商標取消審判
2019-300803
ミニエアー
- 審判番号
- 2019-300803
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2016-001394
- 登録番号
- 5854939
- 請求日
- 2019年10月18日
- 審決日
- 2021年12月22日
- 公報発行日
- 2022年10月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】厦▲門▼艾美森新材料科技股▲ふん▼有限公司
- 【請求人代理人】村井 康司
- 【請求人代理人】魯 佳瑛
- 【被請求人】村田 晴俊
- 【被請求人代理人】松下 恵三
- 【被請求人代理人】長谷川 二美
- 審判長/審判官
- 審判長 小松 里美
- 審判官 榎本 政実
- 審判官 小俣 克巳
- 分類
- T131 .1 -Y (W07)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第2条第3号、商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項第2号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5854939号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5854939号商標(以下「本件商標」という。)は、「MINI AIR」の文字を標準文字で表してなり、平成28年1月6日に登録出願、第7類「機械式の接着テープディスペンサー,包装用機械器具,プラスチック加工機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,農業用機械器具,塗装機械器具,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。)及び動力機械器具の部品,電気洗濯機,乗物用洗浄機,業務用切さい機,食器洗浄機,電気掃除機,消毒・殺虫又は防臭用散布機(農業用のものを除く。),機械要素(陸上の乗物用のものを除く。),3Dプリンター,直流発電機,電気ミキサー,電機ブラシ」を指定商品として,同年6月3日に設定登録がされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件取消審判の請求の登録日は、令和元年11月5日である。
また、本件取消審判の請求の登録前3年以内の期間である平成28年11月5日から令和元年11月4日までの期間を、以下「要証期間」という場合がある。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の第7類「全指定商品」(以下「本件取消審判の請求に係る指定商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べた。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人による使用許諾について
被請求人は、平成28年7月1日付商標使用許諾書(乙1)を提出し、本件商標をA氏が運営する「Diz+」(屋号:以下、単に「Diz+」という。)に対して使用許諾を設定していることを令和2年1月11日付け審判事件答弁書(以下「答弁書1」という。)において主張しているが、乙第1号証を見る限り、被請求人は「Diz+」に対して日本国内において本件商標について使用権を設定している。なお、同号証において「許諾の内容」として、「本製品の販売及び卸業」を記載している。この「本製品」が具体的に示すものが明確ではない。
(2)通常使用権者による商標の使用態様について
被請求人は、乙第2号証ないし乙第5号証を提出し、通常実施権者である「DiZ+」がAmazon Japanに本件商標を付した商品を卸売販売している旨述べているが、被請求人が提出した証拠を見る限り、請求人が主張する本件商標が使用された事実を確認できず、かつ、使用していると主張している商標が使用されたとしても、その商標は本件商標とは社会的通念上同一とは認められないものである。
まず、被請求人は、乙第2号証を「DIZ+」がAmazon JapanG.K.に対して平成30年7月30日の請求書として、PO番号の「51L9UABA」の列をハイライトしている。被請求人はこれをもって本件商標の使用を主張する裏付けとしているものと推測する。
ハイライトされている列の詳細欄には「【ミニエアー イージー】MINI AIR EASI エアクッション 包装 緩衝材 製造機 【一年保証付】 フィルム ロール 40m付属 84,000JPY」という記載がある。複数の情報が列挙されているが、「ミニエアー イージー」と「一年保証付」の2つの語は、【ミニエアー イージー】と【一年保証付】と記載されている。
請求書の発行者には、「ミニエアー」と「イージー」に分断し、「ミニエアー」を使用する意図はなく、むしろ「ミニエアー イージー」をまとまりよく1つの標章として強調する意図があることは明らかであり、請求書の発行者には「ミニエアー イージー」を分断する意図はなく、一体不可分の1つの標章として取り扱っている。
また、【ミニエアー イージー】の直後に欧文字で「MINI AIR EASI」という記載がある。この欧文字の記載は、3つの語「MINI」、「AIR」及び「EASI」が同体同書で均等に配置されており、敢えて「MINI AIR」の2語と「EASI」の1語を分断する特段の理由も全く見当たらない。なお、モデル番号の欄に「EASI本体」という記載があるが、この欄は他の欄と比較すると極めてスペースが限られており語数の制限を受けている。この制限を受け、「EASI本体」と記載することにより「MINI AIR EASI」そのものの本体という意味を表そうとしていることは明らかである。
以上のとおり、乙第2号証より被請求人が主張する通常使用権者が本件商標「MINI AIR」を使用している事実は全く見当たらない。
また、乙第5号証の1葉目に「【ミニエアー イージー】MINI AIR EASI エアクッション 包装 緩衝材 製造機 【一年保証付】 フィルム ロール 40m付属」という記載、2葉目には「【ミニエアー イージー】MINI AIR EASI エアクッション 包装 緩衝材 製造機」等の記載がある。
そして、乙第5号証においても「ミニエアー イージー」及び「一年保証付」を隅付き括弧で囲んでいる。請求書の記載と同様に、商品販売においても「ミニエアー イージー」をまとまりよく示し、全体として一体不可分のものとして取り扱おうとしようしていること明らかである。また、その横に欧文字の同体同書で記載されている「MINI AIR EASI」からも敢えて「MINI AIR」の2語と「EASI」の1語に分断する特段の理由も全く見当たらない。
以上のとおり、乙第5号証からも被請求人が主張するように、通常使用権者が本件商標又はこれと社会通念上同一といえる商標を使用している事実は全く見当たらない。
(3)通常使用権者の商品について
被請求人は、答弁書1において通常使用権者がAmazon Japanに卸売販売している商品が、「包装に使用する機械器具であり、プラスチック製の袋に空気を充填して圧着することにより緩衝材を製造する機械」と主張しているが、この主張では、商品が本件取消審判の請求に係る指定商品に該当するのかどうかが明確ではない。つまり、具体的にどの指定商品について使用しているのかが明らかでなく、本件商標が本件取消審判の請求に係る指定商品に使用しているといえない。
そもそも不使用取消審判における挙証責任は、商標権者にあることから、被請求人は本件取消審判の請求に係る指定商品のうちどの商品に使用しているのか明示すべきものである。被請求人が指定商品を明示できない場合、本件商標を本件取消審判の請求に係る指定商品に使用したという主張はそもそも失当といわざるを得ない。
(4)信用を蓄積する使用について
被請求人は、答弁書1において平成28年7月より現在に至るまで通常使用権者が本件商標を使用している主張の裏付けとして乙第2号証ないし乙第5号証を提出している。
つまり、被請求人は、本件取消審判請求の予告登録日前の3年以上も前から現在に至り本件商標を使用していると主張しているが、その裏付けとして提出された乙第3号証を見る限り、通常使用権者とAmazon Japan G.K.の取引は70回程度あるにも限らず、その内の1つの取引のみをもって使用を主張している。
また、乙第5号証そのものには具体的な印刷日等が示されておらず、本件取消審判請求の要証期間の使用を裏付ける証拠として認められるべきものかどうか明らかではない。このようなものを証拠として認めるのは妥当ではない。
以上のように提出された証拠をもって、商標法の趣旨である信用を蓄積するに足る使用をしたとはいえず、また、要証期間における使用を裏付ける証拠になるとはいえない。
(5)まとめ
以上のとおり、被請求人が提出した証拠から「ミニエアー イージー」及び「MINI AIR EASI」の記載を確認できるが、いずれもその使用態様等から本件商標又は社会通念上同一の商標の使用には該当しない。
また、被請求人は、本件商標が具体的にどの指定商品について使用されたのかどうかを明示していない。
さらに、被請求人が主張する1度のみの使用をもって使用と受け入れるのは適切ではない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁において、その理由を答弁書1、令和2年9月29日付け差出回答書(以下「回答書」という。」)及び同3年2月2日付け答弁書(以下「答弁書2」という。)において、要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第20号証を提出した。
なお、答弁書1で提出された甲第1号証ないし甲第5号証は、乙第1号証ないし乙第5号証と読み替える。
1 答弁の要旨
被請求人は、商標「MINI AIR」について、第7類の指定商品「機械式の接着テープディスペンサー,包装用機械器具,プラスチック加工機械器具」について、平成28年7月より現在に至るまで、A氏(屋号:DiZ+)に対し、通常実施権を許諾しており、A氏が当該商標を使用している。商標権者とA氏との商標使用許諾契約書の写しを提出する(乙1)。
通常実施権者であるA氏は、Amazon Japanに、当該商標を付した商品を卸売販売している。A氏(Diz+)が、Amazon Japanに対して発行した、商品代金の請求書を提出している(乙2)。また、当該請求書について、Amazon JapanからA氏(Diz+)に送金されたことを示す送金通知書「Remittance Addvice」の写し(乙3)及びAmazon Japanからの入金が記帳された「Diz+」及びA氏名義の通帳の写し(乙4)を提出する。
本件商標の使用に係る商品は、包装に使用する機械器具であり、プラスチック製の袋に空気を充填して圧着することにより緩衝材を製造する機械である。
本件商標は、通常実施権者であるA氏によって使用され、商品は、Amazon Japanを介して販売されている。A氏から仕入れた当該商標を付した商品を、Amazon Japanが販売していることを示すAmazon Japanの販売サイトの画面キャプチャ(乙5)を提出する。
2 回答書の要旨
(1)請求書(乙2)、送金通知書(乙3)及び通帳(乙4)について
請求書(乙2)について、本件商標に係る商品の卸し先であるAmazon Japan G.K.に確認したので報告する。また、乙第2号証に記載されている事項が明確になるように注釈を加筆した資料(乙6)、乙第3号証に記載されている事項が明確になるように注釈を加筆した資料(乙7)及び乙第4号証に記載されている事項が明確になるように注釈を加筆した資料(乙8)を追加資料として提出する。
請求書(乙2、乙6)は、本件商標の通常実施権者であるA氏がAmazon Japan G.K.あてに発行した請求書である。Amazon Japan G.K.に納品する業者は、すべて、Amazon Japan G.K.が提供する請求書の作成フォーマットに沿って請求書を作成することになっているので、請求書(乙2、乙6)は、Amazon Japan G.K.が提供する請求書雛型のエクセルファイルにより作成されている。
したがって、請求書(乙2、乙6)における請求額と送金通知書(乙3、乙7)の金額は一致する。そして、送金通知書(乙3、乙7)の送金総額は、通帳(乙4、乙8)の金額と一致する。
また、今回、追加資料として、Amazon Japan G.K.から発行された発注書PO(乙9:Purchase Order)を提出し、当該発注書POが届いた際のメールのプリントアウト(乙10)及び当該メールを受信したことを示す画面キャプチャ(乙11)を提出する。
さらに、Amazon Japan G.K.は、本件商標の通常実施権者であるA氏から納品された商品を、自社サイトで販売している(乙5)。追加資料として、自社サイトで販売されている当該商品に本件商標が表示されていることを示す資料(販売ページに掲載されている商品画像の拡大画像)を乙第12号証として提出する。乙第12号証に示すように、商品の正面には本件商標が表示されている。
以上のとおり、通常実施権者であるA氏は、本件商標を付した商品を、Amazon Japan G.K.に対し、販売し納品している。
(2)Amazonのウェブサイト(乙5)について
Amazonのウェブサイト(乙5)には、「Amazon.co.jpでの取り扱い開始日:2016/4/22」との表示がある。
したがって、実際に商品が上記ウェブサイトに掲載されたのは、2016年4月22日であることが示されている。
また、上記ウェブサイトには、誰の取扱品であるかが記載されていないが、上記ウェブサイトは、本件商標の通常使用権者であるA氏から商品を購入したAmazon Japan G.K.が運営する販売ページである。A氏が、Amazon Japan G.K.に対して本件商標を付した商品を卸売り販売し、Amazon Japan G.K.が小売している。
したがって、販売者であるAmazon Japan G.K.の取扱商品として上記ウェブサイトに掲載されている。
(3)本件商標の実施行為について
本件商標の通常使用権者であるA氏は、本件商標を、本件取消審判の請求に係る指定商品に付し、要証期間である2016年4月22日より現在までにおいて、商標法第2条第3号第2号に定める行為、すなわち、「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為」を行った。
また、A氏は、本件商標を、本件取消審判の請求に係る指定商品に付し、要証期間である2016年4月22日より現在までにおいて、商標法第2条第3号第8号に定める行為、すなわち、「商品にかかる広告、価格表若しくは取引書類に、本件商標を付して展示し、又は頒布し、又はこれらを内容とする情報に本件商標を付して電磁的方法により提供する行為」を行った。
(4)送金書(乙3)及びその翻訳文(乙7)について
追加資料として、送金書(乙3)及び送金書(乙7)の翻訳文を提出した。
(5)使用証拠の追加提出について
追加資料として、アマゾンへ卸している業者のみが利用できるサイトの画像キャプチャを提出する(乙13)。
3 答弁書2の要旨
(1)本件商標の使用を主張している商品について
答弁書1において、提出した乙第2号証で使用を立証したのは、「包装用機械器具類,機械式のテープディスペンサー,プラスチック加工機械器具」(以下「使用商品」という場合がある。)である。答弁書1において、乙第2号証で使用立証している商品は、「包装に使用する機械器具」であり、「プラスチック製の袋に空気を充填して圧着することにより緩衝材を製造する機械」である旨を説明した。プラスチック製の袋に空気を充填して圧着した緩衝材は、精密機械や壊れやすい物を包装する際に使用する包装材であり、使用商品に該当する商品である。
本件商標の通常使用権者は、本件商標「MINI AIR」を、使用商品に付し、Amazon Japan G.K.に対して販売し、納品した(乙1~乙12)。すなわち、要証期間である平成28年4月22日より現在に至るまでにおいて、商標法第2条第3項第8号に定める行為を行った。
(2)本件商標と商品への使用態様について
答弁書1において提出した乙第2号証ないし乙第5号証は、「MINI AIR」の使用を立証している。乙第2号証には、【ミニエアー イージー】の表示があるが、「ミニエアー」と、「イージー」との間には、スペースが設けられ、「ミニエアー」部分が分離され、文頭に表示されている。「イージー」は、「簡易」、「易しい」を意味する文言である。複数ある商品シリーズのうち「イージー」が付加された商品は、簡易版であることを示している。乙第2号証には「MINI AIR EASI」の表記もあり、こちらも「MINI AIR」と「EASI」の間にはスペースが設けられており「MINI AIR」が分離して表示されている。「イージー」は、当該商品シリーズの中の下機種であり簡易版であることを示している。
さらに、乙第5号証では、商品画像が掲載されているが、商品に「MINI AIR」が表示されている。答弁書1では、商品画像が小さく、商品に表示された「MINI AIR」文字が判読しにくかったため、乙第5号証の商品画像部分を拡大した画像を、乙第14号証、乙第15号証及び乙第16号証として、追加で提出する。
上述のとおり、「ミニエアー イージー」の「イージー」部分、「MINI AIR EASI」の「EASI」部分は、簡易版であることを示す符号であり、いわば型番表記にあたり、付加的な記載である。また、乙第5号証の商品画像を見ると、商品に「MINI AIR」の表記があるのが確認できる。「EASI」は、大きく表示された「MINI AIR」の下部に小さな文字で添えられているのみである。
したがって、乙第5号証は「ミニエアー」、「MINI AIR」の使用を立証している。
本件商標の通常使用権者は、アマゾン社に対し、「MINI AIR」が本体に表示された商品であって、使用商品に該当する商品を、要証期間である平成28年8月4日より現在に至るまで、商標法第2条第3項第8号に定める行為を行っている。
第4 当審の判断
1 事実認定
(1)被請求人の提出した証拠及びその主張によれば以下のとおりである。
ア 乙第1号証について
乙第1号証は、「商標使用権許諾書」の写しであり、本件商標権者と福岡県北九州市所在のDiz+(代表者A氏)は、平成28年7月1日に、本件商標に関する使用権の設定について合意したことが認められる。
イ 乙第2号証について
乙第2号証は、福岡県北九州市所在のDiz+が、Amazon Japan G.K.宛に発行した平成30年7月30日付けの「請求書」の写しである。当該請求書の請求書番号は、「2160190865」であり、「請求内容」を記載した表には、それぞれ「PO番号、ASIN、ISBN/EAN/UPC、モデル番号、詳細、定価」等の項目があり、上から6番目の項にこれに対応するものとして「51L9UABA、B01JO1MHOW、4589577890017、EASI 本体、【ミニエアー イージー】MINI AIR EASI/エアクッション 包装 緩衝材 製造機【一年保証付】 フィルム ロール 40m付属、84,000JPY」の記載がある。
また、2葉目には、請求金額の合計として、「108,524JPY」の記載がある。
ウ 乙第3号証について
乙第3号証は、Amazon Japan G.K.からDiz+へ宛てた2018年10月3日付けの「送金通知書」の写しであり、Amazon Japan G.K.がDIZ+へ2018年10月5日に銀行振込で支払った金額「2,452,757円」の内訳が記載されている。
そして、請求日を2018年7月30日とする請求書番号「2160190865」の欄には、払い込み金額として「108,524」の記載がある。
エ 乙第8号証について
乙第8号証は、「普通預金通帳」の写しであり、表紙には「Online Store Diz+」及びA氏の氏名が記載されており、平成30年10月5日にアマゾンジャパンから2,452,757円が振り込まれたことが認められる。
オ 乙第5号証、乙第14号証及び乙第16号証について
(ア)乙第5号証及び乙第14号証は、Amazon.co.jpのウェブサイトにおける「産業・研究開発用品」内にある「ミニエアー イージー」のページの写しである。「【ミニエアー イージー】MINI AIR EASI エアクッション 包装 緩衝材 製造機 【一年保証付】 フィルム ロール 40m付属」の表題の下、商品「エアクッション包装緩衝材製造機」の画像とともに、価格及び商品の説明(「梱包に必要なエアクッションの製造機器」、「場所を取らないコンパクトサイズ」、本体サイズ、本体重量等)が記載され、また、「登録情報」の欄には「ASIN:B01JO1MHOW」、「Amazon.co.jpでの取り扱い開始日:2016/4/22」と記載されている。
(イ)乙第16号証は、乙第14号証の商品の拡大画像であり、当該商品には上段に「MINI AIR」の文字、下段には上段の文字より小さく「EASI」の文字が二段に横書きで表示されている。
(2)小括
ア 本件商標権者は、Diz+に対し、本件商標について使用権を設定することを平成28年7月1日に合意している。
イ Amazon.co.jpのウェブサイト(乙5、乙14)には、「ミニエアー イージー」と称する商品が2016年(平成28年)4月22日から取り扱われており、当該商品は、「エアクッション包装緩衝材製造機」(以下「使用商品」という。)であって、上段に「MINI AIR」の文字、下段には上段の文字より小さく「EASI」の文字が二段に横書きで表した標章(以下「使用商標」という。)が付されている。
ウ Diz+は、Amazon Japan G.K.に対し、平成30年7月30日に「ミニエアー イージー」と称する商品を含む、商品の代金108,524円を請求し、その後、Amazon Japan G.K.は、Diz+に対し、2018年(平成30年)10月5日に、平成30年7月30日に請求された108,524円を含む代金を送金した(乙3、乙8)。
エ 以上アないしウによれば、使用商品は、2016年(平成28年)4月22日からAmazon.co.jpのウェブサイトで販売のために掲載されているところ、当該ウェブサイトにその商品の製造元又は販売元に関する記載はないが、Amazon Japan G.K.は、Diz+による「ミニエアー イージー」と称する商品についての平成30年7月30日付け請求に対し、同年10月5日に代金を支払ったことからすれば、Amazon Japan G.K.はDiz+から「ミニエアー イージー」と称する商品を仕入れたとみるのが自然であって、上記ウェブサイトに掲載されている使用商品は、Diz+から仕入れた「ミニエアー イージー」と称する商品であることが推認できる。
そうすると、Amazon Japan G.K.と本件商標について使用権を有するDiz+とにおいて取引された商品は、上記ウェブサイトに掲載されている使用商品であるといえる。
2 上記1からすれば、以下のとおり判断できる
(1)使用者について
本件商標権者は、平成28年7月1日に、Diz+(代表者A氏)と本件商標の使用権を設定することに合意しており、その際に期限を設定していないから、要証期間においてもその合意は継続しているといえる。
そして、被請求人によれば、「Diz+」はA氏の屋号であり、A氏の普通預金通帳(乙8)における氏名の表示からもA氏が「Diz+」の屋号で取引を行っていることが理解されるものであるから、本件商標の通常使用権者は「Diz+」の屋号で取引するA氏といえる。
さらに、通常使用権者は、「ミニエアー イージー」と称する商品に使用商標を付して販売(譲渡)したものと認められるから、使用商標の使用者は、通常使用権者である。
(2)使用商標について
通常使用権者が販売した「ミニエアー イージー」と称する商品に付された使用商標は、上段に「MINI AIR」の文字、下段には上段の文字より小さく「EASI」の文字が二段に横書きで表した標章であるところ、これら「MINI AIR」と「EASI」の各文字は、全体として、親しまれた熟語的意味合いを有するものではないから、上記使用商標が表示された商品に接する需要者は、大きく表された「MINI AIR」の文字部分に強く注意が引かれ、印象づけられるというのが相当である。
してみれば、使用商標は、上段の「MINI AIR」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を発揮し得るものであるから、これより「ミニエアー」の称呼及び「小さな空気」といった観念を生じるものである。
一方、本件商標は、「MINI AIR」の文字を標準文字で表してなるものであるから、これより「ミニエアー」の称呼及び「小さな空気」といった観念を生じるものである。
したがって、使用商標は、本件商標と称呼及び観念を同じくするものであるから、社会通念上同一と認められる商標というのが相当である。
(3)使用商品について
「ミニエアー イージー」と称する商品は、「エアクッション包装緩衝材製造機」(使用商品)であるところ、ウェブサイトに掲載された商品の説明によれば、使用商品は「梱包に必要なエアクッションの製造機器」であり、また、被請求人の主張によれば、「プラスチック製の袋に空気を充填して圧着することにより緩衝材を製造する機械」であるから、これは、プラスチックを成形加工し成形製品を製造する機械器具である「プラスチック加工機械器具」の一種であるといえ、本件取消審判の請求に係る指定商品中の「プラスチック加工機械器具」の範ちゅうに属するものと認められる。
(4)使用期間及び使用行為について
使用商標が付された「ミニエアー イージー」と称する商品は、少なくとも平成30年7月30日ないし同年10月5日に、通常使用権者とAmazon Japan G.K.との間で、取引があったといえるから、通常使用権者は、要証期間に使用商標が付された商品をAmazon Japan G.K.に譲渡した(商標法第2条第3項第2号)と推認できる。
(5)小括
以上によれば,本件商標の通常使用権者は、要証期間に、日本国内において本件取消審判の請求に係る指定商品に含まれる商品「エアクッション包装緩衝材製造機」に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して譲渡した(商標法第2条第3項第2号に該当。)というのが相当である。
3 請求人の主張について
請求人は、「請求書の記載と同様に、商品販売においても『ミニエアー イージー』をまとまりよく示し、全体として一体不可分のものとして取り扱おうとしていること明らかである。また、その横に欧文字の同体同書で記載されている『MINI AIR EASI』からもあえて『MINI AIR』の2語と『EASI』の1語に分断する特段の理由も全く見当たらない。」旨主張している。
しかしながら、上記2(2)のとおり、使用商品には、上段に「MINI AIR」、下段に小さく「EASI」の文字が付されており、上段の「MINI AIR」の文字が大きく書されて、看者の目を引くものであるから、この部分が要部となり使用商標は、本件商標と称呼及び観念を同じくするものであることから本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
したがって、請求人の主張は採用できない。
4 まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の通常使用権者が、本件取消審判の請求に係る指定商品中の「プラスチック加工機械器具」に含まれる商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)の使用をしたことを証明したということができる。
したがって、本件商標の登録は、その請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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