2019-390065
遊技機
- 審判番号
- 2019-390065
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2015-152987外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年06月12日
- 審決日
- 2019年07月30日
- 公報発行日
- 2019年10月25日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P141 .852-Y (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項第2号、特許法第126条第6項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項、特許法第126条第3項、特許法第126条第1項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 13項目
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6519392号(以下、「本件特許」という。)は、平成27年7月31日に出願され、令和1年5月10日に特許権の設定登録がなされ、令和1年6月11日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の願書に添付した明細書(以下、本件特許明細書」という。)、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 訂正の内容
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「その複数の表示領域において前記第2の識別情報を動的表示させてから、一部の表示領域に対して予め定められた特定の識別情報を表示させることで前記特定の判別結果となったことを示唆し、前記複数の表示領域に対して予め定められた特定の組み合わせの前記第2の識別情報を表示させることで前記第2遊技状態の設定を示唆することが可能な表示制御手段」と記載されているのを、「その複数の表示領域のうち一部の表示領域において前記第2の識別情報を動的表示させてから、一部の表示領域に対して予め定められた特定の識別情報を表示させることで前記特定の判別結果となったことを示唆し、前記複数の表示領域に対して予め定められた特定の組み合わせの前記第2の識別情報を表示させることで前記第2遊技状態の設定を示唆することが可能な表示制御手段」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正する。なお、下線部は訂正箇所を示す。以下同様。)。
2 訂正事項2
本件特許明細書の段落【0006】に記載された「その複数の表示領域において前記第2の識別情報を動的表示させてから、一部の表示領域に対して予め定められた特定の識別情報を表示させることで前記特定の判別結果となったことを示唆し、前記複数の表示領域に対して予め定められた特定の組み合わせの前記第2の識別情報を表示させることで前記第2遊技状態の設定を示唆することが可能な表示制御手段」を、「その複数の表示領域のうち一部の表示領域において前記第2の識別情報を動的表示させてから、一部の表示領域に対して予め定められた特定の識別情報を表示させることで前記特定め判別結果となったことを示唆し、前記複数の表示領域に対して予め定められた特定の組み合わせの前記第2の識別情報を表示させることで前記第2遊技状態の設定を示唆することが可能な表示制御手段」に訂正する。
3 訂正事項3
本件特許明細書の段落【0011】に記載された「その複数の表示領域において前記第2の識別情報を動的表示させてから、一部の表示領域に対して予め定められた特定の識別情報を表示させることで前記特定の判別結果となったことを示唆し、前記複数の表示領域に対して予め定められた特定の組み合わせの前記第2の識別情報を表示させることで前記第2遊技状態の設定を示唆することが可能な表示制御手段」を、「その複数の表示領域のうち一部の表示領域において前記第2の識別情報を動的表示させてから、一部の表示領域に対して予め定められた特定の識別情報を表示させることで前記特定の判別結果となったことを示唆し、前記複数の表示領域に対して予め定められた特定の組み合わせの前記第2の識別情報を表示させることで前記第2遊技状態の設定を示唆することが可能な表示制御手段」に訂正する。
第4 当審の判断
1 一群の請求項について
訂正前の請求項1、2について、請求項2は請求項1の記載を引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1、2に対応する訂正後の請求項1、2は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
2 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項1に係る特許発明は、「表示制御手段」について、「その複数の表示領域において前記第2の識別情報を動的表示させてから、一部の表示領域に対して予め定められた特定の識別情報を表示させることで前記特定の判別結果となったことを示唆し、前記複数の表示領域に対して予め定められた特定の組み合わせの前記第2の識別情報を表示させることで前記第2遊技状態の設定を示唆することが可能」であることを特定している。
この点に関して、本件特許明細書の段落【0572】には、「図90(a)に示した通り、特別図柄の抽選が開始されると、演出部331の各表示部331a~331dにおいて図柄の変動表示が実行される。特別図柄の抽選結果が外れの場合には、少なくとも1の表示部に対してラッキーナンバーとは異なる数字が表示される(図90(b)参照)。」と記載され、段落【0576】には、「図91(a)に示した通り、特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合は、各表示部331a~331dに対して5種類のラッキーナンバーのいずれかが1種類ずつ表示される。図91(a)の例では、ラッキーナンバーである5種類の数字(「2」、「7」、「13」、「17」、「25」)のうち、「17」、「25」、「2」、「13」がそれぞれ白抜きの数字で表示されている。また、各表示部331a~331dにラッキーナンバーが表示されると共に、第3図柄表示装置81の大領域Dmに対して「成功!!」という文字が表示される。これらの表示内容によって、遊技者に対して大当たりとなったことを容易に認識させることができる。」と記載され、段落【0579】、【0580】には、「・・・「通常モード」において開放パターンAが設定される大当たり種別に当選すると、まず、液晶昇降ユニット400の駆動側スライド部材420と、左揺動ユニット500の第1通路形成部材520とが連結位置に配置される。その後、開放パターンAに従って第1可変入賞装置82aが開閉される。開放パターンAを設定する前に駆動側スライド部材420と、第1通路形成部材520とを連結しておくことで、第1可変入賞装置82aへと入賞した全ての球を、第1通路形成部材520を介して液晶昇降ユニット400へと流下させることができる。本制御例では、第1可変入賞装置82aへと入球した球が液晶昇降ユニット400へと到達する度に(第2通路形成部材422のセンサ部材422cにより球の通過が検出される毎に)、普通図柄の時短状態が設定されるか否かを示唆する時短示唆演出が実行される。より具体的には、図91(b)に示した通り、第3図柄表示装置81の大領域Dmに、「ラッキーナンバーを揃えろ!!」という文字が表示される。また、各表示部331a~331dには、大当たりを報知する際に表示されたラッキーナンバーが大当たり中も表示され続ける。更に、液晶昇降ユニット400の演出部422aにおいて、図柄の変動表示が実行される。これらの表示内容により、5種類のラッキーナンバー(小領域Ds2参照)のうち、各表示部331a~331dに表示された数字と異なる残り1種類の数字が演出部422aに表示されることで遊技者に有利な時短状態が設定されることを遊技者に対して容易に認識させることができる。」と記載されている(下線は当審で付した。)。
本件特許明細書の上記記載に基づけば、訂正前の請求項1に係る発明の「前記複数の表示領域に対して予め定められた特定の組み合わせの前記第2の識別情報を表示させることで前記第2遊技状態の設定を示唆する」ことは、本件特許明細書の「各表示部331a~331dには、大当たりを報知する際に表示されたラッキーナンバーが大当たり中も表示され続け」、「更に、液晶昇降ユニット400の演出部422aにおいて、図柄の変動表示が実行され」、「これらの表示内容により、5種類のラッキーナンバーのうち、各表示部331a~331dに表示された数字と異なる残り1種類の数字が演出部422aに表示されることで遊技者に有利な時短状態が設定されることを遊技者に対して容易に認識させる」ことに対応し、訂正前の請求項1に係る発明の「複数の表示領域」は、本件特許明細書の「各表示部331a~331d」と「演出部422a」とからなるものに対応するのは明らかである。
これに対し、訂正前の請求項1に係る発明の「その複数の表示領域において前記第2の識別情報を動的表示させてから、一部の表示領域に対して予め定められた特定の識別情報を表示させることで前記特定の判別結果となったことを示唆」することは、本件特許明細書の「演出部331の各表示部331a~331dにおいて図柄の変動表示が実行され」、「特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合は、各表示部331a~331dに対して5種類のラッキーナンバーのいずれかが1種類ずつ表示され」、「遊技者に対して大当たりとなったことを容易に認識させる」ことに対応し、訂正前の請求項1に係る発明の「複数の表示領域」及び「一部の表示領域」がともに、本件特許明細書の「各表示部331a~331d」に対応することとなってしまい矛盾が生じ、また、上述した、訂正前の請求項1に係る発明の「複数の表示領域」が、本件特許明細書の「各表示部331a~331d」と「演出部422a」とからなるものに対応することにも矛盾することとなり、「その複数の表示領域において前記第2の識別情報を動的表示させ」るとの記載が誤りであり、訂正後の請求項1の「その複数の表示領域のうち一部の表示領域において前記第2の識別情報を動的表示させ」るとの記載が正しいものであることは自明である。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項第2号に規定する誤記又は誤訳の訂正を目的とするものである。
同様に、訂正後の請求項2は、訂正前の請求項1の記載のみを訂正することによって、訂正前の請求項1の記載を引用する訂正前の請求項2の記載について実質的に訂正するものであり、同様の理由により、特許法第126条第1項第2号に規定する誤記又は誤訳の訂正を目的とするものである。
(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記(1)の理由からも明らかなように、訂正事項1は、「第2の識別情報を複数の表示領域の全体で動的表示させ」るという誤った記載を解消し、「第2の識別情報を複数の表示領域のうち一部の表示領域で動的表示させ」るという適切な表現に訂正するものであり、本件特許明細書の記載から誤りであることが明らかであり、かつ、本件特許明細書から、正しい記載が自明な事項として定まるときにおいて、その誤りを正しい記載に訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
また、訂正事項1は、訂正前の請求項1の記載のみを訂正することによって、訂正前の請求項1の記載を引用する訂正前の請求項2の記載について実質的に訂正するものであり、同様の理由により、訂正後の請求項2の記載は、特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(3)本件特許の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記(1)で記載したように、訂正事項1は、当初明細書等の段落【0572】、【0576】、【0579】及び【0580】に記載されている事項に基づくものであるから、当該訂正事項1は、当初明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
3 訂正事項2について
(1)訂正の目的について
上記「2」の「(1)」と同様に、訂正前の本件特許明細書の段落【0006】に記載された「その複数の表示領域において前記第2の識別情報を動的表示させ」るとの記載が誤りであり、訂正明細書の段落【0006】は「その複数の表示領域のうち一部の表示領域において前記第2の識別情報を動的表示させ」るとの記載が正しいものであることは自明である。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項第2号に規定する誤記又は誤訳の訂正を目的とするものである。
(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記「2」の「(2)」と同様に、訂正事項2は、訂正前の本件特許明細書の段落【0006】の「第2の識別情報を複数の表示領域の全体で動的表示させ」るという誤った記載を解消し、訂正明細書の段落【0006】の「第2の識別情報を複数の表示領域のうち一部の表示領域で動的表示させ」るという適切な表現に訂正するものであり、本件特許明細書の記載から誤りであることが明らかであり、かつ、本件特許明細書から、正しい記載が自明な事項として定まるときにおいて、その誤りを正しい記載に訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(3)当初明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記「2」の「(3)」と同様に、訂正事項2は、当初明細書等の段落【0572】、【0576】、【0579】及び【0580】に記載されている事項に基づくものであるから、当該訂正事項2は、当初明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
4 訂正事項3について
(1)訂正の目的について
上記「2」の「(1)」と同様に、訂正前の本件特許明細書の段落【0011】に記載された「その複数の表示領域において前記第2の識別情報を動的表示させ」るとの記載が誤りであり、訂正明細書の段落【0011】は「その複数の表示領域のうち一部の表示領域において前記第2の識別情報を動的表示させ」るとの記載が正しいものであることは自明である。
したがって、訂正事項3は、特許法第126条第1項第2号に規定する誤記又は誤訳の訂正を目的とするものである。
(2)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記「2」の「(2)」と同様に、訂正事項3は、訂正前の本件特許明細書の段落【0011】の「第2の識別情報を複数の表示領域の全体で動的表示させ」るという誤った記載を解消し、訂正明細書の段落【0011】の「第2の識別情報を複数の表示領域のうち一部の表示領域で動的表示させ」るという適切な表現に訂正するものであり、本件特許明細書の記載から誤りであることが明らかであり、かつ、本件特許明細書から、正しい記載が自明な事項として定まるときにおいて、その誤りを正しい記載に訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(3)当初明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記「2」の「(3)」と同様に、訂正事項3は、当初明細書等の段落【0572】、【0576】、【0579】及び【0580】に記載されている事項に基づくものであるから、当該訂正事項3は、当初明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。
5 特許法第126条第7項について
訂正後の特許請求の範囲の請求項1及び2により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項1~3は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第3 むすび
したがって、本件訂正請求による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2019-390065