2019-016772
圧縮機ユニット、熱源ユニット及び空調装置
- 審判番号
- 2019-016772
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-553277外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年12月11日
- 審決日
- 2021年03月26日
- 公報発行日
- 2021年10月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ダイキン工業株式会社
- 【請求人代理人】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
- 【請求人】ダイキン ヨーロッパ エヌ.ヴイ.
- 【請求人代理人】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
- 分類
- P18 .121-WZ (F25B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
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結論
理由
目次 ▾ 17項目
第1 手続の経緯
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本願は、2016年(平成28年)4月15日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2015年4月17日 (EP)欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 本願発明
本願の特許請求の範囲の請求項1~6に係る発明は、令和2年11月27日提出の手続補正書に記載された請求項1~6により特定されるとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりである。
「【請求項1】空調装置用の熱源ユニットであって、圧縮機ユニット(32)と、熱源側熱交換器(5)を有する熱源側熱交換器ユニット(31)と、続きを表示(全18行)を備え、前記圧縮機ユニットは、第一のケース(44)内に配置された圧縮機(37)と、前記空調装置の少なくとも一つの熱源側熱交換器ユニット(31)の熱源側熱交換器(5)と、前記圧縮機ユニットとを接続するよう構成された第一及び第二熱源側熱交換器ユニットポート(42、43)であって、熱源側熱交換器は、前記第一のケースとは分離された第二のケース(2)内に配置されて熱源と熱を交換するよう構成されている、第一及び第二熱源側熱交換器ユニットポート(42、43)と、前記空調装置の少なくとも一つの室内ユニット(50)の室内側熱交換器(53)と前記圧縮機ユニットとを接続するよう構成された第一及び第二室内ユニットポート(46、47)と、前記第一熱源側熱交換器ユニットポート(43)と前記第一室内ユニットポート(46)とを流体接続する第一冷媒配管(49)と、前記第一のケースの内部に配置され、前記第一冷媒配管と流体接続されて前記第一冷媒配管を流れる冷媒によって熱移動させるための過冷却熱交換器(40)と、四方弁(39)と、を備え、前記熱源側熱交換器は、前記第一のケース(44)とは分離された第二のケース(2)内に配置されて熱源と熱を交換するよう構成され、前記熱源側熱交換器ユニットは、前記第一及び第二熱源側熱交換器ユニットポート(42、43)を介して前記圧縮機ユニットと流体接続され、前記空調装置の主膨張弁(33)が前記第二のケース(2)内に配置され、前記第一のケース(44)は取り外し可能な壁を有し、前記第一及び第二熱源側熱交換器ユニットポート(42、43)と前記第一及び第二室内ユニットポート(46、47)は、前記壁の側から接近可能な態様で前記第一のケース(44)の中に配置される、熱源ユニット。」
第3 拒絶の理由
令和2年9月3日付けで当審が通知した請求項1についての拒絶理由の概要は次のとおりである。
本件出願の請求項1に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された以下の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
(1)引用文献1を主引例とした場合
請求項1に係る発明は、引用発明1、2に基いて当業者が容易になし得たものである。
(2)引用文献2を主引例とした場合
請求項1に係る発明は、引用発明1、2及び周知の技術的事項(引用文献3~8)に基いて当業者が容易になし得たものである。
第4 引用文献及び公知文献
1 引用文献1
(1)引用文献1の記載事項
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令和2年9月3日付けで当審より通知した拒絶理由において引用した引用文献1には、以下の事項が記載されている。なお、下線は当審において付与したものである。
「【0009】【実施例】以下、本発明による空気調和装置の一実施例を図面を参照して説明する。【0010】図1において、100は熱源側ユニット、200は機械ユニット、300は利用側ユニット、400はこれらをつなぐユニット間配管を示している。【0011】図2は図1の冷媒回路の一部を示している。【0012】これによると、熱源側ユニット100には、熱源側熱交換器11、ファン13、電動メカ弁15、コントロールボックス17などが内蔵されている。また、機械ユニット200には、圧縮機21、オイルセパレータ22、四方弁23、アキュームレータ24、さらにはレシーバタンク25、油面センサ26、コントロールボックス27などが内蔵されている。29は開閉弁であり、オイルセパレータ22から圧縮機21にオイルを戻す際に開かれる。【0013】利用側ユニット300には、利用側熱交換器31、ファン33、電動メカ弁35、コントロールボックス36などが内蔵されている。そして、ユニット間配管400は、上述した各種ユニット100,200,300をつないでおり、ガス管41と液管43とからなっている。」
「【図2】」
(2)引用文献1から理解できる事項
段落【0012】及び図2の記載から、引用文献1記載の空気調和機の冷媒回路は、機械ユニット200と、熱源側熱交換器11を内蔵する熱源側ユニット100とを備えていると理解できる。
段落【0012】及び図2の記載から、引用文献1記載の空気調和機の冷媒回路の機械ユニット200は、圧縮機21、四方弁23、オイルセパレータ22、アキュームレータ24、さらにはレシーバタンク25、油面センサ26、コントロールボックス27などを内蔵していると理解できる。
図2の機械ユニット200を拡大すると、以下のものが確認できる。なお、図2の拡大図中の「○」は、当審において付与したものである。
【図2の拡大図】
上記図2の拡大図において○で囲った記号は、技術常識から見て「バルブ」であると理解できる。そして、左上の○で囲ったバルブ(以下、「バルブA」という。)は、熱源側ユニット100とガス管41で接続され、左下の○で囲ったバルブ(以下、「バルブB」という。)は、熱源側ユニット100と液管43で接続され、右上の○で囲ったバルブ(以下、「バルブC」という。)は、利用側ユニット300とガス管41と接続され、右下の○で囲ったバルブ(以下、「バルブD」という。)は、利用側ユニット300と液管43で接続されていると理解できる。
加えて、上記図2の拡大図において、段落【0012】も参考すると、バルブBとバルブDは、レシーバタンク25を介して配管で接続されていると理解できる。
段落【0012】及び図2の記載から、前記熱源側ユニット100には、電動メカ弁15が内蔵されていると理解できる。
(3)引用発明
上記(1)および(2)の事項を総合すると、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「空気調和機の冷媒回路であって、機械ユニット200と、熱源側熱交換器11を内蔵する熱源側ユニット100と、を備え、前記機械ユニット200は、圧縮機21、四方弁23、オイルセパレータ22、アキュームレータ24、さらにはレシーバタンク25、油面センサ26、コントロールボックス27などを内蔵しており、前記熱源側ユニット100とガス管41で接続されるバルブAと、前記熱源側ユニット100と液管43で接続されるバルブBと、前記利用側ユニット300とガス管41で接続されるバルブCと、前記利用側ユニット300と液管43で接続されるバルブDと、前記バルブBとバルブDとをレシーバタンク25を介して接続する配管と、前記四方弁23と、を備え、前記熱源側ユニット100には、電動メカ弁15が内蔵されている、空気調和機の冷媒回路。」
2 引用文献2
(1)引用文献2の記載事項
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令和2年9月3日付けで当審より通知した拒絶理由において引用した引用文献2には、以下の事項が記載されている。
「【0022】<室外ユニット>室外ユニット2は、ビル等の室外に設置されており、液冷媒連絡配管5およびガス冷媒連絡配管6を介して室内ユニット3,4に接続されており、室内ユニット3,4の間で冷媒回路10を構成している。次に、室外ユニット2の構成について説明する。室外ユニット2は、主として、冷媒回路10の一部を構成する室外側冷媒回路20を有している。この室外側冷媒回路20は、主として、圧縮機21と、四路切換弁V1と、熱源側熱交換器としての室外熱交換器22と、膨張機構としての室外膨張弁V4と、アキュムレータ25と、温度調節機構としての過冷却器26と、液側閉鎖弁V5と、ガス側閉鎖弁V6とを有している。」
「【0027】本実施形態において、過冷却器26の冷却源としてのバイパス冷媒回路50が設けられている。なお、以下の説明では、冷媒回路10からバイパス冷媒回路50を除いた部分を、便宜上、主冷媒回路と呼ぶことにする。バイパス冷媒回路50は、室外熱交換器22から室内膨張弁V8,V9へ送られる冷媒の一部を主冷媒回路から分岐させて圧縮機21の吸入側に戻すように主冷媒回路に接続されている。具体的には、バイパス冷媒回路50は、室外膨張弁V4から室内膨張弁V8,V9に送られる冷媒の一部を室外熱交換器22と過冷却器26との間の位置から分岐させるように接続された分岐回路50aと、過冷却器26のバイパス冷媒回路側の出口から圧縮機21の吸入側に戻すように圧縮機21の吸入側に接続された合流回路50bとを有している。そして、分岐回路50aには、バイパス冷媒回路50を流れる冷媒の流量を調節するためのバイパス膨張弁V7が設けられている。ここで、バイパス膨張弁V7は、電動膨張弁からなる。これにより、室外熱交換器22から室内膨張弁V8,V9に送られる冷媒は、過冷却器26において、バイパス膨張弁V7によって減圧された後のバイパス冷媒回路50を流れる冷媒によって冷却される。すなわち、過冷却器26は、バイパス膨張弁V7の開度調節によって能力制御が行われることになる。」
「【図1】」
(2)引用文献2記載の技術的事項
上記(1)の記載から、引用文献2には以下の技術的事項(以下、「引2事項」という。)が記載されている。
「冷媒回路の一部である室外ユニット2に、主冷媒回路を流れる冷媒を冷却し温度調整する過冷却器26を設けること。」
3 公知文献1
本願優先日前に頒布された刊行物である特開2015-10721号公報(以下、「公知文献1」という。)には以下の記載がある。 なお、公知文献1~3は、周知の技術を示すために当審にて新たに引用するものである。
「【0012】図2は図1に示す室外ユニットの斜視図、図3は図2の機械室に設けられた空調用バルブ及び給湯用バルブを拡大して示す斜視図である。室外ユニット100は、外郭が箱形形状のユニットケース1で構成されている。このユニットケース1の中は、仕切板2によって機械室3と送風機室4とに区画されている。ユニットケース1の機械室3の正面及び側面の中程までは前面パネルによって覆われている。この前面パネルは、機械室3内の各部品を交換し易いように、ユニットケース1に取り外し自在に取り付けられている。【0013】機械室3には、圧縮機5、第1給湯用バルブ7、第1空調用バルブ9、第2給湯用バルブ8、第2空調用バルブ10などの各部品が収納されており、送風機室4には、送風機、送風機の吸引側に設置された熱交換器などが収納されている。また、ユニットケース1の機械室3の下側の角部には、ガス用配管40、42及び液用配管41、43を機械室3内に引き込むための穴6が設けられている。【0014】例えば、第1給湯用バルブ7と第1空調用バルブ9は、第1支持部材20にネジによって固定されており、第2給湯用バルブ8と第2空調用バルブ10は、第2支持部材30にネジによって固定されている。第1給湯用バルブ7は、ガス用配管40と接続され、第1空調用バルブ9は、ガス用配管42と接続される。また、第2給湯用バルブ8は、液用配管41と接続され、第2空調用バルブ10は、液用配管43と接続される。【0015】第2給湯用バルブ8と第2空調用バルブ10は、第2支持部材30によって、第1給湯用バルブ7と第1空調用バルブ9に対し、例えば左側にずれた位置となっている。これは、サービス交換で圧縮機5 を取り外す際に必要な作業スペースを確保するためであり、また、配管とバルブとを接続するときのスパナ作業のスペースを確保するためである。つまり、各バルブを千鳥状に配置することで、各バルブと各配管を接続する際に、スパナとバルブが接触しない。」
「【0022】図7は空調用バルブ及び給湯用バルブに配管を接続した状態を示す斜視図である。前述したように、第1支持部材20には、第1給湯用バルブ7と第1空調用バルブ9とがネジによって固定され、第2支持部材30には、第2給湯用バルブ8と第2空調用バルブ10とがネジによって固定されている。第1給湯用バルブ7と第1空調用バルブ9は、穴6から機械室3内に引き込まれたガス用配管40、42の各ナット40a、42aをそれぞれ水平方向にスパナで回して接続される。また、第2給湯用バルブ8と第2空調用バルブ10は、穴6から機械室3内に引き込まれた液用配管41、43の各ナット41a、43aをそれぞれ水平方向にスパナで回して接続される。この接続作業は、シングルスパナ作業である。」
「【図1】【図2】【図3】」
「【図7】」
4 公知文献2
本願優先日前に頒布された刊行物である特開2013-113558号公報(以下、「公知文献2」という。)には以下の記載がある。
「【0029】また、室外機本体5は、室外熱交換器13の一の側端部32aと支柱27との間、及びこの支柱27と室外熱交換器13の他の側端部35aとの間に、それぞれ下側面パネル(側壁)29A,29Bを着脱可能に備えており(図2参照)、この下側面パネル29A,29Bによって前開口部36A及び左開口部36Bがそれぞれ閉鎖されている。なお、図示はしていないが、室外機本体5の側面における室外熱交換器13が配置された部分には、空気の流通が可能な格子状の枠やパネルが取り付けられていてもよい。」
「【0031】図3に示されるように、電装品ユニット38は、室外機2全体を制御するための制御基板、圧縮機11や送風ファン23を駆動するための駆動基板(インバータ基板)、リアクタ、端子台等の電気部品と、これら電気部品を収容する電装品箱とを備えている。また、電装品ユニット38は、上下方向に細長く形成されるとともに、室外機本体5における1つの角部5A、すなわち、室外熱交換器13が配置されていない室外機本体5の角部5Aに対応して配置され、梁部材28を上下方向に跨いでいる。この電装品ユニット38の下方に支持部材37によって支持された閉鎖弁18,19が配置されている。」
「【0034】図4に示されるように、ガス側閉鎖弁18及び液側閉鎖弁19を支持する支持部材37は、室外機本体5の前面に設けられた下側面パネル29Aのやや後側に配置され、ガス側閉鎖弁18及び液側閉鎖弁19を室外機本体5の正面に向けた状態で支持している。従って、下側面パネル29Aを取り外すことによって前開口部36Aからガス側閉鎖弁18及び液側閉鎖弁19の前端の操作ポート54,64を操作することが可能となっている。」
「【図2】【図3】【図4】」
5 公知文献3
本願優先日前に頒布された刊行物である特開平4-236031号公報(以下、「公知文献3」という。)には以下の記載がある。
「【0015】上記本体21の底板24の一端側上面にはL字状の支持部材25が立設されている。この支持部材25には冷媒用配管の一端が接続されるバルブである一対のパックドバルブ26が取付け固定されている。つまり、上記支持部材25は、パックドバルブ26が取付けられた状態で、これらバルブ26が本体21の外部に突出することがない位置に立設されている。【0016】上記本体21の一端側の側壁21aには、上記電気部品箱22の一部および上記パックドバルブ26に対応する大きさの開口部27が形成されている。この開口部27は合成樹脂などで形成されたカバー28によって閉塞される。このカバー28は周壁28aを有する薄い箱形状に形成され、その上端部が上記電気部品箱22の舌片23に、下端部が底板24の端部に折曲形成された起立片24aにそれぞれねじ29によって固定されている。また、カバー28の上部内面には上記側壁21aの開口部27の端縁に係合する係合片28bが設けられている。」
「【図1】」
「【図2】」
第5 対比・判断
1 対比
本願発明と引用発明とを対比する。
引用発明の「機械ユニット200」、「熱源側熱交換器11を内蔵する熱源側ユニット100」はそれぞれ、機能、作用、技術的意義からみて、本願発明の「圧縮機ユニット(32)」、「熱源側熱交換器(5)を有する熱源側熱交換器ユニット(31)」に相当する。そして、本願発明の「空調装置用の熱源ユニット」は「圧縮機ユニット(32)」と「熱源側熱交換器(5)を有する熱源側熱交換器ユニット(31)」を合わせたものであるから、引用発明の「機械ユニット200」と「熱源側熱交換器11を内蔵する熱源側ユニット100」を合わせて、本願発明の「空調装置用の熱源ユニット」に相当する。
引用発明の「圧縮機21」、「四方弁23」はそれぞれ、本願発明の「圧縮機(37)」、「四方弁(39)」に相当する。
引用発明の「機械ユニット200」は「圧縮機21、と四方弁23、オイルセパレータ22、アキュームレータ24、さらにはレシーバタンク25、油面センサ26、コントロールボックス27などを内蔵」していることから、何らかのケースを備えていることは明らかであり、当該ケースが本願発明の「第一のケース」に相当する。同様に、引用発明の「熱源側ユニット100」は「熱源側熱交換器11を内蔵」するためのケースを備えることは明らかであり、当該ケースが本願発明の「第二のケース」に相当する。さらに、引用発明の「機械ユニット200」と「熱源側ユニット100」が分離されていることは、引用文献1の図2等から明らかであり、当然両者のケースも分離されていると理解できるから、本願発明の「第一のケースとは分離された第二のケース」の構成も備えている。
引用発明の「前記熱源側ユニット100とガス管41で接続されるバルブAと、前記熱源側ユニット100と液管43で接続されるバルブB」は、熱源側ユニット100と機械ユニット200を接続しており、また、技術常識から、「バルブ」に「ポート」が備わっていることは明らかであるから、本願発明の「前記空調装置の少なくとも一つの熱源側熱交換器ユニット(31)の熱源側熱交換器(5)と、前記圧縮機ユニットとを接続するよう構成された第一及び第二熱源側熱交換器ユニットポート(42、43)」に相当する。
引用発明の「熱源側熱交換器11」は、「機械ユニット200」とは別の「熱源側ユニット100」に内蔵されているものであるから、本願発明の「熱源側熱交換器は、前記第一のケースとは分離された第二のケース(2)内に配置されて熱源と熱を交換するよう構成されている」こと、及び「熱源側熱交換器は、前記第一のケース(44)とは分離された第二のケース(2)内に配置されて熱源と熱を交換するよう構成され」ることに相当する構成を備えている。
引用発明の「前記利用側ユニット300とガス管41で接続されるバルブCと、前記利用側ユニット300と液管43で接続されるバルブD」は、利用側ユニット300と機械ユニット200を接続しており、また、技術常識から、「バルブ」に「ポート」が備わっていることは明らかであるから、本願発明の「前記空調装置の少なくとも一つの室内ユニット(50)の室内側熱交換器(53)と前記圧縮機ユニットとを接続するよう構成された第一及び第二室内ユニットポート(46、47)」に相当する。
引用発明の「バルブBとバルブDとをレシーバタンク25を介して接続する配管」は、図2の回路構成を参酌すると、本願発明の「前記第一熱源側熱交換器ユニットポート(43)と前記第一室内ユニットポート(46)とを流体接続する第一冷媒配管(49)」に相当する。
引用発明の「機械ユニット200」が「前記熱源側ユニット100とガス管41で接続されるバルブA」と、「前記熱源側ユニット100と液管43で接続されるバルブB」とを有することは、熱源側ユニット100は、バルブAおよびバルブBを介して機械ユニット200と流体接続されることと同義であるから、本願発明の「前記熱源側熱交換器ユニットは、前記第一及び第二熱源側熱交換器ユニットポート(42、43)を介して前記圧縮機ユニットと流体接続され」ることに相当する。
引用発明の「電動メカ弁15」は、冷媒回路内での機能からみて、冷媒の減圧を行うものであることは明らかであるから、本願発明の「主膨張弁(33)」相当し、引用発明の「前記熱源側ユニット100には、電動メカ弁15が内蔵されている」ことは、本願発明の「前記空調装置の主膨張弁(33)が前記第二のケース(2)内に配置され」ることに相当する。
したがって、本願発明と引用発明とは、以下の一致点、相違点1および2を有している。
《一致点》
「空調装置用の熱源ユニットであって、圧縮機ユニット(32)と、熱源側熱交換器(5)を有する熱源側熱交換器ユニット(31)と、を備え、続きを表示(全14行)前記圧縮機ユニットは、第一のケース(44)内に配置された圧縮機(37)と、前記空調装置の少なくとも一つの熱源側熱交換器ユニット(31)の熱源側熱交換器(5)と、前記圧縮機ユニットとを接続するよう構成された第一及び第二熱源側熱交換器ユニットポート(42、43)であって、熱源側熱交換器は、前記第一のケースとは分離された第二のケース(2)内に配置されて熱源と熱を交換するよう構成されている、第一及び第二熱源側熱交換器ユニットポート(42、43)と、前記空調装置の少なくとも一つの室内ユニット(50)の室内側熱交換器(53)と前記圧縮機ユニットとを接続するよう構成された第一及び第二室内ユニットポート(46、47)と、前記第一熱源側熱交換器ユニットポート(43)と前記第一室内ユニットポート(46)とを流体接続する第一冷媒配管(49)と、四方弁(39)と、を備え、前記熱源側熱交換器は、前記第一のケース(44)とは分離された第二のケース(2)内に配置されて熱源と熱を交換するよう構成され、前記熱源側熱交換器ユニットは、前記第一及び第二熱源側熱交換器ユニットポート(42、43)を介して前記圧縮機ユニットと流体接続され、前記空調装置の主膨張弁(33)が前記第二のケース(2)内に配置される、熱源ユニット。」
≪相違点1≫
本願発明は、前記第一のケースの内部に配置され、前記第一冷媒配管と流体接続されて前記第一冷媒配管を流れる冷媒によって熱移動させるための過冷却熱交換器(40)を備えるのに対し、引用発明は過冷却熱交換器を備えるか不明な点。
≪相違点2≫
本願発明は、前記第一のケース(44)は取り外し可能な壁を有し、前記第一及び第二熱源側熱交換器ユニットポート(42、43)と前記第一及び第二室内ユニットポート(46、47)は、前記壁の側から接近可能な態様で前記第一のケース(44)の中に配置されるのに対し、引用発明のバルブAないしDはどのように配置されるのかが不明な点。
2 判断
(1)相違点1について、
上記相違点1について検討する。
上記第4 2(2)に記載したとおり、引用文献2は「冷媒回路の一部である室外ユニット2に、主冷媒回路を流れる冷媒を冷却し温度調整する過冷却器26を設けること。」という引2事項を開示している。
引用発明と引2事項とは、いずれも冷凍サイクル装置の技術分野に属しており、引用発明においても、冷媒の温度調整のために引2事項に倣って過冷却器を設けることに困難性はない。
また、過冷却器の設置位置については、引用発明の空気調和装置が四方弁を有して冷暖切換可能であり、熱源側ユニット100と利用側ユニット300とがいずれも冷媒を凝縮させる状態があり得ることを鑑みると、熱源側ユニット100又は利用側ユニット300に過冷却器を設置するのではなく、機械ユニット200に設置することが最も合理的であることは当業者であれば容易に相当し得ることである。また、機械ユニット200内での過冷却器の設置位置は、引2事項の過冷却器設置位置を参酌すれば、熱源側ユニット100と利用側ユニット300とを接続している、バルブBとバルブDとをレシーバタンク25を介して接続する配管(本願発明の「第1冷媒配管」)とするのが当業者にとって妥当であるといえる。
よって、相違点1にかかる本願発明の構成は、引用発明及び引2事項に基いて、当業者が容易に想到し得たものである。
(2)相違点2について
上記相違点2について検討する。
空気調和機の技術分野において、室外機と室内機等の他の機器とを接続するためのバルブを、室外機の内部、かつ室外機の開口部に面するように配置し、前記開口部を取り外し可能な壁部材で覆うことは、例えば、公知文献1ないし3に記載されるように、周知の技術(以下、「周知技術」という。)である。
そして、引用発明においても、機器接続作業を容易にできるように、上記周知技術に倣って、バルブAないしDを、機械ユニット200の内部かつ、機械ユニット200の開口部に面するように配置し、前記開口部を取り外し可能な壁部材で覆う構成とすることに何ら困難性はない。
よって、相違点2にかかる本願発明の構成は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に想到し得たものである。
3 効果
本願発明の効果も、引用発明、引2事項および周知技術から予測できる範囲内のものであって、格別顕著なものとはいえない。
審判請求人は、令和2年11月27日提出の意見書において、以下のように主張している。
「3.本発明と引用文献の発明3-1.本発明新請求項1は、以下の発明特定事項R1~R2を含みます。(R1)圧縮機ユニットに属する第一のケース(44)は、取り外し可能な壁を有する。続きを表示(全11行)(R2)第一及び第二熱源側熱交換器ユニットポート(42、43)と第一及び第二室内ユニットポート(46、47)は、壁の側から接近可能な態様で第一のケース(44)の中に配置される。新請求項2~6は新請求項1を引用しますので、発明特定事項R1~R2を含みます。発明特定事項R1~R2を充足する構成によれば、設置作業やメンテナンス作業が容易になるので、空調装置の保守性が向上します。3-2.引用文献1の発明空調システムは、熱源ユニット100、圧縮機ユニット(「機械ユニット」)200、及び利用ユニット300を含みます。しかし、引用文献1は、圧縮機ユニット200のケーシングの壁について特段言及していないので、引用文献1の構成は発明特定事項R1を充足しません。加えて、圧縮機ユニット200の4つのポートの配置についても引用文献1に言及がありませんので、引用文献1の構成は発明特定事項R2を充足しません。3-3.引用文献2の発明空調システム1は、室外ユニット2、及び室内ユニット3、4を含みます。室外ユニット2は「第一及び第二熱源側熱交換器ユニットポート」及び「第一及び第二室内ユニットポート」を有していないので、本願発明の圧縮機ユニットには相当しません。したがって、引用文献2の構成は発明特定事項R1~R2をいずれも充足しません」
しかしながら、上記2(3)で述べたとおり、相違点2(請求人が上記主張している発明特定事項R1、R2に該当。)は、引用発明と上記周知技術に基いて当業者が容易に想到し得るものであり、保守性の向上という効果も、上記周知技術自体が有する効果であって、引用発明においてさらに新たな効果が奏されるものでもないから、審判請求人の上記主張は採用できない。
4 まとめ
したがって、本願発明は、引用発明、引2事項及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2019-016772