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特許拒絶査定不服審判

2019-005879

遊技機

審判番号
2019-005879
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-193354外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年05月07日
審決日
2020年01月07日
公報発行日
2020年04月24日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第4号、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2016-193354号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 1月26日出願公開、特開2017- 18671号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成24年3月29日に出願した特願2012-75492号の一部を平成28年9月30日に新たな特許出願(特願2016-193354号)としたものであって、平成29年3月16日に手続補正書が提出され、同年8月31日付けで拒絶の理由が通知され、同年12月26日に意見書及び手続補正書が提出され、平成30年3月23日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年8月2日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成31年1月30日付け(送達日:同年2月5日)で、平成30年8月2日に提出された手続補正書による補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、それに対して、令和1年5月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 令和1年5月7日付けの手続補正 令和1年5月7日付けの手続補正のうち特許請求の範囲についてする補正は、請求項1において、補正前の「所定期間」を「所定時間」とし、補正前の「前記所定の期間状態」を「前記異常報知期間」とするものであり、いずれも特許法第17条の2第5項第4号に規定する明りょうでない記載の釈明を目的とするものと認められる。 よって、令和1年5月7日付けの手続補正は、特許法第17条の2第5項の規定を満たしている。 また、上記特許請求の範囲についてする補正、及び当該補正と同様に明細書の段落【0007】においてする補正は、願書の最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面における段落【0631】、【0632】の記載に基づくものであり、新たな技術事項を導入するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしている。 以上のとおり、令和1年5月7日付けの手続補正は適法なものである。 第3 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、令和1年5月7日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定された、次のとおりのものである(A~Lは分説のために当審にて付した)。 「【請求項1】 A 遊技機に対する異常状態を報知する報知音と、遊技の進行による演出音とを出力する複数の音声出力手段と、 B 演出表示手段と、 C 前記音声出力手段から出力する音量を調整可能な第1音量調整手段と、D 前記音声出力手段と前記演出表示手段とを演出の進行にもとづいて制御する演出制御手段と、 E 前記音声出力手段から出力する音量を調整可能な前記第1音量調整手段とは異なる第2音量調整手段と、 F を備える遊技機において、 G 前記第1音量調整手段と前記第2音量調整手段のうち、前記第1音量調整手段は、遊技者が操作することができない調整手段とされ、 H 前記演出制御手段は、 H-1 前記第1音量調整手段が操作されたことにより該操作に応じて演出音の音量を設定する演出音音量設定制御手段と、 H-2 前記演出表示手段が待機状態とされている期間において、遊技者が操作可能な前記第2音量調整手段が操作されたことにより該操作に応じて前記演出音音量設定制御手段が設定した演出音の音量を変更する演出音音量変更制御手段と、 H-3 異常状態に基づく異常報知期間において前記遊技機に対する異常状態を報知するための前記報知音の音量を設定する報知音音量設定制御手段と、 H-4 前記遊技機に対する異常状態を報知する前記報知音が前記音声出力手段から出力される前記異常報知期間を所定時間経過したことによって終了させる報知期間終了手段と、 H-5 前記演出音の音量が前記演出音音量変更制御手段によりいずれの音量に変更されていても、前記遊技機に対する異常状態が発生した場合に、前記演出音音量変更制御手段により変更された音量を消音させる演出音消音制御手段と、 H-6 前記遊技機に対する異常状態が発生した際に前記演出音消音制御手段により消音に変更設定された前記演出音の音量を前記報知期間終了手段によって前記異常報知期間が所定時間経過し終了すると復旧設定させるとともに、前記異常報知期間に亘って消音に変更設定される前記演出音を前記異常報知期間の間も停止することなく進行を継続させ、復旧設定される際に進行した状態で復旧させる演出音進行継続制御手段と、 H-7 前記演出音及び前記報知音を前記音声出力手段から出力する制御を実行する音出力実行制御手段と、を備え、 I 前記報知音音量設定制御手段は、 I-1 前記演出音音量設定制御手段が前記第1音量調整手段の操作に応じて前記演出音の音量を小さく設定している状態又は前記演出音音量変更制御手段が前記第2音量調整手段の操作に応じて前記演出音音量設定制御手段が設定した前記演出音の音量を小さく変更している状態であっても、前記異常報知期間においては、当該演出音の音量と比べて大きい音量を前記報知音の音量として設定し、 J 前記演出音進行継続制御手段は、 J-1 前記異常報知期間が発生する以前に前記演出音音量変更制御手段にて前記演出音の音量が変更されていない場合には、前記異常報知期間が所定時間経過し終了すると復旧設定される前記演出音の音量を前記第1音量調整手段で調整されている音量に設定し、 前記異常報知期間が発生する以前に前記演出音音量変更制御手段により前記演出音の音量が変更されていた場合には、前記異常報知期間が所定時間経過し終了すると復旧設定される前記演出音の音量を前記第1音量調整手段で調整されている音量に設定せず、前記異常報知期間が発生する以前に前記第2音量調整手段の操作に応じて前記演出音音量変更制御手段により変更されていた演出音の音量に設定させ、 K 前記音出力実行制御手段は、前記異常報知期間においては、前記異常報知期間以外に出力しない前記報知音の音データを前記異常報知期間以外に出力する前記演出音の音データに加えて出力することで前記報知音を前記音声出力手段から出力し聴取可能にしている L ことを特徴とする遊技機。」 第4 引用文献 1 引用文献1 原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった刊行物である特開2008-54930号公報(以下、「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている(下線は当審にて付した)。 (1-a)「【0006】 本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、遊技機に異常が発生した場合に、その異常発生を効果的に報知することができる遊技機を提供することを目的とするものである。」 (1-b)「【0035】 以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開又は分解して示す斜視図、図3はパチンコ機10を構成する本体枠12の前面構成を示す正面図である。なお、図2、図3では便宜上、パチンコ機10の遊技領域内の構成を空白としている。」 (1-c)「【0242】 表示制御基板214aは、主制御基板271aから出力された各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御やランプ制御装置272の制御を行うとともに、スピーカ20の駆動制御を行う。ここでは、スピーカ20の駆動制御のうち、スピーカ20から出力させる可聴音の内容や音量を制御する可聴音制御処理について図43のフローチャートを用いて説明する。 ・・・ 【0247】 ステップS1706では、音量スイッチ281の状態を読み込み、ステップS1707では、演出音の音量を設定する音量設定処理を行う。本パチンコ機10には、音量を3段階に調節可能な音量スイッチ281が設けられており、出力用データをスピーカ20に対して出力するための出力経路が設けられている。出力経路として、大音量経路、小音量経路、切経路の3つの経路が設けられており、各経路は、表示制御基板214aに形成された配線パターン、及び表示制御基板214aとスピーカ20とを接続する信号線等によりなっている。 【0248】 大音量経路には、可聴音を大音量で出力するための増幅回路が接続され、小音量経路には、可聴音を小音量で出力するための増幅回路が接続され、切経路には、可聴音を出力しないための回路が接続されている。そして、音量設定処理では、音量スイッチ281の状態に応じて、出力用データを出力する出力経路を設定する。具体的には、音量スイッチ281が「大」に調節されていれば出力経路として大音量経路を設定し、音量スイッチ281が「小」に調節されていれば出力経路として小音量経路を設定し、音量スイッチ281が「切」に調節されていれば出力経路として切経路を設定する。 【0249】 ステップS1707の処理後、ステップS1708に進み、出力データとして設定した演出音データを、音量スイッチ281の状態に応じた出力経路からスピーカ20に対して順次出力する処理を行い、本処理を終了する。当該処理により、例えば第1図柄の変動表示態様に応じたメロディ等の演出音が音量スイッチ281により設定された音量でスピーカ20から出力されることとなる。 ・・・ 【0251】 ステップS1711の処理後、ステップS1712に進み、スピーカ20から出力させる異常報知音を設定するための異常報知音設定処理を行う。異常報知音設定処理では、例えば「ピーピーピー」といった異常報知音をスピーカ20から出力させるべく、ROMに予め記憶された異常報知音データを出力用データとして設定する。ステップS1713では、出力用データとして設定した異常報知音データを出力する出力経路として大音量経路を設定する。このとき、演出音をスピーカ20から出力させている場合には、演出音データの出力経路を切経路に変更する。 【0252】 ステップS1713の処理後、ステップS1708に進み、出力用データとして設定した異常報知音データを大音量経路からスピーカ20に対して順次出力する処理を行い、本処理を終了する。また、演出音がスピーカ20から出力されている場合には、演出音データを切経路からスピーカ20に対して順次出力する処理を行う。したがって、スピーカ20からの演出音の出力が停止され、スピーカ20からは大音量の異常報知音のみが出力されることとなる。 ・・・ 【0254】 一方、エラーコマンドを受信した場合には、主制御基板271aが、パチンコ機10に何らかの異常が発生したことを検出したことを意味する。かかる場合には、ステップS1715進み、RAMに設けられたエラーフラグ格納エリアにエラーフラグをセットする。ステップS1715の処理後、ステップS1712に進み、スピーカ20から出力させる異常報知音を設定するための異常報知音設定処理を行う。ここでの異常報知音設定処理では、表示初期化コマンドを受信した場合と同じ異常報知音データを出力用データとして設定する。ステップS1713では、表示初期化コマンドを受信した場合と同様に、出力用データとして設定した異常報知音データを出力する出力経路として大音量経路を設定する。このとき、演出音をスピーカ20から出力させている場合には、演出音データの出力経路を切経路に変更する。 ・・・ 【0257】 状態復帰処理では、図44に示すように、ステップS1801にて、主制御基板271aから状態復帰コマンドを受信したか否かを判定する。状態復帰コマンドを受信した場合、ステップS1802に進み、エラーフラグをクリアする。続くステップS1803では、可聴音の状態復帰処理を行う。具体的には、大音量経路からの異常報知音データの出力を停止する。また、演出音データの出力経路を、音量スイッチ281の状態に応じた出力経路に変更する。当該処理により、異常が解消された場合には、スピーカ20から音量スイッチ281の状態に応じた音量で演出音が出力されることとなる。」 (1-d)「【0283】 (k)上記実施の形態では、表示制御装置214が表示初期化コマンド又はエラーコマンドを受信した場合、スピーカ20から大音量の異常報知音のみを出力させる構成としたが、異常報知音と並行して演出音を出力する構成としても良い。例えば、表示制御装置214が表示初期化コマンド又はエラーコマンドを受信した場合、異常報知音データを出力する出力経路として大音量経路を設定するとともに、演出音データを出力する出力経路として音量スイッチ281の状態に応じた経路を設定する。これにより、スピーカ20から異常報知音とともに演出音を出力させることができる。但し、音量スイッチ281が「大」に調節されている場合、演出音データを出力する出力経路として大音量経路が設定される。この場合、スピーカ20から出力される演出音が大音量となるため、異常報知音が演出音に紛れるおそれがある。したがって、演出音データを出力する出力経路を小音量経路又は切経路とし、スピーカ20から出力される演出音の音量を異常報知音の音量より小さくすることが望ましい。」 (1-e)「【0284】 (l)上記実施の形態では、表示制御装置214が表示コマンドを受信する毎に音量スイッチ281の状態を読み込む構成としたが、パチンコ機10の背面側に音量スイッチ281が設けられているのであれば、パチンコ機10の電源投入時にのみ音量スイッチ281の状態を読み込む構成としても良い。この場合、表示制御装置214は、読み込んだ音量スイッチ281の状態をRAMに記憶し、状態に応じたフラグをフラグ格納エリアにセットする。そして、表示コマンドを受信した場合は、いずれのフラグがセットされているかを読み込んで音量設定を行う。パチンコ機10の背面側に音量スイッチ281が設けられている構成であれば、遊技ホールの管理者等が電源投入時に音量を設定し、営業時間内は音量調節を行わないことが一般的であるからである。」 上記(1-a)~(1-e)の記載事項を総合すると、引用文献1には、次の発明が記載されていると認められる(以下、「引用発明」という。)。 「a 遊技機に異常が発生した場合に異常報知音が出力され、第1図柄の変動表示態様に応じたメロディ等の演出音が出力されるスピーカ20と(段落【0006】、【0249】、【0251】)、 b 図柄表示装置41と(段落【0242】)、 c スピーカ20から出力される音量を調節可能な音量スイッチ281と(【0247】)、 d 図柄表示装置41の表示制御やスピーカ20の駆動制御を行う表示制御基板214aと(段落【0242】)、 f を備えるパチンコ機10であって(段落【0035】)、 g パチンコ機10の背面側に音量スイッチ281が設けられ、遊技ホールの管理者等が電源投入時に音量を設定し(段落【0284】)、 h 表示制御基板214aは(段落【0242】)、 h-1 音量スイッチ281の状態を読み込み、演出音の音量を設定する音量設定処理を行い(段落【0247】)、 h-3 エラーコマンドを受信した場合には、スピーカ20から出力させる異常報知音を設定するための異常報知音設定処理を行い、異常報知音データを出力する出力経路として大音量経路を設定し(段落【0254】)、 h-4 状態復帰コマンドを受信した場合、大音量経路からの異常報知音データの出力を停止する状態復帰処理を行い(段落【0257】) h-5 エラーコマンドを受信した場合には、音量スイッチ281により設定されたスピーカ20からの演出音の出力を停止し(段落【0247】、【0252】、【0254】)、 h-6 エラーコマンドを受信した場合に、音量スイッチ281により設定された演出音をスピーカ20から出力させている場合には、演出音データの出力経路を切経路に変更し、演出音データを切経路からスピーカ20に対して順次出力する処理を行い、状態復帰コマンドを受信した場合、スピーカ20から音量スイッチ281の状態に応じた音量で演出音が出力される状態復帰処理を行い(段落【0247】、【0252】、【0254】、【0257】)、 h-7 演出音データ及び異常報知音データをスピーカ20に対して順次出力する処理を行い(段落【0249】、【0252】)、 i 表示制御基板214aは(段落【0242】)、 i-1 演出音の音量を設定する音量スイッチ281が「小」に調節されていれば出力経路として小音量経路を設定し、エラーコマンドを受信した場合には、スピーカ20からの演出音の出力を停止し、スピーカ20からは大音量の異常報知音のみを出力し(段落【0247】、【0248】、【0252】、【0254】)、 j 表示制御基板214aは(段落【0242】)、 j-1 状態復帰コマンドを受信した場合、音量スイッチ281の状態に応じた音量で演出音を出力し(段落【0257】)、 k 表示制御基板214aは、エラーコマンドを受信した場合、異常報知音と並行して演出音を出力し、異常報知音データを大音量経路からスピーカ20に対して順次出力する処理を行い、演出音データを切経路からスピーカ20に対して順次出力する処理を行う(段落【0252】、【0283】) l パチンコ機10(段落【0035】)。 2 引用文献2 同じく原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった刊行物である特開2007-89649号公報(以下、「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている(下線は当審で付した)。 (2-a)「【0045】 (パチンコ機正面側の構成) 図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の斜視図である。図1,2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11の一側部に開閉可能に支持された内枠12とを備えている。以下に、外枠11と内枠12との構成を個別に説明する。」 (2-b)「【0053】 一方、前面枠セット14の下部(上述の下皿15の上方位置)には、遊技球の受皿としての上皿19が前面枠セット14と一体的に設けられている。この上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら発射装置38の方へ導出するための球受皿である。この上皿19も下皿15と同様、表面層が難燃性のABS樹脂にて成形される構成となっている。また、上皿19の左下方には、装飾図柄表示装置42の背景を変える等の操作を遊技者が行うための演出変更ボタン79及び音響装置の出力音量を調節する操作を遊技者が行うための十文字形状の音量調節ボタン81が設けられている。なお、図1及び図2には前面枠セット14に対し直接的に上皿19が設けられている場合を示したが、下皿15と前面枠セット14との間に内枠12に対して開閉可能な前飾り枠(図示せず)を更に設け、前飾り枠に上皿19を設けてもよい。この場合には、演出変更ボタン79や音量調節ボタン81は、前飾り枠に設けてもよい。」 (2-c)「【0157】 次いで、図19を参照して、サブ制御装置262の通常処理について説明する。先ず1ms以上経過したか否かが判断される(S1031)。1ms経過前であれば(S1031:No)、装飾図柄に関連する、外れ図柄や大当たり図柄、予告図柄等の生成のための乱数を更新する(S1042)。具体的には、大当たり装飾図柄(特定図柄用)カウンタ、大当たり装飾図柄(非特定図柄用)カウンタ、リーチ装飾図柄カウンタ、完全外れ装飾図柄カウンタ、予告図柄等の演出用図柄カウンタ等が設けられており、これら装飾図柄に関連するカウンタの値を更新する。なお、これらのカウンタの値はランダムに更新する。即ち、MPU550に内蔵のRレジスタの値を用いることにより、これらのカウンタの値をランダムに更新する。即ち、これらのカウンタの更新時には、前回値にRレジスタの下位2ビットの値が加算され、その加算結果が最大値を超えた場合に「6」が減算されて今回値が決定される。 ・・・ 【0162】 次いで、遊技者による音量入力装置620の音量調節ボタン81の入力操作を確認し、入力操作があったときは、遊技者によって調節可能な音量系統群の各々に対応する設定音量情報を変更する(可変音量変更処理;S1037)。 【0163】 ここで、図20を参照して、可変音量変更処理S1037について具体例に基づいて説明する。なお、図20に示された可変音量変更処理S1037に基づく音量調節は、装飾図柄の変動が行われていない場合のみに行える。また、可変音量変更処理S1037は、サブ制御装置262(図6参照)の通常処理のループ間隔と実質的に同一の一定間隔(4ms)で繰り返し実行され、可変音量変更処理S1037の複数回の実行によって、遊技者可変の音量系統群の各々に対する設定音量情報が変更される。また、この可変音量変更処理S1037に基づく音量調節では、遊技者可変の各音量系統に対する候補音量情報が決定された後に、一括して、遊技者可変の音量系統群の各々に対する設定音量情報が決定された候補音量情報に変更される。」 (2-d)「【0203】 音量系統情報保持手段(ROM551(図6参照)の一部の領域)701は、音響制御コマンドの種類と音量系統の種類との対応を表す音量系統テーブル(音量系統情報)を保持している。音量系統情報保持手段907がROM551の一部の領域であるために、音量系統テーブルは不揮発性のデータである。本形態では、複数種類の音量系統は、遊技者によって個別に調節できる第1の音量系統~第4の音量系統(遊技者可変の音量系統群)と遊技者及び管理者の双方によって調節できない第5の音量系統(固定音量系統)からなる。各音響制御コマンドは、第1の音量系統~第5の音量系統のいずれか1つの音量系統に属している。 【0204】 具体的には、図30に示されたように、通常リーチを指定する変動パターン指定コマンドAが第1の音量系統(図26中の「0」)に属し、スーパーリーチを指定する変動パターン指定コマンドBが第2の音量系統(図30中の「1」)に属し、プレミアムリーチを指定する変動パターン指定コマンドCが第3の音量系統(図30中の「2」)に属し、変動パターン指定コマンドA~C、エラーコマンド及び特別演出コマンド以外の他のコマンドが第4の音量系統(図30中の「3」)に属し、エラーコマンド及び大当たり中の演出を制御する特別演出コマンド(図中のファンファーレコマンド、開放中コマンド、エンディングコマンド等)が第5の音量系統(図30中の「4」)に属している。 ・・・ 【0237】 上記の構成であれば、遊技者が、音量入力装置620の操作によって、複数種類の音量系統のうちの特定の音量系統(遊技者可変の音量系統)の音量を調節できる。また、標準音量情報保持手段と、待機時間保持手段と、音量リセット手段とを有することによって、一旦遊技者によって変更された音量設定を、標準的な音量設定に自動的に戻すことができる。これにより、前の遊技者が音量設定を変更していたとしても、次の遊技者が音量調節する際に、標準的な音量設定に戻っているために、所望の音量調節を簡便に行える。」 上記(2-a)~(2-d)の記載事項を総合すると、引用文献2には、次の事項が記載されていると認められる(以下「引用文献2記載の事項」という)。 「e、g、h-2 音響装置の出力音量を調節する操作を遊技者が行うための音量調節ボタン81の入力操作があったときは、サブ制御装置262は、通常リーチを指定する変動パターン指定コマンドAが属する第1の音量系統、スーパーリーチを指定する変動パターン指定コマンドBが属する第2の音量系統、プレミアムリーチを指定する変動パターン指定コマンドCが属する第3の音量系統、変動パターン指定コマンドA~C、エラーコマンド及び特別演出コマンド以外の他のコマンドが属する第4の音量系統の音量に対応する設定音量情報を変更し、音量調節は、装飾図柄の変動が行われていない場合のみに行う(段落【0053】、【0157】、【0162】、【0163】、【0203】、【0204】、【0237】) l パチンコ機10(段落【0045】)。」 第5 対比 本願発明と引用発明とを対比する(下記の見出しの(a)~(l)は、引用発明の構成に対応している)。 (a)引用発明の構成aにおける「異常報知音」、「演出音」及び「スピーカ20」は、それぞれ、本願発明の構成Aの「報知音」、「演出音」及び「音声出力手段」に相当する。 してみると、引用発明の構成aは、本願発明の構成Aに相当する。 (b)引用発明の構成bにおける「図柄表示装置41」は、本願発明の構成Bの「演出表示手段」に相当する。 してみると、引用発明の構成bは、本願発明の構成Bに相当する。 (c)引用発明の構成cにおける「音量スイッチ281」は、本願発明の構成Cの「第1音量調整手段」に相当する。 してみると、引用発明の構成cは、本願発明の構成Cに相当する。 (d)引用発明の構成dにおける「表示制御」及び「駆動制御」は、演出の進行にもとづいて行われることは自明であるから、引用発明の構成dにおける「表示制御や」「駆動制御を行う」こと、「表示制御基板214a」は、それぞれ、本願発明の構成Dの「演出の進行にもとづいて制御する」こと、「演出制御手段」に相当する してみると、引用発明の構成dは、本願発明の構成Dに相当する。 (f)引用発明の構成fにおける「パチンコ機10」は、本願発明の構成Fの「遊技機」に相当する。 してみると、引用発明の構成fは、本願発明の構成Fに相当する。 (g)引用発明の構成gにおいて、「遊技ホールの管理者等が」「音量を設定」する「音量スイッチ281」は「パチンコ機10の背面側に」「設けられ」るということは、「音量スイッチ281」は遊技者が操作することができないことは自明であるから、引用発明の構成gにおける「音量スイッチ281」は、本願発明の構成Gの「遊技者が操作することができない調整手段」に相当する。 してみると、引用発明の構成gは、本願発明の構成Gと、「第1音量調整手段は、遊技者が操作することができない調整手段とされ」る点で共通する。 (h-1)引用発明の構成h-1における「音量スイッチ281の状態を読み込み、演出音の音量を設定する音量設定処理を行」うことは、本願発明の構成H-1の「第1音量調整手段が操作されたことにより該操作に応じて演出音の音量を設定する演出音音量設定制御手段」を備えることに相当する。 してみると、引用発明の構成h-1は、本願発明の構成H-1に相当する。 (h-3)、(h-4)引用発明の構成h-3、h-4において、「エラーコマンドを受信した場合」から「状態復帰コマンドを受信した場合」までの期間に「異常報知音データを出力する出力経路として大音量経路を設定」することから、引用発明の構成h-3、h-4における「エラーコマンドを受信した場合」から「状態復帰コマンドを受信した場合」までの期間は、本願発明の構成H-3、H-4の「異常報知期間」に相当する。 また、引用発明の構成h-3における「異常報知音設定処理を行」うことは、本願発明の構成H-3の「報知音音量設定制御手段」を備えることに相当する。 さらに、引用発明の構成h-3、h-4において、「エラーコマンドを受信した場合」から「状態復帰コマンドを受信した場合」までの期間において所定時間が経過していることは当然であるから、引用発明の構成h-4における「状態復帰コマンドを受信した場合、大音量経路からの異常報知音データの出力を停止する状態復帰処理を行」うことは、本願発明の構成H-4の「前記異常報知期間を所定時間経過したことによって終了させる報知期間終了手段」を備えることに相当する。 してみると、引用発明の構成h-3、h-4は、本願発明の構成H-3、H-4に相当する。 (h-5)引用発明の構成h-5における「エラーコマンドを受信した場合」、「設定された演出音の出力を停止」する処理を行うことは、それぞれ、本願発明の構成H-5の「異常状態が発生した際」、「演出音の音量が」「いずれの音量に変更されていても、」「変更された音量を消音させる演出音消音制御手段」を備えることに相当する。 してみると、引用発明の構成h-5は、本願発明の構成H-5と、「演出音の音量がいずれの音量に変更されていても、遊技機に対する異常状態が発生した場合に、変更された音量を消音させる演出音消音制御手段」「を備え」る点で共通する。 (h-6)引用発明の構成h-6における「エラーコマンドを受信した場合に、音量スイッチ281により設定された演出音をスピーカ20から出力させている場合には、演出音データの出力経路を切経路に変更し、演出音データを切経路からスピーカ20に対して順次出力する処理を行」うことは、本願発明の構成H-6の「異常報知期間に亘って消音に変更設定される演出音を異常報知期間の間も停止することなく進行を継続させ」ることに相当する。 また、引用発明の構成h-6において、「演出音データを切経路からスピーカ20に対して順次出力する処理を行」うということは、「状態復帰コマンドを受信した場合に、」「スピーカ20から」「演出音が出力される状態復帰処理を行」うことで出力される演出音は、進行した状態の演出音であることは自明であるから、引用発明の構成h-6における「状態復帰コマンドを受信した場合に、」「スピーカ20から」「演出音が出力される状態復帰処理を行」うことは、本願発明の構成H-6の「遊技機に対する異常状態が発生した際に演出音消音制御手段により消音に変更設定された演出音の音量を報知期間終了手段によって異常報知期間が所定時間経過し終了すると復旧設定させるとともに、」「復旧設定される際に進行した状態で復旧させる演出音進行継続制御手段」を備えることに相当する。 してみると、引用発明の構成h-6は、本願発明の構成H-6に相当する。 (h-7)引用発明の構成h-7における「演出音データ及び異常報知音データをスピーカ20に対して順次出力する処理を行」うことは、本願発明の構成H-7の「音出力実行制御手段」を備えることに相当する。 してみると、引用発明の構成h-7は、本願発明の構成H-7に相当する。 (h)引用発明の構成h-1、h-3、h-4、h-5、h-6、h-7の各種処理を行う、構成hの「表示制御基板214a」は、本願発明の構成Hの「演出制御手段」に相当する。 してみると、引用発明の構成hは、本願発明の構成Hに相当する。 (i)、(i-1)引用発明の構成i-1における「演出音の音量を設定する音量スイッチ281が「小」に調節されていれば出力経路として小音量経路を設定」することは、本願発明の構成I-1の「前記演出音音量設定制御手段が前記第1音量調整手段の操作に応じて前記演出音の音量を小さく設定」することに相当する。 また、引用発明の構成i-1において、演出音の出力経路として「小音量経路を設定」した状態において、「エラーコマンドを受信した場合には、スピーカ20からの演出音の出力を停止し、スピーカ20からは大音量の異常報知音のみを出力」するということは、演出音の音量を小さく変更している状態であっても、当該演出音の音量と比べて大きい音量の異常報知音が設定されることになるから、引用発明の構成i、i-1における「エラーコマンドを受信した場合には、スピーカ20からの演出音の出力を停止し、スピーカ20からは大音量の異常報知音のみを出力」する「表示制御基板214a」は、本願発明の構成I、I-1の「異常報知期間においては、当該演出音の音量と比べて大きい音量を報知音の音量として設定」する「報知音音量設定制御手段」に相当する。 してみると、引用発明の構成i、i-1は、本願発明の構成I、I-1と、「報知音音量設定制御手段は、演出音音量設定制御手段が第1音量調整手段の操作に応じて演出音の音量を小さく設定している状態であっても、異常報知期間においては、当該演出音の音量と比べて大きい音量を報知音の音量として設定」する点で共通する。 (j)、(j-1)引用発明の構成j-1における「状態復帰コマンドを受信した場合、音量スイッチ281の状態に応じた音量で演出音を出力」する「表示制御基板214a」は、本願発明の構成J、J-1の「異常報知期間が所定時間経過し終了すると復旧設定される演出音の音量を第1音量調整手段で調整されている音量に設定」する「演出音進行継続制御手段」に相当する。 してみると、引用発明の構成j、j-1は、本願発明の構成J、J-1と「演出音進行継続制御手段は、異常報知期間が所定時間経過し終了すると復旧設定される演出音の音量を第1音量調整手段で調整されている音量に設定」する点で共通する。 (k)引用発明の構成kにおける「エラーコマンドを受信した場合」に「大音量経路からスピーカ20に対して順次出力」される「異常報知音データ」、「エラーコマンドを受信した場合」に「切経路からスピーカ20に対して順次出力」される「演出音データ」は、それぞれ、本願発明の構成Kの「異常報知期間以外に出力しない報知音の音データ」、「異常報知期間以外に出力する演出音の音データ」に相当する。 してみると、引用発明の構成kは、本願発明の構成Kと「音出力実行制御手段は、異常報知期間においては、異常報知期間以外に出力しない報知音の音データと、異常報知期間以外に出力する演出音の音データとを出力することで報知音を音声出力手段から出力し聴取可能にしている」点で共通する。 (l)引用発明の構成lは、本願発明の構成Lに相当する。 したがって、本願発明と引用発明とは、 「A 遊技機に対する異常状態を報知する報知音と、遊技の進行による演出音とを出力する複数の音声出力手段と、 B 演出表示手段と、 C 前記音声出力手段から出力する音量を調整可能な第1音量調整手段と、D 前記音声出力手段と前記演出表示手段とを演出の進行にもとづいて制御する演出制御手段と、 F を備える遊技機において、 G’ 前記第1音量調整手段は、遊技者が操作することができない調整手段とされ、 H 前記演出制御手段は、 H-1 前記第1音量調整手段が操作されたことにより該操作に応じて演出音の音量を設定する演出音音量設定制御手段と、 H-3 異常状態に基づく異常報知期間において前記遊技機に対する異常状態を報知するための前記報知音の音量を設定する報知音音量設定制御手段と、 H-4 前記遊技機に対する異常状態を報知する前記報知音が前記音声出力手段から出力される前記異常報知期間を所定時間経過したことによって終了させる報知期間終了手段と、 H-5’ 前記演出音の音量がいずれの音量に変更されていても、前記遊技機に対する異常状態が発生した場合に、変更された音量を消音させる演出音消音制御手段と、 H-6 前記遊技機に対する異常状態が発生した際に前記演出音消音制御手段により消音に変更設定された前記演出音の音量を前記報知期間終了手段によって前記異常報知期間が所定時間経過し終了すると復旧設定させるとともに、前記異常報知期間に亘って消音に変更設定される前記演出音を前記異常報知期間の間も停止することなく進行を継続させ、復旧設定される際に進行した状態で復旧させる演出音進行継続制御手段と、 H-7 前記演出音及び前記報知音を前記音声出力手段から出力する制御を実行する音出力実行制御手段と、を備え、 I 前記報知音音量設定制御手段は、 I-1’ 前記演出音音量設定制御手段が前記第1音量調整手段の操作に応じて前記演出音の音量を小さく設定している状態であっても、前記異常報知期間においては、当該演出音の音量と比べて大きい音量を前記報知音の音量として設定し、 J 前記演出音進行継続制御手段は、 J-1’ 前記異常報知期間が所定時間経過し終了すると復旧設定される前記演出音の音量を前記第1音量調整手段で調整されている音量に設定し、 K’ 前記音出力実行制御手段は、前記異常報知期間においては、前記異常報知期間以外に出力しない前記報知音の音データと前記異常報知期間以外に出力する前記演出音の音データとを出力することで前記報知音を前記音声出力手段から出力し聴取可能にしている L ことを特徴とする遊技機。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 (相違点1)(構成E、G、H-2) 本願発明は、「音量出力手段から出力する音量を調整可能な第1音量調整手段とは異なる第2音量調整手段」を備え、「第1音量調整手段と第2音量調整手段のうち、」第1音量調整手段は遊技者が操作することができない調整手段とされ、「演出表示手段が待機状態とされている期間において、遊技者が操作可能な第2音量調整手段が操作されたことにより該操作に応じて演出音音量設定制御手段が設定した演出音の音量を変更する演出音音量変更制御手段」を備えるのに対し、引用発明は、「第2音量調整手段」及び「演出音音量変更制御手段」に相当する構成を備えていない点。 (相違点2)(構成H-5) 本願発明は、演出音消音制御手段により消音する演出音を、「演出音音量変更制御手段」により変更された演出音とするのに対し、引用発明は、「音量スイッチ281」により設定された演出音とする点。 (相違点3)(構成I-1) 本願発明は、演出音音量設定制御手段が第1音量調整手段の操作に応じて演出音の音量を小さく設定している状態のみならず、「演出音音量変更制御手段が第2音量調整手段の操作に応じて演出音音量設定制御手段が設定した演出音の音量を小さく変更している状態」であっても、異常報知期間においては、当該演出音の音量と比べて大きい音量を報知音の音量として設定することを特定するのに対し、引用発明は、「演出音音量変更制御手段」に相当する構成を備えておらず、前記特定を有していない点。 (相違点4)(構成J-1) 本願発明は、「異常報知期間が発生する以前に演出音音量変更制御手段にて演出音の音量が変更されていない場合には、異常報知期間が所定時間経過し終了すると復旧設定される演出音の音量を第1音量調整手段で調整されている音量に設定し、異常報知期間が発生する以前に演出音音量変更制御手段により演出音の音量が変更されていた場合には、異常報知期間が所定時間経過し終了すると復旧設定される演出音の音量を第1音量調整手段で調整されている音量に設定せず、異常報知期間が発生する以前に第2音量調整手段の操作に応じて前記演出音音量変更制御手段により変更されていた演出音の音量に設定させる」ことを特定するのに対し、引用発明は、「演出音音量変更制御手段」に相当する構成を備えておらず、前記特定を有していない点。 (相違点5)(構成K) 異常報知期間において、異常報知期間以外に出力しない報知音の音データと異常報知期間以外に出力する演出音の音データを出力するにあたり、本願発明は、異常報知期間以外に出力しない報知音の音データを異常報知期間以外に出力する演出音の音データに「加えて出力する」のに対し、引用発明は、そのような特定を有していない点。 第6 判断 1 相違点について (1)相違点1について 引用文献2記載の事項は、上記「第4 2」に示したとおりのものである。 引用文献2記載の事項の「音響装置の出力音量を調節する操作を遊技者が行うための音量調節ボタン81」、「サブ制御装置262」、「通常リーチを指定する変動パターン指定コマンドAが属する第1の音量系統、スーパーリーチを指定する変動パターン指定コマンドBが属する第2の音量系統、プレミアムリーチを指定する変動パターン指定コマンドCが属する第3の音量系統、変動パターン指定コマンドA~C、エラーコマンド及び特別演出コマンド以外の他のコマンドが属する第4の音量系統の音量」及び「装飾図柄の変動が行われていない場合」は、それぞれ、本願発明の「遊技者が操作可能な第2音量調整手段」、「演出音音量変更制御手段」、「演出音の音量」及び「演出表示手段が待機状態とされている期間」に対応する。 したがって、引用文献2記載の事項は、上記相違点1に係る本願発明の構成のうち、「音量出力手段から出力する音量を調整可能な」「第2音量調整手段」及び「演出表示手段が待機状態とされている期間において、遊技者が操作可能な第2音量調整手段が操作されたことにより該操作に応じて演出音音量設定制御手段が設定した演出音の音量を変更する演出音音量変更制御手段」の構成を含むものであり、引用発明が当該構成を備えた場合、第1音量調整手段とは異なる第2音量調整手段を備え、第1音量調整手段と第2音量調整手段のうち、第1音量調整手段は遊技者が操作することができず、演出表示手段が待機状態とされている期間において、遊技者が操作可能な第2音量調整手段が操作されたことにより該操作に応じて演出音音量設定制御手段が設定した演出音の音量を変更することになるのは自明である。 そして、引用発明と引用文献2記載の事項とは、演出音の音量調整手段を設けた遊技機である点で共通する。 また、引用発明では、遊技ホールの管理者等が電源投入時に音量を設定するための音量スイッチ281が設けられているが、演出音の音量を自由に調節し、好みに合った音量で遊技を楽しみたいという遊技者の要望は、引用発明においても潜在しているといえるから、引用発明に引用文献2記載の事項を適用して、遊技者が操作することができない第1音量調整手段からなる演出音音量設定制御手段と、第1音量調整手段とは異なる第2音量調整手段の両手段を備え、演出表示手段が待機状態とされている期間において、遊技者が操作可能な第2音量調整手段が操作されたことにより該操作に応じて演出音音量設定制御手段が設定した演出音の音量を変更する演出音音量変更制御手段を備えるという上記相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者にとって容易である。 (2)相違点2について 上記「(1)相違点1について」で示したように、引用発明に、引用文献2記載の事項の演出音音量変更制御手段を適用した場合、演出音消音制御手段により消音する演出音は、音量スイッチ281によって設定された演出音のみならず、音量調節ボタン81によって設定された演出音も対象となることは自明であるから、引用発明に引用文献2記載の事項を適用して、演出音消音制御手段により消音する演出音を「演出音音量変更制御手段」により変更された演出音とする上記相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者にとって容易である。 (3)相違点3について 上記「(1)相違点1について」で示したように、引用発明に、引用文献2記載の事項の演出音音量変更制御手段を適用した場合、音量スイッチ281によって演出音の音量を小さく設定している場合のみならず、音量調節ボタン81によって演出音の音量を小さく設定している場合においても、異常報知期間においては、当該演出音の音量と比べて大きい音量を報知音の音量として設定することになることは自明であるから、引用発明に引用文献2記載の事項を適用して、「演出音音量変更制御手段が第2音量調整手段の操作に応じて演出音音量設定制御手段が設定した演出音の音量を小さく変更している状態」であっても、異常報知期間においては、当該演出音の音量と比べて大きい音量を報知音の音量として設定するという上記相違点3に係る本願発明の構成とすることは、当業者にとって容易である。 (4)相違点4について 上記「(1)相違点1について」で示したように、引用発明に引用文献2記載の事項を適用した場合、異常報知期間が発生する以前に「演出音音量変更制御手段」にて演出音の音量が変更されていない場合には、異常報知期間が所定時間経過し終了すると復旧設定される演出音の音量を第1音量調整手段で調整されている音量に復旧設定することは当然のことである。 また、異常報知期間の前後において、設定された演出音の音量を変えないようにすることが、遊技者に違和感を与えることのない自然な制御であることは明らかであるから、引用発明に上記引用文献2記載の事項を適用した場合、異常報知期間が発生する以前に「演出音音量変更制御手段」により演出音の音量が変更されていた場合には、異常報知期間が所定時間経過し終了した後に復旧設定される演出音の音量を異常報知期間が発生する以前に変更されていた音量、つまり「演出音音量変更制御手段」により変更されていた音量に復旧設定することが、遊技者に違和感を与えることのない自然な制御であるといえる。 してみると、引用発明に上記引用文献2記載の事項を適用した上で、異常報知期間が発生する以前に「演出音音量変更制御手段」により演出音の音量が変更されていた場合には、異常報知期間が所定時間経過し終了した後に復旧設定される演出音の音量を異常報知期間が発生する以前に変更されていた音量、つまり「演出音音量変更制御手段」により変更されていた音量に復旧設定するという上記相違点4に係る本願発明の構成とすることは、当業者にとって容易である。 (5)相違点5について 遊技機の技術分野において、報知音の音データを演出音の音データに加えて出力することは、周知の技術である。(例えば、特開2011-142953号公報の段落【0027】、【0029】の、演出音出力信号と報知音出力信号とを音信号合成回路85で合成して放音する技術(該技術における「演出音出力信号」、「報知音出力信号」及び「合成して放音する」ことは、それぞれ、本願発明の「演出音の音データ」、「報知音の音データ」及び「加えて出力する」ことに相当。)を参照のこと。) そして、引用発明と上記周知の技術とは、遊技機に異常が発生した場合に、異常の発生を報知音により報知する点で共通するものである。 してみると、上記周知の技術を勘案すれば、引用発明において、異常報知期間以外に出力しない報知音の音データを異常報知期間以外に出力する演出音の音データに加えて出力する構成として、上記相違点5に係る本願発明の構成とすることは、当業者にとって容易である。 2 効果について 本願発明の奏する作用効果は、引用発明、引用文献2記載の事項及び上記周知の技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 3 結論 したがって、本願発明は、当業者が引用発明、引用文献2記載の事項、及び周知の技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2019-005879

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