特許異議申立
2019-700180
組合せオイルリング
- 審判番号
- 2019-700180
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2018-004997
- 登録番号
- 特許第6389970号(P6389970)
- 請求日
- 2019年03月05日
- 審決日
- 2019年12月02日
- 公報発行日
- 2020年03月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】TPR株式会社
- 【権利者代理人】アイアット国際特許業務法人
- 【異議申立人】石塚 勝久
- 審判長/審判官
- 審判長 大町 真義
- 審判官 内田 博之
- 審判官 小関 峰夫
- 分類
- P1652.121-YAA(F16J)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第2項第3号、特許法第126条第5項、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6389970号発明「組合せオイルリング」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6389970号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-7〕について訂正することを認める。
特許第6389970号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第6389970号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし7に係る特許についての出願は、平成30年1月16日の出願であって、同年8月24日に設定登録され、同年9月12日に特許掲載公報が発行され、平成31年3月5日に特許異議申立人石塚勝久(以下、「異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、令和1年5月15日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である同年7月18日に意見書の提出及び訂正の請求があったものである。なお、訂正の請求があった旨、令和1年8月21日付け(発送日:同年8月26日)で異議申立人に通知し、この通知の発送の日から30日以内の意見書の提出を異議申立人に求めたが、異議申立人から意見書は提出されなかった。
第2 訂正の適否の判断
1 訂正の内容
令和1年7月18日の訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)による訂正の内容は以下のとおりである。(下線は特許権者が付した。)
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「 Q1=a1u-a8u>P1>0 ……… (1)
Q2=a1d-a8d>P2>0 ……… (2)
Q1-P1=Q2-P2のとき、Q1-Q2=P1-P2であり
Q=Q1-Q2
=(a1u-a8u)-(a1d-a8d)>0 ……… (3)」
と記載されているのを
「 Q1=a1u-a8u>P1>0 ……… (1)
Q2=a1d-a8d>P2>0 ……… (2)
Q=Q1-Q2>0 ……… (3)」
に訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に
「前記組合せオイルリングにおいて、
下式(4)のとき、下式(5)を満足する、」
と記載されているのを
「前記組合せオイルリングにおいて、
下式(4)を満足し、したがって下式(5)を満足する、」
に訂正する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3に
「前記組合せオイルリングにおいて、
下式(6)のとき、下式(7)を満足する、」
と記載されているのを
「前記組合せオイルリングにおいて、
下式(6)を満足し、したがって下式(7)を満足する、」
に訂正する。
(4)訂正事項4
明細書の段落【0009】に
「 Q1=a1u-a8u>P1>0 ……… (1)
Q2=a1d-a8d>P2>0 ……… (2)
Q1-P1=Q2-P2のとき、Q1-Q2=P1-P2であり
Q=Q1-Q2
=(a1u-a8u)-(a1d-a8d)>0 ……… (3)」
と記載されているのを、
「 Q1=a1u-a8u>P1>0 ……… (1)
Q2=a1d-a8d>P2>0 ……… (2)
Q=Q1-Q2>0 ……… (3)」
に訂正する。
(5)訂正事項5
明細書の段落【0011】に
「本発明の組合せオイルリングは、前記の本発明の組合せオイルリングにおいて、下式(4)のとき、下式(5)を満足する、」
と記載されているのを、
「本発明の組合せオイルリングは、前記の本発明の組合せオイルリングにおいて、下式(4)を満足し、したがって下式(5)を満足する、」
に訂正する。
(6)訂正事項6
明細書の段落【0012】に
「本発明の組合せオイルリングは、前記の本発明の組合せオイルリングにおいて、下式(6)のとき、下式(7)を満足する、」
と記載されているのを、
「本発明の組合せオイルリングは、前記の本発明の組合せオイルリングにおいて、下式(6)を満足し、したがって下式(7)を満足する、」
に訂正する。
2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の有無
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、訂正前の
「Q1-P1=Q2-P2のとき、Q1-Q2=P1-P2であり
Q=Q1-Q2
=(a1u-a8u)-(a1d-a8d)>0 ……… (3)」
との記載では、当該記載中の「Q1-P1=Q2-P2のとき」が、「Q1-P1=Q2-P2であるならば」という趣旨の、仮定としての条件を示したものであるか否か、すなわち、上記記載が、
「Q1-P1=Q2-P2であるならば、Q1-Q2=P1-P2であるとともに、
(「P=P1-P2>0」という特定がなされていることから)
Q=Q1-Q2
=(a1u-a8u)-(a1d-a8d)>0 ……… (3)」
との旨を意味するのか否か(上記記載がその意味である場合には、式(3)における「Q=Q1-Q2>0」は、「P=P1-P2>0」に加えての特定を何ら行っていないことになる。)が不明確であるという不備を是正し、本来の意味を明らかにするものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、訂正後の記載においては、「Q=Q1-Q2>0」が、「Q1-P1=Q2-P2であるならば」という仮定のもとでの記載にすぎないのではなく、請求項1に係る発明を特定する事項であることが明確にされているため、訂正後の数式による特定内容は、訂正前の数式による特定内容の範囲内のものである。また、「Q=Q1-Q2>0」という事項は、願書に添付した明細書の段落【0053】から【0060】に記載されているといえる。
よって、この訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内で訂正を行うものであり、新規事項の追加に該当せず、さらに、当該訂正事項1は、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、式(4)と式(5)の関係を明確にすることで、本来の意を明らかにするものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、訂正後の式(4)と式(5)の関係は、明らかに訂正前の請求項2の記載の範囲内のものであるから、この訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項2は、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
(3)訂正事項3について
訂正事項3は、式(6)と式(7)の関係を明確にすることで、本来の意を明らかにするものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、訂正後の式(6)と式(7)の関係は、明らかに訂正前の請求項3の記載の範囲内のものであるから、この訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項2は、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
(4)訂正事項4~6について
訂正事項4~6は、訂正事項1~3による訂正によって変更された特許請求の範囲の記載と、明細書の記載とを整合させるための訂正であって、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、訂正事項1~3と同様に、訂正事項4~6は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項1~3と同様に、訂正事項4~6は、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
3 一群の請求項についての説明
訂正前の請求項1~7について、請求項2~7は、直接又は間接的に請求項1を引用するものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項1~7に対応する訂正後の請求項1~7は、特許第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
4 小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-7〕について訂正することを認める。
第3 特許異議の申立てについて
1 本件発明
本件訂正請求により訂正された訂正請求項1ないし3に係る発明(以下、「本件発明1」ないし「本件発明3」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認める。
「【請求項1】
ピストンのオイルリング溝内に装着されて、前記ピストンと共にシリンダボア内をシリンダの軸方向に往復運動する組合せオイルリングにおいて、
前記シリンダの軸方向におけるシリンダヘッド側を上側、シリンダヘッドから離れる側を下側といい、
上側に配置される上セグメントと、
前記上セグメントと独立して下側に配置される下セグメントと、
前記上セグメントと前記下セグメントの間に配置されるエキスパンダ・スペーサと、
を備え、
前記エキスパンダ・スペーサは、
内周側端部の上側の部分に上側に突出して設けられ、傾斜面が前記上セグメントの内周面に当接して前記上セグメントを押圧する上耳部と、
内周側端部の下側の部分に下側に突出して設けられ、傾斜面が前記下セグメントの内周面に当接して前記下セグメントを押圧する下耳部と、
外周側端部の上側の部分に上側に突出して設けられ、上面が前記上セグメントの下面に当接して前記上セグメントを支持する上支持部と、
外周側端部の下側の部分に下側に突出して設けられ、下面が前記下セグメントの上面に当接して前記下セグメントを支持する下支持部と、
を有し、
前記上耳部および前記下耳部以外における前記エキスパンダ・スペーサのシリンダ軸方向の最大幅が前記上支持部および前記下支持部の外周側端部にあって、
前記エキスパンダ・スペーサ、前記上セグメントおよび前記下セグメントが、前記オイルリング溝内に装着され、シリンダボア内に挿入される前の状態を自由状態とし、前記自由状態であって、前記組合せオイルリングのシリンダ軸方向の断面において、前記エキスパンダ・スペーサの前記上耳部の傾斜面が前記上セグメントの内周面に当接し、かつ、前記エキスパンダ・スペーサの前記下耳部の傾斜面が前記下セグメントの内周面に当接した状態で、
前記エキスパンダ・スペーサの外周側端面から前記上セグメントの外周面頂点までの突出量を上突出量P1、前記エキスパンダ・スペーサの外周側端面から前記下セグメントの外周面頂点までの突出量を下突出量P2、前記上突出量P1と前記下突出量P2との差をPとすると、P=P1-P2>0であり、
前記組合せオイルリングの径方向における、
前記上セグメントの厚さをa1u[mm]、
前記下セグメントの厚さをa1d[mm]、
前記エキスパンダ・スペーサの上セグメント側のスペーサ厚さをa8u[mm]、
前記エキスパンダ・スペーサの下セグメント側のスペーサ厚さをa8d[mm]、
とすると、
下式(1)、(2)、(3)を満足する、
ことを特徴とする組合せオイルリング。
Q1=a1u-a8u>P1>0 ……… (1)
Q2=a1d-a8d>P2>0 ……… (2)
Q=Q1-Q2>0 ……… (3)
ただし、
Q1は、上見掛け突出量といい、
Q2は、下見掛け突出量といい、
Qは、前記上見掛け突出量Q1と前記下見掛け突出量Q2との差(Q1-Q2)である
。
【請求項2】
前記組合せオイルリングにおいて、
下式(4)を満足し、したがって下式(5)を満足する、
ことを特徴とする請求項1に記載の組合せオイルリング。
a8u=a8d ……… (4)
Q=a1u-a1d>0 ……… (5)
【請求項3】
前記組合せオイルリングにおいて、
下式(6)を満足し、したがって下式(7)を満足する、
ことを特徴とする請求項1に記載の組合せオイルリング。
a1u=a1d ……… (6)
a8u<a8d ……… (7)」
2 取消理由の概要
本件訂正前の請求項1ないし3に係る発明に対して令和1年5月15日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
(明確性)下記の請求項の記載は明確でないから、下記の請求項に係る特許は、特許法第36条第6項第2号の規定に違反してされたものである。
記
(1)請求項1について
請求項1に
「Q1-P1=Q2-P2のとき、Q1-Q2=P1-P2であり
Q=Q1-Q2
=(a1u-a8u)-(a1d-a8d)>0 ……… (3)」
との記載があるが、
この記載の「Q1-P1=Q2-P2」は、それが満足されるという特定になっているのか、仮定としての条件を示したにすぎないのか、別の意義を有するのか不明確である。
(2)請求項2について
請求項2に
「前記組合せオイルリングにおいて、
下式(4)のとき、下式(5)を満足する、」
との記載があるが、この記載では
「前記組合せオイルリングにおいて、
下式(4)を満足し、したがって下式(5)を満足する、」
という意味なのか否か、不明確である。
(3)請求項3について
請求項3に
「前記組合せオイルリングにおいて、
下式(6)のとき、下式(7)を満足する、」
との記載があるが、この記載では
「前記組合せオイルリングにおいて、
下式(6)を満足し、したがって下式(7)を満足する、」
という意味なのか否か、不明確である。
3 判断
(1)取消理由通知に記載した取消理由について
ア 本件発明1について
上記第2 1(1)のとおり、請求項1の式(3)の記載は、訂正前の
「Q1-P1=Q2-P2のとき、Q1-Q2=P1-P2であり
Q=Q1-Q2
=(a1u-a8u)-(a1d-a8d)>0 ……… (3)」
との記載から、訂正後に
「Q=Q1-Q2>0 ……… (3)」
に改まったため、式(3)の意味が明確になった(上記第2 2(1)における説示内容を参照。)。
このため、本件発明1は明確である。
イ 本件発明2について
上記第2 1(2)のとおり、請求項2の、訂正前の
「下式(4)のとき、下式(5)を満足する、」
との記載は、訂正後に
「下式(4)を満足し、したがって下式(5)を満足する、」
に改まったため、式(4)と式(5)の関係が明確になった。
このため、本件発明2は明確である。
ウ 本件発明3について
上記第2 1(3)のとおり、請求項3の、訂正前の
「下式(6)のとき、下式(7)を満足する、」
との記載は、訂正後に
「下式(6)を満足し、したがって下式(7)を満足する、」
に改まったため、式(6)と式(7)の関係が明確になった。
このため、本件発明3は明確である。
(2)取消理由通知において採用しなかった特許異議申立ての理由について
ア(進歩性)請求項1について
異議申立人は、主たる証拠として甲第1号証(特開2016-194373号公報)を提示して、本件発明1でいうところの「Q=Q1-Q2」が0となる発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている旨主張する(異議申立書第9ページ下から5行~第12ページ第25行;この点、甲第2号証(特開2016-128700号公報)及び甲第3号証(特開2015-117753号公報)についても同様。)とともに、甲第4号証(INTERNATIONAL STANDARD ISO6627、2011-08-01、Second edition)を提示して「耳角度の公差が生じること」及び「組み合わせオイルリングの径方向におけるセグメントの厚さ(a1u,a1d)に公差が生じること」が「従来技術常識又は周知」(異議申立書第24ページ第28~35行)であるとし、甲1発明において、耳角度の公差や組み合わせオイルリングの径方向におけるセグメントの厚さの公差が生ずることで、「Q=Q1-Q2=(a1u-a8u)-(a1d-a8d)>0」となる「可能性がある」から、「従来技術常識又は周知の事項を甲1発明に適用することで本件特許発明1とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。」旨主張している(異議申立書第21ページ第11行~第25ページ第1行参照)。
また、甲1発明の場合と同様に、従来技術常識又は周知の事項を、甲第2号証又は甲第3号証に記載された発明に適用することで本件発明1とすることは、当業者が容易に想到し得ることである旨主張している(異議申立書第25ページ下から2行~第29ページ第21行及び第30ページ第19行~第34ページ第1行参照)。
しかしながら、本件発明1と甲1発明とを対比すると、少なくとも、本件発明1は「Q=Q1-Q2>0」であるのに対し、甲1発明は「Q=Q1-Q2=0」である点で相違するところ、耳角度の公差や組み合わせオイルリングの径方向におけるセグメントの厚さの公差が生ずることで、甲1発明が偶然にQ=Q1-Q2>0となる「可能性がある」としても、そのことをもって、Q=Q1-Q2>0とする技術的思想が容易に想到し得たものであるということはできない。
さらに、本件発明1は、Q=Q1-Q2>0という構成を採用することで、本件特許の願書に添付した明細書の段落【0073】にある、次の記載に示される、格別な作用・効果を奏するものと認められる。
「組合せオイルリング1Aのクローズ状態において、上下見掛け突出量の差Qで、曲げモーメントMがエキスパンダ・スペーサ4に内力として形成されている。また、エキスパンダ・スペーサ4の中心軸CLは、中心G回りに、拘束されること(干渉すること)なく、X方向外周側に向かって上側に角度α[度]回転して傾斜している。
ここで、エキスパンダ・スペーサ4が角度α[度]回転して傾斜することは、自由時サイドクリアランスSfを小さくすることに他ならない。すなわち、上セグメント2の下面23と下セグメント3の上面32との距離が広がることであり、従って、上セグメント2のオイルリング溝上面52との間の軸方向の隙間、または、下セグメント3のオイルリング溝下面53との間の軸方向の隙間が小さくなることになり、特にエンジン下降行程において上セグメント2のオイルリング溝上面52との間の隙間からエンジンオイルが上側(シリンダヘッド側)に流出することを阻止し、オイル消費量を低減させることができる。」
してみれば、本件発明1は、甲1発明並びに従来技術常識又は周知の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
また同様に、本件発明1は、甲第2号証に記載された発明又は甲第3号証に記載された発明並びに従来技術常識又は周知の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、異議申立人の請求項1についての主張は採用できない。
イ (進歩性)本件発明2及び3について
本件発明2及び3は、本件発明1の発明特定事項を全て含み、さらに限定を加えた発明であるから、上記アに示した理由と同様の理由により、甲1発明、甲第2号証に記載された発明又は甲第3号証に記載された発明並びに従来技術常識又は周知の事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件特許の請求項2及び3に係る発明は、異議申立人の請求項2及び3についての主張は採用できない。
第4 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、本件の請求項1ないし3に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件の請求項1ないし3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2019-700180