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特許異議申立

2019-700852

可撓性容器

審判番号
2019-700852
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2015-511585
登録番号
特許第6514102号(P6514102)
請求日
2019年10月25日
審決日
2021年06月29日
公報発行日
2021年10月29日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
  • 【権利者代理人】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
  • 【異議申立人】楠 和也
  • 【異議申立人代理人】河野 誠
  • 【異議申立人代理人】河野 生吾
審判長/審判官
  • 審判長 石井 孝明
  • 審判官 村山 達也
  • 審判官 久保 克彦
分類
P1651.537-YAA(B65D) / P1651.561-YAA(B65D) / P1651.121-YAA(B65D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の5第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第4項、特許法第36条第4項第1号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6514102号発明「可撓性容器」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6514102号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1〕、〔2〕について訂正することを認める。 特許第6514102号の請求項1、2に係る特許を維持する。

理由

【理 由】 第1.手続の経緯 特許第6514102号の請求項1~2に係る特許についての出願は、2013年(平成25年)5月7日(パリ条約による優先権主張 2012年5月7日 米国(US)、2012年5月7日 米国(US)、2012年7月26日 米国(US)、2012年8月6日 米国(US)、2012年11月19日 米国(US)、2013年3月13日 米国(US)、2013年3月14日 米国(US)、2013年3月14日 米国(US)、2013年3月14日 米国(US)、2013年3月14日 米国(US)、2013年3月15日 米国(US))を国際出願日とする出願であって、平成31年4月19日に特許権の設定登録がされ、令和元年5月15日に特許掲載公報が発行された。その特許についての本件特許異議の申立てに関する経緯は、次のとおりである。 令和元年10月25日  :特許異議申立人 楠 和也(以下「申立人」という)による特許異議の申立て 令和2年 2月14日付け:取消理由通知書 同年 6月17日  :特許権者による訂正請求書及び意見書の提出 同年 7月27日  :申立人による意見書の提出 同年 9月18日付け:取消理由通知書(決定の予告) 同年12月23日  :特許権者による訂正請求書及び意見書の提出 (当該訂正請求書を、本件訂正請求書といい、係る訂正自体を「本件訂正」という。) 令和3年 2月26日  :申立人による意見書の提出 なお、本件訂正の請求により、上記令和2年6月17日提出された訂正請求書に係る訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。 第2.本件訂正の適否についての判断 1.本件訂正の内容 本件訂正の内容は以下のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示す。 (1)訂正事項1-1 特許請求の範囲の請求項1に 「上部または頂部、底部、および、前記上部または前記頂部と」 と記載されているのを、 「上部、底部、および、前記上部と」 に訂正し、また、 「前記側部上で前記上部または前記頂部と」 と記載されているのを、 「前記側部上で前記上部と」 に訂正する。 (2)訂正事項1-2 特許請求の範囲の請求項1に 「前記底部の間に延在し、さらに前記底部および前記上部の端部に沿って延在する複数の構造支持部材で形成され、」 と記載されているのを、 「前記底部の間に延在する複数の構造支持部材と、さらに前記底部および前記上部の端部に沿って延在する複数の構造支持部材とで形成され、」 に訂正する。 (3)訂正事項2-1 特許請求の範囲の請求項2に 「前記構造支持フレームが平面形状に形成され、」 と記載されているのを、 「前記構造支持フレームが平面に沿って配向された平面形状に形成され、」 に訂正する。 (4)訂正事項2-2 本件特許明細書の段落【0131】に 「自立型可撓性容器(立位状態の容器ではない)の実施形態を示す。」 と記載されているのを、 「自立型可撓性容器の実施形態を示す。」 に訂正し、 本件特許明細書の段落【0132】に 「自立型可撓性容器1000(直立した可撓性容器ではない)の実施形態の上面図を示す。」 と記載されているのを、 「自立型可撓性容器1000の実施形態の上面図を示す。」 に訂正し、 本件特許明細書の段落【0133】に「自立型可撓性容器1100(直立した可撓性容器ではない)の実施形態の上面図を示す。」 と記載されているのを、 「自立型可撓性容器1100の実施形態の上面図を示す。」 に訂正する。 2.一群の請求項 本件特許の請求項1~2は、いずれも、一の請求項の記載を他の請求項が引用する関係その他経済産業省令で定める関係を有するものでないから、本件特許の請求項の中に、特許法120条の5第4項に規定された一群の請求項は存在しない。 3.本件訂正の目的の適否、新規事項追加の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1-1及び訂正事項1-2について ア.訂正の目的について 訂正事項1-1及び訂正事項1-2は、訂正前の請求項1の「可撓性容器」についての「上部または頂部、底部、および、前記上部または前記頂部と」及び「前記側部上で前記上部または前記頂部と」という記載が、「上部」と「頂部」の違いが明確に把握できず、可撓性容器が「頂部」を有している場合の「さらに前記底部および前記上部の端部に沿って延在する複数の構造支持部材で形成され」る構成及び「前記複数のパネルは、前記上部に備えられた上部パネル」を含む構成が不明確となっていたものを、訂正後の請求項1において、「上部、底部、および、前記上部と」及び「前記側部上で前記上部と」と訂正することで、発明を明確にするためのものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ.願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という)に記載した事項の範囲内の訂正であること 「可撓性容器」が「上部」を有する点は、本件特許明細書等の段落【0084】の、「本明細書において可撓性容器について言及する場合、用語「上部」とは、容器の全高さの最上方20%、即ち、容器の全高さの80~100%に位置する容器の部分を指す。」との記載等に基づいて導き出されるものであるから、上記訂正事項は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 ウ.実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項1-1及び訂正事項1-2は、上記ア.に示したとおり、訂正前の請求項1において特定されていた「上部または頂部」及び「前記上部または前記頂部」の記載から「頂部」及び「前記頂部」を削除することで発明を明確にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 (2)訂正事項2-1について ア.訂正の目的について 訂正事項2-1は、訂正前の請求項2の「前記構造支持フレームが平面形状に形成され、」という記載において、「平面形状」が「構造支持フレーム」において具体的にどの部分のどのような形状を特定しているのかが明確に把握できなかったものを、訂正後の請求項2において、「前記構造支持フレームが平面に沿って配向された平面形状に形成され、」と訂正することで、発明を明確にするためのものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ.本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること 一般に、「平面」とは、「物体を真上から垂直に見た形」(株式会社岩波書店広辞苑第六版)という意味であるから、「平面形状」とは、物体を真上から垂直に見たその形状を意味するものである。 そして、「平面に沿って配向された」とは、本件特許明細書等の【図10A】、【図11A】等に記載されているような平面形状が、側面方向から見た場合にうねりがなく、ほぼ平坦であることを説明するものであると理解できるから、上記訂正事項は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 ウ.実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項2-1は、上記ア.に示したとおり、訂正前の請求項2において特定されていた「前記構造支持フレームが平面形状に形成され、」という記載を「前記構造支持フレームが平面に沿って配向された平面形状に形成され、」と訂正することで発明を明確にするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 (3)訂正事項2-2について ア.訂正の目的について 訂正事項2-2は、訂正前の明細書の段落【0131】の「自立型可撓性容器(立位状態の容器ではない)の実施形態を示す。」の「(立位状態の容器ではない)」を削除する訂正であり、同様に、段落【0132】の「自立型可撓性容器1000(直立した可撓性容器ではない)の実施形態の上面図を示す。」という記載から「(直立した可撓性容器ではない)」を、段落【0133】の「自立型可撓性容器1100(直立した可撓性容器ではない)の実施形態の上面図を示す。」という記載から「(直立した可撓性容器ではない)」を削除する訂正であり、明細書の【0071】に記載の判定試験(必ずいずれかの配向が「直立配向」として判定されると解される試験)の内容との齟齬を解消するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ.本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること 「直立」及び「立位」については、本件特許明細書等に「【0071】本明細書において可撓性容器について言及する場合、用語「立位する(stand up、stands up、standing up、)」及び「直立する(stand upright、stands upright、standing upright)」とは、容器が水平な支持体表面上に載っているときの、自立型可撓性容器の特定配向を指す。・・・」と記載されており、当該記載は、一般に、「直立」が「まっすぐに立つこと。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)を意味することや、「立位」が、立った状態を表す場合に用いられることとも整合するから、「可撓性容器」が「直立状態」又は「立位状態」であるとは、「可撓性容器」が「まっすぐに立つ」又は「立つ」状態であることを意味するものと解される。 そして、本件特許明細書等に記載された【図9A】~【図11B】の可撓性容器は、少なくともある程度の高さをもって支持表面上に「まっすぐに立つ」状態のものであることが看取できるから、「(直立した可撓性容器ではない)」又は「(立位状態の容器ではない)」を削除する上記訂正事項は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第5項に適合するものである。 ウ.実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記イ.で述べたとおり、訂正前明細書の【0131】~【0133】の記載が、訂正前の請求項2、【0071】、【図9A】~【図11】の記載との関係において不合理を生じていたために不明瞭となっていたところ、訂正事項2-2係る訂正は、訂正前明細書の【0131】~【0133】において、「(立位状態の容器ではない)」又は「(直立した可撓性容器ではない)」の記載を削除することにより、上記のような記載上の不備を訂正し、その本来の意を明らかにするものにすぎないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項の規定によって準用する第126条第6項に適合するものである。 エ.明細書の訂正(訂正事項2-2)と関係する請求項について 明細書の段落【0131】~【0133】には請求項2に対応する実施例が記載されており、訂正事項2-2による明細書の訂正は請求項2に係るものであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第4項の規定に適合するものである。 4.小括 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第4項、第5項及び第6項の規定に適合するものであるから、結論のとおり、本件訂正を認める。 第3.訂正後の本件発明 上記第2.のとおり、本件訂正が認められたから、本件特許の請求項1~2に係る発明は、それぞれ、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~2に記載された、次のとおりのものである。 なお、訂正特許請求の範囲の請求項1~2に係る発明を、以下「本件発明1」等という。 「【請求項1】 上部、底部、および、前記上部と前記底部の間に延在する側部を有する直立型の可撓性容器であって、 流体製品を直接収容する製品容積であって、1つまたはより多くの流体製品を受容しかつ直接収容するように構成された密閉可能な3次元空間であり、該空間は、前記流体製品が該製品容積から漏れ出るのを防止するバリアを形成する複数のパネルによって画定される、製品容積と、 前記製品容積と流体連通する前記流体製品用のディスペンサと、 前記製品容積を支持するように構成された構造支持フレームであって、前記側部上で前記上部と前記底部の間に延在する複数の構造支持部材と、さらに前記底部および前記上部の端部に沿って延在する複数の構造支持部材とで形成され、該構造支持部材のそれぞれは膨張した構造支持容積を含み、該容積は1つまたはより多くの可撓性材料から作製された充填可能空間であり、1つまたはより多くの気体で周囲圧力よりも高い圧力において充填され、前記1つまたはより多くの気体が、前記1つまたはより多くの可撓性材料における張力を作り出す、構造支持フレーム を含み、 前記複数のパネルは、前記上部に備えられた上部パネル、前記側部に備えられたサイドパネル、および、前記底部に備えられた底部パネルを含み、 前記構造支持部材の端部同士が互いに接続されている、 ことを特徴とする可撓性容器。 【請求項2】 上部および底部を有し、前記底部が支持体表面上に載るように構成されている直立型の可撓性容器であって、 流体製品を直接収容する製品容積であって、1つまたはより多くの流体製品を受容しかつ直接収容するように構成された密閉可能な3次元空間であり、該空間は、前記流体製品が該製品容積から漏れ出るのを防止するバリアを形成する複数のパネルによって画定される、製品容積と、 前記製品容積と流体連通する前記流体製品用のディスペンサと、 前記製品容積を支持するように構成された、構造支持部材で形成される構造支持フレームであって、前記上部と前記底部の前記構造支持フレームが平面に沿って配向された平面形状に形成され、該構造支持部材のそれぞれは膨張した構造支持容積を含み、該容積は1つまたはより多くの可撓性材料から作製された充填可能空間であり、1つまたはより多くの気体で周囲圧力よりも高い圧力において充填され、前記1つまたはより多くの気体が、前記1つまたはより多くの可撓性材料における張力を作り出す、構造支持フレーム を含み、 前記複数のパネルは、前記上部の前記構造支持部材で囲まれた上部パネルおよび前記底部の前記構造支持部材で囲まれた底部パネルを含み、前記上部パネルおよび前記底部パネルは平坦な表面を備え、 前記構造支持部材の端部同士が互いに接続されている、 ことを特徴とする可撓性容器。」 第4.取消理由(決定の予告)の概要 本件発明1~2に対して、当審が特許権者に通知した令和2年9月18日付けの取消理由(決定の予告)の要旨は、次のとおりである。 1.本件特許は、請求項1~2に係る発明が明確でないため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。 2.本件特許は、平成30年12月20日に提出した手続補正書でした補正(以下「本件補正」という。)が、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。 3.本件特許の請求項1~2に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された引用文献1に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 <引用文献等一覧> 引用文献1:米国特許出願公開第2010/0308062号明細書(申立人が提出した甲第1号証) 第5.取消理由(決定の予告)に対する当審の判断 1.特許法第36条第6項第2号に係る理由について (1)本件発明1の「頂部」について 本件訂正請求による訂正事項1-1及び1-2により、本件発明1の「可撓性容器」は「頂部」を有しないものとなったから、本件発明1の「さらに前記底部および前記上部の端部に沿って延在する複数の構造支持部材で形成され」る構成及び「前記複数のパネルは、前記上部に備えられた上部パネル」を含む構成は明確なものとなった。 (2)本件発明1及び2の「直立」について ア.本件訂正により、訂正前の明細書の段落【0131】に記載されていた「(立位状態の容器ではない)」という記載及び段落【0132】に記載されていた「(直立した可撓性容器ではない)」が削除されたことにより、明細書等に記載された「直立」について生じていた矛盾が解消されたため、本件発明1及び2に係る発明は明確となった。 イ.申立人は、令和3年2月26日に提出した意見書(以下、「意見書」という。)において、「・・・本件特許明細書等においても、「直立」との用語が持つ通常の意味を前提とする記載と、本件特許明細書等の段落[0071]において定義される「直立」の意味とが混在しており、依然として、請求項1及び2で規定される「直立」の意味が不明確である」(意見書第10頁第1行~第5行)旨主張するが、上記ア.のとおり、本件特許明細書等の【0071】において定義される「直立」の意味は、「直立」の用語が持つ通常の意味と解されるから、上記申立人の主張は採用できない。 (3)請求項2の「平面形状」について ア.上記「3.(2)訂正事項2-1について」において検討したとおり、「平面」とは、一般的に「物体を真上から垂直に見た形」(株式会社岩波書店広辞苑第六版)という意味であって、「平面形状」とは、物体を真上から垂直に見たその形状を意味するものであり、仮に真上から垂直に見たその形状が環状のものであったとしても「平面形状」と定義するものであると解されるから、本件発明2は明確である。 イ.申立人は、意見書において、「・・・「上部パネル」又は「底部パネル」を囲み、「膨張した構造支持容積を含」む「構造支持部材」で形成される「構造支持フレーム」が、「上部パネル」及び「底部パネル」が存在しない部分において「平らな表面」を構成するものではないという技術的な矛盾が原因なのであり、「平面形状」という用語自体の問題ではない。」(意見書第11頁第2行~第6行)旨主張するが、上記ア.のとおり、「上部パネル」及び「底部パネル」が存在しない部分を支持する構造支持フレームであっても、物体を真上から垂直に見た際にある形状を有する限りにおいて「平面形状」と呼べるから、上記申立人の主張は採用できない。 (4)小括 上記(1)乃至(3)のとおり、本件発明1及び2は明確であるから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないとはいえない。 2.特許法第17条の2第3項に係る理由について (1)「平面形状」について ア.本件補正により、本件発明2には、「前記上部と前記底部の前記構造支持フレームが平面形状に形成され」る点(以下「特定事項1」という。)が特定されている。 一方、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)には、「平面形状」という用語についての直接的な記載はないが、上記「3.(2)訂正事項2-1について」において検討したとおり、「平面形状」が「構造支持フレーム」を真上から垂直に見たその形状を特定していることは明らかであるから、特定事項1は、当初明細書等のすべての記載を総合して導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではない。 したがって、本件補正のうち上記特定事項1を特定する補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 イ.申立人は、意見書において、「図9Aや図9Bに図示された構造支持フレームは、いずれも環状に配置された構造支持部材により形成されたものであって、「構造支持部材」で平面が形成され「XY平面に沿って広がった形状」を呈するものではない」(意見書第13頁第14行~第17行)旨主張するが、上記「1.(3)請求項2の「平面形状」について」において検討したとおり、環状に配置された構造支持部材であっても、真上から垂直に見た形状、すなわちXY平面に沿って広がった形状を呈するものであるといえるから、上記申立人の主張は採用できない。 (2)「直立型の可撓性容器であ」る点について 本件補正により、請求項2には、「上部および底部を有し、前記底部が支持体表面上に載るように構成されている」「可撓性容器であって、流体製品を直接収容する製品容積であって、1つまたはより多くの流体製品を受容しかつ直接収容するように構成された密閉可能な3次元空間であり、該空間は、前記流体製品が該製品容積から漏れ出るのを防止するバリアを形成する複数のパネルによって画定される、製品容積と、前記製品容積と流体連通する前記流体製品用のディスペンサと、前記製品容積を支持するように構成された、構造支持部材で形成される構造支持フレームであって、前記上部と前記底部の前記構造支持フレームが平面形状に形成され、該構造支持部材のそれぞれは膨張した構造支持容積を含み、該容積は1つまたはより多くの可撓性材料から作製された充填可能空間であり、1つまたはより多くの気体で周囲圧力よりも高い圧力において充填され、前記1つまたはより多くの気体が、前記1つまたはより多くの可撓性材料における張力を作り出す、構造支持フレームを含み、前記複数のパネルは、前記上部の前記構造支持部材で囲まれた上部パネルおよび前記底部の前記構造支持部材で囲まれた底部パネルを含み、前記上部パネルおよび前記底部パネルは平坦な表面を備え、前記構造支持部材の端部同士が互いに接続されている」可撓性容器が、「直立型の可撓性容器であ」る点(以下「特定事項2」という。)が特定されている。 ここで、図9A、図10A、図11Aで示される実施形態のものは、上記「1.(2)本件発明1及び2の「直立」について」において検討したとおり、「直立した可撓性容器ではない」ものではなく、「直立型の可撓性容器」であるから、当初明細書等のすべての記載を総合して導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではない。 したがって、本件補正により上記特定事項2を特定する補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (3)小括 上記(1)及び(2)のとおり、本件補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものであるから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていないものではない。 3.特許法第29条第2項に係る理由について (1)本件発明1について ア.引用文献1の図.3~4に示される実施形態に基づく発明を主とする進歩性について (ア)引用文献1について 引用文献1には、日本語訳を記載すると、次の事項が記載されている。 a.「[0011]いくつかの実施形態では、可撓性包装システムは、充填又は注ぐ内容物が内部に保持されることを可能にする開口を有する。開口は、一体化された閉鎖アセンブリに関連付けられることができ、一体化された閉鎖アセンブリは、再密封可能な剥離式蓋、ネジ式蓋、スナップ式蓋、押し上げ式蓋又はコルク若しくはプラグ式のシステムから選択されることができる。他の実施形態は、半可撓性容器と、関連する足場構成要素とを備える包装システムを対象とし、容器は、所望の形状を画定するのに役立つように追加の剛性及び張力を提供するための繊維材料を含み、関連する足場構成要素は、繊維容器の支持を提供する。」(以下同様。) b.「[0063]一実施形態では、可撓性包装システムが提供される。そのような包装システムは、ソースを削減する包装の代替手段として使用されることができる。可撓性包装システムは、可撓性容器と、関連する膨張可能足場又は足場(構造支持体又は格子など)構成要素とを備える。足場構成要素は、中空であってもなくてもよく、膨張又は加圧されると、可撓性包装システムを剛性又は半剛性包装容器に変えるのに必要な剛性を提供する。足場の加圧は、例えば、ガスによる膨張、泡による充填又は包装システムに過剰な重量を加えることなく加圧するための他の適切な手段によって達成されることができる。」 c.「[0064]いくつかの実施形態では、中空足場構成要素は可撓性容器と独立していてもよい。ある態様では、足場構成要素は内部に結合しており、可撓性容器は中空足場構成要素のカバーのような役割を果たしてもよい。可撓性容器は、例えば、ベルクロ(登録商標)、糊、スナップ、及び溶接などの適切な取付手段によって、取り外し可能に、又は恒久的に中空足場構成要素に取り付けられてもよい。」 d.「[0066]図3は可撓性包装システム100の上面図、側面図及び斜視図を示し、図4は可撓性包装システム100の分解図を示し、図5Aと図5Bはいくつかの実施形態による可撓性包装システム100の代替の斜視図を示している。このような実施形態では、可撓性包装システム100は内部に結合した足場構成要素105と外側の可撓性容器110を有する。可撓性包装システム100は閉鎖アセンブリ115を有する上部と隔離壁125を含む底部120を有しており、隔離壁125は、混合されると内部に結合した足場構成要素105を加圧するガスや泡を発生する成分を含む2つの区画を作っている。」 e.「[0071]可撓性包装システムは、効率的な保管、商標設計、又は他のマーケティング戦略に有益な任意の形状の形態をとることができる。いくつかの態様では、可撓性包装システムは、食品及び飲料製品、個人衛生製品、洗剤及び石鹸並びに任意の他の適切な家庭用若しくは商用製品を保持するため、又は例えば、液体、ゲル、粉末、脆弱内容物、及び食品などの剛性又は半剛性の保管を必要とする消費者、産業又は軍事用の製品を保持するために使用されるボトル、カップ、トレイ、シリンジ、先細シリンダ又はバッグの形状である。」 f.「[0094]前述の実施形態のいずれかの他の態様では、足場構成要素及び可撓性容器又はシェルを含む可撓性包装システムは、2つ以上の結合シートから形成されることができ、シートのうちの1つ以上は、例えば、足場が膨張すると拡張するシート間の接着が低減した又はシート間の接着がない領域などの弱化領域を含む。弱化領域は、足場が加圧されると1つ以上の最も弱い領域において拡張が発生する二次プロセスによって、製造又は変更前、2つ以上のシートが接着された後、1つ以上のシートに設計されることができる。弱化領域は、任意の構成、例えば、本明細書に記載の任意の容器システムを形成するための構成からなることができる。」 g.引用文献1の図3は「可撓性包装システム100」の上面図(A)、斜視図(B)及び側面図(C)を示し、図4は「可撓性包装システム100」の分解図を示している。そして、図3と図4から、(a)「外側の可撓性容器110」が、「底部120」と、「底部120」と「閉鎖アセンブリ115」を有する上部の間に延在する領域と、「閉鎖アセンブリ115」を有する上部とを有していること、(b)「内部に結合した足場構成要素105」が「外側の可撓性容器110」の「底部120」と「閉鎖アセンブリ115」を有する上部の間に延在する領域上で「閉鎖アセンブリ115」を有する上部と「底部120」との間に延在する部分、さらに「底部120」及び「閉鎖アセンブリ115」を有する上部の端部に沿ってリング形状に延在する部分を有していること、(c)それらの「内部に結合した足場構成要素105」の端部同士が互いに接続されていること、が看取できる。 h.「図3 図4 」 以上の記載事項から、引用文献1には、上記図3~図4に示される以下の実施形態に基づく発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。 「閉鎖アセンブリを有する上部、底部、および、底部と閉鎖アセンブリを有する上部の間に延在する領域を有する、内部に結合した足場構成要素により剛性が提供されている可撓性包装システムであって、 液体が閉鎖アセンブリを有する上部、底部、および、底部と閉鎖アセンブリを有する上部の間に延在する領域により構成される外側の可撓性容器の内部に保持されており、 液体が内部に保持されることを可能にする開口と関連付けられた閉鎖アセンブリと、 可撓性包装システムに剛性を提供する足場構成要素であって、外側の可撓性容器の底部と閉鎖アセンブリを有する上部の間に延在する領域上で閉鎖アセンブリを有する上部と底部との間に延在する部分、さらに底部及び閉鎖アセンブリを有する上部の端部に沿ってリング形状に延在する部分を有する複数の部分からなっており、それらの端部同士が互いに接続されており、隔離壁は、混合されると内部に結合した足場構成要素を加圧するガスや泡を発生する成分を含む2つの区画を作る可撓性包装システム。」 (イ)本件発明1と引用発明1との対比 a.本件発明1と引用発明1とを対比する。 (a)引用発明1の「閉鎖アセンブリを有する上部」は、可撓性包装システムの上面の部分であるといえるから、本件発明1の「上部」に相当する。 (b)引用発明1の「底部」は、本件発明1の「底部」に相当する。 (c)引用発明1の「底部と閉鎖アセンブリを有する上部の間に延在する領域」は、本件発明1の「前記上部と前記底部の間に延在する側部」に相当する。 (d)引用発明1の「足場構成要素により剛性が提供されている可撓性包装システム」は、足場構成要素により剛性が提供されることで剛性容器のような自立性が付与されているといえるから、水平な支持体表面上に載るように配向される容器であるといえ、本件発明1の「直立型の可撓性容器」に相当する。 (e)引用発明1の「液体が閉鎖アセンブリを有する上部、底部、および、底部と閉鎖アセンブリを有する上部の間に延在する領域により構成される外側の可撓性容器の内部に保持されて」いる態様は、液体は流体製品であるから、本件発明1の「流体製品を直接収容する製品容積」を含む態様に相当する。 (f)引用発明1の「液体が閉鎖アセンブリを有する上部、底部、および、底部と閉鎖アセンブリを有する上部の間に延在する領域により構成される外側の可撓性容器の内部に保持されて」いる態様は、液体が内部に保持されており、内部に密閉可能な3次元空間が構成され、該空間を画定している閉鎖アセンブリを有する上部、底部、および、底部と閉鎖アセンブリを有する上部の間に延在する領域が、液体が該空間から漏れ出るのを防止するためのバリアを形成していることは明らかであるから、本件発明1の「1つまたはより多くの流体製品を受容しかつ直接収容するように構成された密閉可能な3次元空間であり、該空間は、前記流体製品が該製品容積から漏れ出るのを防止するバリアを形成する」「製品容積」と一致する。 (g)引用発明1の「可撓性包装システムに剛性を提供する足場構成要素」は、可撓性包装システムに剛性を提供することで、可撓性包装システムの内部を支持しているといえるから、本件発明1の「前記製品容積を支持するように構成された構造支持フレーム」に相当する。 (h)引用発明1の「外側の可撓性容器の底部と閉鎖アセンブリを有する上部の間に延在する領域上で閉鎖アセンブリを有する上部と底部との間に延在する部分、さらに底部及び閉鎖アセンブリを有する上部の端部に沿ってリング形状に延在する部分を有する複数の部分からなって」いる態様は、本件発明1の「前記側部上で前記上部または前記頂部と前記底部の間に延在し、さらに前記底部および前記上部の端部に沿って延在する複数の構造支持部材で形成され」ている態様に相当する。 (i)引用発明1の「複数の部分からなっており」「ガスによる膨張によって足場構成要素が加圧されることで、可撓性包装システムに剛性を提供する」態様は、足場構成要素がガスにより膨張されるものであるから、可撓性材料から作製されたガスの充填可能空間を有し、ガスが充填されて膨張することで張力が作り出されることは明らかであって、本件発明1の「複数の構造支持部材で形成され、該構造支持部材のそれぞれは膨張した構造支持容積を含み、該容積は1つまたはより多くの可撓性材料から作製された充填可能空間であり、1つまたはより多くの気体で」「充填され、前記1つまたはより多くの気体が、前記1つまたはより多くの可撓性材料における張力を作り出す」態様の限りにおいて一致する。 (j)引用発明1の「閉鎖アセンブリを有する上部、底部、および、底部と閉鎖アセンブリを有する上部の間に延在する領域により構成される外側の可撓性容器」を有する態様は、「前記上部に備えられた部分、前記側部に備えられた部分、および、前記底部に備えられた部分を含」むという限りにおいて本件発明1の「前記複数のパネルは、前記上部に備えられた上部パネル、前記側部に備えられたサイドパネル、および、前記底部に備えられた底部パネルを含」む態様と一致する。 (k)引用発明1の「足場構成要素であって、外側の可撓性容器の底部と閉鎖アセンブリを有する上部の間に延在する領域上で閉鎖アセンブリを有する上部と底部との間に延在する部分、さらに底部及び閉鎖アセンブリを有する上部の端部に沿ってリング形状に延在する部分を有する複数の部分からなっており、それらの端部同士が互いに接続されて」いる態様は、本件発明1の「前記構造支持部材の端部同士が互いに接続されている」態様に相当する。 b.以上のことから、本件発明1と引用発明1との一致点及び相違点は、次のとおりである。 [一致点] 「上部、底部、および、前記上部と前記底部の間に延在する側部を有する直立型の可撓性容器であって、 流体製品を直接収容する製品容積であって、1つまたはより多くの流体製品を受容しかつ直接収容するように構成された密閉可能な3次元空間であり、該空間は、前記流体製品が該製品容積から漏れ出るのを防止するバリアを形成する複数の部材によって画定される、製品容積と、 前記製品容積を支持するように構成された構造支持フレームであって、前記側部上で前記上部と前記底部の間に延在する複数の構造支持部材と、さらに前記底部および前記上部の端部に沿って延在する複数の構造支持部材とで形成され、該構造支持部材のそれぞれは膨張した構造支持容積を含み、該容積は1つまたはより多くの可撓性材料から作製された充填可能空間であり、1つまたはより多くの気体で充填され、前記1つまたはより多くの気体が、前記1つまたはより多くの可撓性材料における張力を作り出す、構造支持フレームを含み、 前記複数の部材は、前記上部に備えられた部分、前記側部に備えられた部分、および、前記底部に備えられた部分を含み、 前記構造支持部材の端部同士が互いに接続されている、 可撓性容器。」 [相違点1-1] 「製品容積」について、本件発明1は、「前記上部に備えられた上部パネル、前記側部に備えられたサイドパネル、および、前記底部に備えられた底部パネル」からなる「複数のパネルによって画定される」のに対して、引用発明1は、「閉鎖アセンブリを有する上部、底部、および、底部と閉鎖アセンブリを有する上部の間に延在する領域により構成される外側の可撓性容器」と「内部に結合した足場構成要素」とによって画定される点。 [相違点1-2] 本件発明1は、「製品容積と流体連通する流体製品用のディスペンサ」を含むのに対して、引用発明1は、「液体が内部に保持されることを可能にする開口と関連付けられた閉鎖アセンブリ」を含む点。 [相違点1-3] 「構造支持部材」について、本件発明1は、「1つまたはより多くの気体で周囲圧力よりも高い圧力において充填され」るのに対して、引用発明1は、「足場構成要素」がどのように充填されるか不明である点。 (ウ)判断 相違点1-1について検討する。 引用発明1の「可撓性包装システム」は、「内部に結合した足場構成要素を加圧するガスや泡を発生する成分を含む2つの区画」が作られている「隔離壁を含む底部」の内面が、「可撓性容器」の内部空間を構成する面の一つであり、かつ、「可撓性容器」の内部空間内に存在する「内部結合足場構成要素」を、「隔離壁を含む底部」から発生するガスや泡が加圧する構成である。すなわち、「可撓性容器」の内部空間内で、「内部結合足場構成要素」を加圧する構成が完結しているのであるから、「内部結合足場構成要素」のみを、単に「可撓性容器」の外部結合とすることに、阻害事由が存在するというべきである。 したがって、その他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明1に基いて当業者が容易に発明をすることができたものということができない。 (エ)結論 以上のとおりであるから、本件発明1は、引用発明1に基いて当業者が容易に発明をすることができたものということができない。 イ.引用文献1のFIG.43~46に示される実施形態に基づく進歩性について (ア)引用文献1に記載された発明について 引用文献1には、上記「(1)ア.(ア)引用文献1に記載された発明について」で述べた事項に加えて、次の事項が記載されている。 a.「[0065]他の実施形態では、足場構成要素は、外部に関連付けられており、可撓性容器は、外部に関連付けられた足場構成要素によって開放保持される。そのような包装システムは、互いに隣り合って配置された丸型ボトルが角型の足場構成要素を収容することができるそれらの間の空間を残すことから、現在の円筒形の物品と競合する可能性がある。外部に関連付けられた中空足場構成要素は、中空足場構成要素を形成する角、又は他の外部構成要素が取り付けられた可撓性容器を備えることができる。中空足場構成要素は、区画間の1つ以上の開口によって相互接続されることができるか、又は独立して膨張されることができる1つ以上の区画からなることができる。」 b.「[0093]図43~図46を参照すると、いくつかの実施形態にかかる可撓性包装システム1000が示されている。可撓性容器1010が満たされると、湾曲した又は実質的に丸みのある底部1040を形成する傾向を有することがあり、これは、平坦面上に直立する可撓性包装システムの能力に影響を及ぼすことがある。したがって、可撓性容器1010は、可撓性容器が略平坦な底部を有することを保証するために、略リング形状の基部1030を含む足場構成要素1020に関連付けられることができる。略リング形状の基部1030は、足場構成要素1010の一部として追加されてもよい。代替実施形態では、足場は、それらが直立する可撓性容器(図示せず)の支持を提供するように、そこから延びる複数の脚を含んでもよい。一態様では、足場は、支持のために少なくとも3本の脚を含む。」 c.引用文献1の図.45は「可撓性包装システム1000」の側面図(A)、上面図(B)、斜視図(C)及び断面図(D)を示し、図46は「可撓性包装システム1000」の分解図を示している。そして、図.45と図.46から、(a)「可撓性容器1010」が「略リング形状の基部1030」に囲まれる領域、「略リング形状の基部1030」と「足場構成要素1020」の上部のリング形状の部分との間に延在する領域及び「足場構成要素1020」の上部のリング形状の部分に囲まれる領域を有していること、(b)「足場構成要素1020」が、「可撓性容器1010」の「略リング形状の基部1030」と「足場構成要素1020」の上部のリング形状の部分との間に延在する領域上で、「可撓性容器1010」の「略リング形状の基部1030」に囲まれる領域と「可撓性容器1010」の「足場構成要素1020」の上部のリング形状の部分に囲まれる領域との間に延在する部分を有していること、(c)「足場構成要素1020」の上部のリング形状の部分と「可撓性容器1010」の「略リング形状の基部1030」に囲まれる領域と「可撓性容器1010」の「足場構成要素1020」の上部のリング形状の部分に囲まれる領域との間に延在する部分の端部同士が互いに接続されていること、が看取できる。 以上の記載事項から、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明2」という。)も記載されている。 「足場構成要素の上部のリング形状の部分に囲まれる領域、略リング形状の基部に囲まれる領域、および、略リング形状の基部と足場構成要素の上部のリング形状の部分との間に延在する領域を有する、平坦面上に直立する可撓性包装システムであって、 液体が、足場構成要素の上部のリング形状の部分に囲まれる領域、略リング形状の基部に囲まれる領域、および、略リング形状の基部と足場構成要素の上部のリング形状の部分との間に延在する領域により構成される可撓性容器の内部に保持されており、 液体が内部に保持されることを可能にする開口と関連付けられた閉鎖アセンブリと、 可撓性包装システムに剛性を提供する足場構成要素と略リング形状の基部であって、可撓性容器の略リング形状の基部と足場構成要素の上部のリング形状の部分との間に延在する領域上で可撓性容器の略リング形状の基部に囲まれる領域と可撓性容器の足場構成要素の上部のリング形状の部分に囲まれる領域との間に延在する部分、略リング形状の基部、足場構成要素の上部のリング形状の部分を有する複数の部分からなっており、ガスによる膨張によって足場構成要素と略リング形状の基部が加圧されることで、可撓性包装システムに剛性を提供する、足場構成要素と略リング形状の基部を含んでいる可撓性包装システム。」 (イ)本件発明1と引用発明2との対比 a.本件発明1と引用発明2とを対比する。 (a)引用発明2の「足場構成要素の上部のリング形状の部分に囲まれる領域」は、可撓性包装システムの上部の部分であるといえるから、本件発明1の「上部」に相当する。 (b)引用発明2の「略リング形状の基部に囲まれる領域」は、本件発明1の「底部」に相当する。 (c)引用発明2の「略リング形状の基部と足場構成要素の上部のリング形状の部分との間に延在する領域」は、本件発明1の「前記上部と前記底部の間に延在する側部」に相当する。 (d)引用発明2の「平坦面上に直立する可撓性包装システム」は、「水平な支持体表面上に載るように配向される容器であるといえるから、本件発明1の「直立型の可撓性容器」に相当する。 (e)引用発明2の「液体が、足場構成要素の上部のリング形状の部分に囲まれる領域、略リング形状の基部に囲まれる領域、および、略リング形状の基部と足場構成要素の上部のリング形状の部分との間に延在する領域により構成される可撓性容器の内部に保持されて」いる態様は、液体は流体製品であるから、本件発明1の「流体製品を直接収容する製品容積」を含む態様に相当する。 (f)引用発明2の「液体が、足場構成要素の上部のリング形状の部分に囲まれる領域、略リング形状の基部に囲まれる領域、および、略リング形状の基部と足場構成要素の上部のリング形状の部分との間に延在する領域により構成される可撓性容器の内部に保持されて」いる態様は、液体が内部に保持されているのであって、内部に密閉可能な3次元空間が構成され、該空間を画定している足場構成要素の上部のリング形状の部分に囲まれる領域、略リング形状の基部に囲まれる領域、および、略リング形状の基部と足場構成要素の上部のリング形状の部分との間に延在する領域が、液体が該空間から漏れ出るのを防止するためのバリアを形成していることは明らかであるから、「1つまたはより多くの流体製品を受容しかつ直接収容するように構成された密閉可能な3次元空間であり、該空間は、前記流体製品が該製品容積から漏れ出るのを防止するバリアを形成する複数の部材によって画定される、製品容積」という限りにおいて、本件発明1の「1つまたはより多くの流体製品を受容しかつ直接収容するように構成された密閉可能な3次元空間であり、該空間は、前記流体製品が該製品容積から漏れ出るのを防止するバリアを形成する複数のパネルによって画定される、製品容積」と一致する。 (g)引用発明2の「可撓性包装システムに剛性を提供する足場構成要素と略リング形状の基部」は、可撓性包装システムに剛性を提供することで、可撓性包装システムの内部を支持しているといえるから、本件発明1の「前記製品容積を支持するように構成された構造支持フレーム」に相当する。 (h)引用発明2の「複数の部分からなっており、ガスによる膨張によって足場構成要素と略リング形状の基部が加圧されることで、可撓性包装システムに剛性を提供する」態様は、足場構成要素と略リング形状の基部がガスにより膨張されるものであって、可撓性材料から作製されたガスの充填可能空間を有し、ガスが充填されて膨張することで張力が作り出されることは明らかであるから、「複数の構造支持部材で形成され、該構造支持部材のそれぞれは膨張した構造支持容積を含み、該容積は1つまたはより多くの可撓性材料から作製された充填可能空間であり、1つまたはより多くの気体で」「充填され、前記1つまたはより多くの気体が、前記1つまたはより多くの可撓性材料における張力を作り出す」態様という限りにおいて、本件発明1の「複数の構造支持部材とで形成され、該構造支持部材のそれぞれは膨張した構造支持容積を含み、該容積は1つまたはより多くの可撓性材料から作製された充填可能空間であり、1つまたはより多くの気体で周囲圧力よりも高い圧力において充填され、前記1つまたはより多くの気体が、前記1つまたはより多くの可撓性材料における張力を作り出す」態様と一致する。 (i)引用発明2の「足場構成要素の上部のリング形状の部分に囲まれる領域、略リング形状の基部に囲まれる領域、および、略リング形状の基部と足場構成要素の上部のリング形状の部分との間に延在する領域により構成される可撓性容器」を有する態様は、「前記複数の部材は、前記上部に備えられた部分、前記側部に備えられた部分、および、前記底部に備えられた部分を含」むという限りにおいて、本件発明1の「前記複数のパネルは、前記上部に備えられた上部パネル、前記側部に備えられたサイドパネル、および、前記底部に備えられた底部パネルを含」む態様と一致する。 b.以上のことから、本件発明1と引用発明2との一致点及び相違点は、次のとおりである。 [一致点] 「上部、底部、および、前記上部と前記底部の間に延在する側部を有する直立型の可撓性容器であって、 流体製品を直接収容する製品容積であって、1つまたはより多くの流体製品を受容しかつ直接収容するように構成された密閉可能な3次元空間であり、該空間は、前記流体製品が該製品容積から漏れ出るのを防止するバリアを形成する複数の部材によって画定される、製品容積と、 前記製品容積を支持するように構成された構造支持フレームであって、前記側部上で前記上部と前記底部の間に延在し、さらに前記底部および前記上部の端部に沿って延在する複数の構造支持部材で形成され、該構造支持部材のそれぞれは膨張した構造支持容積を含み、該容積は1つまたはより多くの可撓性材料から作製された充填可能空間であり、1つまたはより多くの気体で充填され、前記1つまたはより多くの気体が、前記1つまたはより多くの可撓性材料における張力を作り出す、構造支持フレームを含み、 前記複数の部材は、前記上部に備えられた部分、前記側部に備えられた部分、および、前記底部に備えられた部分を含む、 可撓性容器。」 [相違点2-1] 本件発明1は、「前記側部上で前記上部と前記底部の間に延在する複数の構造支持部材と、さらに前記底部および前記上部の端部に沿って延在する複数の構造支持部材とで形成され」ているのに対して、引用発明2は、「可撓性容器の略リング形状の基部と足場構成要素の上部のリング形状の部分との間に延在する領域上で可撓性容器の略リング形状の基部に囲まれる領域と可撓性容器の足場構成要素の上部のリング形状の部分に囲まれる領域との間に延在する部分、略リング形状の基部、足場構成要素の上部のリング形状の部分を有する複数の部分からなって」いる点。 [相違点2-2] 本件発明1は、「前記複数のパネルは、前記上部に備えられた上部パネル、前記側部に備えられたサイドパネル、および、前記底部に備えられた底部パネルを含」むのに対して、引用発明2はパネルを備えているか否か不明である点。 [相違点2-3] 本件発明1は、「前記製品容積と流体連通する前記流体製品用のディスペンサ」を含むのに対して、引用発明2は、「液体が内部に保持されることを可能にする開口と関連付けられた閉鎖アセンブリ」を含む点。 [相違点2-4] 「構造支持部材」について、本件発明1は、「1つまたはより多くの気体で周囲圧力よりも高い圧力において充填され」るのに対して、引用発明2は、どのように充填されるか不明である点。 [相違点2-5] 「構造支持部材」について、本件発明1は、「端部同士が互いに接続されている」のに対して、引用発明2は、「足場構成要素」と「略リング形状の基部」が互いに接続されているか否か不明である点。 (ウ)判断 相違点2-1について検討する。 引用発明2の可撓性包装システムは、湾曲している底部を備える可撓性容器に対して自立性を付与するために略リング形状の基部を設けるものであるから、底部の端部に沿って複数の構造支持部材を延在させるものとすることに合理性を見出すことはできない。 したがって、その他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものということができない。 (エ)結論 以上のとおりであるから、本件発明1は、引用発明2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものということができない。 (2)本件発明2について ア.引用文献1に記載された発明について 引用文献1には、上記「(1)ア.(ア)及び上記(1)イ.(ア)で述べた事項に加えて、次の事項が記載されている。 (ア)「[0091]図36~図39を参照すると、郵便物容器として使用するための足場構成要素810及びシェル805を含む可撓性包装システム800が示されている。システムは、内部の内容物が郵送される物品で満たされると、ジッパー、接着タブ、接着剤、又は他の手段(図示せず)によって閉じることができるトップカバー815を含む。この実施形態の一態様では、足場805は、パッケージを剛性又は半剛性に保ち、容器システム800の内容物を保護し、又はその両方を行うことができる。 さらに、システムは、必要に応じてより多くの又はより少ない保護を提供するために、さらなる又はより少ない足場805を含んでもよい。他の態様では、容器システム800は、容器が平坦又は略平坦であり、そして、足場が使用直前に膨張、使用後に収縮、又はその両方を行うことができるように、膨張せずに提供されてもよい。」 (イ)引用文献1の図.38と図.39から、(a)「シェル805」が平坦な表面を備える上部と平坦な表面を備える下部と側部とから構成されていること、(b)「シェル805」の上部が水平に配向された「足場構成要素810」の上部によって囲まれており、「シェル805」の下部が水平に配向された「足場構成要素810」の下部によって囲まれていること、(c)「足場構成要素810」の上部と下部の端部同士が互いに接続されていること、が看取できる。 以上の記載事項から、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されている。 「平坦な表面を備える上部と平坦な表面を備える下部を有し、足場構成要素により剛性又は半剛性に保たれる可撓性包装システムであって、 郵便物が、平坦な表面を備える上部と平坦な表面を備える下部と側部とから構成されるシェルの内部に保持されており、 内部を閉じることができるトップカバーと、 パッケージを剛性又は半剛性に保ち、可撓性包装システムの内容物を保護する足場構成要素であって、上部と下部の足場構成要素は水平に配向され、ガスによる膨張によって足場構成要素が加圧されることで、可撓性包装システムに剛性を提供する、足場構成要素を含み、 平坦な表面を備える上部は足場構成要素の上部によって囲まれており、平坦な表面を備える下部は足場構成要素の下部によって囲まれていて、 足場構成要素の上部と下部の端部同士が互いに接続されている、 可撓性包装システム。」 イ.本件発明2と引用発明3との対比 (ア)本件発明2と引用発明3とを対比する。 a.引用発明3の「平坦な表面を備える上部」は、本件発明2の「上部」に相当する。 b.引用発明3の「平坦な表面を備える下部」は、本件発明2の「底部」に相当する。 c.引用発明3の「平坦な表面を備える下部を有し、足場構成要素により剛性又は半剛性に保たれる可撓性包装システム」は、下部が平坦な表面を備えているから下部が支持体表面上に載ることは明らかであり、水平な支持体表面上に載るように配向される容器であるから、本件発明2の「前記底部が支持体表面上に載るように構成されている直立型の可撓性容器」に相当する。 d.引用発明3の「郵便物が、平坦な表面を備える上部と平坦な表面を備える下部と側部とから構成されるシェルの内部に保持されて」いる態様は、本件発明2の「流体製品を直接収容する製品容積」を含む態様と、「製品を直接収容する製品容積」を含むという限りにおいて一致する。 e.引用文献3の「郵便物が、平坦な表面を備える上部と平坦な表面を備える下部と側部とから構成されるシェルの内部に保持されて」いる態様は、郵便物が内部に保持されているものであるから、内部に密閉可能な3次元空間が構成され、該空間を画定している平坦な表面を備える上部と平坦な表面を備える下部と側部が郵便物が該空間から漏れ出るのを防止するためのバリアを形成していることは明らかであるから、本件発明2の「1つまたはより多くの流体製品を受容しかつ直接収容するように構成された密閉可能な3次元空間であり、該空間は、前記流体製品が該製品容積から漏れ出るのを防止するバリアを形成する複数のパネルによって画定される、製品容積」を含む態様と、「1つまたはより多くの製品を受容しかつ直接収容するように構成された密閉可能な3次元空間であり、該空間は、前記製品が該製品容積から漏れ出るのを防止するバリアを形成する複数の部材によって画定される、製品容積」を含むという限りにおいて一致する。 f.引用発明3の「パッケージを剛性又は半剛性に保ち、可撓性包装システムの内容物を保護する足場構成要素・・・足場構成要素の上部・・・足場構成要素の下部」は、足場構成要素がパッケージを剛性又は半剛性に保つことで、可撓性包装システムの内容物を保護していること、足場構成要素が足場構成要素の上部と足場構成要素の下部を含んでいることから、本件発明2の「前記製品容積を支持するように構成された、構造支持部材で形成される構造支持フレーム」に相当する。 g.引用発明3の「上部と下部の足場構成要素は水平に配向され」ている点は、本件発明2の「前記上部と前記底部の前記構造支持フレームが平面形状に形成され」ている点に相当する。 h.引用発明3の「ガスによる膨張によって足場構成要素が加圧されることで、可撓性包装システムに剛性を提供する」態様は、足場構成要素がガスにより膨張されるものであるから、可撓性材料から作製されたガスの充填可能空間を有し、ガスが充填されて膨張することで張力が作り出されることは明らかであって、本件発明2の「該構造支持部材のそれぞれは膨張した構造支持容積を含み、該容積は1つまたはより多くの可撓性材料から作製された充填可能空間であり、1つまたはより多くの気体で」「充填され、前記1つまたはより多くの気体が、前記1つまたはより多くの可撓性材料における張力を作り出す」態様という限りにおいて一致する。 i.引用発明3の「平坦な表面を備える上部は足場構成要素の上部によって囲まれており、平坦な表面を備える下部は足場構成要素の下部によって囲まれてい」る態様は、本件発明2の「前記複数のパネルは、前記上部の前記構造支持部材で囲まれた上部パネルおよび前記底部の前記構造支持部材で囲まれた底部パネルを含み、前記上部パネルおよび前記底部パネルは平坦な表面を備え」る態様と、「前記複数の部材は、前記上部の前記構造支持部材で囲まれた部分および前記底部の前記構造支持部材で囲まれた部分を含み、それらの部分は平坦な表面を備え」るという限りにおいて一致する。 j.引用発明3の「足場構成要素の上部と下部の端部同士が互いに接続されている」態様は、本件発明2の「前記構造支持部材の端部同士が互いに接続されている」態様に相当する。 (イ)以上のことから、本件発明2と引用発明3との一致点及び相違点は、次のとおりである。 [一致点] 「上部および底部を有し、前記底部が支持体表面上に載るように構成されている直立型の可撓性容器であって、 製品を直接収容する製品容積であって、1つまたはより多くの製品を受容しかつ直接収容するように構成された密閉可能な3次元空間であり、該空間は、前記製品が該製品容積から漏れ出るのを防止するバリアを形成する複数の部材によって画定される、製品容積と、 前記製品容積を支持するように構成された、構造支持部材で形成される構造支持フレームであって、前記上部と前記底部の前記構造支持フレームが平面形状に形成され、該構造支持部材のそれぞれは膨張した構造支持容積を含み、該容積は1つまたはより多くの可撓性材料から作製された充填可能空間であり、1つまたはより多くの気体で充填され、前記1つまたはより多くの気体が、前記1つまたはより多くの可撓性材料における張力を作り出す、構造支持フレームを含み、前記複数の部材は、前記上部の前記構造支持部材で囲まれた部分および前記底部の前記構造支持部材で囲まれた部分を含み、それらの部分は平坦な表面を備え、 前記構造支持部材の端部同士が互いに接続されている、 可撓性容器。」 [相違点3-1] 本件発明2は、「前記製品容積と流体連通する前記流体製品用のディスペンサ」を備えるのに対して、引用発明3は、「郵便物が」「シェルの内部に保持されており」、「内部を閉じることができるトップカバー」を含む点。 [相違点3-2] 本件発明2は、「前記上部の前記構造支持部材で囲まれた上部パネルおよび前記底部の前記構造支持部材え囲まれた底部パネル」を備えているのに対して、引用発明3は、そのようなパネルを備えているか否か不明である点。 [相違点3-3] 「構造支持部材」について、本件発明2は、「1つまたはより多くの気体で周囲圧力よりも高い圧力において充填され」るのに対して、引用発明3はどのように充填されるか不明である点。 ウ.判断 相違点3-1について検討する。 引用発明3の可撓性包装システムは、郵便物用容器を前提として、ファスナーや接着剤で閉じるものであるから、収納製品を流体製品とし、製品容積と流体連通する流体製品用のディスペンサを設けることに合理性を見出すことはできない。 したがって、その他の相違点について検討するまでもなく、本件発明2は、引用発明3に基いて当業者が容易に発明をすることができたものということができない。 エ.結論 以上のとおりであるから、本件発明2は、引用発明3に基いて当業者が容易に発明をすることができたものということができない。 第6.取消理由としなかった申立理由について 1.申立人の主張する申立理由のうち、取消理由(予告)としなかった理由 (1)申立人の主張する特許法第36条第6項第1号に係る理由 ア.「圧搾可能な作動パネル」について 本件特許明細書の発明の詳細な説明には、「圧搾可能な作動パネル」で「製品容積」を画定する構成しか明示されておらず、本件発明1及び2は、パネルが剛性を有する材質で形成される構成も包含し、当該構成によっては本件発明に係る課題を解決することができない。 イ.「製品容積」と「構造支持フレーム」について 本件特許明細書の発明の詳細な説明には、製品容積を形成する可撓性内側シートの外側に可撓性外側シートを積層させ、これら可撓性内側シートと可撓性外側シートとを内側シーム及び外側シームで互いに接合させることで、外内側シームと外側シームとの間に構造支持フレームの充填可能空間を形成し、製品容積と構造支持フレームとが一体的に形成される構成しか開示されていない。 一方、本件発明1及び2は、製品容積と構造支持フレームとが互いに別体として形成される構成も包含し、当該構成によっては本件発明に係る課題を解決することができない。 (2)申立人の主張する特許法第36条第6項第2号に係る理由 ア.「圧搾可能な作動パネル」について 本件特許の請求項1及び2の記載では、「製品容積」を画定する「パネル」が「圧搾可能な作動パネル」であるか否かが不明である。 イ.「製品容積」と「構造支持フレーム」について 本件特許の請求項1及び2の記載では、構造支持フレームと製品容積との関係が何ら規定されておらず、可撓性容器の具体的な構成を把握することができない。 (3)申立人の主張する特許法第36条第4項第1号に係る理由 「圧搾可能な作動パネル」以外の構成や、「製品容積」と「構造支持フレーム」の構造関係等が本件特許明細書の発明の詳細な説明には記載されておらず、当業者が本件発明1及び2の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものではない。 2.上記主張についての検討 (1)申立人の主張する特許法第36条第6項第1号に係る理由 ア.「圧搾可能な作動パネル」について 本件発明1及び2は、「直立型の可撓性容器」であって、容器全体として可撓性を有するものであるといえるから、製品容積を画定するパネルが剛性を有する材質で形成される構成は包含されていない。 よって、上記申立人の主張は根拠がなく採用できない。 イ.例えば、本件特許明細書の発明の詳細な説明の【0114】及び【図3A】~【図3D】を参照すれば、支持フレーム340は、角錐形状の縁部に沿って配設され、かつそれらの端部において共に接合されている構造支持部材によって形成されているものであり、製品容積と構造支持フレームとが互いに別体として形成される構成が開示されている。 よって、上記申立人の主張は根拠がなく採用できない。 (2)申立人の主張する特許法第36条第6項第2号に係る理由 ア.「圧搾可能な作動パネル」について 本件発明1及び2は、「直立型の可撓性容器」であって、容器全体として可撓性を有するものであるから、「製品容積」を画定する「パネル」は「圧搾可能な作動パネル」であるといえるので、本件特許の請求項1及び2の記載は明確である。 よって、上記申立人の主張は採用できない。 イ.「製品容積」と「構造支持フレーム」について 本件発明1及び2は、「複数のパネルによって画定される、製品容積」と、「前記製品容積を支持するように構成された」「構造支持フレーム」が記載されており、構造支持フレームと製品容積との関係が規定されているといえる。 よって、上記申立人の主張は根拠がなく採用できない。 (3)小括 上記(1)及び(2)で検討したとおり、本件発明は、「圧搾可能な作動パネル」以外の構成を包含しておらず、また、「製品容積」と「構造支持フレーム」の構造関係等は明確であるから、当業者が本件発明1及び2の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものである。 よって、上記申立人の主張は採用できない。 第7.むすび 以上のとおり、本件発明1及び2に係る特許は、申立人の主張する申立理由、取消理由通知及び取消理由通知(予告)の取消理由によって取り消すことができない。 また、他に本件発明1及び2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2019-700852

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