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特許拒絶査定不服審判

2020-014160

スペクトル符号化プローブ

審判番号
2020-014160
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2019-501432外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年10月08日
審決日
2021年12月01日
公報発行日
2022年05月27日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A61B) / P18 .575-Z (A61B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2019-501432「スペクトル符号化プローブ」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 1月18日国際公開、WO2018/013838、令和 1年10月 3日国内公表、特表2019-527576〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 11項目
理 由

第1 手続の経緯

本願は、2017年(平成29年)7月13日(パリ条約による優先権主張 2016年7月15日 米国)を国際出願日とする出願であって、令和元年12月12日付けで拒絶理由が通知され、令和2年3月12日付けで意見書及び手続補正書が提出され、同年6月11日付けで拒絶査定されたところ、同年10月8日に拒絶査定不服審判の請求がなされ、同時に手続補正がなされたものである。

第2 令和2年10月8日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

令和2年10月8日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1 本件補正について

(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載

本件補正により、特許請求の範囲の請求項1~16のうち請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)

「 【請求項1】
光ガイドコンポーネントと、
光集束コンポーネントと、
回折格子コンポーネントと、
を備えた、光軸を有し試料を撮像するように構成されたスペクトル符号化内視鏡検査(SEE)プローブであって、
前記光ガイドコンポーネント、前記光集束コンポーネント、および前記回折格子コンポーネントは、前記SEEプローブの光軸に沿ってこの順序で配置されており、
前記SEEプローブは、前記光ガイドコンポーネントと前記回折格子コンポーネントの間に中間的な反射がない状態で、前記光ガイドコンポーネントからの光を、前記光集束コンポーネントを通じて前記回折格子コンポーネントへガイドするように構成されており、
前記回折格子コンポーネントは、前記回折格子コンポーネントからの光を複数のスペクトル成分にスペクトル的に分散させて、画像平面においてスペクトル符号化線を形成する三角回折格子を有し、
前記三角回折格子は、前記SEEプローブの光軸に実質的に平行に配置された第1の表面と、前記SEEプローブの光軸に対して鋭角をなして配置された第2の表面とを含む出っ張り三角回折格子であり、
前記回折格子コンポーネントは、前記スペクトル的に分散された光の少なくとも1つのスペクトル成分を前記SEEプローブの光軸に実質的に平行に、かつ前記三角回折格子の前記第1の表面に実質的に平行に進めるように構成されているSEEプローブ。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲

本件補正前の、令和2年3月12日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~26のうち請求項1の記載は次のとおりである。

「 【請求項1】
光ガイドコンポーネントと、
光集束コンポーネントと、
回折格子コンポーネントと、
を備えた、光軸を有し試料を撮像するように構成されたプローブであって、
前記光ガイドコンポーネント、前記光集束コンポーネント、および前記回折格子コンポーネントは、前記プローブの光軸に沿ってこの順序で配置されており、
前記プローブは、前記光ガイドコンポーネントと前記回折格子コンポーネントの間に中間的な反射がない状態で、前記光ガイドコンポーネントからの光を、前記光集束コンポーネントを通じて前記回折格子コンポーネントへガイドするように構成されており、
前記回折格子コンポーネントは、前記回折格子コンポーネントからの光を複数のスペクトル成分にスペクトル的に分散させる三角回折格子を有し、
前記三角回折格子は、前記プローブの光軸に実質的に平行に配置された第1の表面と、前記プローブの光軸に対して角度をなして配置された第2の表面とを含み、
前記回折格子コンポーネントは、前記スペクトル的に分散された光の少なくとも1つのスペクトル成分を前記プローブの光軸に実質的に平行に、かつ前記三角回折格子の前記第1の表面に実質的に平行に進めるように構成されているプローブ。」

2 補正の適否

本件補正は、本件補正前の「プローブ」について「スペクトル符号化内視鏡検査(SEE)プローブ」である旨の限定及び本件補正前の「三角回折格子」について「画像平面においてスペクトル符号化線を形成する」ものであって、「三角回折格子」の「第1の表面」と「第2の表面」とが「鋭角」をなす「出っ張り三角回折格子」である旨の限定を付加するものであり、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明

本件補正発明は、前記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項

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ア 引用文献1

(ア)引用文献1に記載された事項

原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、米国特許出願公開第2014/0275986号明細書(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。(下線は、当審にて付した。以下同様である。)

(引1a)「TECHNICAL FIELD

[0001] The present invention relates to the field of diagnostic medical imaging and image guidance for medical procedures and, more specifically, to minimally invasive volumetric and cross-sectional tissue imaging in luminal anatomic structures and body cavities for medical procedures.

BACKGROUND

[0002] The need for sub-surface tissue imaging for medical diagnostics and image guidance and control of therapeutic and surgical procedures is well recognized. Often such imaging has to be performed in a complex, branching network of narrow and difficult-to-reach body lumens (such as, for example, blood vessels of cardiovascular and neurovascular systems, airway tree of lungs, gastrointestinal, bile and urinary tracts) or in tight spaces of natural or surgically created body cavities. There exist endoscopic ultrasound imaging devices, for example intravascular ultrasound (IVUS) or endobronchial ultrasound (EBUS) that address such need.」(当審訳:「技術分野

[0001]本発明は、医療行為のための診断用医用画像及び画像ガイダンスの分野に関し、より具体的には、医療行為のための内腔の解剖学的構造及び体腔における低侵襲性の体積及び断面の組織の撮像に関する。

背景技術

[0002]医学診断や画像ガイダンスの及び治療や外科的な処置の制御のための表面下の組織の撮像の必要性は良く認識されている。多くの場合、このような撮像は、(例えば、心血管系及び神経血管系の血管、肺の軌道樹、胃腸、胆管及び尿路のような)複雑で、狭くて、到達が困難な体腔の分岐ネットワークにおいて、又は、天然又は外科的に作られた体の空洞の窮屈な空間で行われる。例えば、そのような必要性に対処する血管内超音波(IVUS)又は気管支内超音波(EVAS)等の、内視鏡超音波画像形成装置が存在する。」)

(引1b)「[0054] The use of endoscopic guidance and/or commercially available EM navigated guide sheaths limit the accessible range of lumens, while the use of fluoroscopic guidance is complicated in branching network of lumens. Therefore, using the high-resolution imaging capability of the probe 50 of FIG. 1 for navigational guidance, and combining such imaging capability with the probe's own, internally contained steerable means are advantageous in reaching smaller and more peripheral lumens. Moreover, endoscopic guidance, EM navigated guidance and imaging probe's own guidance means can be advantageously combined, whether concurrently or sequentially, to reach small peripheral lumens. Accordingly, in a preferred embodiment of the high-resolution imaging probe 50, shown in FIG. 3D and used for image guidance and navigation, the distal end 51 is equipped with steering and/or bending means 70 (shown schematically) that allow bending of the distal end 51 in at least one direction. While being sufficiently flexible to facilitate such bending, the outer sheath of the probe 50 has at the same time sufficient rotational rigidity to facilitate the ability of the probe 50 to rotate the distal end 51 by having the proximal end 52 rotated (referred to herein as torqueability). Furthermore, if the torqueability is sufficiently high and the lumen structure includes branches with small branching angles, it might be sufficient to have pre-determined fixed bending angle at distal end of the probe for steering functionality. Plastic materials such nylon, PTFE, Pebax can be used to make the probe's outer sheath with such property of high torqueability combined with high flexibility of distal end. In addition, braids of metal wires can be incorporated and/or embedded in the probe 50 outer sheaths to further improve torqueability without increasing flexural stiffness. During the navigation of the probe 50 along a lumen, a high-resolution image 158 of a lumen is obtained from the forward movement of the probe directions so that lumens 159 in front of the probe be seen. By bending the distal end 51 with the steering means 70 and rotating the probe 50 along its axis (by rotating the proximal end 52), the probe 50 can be aimed in a chosen forward-looking direction until the target lumen is in the center of the forward-looking image 158. The probe 50 can then be safely inserted in the target lumen. Three or more steering means 70 discussed below, when places circumferentially around the body of the probe enable aiming of the probe in substantially any forward-looking direction without the rotation of the probe. Several steering means 70 can be also distributed along the length of the probe 50 to further facilitate bending. The steering means can be also a separate steerable element, such as commercially available steerable guidewire inserted into a lumen of a probe 50. The advantage of such arrangement is that the separate steerable element can be removed from the probe lumen so that the probe lumen can be also used as a working channel. The steering can also be effectuated by permanently bending the distal end of the probe and using the rotation of the probe about its axis so that the probe conforms to the branching geometry and utilizes the lumen branching angle to deflect its distal end.」(当審訳:「[0054]内視鏡的ガイダンス及び/又は市販のEMナビゲーションガイドシースの使用は、内腔の到達範囲を制限し、蛍光透視ガイダンスの使用は、内腔の分岐ネットワークにおいてわかりづらいものである。したがって、ナビゲーションガイダンスのために図1のプローブ50の高解像度の分解能を使用すること及びプローブ自身でそのような解像度を組み合わせることにおいて、内部に含まれる操作可能な手段は、内腔のより小さくより広範囲に到達することにおいて有利である。さらに、内視鏡的ガイダンス、EMナビゲーションガイダンス及び撮像プローブ50自身のガイダンス手段は、内腔の小さな範囲に到達させるために、同時に又は順次に、有利に組み合わせることができる。したがって、図3Dに示された、イメージガイダンス及びナビゲーションに使用される高解像度の撮像プローブ50の好ましい実施形態において、遠位端51は、遠位端51の少なくとも一方向への曲げを許容する(概略的に示されている)ステアリング及び/又は曲げ手段70を備えている。そのような曲げを容易にするために十分に柔軟である一方、プローブ50のアウターシースは、近位端52を回転させることにより遠位端51を回転させるのを容易にするのに十分な回転剛性を有する(本明細書では、トルク性)。さらに、トルク性が十分に高く管腔の構造が分岐角の小さい分岐を含んでいる場合、ステアリング機能によってプローブの遠位端において所定の固定の曲げ角を十分に有することができる。ナイロン、PTFE、Pebaxのようなプラスチック材料は、遠位端の高い柔軟性と組み合わされた、そのような高いトルク性を有するプローブのアウターシースを作るために使用される。さらに、屈曲剛性を増大させることなく、トルク性をさらに改善するために、金属ワイヤのブレードが、プローブ50のアウターシースに組み込まれる及び/又は埋め込まれる。内腔に沿ったプローブ50のナビゲーション中に、内腔の高解像度画像158がプローブの方向に対して前方の動きにより得られるので、プローブの前の内腔159が見られる。ステアリング手段70により遠位端51を曲げ、(近位端52を回転させることにより)軸に沿ってプローブ50を回転させることにより、プローブ50は、目的の内腔が前方イメージ158の中心になるまで、選択された前方の方向を向くことができる。次いで、プローブ50は、目的の内腔に安全に挿入することができる。以下で論ずる3つ以上のステアリング手段70は、プローブ本体の回りに周方向に配置されると、プローブの回転なしに実質的に前方方向に向けることができる。いくつかのステアリング手段70もまた、曲げをさらに容易にするためにプローブ50の長さ方向に沿って分配される。ステアリング手段は、プローブ50の内腔に挿入された市販の操作可能なガイドワイヤのような、個別の操作可能な要素であり得る。そのような構成の利点は、個別の操作可能な要素がプローブの内腔から取り外せることにより、プローブの内腔がワーキングチャネルとして使用することもできることである。操作はまた、プローブが分岐に幾何学的に適合し、その遠位端を偏光させるために内腔の分岐角を使用して、プローブの遠位端を恒久的に曲げ、プローブの軸についての回転を使用することにより達成される。」

(引1c)「[0104] Spectral Encoding.

[0105] FIG. 14A illustrates an embodiment containing means for spectral encoding of the locations of the interrogated tissue. Here, a diffraction grating 59D is juxtaposed with on the energy directing element 59A (structured as an angled prism) that is attached to the GRIN lens 58A. The GRIN lens 58A is in turn adjacent to the glass cylinder 68A and, through it, to the means for delivery of optical energy from the module 120 of FIG. 1. The diffraction grating 59D forms, in transmission and on a chosen surface such as for example an internal surface of the luminal tree, an imaging line 55A that projects different spectral content of the interrogating energy on different tissue locations along the line 55A. Accordingly, light backscattered by tissue at different locations corresponding to line 55A is spectrally encoded, and the imaging data representing spatial information characterizing the tissue is acquired by spectral processing of the backscattered light. An embodiment shown in FIG. 14B shows an improvement of the embodiment of FIG. 14A in that the energy directing element is configured as a beamsplitter 59DBS (dichroic and/or polarizing), thereby allowing side-looking imaging and volumetric forward-looking imaging. This embodiment can be used, for example, as an alternative embodiment of the shaft of the probe 50C or the probe 50D of FIG. 5. The beamsplitter 59DBS sends a portion of optical energy sideways to form side imaging scanning pattern and transmits the portion of optical energy toward the diffractive element 59D to form forward looking pattern. The separation between side imaging and forward imaging can be based on using different polarization state or on using different spectral bands. The side imaging is formed by scanning focused optical energy in the radial pattern, while forward imaging is formed by rotating the imaging line 55A thus producing volumetric images once the returned optical energy is decoded using methods described, for example, in US 2007/0188855. This volumetric forward image combined with side imaging and with steering capabilities can then be used for navigation as described above.

[0106] Accordingly, an embodiment of the navigational system includes the means structured to outcouple light towards the ambient medium such as to enable the data-processing unit to differentiate between first and second points of the ambient medium based on differences in spectra of light returned from the first and second points to the first means through the second means.」(当審訳:「[0104]スペクロル符号化

[0105]図14Aは、調べられる組織の位置のスペクトル符号化のための手段を含む実施形態を示す。ここで、回折格子59Dが、グリンレンズ58Aに取り付けられたエネルギー指向素子59A(角度付きプリズムとして構成された)上に配置されている。グリンレンズ58Aは、それを通して図1のモジュール120からの光学的エネルギーの供給手段であるガラスシリンダ68Aに隣接している。回折格子59Dは、透過型であって例えば管腔の分岐の内表面のような選択された表面上に、ライン55Aに沿った位置の異なる組織の上に調べるためのエネルギーの異なるスペクトルの光を照射するイメージングライン55Aを形成する。したがって、ライン55Aに対応する異なる位置の組織により後方散乱された光は、スペクトル符号化され、そして、組織を特徴付ける空間情報を表す撮像データは、後方散乱光のスペクトル処理によって取得される。図14Bに示される実施形態は、エネルギー指向要素が、(二色性及び/又は偏光の)ビームスプリッタ59DBSとして設定され、それによって側方ビュー及び体積的な前方ビューが可能となる図14Aの実施形態の改良を示す。この実施形態は、例えば図5のプローブ50C又はプローブ50Dのシャフトの代替実施形態として使用することができる。ビームスプリッタ59DBSは、側方ビュースキャニングパターンを形成するために光エネルギーの一部を側方に照射し、前方ビューパターンを形成するために回折素子59Dに向けて光エネルギーの一部を伝搬する。側方イメージと前方イメージとの間は、異なる偏光を用いること又は異なるスペクトルバンドを用いることで分離できる。側方イメージは、放射状のパターンにおける収束された光エネルギーを走査することによって形成されるとともに、イメージライン55Aを回転させ、次いで、例えば米国特許出願公開第2007/0188855号に記載された方法を使用して光エネルギーの戻り値が複合化されることによって体積画像が生成されることにより、前方イメージは、形成される。この体積前方イメージは、側方イメージ及びステアリング機能と組み合わされて、上述のようなナビゲーションに使用できる。

[0106]したがって、ナビゲーションシステムの一実施形態は、データ処理ユニットにより、第1及び第2のポイントから第2手段を通して第1手段へ戻るスペクトル光を区別することにより、周囲の媒体の第1及び第2ポイントを区別することができるように、周囲の媒体に向かって光を出力結合するよう構成された手段を含む。」)

(引1d)「

[図:0001383594000001.jpg]

」

(イ)引用文献1に記載された発明

a 前記(引1a)より、引用文献1に記載された発明は、「医療行為のための内腔の解剖学的構造及び体腔における低侵襲性の体積及び断面の組織の撮像に関する」ものであって、「そのような必要性に対処する」ための「内視鏡超音波画像形成装置が存在する旨記載され、前記(引1b)には、「内視鏡的ガイダンス」のための「プローブ50」の「遠位端51」が記載されている。

また、(引1d)より、図14Aに記載されたものは、符号51で示されるものであることが見て取れる。

前記(引1a)及び(引1b)より、符号51で示されるものは、「内視鏡的ガイダンス」のための「プローブ50」の「遠位端51」であるから、前記(引1d)で示されるものも、「内視鏡的ガイダンス」のための「プローブ50」の「遠位端51」であることは明らかである。そして、前記(引1c)には、「図14Aは、調べられる組織の位置のスペクトル符号化のための手段を含む」と記載されている。

そうすると、引用文献1の図14Aに符号51で示されるものは、「調べられる組織の位置のスペクトル符号化のための」「内視鏡的ガイダンス」のための「プローブ50」の「遠位端51」であるといえる。

b 引用文献1の段落[0074]に「・・・Examples of the optical energy guide 57B include a single-mode optical (SM) fiber, an elliptical core fiber, a polarization preserving (PM) fiber, a multimode-mode (MM) fiber, a micro-structured or photonic crystal fiber (PCF), a multi-core fiber, fiber bundles or a plurality of separate fibers fabricated by any standard fiber-optic processes.・・・」(当審訳:「例えば光エネルギーガイド57Bには、シングルモード光(SM)ファイバ、楕円コアファイバ、偏光保存(PM)ファイバ、マルチモードモード(MM)ファイバ、微細構造またはフォトニック結晶ファイバ(PCF)、マルチコアファイバ、ファイババンドル、または、標準の光ファイバプロセスによって製造された複数の個別のファイバが含まれる。」)と記載されており、前記(引1b)の「57B」も、段落[0074]に記載の「光エネルギーガイド57B」と同様の機能を有するものであることは明らかであるから、前記(引1b)の「57B」は、「光エネルギーガイド57B」として整理する。そして、前記(引1d)より、「光エネルギーガイド57B」、「ガラスシリンダ68A」、「グリンレンズ58A」、「エネルギー指向素子59A」及び「回折格子59D」は、同一の光軸に沿ってこの順で配置されている点及び「光エネルギーガイド57B」と「回折格子59D」の間に中間的な反射がない状態で、「光エネルギーガイド57B」からの光を、「グリンレンズ58A」を通じて「回折格子59D」へガイドする点が見て取れる。

c 前記(引1c)より、引用文献1の「回折格子59D」は、「選択された表面上のライン55Aに沿った位置の異なる組織の上に調べるためのエネルギーの異なるスペクトルの光を照射するイメージングライン55Aを形成する」ものである。そして、前記(引1d)より、「回折格子59D」は、「イメージングライン55A」へ照射される「エネルギーの異なるスペクトルの光」の少なくとも1つのスペクトル成分は、光エネルギーガイド57B、ガラスシリンダ68A、グリンレンズ58A、エネルギー指向素子59A及び回折格子59D」からなる「プローブ50」の「遠位端51」の光軸に実質的に平行に進めるように構成されている点が見て取れる。

d 前記a~cを踏まえると、前記(引1a)~(引1d)より引用文献1には以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

「調べられる組織の位置のスペクトル符号化のための、内視鏡的ガイダンスのためのプローブ50であって、
その遠位端51において、
光エネルギーガイド57B、ガラスシリンダ68A、グリンレンズ58A、エネルギー指向素子59A及び回折格子59Dは、同一の光軸に沿ってこの順で配置され、
光エネルギーガイド57Bと回折格子59Dの間に中間的な反射がない状態で、光エネルギーガイド57Bからの光を、グリンレンズ58Aを通じて回折格子59Dへガイドするよう構成され、
回折格子59Dが、グリンレンズ58Aに取り付けられた角度付きプリズムとして構成されたエネルギー指向素子59A上に配置され、
グリンレンズ58Aは、モジュール120からの光学的エネルギーの供給手段であるガラスシリンダ68Aに隣接し、
回折格子59Dは、透過型であって、選択された表面上に、ライン55Aに沿った位置の異なる組織の上に調べるためのエネルギーの異なるスペクトルの光を照射するイメージングライン55Aを形成し、
ライン55Aに対応する異なる位置の組織により後方散乱された光は、スペクトル符号化され、
組織を特徴付ける空間情報を表す撮像データは、後方散乱光のスペクトル処理によって取得され、
回折格子59Dは、イメージングライン55Aへ照射されるエネルギーの異なるスペクトルの光の少なくとも1つのスペクトル成分は、光エネルギーガイド57B、ガラスシリンダ68A、グリンレンズ58A、エネルギー指向素子59A及び回折格子59Dからなるプローブ50の遠位端51の光軸に実質的に平行に進めるように構成されている調べられる組織の位置のスペクトル符号化のための、内視鏡的ガイダンスのためのプローブ50。」

イ 引用文献4について

原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である特開平2-20802号公報(以下「引用文献4」という。)には、図面とともに、次の記載がある。

(引4a)「3.発明の詳細な説明

〔産業上の利用分野〕

この発明は、回折格子(以下グレーティングという)を伝達する回折すべき透過光が、グレーティングの動きを最大にするために摂動しないように制御される透過型のグレーティングに関する。」(3頁右上欄1-6行)

(引4b) 「 第1図から第8図の種々の構成によって示されたものと多少ことなる形のグレーティングが第9図に示される。ここで、透過面418と反斜面420の角は90°より小さい。しかしながら入射光428の方向は面420にほぼ平行である。特に透過面418に垂直な方向に対する入射の角をa~(当審注:「a~」はaの上に~の記号を表す。以下同様である。)とすると、透過面418と反射面420の間の角は90°-a~となる。

第10図に示すグレーティングに関し、同じ設定が得られる。ここで反射面520とこれに対応する透過面518との間の角は90゜より大きく、入射光528は反射面520に平行な方向から透過面518に入射する。透過面518とこれに対応する反射面520との間の角がUであり、透過面518に垂直な方向に対する入射光528の角がa~であるとすると、角UはU=90゜+a~となる。

一般に、第9図および第10図に示した構造および配列は、グレーティング層416および516を通る光の伝達を非摂動状態で進めるために入射光の方向を反射面に平行に保持する。」(6頁右上欄12行-左下欄12行)

(引4c)「【第9図】

[図:0001383594000002.jpg]

」

ウ 参考文献について

三角回折格子に関する文献として、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2005-228370号公報(以下「参考文献」という。)には、図面とともに、次の記載がある。

(参a)「【0012】

この発明は、上述した事情に鑑み、容易且つ安価に製造できる回折格子の回折効率を高め、良好な光ピックアップ動作を可能とした光ピックアップ装置と、この光ピックアップ装置を用いる光ディスクドライブ装置の実現を課題とする。」

(参b)「【発明を実施するための最良の形態】

【0023】

図2(a)に光ピックアップ装置の実施の1形態を模式的に示す。

符号1で示す光源は「半導体レーザ」であり、発散性のレーザ光束を放射する。光源1から放射されたレーザ光束はビームスプリッタ2を透過し、対物レンズ3により集束され、光ディスク4の記録面上に光スポットとして集光する。

【0024】

光ディスク4の記録面で反射された光束は「戻り光」となって対物レンズ3を透過し、集束しつつビームスプリッタ2に入射し、反射されて「光源1から光ディスク4へ向かう光路(往路)」から分離し、回折格子5に入射する。回折格子5による回折光は受光手段6に入射する。このとき、戻り光は受光手段6の「異なる受光部」に入射するように分離され、各受光部の受光信号によりフォーカスエラー信号、トラックエラー信号、情報再生信号が生成される。

【0025】

図2(b)は、回折格子5の形態を模式的に示している。回折格子5の格子断面形状は直角三角形形状ではなく、図1(b)に示した例のように「底角:α、βが何れも鋭角である三角形状」である。そして、回折格子5は、図2(b)に示すように、光源から射出した光束の光軸AXに対して斜めに傾けられ、格子断面形状の頂角を挟む1辺が、光軸AXの方向と略平行となるように配置される。

【0026】

図2(b)に「符号γで示す角」は、回折格子5の「傾き角」であり、格子断面形状の三角形状の底辺(具体的には、鋸歯状の格子を形成した基板の底面)が「光軸に直交する面」に対して傾く角である。

【0027】

このように回折格子5を傾けることの技術的意義を図4に即して説明する。

図4は、上に説明した回折格子の傾き角:γを10度とし、回折格子の格子ピッチ(図1参照)を0.8μm、格子断面形状を「2等辺三角形形状(図1(b)における底角:α=β)」とし、格子溝深さ(μm)を変化させたときの回折効率を、0次光、±1次光に対してプロットしたものである。回折されるレーザ光束の波長は405nmとし、回折格子5は「図1に即して説明したのと同様の材料」で構成されたものとしている。」

(参c)「【0032】

プリズム7a、7bは回折格子5と「実質的に同じ屈折率」を持つ材料で構成し、断面形状を楔形状とし、その頂角(楔形状の尖端部の角)が、回折格子5の傾き角(図2の角:γ)に略等しくなるようにする。このような光学素子9を入射光束の光軸に直交させて配置すれば、回折格子5自体は前記光束の光軸に対して傾くが、光学素子9としては傾かないので、非点収差の発生を有効に回避することができる。」

(参d)「【図2】

[図:0001383594000003.jpg]

」

(3)引用発明との対比

ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。

(ア)引用発明の「調べられる組織」は、本件補正発明の「試料」に相当し、引用発明の「プローブ50」は、「調べられる組織の位置のスペクトル符号化のための、内視鏡的ガイダンスのための」ものであって、「内視鏡的ガイダンス」は「調べられる組織」を検査するためのものであるから、該「プローブ50」は、内視鏡検査のためのものであるといえる。そして、引用発明は、「調べられる組織」を検査するためには、「調べられる組織」を撮像する必要があることは明らかである。また、引用発明の「光エネルギーガイド57B、ガラスシリンダ68A、グリンレンズ58A、エネルギー指向素子59A及び回折格子59Dは、同一の光軸に沿ってこの順で配置され」ており、この「光軸」は、「プローブ50」の「光軸」であるといえるから、「プローブ50」は「光軸」を有しているといえる。

そうすると、引用発明の「調べられる組織の位置のスペクトル符号化のための、内視鏡的ガイダンスのためのプローブ50」は、本件補正発明の「スペクトル符号化内視鏡検査(SEE)プローブ」に相当し、引用発明の「光軸」を有し「調べられる組織の位置のスペクトル符号化のため」に、「調べられる組織の位置」を撮像する「内視鏡的ガイダンスのためのプローブ50」は、本件補正発明の「光軸を有し試料を撮像するように構成されたスペクトル符号化内視鏡検査(SEE)プローブ」に相当する。

(イ)引用発明の「光エネルギーガイド57B」、「グリンレンズ58A」及び「回折格子59D」は、それぞれ、本件補正発明の「光ガイドコンポーネント」、「光集束コンポーネント」、及び「回折格子コンポーネント」に相当する。

(ウ)前記(ア)で検討したとおり、引用発明の「光軸」は、「プローブ50」の光軸であるから、引用発明の「光エネルギーガイド57B」、「グリンレンズ58A」及び「回折格子59D」は、「プローブ50」の「同一の光軸に沿ってこの順で配置され」る構成は、本件補正発明の「前記光ガイドコンポーネント、前記光集束コンポーネント、および前記回折格子コンポーネントは、前記SEEプローブの光軸に沿ってこの順序で配置され」る構成に相当する。そして、引用発明の「光エネルギーガイド57Bと回折格子59Dの間に中間的な反射がない状態で、光エネルギーガイド57Bからの光を、グリンレンズ58Aを通じて回折格子59Dへガイドする」構成は、本件補正発明の「光エネルギーガイド57Bと回折格子59Dの間に中間的な反射がない状態で、光エネルギーガイド57Bからの光を、グリンレンズ58Aを通じて回折格子59Dへガイドする」構成に相当する。

(エ)引用発明の「回折格子59Dは、透過型であって、選択された表面上のライン55Aに沿った位置の異なる組織の上に調べるためのエネルギーの異なるスペクトルの光を照射するイメージングライン55Aを形成」するものであるから、引用発明の「回折格子59D」により「選択された表面上のライン55Aに沿った位置の異なる組織の上に」「形成」された、「調べるためのエネルギーの異なるスペクトルの光を照射するイメージングライン55A」は、本件補正発明の「前記回折格子コンポーネントからの光を複数のスペクトル成分にスペクトル的に分散させて、画像平面において」「形成」した「スペクトル符号化線」に相当する。引用発明の透過型であって、選択された表面上のライン55Aに沿った位置の異なる組織の上に調べるためのエネルギーの異なるスペクトルの光を照射するイメージングライン55Aを形成」する「回折格子59D」と、本件補正発明の「前記回折格子コンポーネントからの光を複数のスペクトル成分にスペクトル的に分散させて、画像平面においてスペクトル符号化線を形成する三角回折格子を有」する「前記回折格子コンポーネント」とは、「前記回折格子コンポーネントからの光を複数のスペクトル成分にスペクトル的に分散させて、画像平面においてスペクトル符号化線を形成する回折格子」を有する点で共通する。

(オ)引用発明の「回折格子59Dは、イメージングライン55Aへ照射されるエネルギーの異なるスペクトルの光の少なくとも1つのスペクトル成分は、光エネルギーガイド57B、ガラスシリンダ68A、グリンレンズ58A、エネルギー指向素子59A及び回折格子59Dからなるプローブ50の遠位端51の光軸に実質的に平行に進めるように構成されている」点と、本件補正発明の「前記回折格子コンポーネントは、前記スペクトル的に分散された光の少なくとも1つのスペクトル成分を前記SEEプローブの光軸に実質的に平行に、かつ前記三角回折格子の前記第1の表面に実質的に平行に進めるように構成されている」点とは、「前記回折格子コンポーネントは、前記スペクトル的に分散された光の少なくとも1つのスペクトル成分を前記SEEプローブの光軸に実質的に平行に進めるように構成されている」点で共通する。

イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

(一致点)「光ガイドコンポーネントと、

光集束コンポーネントと、

回折格子コンポーネントと、

を備えた、光軸を有し試料を撮像するように構成されたスペクトル符号化内視鏡検査(SEE)プローブであって、

前記光ガイドコンポーネント、前記光集束コンポーネント、および前記回折格子コンポーネントは、前記SEEプローブの光軸に沿ってこの順序で配置されており、

前記SEEプローブは、前記光ガイドコンポーネントと前記回折格子コンポーネントの間に中間的な反射がない状態で、前記光ガイドコンポーネントからの光を、前記光集束コンポーネントを通じて前記回折格子コンポーネントへガイドするように構成されており、

前記回折格子コンポーネントは、前記回折格子コンポーネントからの光を複数のスペクトル成分にスペクトル的に分散させて、画像平面においてスペクトル符号化線を形成する回折格子を有し、

前記回折格子コンポーネントは、前記スペクトル的に分散された光の少なくとも1つのスペクトル成分を前記SEEプローブの光軸に実質的に平行に進めるように構成されているSEEプローブ。」

(相違点)前記回折格子コンポーネントが、本件補正発明が、「三角回折格子を有」するものであって、「前記三角回折格子は、前記SEEプローブの光軸に実質的に平行に配置された第1の表面と、前記SEEプローブの光軸に対して鋭角をなして配置された第2の表面とを含む出っ張り三角回折格子であり、前記回折格子コンポーネントは、前記スペクトル的に分散された光の少なくとも1つのスペクトル成分を前記三角回折格子の前記第1の表面に実質的に平行に進めるように構成されている」のに対し、引用発明はどのような回折格子であるのか特定されていない点。

(4)判断

以下、相違点について検討する。

ア 引用文献4に記載された事項

(ア)前記(引4a)より、引用文献4は「グレーティングの動きを最大にするために摂動しないように制御される透過型のグレーティングに関する」ものである。

(イ)引用文献4の「透過型のグレーティング」は、「透過面418と反斜面420」を有し、「透過面418と反射面420の間の角は90°-a~」であるから、引用文献4の「透過型のグレーティング」は、出っ張り三角回折格子であるといえる。そして、引用文献4の「透過型のグレーティング」、「透過面418」、「反斜面420」及び「入射光428の方向」は、それぞれ、本件補正発明の「回折格子コンポーネント」、「第2の表面」「第1の表面」及び「光軸」に相当する。

そうすると、引用文献4の「透過型のグレーティング」は、「透過面418と反斜面420の角は90°より小さ」く、「入射光428の方向は面420にほぼ平行である」から、引用文献4には、「前記回折格子コンポーネント」が、「三角回折格子を有」するものであって、「前記三角回折格子は、光軸に実質的に平行に配置された第1の表面と、光軸に対して鋭角をなして配置された第2の表面とを含む出っ張り三角回折格子である」構成が記載されている。

(ウ)前記(ア)及び(イ)より引用文献4には、回折格子コンポーネントの性能を最大にするための構成として、「前記回折格子コンポーネント」が、「三角回折格子を有」するものであって、「前記三角回折格子は、光軸に実質的に平行に配置された第1の表面と、光軸に対して鋭角をなして配置された第2の表面とを含む出っ張り三角回折格子である」構成とする技術事項が記載されているといえる。

イ 参考文献に記載された技術事項

(ア)前記(参a)より、参考文献に記載された構成は、「回折格子の回折効率を高め」ためのものである旨記載されている。

(イ)前記(参b)より、「回折格子5の格子断面形状は・・・底角:α、βが何れも鋭角である三角形状である・・・回折格子5は、・・・光源から射出した光束の光軸AXに対して斜めに傾けられ、格子断面形状の頂角を挟む1辺が、光軸AXの方向と略平行となるように配置され」「回折格子の傾き角:γを10度とし」た構成が記載されている。そして、前記(参c)には、「頂角(楔形状の尖端部の角)が、回折格子5の傾き角(図2の角:γ)に略等しくなるようにする」旨記載されている。

そうすると、参考文献には、「頂角が10度であって、格子断面形状の頂角を挟む1辺が、光軸AXの方向と略平行となるように配置された格子断面形状が三角形状である回折格子」が記載されている。

(ウ)参考文献の「回折格子」は「格子断面形状が三角形状」であるから「三角回折格子」を有しているといえ、「頂角」は「10度」であるから、鋭角である。そして、参考文献の「回折格子」、「光軸AXの方向と略平行となる」「格子断面形状の頂角を挟む1辺」を含む面及び「格子断面形状の頂角を挟む」他の1辺を含む面が、それぞれ、本件補正発明の「回折格子コンポーネント」、「第1の表面」及び「第2の表面」に相当するから、参考文献には、「前記回折格子コンポーネント」が、「三角回折格子を有」するものであって、「前記三角回折格子は、光軸に実質的に平行に配置された第1の表面と、光軸に対して鋭角をなして配置された第2の表面とを含む出っ張り三角回折格子である」構成が記載されているといえる。

(エ)前記(ア)~(ウ)より、参考文献には、「回折格子の回折効率を高め」るための構成として、「前記回折格子コンポーネント」が、「三角回折格子を有」するものであって、「前記三角回折格子は、光軸に実質的に平行に配置された第1の表面と、光軸に対して鋭角をなして配置された第2の表面とを含む出っ張り三角回折格子である」構成が記載されているといえる。

ウ 前記ア及びイより、引用文献4及び参考文献には、何れも、回折格子の回折効率を高めるための構成として、「前記回折格子コンポーネント」が、「三角回折格子を有」するものであって、「前記三角回折格子は、光軸に実質的に平行に配置された第1の表面と、光軸に対して鋭角をなして配置された第2の表面とを含む出っ張り三角回折格子である」構成が記載されているといえるから、「前記回折格子コンポーネント」を該構成とする技術は周知技術(以下「周知技術1」という。)であるといえる。

エ 引用発明の「回折格子59D」は、本件補正発明と同様に「透過型であって、選択された表面上に、ライン55Aに沿った位置の異なる組織の上に調べるためのエネルギーの異なるスペクトルの光を照射するイメージングライン55Aを形成」するものであって、その構造は、使用する波長域や撮像環境等を考慮して適宜決められるものである。

また、引用発明の「回折格子59Dは、イメージングライン55Aへ照射されるエネルギーの異なるスペクトルの光の少なくとも1つのスペクトル成分は、光エネルギーガイド57B、ガラスシリンダ68A、グリンレンズ58A、エネルギー指向素子59A及び回折格子59Dからなるプローブ50の遠位端51の光軸に実質的に平行に構成されている」。

そして、「三角回折格子」において、入射する光の波長や入射角、頂角の大きさ等を適宜調整することにより、引用発明と同様に、光軸と平行に進むスペクトル光が設定できることは、自明である。

そうすると、回折格子の回折効率を良くすることは解像度等を良くする上で必要であるという技術常識を考慮すると、引用発明の「回折格子59D」において、回折効率等を考慮して、前記ウで検討した周知技術1である、「前記回折格子コンポーネント」を、「三角回折格子を有」するものであって、「前記三角回折格子は、光軸に実質的に平行に配置された第1の表面と、光軸に対して鋭角をなして配置された第2の表面とを含む出っ張り三角回折格子である」構成とする技術を適用することは、当業者が容易に想到できたことであって、引用発明の「イメージングライン55Aへ照射されるエネルギーの異なるスペクトルの光の少なくとも1つのスペクトル成分は、光エネルギーガイド57B、ガラスシリンダ68A、グリンレンズ58A、エネルギー指向素子59A及び回折格子59Dからなるプローブ50の遠位端51の光軸に実質的に平行に進めるように構成されている」「回折格子59D」として前記周知技術1を適用した場合ににおいて、「三角回折格子」の「光軸に実質的に平行に配置された第1の表面」は、「プローブ50の遠位端51の光軸に実質的に平行に進めるように構成され」た「イメージングライン55Aへ照射されるエネルギーの異なるスペクトルの光の少なくとも1つのスペクトル成分」と平行となるから、引用発明に、周知技術1を適用し、前記相違点に係る構成とすることは、当業者が容易に想到できたことであるといえる。

オ そして、本件補正発明の奏する作用効果は、引用文献1、4及び参考文献に記載された技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

カ したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術1に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび

よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。

よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について

1 本願発明

令和2年10月8日にされた手続補正は、前記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和2年3月12日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~26に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、上記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定の拒絶の理由は、本件補正前の請求項1~26に係る発明は、本願の優先権主張の日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2~5に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:米国特許出願公開第2014/0275986号明細書
引用文献2:米国特許出願公開第2015/0045622号明細書
引用文献3:特開2012-13930号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4:特開平2-20802号公報(周知技術を示す文献)
引用文献5:特開昭63-68802号公報(周知技術を示す文献)

3 引用文献

原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1、4及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。

また、引用文献3には、以下の事項が記載されている。

(1)引用文献3に記載された事項

(引3a)「【0020】

(グリズム)

図1は、実施形態に係るグリズム10を示す図である。

図1に示すように、グリズム10は、プリズム11と回折格子12とを有している。

プリズム11は、直角プリズムであり、光学平面111,回折側平面112,底面113を有している。光学平面111は、直角プリズムの頂角を形成する面であるとともに、直角を形成する面である。回折側平面112は、光学平面111と頂角を成す面である。底面113は、光学平面111と直角を成す面である。回折側平面112には、回折格子12が形成されている。回折格子12は、表面側は平面上に形成されたバイナリ型回折格子であり、裏面側は平面である回折格子である。グリズム10では、回折格子12とプリズム11とは、フッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF2)からなる群から選ばれる少なくとも一種である、同一の光学材料によって形成されている。本実施形態では、回折格子12は、プリズム11と同一の光学材料によって回折側平面112に直接形成されており、回折側平面112において、プリズム11と回折格子12は一体化されている。回折側平面112は回折格子12の裏面側(バイナリ型回折格子が形成されていない側)と一体化されているが、本明細書では、プリズム11と回折格子12との境界として、便宜的に、回折側平面112の用語を用い、図1等の図面に図示する。フッ化リチウム、フッ化マグネシウムは、120nmより長波長の真空紫外線透過率に優れた材料であるため、グリズム10は、120nmより長波長の真空紫外線透過率に優れている。光学材料としてフッ化リチウムを用いる場合、吸収端波長は105nm近傍であり、屈折率が大きく変化する屈折率変化領域(短波長側の吸収端波長から吸収端波長の2倍近傍における屈折率が大きく変化する波長領域)は110~200nmである。光学材料としてフッ化マグネシウムを用いる場合、吸収端波長は110nm近傍であり、屈折率が大きく変化する屈折率変化領域は115~200nmである。ただし、どちらの物質も吸収端の波長から120nm未満までは吸収が大きく、実用性が低い。

【0021】

図2は、グリズム10の回折格子12の形状を説明するために、回折格子12を拡大して示す図である。図1、図2に示すように、回折格子12は、バイナリ型回折格子が形成されている回折格子である。格子間隔は等間隔であり、隣り合う格子の同一形状部分同士の距離(図2に図示する距離D)であり、全て同じである。回折格子12のそれぞれは、回折側平面112に垂直な平面と回折側平面112に平行な平面によって区画される2x段のバイナリ型回折格子を有している。各格子の格子高さ(階段形状の最も高い段の上面から、最も低い段までの距離)はHであり、全て同じである。格子高さHは、波長の整数倍となるように設計されている。各格子の階段形状の幅は、グリズム10の頂角に近い側の幅d1が狭く、頂角に遠い側の幅d2が広くなっている。図1に示す幅d1の階段形状の角部に接する面を接触面123とし、幅d2の階段形状の角部に接する面を接触面121とすると、プリズム11の材質と回折格子12の材質が同一であり、設計波長の回折光を入射光に対して直進させる場合に、回折効率の向上のためには接触面121と光学平面111が平行であり、接触面123と底面113が平行であることが望ましく、接触面121と接触面123が直交するように、幅d1と幅d2の値が設計されている。各格子において、段の高さhは同じである。すなわち、図2に示すように4段のバイナリ型回折格子では、d1+d2=D/4、h=H/3である。

【0022】

図2では、各格子の段数が4段であるバイナリ型回折格子の場合を図示しているが、これに限定されない。段数は、2のx乗(2x、但しx≧1:Binary)であればよく、例えば、2段、4段、8段、16段としてもよい。各格子の段数が多いほど回折効率が高くなるが、段数が16段以上となると、滑らかな斜面のノコギリ歯形状の格子の回折効率に漸近する。ノコギリ歯形状の格子の回折効率を100%とした場合、段数が2段の場合の回折効率の最大値は41%であり、4段の場合には81%、8段の場合には95%、16段の場合には99%である(Scientific American, May 1992, 50-55, “Binary Optics”を参照)。また、ノコギリ歯形状の格子において、格子間隔が波長の10倍である場合には回折効率の最大値は85%程度となり、格子間隔が波長の5倍である場合には回折効率の最大値は80%程度となり、格子間隔が波長の4倍である場合には、回折効率の最大値は75%程度となり、格子間隔が波長の3倍である場合には、回折効率の最大値は60%程度となる(Proc. SPIE 5005, 8-19, (2003), “Optimization of a Volume Phase Holographic Grism for Astronomical Observation using the Photopolymer” を参照)。バイナリ型回折格子を有する回折格子12の回折効率は、前記に説明したノコギリ歯形状の格子の回折効率に、ノコギリ歯形状の格子を100%とした場合のバイナリ型回折格子の段数による回折効率の割合を乗じることによって求めることができる。例えば、格子間隔が波長の5倍であり、バイナリ型回折格子の段数が8段の場合には、80%と95%とを乗じた76%程度の回折効率を得ることができる。尚、全ての格子の段数を同じにする必要は無い。

【0023】

散乱は光学系の効率を低下させるばかりではなく、迷光の一因にもなるため、散乱損失が少ないほど望ましい。散乱が大きくなると測定値に誤差が生じてしまうことがあり、実用的には目的に応じて光学素子の散乱損失が1%以下から24%以下であることが求められる場合が多い。特に強い背景光がある場合の分光計測等においては、より散乱損失が少ないグリズムが求められる。一方、単色光源を用いた吸光度測定等においては散乱損失が50%以上のグリズムであっても実用的に使用できる。

【0024】

グリズム10の回折格子12のバイナリ型回折格子における散乱損失Lsは、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)によって1nm間隔で測定した場合に表面粗さの平均二乗偏差の値(rms値)が大きくなるほど大きくなる。表面粗さのrms値をσとし、波長λを与えると、散乱損失Ls(%)は、下記の式(1)によって求めることができる。

Ls=[1-exp{-(4πnσcosθ/λ)2}]×100 …… (1)

ここでθは光束の出入射角であり、nは媒質の屈折率である(J.M. Bennet and L. Mattson著 “Introduction to surface roughness and scattering”, Optical Society of America, Washington D.C., 1989. 参照)。

【0025】

式(1)を用いてバイナリ型回折格子の散乱損失Lsを計算すると、波長120nmにおいて、垂直入射(θ=0)、屈折率n=1、表面粗さのrms値σが1nmである場合の散乱損失Lsは1%、表面粗さのrms値σが3nmである場合の散乱損失Lsは10%、表面粗さのrms値σが5nmである場合の散乱損失Lsは24%、表面粗さのrms値σが10nmである場合の散乱損失Lsは67%である。波長が短い真空紫外線領域でグリズムを用いる場合には、表面粗さが大きくなるほど、散乱の影響によって真空紫外線の透過率が低減する割合が多くなる。回折格子12のバイナリ型回折格子をAFMによって1nm間隔で測定した場合に表面粗さのrms値は5nm以下であるため、波長120nmにおける散乱損失が24%以下である。波長が短いほど、散乱損失は大きくなることから、回折格子12は、波長120nm以上200nm以下の真空紫外線において散乱損失が24%以下であり、用途によって波長120nm以上200nm以下の真空紫外線において実用的に使用することができる。回折格子12の表面粗さのrms値は、3nm以下であればより好ましく、1nm以下であれば、特に好ましい。回折格子12の表面粗さのrms値を3nm以下とすれば、波長120nm以上200nm以下の真空紫外線における散乱損失は10%以下に低減でき、その表面粗さのrms値が1nm以下とすれば、散乱損失は1%以下に低減させることができる。

【0026】

本実施形態に係るグリズム10は、図3に示すように、光学平面111が光軸Zに概ね垂直になるように、光学系に設置することができる。(光束が入射する面や出射する面を光軸と垂直に配置するとゴーストが生じやすくなるために、実用上は3~10°程度傾けるか、直角から3~10°程度鋭角なプリズムを使用する。)また、グリズム10は、図4に示すように、光学平面111が光軸Zに垂直とならないように、光学系に設置することができる。図3、図4に示すように、いずれの場合にも、光を直進させることが可能である。ただし、図4のような場合にはグリズム11に入射前と出射後では、光束の光軸Zが平行移動する。さらに、図3と図4の光路では、同一のグリズムであっても、グリズムの分散や直進波長が多少異なる。」

(2)引用文献3に記載された技術事項

ア 前記(引3a)より、引用文献3には以下の事項が記載されている。

「グリズム10は、プリズム11と回折格子12とを有し、
プリズム11は、直角プリズムであり、光学平面111,回折側平面112,底面113を有し、
回折側平面112には、回折格子12が形成され、
回折格子12のそれぞれは、回折側平面112に垂直な平面と回折側平面112に平行な平面によって区画される2x段のバイナリ型回折格子を有し、
幅d1の階段形状の角部に接する面を接触面123と、
幅d2の階段形状の角部に接する面を接触面121とを有し、
回折効率の向上のためには接触面121と光学平面111が平行であり、接触面123と底面113が平行であり、
接触面121と接触面123が直交するように、幅d1と幅d2の値が設計され、
各格子の段数は、2のx乗(2x、但しx≧1:Binary)であって、各格子の段数が多いほど回折効率が高くなり、段数が16段以上となると、滑らかな斜面のノコギリ歯形状の格子の回折効率に漸近し、
光学平面111が光軸Zに概ね垂直になるように、光学系に設置するグリズム10。」

イ 前記アにおける「回折格子12」の「各格子の段数」が「16段以上となると、滑らかな斜面のノコギリ歯形状の格子の回折効率に漸近」することから、この場合の「回折格子12」は、実質的に「接触面123」、「接触面121」及び「回折側平面112」からなる三角回折格子であるといえる。そして、「回折効率の向上のためには接触面121と光学平面111が平行であり」、「光学平面111が光軸Zに概ね垂直」であって、「接触面121と接触面123が直交」するから、「接触面123」は「光軸Z」に実質的に平行に配置され、「接触面121」は「光軸Z」に実質的に垂直に配置されているといえる。

そうすると、引用文献3に記載の「回折格子12」、「光軸Z」、「接触面123」及び「接触面121」は、本願発明の「回折格子コンポーネント」、「光軸」、「第1の表面」及び「第2の表面」に相当し、引用文献3において「回折効率の向上」は、本願発明における回折格子コンポーネントの性能を最大にすることに相当するといえるから、引用文献3には、回折格子コンポーネントの性能を最大にするために、「前記回折格子コンポーネント」が、「三角回折格子を有」するものであって、「前記三角回折格子は、光軸に実質的に平行に配置された第1の表面と、光軸に対して角度をなして配置された第2の表面とを含む三角回折格子である」構成とする技術事項が記載されているといえる。

4 対比・判断

本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から「プローブ」が「スペクトル符号化内視鏡検査(SEE)プローブ」である旨の限定及び「三角回折格子」が、「画像平面においてスペクトル符号化線を形成する」ものであって、「三角回折格子」の「第1の表面」と「第2の表面」とが「鋭角」をなす「出っ張り三角回折格子」である旨の限定事項を削除したものであるから、本願発明と引用発明との間には、以下の相違点’がある。

(相違点’)前記回折格子コンポーネントが、本願発明は、「三角回折格子を有」するものであって、「前記三角回折格子は、前記プローブの光軸に実質的に平行に配置された第1の表面と、前記プローブの光軸に対して角度をなして配置された第2の表面とを含み、前記回折格子コンポーネントは、前記スペクトル的に分散された光の少なくとも1つのスペクトル成分を」「前記三角回折格子の前記第1の表面に実質的に平行に進めるように構成されている」のに対し、引用発明はどのような回折格子であるのか特定されていない点。

前記相違点’について検討する。

前記第2の[理由]2(4)アで検討したとおり、引用文献4には、回折格子コンポーネントの性能を最大にするための構成として、「前記回折格子コンポーネント」が、「三角回折格子を有」するものであって、「前記三角回折格子は、光軸に実質的に平行に配置された第1の表面と、光軸に対して鋭角をなして配置された第2の表面とを含む出っ張り三角回折格子である」構成とする技術事項が記載されている。

また、前記3(2)で検討したとおり、引用文献3には、回折格子コンポーネントの性能を最大にするために、「前記回折格子コンポーネント」が、「三角回折格子を有」するものであって、「前記三角回折格子は、光軸に実質的に平行に配置された第1の表面と、光軸に対して角度をなして配置された第2の表面とを含む三角回折格子である」構成とする技術事項が記載されている。

そうすると、引用文献3及び4には、何れも、回折格子コンポーネントの性能を最大にするために、「前記回折格子コンポーネント」が、「三角回折格子を有」するものであって、「前記三角回折格子は、光軸に実質的に平行に配置された第1の表面と、光軸に対して角度をなして配置された第2の表面とを含む三角回折格子である」構成とする技術事項が記載されているから、「前記回折格子コンポーネント」を該構成とする技術は周知技術(以下「周知技術2」という。)であるといえる。

したがって、本件補正発明の「前記回折格子コンポーネント」を前記相違点の「前記三角回折格子」に係る構成とする技術が、周知技術1から容易に想到できたものであると同様に、本願発明の「前記回折格子コンポーネント」を前記相違点’の「前記三角回折格子」に係る構成とする技術も周知技術2から容易に想到できたものであるから、本願発明は、前記第2の[理由]2(4)エ~カに記載した理由と同様の理由により、引用発明及び周知技術2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび

以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2020-014160

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