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特許訂正審判

2019-390121

周波数変換ユニット、計測システム及び計測方法

審判番号
2019-390121
法域
特許
審判種別
訂正審判(訂正の審決)
出願番号
特願2015-039192外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年12月02日
審決日
2020年01月28日
公報発行日
2020年04月24日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P141 .851-Y (H03D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法126条1項3号特許法126条3項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第3項、特許法第126条第4項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6611441号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】
特許第6611441号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-4〕について訂正することを認める。

理由

目次 ▾ 9項目
【理 由】

第1 手続の経緯

特許第6611441号(以下、「本件特許」という。)は、平成27年2月27日(国内優先権主張 平成26年2月28日)に出願され、その請求項1~9に係る発明について、令和1年11月8日に特許権の設定登録がされたものである。

そして、本件特許に関する本件訂正審判は、令和1年12月2日に請求されたものである。

第2 請求の趣旨及び訂正の内容

本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第6611441号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~請求項4について訂正することを認める、との審決を求める。」というものであり、その訂正事項は、以下のとおりである。

1 訂正事項1(特許請求の範囲)

特許請求の範囲の請求項1に

「前記第1の周波数変換器から出力された信号を受信した第2の周波数変換器が出力した信号を計測する信号計測器」

とあるのを、

「前記第1の周波数変換器から出力された信号を試験品を介して受信した第2の周波数変換器が出力した信号を計測する信号計測器」

と訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2~請求項4も同様に訂正する)。

2 訂正事項2(明細書)

本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)の段落【0010】に

「上記の課題を解決するため、本発明の計測システムは、所定の入力信号と、所定の局部発振信号とを入力し、前記入力信号と、前記局部発振信号の周波数をn倍した高調波信号とを混合した信号を出力信号として出力する周波数変換器を用いた計測システムであって、補正を施した波形を有する信号を発生して、第1の周波数変換器へ出力する信号発生器と、前記第1の周波数変換器から出力された信号を受信した第2の周波数変換器が出力した信号を計測する信号計測器と、前記信号計測器の計測結果に対して、前記補正を施す補正処理部とを備え、前記第1の周波数変換器及び前記第2の周波数変換器の各々が、半導体素子の非線形特性を利用して前記高調波信号と前記入力信号とを混合するハーモニック・ミキサであり、前記入力信号又は前記出力信号が、当該周波数変換器への入力前に又は当該周波数変換器からの出力後に、予め計測された当該周波数変換器の振幅及び位相の周波数特性に基づき前記補正が施される前記周波数変換器であることを特徴とする。」とあるのを、

「上記の課題を解決するため、本発明の計測システムは、所定の入力信号と、所定の局部発振信号とを入力し、前記入力信号と、前記局部発振信号の周波数をn倍した高調波信号とを混合した信号を出力信号として出力する周波数変換器を用いた計測システムであって、補正を施した波形を有する信号を発生して、第1の周波数変換器へ出力する信号発生器と、前記第1の周波数変換器から出力された信号を試験品を介して受信した第2の周波数変換器が出力した信号を計測する信号計測器と、前記信号計測器の計測結果に対して、前記補正を施す補正処理部とを備え、前記第1の周波数変換器及び前記第2の周波数変換器の各々が、半導体素子の非線形特性を利用して前記高調波信号と前記入力信号とを混合するハーモニック・ミキサであり、前記入力信号又は前記出力信号が、当該周波数変換器への入力前に又は当該周波数変換器からの出力後に、予め計測された当該周波数変換器の振幅及び位相の周波数特性に基づき前記補正が施される前記周波数変換器であることを特徴とする。」

と訂正する。

第3 当審の判断

1 一群の請求項について

訂正事項1に係る訂正前の請求項1~4について、請求項2~請求項4は請求項1を直接または間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。

よって、訂正前の請求項1~請求項4に対応する本件訂正後の請求項1~請求項4についての訂正は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項についての訂正である。

訂正事項2は、訂正事項1に伴って、本件特許明細書の段落【0010】に記載されている請求項1に対応する部分について訂正するものであるから、一群の請求項である請求項1~4の全てに関係する。

よって、本件特許明細書に係る訂正は、特許法第126条第4項の規定に適合する。

2 訂正事項1について

(1)訂正の目的について

訂正前の請求項1に係る発明は、「信号計測器」が「前記第1の周波数変換器から出力された信号を受信した第2の周波数変換器が出力した信号を計測する」と特定されているが、「前記第1の周波数変換器から出力された信号」を「第2の周波数変換器」が受信するまでの構成については特定されていない。

これに対して、訂正後の請求項1に係る発明では、「信号計測器」が「前記第1の周波数変換器から出力された信号を試験品を介して受信した第2の周波数変換器が出力した信号を計測する」と特定され、「前記第1の周波数変換器から出力された信号」を「第2の周波数変換器」が受信するまでの構成について、「信号計測器」の計測対象を「試験品」と限定し、「試験品」と「第1の周波数変換器」および「第2の周波数変換器」との関係について構成を限定するものであり、訂正前の請求項1に係る発明を限定するものである。

また、訂正事項1は、訂正前の請求項2~4に記載される事項については何ら訂正するものではないから、請求項2~4に係る発明は、請求項1に係る発明と同様に判断される。

よって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(2)新規事項の追加について

本件特許明細書には、以下のとおり記載されている(なお、下線は当審にて付与した。)。

「【0039】
計測部3は、制御部5と、任意信号発生器6と、周波数変換器10と、周波数変換器20と、デジタル・オシロスコープ8と、局部発振器40とを備えている。また、計測対象のサンプルである高周波デバイス等の試験品7は、計測時において、周波数変換器10と周波数変換器20との間に挿入される。試験品7は、例えば、アンテナ、ロー・ノイズ・アンプ等のデバイスである。これらの構成のうち、少なくとも、任意信号発生器6と、デジタル・オシロスコープ8とは、市販されている校正された計測機器であるとする。」
「【0047】
周波数変換器20は、図3に示したようにダウンコンバータとして構成されていて、周波数変換器10が出力した周波数fRFの信号を例えば試験品7を介して入力信号として入力するとともに、局部発振器40が出力した周波数fLO1の信号を局部発振信号として入力する。そして、周波数変換器20は、周波数fRFの入力信号と周波数fLO1の局部発振信号のk×n倍の高調波信号とを混合し、出力信号として周波数fIF1の信号を出力する。」

上記下線部で示されているように、本件特許明細書には、「第1の周波数変換器」と「第2の周波数変換器」の接続関係について、第1の周波数変換器である周波数変換器10が出力した信号を試験品を介して、第2の周波数変換器である周波数変換器20が入力することが記載されている。

したがって、訂正事項1は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。

よって、訂正事項1は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張し、又は変更について

訂正事項1は、上記(1)で言及したように、発明特定事項に限定を付加して特許請求の範囲を限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。

また、訂正事項1は、訂正前の請求項2~4に記載される事項については何ら訂正するものではないから、請求項2~4に係る発明は、請求項1に係る発明と同様に判断される。

よって、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について

訂正事項1は、上記(1)で言及したように、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、かつ、上記(3)で言及したように、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものにも該当しない。

したがって、当該訂正後における特許請求の範囲に係る発明は、訂正前より減縮されたものとなることから、新規性、進歩性の要件について、見直すべき新たな事情は存在しない。また、当該訂正よる、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明の記載に関する新たな不備も認められず、ほかに、当該発明が独立特許要件を充足しないとする理由も見当たらない。

よって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。

3 訂正事項2

(1)訂正の目的について

訂正事項2は、本件特許明細書の【0010】の記載内容を、訂正事項1の記載内容に一致させるものであるから、訂正事項2は特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

(2)新規事項の追加について

訂正事項2は訂正事項1と実質的に同じ内容のものであるから、上記1(2)と同様に判断され、訂正事項2は、本件特許明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張し、又は変更について

訂正事項2は訂正事項1と実質的に同じ内容のものであるから、上記1(3)と同様に判断され、訂正事項1で述べたことから明らかなように、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

第4 むすび

以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第3項ないし第7項に規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。

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