2020-012735
遊技機
- 審判番号
- 2020-012735
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-152826外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年09月11日
- 審決日
- 2021年09月28日
- 公報発行日
- 2022年01月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社平和
- 【請求人代理人】特許業務法人青海特許事務所
- 分類
- P18 .121-WZ (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第29条の2
- データ出所
- 審決公報(XML)
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結論
理由
目次 ▾ 8項目
第1 手続の経緯
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本願は、平成28年8月3日の出願であって、令和2年2月25日付けで拒絶の理由が通知され、同年3月30日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年6月8日付け(送達日:同年同月16日)で拒絶査定がなされ、それに対して、同年9月11日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出され、これに対し、当審において、令和3年6月8日付けで拒絶の理由が通知され、同年7月28日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 本願発明
本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和3年7月28日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(記号A等は、分説するために当審判合議体にて付した。また、記号A等が付された事項を以下「特定事項A」等という。)。
「A 始動条件の成立により、遊技者に所定の遊技利益を付与するか否かの判定処理を実行する判定手段と、B 前記判定処理の結果を示唆または報知する変動演出において演出画像を画像表示部に表示する画像表示手段と、C 遊技者が操作可能な操作部と、D 前記操作部に入力された操作を検出する検出手段と、を備え、E 前記画像表示手段は、前記変動演出中に、この実行されている変動演出の内容を説明する特定画像が前記画像表示部に表示されている状態で、前記検出手段によって操作が検出されると、該特定画像を非表示にするF ことを特徴とする遊技機。」
第3 拒絶の理由
当審で通知した拒絶の理由は、次のとおりである。
1 (進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用例に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
2 (拡大先願)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に特許掲載公報の発行又は出願公開がされた下記の特許出願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができない。
記(引用文献等については引用文献等一覧参照)
●理由1(進歩性)について
・請求項1
・引用文献等 引用例1-4
・備考
(略)
●理由2(拡大先願)について
・請求項1
・引用文献等 先願5
・備考
(略)
<引用文献等一覧>
引用例1.特開2014-117571号公報
引用例2.国際公開第2016/036472号
引用例3.特開2013-215409号公報
引用例4.特開2014-87504号公報
先願5.特願2015-85285号(特開2016-202404号)
第4 進歩性について
1 引用例1、引用発明
当審で通知した拒絶の理由において引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用例1(特開2014-117571号公報)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審判合議体にて付した。以下同じ。)。
(1)「【0011】〔遊技機全体図〕図1~図3を参照して、本発明の実施形態による遊技機1について説明する。図1は、前面枠4及びガラス枠5を閉じた状態の遊技機1の正面図である。図2は、右斜め上方から見た時の遊技機1の斜視図である。図3は、正面上方から見た時の遊技機1の斜視図である。」
(2)「【0042】センターケース35の下方の遊技領域31には、特図変動表示ゲームの開始条件を付与する第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が設けられる。第2始動入賞口38は、上側が逆「ハ」の字状に開いて、遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材38aを備える。遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。」
(3)「【0046】第2始動入賞口38の下方の遊技領域31には、大入賞口1ソレノイド41b(図5参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動することで第1大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉41aを有する第1特別変動入賞装置41が設けられている。第1特別変動入賞装置41は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第1大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第1大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウント1スイッチ41c(図5参照)が配設されている。【0047】また、センターケース35の左上方の遊技領域31には、大入賞口2ソレノイド42b(図5参照)によって逆「ハ」の字状に開くことで第2大入賞口を開放する一対の開閉部材42aを有する第2特別変動入賞装置42が設けられている。第2特別変動入賞装置42は、第1特別変動入賞装置41と同様に、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、第2大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、第2大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウント2スイッチ42c(図5参照)が配設されている。」
(4)「【0064】第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置36の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。」
(5)「【0068】なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。」
(6)「【0121】また、遊技制御装置600のCPU611aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37bからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。この始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM611bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。【0122】また、遊技制御装置600のCPU611aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38bからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。この始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM611bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。【0123】遊技制御装置600のCPU611aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置700に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。【0124】演出制御装置700は、遊技制御装置600からの制御信号に基づき、表示装置36で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置700は、遊技制御装置600からの制御信号に基づき、上スピーカ7a及び下スピーカ7bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。【0125】そして、遊技制御装置600のCPU611aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置600のCPU611aは、例えば、大入賞口1ソレノイド41b又は大入賞口2ソレノイド42bにより第1特別変動入賞装置41の開閉扉41a又は第2特別変動入賞装置42の開閉部材42aを開放させ、第1大入賞口又は第2大入賞口への遊技球の流入を可能とする制御を行う。」
(7)「【0332】図25~図27に示す演出操作装置100は、操作ボタン110にタッチパネル150(図28参照)を内蔵した演出操作用の操作装置である。演出操作装置100は、遊技者が操作ボタン110を押してボタン操作をしたり、操作ボタン110の表面をなぞってタッチパネル150によるパネル操作をしたりするように構成されている。このように演出操作装置100は、ボタン機能とタッチパネル機能の2つの機能を有している。」
(8)「【0341】図28、図29、及び図34に示すように、タッチパネル150は、遊技者からの入力操作を受け付ける静電容量型のタッチセンサである。タッチパネル150の下面(裏面)には、遊技者によるパネル操作等の情報を電気信号として処理するための電子部品151が設置されている。」
(9)「【0408】〔演出操作装置を用いた遊技演出2〕次に、図48~図61を参照して、演出操作装置100を用いた遊技演出2について説明する。前述の図43~図47では、特図変動表示ゲームが開始すると所定の確率で演出操作装置100のタッチパネル150に対する入力操作が有効となり、報知通りのパネル操作によって表示装置36において所定の予告表示演出が実行され、別例としてさらに操作ボタン110のボタン操作があった場合には変動中の識別情報がはずれ図柄で仮停止する演出が実行される。図48~図61では、演出操作装置100のタッチパネル150に対する入力操作によって遊技の予告画像を含む複数の遊技情報の表示演出が実行され、その入力操作の操作態様に応じて表示装置36に表示される遊技情報を選択可能とする。【0409】続きを表示(全13行)まず、図48を参照して、遊技演出2の概要を説明する。図48(A)及び図48(B)は演出操作装置100を用いた遊技演出2によって表示装置36に表示される情報表示レイヤ及び表示される遊技情報の一例を示す図である。【0410】図48(A)に示すように、表示装置36には、表示画面の周縁(ここでは上下左右)に情報表示レイヤ36a~36dが仮想配置されている。上情報表示レイヤ36aには大当り履歴情報が表示され、左情報表示レイヤ36bには特図変動表示ゲームでリーチが形成される可能性や大当りとなる可能性に応じた予告情報が表示され、下情報表示レイヤ36cには特図変動表示ゲームにおいて図柄が3個消灯するとチャンスである等のゲーム説明が表示され、右情報表示レイヤ36dには特図変動表示ゲームにおける動画やキャラクタ等の演出画像が表示される。【0411】そして、演出操作装置100のタッチパネル150に対するパネル入力操作が有効な操作態様であれば、その操作態様に応じて表示装置36に対応する情報表示レイヤが表示される。具体的には、例えば遊技者が有効な操作態様の一つとしてタッチパネル150を上から下に素早くなぞる操作(フリック操作)をした場合、表示装置36には、表示画面の上方から情報表示レイヤ36aが表示される。【0412】このように遊技者がタッチパネル150をフリック操作する操作方向(操作態様)に応じて表示装置36に表示される情報表示レイヤが変化する。そして、各情報表示レイヤ36a~36dにはそれぞれ異なる遊技情報が表示されるので、遊技者は演出操作装置100を操作することで知りたい情報を選ぶことができる。【0413】なお、情報表示レイヤに表示される情報の中には遊技状態によって表示不可能なものもあるので、このような場合は情報表示レイヤを非表示にする。具体的には、図48(B)に示すように、左情報表示レイヤ36b及び右情報表示レイヤ36dに表示される情報は特図変動表示ゲームの演出に係る予告情報及び演出画像なので、遊技状態がデモ中の場合には表示されない。また、遊技状態に応じて情報表示レイヤに表示される情報の表示態様を変更することも可能で、遊技者に現在の遊技に集中して欲しい遊技状態(電サポ中や変動中)では、情報表示レイヤに表示される情報に応じて表示装置36における表示態様を変える。そして表示される情報が現在の遊技と関係ないものであれば、情報表示レイヤを半透明にしたり表示の濃淡を切り替えたりする。ここでは、遊技状態が変動中の場合に上情報表示レイヤ36a(大当り履歴情報)及び下情報表示レイヤ36c(ゲーム説明表示)は一旦通常表示されたのち半透明で表示される。同様に、遊技状態が電サポ中の場合に下情報表示レイヤ36cは一旦通常表示されたのち半透明で表示される。また、遊技状態が電サポ中の場合には上情報表示レイヤ36aに表示される大当り履歴情報の表示種類を変更する。詳細については、図51にて後述する。」
(10)「【0418】図50は、演出制御装置700によって実行される有効操作報知処理の手順を示すフローチャートである。有効操作報知処理は、演出制御装置700の主制御用マイコン(1stCPU)710が実行する1stメイン処理における演出ボタン入力処理(図22のS2209)で実行される処理である。【0419】S5001では、演出制御装置700は、遊技演出2における演出操作装置100の操作入力が有効である操作有効時間中であるか否かを判定する。ここで、操作入力が有効となるタイミングは、遊技開始から所定間隔毎に訪れるよう設定される。さらに所定の確率で有効となるタイミングが設定されてもよい。続きを表示(全18行)【0420】演出制御装置700は、操作有効時間中である場合には(S5001の結果が「Y」)、S5002の処理を実行する。S5002では、表示装置36において、遊技者に有効となる演出操作装置100の操作態様を報知する。具体的な操作態様報知画面については、図55にて後述する。【0421】次に、S5003では、演出制御装置700は、報知通り有効な操作態様で演出操作装置100が操作されたか否かを判定する。そして、報知通り有効な操作態様で操作された場合には(S5003の結果が「Y」)、S5004及びS5005の処理を実行する。【0422】一方、操作有効時間中でない場合(S5001の結果が「N」)や操作有効時間中であっても有効な操作がなかった場合(S5003の結果が「N」)には、演出制御装置700は、S5006の処理を実行する。【0423】S5004では、演出制御装置700は、遊技者の操作に対応する情報表示レイヤの表示態様を遊技状態に応じて設定する情報表示レイヤ制限処理を実行する。なお、情報表示レイヤ制限処理の詳細については、図51にて後述する。【0424】続いてS5005では、演出制御装置700は、遊技者の操作に対応する情報表示レイヤを表示装置36に表示する情報表示レイヤ表示処理を実行する。なお、情報表示レイヤ表示処理の詳細については、図52にて後述する。【0425】S5006では、演出制御装置700は、遊技演出2における演出操作装置100の操作入力が有効である操作有効時間が終了したか否かを判定する。操作有効時間は予め所定時間が設定されている。そして、操作有効時間が終了した場合には(S5006の結果が「Y」)、S5007の処理を実行する。S5007では、演出制御装置700は、表示装置36における演出操作装置100の有効操作態様の報知を止める。その後、有効操作報知処理を終了する。【0426】一方、操作有効時間が終了していない場合には(S5006の結果が「N」)、演出制御装置700は、何もせず有効操作報知処理を終了する。」
(11)「【0433】図52は、演出制御装置700によって実行される有効操作報知処理(図50)の情報表示レイヤ表示処理(S5005)の手順を示すフローチャートである。情報表示レイヤ表示処理では、遊技状態に応じて大当り履歴情報に変更が加えられ、対応する情報表示レイヤの表示が実行される。【0434】S5201では、演出制御装置700は、まず、遊技状態が電サポ中であるか否かを判定する。そして、電サポ中である場合には(S5201の結果が「Y」)、S5202の処理を実行する。S5202では、演出制御装置700は、上情報表示レイヤ36aに表示される大当り履歴情報に連チャン回数情報を含めるよう設定し、S5203の処理を実行する。一方、電サポ中でない場合には(S5201の結果が「N」)、そのままS5203の処理を実行する。続きを表示(全16行)【0435】S5203では、演出制御装置700は、前回の当りが「小当り」もしくは「突確」であったか否かを判定し、どちらかであった場合には(S5203の結果が「Y」)、S5204の処理を実行する。S5204~S5208の処理では、前回の当りの種類(「小当り」もしくは「突確」)を大当り履歴情報に含めるか否か、すなわち遊技者に現在の遊技状態が潜伏確変状態であるか否かを報知する抽選が行われる。【0436】S5204では、演出制御装置700は、表示実行抽選テーブル(図53)を準備し、抽選用乱数をロードする。次に、S5205及びS5206で抽選処理を実行し、ロードした乱数が当選したが否かを判定する。【0437】ここで、図53は、情報表示レイヤ表示処理で用いられる表示実行抽選テーブルを示す図である。表示実行抽選乱数が0~200まで用意されており、ロードされた乱数が0~100の場合は「当選」となる。また、ロードされた乱数が101~200の場合は「非当選」となる。ここでは、約50%の確率で「当選」となる。「当選」の場合は前回の当り情報(「小当り」もしくは「突確」)を報知可能とし、「非当選」の場合は前回の当り情報を報知不可能とする。【0438】図52に戻って、抽選結果が「当選」である場合には(S5206の結果が「Y」)、演出制御装置700は、S5207の処理を実行する。S5207では、演出制御装置700は、上情報表示レイヤ36aに表示される大当り履歴情報に前回の当り種類情報を含めるよう設定する。【0439】一方、抽選結果が「非当選」である場合には(S5206の結果が「N」)、演出制御装置700は、S5208の処理を実行する。S5208では、上情報表示レイヤ36aに表示される大当り履歴情報に前回の当り種類情報を含めないよう設定する。【0440】前回の当りが「小当り」もしくは「突確」でない場合(S5203の結果が「N」)、前述のS5207又はS5208の処理を実行した後は、演出制御装置700はS5209の処理を実行する。S5209では、演出制御装置700は、演出操作装置100の操作に対応する情報表示レイヤを表示装置36に表示する。そして、情報表示レイヤ表示処理を終了する。」
(12)「【0455】また、図57に示すように遊技者が上下から中央に摘み上げるように、すなわち上から下への操作及び下から上への操作を同時に行うと、表示装置36には上側から上情報表示レイヤ36aが現れ、下側から下情報表示レイヤ36cが現れ、表示画面の上下にそれぞれ大当り履歴情報及びゲーム説明が表示される。このとき上情報表示レイヤ36a及び下情報表示レイヤ36cの背面に表示装置36で行われている特図変動表示ゲームの表示画面を認識することはできず、2つの情報表示レイヤが特図変動表示ゲームの表示画面の前面を覆っている。しかし、一旦通常表示されたのち、上情報表示レイヤ36a及び下情報表示レイヤ36cは半透明表示に切り替わる。これにより、上情報表示レイヤ36a及び下情報表示レイヤ36cの背面に特図変動表示ゲームの表示画面を認識することができるようになる。なお、半透明表示ではなく、別表示に切り替えられてもよく、特図変動表示ゲームに支障がないように表示タイミングに応じて適宜表示態様を変化させればよい。【0456】以上より、演出操作装置100を用いた遊技演出2では、遊技者が必要とする情報を操作有効時間中であれば好きなタイミングで出現させることができる。これにより、例えばゲーム説明等の1回知ればその後報知不要な情報を複数回目にすることが無くなるので、押し付け感なく情報を提供することができる。遊技者が演出操作装置100を操作する方向に動作可能な情報表示レイヤが表示装置36に出現することからも、遊技に遊技者のカスタマイズ感を大きく反映することができる。」
(13)上記(1)~(12)の記載事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(a~fは、本願発明のA~Fに概ね対応させて当審判合議体にて付与した。また、引用箇所の段落番号等を併記した。以下同様。)。
「a 遊技制御装置600のCPU611aは、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲーム)の当り外れを判定するものであり(【0068】、【0121】、【0122】)、前記特図変動表示ゲームは、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合に実行されるもので(【0042】)、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となると(【0064】)、遊技者に所定の遊技価値(賞球)が付与されるものであり(【0046】、【0047】)、b1 演出制御装置700は、遊技制御装置600からの制御信号に基づき、表示装置36で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行い(【0124】)、b2 特図変動表示ゲームの結果が大当り状態(特別遊技状態)となったことに対応して、表示装置36の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となり(【0064】)、続きを表示(全11行)b3 表示装置36には、表示画面の周縁(ここでは上下左右)に情報表示レイヤ36a~36dが仮想配置され、上情報表示レイヤ36aには大当り履歴情報が表示され、左情報表示レイヤ36bには特図変動表示ゲームでリーチが形成される可能性や大当りとなる可能性に応じた予告情報が表示され、下情報表示レイヤ36cには特図変動表示ゲームにおいて図柄が3個消灯するとチャンスである等のゲーム説明が表示され、右情報表示レイヤ36dには特図変動表示ゲームにおける動画やキャラクタ等の演出画像が表示され(【0410】)、c 演出操作装置100は、遊技者が操作ボタン110を押してボタン操作をしたり、操作ボタン110の表面をなぞってタッチパネル150によるパネル操作をしたりするように構成され(【0332】)、d タッチパネル150は、遊技者からの入力操作を受け付ける静電容量型のタッチセンサであり(【0341】)、e1 特図変動表示ゲームが開始して演出操作装置100のタッチパネル150に対する入力操作が有効となり(【0408】)、有効な操作態様で演出操作装置100が操作された場合に(【0421】)、演出制御装置700が演出操作装置100の操作に対応する情報表示レイヤを表示装置36に表示する(【0440】)ことで、e2 遊技者がタッチパネル150をフリック操作する操作方向(操作態様)に応じて表示装置36に表示される情報表示レイヤが変化し、各情報表示レイヤ36a~36dにはそれぞれ異なる遊技情報が表示されるので、遊技者は演出操作装置100を操作することで知りたい情報を選ぶことができ(【0412】)、e3 遊技者が、上から下への操作及び下から上への操作を同時に行うと、表示装置36には上側から上情報表示レイヤ36aが現れ、下側から下情報表示レイヤ36cが現れ、表示画面の上下にそれぞれ大当り履歴情報及びゲーム説明が一旦通常表示されたのち、上情報表示レイヤ36a及び下情報表示レイヤ36cは、特図変動表示ゲームに支障がないように半透明表示にされ、別表示にされ又は適宜表示態様が変化させられる(【0455】)f 遊技機1(【0011】)。」
2 周知技術
(1)周知技術1
「情報の表示・非表示の制御に関して、所定の操作を検出すると、一度表示させた情報を再び非表示にしたり、一度非表示とさせた情報を再び表示したりするなどして、情報の表示・非表示の変更を複数回可能とすること」は例えば、当審で通知した拒絶の理由において引用され、本願出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった国際公開第2016/036472号(引用例2)、特開2013-215409号公報(引用例3)、特開2014-87504号公報(引用例4)に以下の事項が記載されているように周知技術(以下、「周知技術1」という。)である。
ア 引用例2(国際公開第2016/036472号)
「[00297] In some embodiments, enabling display of the notification includes enabling display of an animation that translates the notification onto the display unit in a first direction, and the second contact meets the dismissal criteria when the second contact comprises a movement of the contact in a second direction opposite the first direction.」
(日本語訳)
「[00297]いくつかの実施形態では、通知の表示を有効にすることは、通知をディスプレイユニット上で第1の方向に移動させるアニメーションの表示を有効にすることを含み、第2の接触が第1の方向とは反対の第2の方向への接触の移動を含む場合、第2の接触は、消去基準に合致する。」
イ 引用例3(特開2013-215409号公報)
「【0047】具体的には、図5,6に示すように、通常遊技状態で遊技情報補助画像45が透明板30にあらかじめ形成された反射部35において遊技者に視認可能に表示されている状態で、遊技者が演出操作部22を操作すると、図6に示すように、該遊技情報補助画像45が非表示となる。【0048】例えば、遊技者が当該パチンコ遊技機1の遊技内容を熟知しており、通常遊技状態において遊技情報補助画像45の表示が不要である場合には、前記演出操作部22を操作して、該遊技情報補助画像45を非表示にして表示態様を変えることにより、遊技盤10上での遊技が視認しやすいようにすることができる。あるいは、該遊技情報補助画像45が透明板30上に表示されることにより、遊技球の転動態様などの該遊技盤10上の様子が視認しづらい場合にも、該遊技情報補助画像45を非表示することができる。【0049】一方、通常遊技状態にあって、前記遊技情報補助画像45が非表示である状態で再度演出操作部22を操作すると、該遊技情報補助画像45が再表示され、表示態様が変更される。【0050】例えば、該遊技情報補助画像45が非表示である場合に、遊技者が急に遊技情報補助画像45の内容を参照あるいは確認したい場合には、前記演出操作部22を操作して、該遊技情報補助画像45を再表示して参照あるいは確認することができる。」
ウ 引用例4(特開2014-87504号公報)
「【0739】〔ルート切替説明演出〕また、画面上部において、女性キャラクターによるセリフ「このメッセージは(PUSH)(演出切替ボタン45を模した画像)でON/OFFするよ!」の文字情報を表示する演出に変更される。これにより、演出切替ボタン45を押下することで、ルート切替説明演出の表示/非表示を操作できることを遊技者に教示することができる。したがって、大当り終了後の高速消化状態にある時間短縮状態中に常時ルート切替説明演出を実行するか否かを遊技者に選択させることができ、同じメッセージが繰り返し表示されるといった遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。」
(2)周知技術2
「遊技機において、変動演出中に、実行中の変動演出の個別的な内容の説明を行うこと」は、例えば、当審で新たに引用する特開2002-66045号公報(引用例5)、特開平7-124307号公報(引用例6)、特開2012-19909号公報(引用例7)に以下の事項が記載されているように周知技術(以下、「周知技術2」という。)である。
ア 引用例5(特開2002-66045号公報)
「【0006】【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記弾球遊技機においては,キャラクタの出現などの予告演出の内容が説明されないので,特に初心者は「大当たり」や「リーチ状態の発生」である予告演出を理解できないという問題がある。また,新機種の弾球遊技機が登場した場合にも,遊技者が予告演出の内容を最初から理解することは困難である。【0007】一方,予告演出の内容は,専門雑誌を参考にして理解することもできるが,必ずしも全ての予告演出が説明されているわけではない。また,かかる専門雑誌を愛読する遊技者も一部の遊技者に限られる。さらに,遊技者は,数多くの遊技を経験して予告演出の内容を徐々に理解することもできるが,予告演出の内容を誤って理解した場合には遊技者が不信感を募らせる場合もある。【0008】一方,「大当たり」や「リーチ状態」を予告演出する際に,同時に,予告演出の内容も説明することも考えられるが,常に予告演出を画一的に説明するのではその説明自体が予告演出の一部となる。このため,予告演出がマンネリ化して遊技者が飽き易くなるという問題もある。【0009】したがって,本発明の目的は,特定図柄の確定あるいは特定図柄のリーチ状態の発生などの予告演出の内容を遊技者に理解させると共に,遊技者が飽きることなく遊技を堪能することが可能な新規かつ改良された弾球遊技機を提供することにある。【0010】【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため,請求項1記載の発明では,複数の図柄が変動した後,停止表示される図柄表示手段と,前記図柄表示手段で停止表示された図柄が特定図柄である場合に,遊技者に対して有利な特別遊技を行わせる特別遊技発生手段と,前記特定図柄が停止表示される前に,前記特定図柄の停止表示が確定することあるいは前記特定図柄のリーチ状態が発生することを所定方法で予告演出する予告演出手段と,を有する弾球遊技機において,前記弾球遊技機は,さらに,前記各予告演出の内容を説明する予告演出説明手段を有する,ことを特徴とする弾球遊技機が提供される。」
「【0061】なお,表示されるメッセージの内容は,上記予告演出パターンに応じて,以下のメッセージ形式から選択される。【0062】(予告演出1,予告演出2)メッセージ形式1:おいらが出てくると約50%でリーチだ。メッセージ形式2:おいらの後にポチが出てくれば100%リーチ。続きを表示(全13行)メッセージ形式3:おいらの帽子のかぶり方にに注目。【0063】(予告演出3)メッセージ形式1:ポチがフリスビーをキャッチしてスーパー確定メッセージ形式2:スーパー確定,大当たり期待度27%メッセージ形式3:キャッチの仕方に注意しろ!。【0064】(予告演出4)メッセージ形式1:キャッチの仕方に注意しろ!,大当たり確定だ!。メッセージ形式2:フリスビーの動きをよく見れば判別できるぞ!。メッセージ形式3:大当たり確定だ!。」
「【0098】また,上記実施形態においては,予告演出説明をおこなう構成を例に挙げて説明したが,かかる例に限定されない。予告演出説明手段の作動及び非作動を選択する予告演出説明選択手段とを設け,遊技者が予告説明表示を選択できるようにしても良い。かかる構成により,予告演出の説明をおこなうか否かは,遊技者の意志により決定することができる。この結果,遊技者は,弾球遊技機の設置期間,無遊技期間,予告演出説明の回数などの条件とは無関係に,予告演出の説明を受けたい場合には必ず予告演出の説明がおこなわれる。また,予告演出の説明が不要な場合には,遊技者の意志により予告演出の説明を省略することができる。このように,遊技者の要求に応じた弾球遊技機を提供することができる。」
イ 引用例6(特開平7-124307号公報)
「【0021】また、請求項3記載の構成によれば、遊技内容を説明する画像データを有する基盤16を用意することにより、本来のLCDが有する高い情報量を用いた複雑な可変表示ゲームを行なうものとした場合に、初心者でも容易に行なえるように遊技内容を説明することができる。そして、遊技者が可変表示ゲームに慣れて、遊技内容を説明する画像が邪魔になったような場合には、上述のように基盤16を差し代えることにより、遊技内容を説明する画像に代えて他の画像を表示することができる。」
「【0048】そして、前記可変表示ゲームにおいては、7が三枚揃った場合を除いて、一般の可変表示ゲームで、大当たりの当別図柄の組合せである各カードCdが同じ図柄となっても大当たりとならず、また、一般の可変表示ゲームでは、通常外れとなるスターとエースとジャックといったばらばらな特別図柄の組合せで大当たりとなるようになっている。したがって、この実施例のパチンコ遊技機Aを遊技者が初めて遊技した場合には、どうしても戸惑うことになる。【0049】そこで、この実施例のパチンコ遊技機Aにおいては、電源投入後もしくは可変表示ゲーム終了後に予め記憶された乱数がなく、かつ始動スイッチからの信号が入力していない段階においては、図10ないし図13に示すように、当りの特別図柄の組合せの画像とそれを説明するメッセージMを表示するようにしている。また、可変表示ゲーム作動中において、図14及び図15に示すように、二つの小当りもしくは大当たりになる可能性がある特別図柄が停止した状態で、三つ目の図柄が停止するまでの間、どの特別図柄が三つ目に停止すれば、大当たりもしくは小当りになるかを説明するメッセージMが挿入された画像を表示するようになっている。」
「【図14】[図:0001380452000001.jpg]【図15】[図:0001380452000002.jpg]」
ウ 引用例7(特開2012-19909号公報)
「【0281】図35は、リーチ予告、大当り予告および確変示唆演出に対する説明演出の表示例を示す説明図である。図35(A)には、リーチ予告演出に対する説明演出を示し、図35(B)には、大当り予告演出に対する説明演出を示し、図35(C)には、確変示唆演出に対する説明演出を示している。ここで、「説明演出」とは、特定の演出(この実施の形態では、リーチ予告演出、大当り予告演出、確変示唆演出)の内容を説明する演出のことをいう。なお、例えば、大当り予告は、図14に示したキャラクタ予告CAY1(すなわち、図15に示した表示系予告パターンYAP1?1~1?5)であるとし、リーチ予告は、図14に示したステップアップ予告CAY2(すなわち、図16に示した表示系予告パターンYAP2?1~2?5)であるとする。【0282】具体的には、図35(A)に示すように、リーチ予告演出が演出表示装置9の画面上にUFOが出現する演出であれば、リーチ予告演出に対する説明演出は「UFOが出現するとリーチが発生するよ!」というような説明を表示する。また、図35(B)に示すように、大当り予告演出が演出表示装置9の画面上に星が出現する演出であれば、大当り予告演出に対する説明演出は「星が出現すると大当りになる可能性が高い!!」というような説明を表示する。また、図35(C)に示すように、確変示唆演出が潜伏モード中において演出表示装置9の画面上にキャラクタが出現(登場)する演出であれば、確変示唆演出に対する説明演出は「キャラクタの出現後、演出モードが昇格すると確変の可能性が高い!!」というような説明を表示する。【0283】この実施の形態では、説明演出が実行されると特定演出(リーチ予告演出、大当り予告演出、確変示唆演出)が実行されやすい(すなわち、特定演出を実行するときに説明演出が実行されやすい)ように構成されている(後述する図48、図49参照)。図35(A)に示す例では、左中右の演出図柄の変動中においてリーチ予告演出の説明演出が実行された後、リーチ予告演出としてUFOが出現する演出が実行されると、左右の演出図柄が同一図柄(図35(A)に示す例では「3」)で停止表示されてリーチが発生する。図35(B)に示す例では、左中右の演出図柄の変動中において大当り予告演出の説明演出が実行された後、左右の演出図柄が同一図柄(図35(A)に示す例では「3」)で停止表示されてリーチが発生し、さらに大当り予告演出として星が出現する演出が実行されると、リーチ演出(例えばスーパーリーチの演出)が実行され、その後に中の演出図柄が左右の演出図柄と同一図柄(図35(B)に示す例では「3」)で停止表示されて(左中右の演出図柄が同一図柄で揃って)大当りが発生する。図35(C)に示す例では、潜伏モード中において左中右の演出図柄が変動されているときに確変示唆演出の説明演出が実行された後、確変示唆演出としてキャラクタが出現する演出が実行され、さらに演出モードが昇格すると、遊技状態が確変状態に制御されている可能性が高いことになる。」
「【図35】[図:0001380452000003.jpg]」
3 対比・判断
(1)対比
ア 特定事項A
引用発明のaの「特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲーム)」は、「遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合に実行され」、「大当り状態(特別遊技状態)となると」、「遊技者に所定の遊技価値(賞球)が付与されるもの」であるから、本願発明の特定事項Aでいうところの「始動条件の成立により」実行され、「遊技者に所定の遊技利益を付与する」ものであるといえる。
そうすると、引用発明のaにおいて「遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合に実行され」、「大当り状態(特別遊技状態)となると」、「遊技者に所定の遊技価値(賞球)が付与される」「特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲーム)の当り外れを判定する」ことは、本願発明の特定事項Aの「始動条件の成立により、遊技者に所定の遊技利益を付与するか否かの判定処理」に相当するといえるから、引用発明のaの「遊技制御装置600のCPU611a」は、本願発明の「始動条件の成立により、遊技者に所定の遊技利益を付与するか否かの判定処理を実行する判定手段」に相当する。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Aを備える。
イ 特定事項B
引用発明のb1の「表示装置36」は、本願発明の特定事項Bの「画像表示部」に相当する。
引用発明のb2の「特図変動表示ゲームの結果が大当り状態(特別遊技状態)となったことに対応して、表示装置36の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)」とすることは、本願発明の特定事項Bの「前記判定処理の結果を」「報知する」ことに相当する。
引用発明のb3において「左情報表示レイヤ36b」に表示される「特図変動表示ゲームでリーチが形成される可能性や大当りとなる可能性に応じた予告情報」を「表示」することは、本願発明の特定事項Bの「前記判定処理の結果を示唆」「する」ことに相当する。また、引用発明の「特図変動表示ゲーム」自体、「リーチ」や「大当り」等により、本願発明の特定事項Bでいうところの「前記判定処理の結果を示唆または報知する」ものであるといえる。
そうすると、引用発明の「飾り特図変動表示ゲーム」は、本願発明の特定事項Bの「前記判定処理の結果を示唆または報知する変動演出」に相当し、引用発明のb3の「右情報表示レイヤ36d」に表示される「特図変動表示ゲームにおける動画やキャラクタ等の演出画像」は、本願発明の特定事項Bの「演出画像」に相当する。
そして、引用発明のb1の「演出制御装置700」は、「特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲーム」を「表示装置36」に「表示する処理」を行うものであるから、本願発明の特定事項Bの「前記判定処理の結果を示唆または報知する変動演出において演出画像を画像表示部に表示する画像表示手段」に相当する。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Bを備える。
ウ 特定事項C
引用発明のcの「演出操作装置100」は、「遊技者が操作ボタン110を押してボタン操作をしたり、操作ボタン110の表面をなぞってタッチパネル150によるパネル操作をしたりする」ことが可能なものであるから、本願発明の特定事項Cの「遊技者が操作可能な操作部」に相当する。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Cを備える。
エ 特定事項D
引用発明のdの「静電容量型のタッチセンサ」は、「演出操作装置100」の「タッチパネル150」を構成し、「遊技者からの入力操作を受け付ける」ものであるから、本願発明の特定事項Dの「前記操作部に入力された操作を検出する検出手段」に相当する。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Dを備える。
オ 特定事項E
引用発明のb3にあるとおり、「下情報表示レイヤ36c」に表示される「ゲーム説明」の画像は「特図変動表示ゲームにおいて図柄が3個消灯するとチャンスである等」の説明を行うものであるから、本願発明の特定事項Eの「前記変動演出中に、この実行されている変動演出の内容を説明する特定画像」と対比すると、両者は、変動演出中に、該変動演出を説明する画像である点で共通する。
そして、引用発明のe1~e3を総合すると、引用発明の「演出制御装置700」(画像表示手段)は、「飾り特図変動表示ゲーム」(変動演出)中に、「遊技者」により「下から上へ」「タッチパネル150」(の「静電容量型のタッチセンサ」)が「フリック操作」される(検出手段によって操作が検出される)と、「ゲーム説明」の画像(変動演出を説明する画像)を「表示装置36」に「一旦通常表示」させた(該変動演出を説明する画像が表示されている状態と非表示の状態とを変更する)のち、「半透明表示に」し、「別表示に」し「又は適宜表示態様」を「変化させ」るものであるといえる。
よって、引用発明のe1~e3と本願発明の特定事項Eとは、「前記画像表示手段は、前記変動演出中に」、「前記検出手段によって操作が検出されると、」該変動演出を説明する画像が表示されている状態と非表示の状態とを変更するものである点で共通する。
カ 特定事項F
引用発明のfの「遊技機1」は、本願発明の特定事項Fの「遊技機」に相当する。
よって、引用発明は、本願発明の特定事項Fを備える。
キ 一致点、相違点
上記ア~カによれば、本願発明と引用発明は
「A 始動条件の成立により、遊技者に所定の遊技利益を付与するか否かの判定処理を実行する判定手段と、B 前記判定処理の結果を示唆または報知する変動演出において演出画像を画像表示部に表示する画像表示手段と、C 遊技者が操作可能な操作部と、D 前記操作部に入力された操作を検出する検出手段と、を備え、E’前記画像表示手段は、前記変動演出中に、前記検出手段によって操作が検出されると、該変動演出を説明する画像が表示されている状態と非表示の状態とを変更するF 遊技機。」
の点で一致し、次の点で相違する。
[相違点(特定事項E)]
「前記画像表示手段」が「前記変動演出中に、前記検出手段によって操作が検出されると、該変動演出を説明する画像が表示されている状態と非表示の状態とを変更する」処理に関して、
本願発明では、「前記変動演出中に、この実行されている変動演出の内容を説明する特定画像が前記画像表示部に表示されている状態で、前記検出手段によって操作が検出されると、該特定画像を非表示にする」のに対して、
引用発明では、「演出制御装置700」(画像表示手段)は、「飾り特図変動表示ゲーム」(変動演出)中に、「遊技者」により「下から上へ」「タッチパネル150」(の「静電容量型のタッチセンサ」)が「フリック操作」される(検出手段によって操作が検出される)と、「ゲーム説明」の画像(変動演出を説明する画像)を「表示装置36」に「一旦通常表示」させた(該変動演出を説明する画像が表示されている状態と非表示の状態とを変更する)のち、「半透明表示に」し、「別表示に」し「又は適宜表示態様」を「変化させ」る点。
(2)相違点についての判断
ア 操作検出時の処理
上記相違点のとおり、本願発明では「操作が検出されると、該特定画像を非表示にする」(すなわち、表示から非表示にする)のに対して、引用発明では、「遊技者が、」「下から上へ」「タッチパネル150」(の「静電容量型のタッチセンサ」)を「フリック操作する」(検出手段によって操作が検出される)と、「ゲーム説明」の画像(変動演出を説明する画像)を「表示装置36」に「一旦通常表示」する(すなわち、非表示から表示にする)ものである。
ここで、上記2(1)で述べたとおり、「情報の表示・非表示の制御に関して、所定の操作を検出すると、一度表示させた情報を再び非表示にしたり、一度非表示とさせた情報を再び表示したりするなどして、情報の表示・非表示の変更を複数回可能とすること」は周知技術(周知技術1)である。周知技術1は、本願発明の特定事項Eのうち、「特定画像が画像表示部に表示されている状態で、検出手段によって操作が検出されると、該特定画像を非表示にする」との特定事項を備えるといえる。
引用発明では、そのe3において、ゲーム説明(変動演出を説明する画像)が遊技者にとって不要な情報となり得る(引用例1の【0456】参照)ことを前提に、ゲーム説明を一旦通常表示したのちに半透明表示にし、別表示にし、又は適宜表示態様を変化させることとされている。このように、引用発明においては、ゲーム説明を半透明表示又は別表示にする以外にも、飾り特図変動表示ゲームの支障とならないように適宜表示態様を変化させるため、種々の技術を適宜採用することが示唆されている。
上記周知技術1は、情報の表示・非表示の制御に関する技術である点で引用発明と作用・機能が共通する。また、当該周知技術1は、表示しておく必要がなくなった情報を非表示状態に変化させることが可能なものであるから、上記の飾り特図変動表示ゲームの支障とならないように適宜表示態様を変化させるという目的を達成するために、引用例1において引用発明への適用が示唆されている技術の一種であるといえる。
以上を勘案すると、引用発明及び周知技術1に接した当業者であれば、引用発明において、飾り特図変動表示ゲームの支障とならないように「適宜表示態様を変化」させるための具体的態様として、上記のとおり周知技術1を適用することで、遊技者が一旦「ゲーム説明」の画像を表示させたのちに、さらに「演出操作装置100」(操作部)を操作することで「ゲーム説明」の画像を表示状態から非表示の状態に変更可能な構成とすることは当業者が適宜なし得たことである。
イ 特定画像について
上記アで検討した周知技術1を引用発明に適用すれば、本願発明の特定事項Eと「前記画像表示手段は、前記変動演出中に、該変動演出を説明する特定画像が前記画像表示部に表示されている状態で、前記検出手段によって操作が検出されると、該特定画像を非表示にする」点で共通する構成は得られるが、本願発明の特定事項Eは、特定画像について、「この実行されている変動演出の内容を説明する特定画像」というように、一見するとより限定的な表現で「特定画像」が表現されている点で、なお、文言上の相違が存在している。
(ア)「特定画像」に関する文言上の相違の検討
まず、引用発明の「特図変動表示ゲームにおいて図柄が3個消灯するとチャンス等」の「ゲーム説明」の画像について検討する。当該「ゲーム説明」の画像は、(解釈1)変動演出の一般的な内容の説明(例えば変動演出として演出A~演出Cのいずれかが選択されるものであるとしたとき、演出A~Cのいずれにもあてはまる一般的な内容の説明)にとどまるものであるのか、(解釈2)実行中の変動演出の個別的な内容の説明(例えば、演出A~Cのうち、演出Bが実行されている場合に、演出Bの個別的な内容の説明)まで含むものであるか、明らかではない。
もっとも、引用発明の「ゲーム説明」の画像が、上記「(解釈1)変動演出の一般的な説明」にとどまるものであるとしても、当該一般的な説明は「この実行されている変動演出の内容」についての説明であるともいい得る(例えば、現在、演出Bが実行されている場合に、演出A~Cのいずれにもあてはまる内容の説明であれば、実行されている演出Bの内容の説明であるともいい得る)のであるから、引用発明の「ゲーム説明」の画像は、「この実行されている変動演出の内容を説明する」画像であるとも言い得る。換言すると、本願の請求項1の「この実行されている変動演出の内容を説明する特定画像」という文言の一般的な意味としては(解釈1)の意味を排除するものではない。
次に、本願の明細書、図面の記載も参酌して本願発明の「特定画像」が「(解釈2)実行中の変動演出の個別的な内容の説明」の意味に限定されているといえるかを検討する。本願の明細書は「演出の内容を説明する特定画像」(【0425】)と記載されていて、具体例として図49に「ザコキャラを倒すと中ボス登場」、「中ボスを倒すとラスボス登場」、「ラスボスを倒せば大当たり」が記載されているが、これらの記載を見ても、本願発明においても「特定画像」が上記の「(解釈1)変動演出の一般的な内容の説明」であるのか、「(解釈2)実行中の変動演出の個別的な内容の説明」であるのか明らかではない。すなわち、【0425】の「演出の内容を説明する特定画像」という説明だけでは(解釈1)なのか(解釈2)なのか明らかではないし、「ザコキャラを倒すと中ボス登場」、「中ボスを倒すとラスボス登場」、「ラスボスを倒せば大当たり」という具体的説明の例を参酌しても、これらの説明が(解釈1)図49で実行中の演出以外の演出にもあてはまる変動演出の一般的な内容の説明(例えば、全ての変動演出において、「ザコキャラ」、「中ボス」、「ラスボス」という3段階のバトルで勝利すると大当たりとなる)であるのか、(解釈2)図49で実行中の演出(この実行されている変動演出)の個別的な内容の説明であるのか、明らかではない。そうすると、本願発明の明細書、図面を参酌しても、本願発明の「特定画像」が(解釈2)の意味であると限定して解釈すべき根拠は見出せない。
そうすると、本願発明の「この実行されている変動演出の内容を説明する特定画像」は、請求項の文言のみならず、明細書、図面の記載を参酌しても、上記(解釈1)の意味を排除していないのであるから、引用発明の「ゲーム説明」の画像が上記(解釈1)の意味にとどまるとしても、「ゲーム説明」の画像は上記手続補正書による補正後の「特定画像」と実質的に相違するものとはいえず、本願発明と引用発明の実質的な相違点は上記アで検討した点のみということになる。
したがって、本願発明は、引用発明及び上記周知技術1に基づいて、当業者が容易に想到し得たものである。
(イ)「特定画像」の文言上の相違が実質的相違であると仮定した場合の検討
仮に、本願発明の「この実行されている変動演出の内容を説明する特定画像」が上記「(解釈2)実行中の変動演出の個別的な内容の説明」に限定して解釈されるべきものであるとして、本願発明の「特定画像」が引用発明の「ゲームの説明」の画像と実質的に相違するとしても、上記2(2)で述べたように、「遊技機において、変動演出中に、実行中の変動演出の個別的な内容の説明を行うこと」は周知技術(周知技術2)である。当該周知技術2の「説明」の画像は、本願発明の特定事項Eの「この実行されている変動演出の内容を説明する特定画像」に相当するものである。
ここで、周知技術2を開示する引用例5の【0008】には「説明自体が予告演出の一部」となり「予告演出がマンネリ化して遊技者が飽き易くなる」ことが記載され、【0098】には「予告演出説明手段の作動及び非作動を選択する予告演出説明選択手段とを設け,遊技者が予告説明表示を選択できるようにしても良い」ことが記載され、同じく周知技術2を開示する引用例6には「遊技者が可変表示ゲームに慣れて、遊技内容を説明する画像が邪魔になったような場合には、上述のように基盤16を差し代えることにより、遊技内容を説明する画像に代えて他の画像を表示することができる」ことが記載されているように、説明がマンネリ化したり邪魔になったりすることがあるという課題は、周知技術2が当然に有する課題である。そして、当該課題は、引用発明の「特図変動表示ゲームに支障がないように」「適宜表示態様を変化させ」る(引用例1の【0455】参照)という課題と共通するものである。
そうすると、引用発明と周知技術2は単に遊技機に関する技術である点で技術分野が共通するのみならず、課題も共通するものであるから、引用発明の「ゲーム説明」の画像として、周知技術2のごとく「実行中の変動演出の個別的な内容の説明」とすることは当業者が適宜なし得た事項にすぎない。
ウ 小括
以上のとおりであるから、引用発明において、上記相違点に係る本願発明の特定事項Eとなすことは、当業者が周知技術1に基づいて、あるいは、周知技術1及び2に基づいて、適宜なし得たことである。
(3)審判請求人の主張について
審判請求人は令和3年7月28日に提出の意見書において、
「ここで、引用文献等1においては、確かに、特図変動表示ゲーム中の遊技者の操作に応じて、遊技情報が表示される情報表示レイヤを表示装置上に表示可能に構成された遊技機が見受けられ、特に「下情報表示レイヤ」においては「特図変動表示ゲームにおいて図柄が3個消灯するとチャンスである等のゲーム説明」が表示される旨記載されております。しかし、この「下情報表示レイヤ」に表示されるゲーム説明はあくまで、「特図変動表示ゲーム」で起こりうる一般的な遊技演出を漠然と説明するものに過ぎず、本願発明の「特定画像」のように、「変動演出中に、この実行されている変動演出の内容を説明する」ものではなく、その旨の記載や示唆は何らなされておりません。また、引用文献等1のようなゲーム説明の表示は、現在実行されている変動演出とは無関係な変動演出の説明となってしまう為、リアルタイムで実行されている変動演出の説明が知りたい遊技者にとっては何ら意味を成し得ないものとなっており、結果として遊技者の不信感や嫌悪感に繋がりやすいという問題を有しています。この点、本願発明の「特定画像」は、正に現在実行されている変動演出の内容についての説明をリアルタイムで行うことが可能となっており、遊技者が変動演出の内容について誤解してしまうのを防ぎ、もって遊技者が不信感や嫌悪感を抱くのを防止し、遊技の興趣を向上させることを可能としております。」
と述べている。
審判請求人の主張は、上記(2)イで検討した(解釈1)、(解釈2)のうち、本願発明の「特定画像」は「(解釈2)実行中の変動演出の個別的な内容の説明」であるのに対して、引用発明の「ゲーム説明」の画像は「(解釈1)変動演出の一般的な説明」にとどまる旨の主張であると解される。
しかしながら、上記(2)イ(ア)で述べたとおり、本願の請求項1の文言のみならず、明細書及び図面を参酌しても本願発明の「特定画像」が「(解釈2)実行中の変動演出の個別的な内容の説明」に限定される根拠が乏しく、本願発明は「(解釈1)変動演出の一般的な説明」を排除するものではなく、引用発明の「ゲーム説明」の画像が「(解釈1)変動演出の一般的な説明」に限定されるとしても、請求人の主張する相違点は実質的な相違点とはいえない。
また、審判請求人の主張するように、仮に、本願発明の「特定画像」が「(解釈2)実行中の変動演出の個別的な内容の説明」に限定され、引用発明の「ゲーム説明」の画像が「(解釈1)変動演出の一般的な説明」に限定されるとしても、上記(2)イ(イ)で述べたとおり、「遊技機において、変動演出中に、実行中の変動演出の個別的な内容の説明を行うこと」は周知技術(周知技術2)にすぎず、引用発明において周知技術1と並んで周知技術2を採用することで、本願発明に想到することは当業者が容易になし得たことである。さらに、審判請求人が意見書で主張する「正に現在実行されている変動演出の内容についての説明をリアルタイムで行う」というような効果も、引用発明に周知技術2を採用することで当然に生じる効果に過ぎず、当業者にとって予測が困難な顕著な効果であるとはいえない。
以上より、審判請求人の主張は、本願発明の進歩性を肯定する論拠として採用することはできない。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2020-012735