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商標異議申立

2022-900385

ダブリュウド、ダブリュウ

審判番号
2022-900385
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2021-076163
登録番号
6583239
請求日
2022年09月09日
審決日
2023年07月31日
公報発行日
2023年09月29日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】ワアク株式会社
  • 【異議申立人】スターウッド ホテルズ アンド リゾーツ ワールドワイド リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
  • 【異議申立人代理人】和田 信博
  • 【異議申立人代理人】秋山 朋子
審判長/審判官
  • 審判長 大橋 良成
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 浦崎 直之
分類
T1652.261-Y (W202535374243) / T1652.262-Y (W202535374243) / T1652.263-Y (W202535374243) / T1652.271-Y (W202535374243)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第43条の2、商標法第43条の3第4項
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6583239号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6583239号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6583239号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和3年6月18日に登録出願、第43類「会議室の貸与,展示施設の貸与,家具の貸与,椅子・テーブル・テーブル用リネン・ガラス食器の貸与」のほか、第20類、第25類、第35類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同4年6月9日に登録査定、同年7月6日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、「商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当する。」として引用する登録第5331759号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成21年7月21日に登録出願、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),会議室の貸与,展示施設の貸与」を指定役務として、同22年6月18日に設定登録され、その後、令和2年6月5日に商標権の存続期間の更新登録がされたものであり、現に有効に存続しているものである。 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第43類「会議室の貸与,展示施設の貸与,家具の貸与,椅子・テーブル・テーブル用リネン・ガラス食器の貸与」について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第39号証(枝番号を含む。なお、枝番号のすべてを引用する場合は、枝番号の記載を省略する。)を提出した。 なお、以下、甲各号証の表記にあたっては、甲第1号証を「甲1」のように表示する。 1 商標法第4条第1項第11号違反 (1)本件商標について 本件商標は、欧文字の「W」を均一の幅・太さの整然とした態様で表し、その右上に上付き文字のように又は温度表示に用いられる小さい円「゜」を配置した構成である。 (2)引用商標について 引用商標は、上段に大きく欧文字の「W」を均一の幅・太さの整然とした態様で表し、下段に「HOTELS」の文字を配置した構成である。この「W」の部分は左右対称に、特に二つの「V」の谷(逆三角形の空白)とその中間の山(三角形の空白)が同じ大きさ、角度となるよう図案化されている点を特徴とする。 (3)本件商標と引用商標との対比 本件商標は、(1)欧文字の「W」をモチーフとして、(2)均一の幅・太さで、(3)左右対称に表し、輪郭がはっきりした整然とした印象を与える態様において前記引用商標の特徴と共通するため、全体として引用商標と似通った印象を与える。 本件商標には右上に小さい円「゜」が、引用商標には下段に「HOTELS」の文字があるものの、いずれも「W」部分と接触して配置されているわけでなく、また「W」部分の1/3弱の大きさ(高さ)であるため、両商標とも「W」部分が看者に強い印象を与え記憶される部分である点においても共通する。なお、それぞれの「W」部分において、本件商標は上下が水平に切り取られた形状であるのに対し、引用商標は左右の上端が水平でそれ以外は鋭角という差異があるが、これらの差異点が前述した共通の特徴や似通った印象を凌駕するとはいえない。 したがって本件商標は、引用商標と外観において相紛らわしい類似商標というべきである。 上記に関連して、ともにアルファベットの「M」をモチーフに図案化された商標の類否について判断した事例(不服2002-2745。甲3)において「本願商標のM字様の部分と引用商標とを比較すると、両者は・・・仔細に観れば描写されている各線の端部に若干の差異があるとしても、いずれも左外側直線を細く表し、左上方から右下方に傾く斜線及び右外側直線を太く描き、左下方から右上方へ向かう斜線を省略してなる態様など両者を特徴付ける主要な部分においてその構成の軌を一にするものであるから、前記した細部にわたる相違点は容易には覚知し得ず、時と処を異にして観察するときは、互いに相紛れるおそれがある・・・その外観において相紛らわしく、互いに類似の商標といわなければならない」と認定している。 また、本件商標は、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務、すなわち第43類「会議室の貸与,展示施設の貸与」に使用するものである。 (4)結語 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してなされたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。 2 商標法第4条第1項第15号違反 (1)引用商標の周知性について 申立人は、The Ritz-Carlton(ザ・リッツ・カールトン)、St.Regis(セント・レジス)、Sheraton(シェラトン)、Westin(ウェスティン)といったハイグレードなホテルチェーンで知られるマリオット・インターナショナル傘下で、洗練されたスタイルや個性的なデザインと行き届いたサービスの融合をコンセプトとするW HOTELS(Wホテル)ブランドを運営し、1998年オープンの「Wニューヨーク」に始まり現在では世界主要都市やリゾート地に70近くのWホテルを展開している(甲4、甲5)。 日本においては、W OSAKA(W大阪)が2018年1月にプレス発表、2021年3月に開業し(甲6~甲8)、Wホテルブランドの日本上陸として大きな話題を集めた(甲9~甲14)。申立人はそれ以前から日本でのプロモーションを行っており、例えば2010年に日本で開催したイベント(甲15)では、Wホテルは既に「世界で最もファッショナブルなホテル」「ラグジュアリーなデザインホテルの代表」等と紹介され、これら記事にもイベントで使用した引用商標や「W」部分のロゴを用いたキャンドル、ステージ背景、オブジェの写真などが掲載されている。またアジアでは香港や、特に近年の韓国ドラマや旅行ブームにのってソウルのWホテルが新聞・雑誌、ガイドブックなどで大々的に取り上げられてきた(甲16~甲35)。これらの記事では、Wホテルブランドを象徴し、Wホテルのサービスに関して使用されている引用商標や「W」ロゴが掲載されている。 こういったメディアやプロモーションを通じて、本件商標の出願時には、申立人のWホテルブランドとWホテルにおける宿泊、レストラン、スパ美容などのサービスに使用される引用商標「W/HOTELS」は取引者、需要者に広く知られるに至った。 (2)出所の混同のおそれ さらに、マリオット・インターナショナル及び申立人のWホテルの各ブランドのホテルにおいては、さまざまなニーズに対応した会議やイベントの開催にも力を注いでおり(甲36)、W大阪(甲37~甲39)でもウェブサイトに「会議またはイベントを開催・・・詳細情報は、ホテルの専門プランナーまでリクエストをお送りください。」と掲載しているとおり、プライバシーが保たれた少人数の会議から、収容人数最大300人まで対応可能な7会場を用意し、プランニングから客室や料理の手配、会議の実施まできめ細かなサービスを提供している。会議設備として映像音響機器類の用意はもちろん、各会議室・部屋の大きさに応じた、コンファレンス、教室型、U字型、シアターなど椅子やテーブルのセッティングの提案、配置も行っている。 前述のとおり引用商標「W/HOTELS」が申立人のWホテルブランドを指称するものとして取引者、需要者間に広く知られているところ、当ブランドのようなホテルでは、宿泊にとどまらず、会議やイベントのための施設・設備の提供(会議やイベントにおける飲食物の提供を含む。)はホテルとしてのサービスの一環であり不可欠かつ密接な関係にある。 こういった状況において、前述のとおり引用商標と類似する本件商標がその指定役務「第43類 会議室の貸与,展示施設の貸与,家具の貸与,椅子・テーブル・テーブル用リネン・ガラス食器の貸与」に使用された場合、取引者、需要者は共通し、当該役務が申立人とその運営にかかるWホテルブランドのホテル又はこれらと何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く誤認し、その出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 (3)結語 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反してなされたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標 本件商標は、別掲1のとおり、「W」の文字及び当該文字の右上にやや小さく円図形を近接した構成よりなるところ、「W」の文字と円図形が一体的に表してなる係る構成においては、構成全体で一つの特徴ある図形商標として看取されるとみるのが相当である。 また、本件商標は、直ちに特定の事物を表したものとして認識されるというべき事情は認められないから、特定の称呼及び観念は生じないというのが相当である。 したがって、本件商標からは、特定の称呼及び観念は生じないものである。 (2)引用商標 引用商標は、別掲2のとおり、上段に大きく「W」の文字を、下段に小さく「HOTELS」の文字を配した構成からなるものである。 そして、引用商標の構成中「W」の文字部分は、欧文字の一文字「W」を書したものと容易に認識、把握されるものといえ、また、「HOTELS」の文字部分は、その指定役務中の「ホテル」に関わる役務との関係から、それぞれ単独では自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。 また、引用商標は、全体として「W」の文字と「HOTELS」の文字とが外観上まとまり良く一体的に表されているといえるものである。 そうすると、引用商標は、「W」の文字と「HOTELS」からなる一体不可分の商標というのが相当であり、その構成する文字部分全体に相応して「ダブリューホテルズ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (3)本件商標と引用商標との類否について 本件商標と引用商標は、前記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、両者は全体の構成において明らかに異なるものであるから、両商標は、外観上、明確に区別できる。 次に、称呼においては、本件商標からは特定の称呼を生じないのに対して、引用商標からは「ダブリューホテルズ」の称呼を生じるものであるから、両商標は、称呼上、相紛れるおそれはない。 また、観念については、いずれも特定の観念が生じないから、比較することができない。 したがって、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼においては明確に区別し得るものであるから、これらを総合して全体的に考察すれば、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標と判断するのが相当である。 (4)小括 以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定役務が同一又は類似のものであるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。 2 商標法第4条第1項第15号について (1)引用商標の周知性について ア 申立人の提出に係る甲各号証及び同人の主張によれば、次のとおりである。 (ア)申立人は、「Wホテル」ブランドのホテルを、1998年にニューヨークで開業した(甲15)。 (イ)申立人は、2016年に、「マリオット・インターナショナル」の傘下となった(甲5)。 (ウ)「マリオット・インターナショナル」は、「Wホテル」ブランドのホテルを、2021年に大阪で「W OSAKA」として開業し(甲6、甲7)、当該ホテルは、ウェブメディアで紹介された(甲9~甲14)。 (エ)ソウル及び香港の「Wホテル」に関する記事が、雑誌、ウェブメディアに掲載された(甲16~甲35)。 (オ)「Wホテル」ブランドのホテルを運営する「マリオット・インターナショナル」及び同社が運営するホテルである「W OSAKA」は、「会議室の貸与」等の役務を提供している(甲36~甲39)。 イ 上記アによれば、申立人は、1998年にニューヨークで「Wホテル」ブランドのホテルを開業した。そして、申立人は2016年に「マリオット・インターナショナル」の傘下となった旨を主張し、以降は、「マリオット・インターナショナル」が、大阪の「W OSAKA」を含む「Wホテル」ブランドのホテルを展開したことがうかがえる。 しかしながら、申立人の提出に係る証拠によっては、実際に申立人が「マリオット・インターナショナル」の傘下となったかが定かではなく、仮に事実であるとしても、引用商標を使用した、申立人又は「マリオット・インターナショナル」(以下「申立人等」という。)の業務に係る役務「宿泊施設の提供,飲食物の提供,会議室の貸与」等(以下「申立人等の業務に係る役務」という。)における売上高、市場シェア等の実績及び広告宣伝の規模等、引用商標の周知性を数量的に判断し得る具体的な証拠は提出されていないから、引用商標が、需要者の間に広く認識されるに至ったかをうかがい知ることができない。 その他、申立人の提出に係る甲各号証を総合してみても、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間で、申立人等の業務に係る役務を表示するものとして広く認識されていたと認めるに足りる事実は見いだせない。 したがって、申立人が提出した証拠からは、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が、申立人等の業務に係る役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。 (2)本件商標と引用商標の類似性の程度について 上記1(3)のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 (3)出所の混同のおそれについて 上記(1)のとおり、引用商標は、申立人等の業務に係る役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国における需要者の間に広く認識されていたものと認められないものであり、上記(2)のとおり、本件商標は、引用商標と相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものであるから、類似性の程度は低いものである。 そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定役務について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その役務が他人(申立人等)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 (4)小括 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。 3 むすび 以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するものではなく、その登録は、同項に違反してされたものとはいえない。 他に、本件商標の登録が商標法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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