特許異議申立
2019-700183
歯ブラシ
- 審判番号
- 2019-700183
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2018-519880
- 登録番号
- 特許第6385027号(P6385027)
- 請求日
- 2019年03月05日
- 審決日
- 2020年03月26日
- 公報発行日
- 2020年06月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】ライオン株式会社
- 【権利者代理人】黒瀬 雅一
- 【権利者代理人】川越 雄一郎
- 【権利者代理人】田▲崎▼ 聡
- 【権利者代理人】加藤 広之
- 【異議申立人】芝崎 公昭
- 審判長/審判官
- 審判長 佐々木 芳枝
- 審判官 堀川 一郎
- 審判官 久保 竜一
- 分類
- P1651.537-YAA(A46B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第6項、特許法第126条第5項、特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の5第4項、特許法第126条第7項、特許法第126条第4項、特許法第120条の5第2項第1号、特許法第29条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6385027号発明「歯ブラシ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6385027号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正後の〔1-4〕について訂正することを認める。
特許第6385027号の請求項1-4に係る特許を維持する。
理由
【理 由】
1.手続の経緯
本件特許第6385027号の請求項1~4に係る特許についての出願は、2017年9月13日(優先権主張2016年10月28日:日本国)を国際出願日とする出願であって、平成30年8月17日にその特許権の設定登録がなされ、平成30年9月5日に特許掲載公報が発行された。
これに対して、特許異議申立人芝崎公昭より、平成31年3月5日に、本件請求項1~4に係る発明の特許について特許異議の申立てがなされ、令和元年5月22日付で取消理由が通知され(発送日:令和元年5月28日)、これに対し特許権者より令和元年7月26日付で意見書及び訂正請求書が提出され、令和元年8月13日付で訂正請求があった旨が通知され(発送日:令和元年8月19日)、これに対し特許異議申立人より令和元年9月18日付で意見書が提出され、令和元年10月24日付で特許権者に対し審尋が行われ(発送日:令和元年10月30日)、これに対し特許権者より令和元年11月26日付で回答書が提出され、令和元年12月24日付で取消理由(決定の予告)が通知され(発送日:令和2年1月8日)、これに対し特許権者より令和2年2月26日付で意見書及び訂正請求書が提出されたものである。
2.令和2年2月26日付の訂正請求の請求の趣旨及び訂正の内容
本訂正請求書による訂正は、特許第6385027号の明細書、特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~4について訂正することを求めるものであり、その訂正事項1~3は以下のとおりである。
訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を、
「先端側に配置され植毛面に毛束が植設されたヘッド部と、
該ヘッド部の後端側に延設されたネック部と、
該ネック部の後端側に延設されたハンドル部とを備え、
前記ヘッド部、前記ネック部、及び前記ハンドル部の材質は、曲げ弾性率(JIS7171)が1000MPa以上2200MPa以下である樹脂であり、
前記ヘッド部の厚さが2.0~4.0mmであり、
前記ヘッド部の長さは、10~33mmであり、
前記ネック部の長さは、30~70mmであり、
前記ネック部は、前記植毛面と平行、且つ、前記ハンドル部の長さ方向と直交する方向の幅が最小値となる位置から後端側に前記幅が一定または漸次大きくなるように形成され、
前記ネック部の前記幅をWmm、前記植毛面と直交する方向の厚さをDmmとすると、
前記ネック部の幅が前記最小値となる位置から後端側に漸次大きくなる場合は当該最小値となる位置を起点とし、前記ネック部の幅が前記最小値となる位置から後端側に一定の場合は最も先端側の前記最小値の位置を起点とし、前記植毛面と平行に前記後端側に10mm離れた位置において前記D/Wで求められる値が0.7以上、1.5以下であり、前記植毛面と平行に前記後端側に30mm離れた位置において前記D/Wで求められる値が1.0を上回り、1.3以下であり、
前記ネック部の最小幅Wが4.5mm以下であり、
前記後端側に10mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=W×D3が、165mm4以上、525mm4以下であり、
前記後端側に30mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=W×D3が、600mm4以上、1500mm4以下であり、
前記起点の位置を基準としたときに、当該基準の位置から後端側に10mm離れた位置における前記撓み係数の変化率が1.0以上、1.3以下であり、
前記起点の位置から後端側に20mm離れた位置を基準としたときに、前記起点の位置から後端側に30mm離れた位置における前記撓み係数の変化率が1.7以上、3.0以下であることを特徴とする歯ブラシ。」に訂正する。(請求項1の記載を引用する請求項2~4も同様に訂正する。)
訂正事項2
明細書の段落【0006】を、
「【0006】
本発明の第1の態様に従えば、先端側に配置され植毛面に毛束が植設されたヘッド部と、該ヘッド部の後端側に延設されたネック部と、該ネック部の後端側に延設されたハンドル部とを備え、前記ヘッド部、前記ネック部、及び前記ハンドル部の材質は、曲げ弾性率(JIS7171)が1000MPa以上2200MPa以下である樹脂であり、前記ヘッド部の厚さが2.0~4.0mmであり、前記ヘッド部の長さは、10~33mmであり、前記ネック部の長さは、30~70mmであり、前記ネック部は、前記植毛面と平行、且つ、前記ハンドル部の長さ方向と直交する方向の幅が最小値となる位置から後端側に前記幅が一定または漸次大きくなるように形成され、前記ネック部の前記幅をWmm、前記植毛面と直交する方向の厚さをDmmとすると、前記ネック部の幅が前記最小値となる位置から後端側に漸次大きくなる場合は当該最小値となる位置を起点とし、前記ネック部の幅が前記最小値となる位置から後端側に一定の場合は最も先端側の前記最小値の位置を起点とし、前記植毛面と平行に前記後端側に10mm離れた位置において前記D/Wで求められる値が0.7以上、1.5以下であり、前記植毛面と平行に前記後端側に30mm離れた位置において前記D/Wで求められる値が1.0を上回り、1.3以下であり、前記ネック部の最小幅Wが4.5mm以下であり、前記後端側に10mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=W×D3が、165mm4以上、525mm4以下であり、前記後端側に30mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=W×D3が、600mm4以上、1500mm4以下であり、前記起点の位置を基準としたときに、当該基準の位置から後端側に10mm離れた位置における前記撓み係数の変化率が1.0以上、1.3以下であり、前記起点の位置から後端側に20mm離れた位置を基準としたときに、前記起点の位置から後端側に30mm離れた位置における前記撓み係数の変化率が1.7以上、3.0以下であることを特徴とする歯ブラシが提供される。」に訂正する。
訂正事項3
明細書の段落【0056】を、
「【0056】
【表3】
幅×厚み3[W×D3]の変化率
」に訂正する。
3.令和2年2月26日付の訂正請求書による訂正の適否
(1)訂正の目的の適否、一群の請求項、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア.一群の請求項
訂正前の請求項1~4について、請求項2~4はそれぞれ請求項1を引用しており、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~4に対応する訂正後の請求項1~4は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
イ.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(ア)訂正事項1
a 訂正の目的
訂正事項1は、訂正前の請求項1が「先端側に配置され植毛面に毛束が植設されたヘッド部と、該ヘッド部の後端側に延設されたネック部と、該ネック部の後端側に延設されたハンドル部とを備え、前記ヘッド部の厚さが2.0~4.0mmであり、前記ネック部は、前記植毛面と平行、且つ、前記ハンドル部の長さ方向と直交する方向の幅が最小値となる位置から後端側に前記幅が一定または漸次大きくなるように形成され、前記ネック部の前記幅をWmm、前記植毛面と直交する方向の厚さをDmmとすると、前記ネック部の幅が前記最小値となる位置から後端側に漸次大きくなる場合は当該最小値となる位置を起点とし、前記ネック部の幅が前記最小値となる位置から後端側に一定の場合は最も先端側の前記最小値の位置を起点とし、前記植毛面と平行に前記後端側に10mm離れた位置において前記D/Wで求められる値が0.7以上、1.5以下であり、前記植毛面と平行に前記後端側に30mm離れた位置において前記D/Wで求められる値が1.0を上回り、1.3以下であり、前記後端側に10mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=W×D3が、165mm4以上、625mm4以下であり、前記後端側に30mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=W×D3が、600mm4以上、1500mm4以下であり、」とあったものを、「先端側に配置され植毛面に毛束が植設されたヘッド部と、該ヘッド部の後端側に延設されたネック部と、該ネック部の後端側に延設されたハンドル部とを備え、前記ヘッド部、前記ネック部、及び前記ハンドル部の材質は、曲げ弾性率(JIS7171)が1000MPa以上2200MPa以下である樹脂であり、前記ヘッド部の厚さが2.0~4.0mmであり、前記ヘッド部の長さは、10~33mmであり、前記ネック部の長さは、30~70mmであり、前記ネック部は、前記植毛面と平行、且つ、前記ハンドル部の長さ方向と直交する方向の幅が最小値となる位置から後端側に前記幅が一定または漸次大きくなるように形成され、前記ネック部の前記幅をWmm、前記植毛面と直交する方向の厚さをDmmとすると、前記ネック部の幅が前記最小値となる位置から後端側に漸次大きくなる場合は当該最小値となる位置を起点とし、前記ネック部の幅が前記最小値となる位置から後端側に一定の場合は最も先端側の前記最小値の位置を起点とし、前記植毛面と平行に前記後端側に10mm離れた位置において前記D/Wで求められる値が0.7以上、1.5以下であり、前記植毛面と平行に前記後端側に30mm離れた位置において前記D/Wで求められる値が1.0を上回り、1.3以下であり、前記ネック部の最小幅Wが4.5mm以下であり、前記後端側に10mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=W×D3が、165mm4以上、525mm4以下であり、前記後端側に30mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=W×D3が、600mm4以上、1500mm4以下であり、」と訂正するもので、ヘッド部、ネック部、及びハンドル部に関して、「前記ヘッド部、前記ネック部、及び前記ハンドル部の材質は、曲げ弾性率(JIS7171)が1000MPa以上2200MPa以下である樹脂であり」と材質を具体的に限定するものであり、またヘッド部に関して、「前記ヘッド部の長さは、10~33mmであり」と長さを具体的に限定するものであり、またネック部に関して、「前記ネック部の長さは、30~70mmであり」、及び「前記ネック部の最小幅Wが4.5mm以下であり」と長さ及び最小幅を具体的に限定するものであり、また後端側に10mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=W×D3に関して、その上限を減縮したものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1は、訂正前の請求項1が「先端側に配置され植毛面に毛束が植設されたヘッド部と、該ヘッド部の後端側に延設されたネック部と、該ネック部の後端側に延設されたハンドル部とを備え、前記ヘッド部の厚さが2.0~4.0mmであり、前記ネック部は、前記植毛面と平行、且つ、前記ハンドル部の長さ方向と直交する方向の幅が最小値となる位置から後端側に前記幅が一定または漸次大きくなるように形成され、前記ネック部の前記幅をWmm、前記植毛面と直交する方向の厚さをDmmとすると、前記ネック部の幅が前記最小値となる位置から後端側に漸次大きくなる場合は当該最小値となる位置を起点とし、前記ネック部の幅が前記最小値となる位置から後端側に一定の場合は最も先端側の前記最小値の位置を起点とし、前記植毛面と平行に前記後端側に10mm離れた位置において前記D/Wで求められる値が0.7以上、1.5以下であり、前記植毛面と平行に前記後端側に30mm離れた位置において前記D/Wで求められる値が1.0を上回り、1.3以下であり、前記後端側に10mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=W×D3が、165mm4以上、625mm4以下であり、前記後端側に30mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=W×D3が、600mm4以上、1500mm4以下であり、」とあったものを、「先端側に配置され植毛面に毛束が植設されたヘッド部と、該ヘッド部の後端側に延設されたネック部と、該ネック部の後端側に延設されたハンドル部とを備え、前記ヘッド部、前記ネック部、及び前記ハンドル部の材質は、曲げ弾性率(JIS7171)が1000MPa以上2200MPa以下である樹脂であり、前記ヘッド部の厚さが2.0~4.0mmであり、前記ヘッド部の長さは、10~33mmであり、前記ネック部の長さは、30~70mmであり、前記ネック部は、前記植毛面と平行、且つ、前記ハンドル部の長さ方向と直交する方向の幅が最小値となる位置から後端側に前記幅が一定または漸次大きくなるように形成され、前記ネック部の前記幅をWmm、前記植毛面と直交する方向の厚さをDmmとすると、前記ネック部の幅が前記最小値となる位置から後端側に漸次大きくなる場合は当該最小値となる位置を起点とし、前記ネック部の幅が前記最小値となる位置から後端側に一定の場合は最も先端側の前記最小値の位置を起点とし、前記植毛面と平行に前記後端側に10mm離れた位置において前記D/Wで求められる値が0.7以上、1.5以下であり、前記植毛面と平行に前記後端側に30mm離れた位置において前記D/Wで求められる値が1.0を上回り、1.3以下であり、前記ネック部の最小幅Wが4.5mm以下であり、前記後端側に10mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=W×D3が、165mm4以上、525mm4以下であり、前記後端側に30mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=W×D3が、600mm4以上、1500mm4以下であり、」と限定するもので、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
c 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1の「先端側に配置され植毛面に毛束が植設されたヘッド部と、該ヘッド部の後端側に延設されたネック部と、該ネック部の後端側に延設されたハンドル部とを備え、前記ヘッド部、前記ネック部、及び前記ハンドル部の材質は、曲げ弾性率(JIS7171)が1000MPa以上2200MPa以下である樹脂であり、前記ヘッド部の厚さが2.0~4.0mmであり、前記ヘッド部の長さは、10~33mmであり、前記ネック部の長さは、30~70mmであり、前記ネック部は、前記植毛面と平行、且つ、前記ハンドル部の長さ方向と直交する方向の幅が最小値となる位置から後端側に前記幅が一定または漸次大きくなるように形成され、前記ネック部の前記幅をWmm、前記植毛面と直交する方向の厚さをDmmとすると、前記ネック部の幅が前記最小値となる位置から後端側に漸次大きくなる場合は当該最小値となる位置を起点とし、前記ネック部の幅が前記最小値となる位置から後端側に一定の場合は最も先端側の前記最小値の位置を起点とし、前記植毛面と平行に前記後端側に10mm離れた位置において前記D/Wで求められる値が0.7以上、1.5以下であり、前記植毛面と平行に前記後端側に30mm離れた位置において前記D/Wで求められる値が1.0を上回り、1.3以下であり、前記ネック部の最小幅Wが4.5mm以下であり、前記後端側に10mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=W×D3が、165mm4以上、525mm4以下であり、前記後端側に30mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=W×D3が、600mm4以上、1500mm4以下であり、」であることは、願書に添付した特許請求の範囲の【請求項1】、及び明細書の段落【0015】、【0016】、【0029】、【0030】、【0031】、【0038】に、以下のとおり記載されている。
「【請求項1】
先端側に配置され植毛面に毛束が植設されたヘッド部と、
該ヘッド部の後端側に延設されたネック部と、
該ネック部の後端側に延設されたハンドル部とを備え、
前記ヘッド部の厚さが2.0~4.0mmであり、
前記ネック部は、前記植毛面と平行、且つ、前記ハンドル部の長さ方向と直交する方向の幅が最小値となる位置から後端側に前記幅が一定または漸次大きくなるように形成され、
前記ネック部の前記幅をWmm、前記植毛面と直交する方向の厚さをDmmとすると、
前記ネック部の幅が前記最小値となる位置から後端側に漸次大きくなる場合は当該最小値となる位置を起点とし、前記ネック部の幅が前記最小値となる位置から後端側に一定の場合は最も先端側の前記最小値の位置を起点とし、前記植毛面と平行に前記後端側に10mm離れた位置において前記D/Wで求められる値が0.7以上、1.5以下であり、前記植毛面と平行に前記後端側に30mm離れた位置において前記D/Wで求められる値が1.0を上回り、1.3以下であり、
前記後端側に10mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=W×D3が、165mm4以上、625mm4以下であり、
前記後端側に30mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=W×D3が、600mm4以上、1500mm4以下であり、
前記起点の位置を基準としたときに、当該基準の位置から後端側に10mm離れた位置における前記撓み係数の変化率が1.0以上、1.3以下であり、
前記起点の位置から後端側に20mm離れた位置を基準としたときに、前記起点の位置から後端側に30mm離れた位置における前記撓み係数の変化率が1.7以上、3.0以下であることを特徴とする歯ブラシ。」
「【0015】
本実施形態の歯ブラシ11は、先端に配置され用毛の毛束114が植毛されたヘッド部110と、ヘッド部110の後端側に延設されたネック部120と、ネック部120の後端側に延設されたハンドル部130(以下、ヘッド部110とネック部120とハンドル部130とを合わせてハンドル体12と称する)とを備える。
【0016】
ハンドル体は、全体として長尺状に一体成形されたものであり、例えば、樹脂を材料とし射出成形により得られるものである。
ハンドル体の材質としては、曲げ弾性率(JIS7171)が1000MPa以上2200MPa以下である樹脂が挙げられ、例えば、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、ポレアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS)などが挙げられる。これらの中でも、本発明の効果がより顕著であること及びコスト面を考慮すると汎
用樹脂であるポリプロピレン樹脂が好ましい。」
「【0029】
ハンドル体12の長さは、特に限定されず、例えば、100~200mmとされる。
ヘッド部110の幅、すなわち植毛面111と平行で、且つハンドル部130の長さ方向と直交する方向の幅(以下、単に幅と称する)は、特に限定されず、例えば、5~16mmが好ましく、8~12mmがより好ましい。上記下限値以上であれば、毛束114を植設する面積を十分に確保でき、上記上限値以下であれば、口腔内での操作性をより高められる。
ヘッド部110の長さは、特に限定されず、例えば、10~33mmが好ましく、12~28mmがより好ましい。上記下限値以上であれば、毛束114を植設する面積を十分に確保でき、上記上限値以下であれば、口腔内での操作性をより高められる。
ヘッド部110の厚さは、材質等を勘案して決定でき、例えば、2.0~4.0mmがより好ましい。上記下限値以上であれば、ヘッド部110の強度をより高められ、上記上限値以下であれば、奥歯への到達性を高められるとともに、口腔内での操作性をより高められる。
【0030】
ネック部120の長さは、ヘッド部110を口腔内に挿入したときにネック部120が唇に触れるために、例えば、25~70mmであることが好ましい。
ネック部120の幅は、最小値となる位置から後端側に一定または漸次大きくなるように形成されている。ネック部120の幅が最小値となる位置から後端側に一定の場合、最小値となる位置は最も先端側の位置と定義する。本実施形態におけるネック部120は、幅が最小値となる位置121から後端側に向かうのに従って漸次大きくなるように形成されている。ネック部120の幅は、材質等を勘案して決定でき、例えば、ネック部120の最小幅は3.5mm以上、4.5mm以下が好ましく、3.7mm以上、4.3mm以下がより好ましい。上記下限値以上であれば、ネック部120の強度をより高められ、上記上限値以下であれば、唇が閉じやすく、また奥歯への到達性を高められるとともに、口腔内での操作性をより高められる。
【0031】
また、ネック部120における幅をWmm、植毛面111と直交する方向の厚さをDmmとすると、ネック部120における幅が最小値となる位置121を起点として植毛面111と平行に後端側に10mm離れた位置122におけるD/Wで求められる値は、0.7以上、2.5以下であることが好ましく、0.7以上、2.0以下であることがより好ましく、0.8以上、2.0以下であることが更に好ましく、0.8以上、1.5以下であることが特に好ましい。」
「【0038】
また、一般に、材質が同一の場合、剛体の撓み量は、「断面2次モーメント」に大きく影響を受けることが知られている。撓み量は、幅Wの1乗、厚さDの3乗に比例するため、撓み量を少なくするためには厚さDを保ちつつ、幅を最小限にすることが望ましい。
例えば、撓み係数M(mm4)=W×D3とすると、ネック部120の位置121における幅W、厚さDから計算される撓み係数Mは、165mm4以上、625mm4以下であることが好ましく、180mm4以上、525mm4以下であることが更に好ましく、200mm4以上、330mm4以下であることが特に好ましい。また、ネック部120の位置122における幅W、厚さDから計算される撓み係数Mは、165mm4以上、625mm4以下であり、180mm4以上、525mm4以下であることがより好ましく、200mm4以上、330mm4以下であることがさらに好ましく、270mm4以上、310mm4以下であることがさらに好ましい。位置121から植毛面111と平行に後端側に20mm離れた位置において、ネック部120における幅W、厚さDから計算される撓み係数Mは、350mm4以上、550mm4以下であることが好ましい。位置121から植毛面111と平行に後端側に30mm離れた位置において、ネック部120における幅W、厚さDから計算される撓み係数Mは、600mm4以上、1500mm4以下であることが好ましい。
位置122における撓み係数Mが165mm4以上、625mm4以下であれば、唇を閉じてのブラッシング性の向上に寄与できるとともに、撓みすぎによる操作性の悪化を防止することができる。」
但し、「前記ネック部の長さは、30~70mmであり」との訂正に関して、段落【0030】には「ネック部120の長さは、ヘッド部110を口腔内に挿入したときにネック部120が唇に触れるために、例えば、25~70mmであることが好ましい。」と記載されているが、【請求項1】には、「前記植毛面と平行に前記後端側に30mm離れた位置において前記D/Wで求められる値が1.0を上回り、1.3以下であり」、「前記後端側に30mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=W×D3が、600mm4以上、1500mm4以下であり」、及び「前記起点の位置から後端側に30mm離れた位置における前記撓み係数の変化率が1.7以上、3.0以下である」と記載されているとおり、ネック部の長さは、少なくとも30mm以上の長さがなくてはならないことが示されている。
そうすると、「前記ネック部の長さは、30~70mmであり」との訂正は、段落【0030】、及び【請求項1】に記載された事項である。
よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。
d 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
本件においては、訂正前の請求項1~4について特許異議申立てがされているので、訂正前の請求項1~4に係る訂正事項1に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
(イ) 訂正事項2
a 訂正の目的
訂正事項2は、訂正事項1に伴い、請求項1に関する詳細な説明の記載を整合させるために、請求項1に関する記載を訂正事項1と同様に訂正するもので、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1と同様に訂正事項2も実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
c 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
訂正事項1と同様に訂正事項2も特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。
(ウ) 訂正事項3
a 訂正の目的
段落【0039】には、「また、位置122と位置121から後端側に20mm離れた位置との間における撓み係数Mの変化率としては、1.3以上、1.8以下であることが好ましい。位置121から後端側に20mm離れた位置と、位置121から後端側に30mm離れた位置との間における撓み係数Mの変化率としては、1.7以上、3.0以下であることが好ましく、1.8以上、3.0以下であることがより好ましい。」と記載され、段落【0052】には、「また、各例におけるW×D3で求められる値の前記のように各位置の撓み係数から計算される変化率は、[表3]に示されている。」と記載されているように、変化率としては、位置122と位置121から後端側に20mm離れた位置との間における撓み係数Mの変化率、すなわち「+10mmの位置から+20mmの位置」の変化率、及び位置121から後端側に20mm離れた位置と、位置121から後端側に30mm離れた位置との間における撓み係数Mの変化率、すなわち「+20mmの位置から+30mmの位置」の変化率が記載されているが、訂正前の表3に記載されている「最小位置から+20mmの位置」の変化率、及び「最小位置から+30mmの位置」の変化率については何ら記載されておらず、並びに段落【0055】に記載の表2の「幅×厚み3[W×D3]」に記載されている各例の「+10」の数値と「+20」の数値から求められる変化率(「+10mmの位置から+20mmの位置」の変化率)、及び各例の「+20」の数値と「+30」の数値から求められる変化率(「+20mmの位置から+30mmの位置」の変化率)が、それぞれ表3の「最小位置からから+20mmの位置」、及び「最小位置から+30mmの位置」に記載されている各例の数値と一致することから、訂正前の段落【0056】の表3の「最小位置から+20mmの位置」、及び「最小位置から+30mmの位置」との記載は、「+10mmの位置から+20mmの位置」、及び「+20mmの位置から+30mmの位置」の誤記であるといえる。
そうであれば、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に規定する誤記又は誤訳の訂正を目的とするものである。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記aから明らかなように、訂正事項3の訂正は、訂正前の段落【0056】の表3の「最小位置から+20mmの位置」、及び「最小位置から+30mmの位置」を、それぞれ「+10mmの位置から+20mmの位置」、及び「+20mmの位置から+30mmの位置」として誤記を訂正するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、当該訂正は実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。
c 願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
願書に最初に添付した明細書の段落【0039】、【0052】、【0056】には、上記aに記載したものと同じ記載があるから、訂正事項3の表3の記載が「+10mmの位置から+20mmの位置」、及び「+20mmの位置から+30mmの位置」であり、誤記の訂正であるから、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。
ウ 明細書又は図面の訂正に係る請求項についての説明
願書に添付した明細書の段落【0006】、【0056】に記載された訂正事項2、3は請求項1に関するものであるから、訂正事項1に係る一群の請求項(請求項1~4)と関係を有し、願書に添付した明細書の訂正である訂正事項2、3と関係する全ての一群の請求項(請求項1~4)が請求の対象とされている。
したがって、本件訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第4項に適合するものである。
(2)むすび
したがって、本件訂正は特許法第120条の5第2項第1号~第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第4項~第6項の規定に適合する。
よって、明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4〕について訂正することを認める。
4.本件発明
本件訂正により訂正された請求項1ないし4に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された以下のとおりのものである。
「【請求項1】
先端側に配置され植毛面に毛束が植設されたヘッド部と、
該ヘッド部の後端側に延設されたネック部と、
該ネック部の後端側に延設されたハンドル部とを備え、
前記ヘッド部、前記ネック部、及び前記ハンドル部の材質は、曲げ弾性率(JIS7171)が1000MPa以上2200MPa以下である樹脂であり、
前記ヘッド部の厚さが2.0~4.0mmであり、
前記ヘッド部の長さは、10~33mmであり、
前記ネック部の長さは、30~70mmであり、
前記ネック部は、前記植毛面と平行、且つ、前記ハンドル部の長さ方向と直交する方向の幅が最小値となる位置から後端側に前記幅が一定または漸次大きくなるように形成され、
前記ネック部の前記幅をWmm、前記植毛面と直交する方向の厚さをDmmとすると、
前記ネック部の幅が前記最小値となる位置から後端側に漸次大きくなる場合は当該最小値となる位置を起点とし、前記ネック部の幅が前記最小値となる位置から後端側に一定の場合は最も先端側の前記最小値の位置を起点とし、前記植毛面と平行に前記後端側に10mm離れた位置において前記D/Wで求められる値が0.7以上、1.5以下であり、前記植毛面と平行に前記後端側に30mm離れた位置において前記D/Wで求められる値が1.0を上回り、1.3以下であり、
前記ネック部の最小幅Wが4.5mm以下であり、
前記後端側に10mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=W×D3が、165mm4以上、525mm4以下であり、
前記後端側に30mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=W×D3が、600mm4以上、1500mm4以下であり、
前記起点の位置を基準としたときに、当該基準の位置から後端側に10mm離れた位置における前記撓み係数の変化率が1.0以上、1.3以下であり、
前記起点の位置から後端側に20mm離れた位置を基準としたときに、前記起点の位置から後端側に30mm離れた位置における前記撓み係数の変化率が1.7以上、3.0以下であることを特徴とする歯ブラシ。
【請求項2】
前記起点の位置から前記植毛面と平行に前記後端側に30mm離れた位置において前記D/Wで求められる値が1.05以上、1.3以下であることを特徴とする請求項1記載の歯ブラシ。
【請求項3】
前記起点の位置において前記D/Wで求められる値と、当該位置から後端側に30mm離れた位置において前記D/Wで求められる値との差は、0.1以上、0.2以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の歯ブラシ。
【請求項4】
前記幅が最小値となる前記起点の位置において前記D/Wで求められる値と、当該位置から後端側に20mm離れた位置において前記D/Wで求められる値との差は、0.07以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の歯ブラシ。」
5.取消理由 (決定の予告)
令和元年12月24日付の取消理由(決定の予告)の概要は以下のとおりである。
「本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
記
(1)請求項1において、ネック部の幅と厚さを規定しており、ハンドル体の材質、形状は特定されていない。ハンドル体の材質、形状によって、ハンドル体の曲げ弾性率は変化するが、様々な材質、形状であっても、ネック部の幅と厚さを規定すれば、何故歯ブラシの口腔内操作性の向上という課題が解決できるのか不明である。請求項1を引用する請求項2-4も同様である。
更に、請求項1において、ネック部の幅と厚さ、ヘッド部の厚さを規定しており、ヘッド部、ネック部の長さは特定されていない。ヘッド部、ネック部の長さが異なると撓みが大きく異なるが、実施例として【0051】に、ネック部長48mm、ヘッド部長25mmの開示があるのみであり、請求項1に係る発明の範囲まで拡張ないし一般化できるとはいえない。請求項1を引用する請求項2-4も同様である。
したがって、本件特許の請求項1-4に記載された発明は、当該発明が解決すべき課題を解決できないものや実施例の内容を拡張ないし一般化できるとはいえないものをも包含しており、本件特許の願書に添付した発明の詳細な説明に記載されたものではない。」
6.取消理由 (決定の予告)に対する当審の判断
請求項1において、ヘッド部の厚さ、ネック部の幅と厚さを規定し、更に、訂正により、ハンドル体の材質と曲げ弾性率、ヘッド部の長さ、ネック部の長さ、ネック部の最小幅を規定することによって、訂正後の請求項1に記載された発明は、これらの事項が相まって歯ブラシの強度、操作性を向上させるものであるから、ブラシの口腔内操作性の向上という課題が解決できるものとなった。請求項1を引用する請求項2-4も同様である。
したがって、特許を受けようとする発明は発明の詳細な説明に記載されたものであるから、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号の要件を満たすものである。
7.取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由
(1)特許法第29条第1項第3号及び第2項
特許異議申立人は、請求項1-4に係る発明は甲第1号証(特開2013-118944号公報)に記載された発明と同一であるか、又は同発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができた旨主張する。
そして、甲第1号証に記載された発明が構成e1、e2、f1、f2を有する旨主張し、申立書12頁で「下記の構成e1、e2、f1、f2は、図1および表1に基づいて求めた、参考図および参考表1~3の値である。」と主張している。
構成e1、e2、f1、f2は以下のとおりである。
「e1 前記後端側に10mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=WX×DX3が、187mm4であり、
e2 前記後端側に30mm離れた位置における撓み係数M(mm4)=WX×DX3が、915mm4以下であり、
f1 前記起点の位置を基準としたときに、当該基準の位置から後端側に10mm離れた位置における前記撓み係数の変化率が1.25であり、
f2 前記起点の位置から後端側に20mm離れた位置を基準としたときに、前記起点の位置から後端側に30mm離れた位置における前記撓み係数の変化率が1.88である」
しかし、図面は本来、発明の具体的内容を理解し易くするために、明細書の補助手段として使用される任意書面であって、設計図面に要求されるような正確性をもって図示するものではないから、甲第1号証の図面を採寸した値を採用することはできない。そうすると、甲第1号証には構成e1、e2、f1、f2について記載が無く、且つ当該構成を当業者が容易に考えられるものとも認められない。
したがって、請求項1-4に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と同一ではなく、又、同発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。
(2)特許法第36条第6項第1号
特許異議申立人は、本件特許発明1は、「前記起点の位置から後端側に20mm離れた位置を基準としたときに、前記起点の位置から後端側に30mm離れた位置における前記撓み係数の変化率が1.7以上、3.0以下である」という構成を有するが、表1~表3のいずれにも、「F2 前記起点の位置から後端側に20mm離れた位置を基準としたときに、前記起点の位置から後端側に30mm離れた位置における前記撓み係数の変化率」についての記載がなく、本件特許発明1は、実施例によって裏付けされていない旨主張している。
しかし、請求項1の「前記起点の位置から後端側に20mm離れた位置を基準としたときに、前記起点の位置から後端側に30mm離れた位置における前記撓み係数の変化率が1.7以上、3.0以下である」を裏付ける記載は表3であるが、表2の撓み係数の値に基づいて演算すれば表3の撓み係数の変化率の基準点が何れも最小位置であることは明らかな誤りであり、この点は訂正により解消した。
また、特許異議申立人は、ヘッド部やネック部の長さが異なると、撓みが大きく相違するから、ヘッド部やネック部の長さは、操作性に影響を与えるが、実施例および比較例の歯ブラシの形状(ネック部を除く)は全て同じであり、ネック部の長さも同じであり、本件特許発明1の範囲にまで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できないから、本件特許発明1は、サポートされていない旨主張している。
しかし、表1のネック部厚みとネック部幅の値はバラツキが小さくても、本件発明の歯ブラシを特定する条件は他にもあるため、歯ブラシが他の条件を満たすとネック部厚みとネック部幅の値が表1の様になるため、発明の詳細な説明に記載されたものではないとすることはできない。
8.むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1-4に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1-4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2019-700183