特許訂正審判
2019-390111
ホットスポット変異の迅速かつ高感度の検出のための方法
- 審判番号
- 2019-390111
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2017-511219
- 登録番号
- 特許第6438119号(P6438119)
- 請求日
- 2019年09月27日
- 審決日
- 2019年11月19日
- 公報発行日
- 2020年02月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】デューク ユニバーシティー
- 【請求人代理人】清水 初志
- 審判長/審判官
- 審判長 田村 聖子
- 審判官 松岡 徹
- 審判官 高堀 栄二
- 分類
- P141 .852-Y (C12N)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6438119号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6438119号の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第6438119号の手続の経緯は、次のとおりである。
平成27年 8月24日 特許出願(国際出願)
平成30年11月22日 特許権の設定登録
令和 1年 9月27日 訂正審判請求
第2 請求の要旨
1 請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、特許第6438119号の明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
2 訂正の内容
本件訂正の内容は、以下のとおりである。
(1)訂正事項
配列表の
「SEQUENCE LISTING・・・
<210> 6
<211> 36
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Primer
<400> 6
caggaaacag ctatgaccca gcgctgcctg aaactc 36
・・・
<210> 10
<211> 36
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Primer
<400> 10
caggaaacag ctatgaccat cccccggctt gtgagt 36
・・・
<210> 14
<211> 38
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Primer
<400> 14
caggaaacag ctatgaccgg accaagccca tcaccatt 38
・・・」
を
「SEQUENCE LISTING・・・
<210> 6
<211> 18
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Primer
<400> 6
cagcgctgcc tgaaactc 18
・・・
<210> 10
<211> 18
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Primer
<400> 10
atcccccggc ttgtgagt 18
・・・
<210> 14
<211> 20
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Primer
<400> 14
ggaccaagcc catcaccatt 20
・・・」
と訂正する。
第3 当審の判断
1 訂正事項について
上記訂正事項は、配列番号6、配列番号10及び配列番号14の塩基配列に係るものであり、本件特許明細書において、【0031】段落の記載及び(表1A)によると、配列番号6は、TERTプロモーター配列のC250変異を検出するための共通プライマーの塩基配列に係るものであり、配列番号10は、IDH1配列のR132変異を検出するための共通プライマーの塩基配列に係るものであり、配列番号14は、IDH2配列のR172変異を検出するための共通プライマーの塩基配列に係るものである。そして、訂正事項は、いずれも共通プライマーの塩基配列の5’末端に付加されたM13タグの配列を削除することで、これらのプライマーの塩基配列を訂正しようとするものであるから、3者をあわせて判断する。
2 願書に最初に添付した明細書及び図面の記載事項
配列番号6、10、14のプライマーの塩基配列について、願書に最初に添付した明細書には、次の通りの事項が記載されている。
(1)「・・・本発明者らは、TERTプロモーター及びIDH1/2の両方において最も頻出する変異の検出のための診断法として使用するためのいくつかの対立遺伝子特異的プライマー、ならびに増幅に必要とされるそれらの対立遺伝子非特異的対立プライマーを設計及び試験した(表1A)。・・・」(【0030】段落)
(2)「(表1A)最も一般的なTERTプロモーター(C228T、C250T)、IDH1(R132H)、及びIDH2(R172K)ホットスポット変異の検出及び定量用の高性能対立遺伝子特異的プライマー(*注記:+が示す)。M13タグ(TGTAAAACGACGGCCAGT;配列番号28)及びCAG GAA ACA GCT ATG ACC;配列番号29)が、配列決定を容易にするために共通プライマーの5’末端に追加された。」(【0031】段落)
(3)
(【0031】段落の表1A)
(4)(配列表、配列番号6)
「<210> 6
<211> 36
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Primer
<400> 6
caggaaacag ctatgaccca gcgctgcctg aaactc 36」
(5)(配列表、配列番号10)
「<210> 10
<211> 36
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Primer
<400> 10
caggaaacag ctatgaccat cccccggctt gtgagt 36」
(6)(配列表、配列番号14)
「<210> 14
<211> 38
<212> DNA
<213> Artificial Sequence
<220>
<223> Primer
<400> 14
caggaaacag ctatgaccgg accaagccca tcaccatt 38」
3 訂正の目的について
本件特許明細書の表1Aにおいて、配列番号6のプライマー「TERT C250共通2」は、「cagcgctgcctgaaactc」の18塩基からなるが、配列表では、「caggaaacag ctatgaccca gcgctgcctg aaactc」の36塩基からなる。そして、両者の差異は、表1Aに記載のプライマー「TERT C250共通2」の5’末端に、【0031】段落に記載の配列番号29のM13タグの配列「caggaaacag ctatgacc」が付加されているか否かである。
ここで、【0031】段落には、「M13タグ(TGTAAAACGACGGCCAGT;配列番号28)及びCAG GAA ACA GCT ATG ACC;配列番号29)が、配列決定を容易にするために共通プライマーの5’末端に追加された」と記載されている。そして、共通プライマー、「TERT C228共通」(配列番号3)、「TERT C250共通2」(配列番号6)、「IDH1 R132共通」(配列番号9)、「IDH1 R132共通2」(配列番号10)、「IDH2 R172共通」(配列番号13)、「IDH2 R172共通2」(配列番号14)のうち、配列表において、M13タグの配列が付加して記載されているのは、プライマー、「TERT C250共通2」(配列番号6)、「IDH1 R132共通2」(配列番号10)、「IDH2 R172共通2」(配列番号14)であり、プライマー、「TERT C228共通」(配列番号3)、「」IDH1 R132共通」(配列番号9)、「IDH2 R172共通」(配列番号13)は、表1Aの配列と配列表の配列が一致している。
これらの記載を勘案すると、当業者であれば、「TERT C250共通2」(配列番号6)プライマーについて、配列表の記載は誤って「配列決定を容易にするために共通プライマーの5’末端に追加された」M13タグを含めて記載したものと理解することができる。
「IDH1 R132共通2」(配列番号10)プライマー及び「IDH2 R172共通2」(配列番号14)プライマーについても同様に、配列表に記載の塩基配列は、表1Aに記載のプライマーの5’末端に、配列番号29のM13タグの配列「caggaaacag ctatgacc」が付加されたものである。したがって、配列番号10及び配列番号14についても、配列番号6と同様に、配列表の記載は誤って「配列決定を容易にするために共通プライマーの5’末端に追加された」M13タグを含めて記載したものであると理解できる。
よって、この配列番号29のM13タグの塩基配列を、配列表の配列番号6、配列番号10及び配列番号14の塩基配列の5’末端から削除し、本来の正しいプライマーの塩基配列とし、これに併せてそれぞれの塩基長から配列番号29の塩基長である18塩基を減じた値とする、上記訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定される誤記の訂正を目的とするものである。
4 新規事項の追加、並びに実質上特許請求の範囲を拡張し若しくは変更するものか否かについて
上記2に摘記した事項は、いずれも国際出願であるPCT/US2015/046519(国際公開2016/032947号)に記載されている事項であるから、本件訂正事項の訂正は、いずれも、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲及び図面に記載された事項の範囲内においてなされたものといえ、同明細書、特許請求の範囲及び図面の記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、新規事項を追加するものではない。
また、この訂正事項の訂正は、いずれも、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、上記訂正事項の訂正は、特許法第126条第5項及び第6項に規定される要件に適合する。
5 独立特許要件
上記4で検討したとおり、上記訂正事項に係る訂正は、特許請求の範囲に記載される技術的事項を変更するものではないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1~19に係る発明は、特許された発明と同一であり、訂正後の特許請求の範囲の請求項1~19に記載された事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見当たらない。
したがって、上記訂正事項に係る訂正は、特許法第126条第7項に規定する要件に適合する。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書き第2号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第5項ないし第7項に規定される要件に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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