特許訂正審判
2019-390025
装飾品鎖状端部の留め具
- 審判番号
- 2019-390025
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2006-528955外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年02月14日
- 審決日
- 2019年05月08日
- 公報発行日
- 2019年08月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】有限会社 宝石のエンジェル
- 分類
- P141 .851-Y (A44C) / P141 .841-Y (A44C) / P141 .854-Y (A44C) / P141 .855-Y (A44C) / P141 .856-Y (A44C)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第4044598号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第4044598号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2について訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
平成17年 6月30日 本件国際出願(優先権主張平成16年7月14日)
平成19年11月22日 設定登録(特許第4044598号)
平成27年 3月28日 訂正審判請求(2015-390027)
平成27年 4月23日 訂正認容審決(平成27年5月12日確定)
平成28年11月16日 訂正審判請求(2016-390150)
平成29年 5月15日 不成立審決(平成29年6月26日確定)
平成29年 5月29日 訂正審判請求(2017-390038)
平成29年 8月 4日 訂正認容審決(平成29年8月16日確定)
平成30年 2月 7日 訂正審判請求(2018-390028)
平成30年 3月19日 訂正認容審決(平成30年3月29日確定)
平成31年 2月14日 本件訂正審判請求(2019-390025)
なお、以下では、訂正2015-390027号確定審決により認容された訂正を「一次訂正」、訂正2017-390038号確定審決により認容された訂正を「二次訂正」、訂正2018-390028号確定審決により認容された訂正を「三次訂正」という。また、一次訂正、二次訂正及び三次訂正による訂正後の特許請求の範囲を「本件訂正前特許請求の範囲」という。
第2 請求の趣旨及び内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2について訂正することを認める、との審決を求めるものである。
訂正の内容は、次のとおりである。下線は訂正箇所を示す。
1.訂正事項1(請求項2に係る訂正)
本件訂正前特許請求の範囲の請求項2に
「【請求項2】
装飾品の片方の鎖状部の端部に設けたホルダーと他方の鎖状部の端部に設けたホルダー受けとを噛合わせて係止する方式の留め具であって、前記ホルダーとホルダー受けには、これらを正しい噛合い位置に誘導できる部位に、互いに吸着する磁石の各一方を、あるいは磁石とこれに吸着される金属材を、それぞれ吸着部材として設けた装飾品鎖状端部の留め具において、前記ホルダーが、1対の顎部材を開口/閉口可能に軸支したバネ閉じ式の鰐口クリップであり、前記ホルダー受けが1対の開口状態の顎部材間に嵌入して係止される係止部材であり、かつ、前記鰐口クリップの内部における1対の顎部材間に一方の吸着部材を設け、前記係止部材の先端に他方の吸着部材を設け、前記鰐口クリップの内部に設けた吸着部材が前記1対の顎部材のいずれか一方に固定されている装飾品鎖状端部の留め具。
あるいは、装飾品の片方の鎖状部の端部に設けたホルダーと他方の鎖状部の端部に設けたホルダー受けとを噛合わせて係止する方式の留め具であって、前記ホルダーとホルダー受けには、これらを正しい噛合い位置に誘導できる部位に、互いに吸着する磁石の各一方を、あるいは磁石とこれに吸着される金属材を、それぞれ吸着部材として設けた装飾品鎖状端部の留め具において、前記ホルダーが、ホルダー受け嵌入用の開口部を構成すると共に先端部に噛合い形状を形成した1対の顎部材を開口/閉口可能に軸支したバネ閉じ式の鰐口クリップであり、前記ホルダー受けが1対の開口状態の顎部材間に嵌入して係止される係止部材であり、かつ、嵌入するホルダー受けのネック部の大きさは、鰐口クリップの一対の閉口状態の顎部材の止め部と止め部の間以下の大きさであり、かつ、ホルダー受けの吸着部材の大きさは、鰐口クリップの閉口状態の止め部より後部の一対の顎部材間以下の大きさであり、かつ、ホルダー受けの吸着部材の大きさは、鰐口クリップの一対の閉口状態の顎部材の止め部と止め部の間より大きく、かつ、前記鰐口クリップの内部における1対の顎部材間に一方の吸着部材を設け、前記係止部材の先端に他方の吸着部材を設け、前記鰐口クリップの内部に設けた吸着部材を支持する支持部材が前記1対の顎部材を軸支する支軸によって支持されている装飾品鎖状端部の留め具。」
とあるのを、
「【請求項2】
装飾品の片方の鎖状部の端部に設けたホルダーと他方の鎖状部の端部に設けたホルダー受けとを噛合わせて係止する方式の留め具であって、前記ホルダーとホルダー受けには、これらを正しい噛合い位置に誘導できる部位に、互いに吸着する磁石の各一方を、あるいは磁石とこれに吸着される金属材を、それぞれ吸着部材として設けた装飾品鎖状端部の留め具において、前記ホルダーが、1対の顎部材を開口/閉口可能に軸支したバネ閉じ式の鰐口クリップであり、前記ホルダー受けが1対の開口状態の顎部材間に嵌入して係止される係止部材であり、かつ、前記鰐口クリップの内部における1対の顎部材間に一方の吸着部材を設け、前記係止部材の先端に他方の吸着部材を設け、前記鰐口クリップの内部に設けた吸着部材が前記1対の顎部材のいずれか一方に固定されている装飾品鎖状端部の留め具。
あるいは、装飾品の片方の鎖状部の端部に設けたホルダーと他方の鎖状部の端部に設けたホルダー受けとを噛合わせて係止する方式の留め具であって、かつ、前記留め具は、前記ホルダーを閉口動作する事で、前記ホルダー受けのネック部に対して、ホルダーの止め部が係止される方式の留め具であって、前記ホルダーとホルダー受けには、これらを正しい噛合い位置に誘導できる部位に、かつ、前記ホルダーと前記ホルダー受けには、前記ホルダーを閉口動作する事で、前記ホルダー受けのネック部に対して、ホルダーの止め部が係止できる位置に誘導できる部位に、互いに吸着する磁石の各一方を、あるいは磁石とこれに吸着される金属材を、それぞれ吸着部材として設けた装飾品鎖状端部の留め具において、前記ホルダーが、ホルダー受け嵌入用の開口部を構成すると共に先端部に噛合い形状を形成した1対の顎部材を開口/閉口可能に軸支したバネ閉じ式の鰐口クリップであり、かつ、前記の噛合い形状は、内周側へ張り出した止め部を形成していて、かつ、前記ホルダー受けが1対の開口状態の顎部材間に嵌入して係止される係止部材であり、かつ、嵌入するホルダー受けのネック部の径の大きさは、鰐口クリップの一対の閉口状態の顎部材の止め部と止め部の間以下の大きさであり、かつ、ホルダー受けの吸着部材の径の大きさは、鰐口クリップの閉口状態の止め部より後部の一対の顎部材間以下の大きさであり、かつ、ホルダー受けの吸着部材の径の大きさは、鰐口クリップの一対の閉口状態の顎部材の止め部と止め部の間より大きく、かつ、ホルダー受けの吸着部材の先端から後部までの長さは、閉口状態の鰐口クリップの中の吸着部材と止め部の間以下の長さであり、かつ、前記鰐口クリップの内部における1対の顎部材間に一方の吸着部材を設け、前記係止部材の先端に他方の吸着部材を設け、前記鰐口クリップの内部に設けた吸着部材を支持する支持部材が前記1対の顎部材を軸支する支軸によって支持されている装飾品鎖状端部の留め具。」
と訂正する。
第3 当審の判断
1.訂正の目的
訂正事項1は、本件訂正前の留め具について、「前記留め具は、前記ホルダーを閉口動作する事で、前記ホルダー受けのネック部に対して、ホルダーの止め部が係止される方式の留め具であって」という限定を付加し、本件訂正前の噛合い形状について、「前記の噛合い形状は、内周側へ張り出した止め部を形成していて」という限定を付加し、本件訂正前のネック部の大きさについて、「径の」大きさという限定を付加し、本件訂正前の吸着部材の大きさについて、「径の」大きさという限定を付加し、本件訂正前のホルダー受けの吸着部材について、「ホルダー受けの吸着部材の先端から後部までの長さは、閉口状態の鰐口クリップの中の吸着部材と止め部の間以下の長さであり」という限定を付加するとともに、「前記ホルダーと前記ホルダー受けには、前記ホルダーを閉口動作する事で、前記ホルダー受けのネック部に対して、ホルダーの止め部が係止できる位置に誘導できる部位に」互いに吸着する磁石の各一方を、あるいは磁石とこれに吸着される金属材を、それぞれ吸着部材として設けた(以下、「互いに吸着する磁石の各一方を、あるいは磁石とこれに吸着される金属材を、それぞれ吸着部材として設けた」を、単に「吸着部材を設けた」という。)という事項を追加するものである。
ここで、訂正事項1により追加された前記の「前記ホルダーと前記ホルダー受けには、前記ホルダーを閉口動作する事で、前記ホルダー受けのネック部に対して、ホルダーの止め部が係止できる位置に誘導できる部位に」吸着部材を設けたという事項の意味を検討すると、「前記ホルダーを閉口動作する事で」という文言が「係止できる」という文言に係る場合と、「誘導できる」という文言に係る場合の双方が考えられ、いずれの場合かにより、前記事項の意味が異なるものになるといえる。つまり、前者の場合には、ホルダーを閉口動作しなくても、「前記ホルダーを閉口動作」すれば「係止できる」位置にホルダーとホルダー受けを誘導でき、該誘導ができる部位に吸着部材を設けるという意味に解されるが、後者の場合には、「前記ホルダーを閉口動作」することによって、係止できる位置にホルダーとホルダー受けを「誘導でき」、該誘導ができる部位に吸着部材を設けるという意味に解される。
そこで、訂正後の請求項2の他の記載等も参照すると、訂正事項1により追加された「前記留め具は、前記ホルダーを閉口動作する事で、前記ホルダー受けのネック部に対して、ホルダーの止め部が係止される方式の留め具であって」という記載によれば、「ホルダーを閉口動作する事で」、「係止される」というものであって、前者の場合と同様に「前記ホルダーを閉口動作する事で」という文言を用いている。一方、「前記ホルダーを閉口動作する事で」という文言を後者の場合のように用いている記載は存在しないから、訂正後の請求項2の記載において、「前記ホルダーを閉口動作する事で」という文言は「係止できる」という文言に係るものとして用いられていると解することが妥当である。すると、訂正事項1により追加された前記の「前記ホルダーと前記ホルダー受けには、前記ホルダーを閉口動作する事で、前記ホルダー受けのネック部に対して、ホルダーの止め部が係止できる位置に誘導できる部位に」吸着部材を設けたという記載は明確であるといえるから、この「前記ホルダーと前記ホルダー受けには、前記ホルダーを閉口動作する事で、前記ホルダー受けのネック部に対して、ホルダーの止め部が係止できる位置に誘導できる部位に」吸着部材を設けたという事項を追加する訂正は、本件訂正前の誘導できる部位について、限定を付加するものであると理解できる。
そうすると、訂正事項1は、訂正前の請求項2に記載された発明特定事項を具体的に特定し、限定を付加するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
2.新規事項
願書に添付した明細書(1次訂正に係る訂正明細書)又は図面(以下、「特許明細書等」という。)には、以下の記載がある。なお、下線は当審で付したものである。
(1)「吸着部材は、装飾品の片方の鎖状部の端部に設けたホルダー(例えば上記の鰐口クリップ)と、他方の鎖状部の端部に設けたホルダー受け(例えば上記の係止部材)の双方に設けられる。これらの吸着部材は、互いに吸着するN極磁石とS極磁石との組み合わせであっても良いし、磁石とこれに吸着される一定の金属材(例えば鉄材)との組み合わせであっても良い ホルダーとホルダー受けとにおける吸着部材の設定部位としては、これらのホルダーとホルダー受けとを正しい噛合い位置に誘導することができる適正な部位が選ばれる。」(1次訂正に係る特許審決公報第7ページ第44行~第49行)
(2)「鰐口クリップ3の開口部を構成する部分において、第1図における上側の顎部材6の上端部と下側の顎部材6の下端部には、それぞれ円形開口部の内周側へ少し張り出した止め部14を形成している。一方、ホルダー受けである前記の係止部材4は、鰐口クリップ3と略同径の円柱形状又は円筒形状を持っている。そして、係止部材4の先端側(鰐口クリップ3との対向面側)には、細径であるネック部15を介して前記N極磁石10と同形状のS極磁石16を固定している。第5図に示すように、鰐口クリップ3が閉じて係止部材4と噛み合ったときには、1対の顎部材6の上記止め部14が、ネック部15に食い込む。」(1次訂正に係る特許審決公報第9ページ第49行~第10ページ第4行)
(3)「すると、第5図に示すように、バネ7の付勢力によって鰐口クリップ3が閉口状態に戻り、その際に係止部材4の先端部分が支持部材8と共に鰐口クリップ3の内部に引き込まれる。その結果、係止部材4のネック部15に対して1対の顎部材6の止め部14が噛合う。」(1次訂正に係る特許審決公報第10ページ第22行~第24行)
(4)「〔実施例2〕実施例2に係る装飾品鎖状端部の留め具21を第6図に示す。第6図は、留め具21の鰐口クリップ3と係止部材4とが係止された状態を示す。・・・本実施例において、上記の点以外の構成及び作用・効果は、実施例1の場合と同様である。」(1次訂正に係る特許審決公報第10ページ第31行~第43行)
(5)「〔実施例3〕実施例3に係る装飾品鎖状端部の留め具31を、第7図及び第8図に示す。第7図においては、留め具31の鰐口クリップ3と係止部材4との係止状態を示す。第8図においては、鰐口クリップ3と係止部材4との分離状態を示し、かつ、開口状体の鰐口クリップ3を示す。・・・本実施例において、上記の点以外の構成及び作用・効果は、実施例1の場合と同様である。」(1次訂正に係る特許審決公報第10ページ第44行~第11ページ第8行)
前記記載事項(1)~(5)及び図5~図7の図示内容によると、支持部材8にN極磁石10(吸着部材)設けた実施例1~実施例3のいずれにおいても、鰐口クリップ3(ホルダー)が閉口状態になると、係止部材4(ホルダー受け)のネック部15に対して、鰐口クリップ3(ホルダー)の1対の顎部材6に形成された止め部14が噛合うと解され、また、ホルダーとホルダー受けをこの噛合い位置に誘導することができる適正な部位(ホルダーとホルダー受けとにおける部位)に吸着部材が設けられると解されるから、訂正事項1により追加された「前記留め具は、前記ホルダーを閉口動作する事で、前記ホルダー受けのネック部に対して、ホルダーの止め部が係止される方式の留め具であって」という事項、及び「前記ホルダーと前記ホルダー受けには、前記ホルダーを閉口動作する事で、前記ホルダー受けのネック部に対して、ホルダーの止め部が係止できる位置に誘導できる部位に」吸着部材を設けたという事項は、特許明細書等に開示されているといえる。
また、前記記載事項(2)~(5)及び図5~図7の図示内容によると、係止部材4のネック部15と噛合う、鰐口クリップ3の1対の顎部材6に形成された止め部14は、内周側へ張り出していると解されるから、訂正事項1により追加された「前記の噛合い形状は、内周側へ張り出した止め部を形成していて」という事項は、特許明細書等に開示されているといえる。
そして、図2、図5~図7の図示内容によると、係止部材4のネック部15の直径が、鰐口クリップ3の閉口状態において、顎部材6の止め部14と止め部14の間以下の大きさであり、また、係止部材4のS極磁石16の直径が、鰐口クリップ3の閉口状態において、止め部14より後部の一対の顎部材6間以下の大きさであり、かつ、顎部材6の止め部14と止め部14の間より大きいと解される。さらに、係止部材4のS極磁石16の厚さが、閉口状態の鰐口クリップ3のN極磁石10と止め部14の間以下の長さであると解されるから、訂正事項1により追加された、ネック部及び吸着部材についての「径の」大きさという事項、並びに「ホルダー受けの吸着部材の先端から後部までの長さは、閉口状態の鰐口クリップの中の吸着部材と止め部の間以下の長さであり」という事項は、特許明細書等に開示されているといえる。
よって、訂正事項1は、特許明細書等に記載した事項の範囲内のものであり、特許法第126条第5項の規定に適合する。
3.特許請求の範囲の拡張・変更
訂正事項1は、上記1.のとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とし、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。
4.独立特許要件
訂正後の請求項2に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるか否かを検討するに、訂正後の請求項2に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第4 むすび
本件審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5~7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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