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商標異議申立

2019-900227

タアタ、タータ

審判番号
2019-900227
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2018-082996
登録番号
商標登録第6146594号(T6146594)
請求日
2019年08月19日
審決日
2020年05月01日
公報発行日
2020年06月26日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社アイ・オー・データ機器
  • 【権利者代理人】特許業務法人 クレイア特許事務所
  • 【異議申立人】タタ・サンズ・リミテッド
  • 【異議申立人代理人】蔵田 昌俊
  • 【異議申立人代理人】小出 俊實
  • 【異議申立人代理人】幡 茂良
  • 【異議申立人代理人】橋本 良樹
審判長/審判官
  • 審判長 榎本 政実
  • 審判官 小松 里美
  • 審判官 小俣 克巳
分類
T1651.261-Y (W353742) / T1651.262-Y (W353742) / T1651.263-Y (W353742) / T1651.271-Y (W353742)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

登録第6146594号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第6146594号商標の商標登録を維持する。

理由

【理 由】 1 本件商標 本件登録第6146594号商標(以下「本件商標」という。)は,「たぁた」の文字を標準文字で表してなり,平成30年6月25日に登録出願,第35類「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」,第37類「電気通信機械器具の修理又は保守,民生用電気機械器具の修理又は保守,集積回路製造装置の修理又は保守,半導体製造装置の修理又は保守」及び第42類「電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,コンピュータソフトウェアの保守及びその取次ぎ,コンピュータソフトウェアの保守に関する情報の提供,コンピュータ上でのコンピュータプログラムの動作・障害の回復に関する助言,コンピュータソフトウェアの環境設定・インストール・故障診断・修理・改良及び保守・提供・貸与,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守」を指定役務として,同31年4月22日に登録査定され,令和元年5月24日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は以下のとおりであり,いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。以下,これらをまとめて「引用商標」という。 (1)登録第5295707号商標(以下「引用商標1」という。) 商標:TATA COMMUNICATIONS(標準文字) 指定役務:第37類「光ファイバー通信ネットワーク・技術施設・地上及び海中の通信ネットワークの建設・設置又は保守」,第38類「光ファイバー通信ネットワークを利用した音声・画像・文字データの伝送交換,グローバルコンピュータネットワークへの接続の提供,衛星通信,インターネットを通した音声データ通信」及び第42類「科学及び産業に関する調査・研究・開発,電子計算機による通信に関する技術的助言及び補助,電子計算機のプログラムの作成,コンピュータソフトウェアアプリケーションのホスティング,コンピュータインターネットサーバ及びコンピュータインターネットウェブサイトのホスティング,通信ネットワーク用コンピュータセキュリティシステムの遠隔監視」 登録出願日:平成20年1月29日 設定登録日:平成22年1月22日 (2)登録第5295708号商標(以下「引用商標2」という。) 商標:別掲1のとおり 指定役務:第37類「光ファイバー通信ネットワーク・技術施設・地上及び海中の通信ネットワークの建設・設置又は保守」,第38類「光ファイバー通信ネットワークを利用した音声・画像・文字データの伝送交換,グローバルコンピュータネットワークへの接続の提供,衛星通信,インターネットを通した音声データ通信」及び第42類「科学及び産業に関する調査・研究・開発,電子計算機による通信に関する技術的助言及び補助,電子計算機のプログラムの作成,コンピュータソフトウェアアプリケーションのホスティング,コンピュータインターネットサーバ及びコンピュータインターネットウェブサイトのホスティング,通信ネットワーク用コンピュータセキュリティシステムの遠隔監視」 登録出願日:平成20年1月29日 設定登録日:平成22年1月22日 (3)登録第5352298号商標(以下「引用商標3」という。) 商標:別掲2のとおり 指定商品及び指定役務:第9類「電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,電子出版物,磁気テープ,磁気ディスク」,第16類「印刷物,写真,写真立て,書画,塗装用ブラシ」,第35類「事業に関する指導及び助言,コンピュータデータベースへの情報編集,インターネットを利用したコンピュータデータベースへの情報構築,人材派遣によるコンピュータデータベースへの情報構築,事業に関する情報の提供,事業の管理及び運営」及び第42類「コンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,コンピュータソフトウェアの開発,コンピュータプログラムのインストール,コンピュータソフトウェアのバージョンアップ,ウェブページの設計・作成・保守又はホスティング,コンピュータネットワークの開発・インストール又は管理,コンピュータシステムの分析,電子応用機械器具及びその部品の設計・開発に関する助言,インターネットに接続するためのコンピュータ及びコンピュータプログラムの環境設定に関する助言,コンピュータの保全システム・暗号化技術及びその実施に関する助言,コンピュータシステムの設計・作成又は保守に関する情報の提供,ソフトウェアアプリケーションへのアクセスタイムの賃貸,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,コンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸に関する助言,コンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸に関する情報の提供,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関する助言,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守に関する情報の提供,ソフトウェアの利用に関する助言,ソフトウェアの利用に関する情報の提供,コンピュータプログラムのインストールに関する助言,コンピュータソフトウェアのバージョンアップに関する助言,コンピュータプログラムのインストールに関する情報の提供,コンピュータソフトウェアのバージョンアップに関する情報の提供,ウェブページの設計・作成・保守又はホスティングに関する助言,ウェブページの設計・作成・保守又はホスティングに関する情報の提供,コンピュータネットワークの開発・インストール又は管理に関する助言,コンピュータネットワークの開発・インストール又は管理に関する情報の提供,コンピュータシステムの分析に関する助言,コンピュータシステムの分析に関する情報の提供,電子応用機械器具及びその部品の設計・開発に関する助言に関する情報の提供,インターネットに接続するためのコンピュータ及びコンピュータプログラムの環境設定に関する助言に関する情報の提供,コンピュータの保全システム・暗号化技術及びその実施に関する助言に関する情報の提供,コンピュータシステムに関する助言,ソフトウェアアプリケーションへのアクセスタイムの賃貸に関する助言,ソフトウェアアプリケーションへのアクセスタイムの賃貸に関する情報の提供,電子計算機の貸与に関する助言,電子計算機の貸与に関する情報の提供,電子計算機用プログラムの提供に関する助言,電子計算機用プログラムの提供に関する情報の提供」 登録出願日:平成20年3月31日 設定登録日:平成22年9月10日 3 登録異議の申立ての理由 申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号又は同項第15号に該当するものであるから,その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして,その理由を要旨以下のとおり述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は,「たぁた」の文字を同一の書体で一連に横書きにした構成からなるところ,これよりは「タータ」の称呼を生じるものである(甲1,甲2)。 引用商標1は,「TATA COMMUNICATIONS」の文字を同一の書体かつ同一の大きさで横書きにしたものであり,称呼する際には冗長であるから,先頭の文字で,申立人の名称の略称でもある「TATA」の文字のみに省略されて,「タタ」の称呼を生じる場合もある(甲3,甲4)。 引用商標2は,楕円形の図形に白抜きの線を引いたものを上段に,「TATA」の文字を下段にして組み合わせてなるものであり,その構成中の文字に相応して「タタ」の称呼を生じるものである(甲5,甲6)。 引用商標3は,「TATA CONSULTANCY SERVICES」の文字からなり,称呼する際には冗長であるから,他の文字より太く目立つように書されている先頭の文字で,申立人の名称の略称でもある「TATA」の文字のみに省略されて,「タタ」の称呼を生じる場合もある(甲7,甲8)。 そこで,本件商標と引用商標の称呼を比較してみると,本件商標の「タータ」の称呼と引用商標の「タタ」の称呼とでは,長音の有無の差異しかないものである。長音は,前音の母音に吸収されて,独立した一音としては明確には聴取され難い音であることから,長音の有無が称呼全体に及ぼす影響は大きくなく,両称呼を一連に称呼するときは,全体の語調,語感は近似し,称呼上相紛れるおそれがあるものである。 なお,特許庁の審決においても,長音の有無の差異しかない称呼について,互いに類似すると判断されている(甲9~甲11)。 以上のとおり,本件商標は,引用商標と称呼において類似するものであり,その指定役務も引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似であるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第15号について ア 申立人は,インドで最大の,かつ最も著名な複合企業体であるタタ・グループに属する企業であるが,タタ・グループにおいて,持株会社として,100社以上の企業を傘下に持ち,運営しているものである(甲13~甲16)。 タタ・グループは,19世紀半ばに設立されてから,インドにおける幅広い産業分野で,商標「TATA」の下で事業を行ってきている企業グループであり,2017年(平成29年)3月期においては6兆7千億ルピー(約11兆4千億円)の売り上げを誇り,インド国内にとどまらず,世界100力国以上で事業を展開してきているものである(甲13~甲16)。 このため,インドのデリー高等裁判所においても,商標「TATA」は,申立人の業務に係る商標としてインドで周知であると判断されているものである(甲12)。 イ 引用商標をはじめ,商標「TATA」は,そのタタ・グループの商標として,そのグループに属する申立人及びグループ企業により世界中で使用されてきているものであるが,特に引用商標2及び引用商標3は,申立人の傘下にあるITサービス企業である,タタコンサルタンシーサービシズの商標としても使用されてきているものである(甲13~甲16)。 タタコンサルタンシーサービシズは,申立人の一部門として1968年に設立以来,売上,規模ともに,インド最大手のITサービス企業である。事業展開は,インド国内にとどまらず,世界46力国のオフィスと40万名超の社員を有しているものである(甲13~甲16)。 世界有数のブランド評価会社であるBrand Financeから「世界で最も急成長を遂げるグローバルITサービスのブランド」に選ばれている。 世界100以上の拠点を有機的に結ぶ独自のネットワークを持ち,IBM,Accentureに匹敵する世界的規模を持つことから,ITサービス分野における世界3大ブランドの一つに選ばれるほどである(甲13~甲16)。 ウ 我が国においても,タタコンサルタンシーサービシズは,1987年(昭和62年)からインドのITサービス企業として初めて日本市場に進出してきたものであり,2004年(平成16年)にはタタコンサルタンシーサービシズジャパン株式会社として日本法人を設立し,我が国における事業を展開し,その商品,役務について,特に引用商標2及び引用商標3を含む商標「TATA」を使用してきたものである。 2014年(平成26年)7月からは,さらに日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社を設立し,我が国における事業をさらに拡大しているものである。 日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社は,IT関係に関するコンサルティング,ビジネスソリューション等の事業を行っているものであるが,それらの商品,役務について,特に引用商標2及び引用商標3を含む商標「TATA」を使用しているものである(甲13~甲16)。 エ 以上述べてきたように,申立人及びそのグループ企業が,我が国を含む世界各国において,長期にわたり,大規模に引用商標をはじめ,商標「TATA」を使用してきた状況から,引用商標をはじめ,商標「TATA」は,本件商標が出願された平成30年6月25日の時点には,申立人の業務に係る商品,役務を表示する商標として,またその商品,役務の分野を超えて,我が国を含む世界各国の需要者の間で広く認識されていたものというべきものである。 よって,引用商標と称呼が類似すると認められる本件商標が,引用商標を含む商標「TATA」が世界的に使用されている商品,役務の分野と関連する本件商標の指定役務に使用された場合,その役務の需要者が申立人の業務に係る商品,役務と出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。 したがって,本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は,上記1のとおり,「たぁた」の文字を標準文字で表してなるところ,これよりは,「タータ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標 (ア)引用商標1は,上記2(1)のとおり「TATA COMMUNICATIONS」の文字を標準文字で表してなるところ,該文字は,同じ書体及び大きさをもって,一連に横書きされているものであり,その構成全体から生じる「タタコミュニケーションズ」の称呼も,無理なく一連に称呼し得るものである。 そして,引用商標1の構成中,後半の「COMMUNICATIONS」の文字が,「伝達」等を意味する英語であるとしても,引用商標1の構成及び生じる称呼からすると,これに接する需要者は,殊更,「TATA」の文字部分のみに着目することはなく,引用商標1を一体不可分の造語よりなるものと認識,理解するとみるのが相当である。 そうすると,引用商標1は,その構成文字に相応して,「タタコミュニケーションズ」の一連の称呼のみを生じ,特定の観念を生じないというべきである。 (イ)引用商標2は,別掲1のとおり,黒色の楕円中に白抜きで下方から2本の鉤状図形が左右に分かれて描かれた図形の下部に太字で「TATA」(「A」の文字は多少図案化されている。以下,同じ。)の文字を表してなるところ,その構成中,図形部分と文字部分は,分離して構成されており,両者の強い観念上のつながりなども認められないから,「TATA」の文字部分に相応して「タタ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。 (ウ)引用商標3は,別掲2のとおり,「TATA」(「A」の文字は多少図案化されている。以下,同じ。)の文字を太字で表し,その右横に「CONSULTANCY SERVICES」の文字を表してなるところ,その構成中,「TATA」の文字部分と「CONSULTANCY SERVICES」の文字部分とは,書体及び態様が相違していることから,視覚上,分離して看取されるといえ,さらに,「CONSULTANCY SERVICES」の文字部分は,「コンサルタント業」の意味を有する英語であって,引用商標3の指定役務との関係においては,自他役務識別力が強いものとはいえないことから,太字で表した「TATA」の文字部分に着目して取引に当たる場合も決して少なくないものと見るのが相当である。 そうすると,引用商標3は,「TATA」及び「CONSULTANCY SERVICES」の各文字から「タタコンサルタンシーサービシーズ」の称呼を生じるほか,独立して自他商品及び役務の識別標識としての機能を果たし得る「TATA」の文字に相応して「タタ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。 ウ 本件商標と引用商標の類否 (ア)本件商標と引用商標1の類否を検討すると,両者は,外観において,構成文字種及び文字数において明らかに相違するものであるから,外観上,相紛れるおそれはない。 次に,本件商標から生じる「タータ」の称呼と引用商標1から生じる「タタコミュニケーションズ」の称呼を比較すると,両者は音数が異なり,音構成も明らかに相違するから,称呼上,相紛れるおそれはない。 さらに,観念においては,両者は共に特定の観念を生じないものであるから,比較することができないものである。 (イ)本件商標と引用商標2の類否を検討すると,本件商標と引用商標2の構成中「TATA」の文字部分とは,外観において,構成文字種及び文字数において明らかに相違するものであるから,外観上,相紛れるおそれはない。 次に,本件商標から生じる「タータ」の称呼と引用商標2から生じる「タタ」の称呼を比較すると,両者は長音の有無に差異を有するものであり,3音又は2音といった極めて短い音構成からなる両称呼において,この差異が全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず,これらを全体として称呼した場合においては,その語調,語感が著しく相違したものとなるから,両者は,称呼上,相紛れるおそれはない。 さらに,観念においては,両者は共に特定の観念を生じないものであるから,比較することができないものである。 (ウ)本件商標と引用商標3の類否を検討すると,両者は,外観において,構成文字種及び文字数において明らかに相違するものであるから,外観上,相紛れるおそれはない。 次に,本件商標から生じる「タータ」の称呼と引用商標3全体から生じる「タタコンサルタンシーサービシーズ」の称呼を比較すると,両者は音数が異なり,音構成も明らかに相違するから,称呼上,相紛れるおそれはない。 さらに,観念においては,両者は共に特定の観念を生じないものであるから,比較することができないものである。 また,本件商標と引用商標3の構成中「TATA」の文字との類否においては,上記(イ)と同様の理由により,外観及び称呼において相紛れるおそれはなく,観念において比較することができないものである。 (エ)上記(ア)ないし(ウ)のとおり,本件商標と引用商標とは,観念において比較することができないものであるとしても,外観及び称呼において相紛れるおそれがなく,両者の外観,称呼,観念によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察すれば,両者は,相紛れるおそれのない非類似の商標であって,別異の商標というべきものである。 なお,申立人は過去の審決例を挙げているが,商標の類否の判断は,査定時又は審決時における取引の実情を勘案し,その指定商品,指定役務の取引者,需要者の認識を基準に対比される商標について個別具体的に判断されるべきものであるから,それらをもって本件の判断が左右されるものではない。 エ 小括 したがって,本件商標と引用商標とは,相紛れるおそれのない非類似の商標であって,別異の商標というべきものであるから,本件商標の指定役務と引用商標の指定商品及び指定役務との類否について論ずるまでもなく,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第15号該当性について ア 引用商標及び商標「TATA」の周知性について 申立人は,引用商標をはじめ,商標「TATA」(以下「申立人商標」という。)は,本件商標の登録出願時には,申立人の業務に係る商品,役務を表示する商標として,またその商品,役務の分野を超えて,我が国を含む世界各国の需要者の間で広く認識されていたものである旨主張し,その証拠として,インターネット上のフリー百科事典「ウィキペディア」における「タタ・グループ」及び「タタ・コンサルタンシー・サービシズ」のページ(甲13,甲15),「財閥知らずにインド経済は語れない!?財閥特集始動!~タタ編~」と題する2017年(平成29年)9月22日付けのインターネット記事(甲14)及び日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社のホームページの写し(甲16)を提出している。 しかしながら,上記証拠によっては,インドの財閥の一つタタ・グループは100以上の構成企業を有するインドにおける産業や商業に関与する企業グループであって,申立人は当該グループに属していること,また,我が国においては,日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社がタタ・グループの一員であり,ITサービス,コンサルティング,ビジネスソリューションを事業内容とする法人であることはうかがえるものの,申立人及び日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国において上記事業に引用商標及び申立人商標を使用していることを確認し得る個別具体的な証拠は見いだせない。 その他,本件商標の登録出願時及び登録査定時における引用商標及び申立人商標の周知性の度合いを客観的に判断するための,我が国における引用商標及び申立人商標を使用した申立人の業務に係る商品及び役務の売上高,宣伝広告費,宣伝地域,市場占有率等に関する証拠は提出されていない。 そうすると,引用商標及び申立人商標は,申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして,本件商標の登録出願日及び登録査定日において,我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。 イ 出所の混同のおそれについて 本件商標と引用商標とは,上記(1)のとおり,相紛れるおそれのない非類似の商標であって,別異の商標というべきものであり,それと同様に,本件商標と「TATA」の文字からなる申立人商標とは,非類似の商標といえるものであるから,本件商標と引用商標及び申立人商標との類似性の程度は,低いものである。 また,上記アのとおり,引用商標及び申立人商標は,申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして,本件商標の登録出願日及び登録査定日において,我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。 そうすると,本件商標に接する需要者が引用商標及び申立人商標を連想又は想起することはないというべきであるから,本件商標は,商標権者がこれをその指定役務について使用しても,当該役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように,その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 ウ 小括 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (3)まとめ 以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきである。 よって,結論のとおり決定する。

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2019-900227

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