特許訂正審判
2019-390106
汎用拡張性高費用効率表面修飾
- 審判番号
- 2019-390106
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2015-559007
- 登録番号
- 特許第6502861号(P6502861)
- 請求日
- 2019年09月05日
- 審決日
- 2019年11月01日
- 公報発行日
- 2020年01月31日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
- 【請求人代理人】山本 秀策
- 【請求人代理人】森下 夏樹
- 審判長/審判官
- 審判長 菊地 則義
- 審判官 金 公彦
- 審判官 小川 進
- 分類
- P141 .852-Y (B01D) / P141 .853-Y (B01D)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項、特許法第126条第3項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6502861号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6502861号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔7~24〕について訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6502861号(以下、「本件特許」という。)は、2014年(平成26年) 2月21日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2013年 2月21日、(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、平成31年 3月29日付けでその特許権の設定登録がされ、同年 4月17日付けで特許掲載公報が発行され、令和 1年 9月 5日付けで本件訂正審判が請求されたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項7~24について訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判の訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(当審注:下線は訂正箇所であり、当審が付与した。)。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項7について、「請求項1~6のいずれか1項に記載の膜」との記載を、「請求項1~4または6のいずれか1項に記載の膜」に訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項8について、「請求項1~6のいずれか1項に記載の膜」との記載を、「請求項1~4または6のいずれか1項に記載の膜」に訂正する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項9について、「請求項1~6または8のいずれか1項に記載の膜」との記載を、「請求項1~4、6、または8のいずれか1項に記載の膜」に訂正する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項10について、「請求項1~6のいずれか1項に記載の膜」との記載を、「請求項1~4または6のいずれか1項に記載の膜」に訂正する。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項11について、「請求項1~6または10のいずれか1項に記載の膜」との記載を、「請求項1~4、6または10のいずれか1項に記載の膜」に訂正する。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項12について、「請求項1~11のいずれか1項に記載の膜」との記載を、「請求項1~4、6、または10のいずれか1項に記載の膜」に訂正する。
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項13について、「請求項1~12のいずれか1項に記載の膜」との記載を、「請求項1~4、6、10または12のいずれか1項に記載の膜」に訂正する。
(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項19について、「請求項1~18のいずれか1項に記載の膜」との記載を、「請求項1~4、6、10、12、または13のいずれか1項に記載の膜」に訂正する。
(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項20について、「請求項1~18のいずれか1項に記載の膜」との記載を、「請求項1~4、6、10、12、または13のいずれか1項に記載の膜」に訂正する。
(10)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項20において、「R5a」との記載を、「R5a」に訂正する。
(11)訂正事項11
特許請求の範囲の請求項21について、「請求項1~18のいずれか1項に記載の膜」との記載を、「請求項1~4、6、10、12、または13のいずれか1項に記載の膜」に訂正する。
第4 当審の判断
1 一群の請求項について
訂正事項1~11に係る訂正前の請求項7~24について、訂正前の請求項12~24は、請求項7~11の記載をそれぞれ直接又は間接的に引用するものであって、訂正事項1~5によって記載が訂正される請求項7~11に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項7~24は一群の請求項であるから、本件訂正は特許法第126条第3項の規定に基づき一群の請求項ごとにされたものである。
2 訂正事項1~5について
(1)訂正の目的について
(ア)本件特許の請求項7は、請求項1の「【化94】」で表される構造中の「L」(以下、「L」という。)が「-OQ、-O-、-N+R3HQおよび-NR3Q」から選択される場合において、「Qが水素である」ことの特定を意図することは明らかであるが、その請求項7が引用している請求項1~6のいずれか1項のうちの請求項5は、「Lが-O-である」と特定するものであって、「L」の選択肢に「Q」が含まれないから、「Q」について特定する請求項7との関係において整合しておらず、明瞭でない記載となっている。
(イ)そして、訂正事項1は、「Q」について特定する請求項7において、「L」の選択肢に「Q」が含まれない請求項5への従属を削除して、明瞭な記載とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(ウ)また、訂正事項2~5も、訂正事項1と同様に、「Q」について特定する請求項8~11において、「L」の選択肢に「Q」が含まれない請求項5への従属をそれぞれ削除して、明瞭な記載とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)新規事項、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項1~5は、請求項7~11において請求項5への従属をそれぞれ削除する訂正であり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「特許明細書等」という。)に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであることは明らかであるので、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないので、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(3)独立特許要件について
訂正事項1~5は、いずれも、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第7項の規定は適用されない。
3 訂正事項6、7について
(1)訂正の目的について
(ア)本件特許の請求項12は、「L」が「-OQ、-O-、-N+R3HQおよび-NR3Q」から選択される場合において、「Q」として
「【化82】
」によって表される構造(以下、「【化82】」という。)が選択され、更に「【化82】」中の「Z」が「-CH2及び-C(=NH)NH-から選択される」ことの特定を意図することは明らかであるが、請求項5は「Lが-O-である」と特定するものであって、「L」の選択肢に「【化82】」が含まれず、このため「Z」も含まれないものである。
また、請求項7は「Qが水素である」と特定し、請求項8は「Qが親水性ポリマーである」と特定し、請求項9は「前記親水性ポリマーが、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンイミン)およびポリアニリン、またはそれらの混合物から選択される少なくとも1つの部分を含む」と特定し、請求項11は
「Qが:
【化84】
から選択される構造を有する」と特定するものであって、いずれも、「L」の選択肢に「【化82】」が含まれず、このため「Z」も含まれないものである。
そうすると、「Z」について特定する請求項12において、請求項1~11のいずれか1項を引用しているもののうち、「L」の選択肢に「Z」が含まれない請求項5、7~9、11のいずれかを引用しているものは、明瞭でない記載となっているものである。
(イ)そして、訂正事項6は、「Z」について特定する請求項12において、「L」の選択肢に「Z」が含まれない請求項5、7~9、11への従属を削除して、明瞭な記載とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(ウ)また、本件特許の請求項13は、「L」が「-OQ、-O-、-N+R3HQおよび-NR3Q」から選択される場合において、「Q」が「【化82】」から選択され、更に「【化82】」中の「m」が「0である」ことの特定を意図することは明らかであるが、前記(ア)に記載したのと同様の理由により、請求項5、7~9、11においては「L」の選択肢に「m」が含まれないから、「m」について特定する請求項13において、請求項1~12のいずれか1項を引用しているもののうち、「L」の選択肢に「m」が含まれない請求項5、7~9、11のいずれかを引用しているものは、明瞭でない記載となっているものである。
(エ)そして、訂正事項7は、「m」について特定する請求項13において、「L」の選択肢に「m」が含まれない請求項5、7~9、11への従属を削除して、明瞭な記載とするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)新規事項、特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項6、7は、請求項12、13において、請求項5、7~9、11への従属をそれぞれ削除する訂正であり、特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであることが明らかであるので、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないので、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(3)独立特許要件について
訂正事項6、7は、いずれも、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第7項の規定は適用されない。
4 訂正事項8、9、11について
(1)訂正の目的について
(ア)本件特許の請求項19は、「L」が「-OQ、-O-、-N+R3HQおよび-NR3Q」から選択される場合において、「Q」が「【化82】」から選択され、更に「【化82】」中の「R5aが-CO2-であり、R5bが-NH3+であり、そしてR5cが水素である」ことの特定を意図することは明らかであるが、前記3(1)(ア)に記載したのと同様の理由により、請求項5、7~9及び11は、「L」の選択肢に「R5a」、「R5b」、「R5c」が含まれないものである。
そうすると、「R5a」、「R5b」、「R5c」について特定する請求項19において、請求項1~18のいずれか1項を引用しているもののうち、「L」の選択肢に「R5a」、「R5b」、「R5c」が含まれない請求項5、7~9、11のいずれかを引用しているものは、明瞭でない記載となっているものである。
更に、請求項14~18は、いずれも、「L」の選択肢に「R5a」、「R5b」、「R5c」が含まれない請求項5、7~9、11のいずれかを引用するから、「R5a」、「R5b」、「R5c」について特定する請求項19において、請求項1~18のいずれか1項を引用しているもののうち、請求項14~18を引用しているものは、「L」の選択肢に「R5a」、「R5b」、「R5c」が含まれない請求項5、7~9、11のいずれかを間接的に引用するものとなっているので、明瞭でない記載となっているものである。
(イ)そして、訂正事項8は、「R5a」、「R5b」、「R5c」について特定する請求項19において、「L」の選択肢に「R5a」、「R5b」、「R5c」が含まれない請求項5、7~9及び11への直接的または間接的な従属を削除して、明瞭な記載とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
更に、訂正事項9、11も、訂正事項8と同様に、「R5a」、「R5b」、「R5c」について特定する請求項20、21において、「L」の選択肢に「R5a」、「R5b」、「R5c」が含まれない請求項5、7~9、11への直接的または間接的な従属を削除して、明瞭な記載とするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)新規事項、特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について
訂正事項8、9、11は、請求項19~21において、請求項5、7~9、11、14~18への従属をそれぞれ削除する訂正であり、特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであることが明らかであるので、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないので、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(3)独立特許要件について
訂正事項8、9、11は、いずれも、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第7項の規定は適用されない。
5 訂正事項10について
(1)訂正の目的について
訂正事項10は、本件特許の請求項20の「R5aが-CO2-であり」との記載において、「R5a」の「a」を上付き文字に訂正し、「R5a」とするものであって、請求項20が引用する請求項1では「R5a」ではなく、「R5a」と記載されていることから、請求項20の記載の誤りを訂正するものであり、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項、特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について
(ア)願書に最初に添付した外国語書面(以下「当初明細書等」という。)の[0013]には、
「・・・wherein each of R5a, R5b, and R5c is independently selected from hydrogen, halogen, -CN, -OH,・・・ -CO2-,and -CO2R11;」
(当審訳:・・・R5a、R5b、およびR5cの各々は、水素、ハロゲン、-CN、-OH、・・・、-CO2-、および-CO2R11から独立して選択される;・・・)と記載されている。
したがって、訂正事項10は、当初明細書等の記載に基づくものであって、当初明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないことは明らかであり、当初明細書等に記載した事項の範囲内のものである。
(イ)また、訂正事項10は、前記(1)のとおり、誤記の訂正を目的とするものであって、訂正前の請求項20の「R5a」という記載は、本件特許明細書との関係で誤りであることが明らかであり、しかも、本件特許明細書の記載全体から、正しい記載が定まるものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(ウ)よって、訂正事項10に係る訂正は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について
訂正後の請求項20に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせない。
したがって、請求項20に係る訂正事項10は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第5 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1~11は、特許法第126条第1項ただし書第2号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5~7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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