特許訂正審判
2019-390083
第1又は第2のタイプのCQIレポートのトリガとしてのアップリンクグラントの利用
- 審判番号
- 2019-390083
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2009-554476
- 登録番号
- 特許第4927959号(P4927959)
- 請求日
- 2019年07月04日
- 審決日
- 2019年08月19日
- 公報発行日
- 2019年11月29日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
- 【請求人代理人】大塚 康徳
- 【請求人代理人】大塚 康弘
- 【請求人代理人】高柳 司郎
- 【請求人代理人】木村 秀二
- 【請求人代理人】下山 治
- 【請求人代理人】江嶋 清仁
- 審判長/審判官
- 審判長 岩間 直純
- 審判官 脇岡 剛
- 審判官 原田 聖子
- 分類
- P141 .851-Y (H04Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第4927959号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第4927959号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は,2007年(平成19年)9月27日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2007年3月19日 スウェーデン)を国際出願日とする出願であって,平成24年2月17日に特許権の設定登録がなされ,令和元年7月4日に本件訂正審判の請求がされたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は,特許第4927959号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める,との審決を求めるものであり,その訂正の内容は,次の訂正事項からなる。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の「前記UEがアップリンクグラントを受信していない場合,専用リソース上で前記基地局へ前記第1のタイプよりも詳細度が低い第2のタイプのチャネル状態フィードバック情報を送信するか,チャネル状態フィードバック情報を送信しないステップ(405)と,」とあるのを,「前記UEがアップリンクグラントを受信していない場合,専用リソース上で前記基地局へ前記第1のタイプよりも詳細度が低い第2のタイプのチャネル状態フィードバック情報を送信するステップ(405)と,」に訂正する(請求項1を引用する請求項2から7も同様に訂正する)。(下線は訂正箇所を示す。以下同様。)
2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項8の「前記UEがアップリンクグラントを受信している場合,前記グラントされたリソース上で,前記基地局へ第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報を送信し,前記UEがアップリンクグラントを受信していない場合,専用リソース上で前記基地局へ前記第1のタイプよりも詳細度が低い第2のタイプのチャネル状態フィードバック情報を送信するか,チャネル状態フィードバック情報を送信しない,送信部(807)と,」とあるのを,「前記UEがアップリンクグラントを受信している場合,前記グラントされたリソース上で,前記基地局へ第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報を送信し,前記UEがアップリンクグラントを受信していない場合,専用リソース上で前記基地局へ前記第1のタイプよりも詳細度が低い第2のタイプのチャネル状態フィードバック情報を送信する送信部(807)と,」に訂正する(請求項8を引用する請求項9も同様に訂正する)。
3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項10の「前記チャネル状態フィードバックを前記グラントしたリソース上で受信するため,前記生成されたアップリンクグラントを前記UEへ提供するステップ(905)と,を有する」とあるのを,「第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報を前記グラントしたリソース上で受信するため,前記生成されたアップリンクグラントを前記UEへ提供するステップ(905)と,を有し,前記第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報は,アップリンクグラントが提供されない場合に前記UEから受信する第2のタイプのチャネル状態フィードバック情報よりも詳細である」に訂正する(請求項10を引用する請求項11から14も同様に訂正する)。
4 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項11の「前記判別するステップが,前記基地局においてダウンリンクデータが存在するかどうかを判別するステップと,前記ダウンリンクデータが存在する場合に,前記チャネル状態フィードバックを前記グラントしたリソース上で受信するため,アップリンクグラントを生成して前記UEへ提供するステップと,」とあるのを,「前記判別するステップが,前記基地局においてダウンリンクデータが存在するかどうかを判別するステップと,前記ダウンリンクデータが存在する場合に,前記第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報を前記グラントしたリソース上で受信するため,アップリンクグラントを生成して前記UEへ提供するステップと,」に訂正する(請求項11を引用する請求項12も同様に訂正する)。
5 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項15の「前記送信されたアップリンクグラントに応答した前記チャネル状態フィードバックを受信する受信部(706)と,を有する」とあるのを,「前記送信されたアップリンクグラントに応答した前記第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報を前記グラントしたリソース上で受信する受信部(706)と,を有し,前記第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報は,アップリンクグラントが提供されない場合に前記UEから受信する第2のタイプのチャネル状態フィードバック情報よりも詳細である」に訂正する。
第3 当審の判断
1 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正事項1は,訂正前の請求項1の「前記UEがアップリンクグラントを受信していない場合」において,「専用リソース上で前記基地局へ前記第1のタイプよりも詳細度が低い第2のタイプのチャネル状態フィードバック情報を送信する」か,「チャネル状態フィードバック情報を送信しない」との択一的記載を,「専用リソース上で前記基地局へ前記第1のタイプよりも詳細度が低い第2のタイプのチャネル状態フィードバック情報を送信する」とするものであるから,択一的記載の選択肢の削除を行うものである。
したがって,訂正事項1は,特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の有無について
訂正事項1は,訂正前の請求項1に記載の択一的記載の選択肢の削除を行うものであるから,願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり,特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更について
上記「(1)」のとおり,訂正事項1は,訂正前の請求項1に記載の択一的記載の選択肢の削除を行うものであるから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するのものには該当せず,特許法第126条第6項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記「(3)」のとおり,訂正事項1に係る訂正は,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するのものには該当せず,本件発明は拒絶の理由を発見しないとして特許されたものであって,当該事情を変更する新たな事由もないことから,本件発明は特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。
したがって,訂正事項1に係る訂正は,特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
2 訂正事項2について
(1)訂正の目的について
訂正事項2は,訂正前の請求項8の「前記UEがアップリンクグラントを受信していない場合」において,「専用リソース上で前記基地局へ前記第1のタイプよりも詳細度が低い第2のタイプのチャネル状態フィードバック情報を送信する」か,「チャネル状態フィードバック情報を送信しない」との択一的記載を,「専用リソース上で前記基地局へ前記第1のタイプよりも詳細度が低い第2のタイプのチャネル状態フィードバック情報を送信する」とするものであるから,択一的記載の選択肢の削除を行うものである。
したがって,訂正事項1は,特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の有無について
訂正事項2は,訂正前の請求項8に記載の択一的記載の選択肢の削除を行うものであるから,願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり,特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更について
上記「(1)」のとおり,訂正事項2は,訂正前の請求項8に記載の択一的記載の選択肢の削除を行うものであるから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するのものには該当せず,特許法第126条第6項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記「(3)」のとおり,訂正事項2に係る訂正は,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するのものには該当せず,本件発明は拒絶の理由を発見しないとして特許されたものであって,当該事情を変更する新たな事由もないことから,本件発明は特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。
したがって,訂正事項2に係る訂正は,特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
3 訂正事項3について
(1)訂正の目的について
訂正事項3は,訂正前の請求項10において,「前記チャネル状態フィードバックを前記グラントしたリソース上で受信するため,前記生成されたアップリンクグラントを前記UEへ提供するステップ(905)と,を有する」とあるのを,「第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報を前記グラントしたリソース上で受信するため,前記生成されたアップリンクグラントを前記UEへ提供するステップ(905)と,を有し,前記第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報は,アップリンクグラントが提供されない場合に前記UEから受信する第2のタイプのチャネル状態フィードバック情報よりも詳細である」とすることで,グラントしたリソース上で受信する「前記チャネル状態フィードバック」を具体的に特定するものである。
したがって,訂正事項3は,特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の有無について
願書に添付された明細書には,
「【0022】
本発明は、UEからCQIレポート送信のトリガを行う方法に関する。さらに詳細には、本発明は、2つの異なるタイプの情報のうちの一方を用いてユーザ端末(UE)から基地局へチャネル状態のフィードバック情報を提供するための、UEにおける方法に関する。なお、2つのタイプの情報のうち、第2のタイプの情報は第1のタイプの情報に比べると詳細度が低い。
【0023】
最初に,UEが基地局からアップリンクグラントを受信したか否かが判定される。UEがアップリンクグラントを受信した場合,第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報がグラントされたリソースで基地局へ送信される。しかし,UEがアップリンクグラントを受信していなかった場合,第2のタイプのチャネル状態フィードバック情報が代わりに専用リソースで送信されるか,あるいは,チャネル状態フィードバック情報は全く送信されない。」
と記載されている。
上記段落0023によると,UEがアップリンクグラントを受信した場合に基地局へ送信されるチャネル状態フィードバック情報は,第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報であるから,願書に添付した明細書には,基地局において,「第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報」をグラントしたリソース上で受信するため,生成されたアップリンクグラントをUEへ提供するステップが記載されているといえる。
さらに,上記段落0022によると,願書に添付した明細書には,「第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報は,アップリンクグラントが提供されない場合にUEから受信する第2のタイプのチャネル状態フィードバック情報よりも詳細である」ことが記載されているといえる。
したがって,訂正事項3は,願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり,特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更について
上記「(1)」のとおり,訂正事項3は,訂正前の請求項10に記載の「前記チャネル状態フィードバック」を具体的に特定するものであるから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するのものには該当せず,特許法第126条第6項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記「(3)」のとおり,訂正事項3に係る訂正は,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するのものには該当せず,本件発明は拒絶の理由を発見しないとして特許されたものであって,当該事情を変更する新たな事由もないことから,本件発明は特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。
したがって,訂正事項3に係る訂正は,特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
4 訂正事項4について
(1)訂正の目的について
訂正事項4は,訂正前の請求項11の「前記チャネル状態フィードバックを前記グラントしたリソース上で受信するため,アップリンクグラントを生成して前記UEへ提供する」ことにおいて,「前記チャネル状態フィードバック」を,訂正事項3に対応して「前記第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報」とすることで,グラントしたリソース上で受信する「前記チャネル状態フィードバック」を具体的に特定するものである。
したがって,訂正事項4は,特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の有無について
上記「3 (2)」で示した段落0023によると,UEがアップリンクグラントを受信した場合に基地局へ送信されるチャネル状態フィードバック情報は,第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報であるから,願書に添付した明細書には,基地局において,「第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報」をグラントしたリソース上で受信するため,生成されたアップリンクグラントをUEへ提供するステップが記載されているといえる。
したがって,訂正事項4は,願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり,特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更について
上記「(1)」のとおり,訂正事項4は,訂正前の請求項11に記載の「前記チャネル状態フィードバック」を具体的に特定するものであるから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するのものには該当せず,特許法第126条第6項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記「(3)」のとおり,訂正事項4に係る訂正は,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するのものには該当せず,本件発明は拒絶の理由を発見しないとして特許されたものであって,当該事情を変更する新たな事由もないことから,本件発明は特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。
したがって,訂正事項4に係る訂正は,特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
5 訂正事項5について
(1)訂正の目的について
訂正事項5は,訂正前の請求項15において,「前記送信されたアップリンクグラントに応答した前記チャネル状態フィードバックを受信する受信部(706)と,を有する」とあるのを,「前記送信されたアップリンクグラントに応答した前記第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報を前記グラントしたリソース上で受信する受信部(706)と,を有し,前記第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報は,アップリンクグラントが提供されない場合に前記UEから受信する第2のタイプのチャネル状態フィードバック情報よりも詳細である」とすることで,グラントしたリソース上で受信する「前記チャネル状態フィードバック」を具体的に特定するものである。
したがって,訂正事項5は,特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の有無について
上記「3 (2)」に示した段落0023によると,UEがアップリンクグラントを受信した場合に基地局へ送信されるチャネル状態フィードバック情報は,第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報であるから,願書に添付した明細書には,基地局において,送信されたアップリンクグラントに応答した第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報を前記グラントしたリソース上で受信することが記載されているといえる。
さらに,上記「3 (2)」に示した段落0022によると,願書に添付した明細書には,「第1のタイプのチャネル状態フィードバック情報は,アップリンクグラントが提供されない場合にUEから受信する第2のタイプのチャネル状態フィードバック情報よりも詳細である」ことが記載されているといえる。
したがって,訂正事項5は,願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり,特許法第126条第5項に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更について
上記「(1)」のとおり,訂正事項5は,訂正前の請求項15に記載のグラントしたリソース上で受信する「前記チャネル状態フィードバック」を具体的に特定するものであるから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するのものには該当せず,特許法第126条第6項に適合するものである。
(4)独立特許要件について
上記「(3)」のとおり,訂正事項5に係る訂正は,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するのものには該当せず,本件発明は拒絶の理由を発見しないとして特許されたものであって,当該事情を変更する新たな事由もないことから,本件発明は特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。
したがって,訂正事項5に係る訂正は,特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
第4 むすび
以上のとおり,本件訂正審判の請求に係る訂正は,特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる目的とするものであり,かつ,同条第5項乃至第7項の規定に適合するものである。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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