商標拒絶査定不服審判
2020-003973
シンカ
- 審判番号
- 2020-003973
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2018-127299
- 請求日
- 2020年03月25日
- 審決日
- 2020年07月20日
- 公報発行日
- 2020年09月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社シンカ
- 【請求人代理人】ケー・ティー・アンド・エス特許業務法人
- 審判長/審判官
- 審判長 木村 一弘
- 審判官 山村 浩
- 審判官 庄司 美和
- 分類
- T18 .261-WY (W353637) / T18 .262-WY (W353637) / T18 .263-WY (W353637)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
商願2018-127299拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 本願商標
本願商標は、「CINCA」の欧文字を標準文字で表してなり、第35類、第36類、第37類及び第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成30年10月11日に登録出願され、その後、指定役務については、原審における令和元年9月30日受付けの手続補正書、及び当審における同2年3月25日受付けの手続補正書により、別掲1のとおりに補正されたものである(なお、第42類に属する指定役務は、当審における上記手続補正書により、すべて削除された。)。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続している。
1 登録第3253502号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成5年11月26日登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同9年1月31日に設定登録、その後、同19年1月23日及び同28年8月9日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
2 登録第4641335号商標(以下「引用商標2」という。)は、「シンカ」の片仮名を標準文字で表してなり、平成14年2月22日登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同15年1月31日に設定登録、その後、同25年3月12日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
3 登録第4641336号商標(以下「引用商標3」という。)は、「シンカ」の片仮名を標準文字で表してなり、平成14年2月22日登録出願、第37類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同15年1月31日に設定登録、その後、同25年3月12日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
4 登録第5008744号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成16年3月16日登録出願、第35類及び第41類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同18年12月8日に設定登録、その後、同28年8月30日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
5 登録第6112329号商標(以下「引用商標5」という。)は、「SINKA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成29年9月8日登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同31年1月11日に設定登録されたものである。
6 登録第6128259号商標(以下「引用商標6」という。)は、「SHINCA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成30年4月3日登録出願、第14類及び第35類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同31年3月8日に設定登録されたものである。
以下、引用商標1ないし引用商標6をまとめていうときは、「引用商標」という。
第3 当審の判断
1 本願商標について
本願商標は、上記第1のとおり、「CINCA」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該欧文字は辞書等に載録された成語ではなく、本願の指定役務を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから、特定の意味合いを想起させるものではない一種の造語として理解されるものである。
そして、特定の意味合いを有しない欧文字は、一般に、我が国において親しまれた英語読み又はローマ字読みに倣って称呼されるところ、「CI」のつづり字で始まる「CITY」、「CINEMA」、「CIGARETTE」及び「CINDERELLA」が、それぞれ、「シティ」、「シネマ」、「シガレット」及び「シンデレラ」のように発音され、また、「CA」のつづり字で終わる「AMERICA」及び「INCA」が、それぞれ、「アメリカ」及び「インカ」のように発音されることから、本願商標は、その構成文字に相応して、「シンカ」の称呼を生じるとみるのが相当である。
また、本願商標は、上記のとおり、特定の意味合いを想起させるものではない一種の造語として理解されるものであるから、特定の観念を生じない。
2 引用商標について
(1)引用商標1について
引用商標1は、別掲2のとおり、底辺の直線と、当該直線の左端から蛇行しつつ全体として略上方向に延びる左側の曲線と、当該直線の右端から蛇行しつつ当該左側の曲線にその上端において合わさるように延びる右側の曲線とによって形成された輪郭の中を黒く塗りつぶされてなる図形と、当該図形の上部先端の右側に配された、黒く塗りつぶされた円とからなる図形(以下「引用1図形部分」という。)と、引用1図形部分の右側に配された「shinca」(「n」と「a」の欧文字はややデザイン化されている。)の欧文字(以下「引用1欧文字部分」という。)とからなる結合商標である。
そして、引用1図形部分と引用1欧文字部分とは、重なること無く間隔を空けて配置されており、また、引用1図形部分は、その態様から特定の称呼や観念が生じるものではないから、引用1図形部分と引用1欧文字部分とが、観念的に密接な関連を有しているとはいえないし、一連一体となった何かしらの称呼が生じるともいえない。そうすると、引用1欧文字部分は、引用1図形部分とは分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえないから、引用商標1の構成中、引用1欧文字部分を要部として抽出し、本願商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
そして、引用1欧文字部分の「shinca」の欧文字は、辞書等に載録された成語ではなく、本願の指定役務を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから、特定の意味合いを想起させるものではない一種の造語として理解されるものである。
したがって、引用商標1は、その要部の一である「shinca」の欧文字に相応して、上記1と同様の理由により英語読み又はローマ字読みに倣って、「シンカ」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。
(2)引用商標2及び3について
引用商標2及び3は、上記第2の2及び3のとおり、いずれも、「シンカ」の片仮名を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して、「シンカ」の称呼を生じる。
そして、「シンカ」の片仮名は、辞書等に載録された成語ではなく、本願の指定役務を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから、特定の意味合いを想起させるものではない一種の造語として理解されるものである。よって、引用商標2及び3は、特定の観念を生じない。
(3)引用商標4について
引用商標4は、別掲3のとおり、「SHINKA」の欧文字と「シンカ」の片仮名とを両端を概ね揃えて上下二段に横書きしてなるものである。
そして、下段の「シンカ」の片仮名は、上段の「SHINKA」の欧文字の読みを表したものと容易に理解されるものであるから、引用商標4は、その構成文字に相応して、「シンカ」の称呼を生じる。
また、「SHINKA」の欧文字は、辞書等に載録された成語ではなく、本願の指定役務を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから、特定の意味合いを想起させるものではない一種の造語として理解されるものである。よって、引用商標4は、特定の観念を生じない。
(4)引用商標5について
引用商標5は、上記第2の5のとおり、「SINKA」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該欧文字は、辞書等に載録された成語ではなく、本願の指定役務を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから、特定の意味合いを想起させるものではない一種の造語として理解されるものである。
したがって、引用商標5は、その構成文字に相応して、上記1と同様の理由により英語読み又はローマ字読みに倣って、「シンカ」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。
(5)引用商標6について
引用商標6は、上記第2の6のとおり、「SHINCA」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該欧文字は、辞書等に載録された成語ではなく、本願の指定役務を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから、特定の意味合いを想起させるものではない一種の造語として理解されるものである。
したがって、引用商標6は、その構成文字に相応して、上記1と同様の理由により英語読み又はローマ字読みに倣って、「シンカ」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。
3 本願商標と引用商標の類否について
(1)引用商標1について
本願商標と引用商標1の要部の一である引用1欧文字部分とを対比する。
外観について、両者は、文字数がそれぞれ5文字か6文字かで相違するとともに、つづり字についても、大文字か小文字かで相違し、また、語尾からの4文字が、大文字小文字の差を除いて「INCA」である点で一致するものの、それら4文字の前に配された、語頭を含む欧文字が、それぞれ「C」か「SH」かで相違する。さらに、両者は、書体においても相違する。このように、両者は、文字数が5文字ないし6文字とさほど多くない中で、文字数が相違するとともに需要者の印象に残りやすい語頭の文字1文字ないし2文字において相違し、さらに、書体でも相違するから、両者は、外観上、判然と区別できるものである。
称呼について、両者は、「シンカ」の称呼を同一とするものである。
観念について、両者は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標1の要部の一とは、称呼において同一であるとしても、観念において比較できず、外観において判然と区別できるものであるから、これらを総合して考察すれば、本願商標と引用商標1は、商品及び役務の出所について誤認混同を生じるおそれのない、互いに非類似の商標というのが相当である。
(2)引用商標2及び3について
本願商標と引用商標2及び3とを対比する。
外観について、両者は、文字種が欧文字か片仮名かで判然と区別できるのに加えて、「シンカ」の片仮名は「SHINKA」又は「SINKA」とローマ字で表記することが通常であることから、「シンカ」から「CINCA」の表記を直接想起するとはいいがたく、これらの表記上の関連性を見いだしがたい。
称呼について、両者は、「シンカ」の称呼を同一とするものである。
観念について、両者は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標2及び3とは、称呼において同一であるとしても、観念において比較できず、外観において判然と区別できるものであるから、これらを総合して考察すれば、本願商標と引用商標2及び3は、役務の出所について誤認混同を生じるおそれのない、互いに非類似の商標というのが相当である。
(3)引用商標4について
本願商標と引用商標4とを対比する。
外観について、両者は、片仮名部分の有無で相違するほか、欧文字部分についてみても、その文字数がそれぞれ5文字か6文字かで相違し、そのつづり字については、中間に「IN」の2文字を有すること、及び語尾が「A」の欧文字である点で一致するものの、当該共通する「IN」の2文字の前に配された、語頭を含む欧文字が、それぞれ「C」か「SH」かで相違し、さらに、語尾から2文字目の欧文字が、それぞれ「C」か「K」かで相違する。このように、両者は、欧文字部分の文字数が5文字ないし6文字とさほど多くない中で、文字数が相違するとともに需要者の印象に残りやすい語頭の文字1文字ないし2文字において相違し、さらに、片仮名部分の有無でも相違するから、両者は、外観上、判然と区別できるものである。
称呼について、両者は、「シンカ」の称呼を同一とするものである。
観念について、両者は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標4とは、称呼において同一であるとしても、観念において比較できず、外観において判然と区別できるものであるから、これらを総合して考察すれば、本願商標と引用商標4は、役務の出所について誤認混同を生じるおそれのない、互いに非類似の商標というのが相当である。
(4)引用商標5について
本願商標と引用商標5とを対比する。
外観について、両者は、文字数がいずれも5文字で一致し、つづり字については、中間に「IN」の2文字を有していること、及び語尾が「A」の欧文字である点で一致するものの、当該共通する「IN」の2文字の前に配された、語頭の欧文字が、それぞれ「C」か「S」かで相違し、さらに、語尾の直前にある欧文字も、それぞれ「C」か「K」かで相違する。このように、両者は、文字数が5文字というさほど多くない中で、需要者の印象に残りやすい語頭の欧文字において相違し、さらに、他の1つの欧文字においても相違するから、外観上、判然と区別できるものである。
称呼について、両者は、「シンカ」の称呼を同一とするものである。
観念について、両者は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標5とは、称呼において同一であるとしても、観念において比較できず、外観において判然と区別できるものであるから、これらを総合して考察すれば、本願商標と引用商標5は、役務の出所について誤認混同を生じるおそれのない、互いに非類似の商標というのが相当である。
(5)引用商標6について
本願商標と引用商標6とを対比する。
外観について、両者は、文字数が、それぞれ5文字か6文字かで相違し、つづり字についても、語尾からの4文字の「INCA」の欧文字を共通して含むものの、当該共通する「INCA」の欧文字の前に配された、語頭を含む欧文字が、それぞれ、「C」か「SH」かで異なる。このように、両者は、文字数が5文字ないし6文字とさほど多くない中で、文字数が相違するとともに、需要者の印象に残りやすい語頭の文字1文字ないし2文字においても相違するから、外観上、判然と区別できるものである。
称呼について、両者は、「シンカ」の称呼を同一とするものである。
観念について、両者は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標6とは、称呼において同一であるとしても、観念において比較できず、外観において判然と区別できるものであるから、これらを総合して考察すれば、本願商標と引用商標6は、商品及び役務の出所について誤認混同を生じるおそれのない、互いに非類似の商標というのが相当である。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、その指定商品及び指定役務を比較するまでもなく、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が同号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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