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特許拒絶査定不服審判

2020-006872

神経刺激用のパターン化された刺激強度

審判番号
2020-006872
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2018-061564外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2020年05月20日
審決日
2021年09月08日
公報発行日
2022年03月25日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .113-Z (A61N) / P18 .121-Z (A61N)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2018- 61564号「神経刺激用のパターン化された刺激強度」拒絶査定不服審判事件〔平成30年8月2日出願公開、特開2018-118098号〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論
本件審判の請求は、成り立たない。

理由

目次 ▾ 6項目
理 由

第1 手続の経緯

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本願は、2014年(平成26年)12月16日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2013年12月16日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願である特願2016-540048号の一部を平成30年3月28日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成30年 3月28日 :翻訳文の提出
平成30年 3月28日 :手続補正書の提出
平成30年 6月 5日 :上申書、手続補正書の提出
平成31年 3月 1日付け :拒絶理由通知
令和 元年 9月 5日 :意見書、手続補正書の提出
令和 2年 1月31日付け :拒絶査定
令和 2年 5月20日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 3年 2月22日付け :拒絶理由通知
令和 3年 6月 2日 :意見書、手続補正書の提出

第2 本願発明

令和3年6月2日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。

「センサーと
個体の末梢神経組織の、感覚刺激のための感覚神経の軸索を含む神経束への印加用刺激信号を生成するように構成されたパルスジェネレーターと、
前記パルスジェネレーターに連結され、前記刺激信号を前記末梢神経組織に印加するように構成された電極と、
を備え、
前記パルスジェネレーターは、前記センサーからの信号であるフィードバック信号に基づいて、前記刺激信号が前記フィードバック信号内のデータを人工的な触覚に変換するように、前記刺激信号に関するパラメーターを調整する、ように構成されている、
システム。」

第3 拒絶の理由

令和3年2月22日付けで当審が通知した拒絶理由のうち理由1は、概略、次のとおりのものである。

この出願の請求項1に係る発明は、その優先権主張の日(以下、「優先日」という。)前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物1(以下、「引用文献1」という。)に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。また、この出願の請求項1に係る発明は、その優先日前日本国内又は外国において頒布された引用文献1に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

刊行物1:特表2010-540088号公報

第4 引用文献の記載及び引用発明

引用文献1には、図面と共に、以下の事項が記載されている(下線は、当審で付した。)。

1.「本開示は、生体の感知された生物活動に関連する、生体に対する触覚効果を作動するためのシステム及び方法について記載している。多くの実施形態のうちの1つでは、例えば、本明細書中に記載される方法は、脊椎動物からの神経信号を検出することを含む。該方法はまた、神経信号に相当する、脊椎動物に対する触覚効果を生成することを包含する。」(段落【0005】)

2.「図1は、入力立証システム10の実施形態のブロック図である。入力立証システム10は、フィードバックデバイス12を含み、フィードバックデバイス12は、ヒト14から感覚信号を受信して、またヒト14へ触覚フィードバックを提供する。この開示では、図1に示されるように、フィードバックデバイス12がヒト14と対話することができるだけでなく、任意のタイプの哺乳類又は脊椎動物と対話することができる。本明細書中に記載される感覚信号は、中枢神経系若しくは脳から受信されるような神経信号を包含してもよく、又は他のタイプの検出可能な生物活動から受信される他の信号を包含してもよい。例えば、他のタイプの生物活動としては、眼球運動、顔面筋肉運動、身体運動及び/又は筋肉運動若しくは筋肉収縮が挙げられ得る。幾つかの実施形態では、他のタイプの生物活動には、ヒト14の呼吸数、心拍数及び/又は他の検出可能な身体特性若しくは身体状態が含まれ得る。
フィードバックデバイス12は、各種外部電子デバイスと連動して動作することができる。フィードバックデバイス12は、上述するような感覚信号を検出して、続いて感知された信号に関連する電気信号を各々の電子デバイスに提供するのに使用され得る。他の実施形態では、外部電子デバイス自体が感覚信号を解釈して、フィードバックデバイス12へ信号を提供し得る。さらに他の実施形態では、電子デバイス及びフィードバックデバイス12の双方が別個に感覚信号を検出及び処理し得る。感覚信号の検出及び処理は、フィードバックデバイス12が共に動作する特定の電子デバイスに依存し得る。」(段落【0011】~【0012】)

3.「図2は、図1に示されるフィードバックデバイス12の実施形態のブロック図である。この実施形態では、フィードバックデバイス12は、1つ又は複数のセンサ16、処理デバイス18及び1つ又は複数の触覚デバイス20を備える。センサ16は、神経活動又は他の生物活動を検出又は監視して、この感知された活動を電気信号へ変換する。また、センサ16は、必要に応じて電気信号を増幅するための増幅デバイスを備えてもよい。次に、センサ16は、電気信号を処理デバイス18へ送信する。センサ16から処理デバイス18への信号の通信は、有線及び/又は無線送信を包含し得る。処理デバイス18は、ヒト14の感知された神経活動又は生物活動に関連する電気信号を処理する。信号の受信の確認として、処理デバイス18は、幾つかの実施形態では、入力が受信されたことをヒト14へ示すための信号を触覚デバイス20へ提供する。このようにして、ヒト14は、触覚フィードバックを通じて、ヒトの神経活動が検出されたと確約される。また、処理デバイス18は、ヒト14の神経活動により制御されている外部デバイスの領域内で起きる特定の事象に応答して、信号を触覚デバイス20へ提供し得る。」(段落【0020】)

4.「センサ16は、ヒト14の身体の皮膚に対して又は皮膚付近に位置付けられるプレート或いはパッドを備え得る。センサ16はまた、幾つかの状況では、皮下に配置することができる。例えば医療用途において皮下に配置される場合、センサ16は、身体の部分に永続的に又は取り外し可能に取り付けることができる。例えば、センサ16は、近距離から神経活動を感知することが可能であるように脳又は神経系の他の部分へ取り付けることができる。
幾つかの実施態様では、センサ16は、眼球、顔面筋肉等の微細運動を検出するのに使用されるマイクロ波放出機を備え得る。また、センサ16は、脳内の血流のような血流の変化を感知するための赤外線デバイスを備え得る。センサ16は、神経信号及び/又は例えば眼球運動、顔面筋肉運動、筋肉収縮等を含む入力の二次セットを検出するための任意の適切なタイプの検出デバイスを備え得る。センサ16はまた、従来の触覚効果に対する身体の応答を感知することができる。」(段落【0021】~【0022】)
5.「処理デバイス18は、センサ16により受信される信号を感知すること、感知された信号を処理すること、及び触覚応答信号を触覚デバイス20へ印加することにより、フィードバックデバイス12の動作を制御する。幾つかの実施形態では、処理デバイス18は、より初期の触覚効果に対する身体の応答に応じて、アクチュエータへ送信される触覚応答信号を調節することができる。このようにして、ヒトは、フィードバックシステムのループを完成させて、処理デバイス18が触覚信号を調節して所望の触覚効果を達成又は最適化するのを可能にする。処理デバイス18は、それによって感覚信号が受信される場合にフィードバックを提供して、感覚信号が確かに受信されたことをヒト14へ通信することができる。処理デバイス18はまた、事象がヒト14により制御されている電子デバイスの領域内で起きる場合にフィードバックを提供することができる。したがって、ヒト14は、事象がヒトの制御下にある場合、制御が行うよう意図されたことを遂行した場合等に確認を受信する。
処理デバイス18は、どんな触覚効果がヒト14に対して課されるべきであるか、及びそれらが課される順序を算出するためのアルゴリズムを使用してもよい。アルゴリズムはまた、ヒト14へ伝達されるべきメッセージ又は信号のタイプ又は重大性に応じて、課されるべき様々な触覚効果の度合い、強度、周波数及び/又は持続期間を算出することができる。」(段落【0023】~【0024】)
6.「触覚デバイス20は、身体の様々な部分に対する触覚効果を提供するために、ヒト14の身体の任意の部分上又は任意の部分付近に位置付けることができる。例えば、身体に対する触覚効果の位置は、外部デバイスとヒト14との間の所定の通信パターンに関連し得る。触覚デバイス20は、頭部の後部及び上部との接触用のヘルメットの内部上に位置付けてもよい。代替的に、触覚デバイス20は、頭部の後部及び前額部の周囲に巻きつけられるか又は配置されるバンド上に位置付けられ得る。触覚デバイス20は、ヒト14の身体の部分に対して特定の配向で触覚デバイス20を保持することができる任意の適切な支持構造へ配置され得るか、又は取り付けられ得る。触覚デバイス20はまた、フィードバックの状況に従って、肩、腕、手、脚、足又は身体の他の部分上に位置付けられ得る。
幾つかの実施形態では、触覚デバイス20は、所望の触覚効果を起動することが可能であるように身体の特定の神経に十分近い。幾つかの実施形態、例えば幾つかの医療用途では、触覚デバイス20は、ヒトの皮下に包埋させることができ、さらにはヒトの神経系と直接接触させて配置させることができる。この点で、かかるアクチュエータは、ヒトの身体に永続的に埋め込まれ得るか、又は取り付けられ得る。触覚デバイス20は、幾つかの実施態様では、センサ16を支持する同一の支持構造に取り付けることができる。また、幾つかのセンサ16及び触覚デバイス20は、身体の同一の部分を感知して且つ作動させるための同一の空間を共有してもよい。」(段落【0025】~【0026】)
7.「幾つかの実施形態では、触覚信号は、ヒト14に対する触覚効果を起動するために、電流、電圧又は電磁場として、身体の部分へ印加され得る。通常、触覚デバイス20は、振動、圧力、強制的な筋肉収縮、又は或る特定の触知感覚を課すための神経系又は脳の刺激を提供するように構成される。強制筋肉収縮は、実際の筋肉の応答を模倣する筋肉応答を生じさせ得る(仮想領域内で使用される場合)。他の実施態様では、触覚デバイス20は、熱、冷気、疼痛又は他の皮膚感覚刺激のようなさらなる触覚フィードバックを提供するように構成することができる。
触覚デバイス20は、ヒトの皮膚に対して又は皮膚に近接して着用又は位置付けることができるプレート又はパッドとして形成され得る。また、触覚デバイス20は、その中に組み込まれるか、或いは処理デバイス18と触覚デバイス20との間に位置付けられる1つ又は複数のデバイスドライバを備え得る。幾つかの実施形態では、デバイスドライバは、電力を触覚デバイス20へ提供するために処理デバイス18内に包含され得る。」(段落【0028】~【0029】)

[図:0001381923000001.jpg]

[図:0001381923000002.jpg]

8.特に、上記4.の下線部の記載及び図2の記載からすれば、引用文献1には、「近距離から神経活動を感知することが可能であるように脳又は神経系の他の部分へ取り付けることができる神経信号及び/又は例えば眼球運動、顔面筋肉運動、筋肉収縮等を含む入力の二次セットを検出するための任意の適切なタイプの検出デバイスを備え得るセンサ16」が記載されている。

9.特に、上記5.6.の下線部の記載及び図2の記載からすれば、引用文献1には、「触覚応答信号を身体の特定の神経に十分近く又はヒトの神経系と直接接触させて配置された触覚デバイス20へ印加する処理デバイス18」が記載されている。

10.特に、上記5.~7.の下線部の記載及び図2の記載からすれば、引用文献1には、「処理デバイス18から触覚応答信号を印可され、ヒトの皮下に包埋させることができ、さらにはヒトの神経系と直接接触させて配置させることができ、フィードバックの状況に従って、肩、腕、手、脚、足又は身体の他の部分上に位置付けられ、ヒトの皮膚に対して又は皮膚に近接して着用又は位置付けることができるプレート又はパッドとして形成され得る、触覚デバイス20」が記載されている。

11.特に、上記5.の下線部の記載及び図2の記載からすれば、引用文献1には、「処理デバイス18は、センサ16により受信される信号を感知すること、感知された信号を処理すること、及び触覚応答信号を触覚デバイス20へ印加することにより、フィードバックデバイス12の動作を制御するものであり、当該処理デバイス18は、アルゴリズムを使用して、どんな触覚効果がヒト14に対して課されるべきであるか、及びそれらが課される順序を算出するものであり、当該アルゴリズムは、ヒト14へ伝達されるべきメッセージ又は信号のタイプ又は重大性に応じて、課されるべき様々な触覚効果の度合い、強度、周波数及び/又は持続期間を算出する」ことが記載されている。

12.特に,上記3.の下線部の記載及び図1,2の記載からすれば、引用文献1には、センサーと、処理デバイスと触覚デバイスを備えるフィードバックデバイス12が記載されている。

13.上記1.~7.及び図1,2の記載並びに8.~12.の認定を総合すると、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「近距離から神経活動を感知することが可能であるように脳又は神経系の他の部分へ取り付けることができ、神経信号及び/又は例えば眼球運動、顔面筋肉運動、筋肉収縮等を含む入力の二次セットを検出するための任意の適切なタイプの検出デバイスを備え得るセンサ16と、
触覚応答信号を身体の特定の神経に十分近く又はヒトの神経系と直接接触させて配置された触覚デバイス20へ印加する処理デバイス18と、
処理デバイス18から触覚応答信号を印可され、ヒトの皮下に包埋させることができ、さらにはヒトの神経系と直接接触させて配置させることができ、フィードバックの状況に従って、肩、腕、手、脚、足又は身体の他の部分上に位置付けられ、ヒトの皮膚に対して又は皮膚に近接して着用又は位置付けることができるプレート又はパッドとして形成され得る、触覚デバイス20と、
を備え、
処理デバイス18は、センサ16により受信される信号を感知すること、感知された信号を処理すること、及び触覚応答信号を触覚デバイス20へ印加することにより、フィードバックデバイス12の動作を制御するものであり、当該処理デバイス18は、アルゴリズムを使用して、どんな触覚効果がヒト14に対して課されるべきであるか、及びそれらが課される順序を算出するものであり、当該アルゴリズムは、ヒト14へ伝達されるべきメッセージ又は信号のタイプ又は重大性に応じて、課されるべき様々な触覚効果の度合い、強度、周波数及び/又は持続期間を算出する、
フィードバックデバイス12。」

第5 対比・判断

1.引用発明の「近距離から神経活動を感知することが可能であるように脳又は神経系の他の部分へ取り付けることができる神経信号及び/又は例えば眼球運動、顔面筋肉運動、筋肉収縮等を含む入力の二次セットを検出するための任意の適切なタイプの検出デバイスを備え得るセンサ16」は、機能及び構成上、本願発明の「センサー」に相当する。

2.引用発明の触覚デバイス20へ印加する触覚応答信号は、神経への印加用刺激信号といえ、引用発明の「処理デバイス18」は、当該印加用刺激信号を生成するものであって、強度、周波数及び/又は持続時間を算出していることからみて、パルスを生成していることは明らかであるから、本願発明の「パルスジェネレーター」に相当する。そして、当該印加用刺激は、ヒトの肩、腕、手、脚、足又は身体の他の部分上に位置付けられた触覚デバイス20を介して適用されるものであるから、適用対象の神経は末梢神経である。

よって、本願発明と引用発明は、「末梢神経組織への印加用刺激信号を生成するように構成されたパルスジェネレーター」を備える点で一致する。

3.引用発明の「触覚デバイス20」は、処理デバイス18から触覚応答信号を印可されるものであるから、処理デバイス18に連結されているものと認められる。

また、当該「触覚デバイス20」は、ヒトの神経系と直接接触させて配置させることができ、フィードバックの状況に従って、肩、腕、手、脚、足又は身体の他の部分上に位置付けられ、ヒトの皮膚に対して又は皮膚に近接して着用又は位置付けられ、触覚応答信号を印可するものであるから、触覚応答信号を末梢神経に印可するものである。

さらに、当該「触覚デバイス20」は、プレート又はパッドとして形成されるものであるから「電極」としての構成を備えるものと認められる。

よって、本願発明と引用発明は、「パルスジェネレーターに連結され、(印加用)刺激信号を末梢神経組織に印加するように構成された電極」を備える点で一致する。

4.引用発明の「処理デバイス18」は、センサ16により受信される信号を感知して、感知された信号をアルゴリズムを使用して処理しているのであるから、センサーからの信号であるフィードバック信号に基づいて、刺激信号に関するパラメーターを調整しているものと認められる。

また、当該「処理デバイス18」は、アルゴリズムを使用して、どんな触覚効果がヒト14に対して課されるべきであるか、及びそれらが課される順序を算出するものであり、当該アルゴリズムは、ヒト14へ伝達されるべきメッセージ又は信号のタイプ又は重大性に応じて、課されるべき様々な触覚効果の度合い、強度、周波数及び/又は持続期間を算出するものであるから、触覚効果を生じさせるための信号(刺激信号)を生成するにあたり、センサ16により受信される信号(フィードバック信号)内のデータを人工的な触覚に変換するように、刺激信号に関するパラメーターを調整するように構成されているものと認められる。

さらに、引用発明の「フィードバックデバイス12」は、センサ16,処理デバイス18及び触覚デバイス20を備えるものであり「システム」として構成されている。

よって、本願発明と引用発明は、「パルスジェネレーターは、センサーからの信号であるフィードバック信号に基づいて、刺激信号が前記フィードバック信号内のデータを人工的な触覚に変換するように、前記刺激信号に関するパラメーターを調整する、ように構成されている、システム。」である点で一致する。

してみれば、本願発明と引用発明は、以下の一致点及び相違点を有する。

【一致点】

センサーと

末梢神経組織への印加用刺激信号を生成するように構成されたパルスジェネレーターと、

前記パルスジェネレーターに連結され、前記刺激信号を前記末梢神経組織に印加するように構成された電極と、

を備え、

前記パルスジェネレーターは、前記センサーからの信号であるフィードバック信号に基づいて、前記刺激信号が前記フィードバック信号内のデータを人工的な触覚に変換するように、前記刺激信号に関するパラメーターを調整する、ように構成されている、

システム。

【相違点】

本願発明は、パルスジェネレーターが、個体の末梢神経組織の、感覚刺激のための感覚神経の軸索を含む神経束への印加用刺激信号を生成しているのに対し、引用発明は、末梢神経組織のどこへ印加する印加用刺激信号を生成しているのか特定されていない点。

以下、上記相違点について検討すると、ヒトの神経組織は軸索が束になった神経束として構成されているのであり、また、引用発明も触覚効果が生じることを意図しているのであるから、刺激の対象が感覚刺激のための感覚神経の軸索を含む神経束であることは自明のことである。

よって、上記相違点に係る構成は明記がなくとも引用発明が実質的に備えている構成にすぎないことと認められる。

また、仮に引用発明が実質的に備えている構成とまではいえないとしても、引用発明は、触覚信号を印加する触覚デバイス20をヒトの神経の十分近く又は直接接触させて配置するものであるから、生成された印可用刺激信号の刺激の対象を、感覚刺激のための感覚神経の軸索を含む神経束とすることは、技術常識を踏まえれば当業者が容易に想到できることである。

よって、上記相違点に係る構成は、引用発明が実質的に有する構成であるか、そうでないとしても、引用発明から当業者が容易に想到することができる構成にすぎない。

そして、本願発明の作用効果も、引用発明から当業者が予測しうる以上のものとは認められない。

第6 むすび

以上のとおり、本願発明は引用発明であるか、又は引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、又は同条第2項の規定により、特許を受けることができない。

したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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2020-006872

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