特許訂正審判
2019-390105
遊技機
- 審判番号
- 2019-390105
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2017-160719外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年09月02日
- 審決日
- 2019年10月11日
- 公報発行日
- 2020年01月31日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 サンセイアールアンドティ
- 【請求人代理人】松浦 弘
- 分類
- P141 .852-Y (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6496963号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6496963号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 事案の概要
1 手続の経緯
特願2017-160719号は、平成26年4月21日に出願した特願2014-87111号の一部を平成27年12月2日に新たな特許出願(特願2015-235338号)とし、さらにその一部を平成29年8月24日に新たな特許出願としたものであるところ、平成31年1月31日に特許査定され、その後、請求項1に係る発明について、同年3月22日に特許権の設定の登録がされ(特許第6496963号、以下「本件特許」という。)、令和1年9月2日に訂正審判(以下「本件審判」という。)が請求されたものである。
2 請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、「特許第6496963号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」である。また、請求人が求める訂正の内容は、以下のとおりである。
3 訂正の内容
(1)訂正事項1
本件特許の特許請求の範囲の請求項1に「その獲得可能ポイントに対する遊技者が実際に獲得した賞球数に基づく獲得ポイントの到達度を前記ラウンド遊技中に表示可能とすると共に、前記獲得ポイントに連動して前記達成度を変化可能な到達度表示手段」と記載されているのを「その獲得可能ポイントに対する遊技者が実際に獲得した賞球数に基づく獲得ポイントの到達度を前記ラウンド遊技中に表示可能とすると共に、前記獲得ポイントに連動して前記到達度を変化可能な到達度表示手段」に訂正する。
すなわち、本件特許の特許請求の範囲の請求項1に、
「遊技球が入賞容易な開状態と入賞困難な閉状態とに切り替え可能でありかつ、通常は、前記閉状態に保持されている特別入賞口と、
予め定められた当否判定条件が成立したときに当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定手段による当否判定結果が当りであった場合に、予め定められた規定時間に亘る間で前記特別入賞口を開状態とすることが可能なラウンド遊技を、複数ラウンド連ねてなる特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記特別入賞口に遊技球が入賞する毎に予め定められた所定数の賞球としての遊技球を遊技者に付与する払出手段と、を備えた遊技機において、
前記ラウンド遊技の開始前に、前記特別遊技の実行により前記払出手段によって遊技者が獲得可能な賞球数に基づく獲得可能ポイントを表示可能とし、その獲得可能ポイントに対する遊技者が実際に獲得した賞球数に基づく獲得ポイントの到達度を前記ラウンド遊技中に表示可能とすると共に、前記獲得ポイントに連動して前記達成度を変化可能な到達度表示手段と、
前記到達度表示手段とは別に前記ラウンド遊技中に表示され、予め定められた所定の契機以降に払い出された賞球数の累積に基づく前記獲得ポイントに連動して変化可能な獲得ポイント累積表示手段とを備えたことを特徴とする遊技機。」
と記載されているのを、
「遊技球が入賞容易な開状態と入賞困難な閉状態とに切り替え可能でありかつ、通常は、前記閉状態に保持されている特別入賞口と、
予め定められた当否判定条件が成立したときに当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定手段による当否判定結果が当りであった場合に、予め定められた規定時間に亘る間で前記特別入賞口を開状態とすることが可能なラウンド遊技を、複数ラウンド連ねてなる特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、
前記特別入賞口に遊技球が入賞する毎に予め定められた所定数の賞球としての遊技球を遊技者に付与する払出手段と、を備えた遊技機において、
前記ラウンド遊技の開始前に、前記特別遊技の実行により前記払出手段によって遊技者が獲得可能な賞球数に基づく獲得可能ポイントを表示可能とし、その獲得可能ポイントに対する遊技者が実際に獲得した賞球数に基づく獲得ポイントの到達度を前記ラウンド遊技中に表示可能とすると共に、前記獲得ポイントに連動して前記到達度を変化可能な到達度表示手段と、
前記到達度表示手段とは別に前記ラウンド遊技中に表示され、予め定められた所定の契機以降に払い出された賞球数の累積に基づく前記獲得ポイントに連動して変化可能な獲得ポイント累積表示手段とを備えたことを特徴とする遊技機。」
と訂正する。
なお、下線は当合議体が付したものであり、訂正箇所を表す。以下同様。
(2)訂正事項2
本件特許の明細書の段落【0006】に、
「上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る遊技機は、遊技球が入賞容易な開状態と入賞困難な閉状態とに切り替え可能でありかつ、通常は、前記閉状態に保持されている特別入賞口と、予め定められた当否判定条件が成立したときに当否判定を行う当否判定手段と、前記当否判定手段による当否判定結果が当りであった場合に、予め定められた規定時間に亘る間で前記特別入賞口を開状態とすることが可能なラウンド遊技を、複数ラウンド連ねてなる特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、前記特別入賞口に遊技球が入賞する毎に予め定められた所定数の賞球としての遊技球を遊技者に付与する払出手段と、を備えた遊技機において、前記ラウンド遊技の開始前に、前記特別遊技の実行により前記払出手段によって遊技者が獲得可能な賞球数に基づく獲得可能ポイントを表示可能とし、その獲得可能ポイントに対する遊技者が実際に獲得した賞球数に基づく獲得ポイントの到達度を前記ラウンド遊技中に表示可能とすると共に、前記獲得ポイントに連動して前記達成度を変化可能な到達度表示手段と、前記到達度表示手段とは別に前記ラウンド遊技中に表示され、予め定められた所定の契機以降に払い出された賞球数の累積に基づく前記獲得ポイントに連動して変化可能な獲得ポイント累積表示手段とを備えたところに特徴を有する。」と記載されているのを、
「上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る遊技機は、遊技球が入賞容易な開状態と入賞困難な閉状態とに切り替え可能でありかつ、通常は、前記閉状態に保持されている特別入賞口と、予め定められた当否判定条件が成立したときに当否判定を行う当否判定手段と、前記当否判定手段による当否判定結果が当りであった場合に、予め定められた規定時間に亘る間で前記特別入賞口を開状態とすることが可能なラウンド遊技を、複数ラウンド連ねてなる特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、前記特別入賞口に遊技球が入賞する毎に予め定められた所定数の賞球としての遊技球を遊技者に付与する払出手段と、を備えた遊技機において、前記ラウンド遊技の開始前に、前記特別遊技の実行により前記払出手段によって遊技者が獲得可能な賞球数に基づく獲得可能ポイントを表示可能とし、その獲得可能ポイントに対する遊技者が実際に獲得した賞球数に基づく獲得ポイントの到達度を前記ラウンド遊技中に表示可能とすると共に、前記獲得ポイントに連動して前記到達度を変化可能な到達度表示手段と、前記到達度表示手段とは別に前記ラウンド遊技中に表示され、予め定められた所定の契機以降に払い出された賞球数の累積に基づく前記獲得ポイントに連動して変化可能な獲得ポイント累積表示手段とを備えたところに特徴を有する。」
と訂正する。
第2 当合議体の判断
以下、本件訂正前の請求項1を、「訂正前請求項1」という。また、訂正前請求項1に係る発明を、「訂正前発明1」という。
訂正後についても、「訂正前」を「訂正後」に変えて同様に、「訂正後請求項1」、「訂正後発明1」という。
1 特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について
(1)訂正事項1
訂正前請求項1では、「その獲得可能ポイントに対する遊技者が実際に獲得した賞球数に基づく獲得ポイントの到達度を前記ラウンド遊技中に表示可能とすると共に、前記獲得ポイントに連動して前記達成度を変化可能な到達度表示手段」と記載されているところ、「達成度」の記載自体が訂正前請求項1中には前記されていないとともに、「その獲得可能ポイントに対する遊技者が実際に獲得した賞球数に基づく獲得ポイントの到達度を前記ラウンド遊技中に表示可能とすると共に、」という記載によれば、「到達度表示手段」が表示可能としているのは、そもそも「達成度」ではなく「到達度」であるから、「変化可能」としているのも「達成度」ではなく「到達度」と解するのが相当であって、「前記達成度」は、文脈からみて、「前記到達度」と記載するべきものであることが明らかである。そうすると、「前記達成度」は、「前記到達度」の誤記であると認められる。
したがって、訂正事項1は、誤記の訂正を目的とする訂正である。
(2)訂正事項2
訂正事項1において特許請求の範囲の請求項1を訂正することに伴い、請求項1に対応した事項が記載されている、明細書の段落【0006】について、訂正事項1と同様の訂正をするものである。
したがって、訂正事項2は、誤記の訂正を目的とする訂正である。
(3)小括
訂正事項1及び2は、いずれも、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。
2 特許法第126条第5項(新規事項の有無)について
(1)訂正事項1について
本件特許の願書に最初に添付された特許請求の範囲、明細書又は図面(以下「当初明細書等」という。)には、「【0039】 これと同様に、ボートがコーナーを曲がる表示予告画像の表示後に画面中央にラウンド関連獲得可能ポイント数が表示されてから、全力ゾーン画像に切り替わり、画面右上の分数の分母にラウンド関連獲得可能ポイント数が加算される演出が繰り返され、最終的に、分数の分母は「2400」まで繰り上げられる(図6(A))。また、画面右上に分数の分子である獲得ポイント数は、獲得賞球数に応じて増えていく(図6(A))。換言すると、この分数はラウンド関連獲得可能ポイント数に対する獲得ポイント数の到達度を意味している。本実施形態では、この分数、及び合計獲得ポイントを表示するディスプレイ30が本発明に係る「最大獲得可能ポイント表示手段」、「到達度表示手段」、及び「獲得ポイント累積表示手段」に相当する。なお、ラウンド関連獲得可能ポイント数から実際の獲得ポイント数を減算したものを達成度として表示してもよいし、ラウンド関連獲得可能ポイント数に対する実際の獲得ポイント数の割合を達成度として表示してもよいし、それ以外の表示形態を達成度の表示としてもよい。」と記載され、この記載(特に下線部)から、訂正後発明1は、当初明細書等に記載されていることは明らかである。
したがって、訂正事項1は、当初明細書等の記載に基づくものであって、当初明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の段落【0006】について、訂正事項1と同様の訂正をしたものである。
したがって、訂正事項2は、訂正事項1と同様の理由により、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
(3)小括
訂正事項1及び2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。
3 特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、誤記の訂正を目的とする訂正であって、本件特許の特許請求の範囲、明細書又は図面の記載に接した当業者ならば、訂正前発明1を訂正後発明1のとおり理解したことは当然である。
したがって、請求項1についての訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の段落【0006】について、訂正事項1と同様の訂正をしたものである。
したがって、訂正事項2の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。
(3)小括
訂正事項1及び2は、特許法第126条第6項の規定に適合する。
4 特許法第126条第7項について
訂正前発明1と同様、訂正後発明1が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項1及び2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第3 むすび
以上のとおりであるから、訂正事項1及び2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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