明から当業者であっても予測し得ない顕著な効果を発現しているとは認められない。
また、本願発明に含まれる<例M10>の液晶媒体のγ1/K3は8.64であり、引用発明のように式PY-V2-O2の化合物及びCCY-V-O2の化合物を含み、本願発明に含まれない<例M4>の液晶媒体のγ1/K3は5.16であるから、回転粘度および弾性定数の低い比率について、本願発明が、その全ての範囲において、当業者であっても予測し得ない顕著な効果を発現しているとは認められない。
さらに、本願発明は、高品位のPS-VAディスプレイを実現することについて、<例M9>等の液晶媒体と重合性化合物と混合してPS-VA混合物を調製することが記載されているが、一方、引用発明の液晶媒体も、VAディスプレイに使用されることが記載され(摘記6a参照)、重合性化合物と混合することも記載されていることから(摘記6b参照)、高品位のPS-VAディスプレイを実現することについて、本願発明が、引用発明から当業者であっても予測し得ない顕著な効果を発現しているとは認められない。
以上から、本願発明が、引用発明から当業者であっても予測し得ない顕著な効果を発現しているとは認められない。
5.審判請求人の主張
折りたたみ中(クリックで表示)
審判請求人は、審判請求書において、本願発明は、(1)良好な低温安定性、(2)回転粘度および弾性定数の低い比率および(3)高品位のPS-VAディスプレイを実現することを主張する。
しかし、(1)良好な低温安定性、(2)回転粘度および弾性定数の低い比率については、上記4のとおり、引用発明から当業者であっても予測し得ない顕著な効果を発現しているとは認められないものである。
そして、(3)高品位のPS-VAディスプレイを実現することについては、本願発明は重合性化合物を含むことを特定していないから、そのような効果の主張は本願発明の特定事項に基づくものではないし、上記4のとおり、引用発明及び刊行物6に記載された事項から当業者であっても予測し得ない顕著な効果を発現しているとは認められないものである。
したがって、請求人の上記主張は採用できない。
6.小括
以上検討のとおり、本願発明は、引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本願の請求項1に係る発明は、引用発明及び刊行物6に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、本願のその他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2020-014838