特許拒絶査定不服審判
2019-004098
充電回路及び移動端末
- 審判番号
- 2019-004098
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-513193外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年03月28日
- 審決日
- 2020年12月11日
- 公報発行日
- 2021年06月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】オッポ広東移動通信有限公司
- 【請求人代理人】井関 勝守
- 分類
- P18 .121-WZ (H02J)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2017-513193「充電回路及び移動端末」拒絶査定不服審判事件〔平成28年12月 8日国際公開、WO2016/192010、平成29年 9月28日国内公表、特表2017-529044〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2015年6月1日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成30年 3月 5日付け:拒絶理由通知
平成30年 6月11日 :意見書、手続補正書の提出
平成30年11月28日付け:拒絶査定
平成31年 3月28日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和 2年 6月 9日付け:拒絶理由通知
令和 2年 8月 7日 :意見書の提出
第2 本願発明
平成31年3月28日付け手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)は、以下のとおりである。
「移動端末の充電インタフェースとバッテリー(電池)の間に配置される充電回路であって、
第一回路と、少なくとも1つの容量を備える容量性結合素子と、第二回路と、前記容量性結合素子により切断される前記充電回路の直流(DC)電流路と、を含み、
前記第一回路と、前記容量性結合素子と、前記第二回路は、順次に前記充電インタフェースと前記バッテリーの間に直列に接続され、
前記第一回路は、接地され、且つ、前記少なくとも1つの容量の一端に電気的に接続されており、ブリッジアーム回路と、前記ブリッジアーム回路を制御する制御回路と、を含み、
前記ブリッジアーム回路は、少なくとも1つのスイッチトランジスタを備え、前記充電インタフェースと接続し、前記充電インタフェースから出力され充電のために用いられるDCをACに転換するために、前記制御回路の制御下で前記容量性結合素子における前記少なくとも1つの容量を充電/放電するように構成され、
前記第二回路は、接地され、且つ、前記少なくとも1つの容量の他端に電気的に接続されており、前記第一回路により前記容量性結合素子を通して前記第二回路に結合される交流(AC)を前記バッテリーの充電に適しているDCに調整するように構成され、
前記充電回路において、
前記容量性結合素子は容量を含み、
前記ブリッジアーム回路は、ハーフブリッジ回路であり、
前記ブリッジアーム回路は、第一スイッチトランジスタと、第二スイッチトランジスタと、を含み、
前記第一スイッチトランジスタは、前記充電インタフェースに接続されるように構成される第一端と、前記容量の第一端に接続される第二端と、前記制御回路に接続される制御端と、を有し、
前記第二スイッチトランジスタは、前記第一スイッチトランジスタの第二端に接続される第一端と、接地されるように構成される第二端と、前記制御回路に接続される制御端と、を有し、
前記容量は、前記第二回路と前記バッテリーを介して接地されるように構成される第二端を有する、
又は、
前記容量性結合素子は第一容量と、第二容量と、を含み、
前記ブリッジアーム回路は、フルブリッジ回路であり、
前記ブリッジアーム回路は、第一スイッチトランジスタと、第二スイッチトランジスタと、第三スイッチトランジスタと、第四スイッチトランジスタと、を含み、
前記第一スイッチトランジスタは、前記充電インタフェースに接続されるように構成される第一端と、前記第一容量の第一端に接続される第二端と、前記制御回路に接続される制御端と、を有し、
前記第二スイッチトランジスタは、前記第一スイッチトランジスタの第二端に接続される第一端と、接地されるように構成される第二端と、前記制御回路に接続される制御端と、を有し、
前記第三スイッチトランジスタは、前記充電インタフェースに接続されるように構成される第一端と、前記第二容量の第一端に接続される第二端と、前記制御回路に接続される制御端と、を有し、
前記第四スイッチトランジスタは、前記第三スイッチトランジスタの第二端に接続される第一端と、接地されるように構成される第二端と、前記制御回路に接続される制御端と、を有し、
前記第一容量は、前記第二回路に接続される第二端を有し、
前記第二容量は、前記第二回路に接続される第二端を有する。」
第3 拒絶の理由
令和2年6月9日付けで当審が通知した拒絶理由の概略は、請求項1に係る発明に対する拒絶理由を含むものであって、次のとおりのものである。
この出願の請求項1に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
引 用 文 献 等 一 覧
1.特表2015-515850号公報
2.特開2012-54637号公報
3.特表2008-504798号公報
4.特開2013-27270号公報
第4 引用文献の記載事項、引用発明等
1 引用文献1
令和2年6月9日付けの当審の拒絶の理由に引用された引用文献1(特表2015-515850号公報)には、次の記載がある。なお、下線は当審で付与した。
「【0110】
図1に示すように、本発明の実施形態は、充電デバイス105に電力を伝達するための装置100を提供する。
【0111】
充電デバイス105は、例えば、任意の電気デバイスまたは電子デバイスであって、動作を可能にするために、および/または、そのデバイス自体の内部電池を充電するために電力供給されなければならない、任意の電気デバイスまたは電子デバイスであり得る。このタイプの電気的/電子デバイスの標準的な例は、携帯電話、コンピュータ、テレビ、さらには他のものである。
【0112】
回路の観点からは、図1の例で示す装置100はDC/DCコンバータであり、DC電圧源110から、ここでは一般的に電気的抵抗の記号により示される充電デバイス105に電力を伝達するのに適している。
【0113】
DC電圧源110は、例えば電池であってもよい。
【0114】
あるいは源110は、整流器111、例えばダイオード・ブリッジ、単一ダイオード、結合された二重ダイオードまたは別の同期整流器を備えていてもよく、整流器111は、交流電圧源112、例えば230V、50Hzでの共用の配電網との接続を、源112により生成される交流電圧を整流するために行うのに適している。フィルタ安定化器が、整流器111の下流にすぐ近くに存在する場合がある。第2の場合では、装置100は、AC/DCコンバータとしてより適正に構成されることになる。
【0115】
装置100は概略的には、源110に直接接続される一次回路115および充電デバイス105に直接接続される二次回路120を備え、一次回路115および二次回路120は、少なくとも1対の絶縁電気キャパシタである第1のキャパシタ125および第2のキャパシタ130により相互に電気的に絶縁される。
【0116】
一次回路115は、源110により生成される直流電圧を電圧波に、すなわち電圧パルスの連続体に変換するためのコンバータ135を備え、各々の電圧パルスは、最小値から、例えば、ただし必ずしもそうではないが実質的に零から、入力でのDC電圧の実体によって決まる最大値まで変動する。
【0117】
次いでコンバータ135からの出力での電圧波が、キャパシタ125および130の対に付与され、それらのキャパシタは二次回路120に電圧波を送信する。
【0118】
二次回路120は、DC電圧を新しく得るためにキャパシタの対からの出力での電圧波を整流するのに適している整流器140を備えている。整流器140は、ブリッジ・ダイオード整流器、単一ダイオード、結合された二重ダイオードまたは別の同期整流器であってもよい。場合によっては、整流器140は、電圧の後続の安定化段(例えば、LCフィルタまたは他のもの)と組み合わされてもよい。
【0119】
次いで整流器140から出力される直流電圧が、供給されることになる充電デバイス105の入力端子に付与される。」
「【0122】
より詳細に考察すると、本発明の好適な態様ではコンバータ135は、キャパシタ125および130に付与される電圧波を生成するのに適しているスイッチング回路142を備えている。
【0123】
一般的にはスイッチング回路142は、少なくとも1つの能動スイッチ155、例えばトランジスタ(例えば、BJTバイポーラ接合トランジスタ、FET電界効果トランジスタ、MOSFET、MESFET、JFET、IGBT、さらには他のもの)および能動スイッチ155に電気的パイロット信号を付与するためのドライバを備え、その信号は、能動スイッチをオン(すなわち、飽和)およびオフ(抑止)することが可能である。」
「
」
・段落【0112】の記載によれば、装置100はDC電圧源110から充電デバイス105に電力を伝達するものである。
・段落【0111】の記載によれば、充電デバイス105は内部電池を充電するために電力供給されなければならない携帯電話、コンピュータである。
・段落【0115】の記載によれば、装置100は、DC電圧源110に直接接続される一次回路115および充電デバイス105に直接接続される二次回路120を備え、一次回路115および二次回路120は、少なくとも1対の絶縁電気キャパシタである第1のキャパシタ125および第2のキャパシタ130により相互に電気的に絶縁される。また、図1からは、一次回路115および二次回路120は、第1のキャパシタ125および第2のキャパシタ130を介して接続されていることが見てとれる。
してみると、装置100は、DC電圧源110に直接接続される一次回路115および充電デバイス105に直接接続される二次回路120を備え、一次回路115および二次回路120は、第1のキャパシタ125および第2のキャパシタ130を介して接続され、少なくとも1対の絶縁電気キャパシタである第1のキャパシタ125および第2のキャパシタ130により相互に電気的に絶縁される。
・段落【0116】の記載によれば、一次回路115は、DC電圧源110により生成される直流電圧を電圧波に、すなわち電圧パルスの連続体に変換するためのコンバータ135を備える。
・段落【0122】、【0123】の記載によれば、コンバータ135は、少なくとも1つの能動スイッチ155および能動スイッチ155に電気的パイロット信号を付与するためのドライバを備えるスイッチング回路142を備える。
・段落【0117】の記載によれば、コンバータ135からの出力の電圧波が、キャパシタ125および130の対に付与され、それらのキャパシタは二次回路120に電圧波を送信する。
・段落【0118】、【0119】の記載によれば、二次回路120は、キャパシタの対からの出力での電圧波を整流する整流器140を備え、整流器140は後続のLCフィルタと組み合わされ、整流器140から出力される直流電圧が、充電デバイス105の入力端子に付与される。
以上のことより、引用文献1には、充電デバイスに電力を伝達するための装置として、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「DC電圧源110から、充電デバイス105に電力を伝達する装置100であって、
充電デバイス105は内部電池を充電するために電力供給されなければならない携帯電話、コンピュータであり、
DC電圧源110に直接接続される一次回路115および充電デバイス105に直接接続される二次回路120を備え、一次回路115および二次回路120は、第1のキャパシタ125および第2のキャパシタ130を介して接続され、少なくとも1対の絶縁電気キャパシタである第1のキャパシタ125および第2のキャパシタ130により相互に電気的に絶縁され、
一次回路115は、DC電圧源110により生成される直流電圧を電圧波に、すなわち電圧パルスの連続体に変換するためのコンバータ135を備え、
コンバータ135は、少なくとも1つの能動スイッチ155および能動スイッチ155に電気的パイロット信号を付与するためのドライバを備えるスイッチング回路142を備え、
コンバータ135からの出力の電圧波が、キャパシタ125および130の対に付与され、それらのキャパシタは二次回路120に電圧波を送信し、
二次回路120は、キャパシタの対からの出力での電圧波を整流する整流器140を備え、整流器140は後続のLCフィルタと組み合わされ、整流器140から出力される直流電圧が、充電デバイス105の入力端子に付与される
充電デバイス105に電力を伝達する装置100。」
2 引用文献2
令和2年6月9日付けの当審の拒絶の理由に引用された引用文献2(特開2012-54637号公報)には、次の記載がある。なお、下線は当審で付与した。
「【0016】
携帯端末200は、蓄電池810、充電回路820、無線通信手段280、有線通信手段290、通信インターフェース選択手段230、端末コネクタ840を備える。無線通信手段280、有線通信手段290、通信インターフェース選択手段230は、端末本体モジュール205内に備えればよい。端末コネクタ840は、直流電力用の端子841、842と有線通信用の端子843、844を含んでいる。充電回路820は、端末コネクタ840の直流電力用の端子841、842を介して外部から供給された直流電力を蓄電池810に充電する。」
「
」
上記記載によれば、引用文献2には、携帯端末として以下の技術(以下、「引用文献2記載の技術」という。)が記載されている。
「携帯端末200は、蓄電池810、充電回路820、端末コネクタ840を備え、端末コネクタ840は、直流電力用の端子841、842を含んでおり、充電回路820は、端末コネクタ840の直流電力用の端子841、842を介して外部から供給された直流電力を蓄電池810に充電する」技術。
3 引用文献3
令和2年6月9日付けの当審の拒絶の理由に引用された引用文献3(特表2008-504798号公報)には、次の記載がある。なお、下線は当審で付与した。
「【0035】
本発明のエネルギー蓄積器の電池のチャージバランスのための基本回路が図4にブロックにて示されている。第1のコンバータ(DC/DCコンバータ1)により直流電圧が生成される。この直流電圧は第2のコンバータ(DC/ACコンバータ2)を介して例えば50Hzのパルス周波数によって逆変換されかつこの交流電圧がACバス4に供給される。バスとしてここで表されるのは導体(ケーブル、銅線条など)系である。
【0036】
このバス4にそれぞれ1つの結合コンデンサおよび整流器3を介して、2重層コンデンサDLCの直列接続されている電池Z1ないしZnが接続されている。結合コンデンサCKは電位分離のために使用されかつ交番電圧により部分的に逆充電される。
【0037】
図5には、2重層コンデンサDLCの電池Z1ないしZnのチャージバランスのための本発明の回路装置の第1実施例が示されている。
・・・中略・・・
【0041】
この実施例においてハーフブリッジT1,T2から成るDC/ACコンバータ2は、2つのトランジスタT1およびT2の間に存在している出力側に矩形の交番電圧を供給する。この電圧は結合コンデンサCK1ないしCKnにより個別電池Z1ないしZnに伝送することができる。」
「【0045】
回路は3つの部分回路に分割される。第1の部分は、有利にはDC/DCスイッチングレギュレータ1として実現されている電流源である。エネルギー(チャージアンバランスの際)は2重層コンデンサDLC自体から到来するかまたは(充電過程の際)例えば蓄積器Bである第2のエネルギー源から到来する。このエネルギーは第2の部分回路の中間回路コンデンサCZに供給される。DC/DCスイッチングレギュレータ1に対しては公知のすべての種々の形態が使用可能である。有利には、トランジスタ、チョークおよびフリーホイールダイオード(図示なし)から成るステップダウン型スイッチングレギュレータとして実現されている。
【0046】
第2の部分回路2は中間回路コンデンサCZの他にブリッジ回路、ここではハーフブリッジを有している。これは2つのトランジスタT1およびT2から成っており、中間回路コンデンサCZから給電されかつその出力側はACバス4を介してすべての結合コンデンサCK1ないしCKnに導かれている。この回路は、基準電位GND(アース)に関連して、交番電圧を発生する。
【0047】
第3の部分回路、整流器3は電池Z1ないしZn毎に1個存在している。整流器は交番電圧を電池を流れる脈動する直流電流に変換する。」
「【0060】
図6の実施例はDC/ACコンバータ2として2つのハーフブリッジを有するフルブリッジ回路を有している。このフルブリッジ回路は第1および第2のトランジスタT1-T2、もしくは第3および第4のトランジスタT3-T4から成っており、これらトランジスタはそれぞれバス線路4.1,4.2に接続されている。それぞれのバス線路はそれぞれに配属されているハーフブリッジを介してエネルギーが供給される。
【0061】
バス線路4.1はそれぞれ1つの結合コンデンサCK1aないしCKna、およびそれぞれ2つのダイオードD1a,D1bないしDna,Dnbから成る整流器回路を介して直列接続されている電池Z1ないしZnに接続されている。
【0062】
バス線路4.2はそれぞれ1つの結合コンデンサCK1bないしCKnb、およびそれぞれ2つのダイオードD1c,D1dないしDnc,Dndから成る整流器回路を介して直列接続されている電池Z1ないしZnに接続されている。」
「
」
・段落【0035】の記載によれば、DC/ACコンバータ2は直流電圧を逆変換し交流電圧をACバス4に供給するものである。
・段落【0041】の記載によれば、DC/ACコンバータ2は、ハーフブリッジT1,T2から成り、2つのトランジスタT1およびT2の間に存在している出力側に矩形の交番電圧を供給する。また、図5からは、トランジスタT1およびT2の間にバス4が接続されることが見てとれる。
してみると、DC/ACコンバータ2は、ハーフブリッジT1,T2から成り、2つのトランジスタT1およびT2の間にバス4が接続される。
・段落【0060】の記載によれば、DC/ACコンバータ2は、2つのハーフブリッジを有するフルブリッジ回路を有し、フルブリッジ回路は第1および第2のトランジスタT1-T2、もしくは第3および第4のトランジスタT3-T4から成っており、これらトランジスタはそれぞれバス線路4.1,4.2に接続される。また、図6からは、トランジスタT1とT2の間にバス線路4.1が、トランジスタT3とT4の間にバス線路4.2が接続されることが見てとれる。
してみると、DC/ACコンバータ2は、2つのハーフブリッジを有するフルブリッジ回路を有し、フルブリッジ回路は第1および第2のトランジスタT1-T2、もしくは第3および第4のトランジスタT3-T4から成っており、トランジスタT1とT2の間にバス線路4.1が、トランジスタT3とT4の間にバス線路4.2が接続される。
・DC/ACコンバータ2は出力側に矩形の交番電圧を供給するものであるから、DC/ACコンバータ2が、トランジスタをオンオフ制御するために、トランジスタの制御端子に制御信号を供給する制御回路を有することは明らかである。
上記記載によれば、引用文献3には、図5及び図6に示されたDC/ACコンバータとして以下の技術(以下、「引用文献3記載の技術」という。)が記載されている。
「DC/ACコンバータ2は、
ハーフブリッジT1,T2から成り、2つのトランジスタT1およびT2の間にバス4が接続され、
または、
2つのハーフブリッジを有するフルブリッジ回路を有し、フルブリッジ回路は第1および第2のトランジスタT1-T2、もしくは第3および第4のトランジスタT3-T4から成っており、トランジスタT1とT2の間にバス線路4.1が、トランジスタT3とT4の間にバス線路4.2が接続され、
各トランジスタの制御端子に制御信号を供給する制御回路を有するものとする」技術。
4 引用文献4
令和2年6月9日付けの当審の拒絶の理由に引用された引用文献4(特開2013-27270号公報)には、次の記載がある。なお、下線は当審で付与した。
「【0022】
(実施形態1)
図1は、本実施形態の双方向電力変換装置A1のブロック構成を示しており、双方向電力変換装置A1は、DC/DC変換部1と、DC/AC変換部2とを備えている。DC/DC変換部1とDC/AC変換部2とは、直流電路W2(第2の直流電路)を介して内部接続される。そして、DC/DC変換部1は、外部からの直流電路W1(第1の直流電路)と直流電路W2(第2の直流電路)との間に接続される。DC/AC変換部2は、直流電路W2と外部からの交流電路W3との間に接続される。なお、直流電路W1の直流電圧を直流電圧Vdc1、直流電路W2の直流電圧を直流電圧Vdc2、交流電路W3の交流電圧を交流電圧Vac1とする。
【0023】
DC/DC変換部1は、整流スイッチング回路11と、高周波トランスTr1と、整流スイッチング回路12とで構成され、図2にDC/DC変換部1の回路構成を示す。
【0024】
整流スイッチング回路11は、直列接続したスイッチング素子Q11,Q12と直列接続したスイッチング素子Q13,Q14との並列回路を備える。そして、スイッチング素子Q11~Q14の各々は、コンデンサC11~C14が並列接続され、さらにダイオードD11~D14が逆並列接続されている。スイッチング素子Q11,Q12およびスイッチング素子Q13,Q14の各接続中点間には、高周波トランスTr1の一次巻線N1が接続されている。また、スイッチング素子Q11,Q12の直列回路には、コンデンサC15が並列接続されている。
【0025】
そして、駆動回路K11が、スイッチング素子Q11,Q14とスイッチング素子Q12,Q13とを交互にオン・オフ駆動することによって、整流スイッチング回路11は、高周波トランスTr1側を出力とするスイッチング回路として動作する。また、駆動回路K11が、スイッチング素子Q11~Q14をオフ状態に維持することによって、整流スイッチング回路11は、高周波トランスTr1側を入力とする整流回路として動作する。」
「
」
・段落【0025】の記載によれば、整流スイッチング回路11は、高周波トランスTr1側を出力とするスイッチング回路である。また、段落【0022】、【0023】の記載および図1からは、高周波トランスTr1側を出力とした場合、整流スイッチング回路11は直流電路W1を入力とすることが見てとれる。
してみると、整流スイッチング回路11はDC/ACコンバータである。
・段落【0024】に記載された、直列接続したスイッチング素子Q11,Q12と直列接続したスイッチング素子Q13,Q14はそれぞれ、ハーフブリッジといい得るものである。また、これらのハーフブリッジを並列に接続した回路はフルブリッジ回路である。
してみると、段落【0024】の記載によれば、整流スイッチング回路11は、直列接続したスイッチング素子Q11,Q12からなるハーフブリッジと直列接続したスイッチング素子Q13,Q14からなるハーフブリッジとの並列回路であるフルブリッジ回路を備える。
・段落【0024】の記載によれば、スイッチング素子Q11,Q12およびスイッチング素子Q13,Q14の各接続中点間には、高周波トランスTr1の一次巻線N1が接続される。
・段落【0025】の記載によれば、駆動回路K11が、スイッチング素子Q11,Q14とスイッチング素子Q12,Q13とを交互にオン・オフ駆動することによって、整流スイッチング回路11は、高周波トランスTr1側を出力とするスイッチング回路として動作する。
上記記載によれば、引用文献4には、整流スイッチング回路として以下の技術(以下、「引用文献4記載の技術」という。)が記載されている。
「DC/ACコンバータである整流スイッチング回路11は、直列接続したスイッチング素子Q11,Q12からなるハーフブリッジと直列接続したスイッチング素子Q13,Q14からなるハーフブリッジとの並列回路であるフルブリッジ回路を備え、
スイッチング素子Q11,Q12およびスイッチング素子Q13,Q14の各接続中点間には、高周波トランスTr1の一次巻線N1が接続され、
駆動回路K11が、スイッチング素子Q11,Q14とスイッチング素子Q12,Q13とを交互にオン・オフ駆動することによって、整流スイッチング回路11は、高周波トランスTr1側を出力とするスイッチング回路として動作する」技術。
第5 本願発明と引用発明の対比
1 引用発明の「装置100」は「内部電池を充電するために電力供給されなければいけない携帯電話、コンピュータ」である「充電デバイス105」「に電力を伝達する」ものであるから充電回路であり、本願発明1の「充電回路」に相当する。
ただし、本願発明1の「充電回路」は「移動端末の充電インターフェースとバッテリー(電池)の間に配置される」のに対して、引用発明はその旨特定されていない点で相違する。
2 引用発明の「DC電圧源110に直接接続される一次回路115」、「少なくとも1対の絶縁電気キャパシタである第1のキャパシタ125および第2のキャパシタ130」、「充電デバイス105に直接接続される二次回路120」はそれぞれ、本願発明1の「第一回路」、「少なくとも1つの容量を備える容量性結合素子」、「第二回路」に相当する。
また、引用発明は、「一次回路115および二次回路120は、第1のキャパシタ125および第2のキャパシタ130を介して接続され、少なくとも1対の絶縁電気キャパシタである第1のキャパシタ125および第2のキャパシタ130により相互に電気的に絶縁され」るものであるから、一次回路115と二次回路120とを接続する回路を有し、当該回路は直流的には切断されたものであることは明らかである。そして、引用発明の当該「一次回路115と二次回路120とを接続する回路」は、本願発明1の「前記容量性結合素子により切断される前記充電回路の直流(DC)電流路」に相当する。
してみると、引用発明が「一次回路115」、「少なくとも1対の絶縁電気キャパシタである第1のキャパシタ125および第2のキャパシタ130」、「二次回路120」、「一次回路115と二次回路120とを接続する回路」を有するとこは、本願発明1の「第一回路と、少なくとも1つの容量を備える容量性結合素子と、第二回路と、前記容量性結合素子により切断される前記充電回路の直流(DC)電流路と、を含」むことに相当する。
3 引用発明が「一次回路115および二次回路120は、少なくとも1対の絶縁電気キャパシタである第1のキャパシタ125および第2のキャパシタ130により相互に電気的に絶縁され」ることは、本願発明1の「前記第一回路と、前記容量性結合素子と、前記第二回路は、順次に」「直列に接続され」ることに相当する。
ただし、本願発明1の「充電回路」は「前記第一回路と、前記容量性結合素子と、前記第二回路は、順次に前記充電インターフェースと前記バッテリーの間に接続され」るのに対して、引用発明はその旨特定されていない点で相違する。
4 引用発明の「ドライバ」は、「コンバータ135」が備える「スイッチング回路142」の「能動スイッチ155」に「電気的パイロット信号を付与する」ものであるから、本願発明1の「制御回路」に相当する。
そして、引用発明の「一次回路115」が「DC電圧源110により生成される直流電圧を電圧波に、すなわち電圧パルスの連続体に変換するためのコンバータ135を備え、コンバータ135からの出力の電圧波が、キャパシタ125および130の対に付与され」ることは、本願発明1の「前記第一回路は、」「前記少なくとも1つの容量の一端に電気的に接続されており、」「制御回路と、を含み、」「充電のために用いられるDCをACに転換するために、前記充電回路の制御下で前記容量性結合素子における前記少なくとも1つの容量を充電/放電するように構成され」ることに相当する。
ただし、本願発明1の「第一回路」は「接地され、」「ブリッジアーム回路と、前記ブリッジアーム回路を制御する制御回路と、を含み、前記ブリッジアーム回路は、少なくとも1つのスイッチトランジスタを備え、」「前記制御回路の制御下で前記容量性結合素子における前記少なくとも1つの容量を充電/放電する」のに対して、引用発明はその旨特定されていない点で相違する。
また、本願発明1の「第一回路」は「前記充電インターフェースと接続し、前記充電インターフェースから出力されるDCをACに転換する」のに対し、引用発明はその旨特定されていない点で相違する。
5 引用発明の「二次回路120」は「キャパシタ対からの出力での電圧波を整流する整流器140を備え、」「整流器140から出力される直流電圧が、充電デバイス105の入力端子に付与される」ことは、本願発明1の「前記第二回路は、」「前記少なくとも1つの容量の他端に電気的に接続されており、前記第一回路により前記容量性結合素子を通して前記第二回路に結合される交流(AC)を前記バッテリーの充電に適しているDCに調整するように構成され」ることに相当する。
ただし、本願発明1の「第二回路」は「接地され」ているのに対し、引用発明はその旨特定されていない点で相違する。
6 引用発明の「装置100」が「少なくとも1対の絶縁電気キャパシタである第1のキャパシタ125および第2のキャパシタ130」を備えることは、本願発明1の「充電回路」が「前記容量性結合素子は容量を含み」「又は、前記容量性結合素子は第一容量と、第二容量と、を含」むことに相当する。
ただし、本願発明1の「充電回路」は「前記ブリッジアーム回路は、ハーフブリッジ回路であり、前記ブリッジアーム回路は、第一スイッチトランジスタと、第二スイッチトランジスタと、を含み、前記第一スイッチトランジスタは、前記充電インタフェースに接続されるように構成される第一端と、前記容量の第一端に接続される第二端と、前記制御回路に接続される制御端と、を有し、前記第二スイッチトランジスタは、前記第一スイッチトランジスタの第二端に接続される第一端と、接地されるように構成される第二端と、前記制御回路に接続される制御端と、を有し、前記容量は、前記第二回路と前記バッテリーを介して接地されるように構成される第二端を有する、又は、前記ブリッジアーム回路は、フルブリッジ回路であり、前記ブリッジアーム回路は、第一スイッチトランジスタと、第二スイッチトランジスタと、第三スイッチトランジスタと、第四スイッチトランジスタと、を含み、前記第一スイッチトランジスタは、前記充電インタフェースに接続されるように構成される第一端と、前記第一容量の第一端に接続される第二端と、前記制御回路に接続される制御端と、を有し、前記第二スイッチトランジスタは、前記第一スイッチトランジスタの第二端に接続される第一端と、接地されるように構成される第二端と、前記制御回路に接続される制御端と、を有し、前記第三スイッチトランジスタは、前記充電インタフェースに接続されるように構成される第一端と、前記第二容量の第一端に接続される第二端と、前記制御回路に接続される制御端と、を有し、前記第四スイッチトランジスタは、前記第三スイッチトランジスタの第二端に接続される第一端と、接地されるように構成される第二端と、前記制御回路に接続される制御端と、を有し、前記第一容量は、前記第二回路に接続される第二端を有し、前記第二容量は、前記第二回路に接続される第二端を有する」ものであるのに対して、引用発明はその旨特定されていない点で相違する。
そうすると、本願発明1と引用発明とは、次の一致点及び相違点を有する。
〈一致点〉
「充電回路であって、
第一回路と、少なくとも1つの容量を備える容量性結合素子と、第二回路と、前記容量性結合素子により切断される前記充電回路の直流(DC)電流路と、を含み、
前記第一回路と、前記容量性結合素子と、前記第二回路は、順次に直列に接続され、
前記第一回路は、前記少なくとも1つの容量の一端に電気的に接続されており、
充電のために用いられるDCをACに転換するために、前記容量性結合素子における前記少なくとも1つの容量を充電/放電するように構成され、
前記第二回路は、前記少なくとも1つの容量の他端に電気的に接続されており、前記第一回路により前記容量性結合素子を通して前記第二回路に結合される交流(AC)を前記バッテリーの充電に適しているDCに調整するように構成され、
前記充電回路において、
前記容量性結合素子は容量を含み、
又は、
前記容量性結合素子は第一容量と、第二容量と、を含む。」
〈相違点1〉
本願発明1の「充電回路」は「移動端末の充電インターフェースとバッテリー(電池)の間に配置され」、「前記第一回路と、前記容量性結合素子と、前記第二回路は、順次に前記充電インターフェースと前記バッテリーの間に接続され」、「第一回路」は「前記充電インターフェースと接続し、前記充電インターフェースから出力されるDCをACに転換する」のに対し、引用発明はその旨特定されていない点
〈相違点2〉
本願発明1の「第一回路」は「接地され、」「ブリッジアーム回路と、前記ブリッジアーム回路を制御する制御回路と、を含み、前記ブリッジアーム回路は、少なくとも1つのスイッチトランジスタを備え、」「前記制御回路の制御下で前記容量性結合素子における前記少なくとも1つの容量を充電/放電する」のに対し、引用発明はその旨特定されていない点
〈相違点3〉
本願発明1の「第二回路」は「接地され」ているのに対し、引用発明はその旨特定されていない点
〈相違点4〉
本願発明1の「充電回路」は「前記ブリッジアーム回路は、ハーフブリッジ回路であり、前記ブリッジアーム回路は、第一スイッチトランジスタと、第二スイッチトランジスタと、を含み、前記第一スイッチトランジスタは、前記充電インタフェースに接続されるように構成される第一端と、前記容量の第一端に接続される第二端と、前記制御回路に接続される制御端と、を有し、前記第二スイッチトランジスタは、前記第一スイッチトランジスタの第二端に接続される第一端と、接地されるように構成される第二端と、前記制御回路に接続される制御端と、を有し、前記容量は、前記第二回路と前記バッテリーを介して接地されるように構成される第二端を有する、又は、前記ブリッジアーム回路は、フルブリッジ回路であり、前記ブリッジアーム回路は、第一スイッチトランジスタと、第二スイッチトランジスタと、第三スイッチトランジスタと、第四スイッチトランジスタと、を含み、前記第一スイッチトランジスタは、前記充電インタフェースに接続されるように構成される第一端と、前記第一容量の第一端に接続される第二端と、前記制御回路に接続される制御端と、を有し、前記第二スイッチトランジスタは、前記第一スイッチトランジスタの第二端に接続される第一端と、接地されるように構成される第二端と、前記制御回路に接続される制御端と、を有し、前記第三スイッチトランジスタは、前記充電インタフェースに接続されるように構成される第一端と、前記第二容量の第一端に接続される第二端と、前記制御回路に接続される制御端と、を有し、前記第四スイッチトランジスタは、前記第三スイッチトランジスタの第二端に接続される第一端と、接地されるように構成される第二端と、前記制御回路に接続される制御端と、を有し、前記第一容量は、前記第二回路に接続される第二端を有し、前記第二容量は、前記第二回路に接続される第二端を有する」ものであるのに対し、引用発明はその旨特定されていない点
第6 判断
1 相違点1について
引用文献2記載の技術は、携帯端末200が備える充電回路820、端末コネクタ840により、端末コネクタ840を介して外部から供給された直流電力を充電回路820により蓄電池810に充電するものである。
引用発明と引用文献2記載の技術は共に、直流電力を入力し携帯電話(携帯端末)の電池を充電するものである。そして、引用文献1の段落【0174】には、装置100と充電デバイス105が「不可分の物体」とすること、すなわち、装置100を充電デバイス105と一体化することが示唆されている。
してみると、引用発明に引用文献2記載の技術を適用し、携帯電話に直流電力を入力する端末コネクタ(「充電インターフェース」に相当)を設け装置100(「充電回路」に相当)を携帯電話に内蔵することは当業者が容易になし得たことである。
そして、引用発明に引用文献2記載の技術を適用したものは、装置100(充電回路)が端末コネクタ(充電インターフェース)と内部電池(バッテリー(電池))の間に配置され、一次回路115(第一回路)と、絶縁電気キャパシタ(容量性結合素子)と、二次回路120(第二回路)は、順次に前記端末コネクタと前記内部電池の間に接続され、前記端末コネクタと接続し、前記端末コネクタから出力されるDCをACに転換するものである。
したがって、引用発明及び引用文献2記載の技術に基づき、本願発明1の上記相違点1に係る構成を得ることは、当業者が容易になし得たことである。
2 相違点2ないし4について
(1)「ブリッジアーム回路」および「制御回路」について
DC/ACコンバータを、2つのトランジスタを直列接続したハーフブリッジ(「ハーフブリッジ回路」の「ブリッジアーム回路」に相当)又は2つのハーフブリッジからなるフルブリッジ(「フルブリッジ回路」の「ブリッジアーム回路」に相当)と、トランジスタのオンオフを制御することによりブリッジアーム回路を制御する「制御回路」とから形成することは、引用文献3記載の技術や引用文献4記載の技術のように本願出願日前周知技術である。
引用発明の一次回路115が備えるコンバータ135は、直流電圧を電圧波に変換する(DCをACに変換する)ものであるからDC/ACコンバータであり、引用発明に上記周知技術を適用してコンバータ135をハーフブリッジ回路又はフルブリッジ回路のブリッジアーム回路と制御回路とから構成することは、当業者が容易になし得たことである。
(2)「接地」について
電気回路を接地電位を基準とする回路とすること、すなわち、電気回路の一部を接地することは例示するまでもなく周知技術であり、当業者が必要に応じて適宜なし得る設計事項に過ぎない。また、電気回路の一部を接地する場合、当該回路の一番電位の低い部位を接地することは、例えば、引用文献3の図5,図6のように、普通に行われることである。
したがって、引用発明の一次回路115および二次回路120において一番電位の低い部位を接地することは、当業者が適宜なし得る設計事項である。
(3)よって、引用発明に上記周知技術を適用し、ハーフブリッジ回路又はフルブリッジ回路と制御回路とからコンバータ135を形成すると共に、一次回路115(コンバータ135)および二次回路120の一番電位の低い部位を接地して本願発明1の相違点2ないし4に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
3 まとめ
よって、請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明(引用発明)、引用文献2に記載された技術及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
そして効果についてみても、引用文献1に記載された発明(引用発明)に引用文献2に記載された技術及び周知技術を適用したものと比較して、当業者が予測し得ない格別顕著なものが請求項1に係る発明にあるとも認められない。
4 令和2年8月7日の意見書での請求人の主張について
請求人は令和2年8月7日の意見書において、概略次のように主張している。
(1)「引用文献2は、充電回路の配置位置を移動端末の充電インターフェースとバッテリー(電池)の間とすることを開示しますが、」「従来の技術において、移動端末の内部は一般的にACをDCに転換すること及びDCをACに転換することを実行しないので、」「本発明のDCをACに転換すること及びACをDCに転換することを実行する充電回路が移動端末の充電インタフェースとバッテリー(電池)の間に配置される特徴を開示しません。」(第2頁第37-45行)
(2)「本発明において、第一回路が充電インタフェースから出力されるDCをACに転換するのではなく、第一回路のブリッジアーム回路が第一回路の制御回路の制御下で容量性結合素子における前記少なくとも1つの容量を充電/放電することにより、充電インタフェースから出力され充電のために用いられるDCをACに転換し、即ち、第一回路と容量性結合素子が協力してDCをACに転換します。引用文献3の図5、図6のDC/ACコンバータ2は、DCからACへの変換を単独で実現し、容量性結合素子と協力してDCをACに転換するのではなく、従来の技術では『ブリッジアーム回路は、充電インタフェースから出力され充電のために用いられるDCをACに転換するために、制御回路の制御下で容量性結合素子における少なくとも1つの容量を充電/放電する』ことを開示していません。」、「さらに、本出願は構造だけを保護するのではなく、特別な制御方式も保護し、この制御方式によって、ブリッジアーム回路は制御回路の制御下で容量性結合素子における少なくとも1つの容量を充電/放電して、充電インタフェースから出力され充電のために用いられるDCをACに転換するので、ブリッジアーム回路と容量が協力して、DCをACに転換します。」(第2頁第47行-第3頁第16行)
(3)「引用文献は、上述したブリッジアーム回路のスイッチトランジスタの端子と、充電インタフェース、制御回路、地(当審注:「地」は「接地」の誤記と認める。)、容量との間の特別な接続関係を開示しておらず、従来の技術も上述したブリッジアーム回路のスイッチトランジスタの端子と、充電インタフェース、制御回路、地、容量との間の特別な接続関係を開示しません。」(第3頁第43-46行)
上記主張について検討する。
(4)上記「1 相違点1について」において述べたように、引用発明に引用文献2記載の技術を適用したものは、一次回路115(第一回路)と、絶縁電気キャパシタ(容量性結合素子)と、二次回路120(第二回路)は、順次に前記端末コネクタと前記内部電池の間に接続されたものである。
そして、一次回路115はDC電圧源110により生成される直流電圧を電圧波に変換する(DCをACに転換する)もの、二次回路120は整流器140を備えた(ACをDCに転換する)ものであるから、引用発明に引用文献2記載の技術を適用したものは、DCをACに転換すること及びACをDCに転換することを実行する充電回路が携帯電話(移動端末)の端末コネクタ(充電インターフェース)と内部電池(バッテリー)の間に配置されたものとなる。
よって、請求人の上記「(1)」の主張は採用できない。
(5)引用発明及び引用文献3記載の技術におけるDC/ACコンバータは、キャパシタが充電/放電され二次回路120に電圧波(AC)を送信しているのは明らかである。
また、上記「2 相違点2ないし4について」の「(1)」において述べたように、DC/ACコンバータをブリッジアーム回路および制御回路から形成することは周知技術である。
よって、請求人の上記「(2)」の主張は採用できない。
(6)上記「2 相違点2ないし4について」の「(1)」において述べたように、DC/ACコンバータをブリッジアーム回路および制御回路から形成することは、引用文献3記載の技術や引用文献4記載の技術のように周知技術であり、当該周知技術によるDC/ACコンバータは、例えば、フルブリッジ回路及び制御回路から形成される場合には、引用文献3の図6及び関連する記載にある回路のように、「DC/ACコンバータ2」は、1つのハーフブリッジの「第1のトランジスタT1」(本願発明1の「第一スイッチトランジスタ」に相当)は、直流電圧源である「DC/DCコンバータ1」に接続されるように構成される第一端と、「結合コンデンサCK1a」(本願発明1の「第一容量」に相当)の第一端が接続された「バス線路4.1」に接続され交流が出力される第二端と、制御端と、を有し、1つのハーフブリッジの「第2のトランジスタT2」(本願発明1の「第二スイッチトランジスタ」に相当)は、「第1のトランジスタT1」の第二端に接続される第一端と、接地されるように構成される第二端と、制御端と、を有し、もう1つのハーフブリッジの「第3のトランジスタT3」(本願発明1の「第三スイッチトランジスタ」に相当)は、直流電圧源である「DC/DCコンバータ1」に接続されるように構成される第一端と、「結合コンデンサCK1b」(本願発明1の「第二容量」に相当)の第一端が接続された「バス線路4.2」に接続され交流が出力される第二端と、制御端と、を有し、もう1つのハーフブリッジの「第4のトランジスタT4」(本願発明1の「第四スイッチトランジスタ」に相当)は、「第3のトランジスタT3」の第二端に接続される第一端と、接地されるように構成される第二端と、制御端と、を有するものである。また、「第1-第4のトランジスタT1-T4」の制御端が制御回路に接続されることは明らかであるから、請求人の主張するブリッジアーム回路のスイッチトランジスタの端子と充電インターフェース、制御回路、接地、容量との間の接続関係について、本願発明1と同様な構成とすることは、上記「2 相違点2ないし4について」で検討したとおり、当業者が容易に発明をすることができたものである。
よって、請求人の上記「(3)」の主張は採用できない。
第7 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2019-004098