2020-001894
トンネル誘導設備
- 審判番号
- 2020-001894
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-014011外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2020年02月12日
- 審決日
- 2020年10月13日
- 公報発行日
- 2021年01月29日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (G08B) / P18 .575-Z (G08B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 12項目
第1 手続の経緯
本件特許出願は、平成28年1月28日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 令和2年2月12日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和2年2月12日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1.本件補正の内容
本件補正は、令和元年10月23日の手続補正により補正された請求項1(以下、「補正前の請求項1」という。)を、以下のとおりの請求項1(以下、「補正後の請求項1」という。)に補正することを含むものである。(なお、補正後の請求項1において付された下線は、拒絶査定不服審判請求時に請求人により付されたものである。)
(補正前の請求項1)
「【請求項1】トンネル側壁に沿って配置され、左右の誘導方向を示す矢印を表示した誘導表示板と、前記誘導表示板に隣接して配置され、防災受信盤からの制御信号に基づき、前記矢印と異なる表示の移動により火災場所から遠ざかる誘導方向を動的に表示する動的誘導表示装置と、を備えたことを特徴とするトンネル誘導設備。」
(補正後の請求項1)
「【請求項1】トンネル側壁に沿って配置され、左右の誘導方向を示す一対の矢印を表示した誘導表示板と、前記誘導表示板に隣接して配置され、前記誘導表示板とは異なる形状の複数の表示マークを前記矢印と略並列に配列した移動表示部を一対有する動的誘導表示装置と、を備え、防災受信盤からの制御信号に基づき、火災場所から遠ざかる側の前記移動表示部を選択して前記複数の表示マークを誘導方向に向けて順次繰り返し点灯させることで、前記動的誘導表示装置により火災場所から遠ざかる誘導方向を動的に表示することを特徴とするトンネル誘導設備。」
2.補正の適否
本件補正は、補正前の請求項1記載された発明を特定するために必要な事項である「誘導表示板」に表示される「左右の誘導方向を示す矢印」について、『一対の』との事項を付加する補正事項(以下、「補正事項1」という。)、「動的誘導表示装置」について、『前記誘導表示板とは異なる形状の複数の表示マークを前記矢印と略並列に配列した移動表示部を一対有する』との事項を付加する補正事項(以下、「補正事項2」という。)、並びに、火災場所から遠ざかる誘導方向を動的に表示する態様である「前記矢印と異なる表示の移動」を『火災場所から遠ざかる側の前記移動表示部を選択して前記複数の表示マークを誘導方向に向けて順次繰り返し点灯させること』と限定する補正事項(以下、「補正事項3」という。)を含むものである。
本件補正は、発明を特定するために必要な事項である「誘導表示板」又は「動的誘導表示装置」に対して、上記「補正事項1、2、3」で示した事項を限定的に付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際、独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記「1. 本件補正の内容」の「(補正後の請求項1)」に記載したとおりのものである。
(2)引用文献の記載事項
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ア 引用文献1(特開平10-179774号公報)
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1(特開平10-179774号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審にて付したものである。)
(ア)「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル内非常用設備に用いて好適なトンネル内避難誘導装置および避難誘導システムに関する。【0002】【従来の技術】周知のように、道路等のトンネル内部には事故や火災から人身および車両を守る各種の非常用設備が設けられている。図4はその非常用設備の一例を示す図である。この図において、1はトンネル内壁に所定間隔毎(例えば25m間隔)で配設される火災検知器、2は所定間隔(例えば50m間隔)毎に配置される消火器、手動通報器などを有する消火栓装置である。3はトンネル内壁上部に所定間隔毎に配設される水噴霧ヘッドである。4はトンネル内部に所定間隔毎(例えば350m間隔)に設けられた非常口を表示する非常口表示灯、5は所定間隔毎(例えば200m間隔)に配設される非常口までの距離を表示する非常口誘導灯である。」
(イ)「【図4】」
(ウ)「【0004】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来のトンネル内に設けられる非常用設備は、非常口表示灯4によりトンネル内部に設けられた非常口の位置を示したり、非常口誘導灯5によって非常口までの距離を表示するだけの避難誘導を行うに過ぎない。この為、火災が発生した場合に、例えば、火災により生じる煤煙にてトンネル内部の視界が不良になると、非常口表示灯4や非常口誘導灯5を視認できなくなり、そうした状況では的確な避難誘導を行うことが困難になる事態も起こり得る。【0005】さらに、非常口誘導灯5は、単に非常口までの距離を表示するだけである為、どちら側へ避難して良いか判断がつかないという弊害がある。つまり、有事の際には非常口誘導灯5の表示を見て最寄の非常口へ避難しようとするが、場合によっては最寄の非常口側が火災現場になっていることも考えられ、そのような場合には避難しているつもりでも火災現場に近付いてしまうという問題も生じてしまう。一方、走行車はカーラジオにより緊急放送を聴取することは出来るものの、最終的には自らの状況判断で避難しなければならないものであった。【0006】そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、的確な避難誘導を能動的に行うことができるトンネル内避難誘導装置および避難誘導システムを提供することを目的としている。」
(エ)「【0014】【発明の実施の形態】本発明によるトンネル内避難誘導装置および避難誘導システムは、トンネル内非常用設備に適用され得る。以下では、本発明の実施の形態であるトンネル内非常用設備を実施例として図面を参照して説明する。【0015】まず、図1は本発明の一実施例によるトンネル内避難誘導装置が適用されたトンネル内非常用設備の概略を説明するための図であり、この図において前述した従来例と共通する要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。【0016】図1に示す実施例が従来例と相違する点は、非常口表示灯4および非常口誘導灯5の他に、避難方向を可視表示する一方、それを音声にても報知するトンネル内避難誘導装置(後述する)を、トンネル内壁に例えば25m間隔で配置される火災検知器1と、例えば50m間隔で配設される消火栓装置2とのそれぞれに設け、これらトンネル内避難誘導装置を非常用設備管理システムと連動させて避難誘導することにある。【0017】つまり、トンネル内の非常用設備として設置が義務付けられている火災検知器1と消火栓装置2とに後述するトンネル内避難誘導装置を設けることによって、防災受信盤の制御の下に木目細かい避難誘導を能動的に実現し、かつ、設置コストも最小限に抑えるものであり、以下、この装置について説明する。」
(オ)「【0020】次に、図2を参照して本実施例に用いられる火災検知器1の構成について説明する。図2(イ),(ロ)は、それぞれ火災検知器1の外観および構成を示す図である。これら図に示すように、火災検知器1は検知器本体10と避難誘導装置11とが一体化されたものであり、その筺体には避難方向を矢印により可視表示する表示灯11a,11bと、避難方向を音声案内するためのスピーカ11cとが設けられている。【0021】避難誘導装置11は、表示灯11a,11b、防災受信盤6aから信号線SLを介して供給される表示制御信号Dcを受信してデコードする受信部11d、この受信部11dの出力に基づき表示灯11a,11bのいずれか一方を点灯駆動させる駆動制御信号と音声案内メッセージを出力するのを指示する指示信号とを発生する制御部11e、駆動制御信号に応じて表示灯11a,11bを点灯駆動する表示部11fおよび指示信号に基づき避難誘導する音声案内メッセージを音声合成する音声合成部11g、アンプ11h、スピーカ11cとから構成される。【0022】上記構成による避難誘導装置11では、防災受信盤6aから供給される表示制御信号Dcに従って、表示灯11a,11bのいずれか一方を点灯駆動すると共に、音声合成部11gにて予め記憶されている音声合成音、例えば、「矢印の方向へ避難してください」なる音声合成音を繰り返しメッセージ再生してスピーカ11cより放音する。」
(カ)「【図2】」
(キ)「【0023】こうしたトンネル内避難誘導装置11は、消火栓装置2にも一体化して配備される。図3(イ)に示す通り、その筺体には表示灯11a,11bとスピーカ11cとが設けられ、また消火栓装置2は図3(ロ)に示す通り、バルブ開放操作に応じてポンプ起動信号を発生する消火栓回路を有する消火栓部2aと、発信ボタン操作により作動信号を出力する手動通報回路を有する手動通報器2bとを備えると共に、上記構成要素11a~11gからなるトンネル内避難誘導装置11が設けられている。なお、2cは表示灯、2dは消火器収納部を示す。」
(ク)「【図3】」
(ケ)「【0024】次に、火災検知器1および消火栓装置2にそれぞれ一体化される避難誘導装置11と防災受信盤6aとから構成される避難誘導システムの動作について説明する。前述したように、25m間隔で配設される火災検知器1は、50mを1区画とする範囲で区画化され、さらに、50m間隔で配設される消火栓装置2は、200mを1区画とする範囲で区画化されている。そして、これら区画化された各火災検知器1および消火栓装置2は防災受信盤6aの監視下に置かれる。【0025】したがって、これら火災検知器1のいずれかが火災検知して作動信号を発生したり、消火栓装置2のいずれかが手動通報により作動信号を発生すると、防災受信盤6a側では作動した火災検知器1(あるいは消火栓装置2)が配置される区画を特定し、その区画を火災現場と見做す。【0026】ここで、例えば、トンネル中央が火災現場となった場合、防災受信盤6aはその区画を除く他の区画の火災検知器1および消火栓装置2に内蔵された各避難誘導装置11に対して火災現場とは逆方向にある最寄の非常口を指し示す表示制御信号Dcを供給する。【0027】これにより、火災現場に対応する区画以外の避難誘導装置11では、火災現場とは逆方向にある非常口を指し示すように表示灯11a,11bのいずれか一方を点灯又は点滅しつつ、「矢印の方向へ避難してください」なる音声案内メッセージを繰り返し再生する。【0028】この為、火災により生じる煤煙にてトンネル内部の視界が不良になったとしても、25m~50mという至近距離の間隔で避難方向が可視表示されるから、的確な避難誘導が可能になる訳である。しかも、従来の非常口誘導灯5のように、単に非常口までの距離を表示するだけのものではなく、火災現場から遠ざかる方向へ迅速かつ能動的に避難誘導することができる。【0029】加えて、本実施例によるトンネル内避難誘導装置は、トンネル内部に新規な装置を構築せず、トンネル内壁に設けられる既存の非常用設備に一体化する態様のため、専用のスペースを必要とせず、設置コストを大幅に低減し得るという効果も奏する。」
(コ)「【0032】また、本発明による避難誘導手段は、上述した実施例に限らず、トンネル内壁に配設される非常用設備である、非常口誘導灯や非常口非常灯等に設けるようにしても良い。また、避難誘導手段は、火災検知器1、消火栓装置2の両方に設けても良いが、いずれか一方に設けるようにしても良い。さらに、本発明による表示手段にあっては、LEDを複数配設したようなメッセージ表示器(所謂、電光掲示板)でも良く、その表示形態としては文字やシンボル図形を用いて避難誘導する。」
(a)上記(コ)の摘記事項中において「避難誘導手段」と表記されているものが、その他の摘記箇所において「避難誘導装置11」又は「トンネル内避難誘導装置11」と表記されているものと同一のものを指していることは明らかである。
(b)上記(エ)に記載されている「火災検知器1」、「消火栓装置2」や上記(コ)に記載されている「非常口誘導灯」、「非常口非常灯」が、それぞれ、引用文献1における「トンネル内非常用設備」として例示されているものであることは明らかである。
(c)上記(ア)及び(イ)の記載を参酌すると、「非常口誘導灯5」は、「トンネル内壁に沿って配置され、左右の誘導方向を示す一対の矢印と非常口までの距離とが表示されているもの」であることが看取される。
上記(ア)から(コ)の記載事項及び(a)から(c)で言及した事項を踏まえると、引用文献1には、以下の発明が記載されていると認められる。(以下、「引用発明」という。)
「的確な避難誘導を能動的に行うことができるトンネル内避難誘導装置11を適用したトンネル内非常用設備であって、前記トンネル内非常用設備は、火災検知器1、消火栓装置2、非常口誘導灯5、非常口表示灯4、等であり、前記非常口誘導灯5は、トンネル内壁に沿って配置され、左右の誘導方向を示す一対の矢印と非常口までの距離とが表示されているものであり、前記トンネル内避難誘導装置11は、表示灯11a,11b、防災受信盤6aから信号線SLを介して供給される表示制御信号Dcを受信してデコードする受信部11d、この受信部11dの出力に基づき表示灯11a,11bのいずれか一方を点灯駆動させる駆動制御信号と音声案内メッセージを出力するのを指示する指示信号とを発生する制御部11e、駆動制御信号に応じて表示灯11a,11bを点灯駆動する表示部11fおよび指示信号に基づき避難誘導する音声案内メッセージを音声合成する音声合成部11g、アンプ11h、スピーカ11cとから構成され、前記防災受信盤6aは、トンネル内避難誘導装置11に対して火災現場とは逆方向にある最寄の非常口を指し示す表示制御信号Dcを供給し、これにより、火災現場に対応する区画以外の避難誘導装置11では、火災現場とは逆方向にある非常口を指し示すように表示灯11a,11bのいずれか一方を点灯又は点滅しつつ、「矢印の方向へ避難してください」なる音声案内メッセージを繰り返し再生し、前記トンネル内避難誘導装置11は、前記非常口誘導灯5に設けるようにしても良く、表示手段にあっては、LEDを複数配設したようなメッセージ表示器(所謂、電光掲示板)でも良く、その表示形態としては文字やシンボル図形を用いて避難誘導する、トンネル内非常用設備。」
イ 引用文献2(特開昭62-032976号公報)
原査定の拒絶の理由において周知技術として引用された引用文献2(特開昭62-032976号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審にて付したものである。)
(ア)「〔産業上の利用分野〕本発明は、ホテル、病院、劇場その他の建物において火災等の緊急事態発生時に、安全な避難口を自動的に判別し、避難者を音と光によってその方向へ誘導する自動避難誘導装置に関するものである。」(第1頁左下欄第18行-同頁右下欄第3行)
(イ)「〔発明の構成〕
本発明は、火災の発生を検出する複数のセンサーと、作動したセンサーの位置及び順位から避難すべき方向を判断するCPUと、該CPUからの信号により避難すべき方向を指示する誘導部と、やはり上記CPUからの信号により避難口を表示する表示部とから成る自動避難誘導装置であって、図面はその実施例を示すものである。
第1図は本装置の最も単純な室内設置例を示すもので、図中A、Bは出口(非常口)、1~4はセンサー、5~8は誘導部である。センサー1~4は、煙、熱等を検知し、それに基づきCPUにて避難すべき方向を選択し、誘導部5~8を作動させ、また同時に、出口A、Bを囲むように設置された表示部を作動させる。センサー1~4としては既存の煙感知器、熱感知器等を利用してもよい。
第2図は誘導部5~8の表面の構成例を示すもので、上半が左方向誘導部、下半が右方向誘導部で、矢印9、10と誘導用のスピーカー11、12を備える。矢印9、10の内側には多数の高輝度ランプ13が配備され、矢印9、10に対し透過光を発する。高輝度ランプは、矢印方向へ順次点滅を繰り返していく動作を反覆する。誘導用のスピーカー11、12は、例えば「矢印の方向へ避難して下さい。出口はフラッシュが点滅し、ブザーが鳴っています。」の如く、音声による誘導を行うためのもので、必要に応じて外国語を併用する。(第2頁左上欄第4行-同頁右上欄第13行)
(ウ)「〔発明の作用〕本発明の詳細な説明すると、第1図においてセンサー2の付近で火災が発生したとすると、センサー2がこれをキャッチし(既設の火災報知機も、別個にあるいは同時に作動する。)、CPUにおいて、作動したセンサーの位置が把握される。複数のセンサーが作動したときは、作動した順序により、即ち、最初に作動したセンサーから遠ざかる方向が安全との判断を下し、その方向の避難口を選択する。CPUによる誘導方向の判断方法としては、予め各センサーの発報ごとに選択方向を設定して置き(複合発報のデータも)、発報時このデータに基いて選択する方法と、その都度発報センサーを座標演算して誘導方向を選択する方法とがあるが、現場状況が明らかな場合には前者により、不明な場合には後者による。第1図の場合は、作動していないセンサー3の側にある出口Bが安全であるから、各誘導部5~8に対し、出口B方向に向かう矢印9、10を点滅させる。即ち、誘導部5、6においては右方向、誘導部7、8においては左方向である。避難者は、その指示方向に逃げていけばよい。」(第2頁左下欄第16行-同頁右下欄第18行)
(エ)「第1図、第2図」
上記(ア)から(エ)の記載事項を参酌するに、引用文献2には、以下の技術事項が開示されていると認められる。
「ホテル、病院、劇場その他の建物において火災等の緊急事態発生時に、安全な避難口を自動的に判別し、避難者を音と光によってその方向へ誘導する自動避難誘導装置において、当該自動避難誘導装置の構成要素のひとつである、CPUからの信号により避難すべき方向を指示する誘導部の表示態様として、誘導部が備える複数の矢印が順次点滅を繰り返す動作を反覆する」との技術事項。
ウ 引用文献3(特開平11-40351号公報)
当審において周知技術として引用する引用文献3(特開平11-40351号公報)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審にて付したものである。)
(ア)「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、エレクトロミネセンス(EL)発光パネルからなり、発光機能および表示機能に優れた発光表示パネルに関する。より具体的には、構造が簡単で薄型発光表示装置として壁面や表示ボードとして利用でき、各種の標識表示や物理化学量の表示などに幅広く用いることができる発光表示パネルとその製造方法に関する。」
(イ)「【0015】本発明の発光表示パネルは、(7)背面電極、絶縁体層、発光層、透明電極層および透明樹脂層が透明防湿フィルムで被覆されている発光表示パネルを含む。パネル全体を透明防湿フィルムで被覆することにより耐湿性に優れた表示パネルを得ることができる。従って、湿気の多い場所、例えば、浴室やプール、洗浄室、温室、地下室、トンネルなどでの表示装置として適する。」
(ウ)「【0047】(B)誘導表示装置動的な表示機能を有する誘導表示装置の構成例を図7~図15に示す。図示する誘導表示装置は、矢印状のEL発光パネル10と該パネル10に接続した制御回路Cからなる。 前述の発光表示パネルと同様に、発光パネル10は背面電極1上に絶縁体層2、発光層3、透明電極層4および透明樹脂層5を積層したものである。好ましくは全体が透明防湿フィルム9で包まれている。これらの背面電極1、絶縁体層2、発光層3、透明電極層4および透明樹脂層5の材質および構造は前述の発光表示パネルと同様である。【0048】図示する構成例において、透明電極層4は微小な空隙6によって4つの領域4a~4dに分割されている。図9に示すように透明電極層4の各領域にはその表面に集電帯8a~8dが形成され、各集電帯には端子7a~7dが接着されている。また、図7に示すように背面電極には端子7eが接着されており、端子7a~7eは制御回路Cに接続されている。なお、端子部分を絶縁テープで保護すれば、非発光部の形状を整えるのが容易になり、また背面の電極に接近する場合にはその短絡を防止できるので好ましい。透明電極層を分割する空隙6は微細な幅の切り込みであるため、ELパネル10は表面から見ると1枚の連続したパネルであるが、制御回路Cによって発光パネルの各端子7a~7eに所定のパターンで交流電圧を印加すると、領域4a~4dに接する発光領域が発光し、動的なサインが表示される。【0049】例えば、表2に示す接続パターン、すなわち、どの端子も接続されていない状態から、一定時間経過後に端子7eと7dを、さらに一定時間経過後には7eと7d+7cを、さらに以下同様にして最終的には7eと7d+7c+7b+7aとを接続状態に至らしめる回路に接続すると、初めは点灯部を有しない1枚のパネルから、まず領域4dに相当する部分が点灯し、順次、矢印の頭に向かって4c、4b、4aへと点灯部が拡大していく。このため、誘導方向をより効果的に示すことができる。また、表3に示す接続パターンを実現する電気回路と接続すると、一枚の発光パネル内で、矢印が4dから4aに向かって移動して進行方向を表示できる、より効果的な誘導表示サインとなる。【0050】【0051】」
(エ)「【図7】」
上記(ア)から(エ)の記載事項を参酌するに、引用文献3には、以下の技術事項が開示されていると認められる。
「トンネルなどでの表示装置として適する発光表示パネルにおいて、当該発光表示パネルの構成要素のひとつである透明電極層4は、微少な空隙6によって4つの領域4a~4dに分割されており、前記発光表示パネルに制御回路Cから所定のパターンで交流電圧を印加すると、前記領域4a~4dに接する発光領域が発光し、動的なサインを表示することができ、発光表示パネルにおいて誘導方向を示す誘導表示サインの発光の表示態様として、例えば、前記領域4a~4dが4dから4aに向かって移動して進行方向を表示できる」との技術事項。
(3)本件補正発明と引用発明との対比
ア 『トンネル側壁に沿って配置され、左右の誘導方向を示す一対の矢印を
表示した誘導表示板』について
引用発明の「非常口誘導灯5」は、「トンネル内壁に沿って配置され、左右の誘導方向を示す一対の矢印と非常口までの距離とが表示されているもの」であるから、本件補正発明でいう『トンネル側壁に沿って配置され、左右の誘導方向を示す一対の矢印を表示した誘導表示板』に相当する。
イ 『前記誘導表示板に隣接して配置され、前記誘導表示板とは異なる形状
の複数の表示マークを前記矢印と略並列に配列した移動表示部を一対有
する動的誘導表示装置』について
引用発明の「トンネル内避難誘導装置11」は、「非常口誘導灯5に設けるようにしても良」く、また、防災受信盤6aから、トンネル内避難誘導装置11に対して火災現場とは逆方向にある最寄の非常口を指し示す表示制御信号Dcが供給されると、「火災現場に対応する区画以外の避難誘導装置11では、火災現場とは逆方向にある非常口を指し示すように表示灯11a,11bのいずれか一方を点灯又は点滅」するものである。
前記「表示灯11a,11b」は、火災現場とは逆方向にある非常口を指し示すように、いずれか一方を点灯又は点滅するものであるから、本件補正発明でいう『移動表示部』とは、「表示部を一対有する」という点で共通している。
また、前記「火災現場とは逆方向にある非常口を指し示すように表示灯11a、11bのいずれか一方を点灯又は点滅」する際の、「点滅」表示は、表示灯11a、11bのいずれか一方の表示態様を時間的に変化させるものであるから、いわゆる、「動的な表示」といえるから、前記「表示灯11a、11b」を備えた「トンネル内避難誘導装置11」は、本件補正発明でいう『動的誘導表示装置』に対応するものといえる。
そして、引用発明において、「トンネル内避難誘導装置11」は、「非常口誘導灯5に設けるようにしても良」いのであり、また、引用文献1の【0029】の「トンネル内避難誘導装置は、トンネル内部に新規な装置を構築せず、トンネル内壁に設けられる既存の非常用設備に一体化する態様のため、」との記載も参酌すると、「トンネル内避難誘導装置11」を「非常口誘導灯5」に設けた場合、「非常口誘導灯5」は「トンネル内避難誘導装置11」に一体として設けられることになるから、互いの位置関係としては、「トンネル内避難誘導装置11」が「非常口誘導灯5」に隣接することは明らかである。
してみると、上記「ア」で言及した事項も併せ読むと、本件補正発明と引用発明とは、「前記誘導表示板に隣接して配置され、表示部を一対有する動的誘導表示装置」という点で共通している。
ウ 『防災受信盤からの制御信号に基づき、火災場所から遠ざかる側の前記
移動表示部を選択して前記複数の表示マークを誘導方向に向けて順次繰
り返し点灯させることで、前記動的誘導表示装置により火災場所から遠
ざかる誘導方向を動的に表示すること』について
引用発明において、「防災受信盤6a」は、「トンネル内避難誘導装置11に対して火災現場とは逆方向にある最寄の非常口を指し示す表示制御信号Dcを供給」し、「トンネル内避難誘導装置11」は、防災受信盤6aから供給される表示制御信号Dcに従って、「火災現場とは逆方向にある非常口を指し示すように表示灯11a,11bのいずれか一方を点灯又は点滅する」ものであり、前記「防災受信盤6a」、「表示制御信号Dc」は、それぞれ、本件補正発明でいう『防災受信盤』、『制御信号』に相当することは明らかである。
そして、「トンネル内避難誘導装置11」によって実行される「火災現場とは逆方向にある非常口を指し示すように表示灯11a,11bのいずれか一方を点滅する」ことは、本件補正発明の『火災場所から遠ざかる側の前記移動表示部を選択して移動表示部を誘導方向に向けて順次繰り返し点灯させることで、前記動的誘導表示装置により火災場所から遠ざかる誘導方向を動的に表示すること』との構成要件のうち、『火災場所から遠ざかる側の前記表示部を選択して繰り返し点灯させることで、前記動的誘導表示装置により火災場所から遠ざかる誘導方向を動的に表示すること』との事項に対応するといえる。
してみると、本件補正発明と引用発明とは、「防災受信盤からの制御信号に基づき、火災場所から遠ざかる側の前記表示部を選択して繰り返し点灯させることで、前記動的誘導表示装置により火災場所から遠ざかる誘導方向を動的に表示する」という点で共通している。
エ 『トンネル誘導設備』について
引用発明の「トンネル内非常用設備」は、トンネル内において避難を誘導するために用いられる設備であるから、本件補正発明でいう『トンネル誘導設備』といえる。
(4)一致点及び相違点
上記「(3)本件補正発明と引用発明との対比」で検討した事項を踏まえると、本件補正発明と引用発明とは、
「トンネル側壁に沿って配置され、左右の誘導方向を示す一対の矢印を表示した誘導表示板と、前記誘導表示板に隣接して配置され、表示部を一対有する動的誘導表示装置と、を備え、防災受信盤からの制御信号に基づき、火災場所から遠ざかる側の前記表示部を選択して繰り返し点灯させることで、前記動的誘導表示装置により火災場所から遠ざかる誘導方向を動的に表示する、トンネル誘導設備。」
の点で一致し、以下の点で相違している。
[相違点]
本件補正発明においては、動的誘導表示装置が備える『移動表示部』について、『前記誘導表示板とは異なる形状の複数の表示マークを前記矢印と略並列に配列し』、『複数の表示マークを誘導方向に向けて順次繰り返し点灯させる』との事項が特定されているのに対して、引用発明においては、トンネル内避難誘導装置11が備える「表示灯11a、11b」は、「火災現場とは逆方向にある非常口を指し示すように表示灯11a、11bのいずれか一方を点滅させる」と特定されている点。
(5)判断
上記[相違点]について検討する。
(5-1)『複数の表示マークを誘導方向に向けて順次繰り返し点灯させる
』との事項について
引用文献2には、「ホテル、病院、劇場その他の建物において火災等の緊急事態発生時に、安全な避難口を自動的に判別し、避難者を音と光によってその方向へ誘導する自動避難誘導装置において、当該自動避難誘導装置の構成要素のひとつである、CPUからの信号により避難すべき方向を指示する誘導部の表示態様として、誘導部が備える複数の矢印が順次点滅を繰り返す動作を反覆する」との技術事項が開示されており、前記「誘導部」は、「複数の矢印が順次点滅を繰り返す動作を反覆する」ことで、避難者を避難口へ誘導するためのものであるから、本件補正発明でいう『移動表示部』に対応するものといえる。
そして、前記「複数の矢印」、及び、「複数の矢印が順次点滅を繰り返す動作を反覆することで避難すべき方向を指示すること」は、それぞれ、本件補正発明でいう『複数の表示マーク』、及び、『複数の表示マークを誘導方向に向けて順次繰り返し点灯させること』に対応するものといえる。
引用文献3には、「トンネルなどでの表示装置として適する発光表示パネルにおいて、当該発光表示パネルの構成要素のひとつである透明電極層4は、微少な空隙6によって4つの領域4a~4dに分割されており、前記発光表示パネルに制御回路Cから所定のパターンで交流電圧を印加すると、前記領域4a~4dに接する発光領域が発光し、動的なサインを表示することができ、発光表示パネルにおいて誘導方向を示す誘導表示サインの発光の表示態様として、例えば、前記領域4a~4dが4dから4aに向かって移動して進行方向を表示できる」との技術事項が開示されており、前記「発光表示パネル」は、「領域4a~4dが4dから4aに向かって移動して進行方向を表示」することで誘導方向を示しているのであるから、本件補正発明でいう『移動表示部』に対応するものといえる。
そして、前記「領域4a~4d」、及び、「領域4a~4dが4dから4aに向かって移動して進行方向を表示できる」ことは、それぞれ、本件補正発明でいう『複数の表示マーク』、及び、『複数の表示マークを誘導方向に向けて順次繰り返し点灯させること』に対応するものといえる。
上記言及した事項を踏まえると、誘導方向を動的に表示する表示形態として、本件補正発明で特定されている『複数の表示マークを誘導方向に向けて順次繰り返し点灯させる』ことは、本願出願前において当業者にとって周知のものといえる。
してみると、引用発明の「トンネル内避難誘導装置11」が備える「表示灯11a,11b」、引用文献2の「誘導部」、引用文献3の「発光表示パネル」は、いずれも、避難者を避難すべき方向へ誘導するためのものであるから、引用発明の「トンネル内避難誘導装置11」が備える「表示灯11a,11b」として、誘導方向を動的に表示する周知の表示形態を備える、引用文献2の「誘導部」や引用文献3の「発光表示パネル」を適用することは、当業者であれば格別の困難性を要するものではない。
(5-2)『前記誘導表示板とは異なる形状の複数の表示マーク』について
上記(5-1)で言及した様に、引用文献3の「領域4a~4d」は、本件補正発明でいう『複数の表示マーク』に対応するものであり、その形状は、引用文献3の【図7】に示される様に、いわゆる「くの字」形状のものが用いられており、誘導方向を示す表示マークとして、「矢印」形状のものとは異なる形状のものも一般的に用いられることは、周知の事項である。
そして、引用発明においては、「トンネル内避難誘導装置11」が備える「表示灯11a,11b」の表示形態として「文字やシンボル図形」を用いることも示唆されていることを併せ鑑みると、当該「表示灯11a,11b」として、「非常口誘導灯5で用いられている矢印」と異なる形状のシンボル図形を採用することは、当業者が適宜決定し得る設計的事項である。
(5-3)『(前記誘導表示板とは異なる形状の複数の表示マークを)前記
矢印と略並列に配列した』について
引用発明の「トンネル内避難誘導装置11」は、「非常口誘導灯5」に設けられているのであるから、「表示灯11a,11b」として、誘導方向を動的に表示する周知の表示形態を備える、引用文献2の「誘導部」や引用文献3の「発光表示パネル」を適用した場合、表示マークとしての引用文献2の「複数の矢印」や引用文献3の「領域4a~4d」が、引用発明の「非常口誘導灯5」の矢印と略並列に配列される位置関係になることは自明である。
(5-4)まとめ
上記(5-1)から(5-3)で検討した事項を総合的に判断すると、本件補正発明は、引用発明に引用文献2及び3で開示されている周知の技術事項を適用することで、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
そして、本件補正発明によってもたらされる効果についても、引用発明及び引用文献2、3に開示された技術事項より、当業者ならば容易に予測することができる程度のものである。
3.本件補正についてのむすび
以上のとおりであるから、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条第7項の規定に違反するので、同法159条第1項の規定において読み替えて準用する同法53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1.本願発明
令和2年2月12日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明は、令和元年10月23日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。(以下、「本願発明」という。)
「【請求項1】トンネル側壁に沿って配置され、左右の誘導方向を示す矢印を表示した誘導表示板と、前記誘導表示板に隣接して配置され、防災受信盤からの制御信号に基づき、前記矢印と異なる表示の移動により火災場所から遠ざかる誘導方向を動的に表示する動的誘導表示装置と、を備えたことを特徴とするトンネル誘導設備。」
2.原査定における拒絶の理由
拒絶査定の拒絶の理由の概要は、以下のとおりである。
「この出願の請求項1に記載された発明は、引用文献1及び2に基づいて当業者であれば容易になし得た発明であるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。引用文献1:特開平10-179774号公報引用文献2:特開昭62-032976号公報 」
3.引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及び2の記載事項は、前記「第2の[理由]2(2)」に記載したとおりである。
4.対比
本願発明は、前記「第2の[理由]2」で検討した本件補正発明から、「誘導表示板」に表示される「左右の誘導方向を示す矢印」について、「一対の」との事項、「動的誘導表示装置」について、「前記誘導表示板とは異なる形状の複数の表示マークを前記矢印と略並列に配列した移動表示部を一対有する」との事項、並びに、火災場所から遠ざかる誘導方向を動的に表示する態様について、「火災場所から遠ざかる側の前記移動表示部を選択して前記複数の表示マークを誘導方向に向けて順次繰り返し点灯させること」との事項、を削除したものである。
そうすると、前記「第2の[理由]2(2)、(3)」で検討した事項を踏まえると、本願発明と引用発明は、
「トンネル側壁に沿って配置され、左右の誘導方向を示す矢印を表示した誘導表示板と、前記誘導表示板に隣接して配置され、防災受信盤からの制御信号に基づき、表示により火災場所から遠ざかる誘導方向を動的に表示する動的誘導表示装置と、を備えたことを特徴とするトンネル誘導設備。」
で一致しており、以下の点で相違している。
[相違点]
本願発明は、「動的誘導表示装置」が「火災場所から遠ざかる誘導方向を動的に表示する」ための表示態様として、「前記矢印と異なる表示の移動により」との事項が特定されているのに対し、引用発明は、「トンネル内避難誘導装置11」が「火災場所から遠ざかる誘導方向を動的に表示する」ための表示態様として、「表示灯11a、11b」を点滅するものである点。
5.判断
上記[相違点]については、上記「第2の[理由]2(5)」で言及したとおり、引用発明の「トンネル内避難誘導装置11」が備える「表示灯11a,11b」と引用文献2の「誘導部」とは、いずれも、避難者を避難口へ誘導するためのものであるから、引用文献2の記載事項として、誘導部がトンネル内にて用いられる旨の明示的な開示がないとしても、引用発明の「トンネル内避難誘導装置11」が備える「表示灯11a,11b」として、誘導方向を動的に表示する周知の表示形態を備える、引用文献2に開示されている「誘導部」を適用することは、当業者であれば格別の困難性を要するものではない。
また、誘導方向を示す表示マークとして、「矢印」形状のものとは異なる形状のものも一般的に用いられるという周知の事項(必要ならば、上記「第2の[理由]2(5-2)」で言及した事項を参照。)、及び、引用発明においては、「トンネル内避難誘導装置11」が備える「表示灯11a,11b」の表示形態として「文字やシンボル図形」を用いることが示唆されていることを併せ鑑みると、当該「表示灯11a,11b」を「非常口誘導灯5で用いられている矢印」と異なる形状のシンボル図形を採用することは、当業者が適宜決定し得る設計的事項である。
そして、本願発明によってもたらされる効果についても、引用発明及び引用文献2に開示された技術事項並びに周知の事項より、当業者ならば容易に予測することができる程度のものである。
したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献2に開示された技術事項並びに周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用文献2に開示された技術事項並びに周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2020-001894