特許拒絶査定不服審判
2019-002858
join-usコールログ及びコールアンサーメッセージ
- 審判番号
- 2019-002858
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-154117外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年03月01日
- 審決日
- 2020年01月06日
- 公報発行日
- 2020年07月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】アバイア インコーポレーテッド
- 【請求人代理人】岡部 讓
- 分類
- P18 .536-Z (H04M) / P18 .537-Z (H04M) / P18 .575-Z (H04M)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法36条4項1号特許法36条6項1号特許法36条6項2号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第4項第1号、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016-154117「join-usコールログ及びコールアンサーメッセージ」拒絶査定不服審判事件〔平成28年11月 4日出願公開、特開2016-189631〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成22年4月22日(パリ条約による優先権主張2009年4月22日 米国)に出願した特願2010-98348号の一部を平成26年8月4日に新たな特許出願とした特願2014-158339号の一部を平成28年8月5日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年11月22日付け:拒絶理由通知書
平成30年 5月31日 :意見書の提出
平成30年10月25日付け:拒絶査定
平成31年 3月 1日 :拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提
出
平成31年 4月11日 :手続補正書(方式)による請求の理由の補
充
令和 元年 6月21日 :前置報告書
第2 平成31年3月1日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成31年3月1日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正後の特許請求の範囲
本件補正により、特許請求の範囲の請求項10の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。
「【請求項10】
第1ユーザに関連する第1通信装置であって、前記第1通信装置が、第2ユーザに関連する第2通信装置と接続するように構成され、それによって前記第1ユーザと前記第2ユーザとの間の通信セッションが確立され、前記第1通信装置がさらに、前記通信セッションに現在関与している前記第1ユーザからのjoin-us要求を受信し、第3ユーザに関連する第3通信装置に対する呼出しとして前記受信したjoin-us要求を送信し、前記第3ユーザが前記join-us要求に応答する前に、前記第1ユーザが前記通信セッションに関与することを可能にするように構成され、前記第3通信装置がさらに、前記通信セッションに関する進行中の状態に加入し、前記通信セッションの前記進行中の状態がアクティブ通信セッションから終了した通信セッションに変化したことを判定し、そのような判定を行ったことに応答して、前記join-us要求を変更して、前記通信セッションの前記進行中の状態の変化を反映させるように動作可能である、第1通信装置。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の特許請求の範囲の請求項10の記載は次のとおりである。
「【請求項10】
第1ユーザに関連する第1通信装置であって、前記第1通信装置が、第2ユーザに関連する第2通信装置と接続するように構成され、それによって前記第1ユーザと前記第2ユーザとの間の通信セッションが確立され、前記第1通信装置がさらに、前記通信セッションに現在関与している前記第1ユーザからのjoin-us要求を受信し、第3ユーザに関連する第3通信装置に対する呼出しとして前記受信したjoin-us要求を送信し、前記第3ユーザが前記join-us要求に応答する前に、前記第1ユーザが前記通信セッションに関与することを可能にするように構成され、前記第3通信装置がさらに、前記通信セッションに関する進行中の状態情報に加入し、前記通信セッションの進行中の状態が第1状態から第2の異なる状態に変化したことを判定し、そのような判定を行ったことに応答して、前記join-us要求に対する応答入力を変更して、前記通信セッションの前記進行中の状態の変化を反映させるように動作可能である、第1通信装置。」
2 補正の適否
特許請求の範囲の請求項10についての本件補正のうち、「前記通信セッションに関する進行中の状態情報に加入し」を「前記通信セッションに関する進行中の状態に加入し」とする補正、「前記通信セッションの進行中の状態」を「前記通信セッションの前記進行中の状態」とする補正及び「前記join-us要求に対する応答入力を変更して」を「前記join-us要求を変更して」とする補正は、誤記の訂正ないし明りょうでない記載の釈明に該当する。
請求項10についての本件補正のうち、「第1状態」を「アクティブ通信セッション」とする補正及び「第2の異なる状態」を「終了した通信セッション」とする補正は、本件補正前の請求項10に記載された発明(以下、「本願発明」という。)を特定するために必要な事項である「第1状態」及び「第2の異なる状態」をそれぞれ「アクティブ通信セッション」及び「終了した通信セッション」に限定するものであって、本願発明と本件補正後の請求項10に記載される発明(以下、「本件補正発明」という。)の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正発明が同条6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、前記1(1)に記載したとおりのものであるところ、以下では参照を容易にするため、請求項10を以下のように(A)~(P)の句に分け、それぞれを句(A)~句(P)として参照する。
(A) 第1ユーザに関連する第1通信装置であって、
(B) 前記第1通信装置が、
(C) 第2ユーザに関連する第2通信装置と接続するように構成され、
(D) それによって前記第1ユーザと前記第2ユーザとの間の通信セッションが確立され、
(E) 前記第1通信装置がさらに、
(F) 前記通信セッションに現在関与している前記第1ユーザからのjoin-us要求を受信し、
(G) 第3ユーザに関連する第3通信装置に対する呼出しとして前記受信したjoin-us要求を送信し、
(H) 前記第3ユーザが前記join-us要求に応答する前に、
(I) 前記第1ユーザが前記通信セッションに関与することを可能にするように構成され、
(J) 前記第3通信装置がさらに、
(K) 前記通信セッションに関する進行中の状態に加入し、
(L) 前記通信セッションの前記進行中の状態がアクティブ通信セッションから終了した通信セッションに変化したことを判定し、
(M) そのような判定を行ったことに応答して、
(N) 前記join-us要求を変更して、
(O) 前記通信セッションの前記進行中の状態の変化を反映させるように動作可能である、
(P) 第1通信装置。
(2)明確性要件に関する独立特許要件の判断
ア 本件補正発明は、第3通信装置が「前記通信セッションに関する進行中の状態に加入」する(句(K))ことを発明特定事項として含むが、該発明特定事項の意味が不明である。
「前記通信セッション」は、句(D)で規定される「前記第1ユーザと前記第2ユーザとの間の通信セッション」のことを指すと認められる。しかしながら、「前記通信セッションに関する進行中の状態」すなわち、第1ユーザと第2ユーザとの間の通信セッションに関する進行中の状態というのが何を意味しているのかが不明であるし、該通信セッションに関する進行中の状態に第3通信装置が加入するという動作が、どのような動作であるのかも理解出来ない。そもそも、装置が状態に加入するという表現が、日本語として理解できない。
なお、本件補正発明のカテゴリー違いである本件補正後の請求項1に係る発明及びその従属発明である請求項2~9についても同様である。
イ 請求人は、平成31年4月11日の手続補正書(方式)(以下、単に「手続補正書(方式)」という。)にて、『本願明細書の段落[0035]には、「例えば、通信セッションの進行中の状態に加入し、状態が変化したことを確認する」と記載されております。この記載に鑑み、特許請求の範囲の「状態情報」から「情報」を削除しました。』(2頁)と主張する。
本願の発明の詳細な説明には、「この変更は、通信セッションの状態がアクティブ通信セッションから終了した通信セッションに変化したと(例えば、通信セッションの進行中の状態に加入し、状態が変化したことを確認することにより)判定した時に通信装置で自動的に実行することができる。」(【0035】)との記載があるが、「通信セッションの進行中の状態に加入」するという動作が具体的にどのような動作であるのかについての記載はないため、該記載を参照しても、本件補正発明の「前記通信セッションに関する進行中の状態に加入」するという動作を理解することはできない。
よって、請求人の主張は採用できない。
ウ 本件補正発明は、句(A)及び句(P)に示されるように第1ユーザに関連する第1通信装置であるが、句(K)~句(O)に示される動作は、句(J)によれば、第3通信装置が実行する動作である。
しかしながら、第1通信装置の構成として第3通信装置の動作を規定することにより、第1通信装置に関してどのような技術的事項を特定しようとしているのかが不明である。
したがって、本件補正発明は明確ではない。
エ 請求人は、手続補正書(方式)にて、『請求項10は、「前記第3ユーザが前記join-us要求に応答する前に、前記第1ユーザが前記通信セッションに関与することを可能」にします。その結果、システムが、第3ユーザからの応答を受信するために待機状態になった後であっても、元の通信セッション/会議の続行を可能にします。このように補正後の請求項10に記載される、第3の通信装置の動作は、第1通信装置の機能/動作に影響を及ぼします。第3ユーザが「join-us要求」に応答したか否かにしたがって、第1通信装置の機能を変更することを示唆しています。』(5頁)と主張する。
しかしながら、前記主張は第3の通信装置の動作が第1通信装置の機能/動作に影響を及ぼすということを主張するに過ぎず、その影響により、第1通信装置の機能/動作がどのように変わるのかは明らかにしていない。この点に関して、前記主張には『「前記第3ユーザが前記join-us要求に応答する前に、前記第1ユーザが前記通信セッションに関与することを可能」にします。その結果、システムが、第3ユーザからの応答を受信するために待機状態になった後であっても、元の通信セッション/会議の続行を可能にします。』との説明があるが、「システムが、第3ユーザからの応答を受信するために待機状態になった後であっても、元の通信セッション/会議の続行を可能にします。」というのは、「前記第3ユーザが前記join-us要求に応答する前に、前記第1ユーザが前記通信セッションに関与することを可能」であるということの言い換えに過ぎず、第3の通信装置の動作により第1の通信装置の機能/動作がどのように変わるのかの説明にはなっていない。
よって、請求人の主張は採用できない。
(3)実施可能要件に関する独立特許要件の判断
ア 本件補正発明は、句(K)、(L)及び(O)により、第3通信装置が「通信セッションの進行中の状態」を用いる動作を行うことが特定されている。前記「通信セッション」は、句(D)で特定される第1ユーザと第2ユーザとの間の通信セッションであるから、前記「通信セッション」は、本来、第3通信装置が与り知らぬものである。そうすると、本件補正発明を実施するためには、第3通信装置が第1ユーザと第2ユーザとの間の通信セッションの進行中の状態を何らかの手法で監視する必要がある。
イ 本願の発明の詳細な説明を参照すると、開始側参加者によりjoin-us入力232が選択されたとき、呼出し元が元の呼出しに戻ると同時に、又はそのすぐ後に、ダイアログ情報が現呼出しから取り込まれ(【0035】)、開始側通信装置108が、取り込まれたダイアログ情報の一部又はすべてを含むメッセージを生成して送信し(【0036】)、取り込まれたダイアログ情報が、第3者(さらに、場合によっては開始側)に関連するコールログアプリケーション112及びコールアンサーアプリケーション124内に格納され、コールログアプリケーションは、ダイアログイベントに加入して、呼出しの寿命を追跡し(【0037】)、元のダイアログが終了した場合、コールログ内のコマンドが「Join」から「Call」に変化する(【0040】)という一連の動作が記載されている。
ウ 前記イの動作は、「呼出し」、「ダイアログ」、「コマンド」等の用語の意味するところが不明瞭ではあるものの、開始側参加者(呼出し元)のダイアログ(ダイアログは、本件補正発明の「通信セッション」に対応すると推察する。)の情報(ダイアログ情報)を第3者に関連するコールログアプリケーション112に送信し、該コールログアプリケーションが前記ダイアログイベントに加入することで前記ダイアログの状態を監視し、ダイアログが終了した場合に、コールログ内のライブコマンドボタン(【0037】の記載内容から「コマンド」を「ライブコマンドボタン」であると推察する。)を「Join」から「Call」へ変更する動作であると推察する。
エ そうすると、本願の発明の詳細な説明に記載された「コールログアプリケーション」は、第1ユーザと第2ユーザとの間の通信セッションの進行中の状態を取得することができるアプリケーションであると推察されるが、コールログアプリケーションの具現化方法は不明である。
すなわち、「コールログアプリケーションは、ダイアログイベントに加入して、呼出しの寿命を追跡」する(【0037】)とあるが、ダイアログに加入するのではなく、ダイアログイベントに加入するという動作が、どのようなものであるのかが不明であるため、コールログアプリケーションをどのように具現化すれば良いのかが不明である。そもそも、「ダイアログイベント」が何を意味しているのかも不明である。
オ 他方、本願の発明の詳細な説明には「この変更は、通信セッションの状態がアクティブ通信セッションから終了した通信セッションに変化したと(例えば、通信セッションの進行中の状態に加入し、状態が変化したことを確認することにより)判定した時に通信装置で自動的に実行することができる。」(【0035】)との記載があるものの、前記(2)イのとおり、「通信セッションの進行中の状態に加入」するという動作が具体的にどのような動作であるのかについての記載はなく、したがって、「通信セッションの進行中の状態に加入」するという動作を具現化することができない。また、通信セッションの進行中の状態に加入することと、コールログアプリケーションがダイアログイベントに加入すること(前記エ)との関係も不明である。
カ その他、第1ユーザと第2ユーザとの間の通信セッションの進行中の状態を監視するための具体的手法についての記載は、本願の発明の詳細な説明に存在しない。
キ 以上、前記ア~カによれば、本件補正発明を実施するために必要な、第3通信装置が第1ユーザと第2ユーザとの間の通信セッションの進行中の状態を監視するという動作を具現化する手法について、本願の発明の詳細な説明は開示していると認められず、よって、本願の発明の詳細な説明は、本件補正発明を実施できる程度に明確かつ十分に記載されているとは認められない。
なお、本件補正発明のカテゴリー違いである本件補正後の請求項1に係る発明及びその従属発明である請求項2~9についても同様である。
ク 請求人は、手続補正書(方式)にて、請求項1、4、5、7、10は本願明細書の段落【0033】~【0046】の記載に基づくように実施可能に補正している旨(5頁)を主張するが、前記ア~キのとおりであるから、請求人の主張は採用できない。
(4)サポート要件に関する独立特許要件の判断
ア 前記(3)のとおりであるから、第3通信装置が「前記通信セッションに関する進行中の状態に加入」するという動作を含む本件補正発明は、前記動作の具現化手法が本願の発明の詳細な説明に開示されていないから、本件補正発明は、発明の詳細な説明に記載したものとはいえない。
なお、本件補正後の請求項1~9に係る発明も同様である。
イ 加えて、本願の発明の詳細な説明は、第3通信装置が句(K)~句(O)の動作をすることを要件とする第1通信装置を開示するものではない。すなわち、本願の発明の詳細な説明は、第3通信装置(第3者の通信装置)の動作とは独立した第1通信装置(開始側通信装置)を開示するが、第3通信装置の動作を包含した第1通信装置を開示しない。よって、本件補正発明は、発明の詳細な説明に記載したものではない。
なお、本件補正後の請求項1~9に係る発明も同様である。
ウ 請求人は、手続補正書(方式)にて、請求項1、4、5、7、10は本願明細書の段落【0033】~【0046】の記載に基づくように実施可能に補正している旨(5頁)を主張するが、前記ア及びイのとおりであるから、請求人の主張は採用できない。
3 本件補正についてのむすび
前記2のとおりであるから、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は前記第2のとおり却下されたので、本願発明は、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、概略、以下のとおりである。
(1) 請求項1には、「第3通信装置において、前記通信セッションに関する進行中の状態情報に加入する」と記載されているが、通信装置は「情報」には入れないと思われるため、情報に加入するということの、日本語の文章としての意味が著しく不明確であるから、請求項1~9に係る発明は不明確であり、請求項10についても同様である。
また、請求項10には、「第3通信装置がさらに、前記通信セッションに関する進行中の状態情報に加入し、前記通信セッションの進行中の状態が第1状態から第2の異なる状態に変化したことを判定し、そのような判定を行ったことに応答して、前記join-us要求に対する応答入力を変更して、前記通信セッションの前記進行中の状態の変化を反映させるように動作可能である、第1通信装置」と記載されているが、上記の「判定」することや、「応答入力を変更」すること等は、第3通信装置の動作として記載されていると認められるため、そのように動作可能である第1通信装置とは、いかなることを意味しているのか、著しく意味が不明である。
よって、この出願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
(2) 本願の発明の詳細な説明には、請求項1、10に係る発明の「第3通信装置において、前記通信セッションに関する進行中の状態情報に加入する」ことについて記載も示唆もされておらず、請求項1~10に係る発明は、本願の発明の詳細な説明に記載されたものでない。
本願の発明の詳細な説明には、請求項10に係る発明における、第3通信装置が、「通信セッションに関する進行中の状態情報に加入し、前記通信セッションの進行中の状態が第1状態から第2の異なる状態に変化したことを判定し、そのような判定を行ったことに応答して、前記join-us要求に対する応答入力を変更して、前記通信セッションの前記進行中の状態の変化を反映させるように動作可能である」ように構成された第1通信装置について、記載も示唆もされていない。
よって、この出願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
(3) 請求項1~10に係る発明は、第3通信装置が、どのようにして進行中の状態情報に加入するのか、どのようにして、セッションの通信中の状態が変化したことを判定したり、応答入力を変更して進行中の状態の変化を反映させるのか不明であり、さらに、請求項10に係る発明について、明細書中には、第1、第3通信装置が、それぞれ、自身の動作を行うことは記載されているが、「第3通信装置がさらに・・・状態の変化を反映させるように動作可能である第1通信装置」について、記載されていないから、この出願は、発明の詳細な説明の記載が特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。
3 判断
本願発明は、前記第2[理由]2で検討した本件補正発明の「アクティブ通信セッション」及び「終了した通信セッション」をそれぞれ「第1状態」及び「第2の異なる状態」と上位概念化し、誤記の訂正ないし明りょうでない記載の釈明に関する補正を取り除いたものである。
してみると、本願発明は本件補正発明を包含するものであると認められるから、前記第2[理由]2(2)~(4)と同様の理由で、本願発明は不明確であり、本願の発明の詳細な説明は本願発明を実施できる程度に明確かつ十分に記載されておらず、かつ、本願発明は本願の発明の詳細な説明に記載したものではない。
第4 むすび
以上のとおり、本願は、発明の詳細な説明の記載が特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしておらず、かつ、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号及び第2号に規定する要件を満たしていないから、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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