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特許拒絶査定不服審判

2019-009561

チャネル測定方法、基地局、およびUE

審判番号
2019-009561
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-552852外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年07月18日
審決日
2020年04月06日
公報発行日
2020年10月30日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (H04L)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2017-552852「チャネル測定方法,基地局,およびUE」拒絶査定不服審判事件〔平成28年10月13日国際公開,WO2016/161736,平成30年 6月21日国内公表,特表2018-516481〕について,次のとおり審決する。

結論

【結 論】
本件審判の請求は,成り立たない。

理由

目次 ▾ 8項目
【理 由】

1.手続の経緯

本願は,2015年8月14日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2015年4月10日,中国)を国際出願日とする出願であって,平成30年11月8日付けで拒絶理由が通知され,平成31年1月31日付けで手続補正がなされ,平成31年3月26日付けで拒絶査定がされ,令和元年7月18日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。

2.本願発明

本願の請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,平成31年1月31日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される,以下のとおりのものと認める。

「チャネル測定方法であって,
ユーザ機器(UE)によって,基準信号リソースマッピング図を取得し,前記基準信号リソースマッピング図に従って基準信号を取得するステップと,
前記UEによって,前記基準信号に従ってチャネル測定を実行してチャネル状態情報を決定し,前記チャネル状態情報を基地局にフィードバックするステップと,を備え,
前記基準信号リソースマッピング図が,前記基準信号の時間-周波数リソースがマッピングされる位置であり,前記基準信号リソースマッピング図が,第1の基準信号リソースマッピング図または第2の基準信号リソースマッピング図であり,K2個の第2の基準信号リソースマッピング図の各々とK1個の第1の基準信号リソースマッピング図のうちの少なくとも1つとの間に相関関係が存在し,K2が前記第2の基準信号リソースマッピング図の数であり,K1が前記第1の基準信号リソースマッピング図の数であり,K1およびK2が1以上の整数であり,
前記第1の基準信号リソースマッピング図がYポートの基準信号リソースマッピング図であり,前記第2の基準信号リソースマッピング図がXポートの基準信号リソースマッピング図であり,Yが8以下で2nを満たす整数であり,Xが8より大きい整数,または8より小さく2nを満たさない整数であり,前記K2個の第2の基準信号リソースマッピング図のうちの少なくとも2つは重複するリソースを有する,チャネル測定方法。」

3.原査定の拒絶の理由

平成31年3月26日付けの拒絶査定の概要は,

(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

請求項1に対して

国際公開第2015/045696号

というものである。

4.引用例

原査定の拒絶の理由に引用された,本願の優先権主張の日前である2015年4月2日に国際公開された国際公開第2015/045696号(以下,「引用文献1」という。)には,次の事項が記載されている。

「[0006] また,3GPP標準のリリース10では,アンテナポート数が8以下の場合のチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)測定用の参照信号(CSI-RS:Reference Signal for CSI measurement)が規定されている(3GPP TS 36.211 V10.7.0 (2013-02) Sec 6.10.5及び3GPP TS 36.331 V10.0.0 (2013-06) Sec 6.3.2参照)。図1に,アンテナポート数が8以下の場合のCSI-RSのマッピング例を示す。CSI-RSのオーバーヘッドを低減するために,周波数領域では,1リソースブロック(RB:Resource Block)内に1アンテナポート当たり1リソースエレメント(RE:Resource Element)が割り当てられている。また,時間領域では,5,10,20,40又は80ミリ秒の送信周期で送信される。CSI-RSの送信周期は,RRC(Radio Resource Control)シグナリングにより設定される。
[0007] リソースブロック内のリソースエレメントへのCSI-RSのマッピングを移動局に通知するために,図2に示すテーブル(CSI-RS configuration)が用いられる(3GPP TS 36.211 V10.7.0 (2013-02) Sec 6.10.5のTable 6.10.5.2-1参照)。図2は,CSI-RSのリソース構成を指定する際に用いられるテーブルの例を示している。
[0008] 例えば,アンテナポート数が2の場合,図1(A)に示す20種類のCSI-RSのマッピングが存在する。20種類のマッピングの中のどれが使用されるかを移動局に通知するために,図2のテーブルにおける0~19のいずれかのインデックス(CSI reference signal configuration)が用いられる。」
「[0023] 本発明の実施例では,複数のアンテナポートを有する基地局(eNB:evolved Node B),より具体的には,拡張されたアンテナポート数(8より多いアンテナポート数)に対応可能なCSI-RSの構成を実現するための基地局について説明する。また,複数のアンテナポートを有する基地局と通信する移動局(UE:User Equipment),より具体的には,拡張されたアンテナポート数に対応可能なCSI-RSを用いてチャネル品質測定を実現するための移動局についても説明する。
[0024] なお,CSI-RSとは,CQI(Channel Quality Indicator),PMI(Precoding Matrix Indicator),RI(Rank Indicator)のようなチャネル状態情報(CSI)を測定するために用いられる参照信号である。また,アンテナポートとは,参照信号を送信するアンテナ素子のまとまりである。1つのアンテナポートが1つのアンテナ素子に対応する場合もあり,また,1つのアンテナポートが複数のアンテナ素子に対応する場合もある。
[0025] 拡張されたアンテナポート数に対応可能なCSI-RSを設計する際に,本発明の実施例では以下の設計思想を考慮する。
[0026] (A)様々なアンテナポート数に対応できること
例えば,16,32,64等のようなアンテナポート数だけでなく,例えば,10,12,16,24,32,36,48,64,96,128等のアンテナポート数にも対応できることが望ましい。」

「[0030] 本発明の実施例では,このような点を考慮して,以下のいずれかの手法により,拡張されたアンテナポート数に対応可能なCSI-RSの構成を実現する。」

「[0032] (2)3GPP標準のリリース10で規定されているCSI-RSのマッピングを組み合わせる手法
例えば,アンテナポート数が16の場合,3GPP標準のリリース10で規定されているアンテナポート番号0~7のCSI-RSのマッピング(図1(C)参照)をリソースブロック内で2つ組み合わせることにより,拡張されたアンテナポート数分のCSI-RSのマッピングを生成する。アンテナポート番号0~7のCSIのマッピングと,アンテナポート番号8~15のCSIのマッピングとを示すために,図2のテーブルのインデックス(CSI reference signal configuration)が2つ用いられてもよい。基地局は,生成されたマッピングを示す情報を移動局に通知する,また,基地局は,生成されたマッピングに従って,CSI-RSをリソースブロック内のリソースエレメントに多重する。」
「[0034] それぞれの手法について,図面を参照して以下に詳細に説明する。
[0035] (1)拡張されたアンテナポート数分のCSI-RSのマッピングを新たに規定する手法
図4に,本発明の実施例に係る無線通信システムの概略図を示す。無線通信システムは,広範囲をカバーするマクロ基地局10と,マクロ基地局10のエリア内またはその周辺に位置し,2次元配置したアンテナ素子を有するFD-MIMO局20と,移動局30とを有する。FD-MIMO局20は,8より多いアンテナ素子を有するものとする。この8より多いアンテナ素子は,8より多いアンテナポートに分類される。上記のように,1つのアンテナ素子が1つのアンテナポートに対応してもよく,また,複数のアンテナ素子が1つのアンテナポートに対応してもよい。図4では,マクロ基地局10とFD-MIMO局20とが別々に配置されているが,マクロ基地局10が8より多いアンテナ素子を有するFD-MIMO局として構成されてもよい。また,FD-MIMO局20は,2次元配置したアンテナ素子を有するものとして記載されているが,1次元配置又は3次元配置したアンテナ素子を有してもよい。
[0036] FD-MIMO局20は,拡張されたアンテナポート数分のCSI-RSのマッピングを生成し,CSI-RSのマッピング情報を移動局30に送信する(S1)。例えば,FD-MIMO局20は,アンテナポート数と,CSI-RSのマッピングを示すインデックス(CSI reference signal configuration)とを移動局30に送信してもよい。このマッピング例については,図5を参照して以下に説明する。また,FD-MIMO局20は,生成されたマッピングに従ってCSI-RSをリソースブロック内のリソースエレメントに多重し,移動局30に送信する(S2)。移動局30は,CSI-RSのマッピング情報に従って,CSI-RSを抽出することができる。移動局30は,CSI-RSを用いてチャネル品質を測定し,CSIを生成し,CSIをFD-MIMO局20に送信する(S3)。」
「[0065] (2)3GPP標準のリリース10で規定されているCSI-RSのマッピングを組み合わせる手法
この手法においても,無線通信システムは図4と同様に構成される。ただし,拡張されたアンテナポート数分のCSI-RSのマッピングは,図1に示す所定数以下のアンテナポートについて規定されたCSI-RSのマッピングを組み合わせることにより生成する。
[0066] 例えば,アンテナポート数が32の場合,図1(C)に示す8アンテナポートのマッピングを4つ組み合わせることにより,32アンテナポート分のCSI-RSが確保できる。8アンテナポートの場合には,0~4のインデックス(CSI reference signal configuration)で示される5種類のCSI-RSのマッピングが可能である。例えば,このうち0~3を用いることで,32アンテナポート分のCSI-RSが確保できる。従って,FD-MIMO局20は,アンテナポート数を示す2ビットと,図2のテーブルにおける0,1,2,3のインデックスを移動局30に通知すればよい。なお,0,1,2,3のインデックスは,個別に4つのインデックスとして通知されてもよく,(0,3)という区間で通知されてもよい。
[0067] 通知するインデックスと,アンテナポートとの関係は,明示的に移動局30に通知されてもよく,予め決められた規則に従うものとしてもよい。例えば,図2のテーブルにおける0のインデックスがアンテナポート番号0~7に割り当てられ,1のインデックスがアンテナポート番号8~15に割り当てられ,2のインデックスがアンテナポート番号16~23に割り当てられ,3のインデックスがアンテナポート番号24~31に割り当てられるという情報を移動局30に通知してもよい。或いは,0,1,2,3というインデックスの順に,アンテナポート番号0~7,8~15,16~23,24~31に割り当てるという規則を基地局20及び移動局30にて予め設定してもよい。
[0068] 例えば,アンテナポート数が10の場合,図1(A)に示す2アンテナポートのマッピングと,図1(C)に示す8アンテナポートのマッピングとを組み合わせることにより,10アンテナポート分のCSI-RSが確保できる。2アンテナポートの場合には,0~19のインデックスで示される20種類のCSI-RSのマッピングが可能であり,8アンテナポートの場合には,0~5のインデックスで示される5種類のCSI-RSのマッピングが可能である。例えば,このうち2アンテナポート用のインデックス0と,8アンテナポート用のインデックス1とを組み合わせることで,10アンテナポート分のCSI-RSが確保できる。従って,基地局20は,2のアンテナポート数を示す2ビットと,図2のテーブルにおける0のインデックスと,8のアンテナポート数を示す2ビットと,図2のテーブルにおける1のインデックスとを移動局に通知すればよい。
[0069] このように,図1に示す1,2,4,8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングを組み合わせることにより,様々なアンテナポート数に対応可能になる。
[0070] なお,1,2,4,8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングの組み合わせは,CSI計算の際のCSIプロセス(CSI Process)と共に移動局に通知されてもよい。CSIプロセスとは,3GPP標準のリリース11において規定された移動局によるCSIフィードバックの詳細を示す情報である。CSIプロセスは,図8に示すように,CSI計算に用いる信号電力測定用リソース(CSI-RS resource)と,干渉信号測定用リソース(CSI-IM(CSI-interference management) resource)との組み合わせにより規定される。信号電力送信用リソースとは,自セル内の信号電力を測定するためのリソース構成を示すインデックスであり,干渉信号測定用リソースとは,自セル内の信号が存在せず,他セル内の信号電力測定のためのリソース構成を示すインデックスである。リリース11では,CSIプロセス毎に1つの信号電力測定用リソースと1つの干渉信号測定用リソースとを指定できる。CSIプロセス毎に複数の信号電力測定用リソース(例えば,#1,#2)と複数の干渉信号測定用リソース(例えば,#1,#2)とを指定することにより,拡張されたアンテナポート数分のCSI-RSのマッピングが移動局に通知されてもよい。
[0071] 基地局20及び移動局30は,以下の点を除き,図6及び図7と同様に構成される。
[0072] CSI-RSのマッピング情報格納部203は,図1(A)~(C)に示すようなマッピング情報を格納する。
[0073] CSI-RSのマッピング情報通知部205は,CSI-RSのマッピングを示す情報を移動局に通知する。例えば,32アンテナポートに対して0~3のインデックスで示される4種類のCSI-RSのマッピングを組み合わせる場合,CSI-RSのマッピング情報通知部205は,32のアンテナポート数を示す情報と,0~3のインデックスとを通知してもよい。例えば,10アンテナポートに対して2アンテナポート用の0のインデックスで示されるCSIのマッピングと,8アンテナポート用の1のインデックスで示されるCSIのマッピングとを組み合わせる場合,CSI-RSのマッピング情報通知部205は,2,8のアンテナポート数を示す情報と,0,1のインデックスとを通知してもよい。また,マッピング情報は,CSIプロセスと共に通知されてもよい。」

【図1】

【図2】

【図4】

[0006]及び図1によれば,「CSI-RSのマッピング」はCSI-RSのサブキャリアとシンボルの位置を特定している図である。

[0006]~[0008]及び図2によれば,アンテナポート数が1又は2の場合,インデックス0~19の20種類のマッピングを,アンテナポート数が4の場合,インデックス0~9の10種類のマッピングを,アンテナポート数が8の場合,インデックス0~4の5種類のマッピングを,それぞれ有している。

なお,[0068]の「0~5のインデックスで示される5種類のCSI-RSのマッピング」は「0~4のインデックスで示される5種類のCSI-RSのマッピング」の誤りであることは明らかである。

したがって,引用例1には,

「8より多い拡張されたアンテナポート数に対応可能なCSI-RSの構成を実現するための基地局において,
CSI-RSとは,チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)を測定するために用いられる参照信号(Reference Signal)であり,
周波数領域では,1リソースブロック内に1アンテナポート当たり1リソースエレメントが割当てられ,
CSI-RSのマッピングはCSI-RSのサブキャリアとシンボルの位置を特定している図であり,
続きを表示(全18行)
アンテナポート数が1又は2の場合,インデックス0~19の20種類のマッピングを,アンテナポート数が4の場合,インデックス0~9の10種類のマッピングを,アンテナポート数が8の場合,インデックス0~4の5種類のマッピングを,それぞれ有しており,
マクロ基地局10が8より多いアンテナ素子を有するFD-MIMO局として構成され,
拡張されたアンテナポート数分のCSI-RSのマッピングを生成し,CSI-RSのマッピング情報を移動局30に送信し,
移動局30は,CSI-RSのマッピング情報に従って,CSI-RSを抽出し,CSI-RSを用いてチャネル品質を測定し,CSIを生成し,CSIをFD-MIMO局に送信し,
3GPP標準のリリース10で規定されているCSI-RSのマッピングを組み合わせる手法であって,
所定数以下のアンテナポートについて規定されたCSI-RSのマッピングを組み合わせることにより生成し,
アンテナポート数が32の場合,8アンテナポートのマッピングを4つ組み合わせることにより,32アンテナポート分のCSI-RSを確保し,
8アンテナポートの場合には,0~4のインデックスで示される5種類のCSI-RSのマッピングが可能であるうち,例えば0~3を用いることで,32アンテナポート分のCSI-RSを確保し,
0のインデックスがアンテナポート番号0~7に割り当てられ,1のインデックスがアンテナポート番号8~15に割り当てられ,2のインデックスがアンテナポート番号16~23に割り当てられ,3のインデックスがアンテナポート番号24~31に割り当てられるという情報を移動局30に通知し,
アンテナポート数が10の場合,2アンテナポートのマッピングと,8アンテナポートのマッピングとを組み合わせることにより,10アンテナポート分のCSI-RSを確保し,
2アンテナポートの場合には,0~19のインデックスで示される20種類のCSI-RSのマッピングが可能であり,8アンテナポートの場合には,0~4のインデックスで示される5種類のCSI-RSのマッピングが可能であるうち,例えば,2アンテナポート用のインデックス0と,8アンテナポート用のインデックス1とを組み合わせることで,10アンテナポート分のCSI-RSを確保し,
2のアンテナポート数を示す2ビットと,0のインデックスと,8のアンテナポート数を示す2ビットと,1のインデックスとを移動局に通知し,
1,2,4,8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングを組み合わせることにより,様々なアンテナポート数に対応可能になる
手法。」

が記載されている。(以下,「引用発明」という。)

5.本願発明と引用発明の対比

(1)引用発明の「移動局30」は,本願発明の「ユーザ機器(UE)」に,

引用発明の「マクロ基地局10」「FD-MIMO局」は,本願発明の「基地局」に,それぞれ相当する。

(2)本願明細書の【0555】に「チャネル状態情報測定のために使用される基準信号はCSI-RS(Channel State Information Reference Signal,チャネル状態情報基準信号)と呼ばれる。」と記載されており,引用発明の「CSI-RS」は,チャネル状態情報(CSI:Channel State Information)を測定するために用いられる参照信号(Reference Signal)であるから,引用発明の「CSI-RS」は,本願発明の「基準信号」に含まれる。

また,引用発明の「CSI-RSのマッピング」はCSI-RSのサブキャリアとシンボルの位置を特定している図であり,サブキャリアとシンボルはそれぞれ周波数リソースと時間リソースであるから,「時間-周波数リソース」がマッピングされる位置を示している。

したがって,引用発明の「CSR-RSのマッピング」は,本願発明の「基準信号リソースマッピング図」に含まれ,「基準信号の時間-周波数リソースがマッピングされる位置」である。

(3)引用発明は,拡張されたアンテナポート数分のCSI-RSのマッピングを生成し,CSI-RSのマッピング情報を移動局30に送信し,移動局30は,CSI-RSのマッピング情報に従って,CSI-RSを抽出し,CSI-RSを用いてチャネル品質を測定し,CSIを生成し,CSIをFD-MIMO局20に送信している。

つまり,「移動局30」は,CSI-RSのマッピング情報を受信し,CSI-RSのマッピング情報に従ってCSI-RSを取得し,CSI-RSを用いてチャネル品質を測定し,CSIを生成し,CSIを基地局20にフィードバックとして送信しているといえる。

そうすると,上記(1)(2)に記載したように,引用発明の「移動局30」は本願発明の「ユーザ機器(UE)」に相当し,引用発明の「CSI-RS」は本願発明の「基準信号」に含まれるから,引用発明は,ユーザ機器によって,「基準信号リソースマッピング図を受信し,基準信号リソースマッピング図に従って基準信号を取得」し,ユーザ機器によって,「基準信号を用いてチャネル測定し,CSIを生成し,CSIを基地局にフィードバックする」といえる。

また,引用発明は,受信したSCI-RSのマッピングに従ってチャネル測定し,生成したCSIを基地局にフィードバックしている「手法」であるから,全体として「チャネル測定方法」であるといえる。

(4)引用発明において,

アンテナポート数が1又は2の場合,インデックス0~19の20種類のCSI-RSのマッピングを,

アンテナポート数が4の場合,インデックス0~9の10種類のCSI-RSのマッピングを,

アンテナポート数が8の場合,インデックス0~4の5種類のCSI-RSのマッピングを,

それぞれ有しており,アンテナポート数を表す1,2,4,8は8以下の2nを満たす整数である。

つまり,アンテナポート数が「1又は2アンテナポート」「4アンテナポート」「8アンテナポート」の場合,それぞれ「20個(種類)」「10個(種類)」「5個(種類)」のCSI-RSのマッピングを有しているといえる。

そうすると,引用発明の「5種類の8アンテナポート用のCSI-RSのマッピング」「10種類の4アンテナポート用のCSI-RSのマッピング」「20種類の1又は2アンテナポート用のCSI-RSのマッピング」は,全体で35個の「CSI-RSのマッピング」であるから,本願発明の「K1個の第1の基準信号リソースマッピング図」であると同時に,アンテナポート数を表す「8」「4」「1又は2」は「Yが8以下で2nを満たす整数」に含まれるから,「Yポートの基準信号リソースマッピング図」でもある。

一方,

10ポートのCSI-RSにおいて「2アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス0と,8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス1とを組み合わせ」の場合であれば,「2アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス0」と「8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス1」を用いて作成されているから,「2アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス0」及び「8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス1」と相関関係が存在し,

32ポートのCSI-RSにおいて「8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス0~3」を用いる場合であれば,「8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス0」「8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス1」「8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス2」「8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス3」を用いて作成されているから,「8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス0」「8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス1」「8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス2」「8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス3」と相関関係が存在している。

つまり,32ポートと10ポートのCSI-RSのマッピングの各々は,「2,8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングを組み合わせ」て作成されているから,「1,2,4,8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングの少なくとも1つ」と相関関係が存在しており,アンテナポート数を表す「10」と「32」はいずれも8より大きい整数である。

そうすると,引用発明の「10,32ポートのCSI-RSのマッピング」は,本願発明の「第2の基準信号リソースマッピング図」であると同時に,アンテナポート数を表す「10」,「32」はいずれも8より大きい整数であり,「Xは8より大きい整数,または8より小さく2nを満たさない整数」に含まれるから,「Xポートの基準信号リソースマッピング図」でもある。

したがって,「第2の基準信号リソースマッピング図とK1個の第1の基準信号リソースマッピング図の少なくとも1つとの間に相関関係が存在」しているといえる。

したがって,

「チャネル測定方法であって,
ユーザ機器(UE)によって,基準信号リソースマッピング図を取得し,前記基準信号リソースマッピング図に従って基準信号を取得するステップと,
前記UEによって,前記基準信号に従ってチャネル測定を実行してチャネル状態情報を決定し,前記チャネル状態情報を基地局にフィードバックするステップと,を備え,
前記基準信号リソースマッピング図が,前記基準信号の時間-周波数リソースがマッピングされる位置であり,前記基準信号リソースマッピング図が,第1の基準信号リソースマッピング図または第2の基準信号リソースマッピング図であり,第2の基準信号リソースマッピング図とK1個の第1の基準信号リソースマッピング図のうちの少なくとも1つとの間に相関関係が存在し,K1が前記第1の基準信号リソースマッピング図の数であり,K1が1以上の整数であり,
前記第1の基準信号リソースマッピング図がYポートの基準信号リソースマッピング図であり,前記第2の基準信号リソースマッピング図がXポートの基準信号リソースマッピング図であり,Yが8以下で2nを満たす整数であり,Xが8より大きい整数,または8より小さく2nを満たさない整数である,チャネル測定方法。」

で一致し,

本願発明は,第2の基準信号リソースマッピング図について,

(A)1以上の整数であるK2個に対し,

(B)K2個の第2の基準信号リソースマッピング図の各々とK1個の基準信号リソースマッピング図のうちの少なくとも1つとの間に相関関係が存在し,

(C)K2個の第2の基準信号リソースマッピング図のうちの少なくとも2つは重複するリソースを有する

のに対し,引用発明は,第2の基準信号リソースマッピング図について,

第2の基準信号リソースマッピング図は「1つ」が示され,K1個の基準信号リソースマッピング図のうちの少なくとも1つとの間に相関関係が存在するものの,

(a)1以上の整数であるK2個に対し,

(b)「K2個の第2の基準信号リソースマッピング図の各々」とK1個の基準信号リソースマッピング図のうちの少なくとも1つとの間に相関関係が存在する

(c)K2個の第2の基準信号リソースマッピング図のうちの少なくとも2つは重複するリソースを有する

かどうか記載が無い点。

で相違する。

6.当審の判断

相違点について

(a)引用発明において,32アンテナポートの場合は,0~4の5種類の8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングから「4つ組み合わせる」のであり,「4つ組み合わせ」は,「0,1,2,3」のインデックス以外にも「0,1,2,4」「0,1,3,4」「0,2,3,4」「1,2,3,4」の全部で5通り(5個)の「4つ組み合わせ」が存在することは,平成30年11月8日付けの拒絶理由通知における引用文献2の[0095]に,「As a method of selecting M 8-port CSI-RS transmission patterns from among five 8-port CSI-RS transmission patterns, 5CM may be used.」とも記載されるように,数学の常識である。

ここで,2アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス「0,5,10,11」と8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス「0」,

2アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス「1,6,12,13」と8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス「1」,

2アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス「2,7,14,15」と8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス「2」,

2アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス「3,8,16,17」と8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス「3」,

2アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス「4,9,18,19」と8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス「4」は,

割り当てられているリソースエレメントが重複していることは,図1及び図2に示されるそれぞれの時間-周波数リソースを参照すれば自明である。

引用発明は「周波数領域では,1リソースブロック内に1アンテナポート当たり1リソースエレメントが割当てられ」る,すなわち,各アンテナポートに対して別々のリソースエレメントを割当てるのであるから,10アンテナポートの場合に,0~19のインデックスで示される20種類の2アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのいずれか1つと,0~4のインデックスで示される5種類の8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのいずれか1つを組み合わせるにあたり,上記の重複する組み合わせを採用することはできない。

つまり,引用発明において,10アンテナポートの場合は,20種類の2アンテナポート用のCSI-RSのマッピングの各々に対して4種類の8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングが選択可能であるから,全部で80通り(80個)の「2アンテナポート用のCSI-RSのマッピングと8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングの組み合わせ」が存在することが,数学の常識である。

上記によれば,32アンテナポートも10アンテナポートも,複数個のCSI-RSのマッピングが存在することは明らかであり,「1,2,4,8アンテナポートのCSI-RSのマッピング」を組み合わせて作成される,32又は10以外のMアンテナポートのCSI-RSのマッピングについても同様に,複数個のCSI-RSのマッピングが存在することは明らかである。

ここで,「1,2,4,8」が2nであること,二進法として知られるように2nの組み合わせにより全ての1以上の整数が表記可能であることは,いずれも数学の常識であるから,引用発明において,「1,2,4,8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングを組み合わせることにより,様々なアンテナポート数に対応可能」の記載の「様々なアンテナポート数」とは,32や10に限定されない「8より大きい整数,または8より小さく2nを満たさない整数」である。

すなわち,8より大きい整数,または8より小さく2nを満たさない整数に対してK2個(K2>1)個のCSI-RSのマッピングが存在すると理解することも,当業者であれば容易に想到しうることである。

なお,第2の基準信号リソースマッピング図のXポートの,「Xが8より大きい整数,または8より小さく2nを満たさない整数」については,10,32,すなわち「Xが8より大きい整数」について引用発明に記載されているから相違点ではないが,「8より小さく2nを満たさない整数」についても上記のとおり容易に想到しうることである。

(b)そして,「1,2,4,8アンテナポート用のCSI-RSのマッピング」を組み合わせることは,何れの組み合わせについても,組み合わせる対象の「1又は2アンテナポート用のCSI-RSのマッピング」「4アンテナポート用のCSI-RSのマッピング」「8アンテナポート用のCSI-RSのマッピング」のいずれかを用いて作成されているから,(a)に記載した「1,2,4,8アンテナポートのCSI-RSのマッピングを組み合わせて作成される様々なアンテナポート数のCSI-RSのマッピング」は,「1,2,4,8アンテナポート用のCSI-RSのマッピング」と相関関係が存在しているといえる。

そうすると,(a)に記載したように「様々なポート数用のCSI-RSのマッピング」は「K2個の第2の基準信号リソースマッピング図」であり,5.(4)に記載したように,「1,2,4,8アンテナポート用のCSI-RSのマッピング」は「K1個の第1の基準信号リソースマッピング図」であるから,「K2個の第2の基準信号リソースマッピング図の各々」は,「K1個の第1の基準信号リソースマッピング図」と相関関係が存在しているといえる。

(c)また,「1,2,4,8アンテナポート用のCSI-RSのマッピング」を組み合わせるにあたり,

例えば,32アンテナポート用のCSI-RSのマッピングの「インデックス0」が,(a)に記載した5通りの「4つ組み合わせ」のうち,「0,1,2,3」「0,1,2,4」「0,1,3,4」「0,2,3,4」の4通りの「4つ組み合わせ」で用いられ,

10アンテナポート用のCSI-RSのマッピングの「2アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス0」が(a)に記載した80通りの組み合わせのうち,「2アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス0と8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングのインデックス1」「2アンテナポート用のCSI-RSのインデックス0と8アンテナポート用のCSI-RSのインデックス2」「2アンテナポート用のCSI-RSのインデックス0と8アンテナポート用のCSI-RSのインデックス3」「2アンテナポート用のCSI-RSのインデックス0と8アンテナポート用のCSI-RSのインデックス4」との4通りの組み合わせで用いられるように,

「第1の基準信号リソースマッピング図の特定のマッピング図」を「複数の第2の基準信号リソースマッピング図」を作成する際に用いるのであるから,「10,32アンテナポート用のCSI-RSのマッピング」の少なくとも2つは,同じインデックス,すなわち重複するリソースを有していることは明らかであり,その他の組み合わせについても,所定のインデックスが複数の組み合わせに用いられるから,「K2個の第2の基準信号リソースマッピング図のうちの少なくとも2つは重複するリソースを有している」といえる。

したがって,相違点は,引用発明と数学の常識に基づいて容易に想到しうることである。

7.請求人の主張

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請求人は,平成31年1月31日の意見書および審判請求書において,

「引用文献1の図2において、各々の8ポートのマッピング図は、複数の2ポートによって得られ、より重要なことは、異なる8ポートのマッピング図のリソースは全く重複しません。同様の原理は当然に保たれ得ます。」

と主張している。

確かに引用発明において,5個(種類)の「8アンテナポート用のCSI-RSのマッピング」は重複しないが,8アンテナポート用のCSI-RSのマッピングは,「第1の基準信号リソースマッピング図」である一方,本願発明において,少なくとも2つが重複するリソースを有するのは「第2の基準信号リソースマッピング図」であって「第1の基準信号リソースマッピング図」ではない。

さらに,本願明細書の【0670】-【0672】及び図5に記載されるように,本願実施例においても,5個の8ポートの基準信号リソースマッピング図は,重複していないのであるから,本願発明の実施例を参照しても引用発明と差異はなく,請求人の主張は採用されない。

8.むすび

以上のとおり,本願発明は,引用発明及び数学の常識に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって,結論のとおり審決する。

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2019-009561

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