2020-003082
ビデオコントローラ、再生コントローラ及び表示システム
- 審判番号
- 2020-003082
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-570110外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年03月05日
- 審決日
- 2021年04月16日
- 公報発行日
- 2021年10月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】実広 信哉
- 分類
- P18 .121-Z (H04N) / P18 .575-Z (H04N)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 11項目
第1 手続の経緯
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本願は、2015年(平成27年)8月6日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2015年2月14日、中国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
同年 5月28日 :上申書の提出
同年 8月 4日 :上申書の提出
第2 令和2年3月5日にされた手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
令和2年3月5日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
本件補正は、令和元年5月14日にされた手続補正により補正された請求項8(以下、「補正前の請求項8」という。)を、以下の請求項6(以下、「補正後の請求項6」という。)とする補正事項を含むものである。(下線は、補正箇所である。)
〔補正前の請求項8〕
「【請求項8】再生コントローラであって、エンコーダと複数の第3DVIインターフェースを備え、複数の原画像データ流おける各原画像データ流に対して、前記エンコーダは該原画像データ流を符号化して画像データ流を取得し、該原画像データ流の画像位置情報を前記画像データ流の予約済みの制御ビットに符号化して、該原画像データ流に対応した第1画像データ流を取得し、且つ前記第1画像データ流を第3DVIインターフェースに送信し、前記画像位置情報は、前記第1画像データ流がディスプレイ画面上に表示されるべき位置を決定するように構成され、第3DVIインターフェースのそれぞれは受信した第1画像データ流を出力する再生コントローラ。」
〔補正後の請求項6〕
「【請求項6】 再生コントローラであって、エンコーダと複数の第3DVIインターフェースを備え、複数の原画像データ流おける各原画像データ流に対して、前記エンコーダは該原画像データ流を符号化して画像データ流を取得し、該原画像データ流の画像位置情報を前記画像データ流の予約済みの制御ビットに符号化して、該原画像データ流に対応した第1画像データ流を取得し、且つ前記第1画像データ流を第3DVIインターフェースに送信し、前記画像位置情報は、前記第1画像データ流がディスプレイ画面上に表示されるべき位置を決定するように構成され、前記複数の第3DVIインターフェースは、ビデオコントローラの複数の第1DVIインターフェースに一対一で接続され、第3DVIインターフェースのそれぞれは受信した第1画像データ流を出力する再生コントローラ。」
2 補正の適否
上記1の補正事項は、補正前の請求項8の特定事項である「複数の第3DVIインターフェース」を「前記複数の第3DVIインターフェースは、ビデオコントローラの複数の第1DVIインターフェースに一対一で接続され、」と限定し、補正後の請求項6とするものであって、補正前の請求項8に記載された発明と補正後の請求項6に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項6に記載されている事項により特定される発明(以下、「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1に記載した補正後の請求項6に記載されている事項により特定されるとおりであり、以下に再掲する。なお、当審において、「複数の原画像データ流おける」との記載は、「複数の原画像データ流における」との明らかな誤記であると認めた。
各構成の符号(A)~(D2)は、当審が付したものであり、以下、各構成を構成A~構成D2という。
〔本件補正発明〕【請求項6】
(A)再生コントローラであって、
(B)エンコーダと複数の第3DVIインターフェースを備え、
(C)(C1)複数の原画像データ流における各原画像データ流に対して、前記エンコーダは
(C11)該原画像データ流を符号化して画像データ流を取得し、
(C12)該原画像データ流の画像位置情報を前記画像データ流の予約済みの制御ビットに符号化して、該原画像データ流に対応した第1画像データ流を取得し、
(C13)且つ前記第1画像データ流を第3DVIインターフェースに送信し、
(C121)前記画像位置情報は、前記第1画像データ流がディスプレイ画面上に表示されるべき位置を決定するように構成され、
(D)(D1)前記複数の第3DVIインターフェースは、ビデオコントローラの複数の第1DVIインターフェースに一対一で接続され、
(D2)第3DVIインターフェースのそれぞれは受信した第1画像データ流を出力する
(A)再生コントローラ。
(2)引用文献
ア 引用文献1について
(ア)引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である、国際公開第2013/077203号(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに次の記載がある。
なお、以下の下線は、強調のために当審が付したものである。
「[0001] 本発明は映像出力および映像表示に関する。」
「[0008] 本発明によれば、1フレームのフレームデータを分割して得られる複数の映像データを映像出力装置および表示装置間で複数チャネル(ケーブル)で伝送するときに、映像出力装置側の複数の出力端子と表示装置側の複数の入力端子との接続関係を間違えても正しいフレーム表示が得られる。」
「[0024] 〔実施例2〕実施例1の映像システムは、図5に示すように、表示装置1と映像出力装置10とを備える。[0025] 表示装置1は、4チャネル(4つ)の入力端子IT1~IT4(HDMI規格)、マトリクススイッチmswおよび接続決定回路cdcを含むデータ振り分け回路15と、第1~第4チャネルのポートPT1~PT4を含む映像処理回路VP、タイミングコントローラTC1~TC4、ソースドライバSD1~SD2、ゲートドライバGD1~GD2、および液晶パネルLCPを備える。液晶パネルLCPは、例えば、横3840画素または4096画素×縦2160画素のいわゆる4K2Kパネル(超高精細液晶パネル)である。なお、各入力端子は、HDMI(High-definition Multimedia Interface)規格のコネクタで構成され、入力端子IT1~IT4は、図5に示すように、マトリクススイッチmswを介して第1~第4チャネルのポートPT1~PT4に接続される。[0026] 映像出力装置10は、映像データ生成回路VGCと、第1~第4チャネル(4つ)の出力端子OT1~OT4とを備える。なお、各出力端子は、HDMI規格のコネクタで構成される。映像データ生成回路VGCは、図6・7に示すように、1フレームのフレームデータDfを分割して第1~第4チャネルの映像データDv1~Dv4を生成し、さらに、映像データDv1~Dv4それぞれの1ライン目(データイネーブル信号DEがアクティブである1920個の有効画素データ)の後にチャネルデータdx1~dx4を付加した上で、それぞれに対応する第1~第4チャネルの映像端子VT1~VT4に並列出力するものである。フレームデータDfおよび映像データDv1~Dv4については、図3に示すように、フレームデータDfが4K2Kサイズの単一映像に対応し、映像データDv1~Dv4それぞれが2K1Kサイズの高精細部分映像(映像データDv1が左上部分、映像データDv2が右上部分、映像データDv3が左下部分、映像データDv4が右下部分)に対応する。[0027] 図8は、映像出力装置10と表示装置1との(誤った)接続状態を示すものである。すなわち、映像出力装置10の出力端子OT1がケーブルCA1(HDMI規格)を介して表示装置1の入力端子IT2に接続され、映像出力装置10の出力端子OT2がケーブルCA2(HDMI規格)を介して表示装置1の入力端子IT4に接続され、映像出力装置10の出力端子OT3がケーブルCA3(HDMI規格)を介して表示装置1の入力端子IT1に接続され、映像出力装置10の出力端子OT4がケーブルCA4(HDMI規格)を介して表示装置1の入力端子IT3に接続されている。[0028] この場合、表示装置1では、映像データDv1内のチャネルデータdx1が、出力端子OT1および入力端子IT2を介して接続決定回路CDCに入力され、映像データDv2内のチャネルデータdx2が、出力端子OT2および入力端子IT4を介して接続決定回路CDCに入力され、映像データDv3内のチャネルデータdx3が、出力端子OT3および入力端子IT1を介して接続決定回路CDCに入力され、映像データDv4内のチャネルデータdx4が、出力端子OT4および入力端子IT3を介して接続決定回路CDCに入力される。[0029] これにより、接続決定回路cdcは、出力端子OT1が入力端子IT2に接続され、出力端子OT2が入力端子IT4に接続され、出力端子OT3が入力端子IT1に接続され、出力端子OT4が入力端子IT3に接続されていることを認識し、マトリクススイッチmswに制御信号を送信する。この制御信号を受けて、マトリクススイッチmswは、入力端子IT1とポートPT3とを接続し、入力端子IT2とポートPT1とを接続し、入力端子IT3とポートPT4とを接続し、入力端子IT4とポートPT2とを接続する。この結果、第1~第4チャネルの映像データDv1~Dv4はそれぞれ、第1~第4チャネルのポートPT1~PT4から映像処理回路VPに入力される。[0030] 映像処理回路VPからは4チャネルの出力があって、それぞれがタイミングコントローラTC1~TC4に入力される。そして、タイミングコントローラTC1・TC2は、ソースドライバSD1並びにゲートドライバGD1およびGD2を制御し、タイミングコントローラTC3・TC4は、ソースドライバSD2並びにゲートドライバGD1およびGD2を制御する。[0031] これにより、ソースドライバSD1並びにゲートドライバGD1およびGD2は、液晶パネルLCPの左上領域AR1(画素数2K1K)および右上領域AR2(画素数2K1K)を駆動し、ソースドライバSD2並びにゲートドライバGD1およびGD2は、液晶パネルLCPの左下領域AR3(画素数2K1K)および右下領域AR4(画素数2K1K)を駆動する。」
「[0048] 本表示装置では、各入力端子がHDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格のコネクタで構成される構成とすることもできる。」
「[0052] 本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態を公知技術や技術常識に基づいて適宜変更したものやそれらを組み合わせて得られるものも本発明の実施の形態に含まれる。また、各実施の形態で記載した作用効果等もほんの例示に過ぎない。」
「[図5]」
(イ)図5に記載されている事項
図5には、映像出力装置10において、映像データ生成回路VGCにおける映像端子VT1~VT4の各々が出力端子OT1~OT4にそれぞれ接続されていることが読み取れる。
(ウ)引用発明
上記(ア)の記載及び(イ)の事項から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、接続決定回路に付された符号が「CDC」又は「cdc」と一貫していないが、当審において、同一のものを意味するものと認め、「cdc」に記載を統一した。
引用発明の各構成の符号(a)~(m)は、説明のために当審が付したものであり、以下、構成a~構成mという。また、各構成の末尾において、対応する記載箇所を括弧内に付した。
(引用発明)
(a)表示装置1と映像出力装置10とを備え、(段落0024)
(b)表示装置1は、4チャネル(4つ)の入力端子IT1~IT4(HDMI規格)、マトリクススイッチmswおよび接続決定回路cdcを含むデータ振り分け回路15と、第1~第4チャネルのポートPT1~PT4を含む映像処理回路VP、タイミングコントローラTC1~TC4、ソースドライバSD1~SD2、ゲートドライバGD1~GD2、および液晶パネルLCPを備え、(段落0025)
(c)入力端子IT1~IT4は、マトリクススイッチmswを介して第1~第4チャネルのポートPT1~PT4に接続され、(段落0025)
(d)映像出力装置10は、映像データ生成回路VGCと、第1~第4チャネル(4つ)の出力端子OT1~OT4とを備え、(段落0026)
(e)各出力端子は、HDMI規格のコネクタで構成され、(段落0026)
(f)映像出力装置10において、映像データ生成回路VGCにおける映像端子VT1~VT4の各々は、出力端子OT1~OT4にそれぞれ接続されており、(図5)
(g)映像データ生成回路VGCは、1フレームのフレームデータDfを分割して第1~第4チャネルの映像データDv1~Dv4を生成し、さらに、映像データDv1~Dv4それぞれの1ライン目(データイネーブル信号DEがアクティブである1920個の有効画素データ)の後にチャネルデータdx1~dx4を付加した上で、それぞれに対応する第1~第4チャネルの映像端子VT1~VT4に並列出力するものであり、(段落0026)
(h)フレームデータDfが4K2Kサイズの単一映像に対応し、映像データDv1~Dv4それぞれが2K1Kサイズの高精細部分映像(映像データDv1が左上部分、映像データDv2が右上部分、映像データDv3が左下部分、映像データDv4が右下部分)に対応し、(段落0026)
(i)映像出力装置10と表示装置1との(誤った)接続状態として、映像出力装置10の出力端子OT1がケーブルCA1(HDMI規格)を介して表示装置1の入力端子IT2に接続され、映像出力装置10の出力端子OT2がケーブルCA2(HDMI規格)を介して表示装置1の入力端子IT4に接続され、映像出力装置10の出力端子OT3がケーブルCA3(HDMI規格)を介して表示装置1の入力端子IT1に接続され、映像出力装置10の出力端子OT4がケーブルCA4(HDMI規格)を介して表示装置1の入力端子IT3に接続されている場合において、(段落0027)
(j)この場合、表示装置1では、映像データDv1内のチャネルデータdx1が、出力端子OT1および入力端子IT2を介して接続決定回路cdcに入力され、映像データDv2内のチャネルデータdx2が、出力端子OT2および入力端子IT4を介して接続決定回路CDCに入力され、映像データDv3内のチャネルデータdx3が、出力端子OT3および入力端子IT1を介して接続決定回路cdcに入力され、映像データDv4内のチャネルデータdx4が、出力端子OT4および入力端子IT3を介して接続決定回路cdcに入力され、(段落0028)
(k)これにより、接続決定回路cdcは、出力端子OT1が入力端子IT2に接続され、出力端子OT2が入力端子IT4に接続され、出力端子OT3が入力端子IT1に接続され、出力端子OT4が入力端子IT3に接続されていることを認識し、マトリクススイッチmswに制御信号を送信し、この制御信号を受けて、マトリクススイッチmswは、入力端子IT1とポートPT3とを接続し、入力端子IT2とポートPT1とを接続し、入力端子IT3とポートPT4とを接続し、入力端子IT4とポートPT2とを接続し、この結果、第1~第4チャネルの映像データDv1~Dv4はそれぞれ、第1~第4チャネルのポートPT1~PT4から映像処理回路VPに入力され、(段落0029)
(l)映像処理回路VPからは4チャネルの出力があって、それぞれがタイミングコントローラTC1~TC4に入力され、そして、タイミングコントローラTC1・TC2は、ソースドライバSD1並びにゲートドライバGD1およびGD2を制御し、タイミングコントローラTC3・TC4は、ソースドライバSD2並びにゲートドライバGD1およびGD2を制御し、これにより、ソースドライバSD1並びにゲートドライバGD1およびGD2は、液晶パネルLCPの左上領域AR1(画素数2K1K)および右上領域AR2(画素数2K1K)を駆動し、ソースドライバSD2並びにゲートドライバGD1およびGD2は、液晶パネルLCPの左下領域AR3(画素数2K1K)および右下領域AR4(画素数2K1K)を駆動し、(段落0030、0031)
(m)1フレームのフレームデータを分割して得られる複数の映像データを映像出力装置および表示装置間で複数チャネル(ケーブル)で伝送するときに、映像出力装置側の複数の出力端子と表示装置側の複数の入力端子との接続関係を間違えても正しいフレーム表示が得られる(段落0008)
(n)映像システム
(o)における映像出力装置10。
イ 引用文献2について
(ア)引用文献2の記載事項
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原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である、特開2007-28645号公報(以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに次の記載がある。
なお、以下の下線は、強調のために当審で付したものである。
「【技術分野】【0001】本発明は、シリアルリンクを経てビデオデータ(例えば、エンコードされたビデオデータ)を送信するための方法及びシステムに係り、且つそのようなシステムに使用するための送信器及び受信器に係る。好ましい実施形態において、シリアルリンクとは、遷移最小化差動シグナリング(TMDS)リンク、又はTMDSリンクの全部ではないが幾つかの特性を有するリンクである。」
「【0009】別のシリアルリンクは、シリコン・イメージ・インク、松下電器、ロイヤル・フィリップス・エレクトロニックス、ソニー株式会社、トムソン・マルチメディア、東芝株式会社、及び日立により開発された「ハイ・デフィニション・マルチメディア・インターフェイス」インターフェイス(「HDMI」リンク)である。このHDMIリンクは、2つのTMDSリンク(ビデオクロック信号を送信するために共通導体対を共有する)又は1つのTMDSリンク、並びに付加的な制御ラインを送信器と受信器との間に含むように実施することができる。【0010】別のシリアルリンクは、デジタル・ディスプレイ・ワーキング・グループにより採用された「デジタル・ビジュアル・インターフェイス」インターフェイス(「DVI」リンク)である。(後略)」
「【0049】パッキング位相データ及びカラーモードデータ(上述した)は、本発明の種々の実施形態において種々の仕方のいずれかでシリアルリンクを経て送信される。例えば、ブランキングインターバル中に、図7の送信器100のDVI準拠の実施形態は、2つの制御ビットを表わすTMDSコードワードを、TMDSリンクの3つのデータチャンネルの各々を経て送信し(リンククロックサイクル当たり合計6つの制御ビット)、そして以下に述べるように、これらビットのうちの2つを水平及び垂直同期ビットとして送信できると共に、他の4つのビット(CTL0、CTL1、CTL2、CTL3)の2つをパッキング位相データ及びカラーモードデータとして送信することができる。(後略)」
(イ)引用文献2に記載された周知技術
上記(ア)に摘記した記載から、引用文献2には、以下の周知技術が記載されているものと認められる。
(文献2に記載された周知技術)
ビデオデータを送信するためのシリアルリンクとしてHDMIリンクやDVIリンクを用いること、及び、DVI準拠の送信において、ブランキングインターバル中に制御ビット(CTL0~CTL3)を送信すること。
(3)対比
本件補正発明と引用発明とを対比する。
ア 構成Aについて
引用発明は、構成dによれば映像出力装置10が映像生成回路VGCを備え、構成gによれば前記映像生成回路VGCが映像データDv1~Dv4を生成してそれぞれ映像端子VT1~VT4に並列出力し、構成fによれば前記映像端子VT1~VT4の各々が出力端子OT1~OT4にそれぞれ接続され、構成iによれば前記出力端子OT1~OT4が表示装置1の入力端子IT1~IT4に接続されるから、引用発明の映像出力装置10は、映像データを生成して表示装置に送信するものである。
当該映像データが、送信される表示装置において映像の再生に用いられる信号であることは明らかであり、前記「映像出力回路10」は、「映像生成回路VGC」において当該再生に用いられる信号を生成することにより、映像の再生をコントロールしているといえる。
したがって、本件補正発明と引用発明は、「再生コントローラ」である点で一致する。
イ 構成Bについて
引用発明は、構成gによれば前記映像生成回路VGCが1フレームのフレームデータDfを分割して映像データDv1~Dv4を生成してそれぞれ映像端子VT1~VT4に並列出力し、構成fによれば前記映像端子VT1~VT4の各々が出力端子OT1~OT4にそれぞれ接続され、構成iによれば前記出力端子OT1~OT4がケーブルCA1~CA4を介して表示装置1の入力端子IT1~IT4に接続されるから、映像生成回路VGCで生成された映像データが、出力端子OT1~OT4、ケーブルCA1~CA4及び入力端子IT1~IT4を介して表示装置に送信されるものである。そして、構成b、構成e及び構成iによれば、前記出力端子OT1~OT4、ケーブルCA1~CA4及び入力端子IT1~IT4は、HDMI規格のものである。
ここで、前記映像データをHDMI規格の出力端子OT1~OT4、ケーブルCA1~CA4、入力端子IT1~IT4を介して表示装置に送信するためには、映像データをHDMI規格に従うものとする必要があるから、前記映像データ生成回路VGCにおいて1フレームのフレームデータDfからHDMI規格に従った映像データへの符号化が行われることは明らかである。
したがって、引用発明の「映像データ生成回路VGC」は、本件補正発明の「エンコーダ」に相当する。
また、構成dの映像出力装置10における「出力端子OT1~OT4」と構成Bの「複数の第3DVIインターフェース」は、「複数の第3インターフェース」といえる点で共通する。
したがって、本件補正発明と引用発明は、「エンコーダと第3インターフェースを備え」る点で共通する。
しかしながら、当該「第3インターフェース」が、本件補正発明ではDVIインターフェースであるのに対し、引用発明ではHDMI規格の出力端子OT1~OT4である点で、両者は相違する。
ウ 構成C1、構成C11について
構成gによれば、映像データ生成回路VGCにおいて、1フレームのフレームデータDfが分割されて、第1~第4チャンネルの映像データDv1~Dv4が生成される。そして、上記イのとおり、前記映像データ生成回路VGCにおいてHDMI規格に従った映像データへの符号化が行われることは明らかであるから、引用発明は、1フレームのフレームデータDfから分割された各データに対して符号化を行って、第1~第4チャンネルの映像データDv1~Dv4を生成するものといえる。
すると、引用発明の、符号化を行う対象である1フレームのフレームデータDfから分割されたデータ、及び、前記データから符号化された「第1~第4チャネルの映像データDv1~Dv4」は、構成C1及び構成C11の、エンコーダにより符号化される「複数の原画像データ流」、及び、エンコーダで符号化されて取得された「画像データ流」にそれぞれ相当する。
したがって、本件補正発明と引用発明は、「複数の原画像データ流における原画像データ流に対して、エンコーダは」「該原画像データ流を符号化して画像データ流を取得し」との構成を備える点で一致する。
エ 構成C1、構成C12、構成C121について
構成gによれば、チャネルデータdx1~dx4は、映像データDv1~Dv4にそれぞれ付加されるものである。
そして、構成j、構成k及び構成mによれば、引用発明は、映像データDv1~Dv4内のチャネルデータdx1~dx4が接続決定回路cdcに入力され、これにより、接続決定回路cdcが、出力端子OT1~OT4が入力端子IT1~IT4のいずれに接続されているかを認識して、マトリクススイッチmswに制御信号を送信し、この制御信号を受けてマトリクススイッチmswは、入力端子IT1~IT4とポートPT1~PT4とを接続し、第1~第4チャネルの映像データDv1~Dv4はそれぞれ第1~第4チャネルのポートPT1~PT4から映像処理回路VPに入力されるという構成を備える。
この結果、映像出力装置側の複数の出力端子と表示装置側の複数の入力端子との接続関係を間違えても正しいフレーム表示が得られるものである。
ここで、構成hによれば、単一映像がフレームデータDfであり、映像データDv1が左上部分、映像データDv2が右上部分、映像データDv3が左下部分、映像データDv4が右下部分に対応するものであるから、上記正しいフレーム表示とは、映像データDv1が表示フレームの左上部分、映像データDv2が表示フレームの右上部分、映像データDv3が表示フレームの左下部分、映像データDv4が表示フレームの右下部分に表示されることである。
すると、引用発明は、映像出力装置側の複数の出力端子と表示装置側の複数の入力端子との接続関係を間違えても、映像データDv1~Dv4内のチャネルデータdx1~dx4に基づき、映像データDv1が表示フレームの左上部分、映像データDv2が表示フレームの右上部分、映像データDv3が表示フレームの左下部分、映像データDv4が表示フレームの右下部分に表示されるものであるから、チャネルデータdx1~dx4は、単一映像におけるどの部分かを特定可能な情報であるといえる。
また、映像データDv1~Dv4へと符号化される元のデータである1フレームのフレームデータDfから分割されたデータ(原画像データ流)が、映像データDv1~Dv4と位置関係が一致することは明らかである。
したがって、引用発明の「チャネルデータdx1~dx4」は、構成C12及び構成C121の「第1画像データ流がディスプレイ画面上に表示されるべき位置を決定するように構成され」た「原画像データ流の画像位置情報」に相当する。
また、構成gによれば、映像データ生成回路VGCにより、映像データDv1~Dv4それぞれの1ライン目(データイネーブル信号DEがアクティブである1920個の有効画素データ)の後にチャネルデータdx1~dx4が付加されるから、当該映像データDv1~Dv4にチャネルデータdx1~dx4が付加されたデータは、構成C12の「原画像データ流の画像位置情報を画像データ流に符号化し」た「該原画像データ流に対応した第1画像データ流」に相当する。
そして、引用発明の「映像データ生成回路VGC」は、映像データDv1~Dv4それぞれの1ライン目(データイネーブル信号DEがアクティブである1920個の有効画素データ)の後にチャネルデータdx1~dx4を付加した上で、それぞれに対応する第1~第4チャネルの映像端子VT1~VT4に並列出力するから、本件補正発明の「複数の原画像データ流における各原画像データ流に対して、前記エンコーダは」「該原画像データ流の画像位置情報を前記画像データ流」「に符号化して、該原画像データ流に対応した第1画像データ流を取得し、」と同じ処理を行うものである。
したがって、本件補正発明と引用発明は、「複数の原画像データ流における各原画像データ流に対して、前記エンコーダは」「該原画像データ流の画像位置情報を前記画像データ流」「に符号化して、該原画像データ流に対応した第1画像データ流を取得し、」「前記画像位置情報は、前記第1画像データ流がディスプレイ画面上に表示されるべき位置を決定するように構成され、」との構成を備える点で共通する。
しかしながら、画像データ流における画像位置情報の符号化が、本件補正発明では「予約済みの制御ビット」に行われるのに対し、引用発明では「1ライン目(データイネーブル信号DEがアクティブである1920個の有効画素データ)の後」に行われる点で、両者は相違する。
オ 構成C1、構成C13について
引用発明は、構成gによれば映像データ生成回路VGCによりチャネルデータdx1~dx4がそれぞれ付加された映像データDv1~Dv4(上記エのとおり本件補正発明の「第1画像データ流」に相当する。)が、それぞれに対応する第1~第4チャネルの映像端子VT1~VT4に並列出力され、構成fによれば映像端子VT1~VT4の各々は、出力端子OT1~OT4(上記イのとおり「第3インターフェース」である点で本件補正発明と共通する。)にそれぞれ接続されるものである。
当該構成における映像端子VT1~VT4と出力端子OT1~OT4とは、単に接続されているのみであるから、映像端子VT1~VT4に出力された信号が、接続された出力端子OT1~OT4にそのまま伝送されることは明らかである。よって、引用発明は、映像データ生成回路VGCが第1画像データ流を第3インターフェースに送信するものといえる。
したがって、本件補正発明と引用発明は、「複数の原画像データ流における各原画像データ流に対して、前記エンコーダは」「前記第1画像データ流を第3インターフェースに送信し、」との処理を行うものである点で、構成C1及び構成C13と共通する。
しかしながら、両者は上記イと同じ点で相違する。
カ 構成D1について
本件補正発明の「ビデオコントローラ」は、本願明細書の段落0012によれば、「デコーダ」及びその前後にインターフェースを備えるものであり、同段落0013によれば、「デコーダ」は、受信した第1画像データ流から画像位置情報を取得するとともに、受信した第1画像データ流を復号して該画像位置情報に対応させて送信するものである。
この点を踏まえて、当該「ビデオコントローラ」について、本件補正発明と引用発明とを対比する。
引用発明の表示装置1における「データ振り分け回路15」(構成b)は、構成jによれば、接続決定回路cdcに映像データDv1~Dv4内のチャネルデータdx1~dx4(画像位置情報)が入力されるものである。
よって、当該「データ振り分け回路15」の構成は、本件補正発明の上記「ビデオコントローラ」の「デコーダ」が受信した第1画像データ流から画像位置情報を取得する構成に相当する。
また、引用発明の前記接続決定回路cdcは、構成kによれば、入力された映像データDv1~Dv4内のチャネルデータdx1~dx4(画像位置情報)に基づく制御信号を、マトリクススイッチmswに送信し、マトリクススイッチmswが、前記制御信号を受けて映像データDv1~Dv4を映像処理回路VPに入力するものである。
さらに、引用発明の表示装置1における「映像処理回路VP」(構成b)は、構成kにおいて映像データDv1~Dv4が入力され、構成lにおいて4チャンネルの出力をタイミングコントローラTC1~TC4に入力するものである。そして、構成lによれば、前記タイミングコントローラTC1~TC4は、液晶パネルLCPを駆動するソースドライバSD1、SD2及びゲートドライバGD1、GD2を制御するものであるから、前記映像処理回路VPは、入力される映像データに基づき液晶パネルLCPを駆動するための制御信号を生成する処理を行うものである。
よって、当該「映像処理回路VP」の構成は、本件補正発明の上記「ビデオコントローラ」のデコーダが受信した第1画像データ流を復号して送信する構成に相当するといえる。
ところで、当該「映像処理回路VP」に入力される映像データは、上記のとおり、「データ振り分け回路15」によりチャネルデータdx1~dx4(画像位置情報)に基づいて入力されたものであるから、映像処理回路VPにおいて復号されて送信されるデータもチャネルデータdx1~dx4(画像位置情報)に基づいたものである。
したがって、引用発明の当該「データ振り分け回路15」及び「映像処理回路VP」の構成は、本件補正発明の上記「ビデオコントローラ」のデコーダが、受信した第1画像データ流を復号して該画像位置情報に対応させて送信する構成に相当するといえる。
以上から、引用発明の「データ振り分け回路15」及び「映像処理回路VP」は、本件補正発明における「ビデオコントローラ」構成するものといえる。
そして、引用発明の表示装置1における「入力端子IT1~IT4(HDMI規格)」(構成b)は、構成j及び構成kによれば、データ振り分け回路15及び映像処理回路VP(デコーダ)に映像出力装置10からの映像データDv1~Dv4を入力するものであるから、前記「入力端子IT1~IT4(HDMI規格)」と構成D1の「第1DVIインターフェース」とは、「ビデオコントローラの複数の第1インターフェース」といえる点で共通する。
また、構成iの出力端子OT1~OT4は、例えば、それぞれ入力端子IT2、IT4、IT1、IT3に接続されるから、一対一で接続されるものである。
したがって、本件補正発明と引用発明は、「複数の第3インターフェースは、複数の第1インターフェースに一対一で接続され、」との構成を備える点で共通する。
しかしながら、両者は上記イと同じ点で相違し、さらに、上記イの「第3インターフェース」と同様に、「第1インターフェース」が、本件補正発明ではDVIインターフェースであるのに対し、引用発明では入力端子IT1~IT4(HDMI規格)である点で、両者は相違する。
キ 構成D2について
上記オのとおり、引用発明は、チャネルデータdx1~dx4がそれぞれ付加された映像データDv1~Dv4(上記エのとおり本件補正発明の「第1画像データ流」に相当する。)が、出力端子OT1~OT4(上記イのとおり「第3インターフェース」である点で本件補正発明と共通する。)にそれぞれ送信されることは明らかであるから、出力端子OT1~OT4(第3インターフェース)は、チャネルデータdx1~dx4がそれぞれ付加された映像データDv1~Dv4(第1画像データ流)を受信するといえる。
そして、引用発明は、構成iによれば、出力端子OT1~OT4が入力端子IT1~IT4に接続され、構成jによれば、映像データDv1~Dv4内のチャネルデータdx1~dx4が出力端子OT1~OT4及び入力端子IT1~IT4を介して表示装置1の接続決定回路cdcに入力され、構成kによれば、映像データDv1~Dv4が出力端子OT1~OT4、入力端子IT1~IT4及びポートPT1~PT4を介して表示装置1の映像処理回路VPに入力されるから、チャネルデータdx1~dx4がそれぞれ付加された映像データDv1~Dv4(第1画像データ流)が出力端子OT1~OT4(第3インターフェース)から表示装置1の入力端子IT1~IT4(第1インターフェース)に出力されるといえる。
したがって、本件補正発明と引用発明は、「第3インターフェースのそれぞれは受信した第1画像データ流を出力する」との構成を備える点で共通する。
しかしながら、両者は上記イと同じ点で相違する。
ク 一致点、相違点について
上記ア~キから、本件補正発明及び引用発明の一致点及び相違点は、次のとおりである。
〔一致点〕
(A)再生コントローラであって、
(B’)エンコーダと複数の第3インターフェースを備え、
(C)(C1)複数の原画像データ流おける各原画像データ流に対して、前記エンコーダは
(C11)該原画像データ流を符号化して画像データ流を取得し、
(C12’)該原画像データ流の画像位置情報を前記画像データ流に符号化して、該原画像データ流に対応した第1画像データ流を取得し、
(C13’)且つ前記第1画像データ流を第3インターフェースに送信し、
(C121)前記画像位置情報は、前記第1画像データ流がディスプレイ画面上に表示されるべき位置を決定するように構成され、
(D)(D1’)前記複数の第3インターフェースは、複数の第1インターフェースに一対一で接続され、
(D2’)第3インターフェースのそれぞれは受信した第1画像データ流を出力する(A)再生コントローラ。
〔相違点1〕
「第3インターフェース」及び「第1インターフェース」が、本件補正発明ではDVIインターフェースであるのに対し、引用発明ではHDMI規格の出力端子OT1~OT4及び入力端子IT1~IT4である点。
〔相違点2〕
画像データ流における画像位置情報の符号化が、本件補正発明では「予約済みの制御ビット」に行われるのに対し、引用発明では「1ライン目(データイネーブル信号DEがアクティブである1920個の有効画素データ)の後」に行われる点。
(4)相違点についての判断
上記相違点について、以下、検討する。
ア 相違点1について
引用文献1には、「本表示装置では、各入力端子がHDMI規格のコネクタで構成される構成とすることもできる。」(段落0048)や「本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態を公知技術や技術常識に基づいて適宜変更したものやそれらを組み合わせて得られるものも本発明の実施の形態に含まれる。」(段落0052)(上記(2)ア(ア)を参照。なお、下線は強調のために当審が付したものである。)と記載されているから、引用発明は、HDMI規格に限定されるものではなく、他の方式で構成することも想定されているものと認められる。ここで、HDMI規格はシリアルリンクの規格であるから、前記他の方式で構成する場合とは、シリアルリンクとしての一連の構成(入出力インターフェースやケーブル等)が他の方式とされることである。
そして、シリアルリンクとしてHDMIリンクやDVIリンクを用いることは、引用文献2に記載されているように、周知かつ慣用の技術であるから、いずれの方式のシリアルリンクを用いるかは、当業者が周辺機器の使用環境等に応じて適宜選択しうる程度の事項にすぎないものである。
したがって、HDMI規格が採用されている引用発明において、シリアルリンクの方式をHDMI規格に代えてDVI規格とすること、すなわち、HDMI規格のシリアルリンクに含まれる出力端子OT1~OT4及び入力端子IT1~IT4に代えてDVIインターフェースを用いることは、当業者が適宜なしえたことである。
イ 相違点2について
上記アのとおり、シリアルリンクの方式としてHDMI規格が採用されている引用発明において、シリアルリンクの方式をHDMI規格に代えてDVI規格とすることは、当業者が適宜なしえたことである。
ここで、DVI規格は、Digital Display Working Groupにより公表された「Digital Video Interface DVI Revision 1.0」(1999年4月2日)によれば、26頁12~13行に「The use of all control signals other than horizontal sync (HSync) and vertical sync (VSync) is reserved.」(当審による仮訳:水平同期(HSync)及び垂直同期(VSync)を除き全ての制御信号の使用が予約されている。)と記載されており、予約された制御信号を用いて付加的な情報を伝送することが想定されている。
また、引用文献2に記載されているように、制御ビット(CTL0~CTL3)はDVI規格における周知の制御信号である。
そうすると、映像データに付加されるチャネルデータdx1~dx4(画像位置情報)を符号化する箇所を制御信号とすることは、上記引用発明のシリアルリンクの方式をHDMI規格からDVI規格に代えることに付随して変更される事項といえる。ここで、当該制御信号(CTL0~CTL3)は、本件補正発明の「予約済みの制御ビット」に相当する。
したがって、画像データ流における画像位置情報の符号化を、予約済みの制御ビットに行うことは、引用発明及び周知技術に基づき、当業者が容易に想到しうることである。
ウ 効果について
本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
エ まとめ
以上のとおり、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
3 本件補正についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、上記補正却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和2年3月5日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和元年5月14日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~17に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項8に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、明細書及び図面の記載からみて、その請求項8に記載された事項により特定される、上記第2[理由]1において「補正前の請求項8」として記載したとおりのものである。ただし、「第2 令和2年3月5日にされた手続補正についての補正却下の決定」の「2 補正の適否」のうち、「(1)本件補正発明」において認定したのと同様に、「複数の原画像データ流おける」との記載は、「複数の原画像データ流における」との明らかな誤記であると認めた。
2 原査定の拒絶の理由
本願発明に係る原査定の拒絶の理由は、本願の請求項8に係る発明は、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった上記引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項及び引用発明、並びに、引用文献2の記載事項及び周知技術は、上記第2[理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、上記第2[理由]2において検討した本件補正発明の第3DVIインターフェースに係る構成D1の限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、上記第2[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、上記引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、上記引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2020-003082