特許拒絶査定不服審判
2020-009259
情報伝送方法およびデバイス
- 審判番号
- 2020-009259
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2018-551198外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年07月02日
- 審決日
- 2021年09月30日
- 公報発行日
- 2022年03月25日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .161-WZ (H04L)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条の2
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条の2
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2018-551198「情報伝送方法およびデバイス」拒絶査定不服審判事件〔平成29年10月 5日国際公開、WO2017/167264、平成31年 4月25日国内公表、特表2019-511879〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2017年(平成29年)3月31日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2016年3月31日、中国(CN))を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。
平成30年11月 8日 :手続補正書の提出
令和 元年10月25日付け:拒絶理由通知
令和 2年 2月 3日 :意見書、手続補正書の提出
令和 2年 2月26日付け:拒絶査定
令和 2年 7月 2日 :拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提
出
令和 3年 1月28日付け:拒絶理由通知
令和 3年 4月30日 :意見書、誤訳訂正書の提出
第2 本願発明
本願の発明は、令和 3年 4月30日に提出された誤訳訂正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりである。
「 情報伝送方法であって、
第1のデバイスにより、搬送波周波数範囲とサブキャリア間隔セットとの間の対応関係セットに基づいてサービングセルのサブキャリア間隔を決定するステップと、
前記第1のデバイスにより、前記サービングセルの前記サブキャリア間隔に基づいて前記サービングセルのリソースユニットを決定するステップであって、前記リソースユニットが、特定の期間における特定の周波数領域幅の時間周波数リソースであり、前記リソースユニットがシンボルを含む、ステップと、
前記第1のデバイスにより、前記サービングセルの前記リソースユニットに基づいて前記サービングセル内の第2のデバイスに情報を送信し、または、前記サービングセルの前記リソースユニットに基づいて前記サービングセルにおいて、前記第2のデバイスによって送信された情報を受信するステップと
を含み、
前記サービングセルの前記サブキャリア間隔が同じサブキャリア間隔セット内で異なる場合、前記サービングセルの前記リソースユニット内のチャネルが同じリソース位置を占有し、かつ/または前記サービングセルの前記リソースユニット内の信号が同じリソース位置を占有し、前記リソース位置が、シンボル番号によって特定されるシンボルの位置であり、
前記同じサブキャリア間隔セット内に含まれる前記サービングセルのすべてのサブキャリア間隔が、15KHzの倍数または17.5KHzの倍数である、方法。」
第3 拒絶の理由
当審において、令和 3年 1月28日付けて通知した拒絶理由の理由2は、概略、次のとおりのものである。
「(拡大先願)本件出願の請求項1に係る発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた下記の特許出願の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。
1:特願2016-19538号(特開2019-57747号)」
第4 当審の判断
1 特願2016-19538号の記載事項
特願2016-19538号(特開2019-57747号)(以下、「先願1」という。)の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面には、以下の事項が記載されている(下線は当審で付与。)。
(1)「【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、効率的な通信を実現する端末装置、基地局装置および通信方法の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、OFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)通信方式やリソースブロックと呼ばれる所定の周波数・時間単位の柔軟なスケジューリングの採用によって、高速な通信を実現させたEvolved Universal Terrestrial Radio Access(以降E-UTRAと称する)の標準化が行なわれた。」
(2)「【0006】
本発明は、複数のサブキャリア間隔(spacing)をサポートする通信装置(端末装置および/または基地局装置)において、効率的に通信することができる端末装置、基地局装置および通信方法を提供する。」
(3)「【0013】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について以下に説明する。基地局装置(基地局、ノードB、eNB(eNodeB))と端末装置(端末、移動局、ユーザ装置、UE(User equipment))とが、セルにおいて通信する通信システム(セルラーシステム)を用いて説明する。」
(4)「【0019】
本実施形態において、端末装置には、1つのサービングセルが設定される。該1つのサービングセルは、プライマリーセルであってもよい。該1つのサービングセルは、端末装置がキャンプしているセルであってもよい。プライマリーセルは、初期コネクション確立(initial connection establishment)プロシージャが行なわれたセル、コネクション再確立(connection re-establishment)プロシージャを開始したセル、または、ハンドオーバプロシージャにおいてプライマリーセルと指示されたセルである。」
(5)「【0024】
図2は、本実施形態におけるサービングセルの一例である。なお、図2のサービングセルは、ダウンリンクサービングセル、ダウンリンクコンポーネントキャリア、などに換言されてもよい。1つのサービングセルは複数の領域を含んでもよい。図2は、1つのサービングセルに3つの領域が含まれる例を示している。なお、図示していないが、各領域の間にはガード周波数が存在してもよい。なお、図示していないが、各領域はオーバーラップしてもよい。すなわち、各領域の間にはガード周波数が存在しなくてもよい。なお、1つのサービングセルに含まれる領域の数は制限されてもよい。例えば、1つのサービングセルに含まれる領域の数の上限は5つまでに制限されてもよい。なお、1つのサービングセルに含まれる領域には、下りリンク送信に使用される領域と、上りリンク送信に使用される領域が含まれてもよい。例えば、第1の領域と第2の領域は下りリンク送信に使用され、第3の領域は上りリンク送信に使用されてもよい。
【0025】
なお、1つのサービングセルに含まれる領域毎に異なるサブキャリア間隔(spacing)が適用されてもよい。例えば、第1の領域には第1のサブキャリア間隔が適用され、第2の領域には第2のサブキャリア間隔が適用され、第3の領域には第3のサブキャリア間隔が適用されてもよい。なお、領域において適用されるサブキャリア間隔は、後述の要素(1)から要素(4)の一部または全部に基づいて決定されてもよい。」
(6)「【0031】
図4と図5は、本実施形態のスロットの構成を示す図である。本実施形態では、シンボルに対してCP(normal Cyclic Prefix)が適用されてもよい。スロットのそれぞれにおいて送信される物理信号または物理チャネルは、リソースグリッドによって表現される。図4、図5において、横軸は時間軸であり、縦軸は周波数軸である。下りリンクにおいて、リソースグリッドは複数のサブキャリアと複数のシンボルによって定義される。上りリンクにおいて、リソースグリッドは複数のサブキャリアと複数のシンボルによって定義される。なお、下りリンクにおけるシンボルはOFDMシンボル、フィルタードOFDMシンボル、または、DFT-S-OFDMシンボルであってもよい。なお、上りリンクにおけるシンボルはOFDMシンボル、フィルタードOFDMシンボル、SC-FDMAシンボル、または、DFT-S-OFDMシンボルであってもよい。1つのスロットを構成するサブキャリアの数は、セルの帯域幅に依存する。リソースグリッド内のエレメントのそれぞれをリソースエレメントと称する。リソースエレメントは、サブキャリアの番号とシンボルの番号とを用いて識別する。なお、サブキャリア間隔を狭くするとシンボル長は長くなり、サブキャリア間隔を広くするとシンボル長は短くなることは自明である。なお、サブキャリア間隔を狭くするとはサブキャリア帯域幅を狭くすることと同じであり、サブキャリア間隔を広くするとはサブキャリア帯域幅を広くすることと同じである。
【0032】
なお、図4と図5の違いを説明する。図4は周波数領域においてサブキャリア帯域幅(サブキャリア間隔)は可変であるが、時間領域においては可変ではない。換言すると、図4はあるシンボルにおいて複数のサブキャリア間隔が混在する。図5は周波数領域においてサブキャリア帯域幅(サブキャリア間隔)は可変ではないが、時間領域においては可変である。換言すると、図5はあるシンボルにおいて複数のサブキャリア間隔が混在しない。なお、図示はしていないが図4の時間領域において、サブキャリア間隔は準静的に(semi-staticに)可変でもよいし、動的に(dynamicに)可変でもよい。なお、図示はしていないが図4の時間領域においてサブキャリア間隔は準静的に(semi-staticに)可変であってもよい。換言すると、図4の時間領域においてサブキャリア間隔は動的に(dynamicに)可変でなくてもよい。なお、図示はしていないが図5の周波数領域において、サブキャリア間隔は準静的に(semi-staticに)可変でもよいし、動的に(dynamicに)可変でもよい。なお、図示はしていないが図5の周波数領域においてサブキャリア間隔は準静的に(semi-staticに)可変であってもよい。換言すると、図5の周波数領域においてサブキャリア間隔は動的に(dynamicに)可変でなくてもよい。
【0033】
図6は、本実施形態におけるリソースブロックの一例である。所定のサブキャリア数と所定のシンボル数で定義(特定)される領域をリソースブロックと定義してもよい。図6は、周波数領域における4つのサブキャリアと時間領域における4つのシンボルで定義(特定)される領域をリソースブロックと定義した場合の図である。図6に示されるように複数のサブキャリア間隔が適用可能な場合、適用されるサブキャリア間隔に基づいてリソースブロックを定義(特定)する周波数帯域幅と時間の長さが異なる。例えば、あるリソースブロックが帯域幅Y/2kHzと時間2・Bmsで定義(特定)され、あるリソースブロックが帯域幅YkHzと時間Bmsで定義(特定)され、あるリソースブロックが帯域幅2・YkHzと時間B/2msで定義(特定)される。なお、図示していないが、1つのリソースブロック内に複数のサブキャリア間隔および/またはシンボル長が含まれてもよい。」
(7)「【0037】 なお、リソースブロックは、ある物理チャネル(下りリンクのデータチャネル(例えば、PDSCH)または上りリンクのデータチャネル(例えば、PUSCH)など)のリソースエレメントへのマッピングを表現するために用いられてもよい。リソースブロックは、仮想リソースブロックと物理リソースブロックが定義されてもよい。ある物理チャネルは、まず仮想リソースブロックにマップされてもよい。その後、仮想リソースブロックは、物理リソースブロックにマップされてもよい。物理リソースブロックは周波数領域において0から番号が付けられてもよい。なお、リソースブロックはチャンクと称されてもよい。」
(8)「【0065】
なお、本実施形態における「信号」は、無線リソース、リソース、チャネル、物理チャネル、論理チャネル、キャリア、周波数、搬送波周波数、バンド、帯域幅、電波、信号波形、無線フレーム、フレーム、サブフレーム、スロット、リソースブロック、リソースブロックのセット、リソースエレメント、リソースエレメントのセット、シンボル、シンボルのセット、OFDMシンボル、DFT-S-OFDMシンボル(SCFDMAシンボル)、サブキャリア、サブフレーム、セル、サービングセル、トランスポートブロック、TTI(Transmission Time Interval)、などに換言することができる。
【0066】
また、本実施形態において、無線リソース、リソース、チャネル、物理チャネル、論理チャネル、キャリア、周波数、搬送波周波数、バンド、帯域幅、電波、信号波形、無線フレーム、フレーム、サブフレーム、スロット、リソースブロック、リソースブロックのセット、リソースエレメント、リソースエレメントのセット、シンボル、シンボルのセット、OFDMシンボル、DFT-S-OFDMシンボル(SCFDMAシンボル)、サブキャリア、サブフレーム、セル、サービングセル、トランスポートブロック、TTI(Transmission Time Interval)、などを「信号」に換言することも当然可能である。
(9)「【0078】
なお、1つのオペレーティングバンドに適用可能なサブキャリア間隔は、複数存在してもよい。すなわち、1つのオペレーティングバンドに対して「適用可能なサブキャリア間隔のセット」が定義されてもよい。例えば、1つのオペレーティングバンドに対して適用可能なサブキャリア間隔のセットは、図21の様なテーブルで管理されてもよい。例えば、図21のテーブルのインデックス(インデックス番号、オペレーティングバンドを管理する番号、オペレーティングバンドの番号を示すインデックス)を基地局装置から端末装置へ通知することで、端末装置は適用されるオペレーティングバンドを知ってもよい。換言すると、図21のテーブルのインデックスを基地局装置(第2のデバイス)から端末装置(第1のデバイス)へ通知することで、端末装置は適用可能なサブキャリア間隔のセットを知ってもよい。換言すると、端末装置は設定されたオペレーティングバンドを示す情報に基づいて(暗示的に)適用可能なサブキャリア間隔のセットを知ってもよい。更に、適用可能なサブキャリア間隔のセットのうち、要素(1)から要素(4)の一部または全部に基づいて、適用可能なサブキャリア間隔(適用可能なサブキャリア間隔のセットの内、実際に適用されるサブキャリア間隔)が決定されてもよい。
(10)「【0081】
例えば、オペレーティングバンドが図20、図21、図24、図25の様なテーブルで管理される場合、オペレーティングバンドはテーブルで管理されることが好ましく、テーブルで管理される各オペレーティングバンドには、対応するインデックスが与えられる。該インデックスには、対応するアップリンクオペレーティングバンドとダウンリンクオペレーティングバンドとデュプレックスモードが紐付けられる。なお、アップリンクオペレーティングバンドは基地局装置における受信および端末装置における送信に使用されるオペレーティングバンドであり、ダウンリンクオペレーティングバンドは基地局装置における送信および端末装置における受信に使用されるオペレーティングバンドである。なお、アップリンクオペレーティングバンドとダウンリンクオペレーティングバンドは、それぞれ下限の周波数と上限の周波数(対応する周波数帯)で与えられることが好ましい。なお、デュプレックスモードはTDDまたはFDDで与えられることが好ましい。なお、デュプレックスモードは、TDDとFDD以外であってもよい。例えば、デュプレックスモードは、送信バースト(少なくともダウンリンクバーストを含む、アップリンクバーストを含むか否かは任意)であってもよい。なお、テーブルのデュプレックスモードはフレーム構成タイプ(Frame structure type)であってもよい。なお、フレーム構成タイプ1(Frame structure type 1)は周波数分割複信(Frequency Division Duplex、FDD)に適用できる。フレーム構成タイプ2(Frame structure type 2)は時分割複信(Time Division Duplex、TDD)に適用できる。フレーム構成タイプ3は、LAA(Licensed Assisted Access)セルのオペレーションまたはLAA(Licensed Assisted Access)セカンダリーセルのオペレーションに対して適用できる。」
(11)「【0258】
また、上述した実施形態における基地局装置-1あるいは基地局装置-2は、EUTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)であってもよい。また、上述した実施形態における基地局装置-1あるいは基地局装置-2は、eNodeBに対する上位ノードの機能の一部または全部を有してもよい。」
(12)【図2】
[図:0001381951000001.jpg]
(13)【図6】
[図:0001381951000002.jpg]
(14)【図21】
[図:0001381951000003.jpg]
図21によると、複数のオペレーティングバンドがテーブルで管理されており、各オペレーティングバンドに対して適用可能なサブキャリア間隔のセットに含まれるサブキャリア間隔は、15KHz,75KHz,540KHz,600KHzである。また、各オペレーティングバンドにおいては、FDD(type 1),TDD(type 2)あるいはLAA(type 3)のいずれか1つのフレーム構成タイプが特定されている。
2 先願発明
上記(1)~(14)の記載より、先願1には、次の発明(以下、「先願発明」という。)が記載されていると認められる。
「複数のサブキャリア間隔をサポートする通信装置において、効率的に通信することができる通信方法であって(【0006】)、リソースブロックと呼ばれる所定の周波数・時間単位の柔軟なスケジューリングの採用によって、高速な通信を実現させたE-UTRAであり(【0002】、【0258】)、
端末装置には、1つのサービングセルが設定され(【0019】)、
テーブルにより、複数のオペレーティングバンドについて各オペレーティングバンドに対して適用可能なサブキャリア間隔のセットを管理し、テーブルのインデックスを基地局装置から端末装置へ通知することで、端末装置は設定されたオペレーティングバンドを示す情報に基づいて(暗示的に)適用可能なサブキャリア間隔のセットを知ってもよく、適用可能なサブキャリア間隔のセットのうち、適用可能なサブキャリア間隔が決定されてもよく(【0078】)、
所定のサブキャリア数と所定のシンボル数で定義(特定)される領域をリソースブロックと定義し、複数のサブキャリア間隔が適用可能な場合、適用されるサブキャリア間隔に基づいてリソースブロックを定義(特定)する周波数帯域幅と時間の長さが異なり(【0033】)、
リソースブロックは、ある物理チャネル(下りリンクのデータチャネル(例えば、PDSCH)または上りリンクのデータチャネル(例えば、PUSCH)など)のリソースエレメントへのマッピングを表現するために用いられ(【0037】)、
リソースエレメントは、サブキャリアの番号とシンボルの番号とを用いて識別し(【0031】)、
インデックスには、デュプレックスモードが紐付けられ、デュプレックスモードはフレーム構成タイプであってもよく(【0081】)、各オペレーティングバンドにおいては、FDD(type 1),TDD(type 2)あるいはLAA(type 3)のいずれか1つのフレーム構成タイプが特定され(【図21】)、
各オペレーティングバンドに対して適用可能なサブキャリア間隔のセットに含まれるサブキャリア間隔は、15KHz,75KHz,540KHz,600KHzである(【図21】)、
方法。」
3 対比
本願発明と先願発明を対比する。
(1)先願発明は、「E-UTRA」における技術であるから、「端末装置」と「基地局装置」との間で情報の送受信を行うものであり、先願発明の「端末装置」、「基地局装置」は、それぞれ、本願発明の「第1のデバイス」、「第2のデバイス」に対応する。
(2)『 第1のデバイスにより、搬送波周波数範囲とサブキャリア間隔セットとの間の対応関係セットに基づいてサービングセルのサブキャリア間隔を決定するステップ』について
先願発明の「オペレーティングバンド」は、本願発明の「搬送波周波数範囲」に相当し、「複数のオペレーティングバンドについて各オペレーティングバンドに対して適用可能なサブキャリア間隔のセットを管理」する「テーブル」は、本願発明の「搬送波周波数範囲とサブキャリア間隔のセットとの間の対応関係セット」に相当する。
そして、先願発明は、「テーブルのインデックスを基地局装置から端末装置へ通知することで、端末装置は設定されたオペレーティングバンドを示す情報に基づいて(暗示的に)適用可能なサブキャリア間隔のセットを知ってもよく、適用可能なサブキャリア間隔のセットのうち、適用可能なサブキャリア間隔が決定されてもよ」のであるから、先願発明の「端末装置」は、「テーブル」に基づいて「サブキャリア間隔を決定している。
(3)『前記第1のデバイスにより、前記サービングセルの前記サブキャリア間隔に基づいて前記サービングセルのリソースユニットを決定するステップであって、前記リソースユニットが、特定の期間における特定の周波数領域幅の時間周波数リソースであり、前記リソースユニットがシンボルを含む、ステップ』、及び『前記第1のデバイスにより、前記サービングセルの前記リソースユニットに基づいて前記サービングセル内の第2のデバイスに情報を送信し、または、前記サービングセルの前記リソースユニットに基づいて前記サービングセルにおいて、前記第2のデバイスによって送信された情報を受信するステップ』について
先願発明の「リソースブロック」は、「所定のサブキャリア数と所定のシンボル数で定義される」ものであるから、「特定の期間における特定の周波数領域幅の時間周波数リソース」であって、シンボルを含むものであるから、本願発明の『特定の期間における特定の周波数領域幅の時間周波数リソースであり、前記リソースユニットがシンボルを含』んでいる「リソースユニット」に相当する。
ここで、先願発明の「リソースブロック」は、「適用されるサブキャリア間隔に基づいて」「周波数帯域幅と時間の長さが異な」ることから、サブキャリア間隔が決定されることに伴って、サブキャリア間隔に対応した「リソースブロック」も決定されるといえるから『前記第1のデバイスにより、前記サービングセルの前記サブキャリア間隔に基づいて前記サービングセルのリソースユニットを決定』しているといえる。
さらに、先願発明は、「リソースブロックと呼ばれる所定の周波数・時間単位の柔軟なスケジューリングの採用によって、高速な通信を実現」するものであるから、決定された「リソースブロック」に基づいて、端末装置と基地局装置との間で情報の送受信を行う,すなわち『前記第1のデバイスにより、前記サービングセルの前記リソースユニットに基づいて前記サービングセル内の第2のデバイスに情報を送信し、または、前記サービングセルの前記リソースユニットに基づいて前記サービングセルにおいて、前記第2のデバイスによって送信された情報を受信する』といえる。
(4)先願発明のサブキャリア間隔は15KHz,75KHz,540KHz,600KHzであって,15KHz,75KHz,540KHz,600KHzは,それぞれ15KHzの1倍,5倍,36倍,40倍であるから,いずれも15KHzの倍数である。
そうすると、本願発明と先願発明は、以下の点で一致し、一応相違する。
[一致点]
「 情報伝送方法であって、
第1のデバイスにより、搬送波周波数範囲とサブキャリア間隔セットとの間の対応関係セットに基づいてサービングセルのサブキャリア間隔を決定するステップと、
前記第1のデバイスにより、前記サービングセルの前記サブキャリア間隔に基づいて前記サービングセルのリソースユニットを決定するステップであって、前記リソースユニットが、特定の期間における特定の周波数領域幅の時間周波数リソースであり、前記リソースユニットがシンボルを含む、ステップと、
前記第1のデバイスにより、前記サービングセルの前記リソースユニットに基づいて前記サービングセル内の第2のデバイスに情報を送信し、または、前記サービングセルの前記リソースユニットに基づいて前記サービングセルにおいて、前記第2のデバイスによって送信された情報を受信するステップと
を含み、
前記同じサブキャリア間隔セット内に含まれる前記サービングセルのすべてのサブキャリア間隔が、15KHzの倍数または17.5KHzの倍数である、方法。」
[相違点]
本願発明は、「前記サービングセルの前記サブキャリア間隔が同じサブキャリア間隔セット内で異なる場合、前記サービングセルの前記リソースユニット内のチャネルが同じリソース位置を占有し、かつ/または前記サービングセルの前記リソースユニット内の信号が同じリソース位置を占有し、前記リソース位置が、シンボル番号によって特定されるシンボルの位置」であることが特定されているのに対して、先願発明は、「各オペレーティングバンドにおいては、FDD(type 1),TDD(type 2)あるいはLAA(type 3)のいずれか1つのフレーム構成タイプが特定され」るものである点。
4 判断
上記相違点について、検討する。
[相違点について]
先願発明の「リソースブロック」は、物理チャネルのリソースエレメントへのマッピングを表現するために用いられるものであり、「リソースブロック」は、「所定のサブキャリア数と所定のシンボル数」で定義されるものであるから、異なるサブキャリア間隔が適用される場合であっても、リソースブロックに含まれるサブキャリアの数とシンボルの数は同一となっている。
また、「各オペレーティングバンドにおいては、1つのフレーム構成タイプが特定され」ることから、対応するサブキャリア間隔のセットにおいて、異なるサブキャリア間隔が適用される場合であっても、そのフレーム構成タイプは同一である。
そうすると、先願発明は、異なるサブキャリア間隔が適用される場合であっても、フレーム構成タイプが同一であり、リソースブロックは、サブキャリアの数とシンボルの数が同一であるから、物理チャネルのリソースエレメントへのマッピングは、異なるサブキャリア間隔が適用される場合であっても、同じマッピングが行われているといえる。
そして、先願発明において「リソースエレメント」は、「サブキャリアの番号とシンボルの番号とを用いて識別」されるから、物理チャネルは、シンボル番号によって特定されるシンボルの位置であるリソース位置が、同じリソース位置を占有するものである。
よって、上記相違点は、実質的な相違点ではない。
したがって、本願発明は、先願発明と同一である。
5 意見書の主張について
請求人は、令和3年4月30日に提出された意見書において、次の主張をする。
「 先願に係る発明(以下、「先願発明」と称します。)は、その図6,7に記載されるように、異なるサブキャリア間隔に対するリソースブロックを定義(特定)するものの、本願発明のように、時間領域において「異なるサブキャリア間隔に対して同じリソース位置を占有する」ことまでは行いません。
特に、先願発明における「シンボル数を一定数とする」ことは、本願発明における「シンボル番号によって特定されるシンボルの位置」を均一にすることと異なるものと思量いたします。」
しかしながら、上記4で判断したとおり、先願発明においても、「シンボル番号によって特定されるシンボルの位置」は、同じであるといえるから、上記主張は採用できない。
第5 むすび
以上のとおり、本願発明は、その出願の日前の特許出願であって、その出願後に出願公開がされた先願1の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないので、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2020-009259