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特許異議申立

2018-700841

アンテナ装置

審判番号
2018-700841
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2017-165359
登録番号
特許第6314277号(P6314277)
請求日
2018年10月16日
審決日
2019年12月24日
公報発行日
2020年03月27日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社ヨコオ
  • 【権利者代理人】野中 剛
  • 【異議申立人】新井 誠一
審判長/審判官
  • 審判長 北岡 浩
  • 審判官 中野 浩昌
  • 審判官 衣鳩 文彦
分類
P1652.121-YAA(H01Q) / P1652.841-YAA(H01Q) / P1652.851-YAA(H01Q) / P1652.854-YAA(H01Q) / P1652.855-YAA(H01Q) / P1652.856-YAA(H01Q) / P1652.857-YAA(H01Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6314277号発明「アンテナ装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6314277号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-8〕、〔9、10〕について訂正することを認める。 特許第6314277号の請求項1、5及び10に係る特許を維持する。 特許第6314277号の請求項7及び9に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本件特許第6314277号(以下「本件特許」という。)の請求項1ないし10に係る特許についての出願は、平成29年8月30日に出願されたものであって、平成30年3月30日にその特許権の設定登録がされ、平成30年4月18日に特許掲載公報が発行された。その後の本件特許異議の申立ての経緯は次のとおりである。 平成30年10月16日  :特許異議申立人 新井誠一(以下「異議申               立人」という。)より請求項1、5、7、               9及び10に係る特許に対する特許異議の               申立て 平成31年 1月28日付け:取消理由通知書 平成31年 3月27日  :特許権者による意見書及び訂正請求書の提               出(以下「1次訂正請求」という。) 平成31年 4月22日付け:訂正請求があった旨の通知書(特許法第1               20条の5第5項) 令和 1年 6月 5日  :異議申立人による意見書の提出 令和 1年 7月 5日付け:取消理由通知(決定の予告) 令和 1年 9月12日  :特許権者による意見書及び訂正請求書の提               出(以下「本件訂正請求」という。) 令和 1年 9月19日付け:訂正請求があった旨の通知書(特許法第1               20条の5第5項) 令和 1年10月24日  :異議申立人による意見書(以下「意見書」               という。)の提出 なお、1次訂正請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 本件訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を、以下のとおりに訂正する。 「【請求項1】 第1アンテナ素子と第2アンテナ素子と第3アンテナ素子とを有するアンテナ素子部と、 前記第1アンテナ素子と車両のゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第1アンテナ素子を介して得られた情報に基づいて、前記第1アンテナ素子が取り付けられた車両の位置情報を算出する第1処理部と、 前記第2アンテナ素子と前記ゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第2アンテナ素子を介して、移動体通信を行う第2処理部と、 前記第3アンテナ素子と前記ゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第3アンテナ素子を介して、前記車両の外からの情報を受信し、前記車両の情報を送信する第3処理部と、 前記ゲートウェイECUと、車内LANを介して接続する送受信部とを備え、 前記第1アンテナ素子と、前記第2アンテナ素子と、前記第3アンテナ素子は、ケースに覆われ、 前記第1処理部、前記第2処理部、前記第3処理部、前記送受信部は、前記ゲートウェイECUよりも前記アンテナ素子部に近い位置に配置された筐体に収納され、前記第1処理部、前記第2処理部、前記第3処理部は、前記送受信部を介して、前記ゲートウェイECUと通信を行い、 前記第1処理部の基準クロックに関する情報は、前記第2処理部と前記第3処理部の少なくとも一方に送信されてタイミング制御のために用いられるか、前記ゲートウェイECUを介して送信されてタイミング制御のために用いられることを特徴とするアンテナ装置。」 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2を、独立形式に改め、以下のとおりに訂正する。 「【請求項2】 第1アンテナ素子と第2アンテナ素子と第3アンテナ素子とを有するアンテナ素子部と、 前記第1アンテナ素子と車両のゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第1アンテナ素子を介して得られた情報に基づいて、前記第1アンテナ素子が取り付けられた車両の位置情報を算出する第1処理部と、 前記第2アンテナ素子と前記ゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第2アンテナ素子を介して、移動体通信を行う第2処理部と、 前記第3アンテナ素子と前記ゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第3アンテナ素子を介して、前記車両の外からの情報を受信し、前記車両の情報を送信する第3処理部と、 前記ゲートウェイECUと、車内LANを介して接続する送受信部とを備え、 前記第1アンテナ素子と、前記第2アンテナ素子と、前記第3アンテナ素子は、ケースに覆われ、 前記第1処理部、前記第2処理部、前記第3処理部、前記送受信部は、前記ゲートウェイECUよりも前記アンテナ素子部に近い位置に配置された筐体に収納され、前記第1処理部、前記第2処理部、前記第3処理部は、前記送受信部を介して、前記ゲートウェイECUと通信を行い、 前記第1アンテナ素子で得られた情報に基づいて、前記第1処理部の基準クロックが調整され、 前記基準クロックは、前記第2処理部と前記第3処理部の少なくとも一方のタイミング制御に用いられることを特徴とするアンテナ装置。」 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3を、独立形式に改め、以下のとおりに訂正する。 「【請求項3】 第1アンテナ素子と第2アンテナ素子と第3アンテナ素子とを有するアンテナ素子部と、 前記第1アンテナ素子と車両のゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第1アンテナ素子を介して得られた情報に基づいて、前記第1アンテナ素子が取り付けられた車両の位置情報を算出する第1処理部と、 前記第2アンテナ素子と前記ゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第2アンテナ素子を介して、移動体通信を行う第2処理部と、 前記第3アンテナ素子と前記ゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第3アンテナ素子を介して、前記車両の外からの情報を受信し、前記車両の情報を送信する第3処理部と、 前記ゲートウェイECUと、車内LANを介して接続する送受信部とを備え、 前記第1アンテナ素子と、前記第2アンテナ素子と、前記第3アンテナ素子は、ケースに覆われ、 前記第1処理部、前記第2処理部、前記第3処理部、前記送受信部は、前記ゲートウェイECUよりも前記アンテナ素子部に近い位置に配置された筐体に収納され、前記第1処理部、前記第2処理部、前記第3処理部は、前記送受信部を介して、前記ゲートウェイECUと通信を行い、 前記第1アンテナ素子で得られた情報に基づいて、前記第1処理部の基準クロックが調整され、 前記第3処理部は、前記車両の情報として、前記第1処理部で算出された前記位置情報と前記基準クロックに基づく時間情報を発信することを特徴とするアンテナ装置。」 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4を削除する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5を、独立形式に改め、以下のとおりに訂正する。「【請求項5】 第1アンテナ素子と第2アンテナ素子と第3アンテナ素子とを有するアンテナ素子部と、 前記第1アンテナ素子と車両のゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第1アンテナ素子を介して得られた情報に基づいて、前記第1アンテナ素子が取り付けられた車両の位置情報を算出する第1処理部と、 前記第2アンテナ素子と前記ゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第2アンテナ素子を介して、移動体通信を行う第2処理部と、 前記第3アンテナ素子と前記ゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第3アンテナ素子を介して、前記車両の外からの情報を受信し、前記車両の情報を送信する第3処理部と、 前記ゲートウェイECUと、車内LANを介して接続する送受信部とを備え、 前記第1アンテナ素子と、前記第2アンテナ素子と、前記第3アンテナ素子は、ケースに覆われ、 前記第1処理部、前記第2処理部、前記第3処理部、前記送受信部は、前記ゲートウェイECUよりも前記アンテナ素子部に近い位置に配置された筐体に収納され、前記第1処理部、前記第2処理部、前記第3処理部は、前記送受信部を介して、前記ゲートウェイECUと通信を行い、 前記第1処理部の基準クロックに関する情報は、前記第2処理部と前記第3処理部の少なくとも一方に送信されてタイミング制御のために用いられるか、前記ゲートウェイECUを介して送信されてタイミング制御のために用いられ、 前記ケースと、前記筐体は、前記車両における前記アンテナ素子部を保持する部材を挟む位置関係に配置されることを特徴とするアンテナ装置。」 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項6を、独立形式に改め、以下のとおりに訂正する。 「【請求項6】 第1アンテナ素子と第2アンテナ素子と第3アンテナ素子とを有するアンテナ素子部と、 前記第1アンテナ素子と車両のゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第1アンテナ素子を介して得られた情報に基づいて、前記第1アンテナ素子が取り付けられた車両の位置情報を算出する第1処理部と、 前記第2アンテナ素子と前記ゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第2アンテナ素子を介して、移動体通信を行う第2処理部と、 前記第3アンテナ素子と前記ゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第3アンテナ素子を介して、前記車両の外からの情報を受信し、前記車両の情報を送信する第3処理部と、 前記ゲートウェイECUと、車内LANを介して接続する送受信部とを備え、 前記第1アンテナ素子と、前記第2アンテナ素子と、前記第3アンテナ素子は、ケースに覆われ、 前記第1処理部、前記第2処理部、前記第3処理部、前記送受信部は、前記ゲートウェイECUよりも前記アンテナ素子部に近い位置に配置された筐体に収納され、前記第1処理部、前記第2処理部、前記第3処理部は、前記送受信部を介して、前記ゲートウェイECUと通信を行い、 前記ケースの内側には、カメラを含む撮像部が設けられ、 前記筐体には、前記撮像部で得られた画像信号に画像処理を施し、前記第1処理部で算出された位置情報と前記第1処理部で調整された基準クロックに基づく時間情報の少なくとも1つを付加する画像処理モジュールが設けられることを特徴とするアンテナ装置。」 (7)訂正事項7 特許請求の範囲の請求項7を削除する。 (8)訂正事項8 特許請求の範囲の請求項8を削除する。 (9)訂正事項9 特許請求の範囲の請求項10を、独立形式に改め、以下のとおりに訂正する。 「【請求項10】 第1アンテナ素子と、前記第1アンテナ素子とは別のアンテナ素子とを有するアンテナ素子部と、 前記第1アンテナ素子と車両のゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第1アンテナ素子を介して得られた情報に基づいて、前記第1アンテナ素子が取り付けられた車両の位置情報を算出する第1処理部と、 前記ゲートウェイECUと、車内LANを介して接続する送受信部とを備え、 前記第1アンテナ素子と、前記別のアンテナ素子は、ケースに覆われ、 前記第1処理部と前記送受信部は、前記ゲートウェイECUよりも前記アンテナ素子部に近い位置に配置された筐体に収納され、前記第1処理部は、前記送受信部を介して、前記ゲートウェイECUと通信を行い、 前記第1処理部とは別の処理部であって、前記別のアンテナ素子と前記ゲートウェイECUを介さずに接続され、前記別のアンテナ素子を介して、移動体通信を行う、若しくは、前記車両の外からの情報を受信し、前記車両の情報を送信するものを更に備え、 前記筐体には、前記別の処理部も収納され、 前記別の処理部は、前記送受信部を介して、前記ゲートウェイECUと通信を行い、 前記第1処理部の基準クロックに関する情報は、前記別の処理部に送信されてタイミング制御のために用いられるか、前記ゲートウェイECUを介して送信されてタイミング制御のために用いられることを特徴とするアンテナ装置。」 (10)訂正事項10 特許請求の範囲の請求項9を削除する。 (11)一群の請求項について 本件訂正前の請求項2ないし8は請求項1の記載を引用する関係にあるから、請求項1ないし8に係る訂正は一群の請求項ごとに請求された訂正であり、本件訂正前の請求項10は請求項9の記載を引用する関係にあるから、請求項9及び10に係る訂正は一群の請求項ごとに請求された訂正である。したがって、本件訂正は特許法第120条の5第4項に適合するものである。 次項では、一群の請求項ごとに訂正の適否を検討する。 2 一群の請求項である請求項1ないし請求項8に係る訂正についの訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否及び独立特許要件の検討 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的について 訂正前の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、「第1処理部」について、「前記送受信部を介して、前記ゲートウェイECUと通信を行い」の記載はあるものの、「第1処理部」はいかなる情報を送信し、それを何に用いていたかは特定されていない。 これに対して、訂正事項1に係る「前記第1処理部の基準クロックに関する情報は、前記第2処理部と前記第3処理部の少なくとも一方に送信されてタイミング制御のために用いられるか、前記ゲートウェイECUを介して送信されてタイミング制御のために用いられる」という事項(以下「訂正事項1に係る事項」という。)を追加することで、送信される情報が基準クロックに関する情報であり、該情報は、「前記第2処理部と前記第3処理部の少なくとも一方に送信されてタイミング制御のために用いられる」か、「前記ゲートウェイECUを介して送信されてタイミング制御のために用いられる」ことが特定されたものである。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 イ 新規事項の有無について 願書に添付した明細書には、以下の事項が記載されている。 「【0036】 第1処理部(位置演算モジュール)31は、第1アンテナ素子11を介して、衛星の位置情報と時間情報を受信し、これらに基づいて、車両の位置情報(緯度経度情報)を算出し、第1処理部31の基準クロックを調整する。 【0037】(略) 【0038】 また、第1処理部31は、当該車両の位置情報及び基準クロックに関する情報を、第2処理部32~第6処理部36と送受信部39に送信する。 第1処理部31で調整された基準クロックは、信号処理部30の各部(第1処理部31~第6処理部36、送受信部39)のタイミング制御に用いられる。 【0039】 また、基準クロックに関する情報は、送受信部39とゲートウェイECU100を介して、車両の各部に送信され、これらのタイミング制御に用いられる形態であってもよい。 なお、第1処理部31から、第2処理部32~第6処理部36への位置情報や基準クロックに関する情報の送信は、送受信部39を介して行われる形態であってもよい。」 「【0068】 第1処理部(位置演算モジュール)31で得られた位置情報は、情報出力装置120で使用されるだけでなく、第3処理部(V2Xモジュール)33で発信する自車情報に含まれる位置情報として用いられる。 第1処理部31で調整された基準クロックは、信号処理部30を構成する他の機器(第2処理部32など)のタイミング制御に用いられ、更に、第3処理部33で発信する自車情報に含まれる時間情報として用いられる。 【0069】 このため、位置情報を得るための1つのアンテナ素子(第1アンテナ素子11)を用いて、複数の機器の位置情報や基準クロックを共有させることが可能になり、それぞれの機器(例えば、第2処理部32や第3処理部33)に、第1アンテナ素子11に相当するアンテナ素子や位置情報を算出する装置や基準クロックを調整する装置を設けずに構成することが可能になる。 【0070】(略) 【0071】 また、第1アンテナ素子11及び第1処理部31で得られる車両の位置情報や基準クロックに関する情報は、カーナビゲーションシステムなど位置情報を出力する装置(情報出力装置120)に限らず、車内LANを介して接続された他の装置170の制御に用いられる形態であってもよい。 【0072】 例えば、(中略)車両の位置情報と基準クロックに基づく時間情報に基づいて、日の出時間や日の入り時間を算出して、ヘッドライトやスモールライト(他の装置170)の点灯制御を行う形態が考えられる。」 上記記載も勘案すると、訂正後の請求項1の、第1処理部から送信される基準クロックに関する情報は、第1処理部が第1アンテナ素子を介して衛星の位置情報と時間情報を受信し、これらに基づいて調整した該第1処理部の基準クロックに関する情報であるといえ、この基準クロックに関する情報を、第2処理部、第3処理部ないしはゲートウェイECUを介して車両の各部へ送信し、それぞれの機器においてタイミング制御に用いることにより、それぞれの機器に前記第1アンテナ素子に相当するアンテナ素子や位置情報を算出する装置や基準クロックを調整する装置を設けずに構成することが可能になるという効果を奏するものといえる。 そして、具体的には、段落【0038】には、第1処理部31は、基準クロックに関する情報を第2処理部32~第6処理部36と送受信部39に送信すること、基準クロックに関する情報に含まれる基準クロックは、第1処理部31~第6処理部36、送受信部39のタイミング制御に用いられることが記載され、段落【0039】には、基準クロックに関する情報は、送受信部39とゲートウェイECU100を介して、車両の各部に送信され、これらのタイミング制御に用いられることが記載されているから、訂正事項1に係る事項は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の事項である。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 上記アのとおり、訂正事項1は、訂正事項1に係る事項により特許請求の範囲を減縮するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 エ 異議申立人の意見書での主張について 異議申立人は、意見書において、(ア)第1処理部で何ら調整しない基準クロックを用いてタイミング制御するという技術的思想が権利範囲に包含されることになる本件特許権者による訂正は、本件特許明細書に記載されていない内容を請求項に記載するものであり、新たな技術的事項を導入するものであることから、明細書又は図面に記載した事項の範囲内で訂正されたものではなく(意見書4頁)、及び(イ)何ら調整しない基準クロックを用いてタイミング制御するという技術的思想が権利範囲に包含されることになる訂正後の請求項1では、「それぞれの機器(例えば、第2処理部32や第3処理部33)に、第1アンテナ素子11に相当するアンテナ素子や位置情報を算出する装置や基準クロックを調整する装置を設けずに構成すること」を可能にするものではなく、本件特許明細書に記載された発明の課題を解決するための手段を反映したものとはなっていないため、訂正後の請求項1はサポート要件に違反している(意見書5頁)旨主張している。 しかしながら、上記イのとおり、本件特許明細書には、第1処理部により調整された基準クロックに関する情報を用いる実施例のみが記載され、何ら調整しない基準クロックを用いてタイミング制御することや、第1処理部以外の処理部で調整された基準クロックに関する情報を第1処理部に送信することは記載されていないから、訂正後の請求項1の「前記第1処理部の基準クロックに関する情報」は、該第1処理部によって調整されたものであると解するのが自然である。 したがって、異議申立人の前記主張は採用できない。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的について 訂正前の請求項2が請求項1を引用する記載であったところ、訂正事項2は、訂正後の請求項2の記載を、請求項1を引用しないものとする訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当する。 イ 新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 上記アより、訂正事項2は、請求項間の引用関係を解消することを目的とするものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (3)訂正事項3について ア 訂正の目的について 訂正前の請求項3が請求項1を引用する記載であったところ、訂正事項3は、訂正後の請求項3の記載を、請求項1を引用しないものとする訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当する。 イ 新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 上記アより、訂正事項3は、請求項間の引用関係を解消することを目的とするものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 (4)訂正事項4について ア 訂正の目的について 訂正事項4は、訂正前の請求項4を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 イ 新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、独立特許要件について 上記アのとおり、訂正事項4は、訂正前の請求項4を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、独立特許要件に違反しない。 したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項ないし第7項の規定に適合する。 (5)訂正事項5について ア 訂正の目的について 訂正前の請求項5が請求項1ないし3を選択的に引用する記載であったところ、訂正事項5は、訂正後の請求項5の記載を、請求項1ないし3から選択された請求項1を引用するものに限定した上で該請求項1を引用しない記載に訂正するとともに、訂正事項5に係る「前記第1処理部の基準クロックに関する情報は、前記第2処理部と前記第3処理部の少なくとも一方に送信されてタイミング制御のために用いられるか、前記ゲートウェイECUを介して送信されてタイミング制御のために用いられる」という事項(以下「訂正事項5に係る事項」という。)を追加することで、送信される情報が基準クロックに関する情報であり、該情報は、「前記第2処理部と前記第3処理部の少なくとも一方に送信されてタイミング制御のために用いられる」か、「前記ゲートウェイECUを介して送信されてタイミング制御のために用いられる」ことが特定されたものである。 したがって、訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮及び第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当する。 イ 新規事項の有無について 訂正前の請求項5が請求項1ないし3を選択的に引用していたところ、訂正後の請求項5が請求項1を引用したものに限定する点は、新規事項の追加に該当しない。 また、願書に添付した明細書には、以下の事項が記載されている。 「【0038】 また、第1処理部31は、当該車両の位置情報及び基準クロックに関する情報を、第2処理部32~第6処理部36と送受信部39に送信する。 第1処理部31で調整された基準クロックは、信号処理部30の各部(第1処理部31~第6処理部36、送受信部39)のタイミング制御に用いられる。 【0039】 また、基準クロックに関する情報は、送受信部39とゲートウェイECU100を介して、車両の各部に送信され、これらのタイミング制御に用いられる形態であってもよい。 なお、第1処理部31から、第2処理部32~第6処理部36への位置情報や基準クロックに関する情報の送信は、送受信部39を介して行われる形態であってもよい。」 上記記載によると、段落【0038】には、第1処理部31は、基準クロックに関する情報を第2処理部32~第6処理部36と送受信部39に送信すること、基準クロックに関する情報に含まれる基準クロックは、第1処理部31~第6処理部36、送受信部39のタイミング制御に用いられることが記載され、段落【0039】には、基準クロックに関する情報は、送受信部39とゲートウェイECU100を介して、車両の各部に送信され、これらのタイミング制御に用いられることが記載されているから、訂正事項5に係る事項は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の事項である。 したがって、訂正事項5は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 上記アのとおり、訂正事項5は、請求項間の引用関係を解消するとともに、訂正事項5に係る事項により特許請求の範囲を減縮するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項5は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 (6)訂正事項6について ア 訂正の目的について 訂正前の請求項6が請求項1ないし5を選択的に引用する記載であったところ、訂正事項6は、訂正後の請求項6の記載を、請求項1ないし5から選択された請求項1を引用するものに限定した上で該請求項1を引用しない記載に訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮及び第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当する。 イ 新規事項の有無について 上記アのとおり、訂正事項6は、訂正前の請求項6が請求項1ないし5を選択的に引用していたところ、訂正後の請求項6が請求項1を引用したものに限定する点は、新規事項の追加に該当しない。 したがって、訂正事項6は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について 上記アのとおり、訂正事項6は、特許請求の範囲を減縮するとともに請求項間の引用関係を解消するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項6は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 エ 独立特許要件について 訂正前の請求項6に記載された「前記ケースの内側には、カメラを含む撮像部が設けられ、前記筐体には、前記撮像部で得られた画像信号に画像処理を施し、前記第1処理部で算出された位置情報と前記第1処理部で調整された基準クロックに基づく時間情報の少なくとも1つを付加する画像処理モジュールが設けられること」は、異議申立人が提出したいずれの文献にも記載も示唆もされていない。 他に訂正後の請求項6に係る発明を拒絶する理由を発見しない。 したがって、訂正事項6は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第7項の規定に適合する。 (7)訂正事項7について ア 訂正の目的について 訂正事項7は、訂正前の請求項7を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 イ 新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、独立特許要件について 上記アのとおり、訂正事項7は、訂正前の請求項7を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、独立特許要件に違反しない。 したがって、訂正事項7は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項ないし第7項の規定に適合する。 (8)訂正事項8について ア 訂正の目的について 訂正事項8は、訂正前の請求項8を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 イ 新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、独立特許要件について 上記アのとおり、訂正事項8は、訂正前の請求項8を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、独立特許要件に違反しない。 したがって、訂正事項8は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項ないし第7項の規定に適合する。 (9)小活 以上のとおり、訂正事項1ないし訂正事項8に係る訂正は適法にされたものであるから、一群の請求項である請求項〔1-8〕に係る訂正を認める。 3 一群の請求項である請求項9及び請求項10に係る訂正についの訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否及び独立特許要件の検討 (1)訂正事項9について ア 訂正の目的について 訂正前の請求項10が請求項9を引用する記載であったところ、訂正事項9は、訂正後の請求項10の記載を、請求項9を引用しないものにした上で、訂正事項9に係る「前記第1処理部の基準クロックに関する情報は、前記別の処理部に送信されてタイミング制御のために用いられるか、前記ゲートウェイECUを介して送信されてタイミング制御のために用いられること」という事項(以下「訂正事項9に係る事項」という。)を追加することで、送信される情報が基準クロックに関する情報であり、該情報は、「前記別の処理部に送信されてタイミング制御のために用いられる」か、「前記ゲートウェイECUを介して送信されてタイミング制御のために用いられる」ことが特定されたものである。 したがって、訂正事項9は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮及び第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものに該当する。 イ 新規事項の有無について 訂正前の請求項10が請求項9との引用関係を解消し、請求項9を引用しない記載とした点は、新規事項の追加に該当しない。 また、願書に添付した明細書には、以下の事項が記載されている。 「【0038】 また、第1処理部31は、当該車両の位置情報及び基準クロックに関する情報を、第2処理部32~第6処理部36と送受信部39に送信する。 第1処理部31で調整された基準クロックは、信号処理部30の各部(第1処理部31~第6処理部36、送受信部39)のタイミング制御に用いられる。 【0039】 また、基準クロックに関する情報は、送受信部39とゲートウェイECU100を介して、車両の各部に送信され、これらのタイミング制御に用いられる形態であってもよい。 なお、第1処理部31から、第2処理部32~第6処理部36への位置情報や基準クロックに関する情報の送信は、送受信部39を介して行われる形態であってもよい。」 上記記載によると、段落【0038】には、第1処理部31は、基準クロックに関する情報を第2処理部32~第6処理部36と送受信部39に送信すること、基準クロックに関する情報に含まれる基準クロックは、第1処理部31~第6処理部36、送受信部39のタイミング制御に用いられることが記載され、段落【0039】には、基準クロックに関する情報は、送受信部39とゲートウェイECU100を介して、車両の各部に送信され、これらのタイミング制御に用いられることが記載されており、前記「第2処理部32~第6処理部36」は「別の処理部」といえるから、訂正事項9に係る事項は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の事項である。 したがって、訂正事項9は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 上記アのとおり、訂正事項9は、請求項間の引用関係を解消するとともに、訂正事項9に係る事項により特許請求の範囲を減縮するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項9は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 (2)訂正事項10について ア 訂正の目的について 訂正事項10は、訂正前の請求項9を削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 イ 新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、独立特許要件について 上記アのとおり、訂正事項10は、訂正前の請求項9を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、独立特許要件に違反しない。 したがって、訂正事項10は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項ないし第7項の規定に適合する。 (3)小括 以上のとおり、訂正事項9及び訂正事項10に係る訂正は適法にされたものであるから、一群の請求項である請求項〔9,10〕に係る訂正を認める。 第3 本件訂正発明 本件訂正請求により訂正された請求項1ないし3、5,6及び10に係る発明(以下、それぞれを「本件訂正発明1」等という。)は、その特許請求の範囲の請求項1ないし3、5、6及び10に記載された事項により特定されるとおりのものである。そのうち、本件訂正発明1、本件訂正発明5及び本件訂正発明10は、以下のとおりである。 (本件訂正発明1) 「【請求項1】 第1アンテナ素子と第2アンテナ素子と第3アンテナ素子とを有するアンテナ素子部と、 前記第1アンテナ素子と車両のゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第1アンテナ素子を介して得られた情報に基づいて、前記第1アンテナ素子が取り付けられた車両の位置情報を算出する第1処理部と、 前記第2アンテナ素子と前記ゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第2アンテナ素子を介して、移動体通信を行う第2処理部と、 前記第3アンテナ素子と前記ゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第3アンテナ素子を介して、前記車両の外からの情報を受信し、前記車両の情報を送信する第3処理部と、 前記ゲートウェイECUと、車内LANを介して接続する送受信部とを備え、 前記第1アンテナ素子と、前記第2アンテナ素子と、前記第3アンテナ素子は、ケースに覆われ、 前記第1処理部、前記第2処理部、前記第3処理部、前記送受信部は、前記ゲートウェイECUよりも前記アンテナ素子部に近い位置に配置された筐体に収納され、前記第1処理部、前記第2処理部、前記第3処理部は、前記送受信部を介して、前記ゲートウェイECUと通信を行い、 前記第1処理部の基準クロックに関する情報は、前記第2処理部と前記第3処理部の少なくとも一方に送信されてタイミング制御のために用いられるか、前記ゲートウェイECUを介して送信されてタイミング制御のために用いられることを特徴とするアンテナ装置。」 (本件訂正発明5) 「【請求項5】 第1アンテナ素子と第2アンテナ素子と第3アンテナ素子とを有するアンテナ素子部と、 前記第1アンテナ素子と車両のゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第1アンテナ素子を介して得られた情報に基づいて、前記第1アンテナ素子が取り付けられた車両の位置情報を算出する第1処理部と、 前記第2アンテナ素子と前記ゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第2アンテナ素子を介して、移動体通信を行う第2処理部と、 前記第3アンテナ素子と前記ゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第3アンテナ素子を介して、前記車両の外からの情報を受信し、前記車両の情報を送信する第3処理部と、 前記ゲートウェイECUと、車内LANを介して接続する送受信部とを備え、 前記第1アンテナ素子と、前記第2アンテナ素子と、前記第3アンテナ素子は、ケースに覆われ、 前記第1処理部、前記第2処理部、前記第3処理部、前記送受信部は、前記ゲートウェイECUよりも前記アンテナ素子部に近い位置に配置された筐体に収納され、前記第1処理部、前記第2処理部、前記第3処理部は、前記送受信部を介して、前記ゲートウェイECUと通信を行い、 前記第1処理部の基準クロックに関する情報は、前記第2処理部と前記第3処理部の少なくとも一方に送信されてタイミング制御のために用いられるか、前記ゲートウェイECUを介して送信されてタイミング制御のために用いられ、 前記ケースと、前記筐体は、前記車両における前記アンテナ素子部を保持する部材を挟む位置関係に配置されることを特徴とするアンテナ装置。」 (本件訂正発明10) 「【請求項10】 第1アンテナ素子と、前記第1アンテナ素子とは別のアンテナ素子とを有するアンテナ素子部と、 前記第1アンテナ素子と車両のゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第1アンテナ素子を介して得られた情報に基づいて、前記第1アンテナ素子が取り付けられた車両の位置情報を算出する第1処理部と、 前記ゲートウェイECUと、車内LANを介して接続する送受信部とを備え、 前記第1アンテナ素子と、前記別のアンテナ素子は、ケースに覆われ、 前記第1処理部と前記送受信部は、前記ゲートウェイECUよりも前記アンテナ素子部に近い位置に配置された筐体に収納され、前記第1処理部は、前記送受信部を介して、前記ゲートウェイECUと通信を行い、 前記第1処理部とは別の処理部であって、前記別のアンテナ素子と前記ゲートウェイECUを介さずに接続され、前記別のアンテナ素子を介して、移動体通信を行う、若しくは、前記車両の外からの情報を受信し、前記車両の情報を送信するものを更に備え、 前記筐体には、前記別の処理部も収納され、 前記別の処理部は、前記送受信部を介して、前記ゲートウェイECUと通信を行い、 前記第1処理部の基準クロックに関する情報は、前記別の処理部に送信されてタイミング制御のために用いられるか、前記ゲートウェイECUを介して送信されてタイミング制御のために用いられることを特徴とするアンテナ装置。」 第4 証拠方法、本件取消理由の概要及び異議申立理由の概要 1 証拠方法 <異議申立人が特許異議申立書に添付して提出した証拠方法> 甲第1号証:米国特許出願公開第2017/0054204号 甲第2号証:特開2017-120984号公報 甲第3号証:株式会社日立製作所,ニュースリリース,URL:http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2016/04/0428.html,平成28年4月28日 甲第4号証:ys khong,Continental banks on Ethernet Technology for Vehicle Networking,URL:http://autoworld.com.my/news/2011/12/01/Continental-banks-on-Ethernet-Technology-for-Vehicle-Networking/,平成23年12月1日 甲第5号証:特開2000-299890号公報 甲第6号証:福田淳一,車載ソフトウェア開発に必要な開発環境とは~Integrity導入によるソフト開発の効率化を目指して~,株式会社デンソー,平成24年12月12日 甲第7号証:アイティメディア株式会社,ベンツSクラスで始まるCAN普及の歴史,URL:http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/0805/09/news152_2.html,平成20年5月9日 甲第8号証:Kevin Mahaffey,テスラModel Sのハッキング:そこで得た発見と教訓,URL:https://blog.lookout.com/jp/テスラ-model-sのハッキング-そこで得た発見と教訓,平成27年8月25日 甲第9号証:特開2005-328283号公報 甲第10号証の1:特開2000-348299号公報 甲第10号証の2:特開2000-55677号公報 甲第10号証の3:特開2000-90396号公報 甲第11号証:本件特許の審査段階で平成30年2月21日に特許権者が提出した意見書 甲第12号証:特開2008-174098号公報 <異議申立人が令和1年6月5日に提出した意見書に添付して提出した証拠方法> 参考文献1:新・注解 特許法[第2版]【上巻】(292頁) <異議申立人が令和1年10月24日に提出した意見書に添付して提出した証拠方法> 甲第13号証の1:特開2010-273148号公報 甲第13号証の2:特開2011-199547号公報 甲第13号証の3:特開2014-42115号公報 甲第13号証の4:特開2015-184002号公報 甲第13号証の5:特開2015-175823号公報 甲第13号証の6:特開2010-35076号公報 以下「甲第1号証」等を、「甲1」等ということがある。 <当審が令和1年7月5日付け取消理由通知(決定の予告)で新たに引用した文献> 引用例A:国際公開第2014/034068号 引用例B:特開2012-127789号公報 2 令和1年7月5日付け取消理由通知(決定の予告)の概要 (1)一次訂正請求前の請求項1及び5に係る発明は、甲1に記載された発明、甲2ないし甲4に記載された周知事項1、甲5ないし甲8に記載された周知事項2及び引用例A記載事項1に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、請求項1及び5に係る特許は、特許法第29条第2項に違反してされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。 (2)一次訂正請求前の請求項7に係る発明は、甲1に記載された発明、甲2ないし甲4に記載された周知事項1、甲5ないし甲8に記載された周知事項2、引用例A記載事項1及び引用例B記載事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、請求項7に係る特許は、特許法第29条第2項に違反してされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。 (3)一次訂正請求により訂正された請求項9及び10に係る発明は、甲1に記載された発明、甲2ないし甲4に記載された周知事項1、甲5ないし甲8に記載された周知事項2、引用例A記載事項1及び引用例B記載事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、請求項9及び10に係る特許は、特許法第29条第2項に違反してされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。 3 異議申立理由の概要 (1)本件特許の請求項1、5、9及び10に係る発明は甲1ないし甲8、又は、甲1ないし甲8及び甲12に対して進歩性を有していないから、請求項1、5、9及び10に係る特許は、特許法第29条第2項に違反してされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。 (2)本件特許の請求項7に係る発明は甲1ないし甲10の3、又は、甲1ないし甲10の3及び甲12に対して進歩性を有していないから、請求項7に係る特許は、特許法第29条第2項に違反してされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。 第5 証拠の記載事項 1 甲1の記載と甲1発明 甲1(米国特許出願公開第2017/0054204号)には、図面とともに以下の事項が記載されている。 「BACKGROUND [0003] This section provides background information related to the present disclosure which is not necessarily prior art. [0004] Various different types of antennas are used in the automotive industry, including amplitude modulation (AM) and/or frequency modulation (FM) radio antennas, satellite digital audio radio service (SDARS) antennas, global navigation satellite system (GNSS) antennas (e.g., global positioning system (GPS) antennas, etc.), cellular antennas, etc. Automotive antennas may be installed or mounted on an exterior vehicle surface, such as the roof, trunk, or hood of the vehicle to help ensure that the antennas have unobstructed views overhead or toward the zenith. The antennas may be connected (e.g., using one or more RF coaxial cables, etc.) to one or more electronic devices (e.g., a radio receiver, a touchscreen display, a navigation device, a cellular phone, etc.) inside the passenger compartment of the vehicle, such that the antennas are operable for transmitting and/or receiving signals to/from the electronic device(s) inside the vehicle.」 (仮訳:バックグラウンド [0003] 本項は本開示に関連する背景情報を提示するものであり、これは先行技術を指すものとは限らない。 [0004] 自動車産業においては、振幅変調(AM)及び/又は周波数変調(FM)無線アンテナ、衛星デジタル音声無線サービス(SDARS)アンテナ、(グローバルポジショニングシステム(GPS)アンテナ等の)全地球測位システム(GNSS)アンテナ、セルラ通信アンテナ等を含む様々な種類のアンテナが用いられる。自動車用アンテナは、アンテナの上空方向又は天頂方向に障害物が配置されないようにするために、自動車のルーフ、トランク、あるいはボンネット等の車両外面に設置又は取り付けることができる。アンテナは、(例えば一又は複数のRF同軸ケーブル等を用いて)自動車の車室内にある一又は複数の(例えば無線レシーバ、タッチスクリーンディスプレイ、ナビゲーションシステム、携帯電話等の)電子機器に、アンテナがそれらの車内電子機器と信号の送受信を行うことができるように接続することができる。) 「DETAILED DESCRIPTION [0020] Example embodiments will now be described more fully with reference to the accompanying drawings. [0021] Disclosed herein are exemplary embodiments of V2X smart antenna assemblies or modules that include DSRC or V2X antennas, cellular antennas, and satellite antennas. In such exemplary embodiments, a V2X solution may be integrated or included in a smart antenna assembly, which may provide a user with more versatility in communication. [0022] Also disclosed herein for exemplary embodiments, a single or integrated antenna system for a vehicle generally includes V2X functionality or connectivity. The V2X connectivity may allow vehicles to communicate with each other (Vehicle-to-Vehicle (V2V)) and allow vehicles to communicate with infrastructure (Vehicle-to-Infrastructure (V2I)). Also disclosed are exemplary embodiments of V2X smart antenna assemblies or modules (e.g., antenna assembly 100 shown in FIGS. 1 and 9 , etc.), which may be used in a single or integrated antenna system (e.g., antenna system 11 shown in FIG. 1 , etc.) for a vehicle. [0023] In some exemplary embodiments, a V2X smart antenna assembly or module is a multiband multiple input multiple output (MIMO) vehicular antenna assembly that is configured for installation to a vehicle body wall, such as a vehicle roof, etc. The V2X smart antenna assembly may be operable with one or more cellular signals or frequencies (e.g., Long Term Evolution (LTE), etc.), one or more satellite signals or frequencies (e.g., SDARS, GNSS, GPS, GLONASS, Doppler Orbitography and Radio-positioning Integrated by Satellite (DORIS), BeiDou Navigation Satellite System (BDS), etc.), one or more other signals or frequencies (e.g., dedicated short range communication (DSRC), digital audio broadcasting (DAB), etc.), and/or one or more terrestrial signals (e.g., AM/FM, etc.). [0024] In some exemplary embodiments, the smart antenna assembly or module may be a shark-fin type roof-mount antenna for vehicles. Additionally, the smart antenna assembly may include antennas for DSRC, AM/FM, DAB, LTE, GNSS, satellite radio as well as the V2X radio. In which case, all services for DSRC, AM/FM, DAB, LTE, GNSS, satellite radio, and V2X may thus be located within a single roof-mount antenna system. As such, all of these services may thus be included for a production ready smart antenna assembly in these exemplary embodiments. In addition, the services included in the smart antenna assembly, except V2X and GNSS, may be antennas with an RF output. The V2X antenna may be connected to a V2X system (e.g., the antenna system 160 shown in FIG. 14 , etc.). Accordingly, these exemplary embodiments uniquely include all of the above functionalities in the smart antenna assembly. [0025] According to additional aspects of the disclosure, exemplary embodiments are disclosed of an integrated vehicular antenna system (e.g., antenna system 11 shown in FIG. 1 , etc.). In exemplary embodiments, the integrated vehicular antenna system comprises a two stage system that includes (1) a V2X smart antenna module (SAM) or assembly (e.g., SAM 100 shown in FIGS. 1 and 9 , etc.); and (2) a telematics communication module (TCM) (e.g., TCM 15 shown in FIG. 1 through 8 , etc.). The TCM may also be referred to herein as an in-vehicle connectivity module or a data pipe module. The SAM and the TCM may be in communication with or connected to each other over an Ethernet interface. [0026] The SAM may be configured to enable communication between the vehicle and environment (Vehicle-to-Infrastructure (V2I)) and/or between the vehicle and another vehicle (Vehicle-to-Vehicle (V2V)). The TCM or in-vehicle connectivity module may be configured to provide internet access service (e.g., wireless connectivity, internet browsing capability, etc.) to passengers in the vehicle. [0027] The integrated vehicular antenna system may be configured as a single system that handles various wireless and wired sub-systems to enable a vehicle to have V2X communications, internet connectivity via Wi-Fi or Ethernet, and Bluetooth based vehicle control/monitoring. The integrated vehicular antenna system may be configured such that it is relatively easy to install on a vehicle. [0028] The SAM may generally include at least one or more of a cellular antenna configured to be operable for receiving and transmitting LTE signals, a DSRC antenna configured to be operable for receiving DSRC signals, a satellite antenna configured to be operable for receiving satellite radio signals, a satellite antenna configured to be operable for receiving satellite navigation signals, and/or an antenna configured to operable for receiving terrestrial signals. The SAM may be operable with one or more cellular signals or frequencies (e.g., LTE, etc.), one or more satellite signals or frequencies (e.g., SDARS, GNSS, GPS, GLONASS, DORIS, BDS, etc.), one or more other signals or frequencies (e.g., DSRC, DAB, etc.), and/or one or more terrestrial signals (e.g., AM/FM, etc.). [0029] The TCM or in-vehicle connectivity module is generally a data pipe module configured to provide a digital communication pipe to the vehicle. The TCM is configured to provide wireless connectivity and internet browsing capability to passengers in the vehicle. Components of the TCM may generally include a microprocessor or microcontroller, a modem (e.g., LTE 4G modem, etc.), a Wi-Fi module, a Bluetooth/Bluetooth low energy (BT/BLE) module, and Ethernet interface(s). The microprocessor or microcontroller is generally configured to process data received from the SAM. The TCM may relay DSRC related digital information from the SAM to the vehicle's HMI (human machine interface) system via Wi-Fi and/or Ethernet (e.g., FIG. 6 , etc.). The Ethernet interface may be configured to communicate data between the smart antenna module (SAM) and the in-vehicle connectivity module or telematics communications module (TCM). By way of example, the HMI system may use a visible warning on a display and/or an audible warning (e.g., a chime, buzzer, etc.) depending on the digital information it received. [0030] In some exemplary embodiments, the SAM is a shark-fin based smart antenna assembly, which includes or houses one or more LTE MIMO antennas, a satellite radio antenna, and a fully integrated DSRC system with GPS receiver and their respective antennas. The TCM may be a black box (e.g., 5 inches by 5 inches, etc.) that houses the LTE modem, Wi-Fi and Bluetooth system with a microcontroller and Ethernet interfaces. [0031] By way of example, the V2X smart antenna assembly may be mounted on top of a vehicle's roof. The in-vehicle connectivity module or TCM may be mounted inside the vehicle under the roof below the SAM. As shown for example in FIG. 1 , the V2X smart antenna assembly 100 may thus reside on top of the roof, while the TCM 15 sits underneath the roof below the V2X smart antenna assembly 100. [0032] In some exemplary embodiments, there is a DSRC smart antenna assembly that is similar (e.g., in appearance, size, and shape, etc.) to a LTE/MIMO shark fin antenna assembly from the outside. But in addition to having antennas for cellular, GNSS, and satellite radio, there is also electronic circuitry to allow the V2X system to communicate with other V2X systems using DSRC (Dedicated Short Range Communications) that operates at 5.9 GHz frequency. DSRC is based on the 802.11p and WAVE (US standard) or ETSI (EU standard). DSRC may be used for vehicle to vehicle communication (V2V), communication to other DSRC transceivers in other vehicles, etc. [0033] With reference now to the drawings, FIG. 1 illustrates an example embodiment of a V2X antenna system 11 . As shown in FIG. 1 , the V2X antenna system 11 includes a telematics communication module (TCM) 15 and a smart antenna module (SAM) 100 . The smart antenna assembly 100 may be mounted on top of a vehicle's roof. The telematics communication module 15 may be mounted inside the vehicle. [0034] The smart antenna assembly 100 is also shown in FIGS. 9 through 13 without the radome 130 . As shown in FIG. 9 , the smart antenna assembly 100 includes a first or primary cellular antenna 104 , a second or secondary cellular antenna 106 , a first patch antenna 108 , and a second patch antenna 110 , and a DSRC antenna 112 . In FIG. 4 , the primary cellular antenna 104 corresponds to LTE-P, the secondary cellular antenna 106 corresponds to LTE-S, the first patch antenna 108 corresponds to GNSS, the second patch antenna 110 corresponds to XM, and the DSRC antenna elements 116 and 118 correspond respectively to DSRC-1 and DSRC-2. [0035] The telematics communication module (TCM) 15 is also shown in FIG. 2 . Components of the telematics communication module 15 are shown in FIGS. 3 through 7 . More specifically, FIG. 3 is a block diagram showing components of the telematics communication module 15 . As shown in FIGS. 2 and 3 , the telematics communication module 15 comprises a FAKRA connectors 17 for connecting to the primary cellular antenna 104 (LTE-P) and the secondary cellular antenna 106 (LTE-P) as shown in FIGS. 4 and 7 . The telematics communication module 15 also includes an 8-pin RJ45 connector 19 ( FIGS. 2 and 4 ) for connecting to a corresponding 8-pin RJ45 connector of the antenna assembly 100 ( FIGS. 4 and 7 ). The telematics communication module 15 also includes a 12-pin connector 21 ( FIGS. 2 and 7 ). [0036] With continued reference to FIG. 3 , the telematics communication module 15 also includes an Ethernet physical layer (ETHERNET PHY) coupled to, linked between, and/or in communication with the connector 21 and a wireless bridge module and/or wireless communications subsystem (WB45). The wireless bridge module (WB45) is coupled to, linked between, and/or in communication with a Bluetooth (BT) antenna and a Wi-Fi antenna. By way of example, the wireless bridge module (WB45) may comprise a Laird WB45NBT wireless bridge communications subsystem, which may be used as both a wireless bridge and as a wireless communications subsystem. Alternatively, the wireless bridge module and/or wireless communications subsystem (WB45) may comprise other suitable wireless bridge communications subsystems in other embodiments. [0037] A USB HUB with an Ethernet physical layer (PHY) is coupled to, linked between, and/or in communication with the connector 19 and the wireless bridge module (WB45). An LTE modem is coupled to, linked between, and/or in communication with two FAKRA connectors, the USB HUB w/ETHERNET PHY, and Pulse Code Modulation Audio Codec (PCM CODEC). The PCM CODEC is coupled to, linked between, and/or in communication with the LTE modem and the connector 21. [0038] As shown in FIG. 4 , the telematics communication module (TCM) 15 and smart antenna module (SAM) 100 may be positioned along opposite interior and exterior sides of a vehicle roof. The connector 19 of the telematics communication module 15 is coupled to, linked between, and/or in communication with a connector of the smart antenna module 100. [0039] With continued reference to FIG. 4 , the smart antenna module 100 includes a CAN PHY (controller area network physical layer) coupled to, linked between, and/or in communication with a V2X communications processor and the RJ45 connector. An Ethernet PHY is also shown coupled to, linked between, and/or in communication with V2X communications processor and the RJ45 connector. The V2X communication processor is also coupled to, linked with, and/or in communication with a V2X RF transceiver, a GNSS receiver, and a V2X hardware security module (HSM). The V2X RF transceiver is coupled to and/or linked with the DSRC antenna elements 116 and 118 ( FIG. 9 ), which are identified as DSRC-1 and DSRC-2 in FIG. 4 . The GNSS receiver is coupled to and/or linked with the first patch antenna 108 ( FIG. 9 ), which is identified as GNSS in FIG.4. [0040] FIG. 5 is a software architecture block diagram of the telematics communication module (TCM) 15 and the smart antenna module (SAM) 100 . As shown, the Application Space for the SAM 100 includes road safety, traffic efficiency, and other user applications. The Software Stack for the SAM 100 includes an Information Manager, Positioning Engine, Secure Storage, Security, Facilities, Networking and Transport, Access Interface, and an board support package (BSP) (e.g., ThreadX (real-time operating system) BSP, etc.). [0041] The Application Space for the TCM 15 includes WLAN & Modem Config Server, WPA Supplicant, Weblcm Server, and Bluetooth Stack. The Weblcm Server is a web server that runs on the wireless bridge communications subsystem (WB45). The Weblcm Server is a browser application that provides useful logging, system configuration and troubleshooting tools. The Software Stack for the TCM 15 includes a Linux Kernel and a Linux board support package (BSP). The Linux Kernel includes a Transmission Control Protocol/Internet Protocol (TCP/IP) Stack, Ethernet Bridge, Bluetooth Stack, Criterion Modem driver, WLAN driver, and Ethernet driver. Bi-directional communication links are shown between the Criterion Modem driver and a USB port, between the WLAN driver and a serial peripheral interface/secure digital input output (SPI/SDIO), and between the Ethernet driver and an Ethernet port. [0042] FIG. 6 is a hardware block diagram of the telematics communication module (TCM) 15 and the smart antenna module (SAM) 100 . As shown, the SAM 100 includes an RF transceiver coupled to and/or linked with DSRC antenna elements (see 116 and 118 in FIG. 9 and DSRC-1 and DSRC-2 in FIG. 4 ). FIG. 6 also shows a V2X communications processor coupled to, linked between, and/or in communication with the RF transceiver, a hardware security module (HSM), and sensors. For example, the V2X communications processor may be connected to the vehicle's CAN (controller area network), which can access the wheel tick sensors, gyroscope, tachometer, odometer, TPMS (tire pressure monitoring system), etc. [0043] The SAM 100 is coupled to, linked with, and/or in communication with the TCM 15 via Ethernet. The TCM 15 includes a microprocessor hub, a cellular modem (e.g., LTE 4G modem, etc.), a Bluetooth low energy (BLE) system, and wireless local area network (WLAN). The TCM 15 is coupled to, linked with, and/or in communication with the in-vehicle HMI (human machine interface) 27 . The TCM 15 may relay DSRC related digital information from the SAM 100 to the vehicle's HMI 27 via Ethernet and/or CAN (controller area network). [0044] FIG. 7 is a block diagram showing components of the telematics communication module (TCM) 15 . As shown, the TCM 15 includes an LTE modem (e.g., PLS8-US, etc.) coupled to, linked with, and/or in communication with primary and second LTE antennas (LTE PRIM ANT and LTE SEC ANT) via FAKRA connectors. The LTE modem is also shown coupled to, linked with, and/or in communication with PCM (Pulse Code Modulation) and a USB HUB with Ethernet MAC (media access control) and PHY (physical layer). [0045] The USB HUB is coupled to, linked with, and/or in communication with a wireless bridge module and/or wireless communication subsystem (WB45), which may comprise a WB45NBT wireless bridge module from Laird, etc. The wireless bridge module (WB45) includes Bluetooth (BT) and Wi-Fi modules, respectively, coupled to, linked with, and/or in communication with Bluetooth (BT) and Wi-Fi antennas. The wireless bridge module (WB45) is also shown coupled to, linked with, and/or in communication with a USB to UART bridge controller or converter and an Ethernet physical layer (ETH PHY). The USB to UART bridge may be used for debugging although the USB to UART bridge is not necessarily required and may be removed such as if debugging is not required. [0046] The 8-pin connecter 19 is shown connected to magnetics via Ethernet (ETH). The CAN (controller area network) couples or links the 8-pin connector 19 and the 12-pin connector 21 . The connectors 19 and 21 are also connected to the power supply. The 12-pin connecter 21 is further connected to magnetics, the USB to UART bridge controller or converter, and the PCM (Pulse Code Modulation).」 (仮訳:詳細な説明 [0020] 実施例について、図面を参照して詳述する。 [0021] 以下に開示されるV2Xスマートアンテナアッセンブリ又はモジュールの実施形態はDSRC又はV2Xアンテナと、セルラ通信アンテナと、衛星アンテナとを有する。このような実施形態では、ユーザに通信の多様性を提供可能なスマートアンテナアッセンブリにV2X技術を一体化あるいは包含させることができる。 [0022] 実施形態として、さらに、単一あるいは一体型の車両用アンテナシステムは、概してV2X機能あるいは接続を用いることができる。V2X接続は車両同士の間で通信すること(車車間通信(V2V))を可能にするとともに、車両同士がインフラストラクチヤを介して通信すること(車両-インフラ間通信(V2I))を可能とするものを開示する。さらに、(例えば図1に示すアンテナシステム11等の)単一あるいは一体型の車両用アンテナシステムで使用可能な(例えば図1、図9に示すアンテナアッセンブリ100等の)V2Xスマートアンテナアッセンブリ又はモジュールの実施形態を開示する。 [0023] いくつかの実施形態では、V2Xスマートアンテナアッセンブリ又はモジュールは、車両ルーフ等の車体の壁部に設置するよう構成されたマルチバンドのマルチ入力マルチ出力(MIMO)車両アンテナアッセンブリである。V2Xスマートアンテナアッセンブリは、一又は複数のセルラ通信信号又は周波数(例えば、ロングタームエボリューション(LTE))、一又は複数の衛星信号又は周波数(例えば、SDARS、GNSS、GPS、GLONASS、ドップラー変位に基づく地上軌道衛星観測及び衛星測位(DORIS)、北斗衛星導航系統(BDS)等)、一又は複数のその他の信号又は周波数(例えば、専用狭域通信(DSRC)、デジタルオーディオ放送(DAB)等)、及び/又は一又は複数の地上波信号(例えば、AM/FM等)を用いて作動可能であってもよい。 [0024] いくつかの実施形態では、スマートアンテナアッセンブリ又はモジュールは、シャークフィン型のルーフマウント車両アンテナであってもよい。さらに、スマートアンテナアッセンブリはDSRC、AM/FM、DAB、LTE、GNSS、衛星無線、及びV2X無線用のアンテナを含んでいてもよい。この場合、DSRC、AM/FM、DAB、LTE、GNSS、衛星無線、及びV2X無線サービスは単一のルーフマウントアンテナシステムに含まれる。よって、それらの実施形態における製造可能なスマートアンテナアッセンブリはこれらすべてのサービスを含むことができる。さらに、スマートアンテナアッセンブリに含まれるサービスは、V2XとGNSSを除き、RF出力アンテナであってもよい。V2XアンテナはV2Xシステムに接続することができる(例えば、図14に示すアンテナシステム160等)。よって、これらの実施形態はスマートアンテナアッセンブリにおける上述した機能のすべてを単独で含むことができる。 [0025] 本開示の更なる特徴においては、一体型自動車アンテナシステム(例えば、図1に示すアンテナシステム11等)の実施形態を開示する。これらの実施形態では、一体型自動車アンテナシステムは(1)V2Xスマートアンテナモジュール(SAM)又はアッセンブリ(例えば、図1、図9に示すSAM100等)と(2)テレマティクス通信モジュール(TCM)(例えば、図1~図8に示すTCM15等)を含む二段階システムを備える。TCMは車内接続モジュール又はデータパイプモジュールと換言することができる。SAMとTCMはイーサネットインターフェースを介して互いに通信可能又は接続されていてもよい。 [0026] SAMは車両と周辺環境との間の通信(車両-インフラ通信(V2I))及び/又は自車両と他車両との間の通信(車車間通信(V2V))を可能としてもよい。TCM又は車内接続モジュールは車両の乗客にインターネットアクセスサービス(例えば、無線接続、ネット検索機能等)を提供可能であってもよい。 [0027] 一体型自動車アンテナシステムは、車両がV2X通信、Wi-Fiあるいはイーサネットを介したインターネット接続、及びBluetoothに基づく制御・モニタリングを実行可能とするために、様々な無線及び有線サブシステムを処理する単一のシステムとして構成されていてもよい。一体型自動車アンテナシステムは、車両への設置が比較的簡単にできるよう構成されていてもよい。 [0028] SAMは、概して、少なくともLTE信号の送受信が可能なように構成される一又は複数のセルラ通信アンテナ、DSRC信号の受信が可能なように構成されるDSRCアンテナ、衛星無線信号の受信が可能なように構成される衛星アンテナ、衛星ナビゲーション信号の受信が可能なように構成される衛星アンテナ、及び/又は地上波信号の受信が可能なように構成されるアンテナを含む。SAMは、一又は複数のセルラ通信信号又は周波数(例えばLTE等)、一又は複数の衛星信号又は周波数(例えば、SDARS、GNSS、GPS、GLONASS、DORIS、BDS等)、一又は複数のその他の信号又は周波数(例えば、DSRC、DAB等)、及び/又は一又は複数の地上波信号(例えば、AM/FM等)を用いて作動可能であってもよい。 [0029] TCM又は車内接続モジュールは、概して、デジタル通信パイプを車両に提供するデータパイプモジュールである。TCMは無線接続及びネット検索機能を車両の乗客に提供するよう構成される。TCMの構成要素は、概して、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ、モデム(例えばLTE 4Gモデム等)、Wi-Fiモジュール、Bluetooth/Bluetooth低エネルギ(BT/BLE)モジュール、及びイーサネットインターフェースを含む。マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラは、概してSAMから受信したデータを処理するよう構成される。TCMはDSRC関連のデジタル情報を、Wi-Fi及び/又はイーサネット(例えば図6)を介してSAMから車両のHMI(ヒューマンマシンインターフェース)システムへと中継する。イーサネットインターフェースはスマートアンテナモジュール(SAM)と車内接続モジュール又はテレマティクス通信モジュール(TCM)との間のデータ通信を行うように構成されてもよい。一例として、HMIシステムは、受信したデジタル情報に応じて、ディスプレイ上の視認可能な警告及び/又は音声による警告(例えばチャイムやブザー音等)を用いることができる。 [0030] いくつかの実施形態では、SAMはシャークフィンベースのスマートアンテナアッセンブリであり、一又は複数のLTE MIMOアンテナと、衛星無線アンテナと、GPSレシーバとそれぞれのアンテナを含む完全一体化のDSRCシステムとを含む、あるいは収容する。TCMはLTEモデム、マイクロコントローラを備えるWi-Fi及びBluetoothシステム、イーサネットインターフェースを収容するブラックボックス(例えば5インチ×5インチ等)であってもよい。 [0031] 一例として、V2Xスマートアンテナアッセンブリは車両のルーフ上に取り付けられていてもよい。車内接続モジュール又はTCMはSAMの下方において車内に取り付けられていてもよい。例えば図1に示すように、V2Xスマートアンテナアッセンブリ100はルーフ上に配置され、この一方でTCM15はルーフの下でV2Xスマートアンテナアッセンブリ100の下方に設けられていてもよい。 [0032] いくつかの実施形態では、(例えば、外観、サイズ、形状等が)LTE/MIMOシャークフィンアンテナアッセンブリに類似したDSRCスマートアンテナアッセンブリが外側から設けられている。セルラ通信、GNSS、衛星無線用のアンテナに加えて、5.9GHz周波数で作動するDSRC(専用狭域通信)によってV2Xシステムを他のV2Xシステムと通信可能とするための電子回路が設けられている。DSRCは802.11pとWAVE(米国規格)又はETSI(欧州規格)に基づく。DSRCは車車間通信(V2V)、他の車両に設けられた他のDSRCトランシーバとの通信等に用いられる。 [0033] 図1を参照し、V2Xアンテナシステム11の実施例を例示する。図1に示すように、V2Xアンテナシステム11はテレマティクス通信モジュール(TCM)15とスマートアンテナモジュール(SAM)100を備える。スマートアンテナアッセンブリ100は車両のルーフ上に取り付けられていてもよい。テレマティクス通信モジュール15は車内に取り付けられていてもよい。 [0034] 図9~図13に、レドーム130を省略したスマートアンテナアッセンブリ100を示す。図9に示すように、スマートアンテナアッセンブリ100は、第1又は一次セルラ通信アンテナ104と、第2又は二次セルラ通信アンテナ106と、第1パッチアンテナ108と、第2パッチアンテナ110と、DSRCアンテナ112とを含む。図4では、一次セルラ通信アンテナ104はLTE-Pに対応し、二次セルラ通信アンテナ106はLTE-Sに対応し、第1パッチアンテナ108はGNSSに対応し、第2パッチアンテナ110はXMに対応し、DSRCアンテナ素子116及び118はそれぞれDSRC-1及びDSRC-2に対応する。 [0035] テレマティクス通信モジュール(TCM)15を図2にも示す。テレマティクス通信モジュール15の構成要素を図3~図7に示す。詳細には、図3はテレマティクス通信モジュール15の構成要素を示すブロック図である。図2、図3に示すように、テレマティクス通信モジュール15は、図4~図7に示す一次セルラ通信アンテナ104(LTE-P)と二次セルラ通信アンテナ106(LTE-P)に接続するためのFAKRAコネクタ17を備える。テレマティクス通信モジュール15はさらに、アンテナアッセンブリ100において対応する8ピンRJ45コネクタ(図4及び図7)に接続するための8ピンRJ45コネクタ19(図2~図4)を備える。テレマティクス通信モジュール15はさらに、12ピンコネクタ21を備える(図2及び図7)。 [0036] さらに図3を参照し、テレマティクス通信モジュール15はさらに、コネクタ21と接続され、リンクされ、及び/又は通信可能なイーサネット物理層(ETHERNET PHY)と無線ブリッジモジュール及び/又は無線通信サブシステム(WB45)とを備える。無線ブリッジモジュール(WB45)は、Bluetooth(BT)アンテナ及びWi-Fiアンテナと接続され、リンクされ、及び/又は通信可能とされている。一例として、無線ブリッジモジュール(WB45)はLaird社製WB45NBT無線ブリッジ通信サブシステムを備えていてもよく、これが無線ブリッジ及び無線通信サブシステムの両方として用いられる。あるいは、無線ブリッジモジュール及び/又は無線通信サブシステム(WB45)は、他の実施例においてはその他の適切な無線ブリッジ通信サブシステムを備えていてもよい。 [0037] イーサネット物理層(PHY)を備えるUSB HUBはコネクタ19と無線ブリッジモジュール(WB45)とに接続され、リンクされ、及び/又は通信可能とされている。LTEモデムは2つのFAKRAコネクタ、ETHERNET PHY付きのUSB HUB、及びパルス符号変調オーディオコーデック(PCM CODEC)と接続され、リンクされ、及び/又は通信可能とされている。PCM CODECはLTEモデムとコネクタ21とに接続され、リンクされ、及び/又は通信可能とされている。 [0038] 図4に示すように、テレマティクス通信モジュール(TCM)15とスマートアンテナモジュール(SAM)100は車両ルーフの内外で対向するよう配置されてもよい。テレマティクス通信モジュール15のコネクタ19はスマートアンテナモジュール100のコネクタと接続され、リンクされ、及び/又は通信可能とされている。 [0039] さらに図4を参照すると、スマートアンテナモジュール100のCAN PHY(コントローラエリアネットワーク物理層)はV2X通信プロセッサとRJ4 コネクタとに接続され、リンクされ、及び/又は通信可能とされている。イーサネットPHYも示されており、V2X通信プロセッサとRJ45コネクタとに接続され、リンクされ、及び/又は通信可能とされている。V2X通信プロセッサはさらにV2X RFトランシーバ、GNSSレシーバ、及びV2Xハードウェアセキュリティモジュール(HSM)と接続され、リンクされ、及び/又は通信可能とされている。V2X RFトランシーバは、図4でDSRC-1及びDSRC-2として特定されるDSRCアンテナ素子116及び118(図9)に接続され及び/又はリンクされている。GNSSレシーバは、図4でGNSSとして特定される第1パッチアンテナ108(図9)に接続され及び/又はリンクされている。 [0040] 図5はテレマティクス通信モジュール(TCM)15とスマートアンテナモジュール(SAM)100のソフトウェアアーキテクチャブロック図である。図示されるように、SAM100のアプリケーションスペースはロードセーフティ、交通状況、及びその他のアプリケーションを含む。SAM100のソフトウェアスタックは情報マネージャ、ポジショニングエンジン、セキュアストレージ、セキュリティ、ファシリティー、ネットワークと交通、アクセスインターフェース、及びボードサポートパッケージ(BSP)(例えば、ThreadX(リアルタイムOS)BSP等)を含む。 [0041] TCM15のアプリケーションスペースはWLAN&モデム設定サーバ、WPAサプリカント、Weblcmサーバ、及びBluetoothスタックを含む。Weblcmサーバは無線ブリッジ通信サブシステム(WB45)上で作動するウェブサーバである。Weblcmサーバは、便利ログ、システム設定、及びトラブルシューティングツールを提供するブラウザアプリケーションである。TCM15のソフトウェアスタックはLinux Kerne1及びLinuxボードサポートパッケージ(BSP)を含む。Linux Kerne1はトランスミッションコントロールプロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)スタック、イーサネットブリッジ、Bluetoothスタック、Criterionモデムドライバ、WLANドライバ、及びイーサネットドライバを含む。CriterionモデムドライバとUSBポート間、WLANドライバとシリアルペリフェラルインターフェース/セキュアデジタル入出力(SPI/SDIO)間、及びイーサネットドライバとイーサネットポート間に双方向通信リンクを示す。 [0042] 図6はテレマティクス通信モジュール(TCM)15とスマートアンテナモジュール(SAM)100のハードウェアブロック図である。図示されるように、SAM100はDSRCアンテナ素子(図9の116と118及び図4のDSRC-1とDSRC-2を参照)に接続及び/又はリンクされたRFトランシーバを含む。図6はさらに、RFトランシーバ、ハードウェアセキュリティモジュール(HSM)、及びセンサ類と接続され、リンクされ、及び/又は通信可能とされたV2X通信プロセッサを示す。例えば、V2X通信プロセッサは、ホイールティックセンサ、ジャイロスコープ、タコメータ、オドメータ、TPMS(タイヤ圧監視システム)等にアクセス可能な車両のCAN(コントローラエリアネットワーク)に接続されてもよい。 [0043] SAM100はイーサネットを介してTCM15に接続され、リンクされ、及び/又は通信可能とされている。TCM15はマイクロプロセッサハブ、セルラモデム(例えば、LTE 4Gモデム等)、Bluetooth低エネルギ(BLE)システム、及び無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)を備えている。TCM15は車内HMI(ヒューマンマシンインターフェース)27に接続され、リンクされ、及び/又は通信可能とされている。TCM15はDSRC関連のデジタル情報を、イーサネット及び/又はCAN(コントローラエリアネットワーク)を介してSAM100から車両のHMI27へと中継する。 [0044] 図7はテレマティクス通信モジュール(TCM)15の構成要素を示すブロック図である。図示されるように、TCM15は、FAKRAコネクタを介して一次及び二次LTEアンテナ(LTE PRIM ANT及びLTE SEC ANT)に接続され、リンクされ、及び/又は通信可能とされたLTEモデム(例えばPLS8-US等)を含む。LTEモデムはさらに、PCM(パルス符号変調)とイーサネットMAC(メディアアクセスコントロール)及びPHY(物理層)を備えるUSB HUBに接続され、リンクされ、及び/又は通信可能とされている。 [0045] USB HUBは、無線ブリッジモジュール及び/又はLaird社のWB45NBT無線ブリッジモジュール等を備える無線通信サブシステム(WB45)に接続され、リンクされ、及び/又は通信可能とされている。無線ブリッジモジュール(WB45)は、Bluetooth(BT)及びWi-Fiアンテナに接続され、リンクされ、及び/又は通信可能とされているBluetooth(BT)及びWi-Fiモジュールをそれぞれ備える。無線ブリッジモジュール(WB45)はまた、USB-UARTブリッジコントローラ又はコンバー夕及びイーサネット物理層(ETH PHY)に接続され、リンクされ、及び/又は通信可能とされていることが図示される。USB-UARTブリッジはデバッグに用いることができるが、USB-UARTブリッジは必須の構成ではなく、そのようなデバッグが不要である場合には省略できる。 [0046] 8ピンコネクタ19はイーサネット(ETH)を介して磁気部に接続されることが図示される。CAN(コントローラエリアネットワーク)は8ピンコネクタ19と12ピンコネクタ21を接続する。コネクタ19、21はまた、電源に接続される。12ピンコネクタ21はさらに、磁気部、USB-UARTブリッジコントローラ又はコンバータ、及びPCM(パルス符号変調)に接続される。) 「[0054] FIG. 14 also shows a global navigation satellite system (GNSS) receiver (e.g., Tesseo II GNSS Receiver, etc.). The receiver is linked to or in communication with a GNSS antenna (e.g., patch antenna 108 in FIG. 9 , etc.) for receiving satellite navigation signals from the GNSS antenna. The GNSS receiver is coupled to, linked with, and/or in communication with the communication processor to determine vehicle location. [0055] By way of example, the system shown in FIG. 14 may be used with road toll systems. Also by way of example, the system may also use the speed of the vehicle and distance travelled by the vehicle to validate position tracking information received by the GNSS (e.g., GPS, etc.) receiver. But if the GPS satellites are not available, vehicle location may, for example, be determined by tracking from last known position and then varying based on other data, such as speed, gyro, wheel ticks, etc.」 (仮訳:[0054] 図14はさらに、全地球測位システム(GNSS)レシーバ(例えば、Tesseo II GNSSレシーバ等)を示す。レシーバは、衛星ナビゲーション信号をGNSSアンテナから受信するために、GNSSアンテナ(例えば、図9のパッチアンテナ108等)にリンクされ、あるいは通信可能とされている。GNSSレシーバは、車両の位置を特定するために通信プロセッサに接続され、リンクされ、及び/又は通信可能とされている。 [0055] 一例として、図14に示すシステムを有料道路システムに用いることができる。また、一例として、システムは車両速度と車両の走行距離を用いて、GNSS(例えば、GPS等)レシーバによって受信された位置追跡情報を検証してもよい。しかしながら、GPS衛星が利用可能でない場合には、自車両の位置を例えば前回特定した場所からトラッキングして特定し、例えば速度、ジャイロ、ホイールティック等のその他のデータに基づいて検証してもよい。) 「[0068] The antenna assembly 100 also includes a radome or cover 130 ( FIG. 13 ). The cover 130 is configured to fit over the first and second cellular antennas 104 , 106 , the first and second patch antennas 108 , 110 , and the DSRC antenna 112 , such that the antennas 104 , 106 , 108 , 110 , 112 are disposed or co-located under the cover 130 . [0069] The cover 130 is configured to protect the relatively fragile antenna elements from damage due to environmental conditions such as vibration or shock during use. Foam pads 140 , 142 may be placed between the cover 130 and the first and second cellular antennas 104 , 106 . As shown, the foam pads 140 , 142 include slits for receiving portions of the respective first and second cellular antennas 104 , 106 to attached and hold the foam pads 140 , 142 in place, e.g., via a friction or interference fit, etc. [0070] The cover 130 is configured to be secured to the chassis 124 . In this illustrated embodiment, the cover 130 is secured to the chassis 124 by mechanical fasteners 126 (e.g., screws, etc.). Alternatively, the cover 130 may secure to the chassis 124 via any suitable operation, for example, a snap fit connection, mechanical fasteners (e.g., screws, other fastening devices, etc.), ultrasonic welding, solvent welding, heat staking, latching, bayonet connections, hook connections, integrated fastening features, etc.」 (仮訳:[0068] アンテナアッセンブリ100はさらに、レドームあるいはカバー130を備える(図13)。カバー130は、アンテナ104、106、108、110、112がカバー130の下に配置あるいは共同配置されるように第1及び第2セルラ通信アンテナ104、106、第1及び第2パッチアンテナ108、110、及びDSRCアンテナ112を覆うよう構成されている。 [0069] カバー130は比較的脆弱なアンテナ素子を、使用時の振動や衝撃等の環境的条件によるダメージから保護するよう構成される。発泡パッド140、142がカバー130と第1及び第2セルラ通信アンテナ104、106との間に設けられていてもよい。図示されるように、発泡パッド140、142はそれぞれ第1及び第2セルラ通信アンテナ104、106の一部を受容するためのスリットを含み、例えば、摩擦あるいは締まりばめにより発泡パッド140、142を取り付け及び固定する。 [0070] カバー130はシャシー124に固定されるよう構成される。例示する実施例では、カバー130は機械的ファスナ126(例えばねじ等)によってシャシー124に固定される。あるいは、カバー130は適切な構成、例えば、スナップフィットコネクション、機械的ファスナ(例えば、ねじ、その他の固定デバイス等)、超音波溶接、溶剤による溶接、ヒートスタッキング、ラッチ、差込接続、フック接続、一体化接続機構等によってシャシー124に固定されていてもよい。) 上記記載からみて、甲1には、「V2Xアンテナシステム」について、以下の事項が記載されていると認める。 V2Xアンテナシステムは、[0033]及び図1より、テレマティクス通信モジュール15(以下、「TCM」という。)とスマートアンテナモジュール100(以下、「SAM」という。)を備え、前記SAMは、車両のルーフ上に取り付けられ、前記TCMは、車内に取り付けられてもよく、[0038]及び図4より、両者は車両ルーフの内外で対向するように配置されてもよい。 前記SAMは、[0034]より、GNSSに対応した第1パッチアンテナ108(以下、「GNSSアンテナ」という。)、LTE-Pに対応した一次セルラ通信アンテナ104及びLTE-Sに対応した二次セルラ通信アンテナ106(以下、併せて「セルラ通信アンテナ」という。)及びDSRCアンテナ素子116及び118(以下、併せて「DSRCアンテナ素子」という。)を含み、[0068]、図13より、前記SAMはカバー130を有し、前記いずれのアンテナも前記カバー130に覆われている。 図4の「GNSSレシーバ」及び「V2X通信プロセッサ」は、図14の「TesseoIIReceiver(GNSSレシーバ)」及び「CRATONATK4100A1(通信プロセッサ)」に対応するところ、図14の説明である[0054]には、GNSSレシーバは、衛星ナビゲーション信号をGNSSアンテナから受信するために、GNSSアンテナとリンクされ、車両の位置を特定するために通信プロセッサに接続されることが記載されており、前記通信プロセッサ(V2X通信プロセッサ)は、前記GNSSアンテナと前記GNSSレシーバを介して接続され、前記GNSSアンテナを介して得られた衛星ナビゲーション信号に基づいて車両の位置を特定する手段を有するといえる。 さらに、前記「V2X通信プロセッサ」は、[0039]、図4より、「V2XRFトランシーバ」を介して「DSRCアンテナ素子」と接続されている。また、V2X接続は、[0022]より、車両同士の間で通信すること(車車間通信)を可能とするとともに、車両同士がインフラストラクチャを介して通信すること(車両-インフラ間通信)を可能とするものであるから、前記「V2X通信プロセッサ」は、DSRCアンテナ素子とV2XRFトランシーバを介して接続され、前記DSRCアンテナ素子を介して車車間通信又は車両-インフラ間通信を行う手段を有するといえる。 また、図4の「LTEモデム」は、[0044]、図4、図7より、FAKRAコネクタを介してセルラ通信アンテナと接続されており、前記セルラ通信アンテナを介してセルラ通信を行うものといえる。 そして、[0029]より、TCMは、イーサネットインターフェースを含み、DSRC関連のデジタル情報をイーサネット(例えば図6)を介してSAMから車両のHMI(ヒューマンマシンインターフェース)システムへと中継するものであり、[0030]より、前記TCMは、前記LTEモデム及びイーサネットインターフェースを収容するブラックボックスであってもよく、さらに、図2より、前記TCMは、前記LTEモデム及びイーサネットインターフェースを収容するケースを備えることが看取できる。 また、TCMの前記イーサネットインターフェースは、図4及び図7において、SAMと接続されたイーサネットMAC及びPHYを有する「USBHUB」と、「イーサネットPHY」とを合わせたものに対応するところ、[0044]、[0045]より、前記「LTEモデム」は前記「USBHUB」に接続され、前記「USBHUB」は「WB45」を介して前記「イーサネットPHY」に接続されている。さらに、前記車両のHMIには、[0004]に記載される「自動車の車室内にある一又は複数の(例えば無線レシーバ、タッチスクリーンディスプレイ、ナビゲーションシステム、携帯電話等の)電子機器」が想定されているから、前記DSRC関連のデジタル情報の他に、前記LTEモデムから出力する情報及び前記V2X通信プロセッサで特定する車両の位置についての情報も、前記イーサネットインターフェースを介して前記車両のHMIに中継されるものといえる。 以上を総合すると、甲1には、「V2Xアンテナシステム」について次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認める。 (甲1発明) 「スマートアンテナモジュール(SAM)とテレマティクス通信モジュール(TCM)とを備えるV2Xアンテナシステムであって、 GNSSアンテナとセルラ通信アンテナとDSRCアンテナ素子とを有する前記スマートアンテナモジュール(SAM)と、 前記GNSSアンテナとGNSSレシーバを介して接続され、前記GNSSアンテナを介して得られた衛星ナビゲーション信号に基づいて車両の位置を特定する手段と、前記DSRCアンテナ素子とV2XRFトランシーバを介して接続され、前記DSRCアンテナ素子を介して車車間通信又は車両-インフラ間通信を行う手段と、を有するV2X通信プロセッサと、 前記セルラ通信アンテナと接続され、前記セルラ通信アンテナを介してセルラ通信を行うLTEモデムと、 車両のヒューマンマシンインターフェース(HMI)とイーサネットを介して接続するイーサネットインターフェースとを備え、 前記GNSSアンテナと、前記セルラ通信アンテナと、前記DSRCアンテナ素子は、前記SAMのカバーに覆われ、 前記LTEモデムと前記イーサネットインタフェースは、前記TCMのケースに収納され、前記V2X通信プロセッサはSAMに含まれ、前記V2X通信プロセッサと前記LTEモデムは、前記イーサネットインターフェースを介して車両のヒューマンマシンインターフェース(HMI)と通信を行うものであり、 前記SAMは車両のルーフ上に取り付けられ、前記TCMは車内の前記ルーフを介して前記SAMと対向する位置に取り付けられる V2Xアンテナシステム。」 2 甲2ないし甲4の記載と周知事項1 甲2には、以下の事項が記載されている。 「【0018】 [自動車の構成例1] 図1において、自動車1001は、第1のECU1010と複数の第2のECU1020とを備える。第1のECU1010及び第2のECU1020は、自動車1001に備わる車載コンピュータである。第1のECU1010は、自動車1001に搭載されたECUのうち、ゲートウェイ機能を有するECUである。第2のECU1020は、自動車1001に搭載されたECUのうち、エンジン制御等の機能を有するECUである。第2のECU1020として、例えば、エンジン制御機能を有するECU、ハンドル制御機能を有するECU、ブレーキ制御機能を有するECUなどがある。」 「【0024】 自動車1001は、TCU(Tele Communication Unit)1050を備える。TCU1050は通信装置である。TCU1050は通信モジュール1051を備える。通信モジュール1051は、無線通信ネットワークを利用して無線通信を行う。通信モジュール1051は、SIM(Subscriber Identity Module)1052を備える。SIM1052は、無線通信ネットワークを利用するための情報が書き込まれたSIMである。通信モジュール1051は、SIM1052を使用することにより該無線通信ネットワークに接続して無線通信を行うことができる。」 図1は以下のとおり。 上記記載より、甲2には、自動車1001において、無線通信を行う通信モジュール1051を備えるTCU1050と、車内の複数の第2のECU1020とが第1のECU(ゲートウェイ)を介して接続される態様が記載されている。 甲3には、以下の図面が記載されている。下記図面より、車両において、TCUと複数のECUとがセントラルゲートウェイを介して接続される態様が看取できる。 甲4には、以下の図面が記載されている。下記図面より、Intelligent Antenna Module(インテリジェントアンテナモジュール)がEthernet(イーサネット)を介してゲートウェイECUに相当するGateway & Ethernet Switch(ゲートウェイとイーサネットスイッチ)を介して各種デバイスと接続される態様が看取できる。 甲2ないし甲4に記載されているように、「アンテナを有する通信ユニットと、車内の複数のECUとをゲートウェイECU又は該ゲートウェイECUに相当するゲートウェイを介して接続すること。」(以下「周知事項1」という。)は周知であると認められる。 3 甲5ないし甲8の記載と周知事項2 甲5には、以下の事項が記載されている。 「【0002】 【従来の技術】従来、エアコンディショナー(A/C)やオーディオ装置等の各種車載ユニットを指示操作する場合、図7の如く、自動車のインストゥルメント・パネル内に設置されたセンタクラスタ1の各種スイッチ2を押し操作する等して所定の指示操作を行っていた。 【0003】この場合、クラスタ本体(篭体)3内には、各種スイッチ2が搭載されたスイッチ入力制御盤4(プリント配線基板)が内装され、また、クラスタ本体3の後部側に、スイッチ入力制御盤4からの操作指示に関するスイッチ信号を車載ネットワーク(車載LAN)に送出するゲートウェイECU6が設置される。スイッチ入力制御盤4とゲートウェイECU6との間は、図8の如く、ボードトゥボードコネクタと称呼される接続部材またはワイヤハーネス等の所定の有線手段により接続されており、かかる有線手段を通じてシリアル通信等で情報の受け渡しを行うようになっている。」 「【0011】 【発明の実施の形態】図1はこの発明の一の実施の形態に係る車内通信装置を示す図である。この車内通信装置は、図1の如く、スイッチ入力制御盤11と表示器12とが一体化されたセンタクラスタ13と、このセンタクラスタ13のクラスタ本体13aの背面側に設置されたゲートウェイECU(制御部)14と、このゲートウェイECU14に対して遠隔指示操作を行うためのリモートコントロール器15とを備え、センタクラスタ13及びリモートコントロール器15からゲートウェイECU14に向けて発信する指示信号を全て赤外線信号等の無線信号により行うようにしたものである。」 上記記載より、甲5には、ゲートウェイECUが設けられたセンタクラスタを自動車のインストゥルメント・パネル内に設置することが記載されている。 甲6には、以下の図面が記載されている。下記図面より、ゲートウェイECUが車両の前方部分に配置されることが看取できる。 甲7には、以下の図3及び図4が記載されている。下記図面より、車両のフロント位置にゲートウェイECUに相当するセントラルゲートウェイを設けることが看取できる。 図3は以下のとおり。 図4は以下のとおり。 甲8には、以下の図面が記載されている。下記図面より、フロントパネルにゲートウェイECUに相当するゲートウェイを設けることが看取できる。 甲5ないし甲8に記載されているように、「ゲートウェイECUを車両のフロント位置に配置すること。」(以下「周知事項2」という。)は周知であると認められる。 4 引用例Aに記載された事項 引用例Aには、図1とともに以下の事項が記載されている。 「[0010] 以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。 (第1実施形態) 図1の車両用無線通信装置1は、アンテナモジュール100とECU200とを備えており、車車間通信及び路車間通信の両方又はいずれかを行なう無線通信装置である。車車間通信及び路車間通信の通信周波数には、たとえば5.9GHz帯が用いられる。 [0011] まず、アンテナモジュール100の構成を説明する。アンテナモジュール100は、車車間通信及び路車間通信用の構成として、2つのアンテナ110A、110B、3つの切り替え回路120A、120B、120C、分配器130、移相器140、2つのローノイズアンプ150A、150B、パワーアンプ160を備える。 [0012] それ以外に、このアンテナモジュール100は、GNSS(Global Navigation Satellite Systems)用アンテナ170、ローノイズアンプ180、携帯電話回線用アンテナ190を備える。GNSS用アンテナ170はローノイズアンプ180に接続され、そのローノイズアンプ180は同軸ケーブル30に接続されている。電話回線用アンテナ190は同軸ケーブル40に接続されている。 [0013] 2つのアンテナ110A、110Bは、受信及び送信の両方に用いられる。受信時には、切り替え回路120Aにより、アンテナ110Aとローノイズアンプ150Aが接続される。このローノイズアンプ150Aは同軸ケーブル10によりECU200と接続されている。」 「[0018] 次に、ECU200の構成を説明する。ECU200は、演算部210、通信チップ220、切り替え回路230、アンテナ切り替えスイッチ240、GNSS受信部250、セキュリティアクセスモジュール(SAM)260、携帯電話送受信部270、電源280を備える。 [0019] GNSS受信部250は、同軸ケーブル30を介してGNSS用アンテナ170と接続されており、GNSS用アンテナ170から供給される信号をろ波、増幅、復調して受信データを演算部210へ供給する。SAM260は、車車間通信又は路車間通信により送受信する信号を暗号化、復号化する。携帯電話送受信部270は、同軸ケーブル40を介して携帯電話回線用アンテナ190と接続されており、携帯電話回線へ接続するための送受信機能を持つ。携帯電話回線への送信データは演算部210から入力され、また、携帯電話回線からの受信データは演算部210へ出力される。電源280は、このECU200の内部の種々の構成部品に電力を供給するとともに、アンテナモジュール100の構成部品にも電力を供給する。 [0020] 演算部210は、CPU211、メモリ212、インターフェース(I/F)213を備える。このメモリ212は不揮発性であり、後述する移相量情報が記憶される。図示していないが、これ以外に揮発性メモリも備えられている。I/F213は車両内の通信ネットワークであるCAN300に接続されている。演算部210は、I/F213及びCAN300を介して車両内の種々の情報を取得し、又は車両内の機器へ情報提供できる。 [0021] 通信チップ220は、2つの受信部221、222、送信部223、ベースバンド部224を備える。本実施形態では、IEEE802.11pの通信規格により車車間通信及び路車間通信を行なう仕様となっている。 [0022] 受信部221は、同軸ケーブル10と接続されており、この同軸ケーブル10を介してアンテナ110Aが受信した信号が入力される。受信部221は、入力される信号をろ波、増幅してベースバンド部224へ送る。もう一つの受信部222も、機能は上述の受信部221と同じである。この受信部222は、切り替え回路230、同軸ケーブル20を介してアンテナ110Bと接続される。 [0023] 送信部223も切り替え回路230と接続されている。切り替え回路230は、受信部222と同軸ケーブル20とが接続された状態と、送信部223と同軸ケーブル20とが接続された状態とを切り替える。この切り替え回路230は、アンテナ切り替えスイッチ240により接続状態が切り替えられる。アンテナ切り替えスイッチ240は通信チップ220の通信状態をもとにした送受信の切り替えの機能を持つ。ベースバンド部224は、変調、復調を行なう。受信時は、受信ダイバーシティ(ここでは最大比合成ダイバーシティ)が行われる。 [0024] 上記構成の通信チップ220は、演算部210との間で相互に通信が可能となっている。電波受信時、電波送信時とも、通信チップ200と演算部210との相互の通信が行われる。」 図1は以下のとおり。 以上より、引用例Aの車両用無線通信装置1は、アンテナモジュール100とECU200を備え、前記アンテナモジュール100は、GNSS用アンテナ170と携帯電話回線用アンテナ190と車車間通信及び路車間通信用の2つのアンテナ110A、110Bとを備え、前記ECU200は、前記GNSSアンテナ170と接続され該GNSSアンテナ170から供給される信号をろ波、増幅、復調して受信データを演算部210へ供給するGNSS受信部250と、前記携帯電話回線用アンテナ190と接続され携帯電話回線へ接続するための送受信機能を持つ携帯電話送受信部270と、前記2つのアンテナ110A、110Bに接続され、車車間通信及び路車間通信を行うための通信チップ220と、車両内の種々の情報を取得し、又は車両内の機器へ情報提供できるI/F213を備える前記演算部210とを備えるものとすることが記載されているといえる。 したがって、引用例Aには、「車両用無線通信装置において、1つのECUに、GNSSアンテナと接続される信号処理回路、携帯電話回線用アンテナと接続される信号処理回路、及び車車間通信用及び路車間通信用のアンテナと接続された信号処理回路を備えること。」(以下「引用例A記載事項1」という。)が記載されていると認められる。 さらに、引用例Aには、図2とともに以下の事項が記載されている。 「[0025] 図2に車両用無線通信装置1の搭載状態を示している。この図はアンテナ110A、110Bと車両ルーフ2との位置関係を示すための図であり、ECU200やアンテナモジュール100が備える部品のうちアンテナ110A、110B以外は省略してある。」 車両用無線通信装置1が車両ルーフ2に搭載された状態における部分断面図である図2は以下のとおり。 ここで、図2の番号「3」が付与されている構成を「ケース」と称することは任意であること、及び、段落[0025]より図2は、アンテナモジュール100とECU200とを備える車両用無線通信装置1の搭載状態を示しており、「この図はアンテナ110A、110Bと車両ルーフ2との位置関係を示すための図であり、ECU200やアンテナモジュール100が備える部品のうちアンテナ110A、110B以外は省略してある。」の記載からみて、図示を省略されているアンテナ110A、110B以外のECU200及びアンテナモジュール100は、図2のケース3に覆われているといえる。 以上より、引用例Aの車両用無線通信装置1は、アンテナモジュール100とECU200を備え、前記アンテナモジュール100は、GNSS用アンテナ170と携帯電話回線用アンテナ190と車車間通信及び路車間通信用の2つのアンテナ110A、110Bとを備え、前記ECU200は、前記GNSSアンテナ170と接続され該GNSSアンテナ170から供給される信号をろ波、増幅、復調して受信データを演算部210へ供給するGNSS受信部250と、前記携帯電話回線用アンテナ190と接続され携帯電話回線へ接続するための送受信機能を持つ携帯電話送受信部270と、前記2つのアンテナ110A、110Bに接続され、車車間通信及び路車間通信を行うための通信チップ220と、車両内の種々の情報を取得し、又は車両内の機器へ情報提供できるI/F213を備える前記演算部210とを備え、前記アンテナモジュール100はケースに覆われるとともに、前記ECU200は前記ケースに収納されたものとすることが記載されているといえる。 したがって、引用例Aには、「車両用無線通信装置において、GNSSアンテナと、携帯電話回線用アンテナと、車車間通信用及び路車間通信用のアンテナとをケースで覆い、前記各アンテナと接続された各信号処理回路を前記ケース内に収納すること。」(以下「引用例A記載事項2」という。)が記載されていると認められる。 5 引用例Bに記載された事項 引用例Bには、図面とともに以下の事項が記載されている。 「【発明を実施するための形態】 【0017】 以下、本発明によるアンテナ一体型移動体情報提供装置及びそれを用いる車載装置の複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。以下に説明する複数の実施形態では実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。 (第1実施形態) 本発明の第1実施形態によるアンテナ一体型移動体情報提供装置および車載装置としてのナビゲーション装置を図1から図6を参照しながら説明する。以下、アンテナ一体型移動体情報提供装置をアンテナ一体型ロケータと称する。また、本実施形態では移動体として車両を想定している。 【0018】 図1に示すように、アンテナ一体型ロケータ1およびナビゲーション装置2は、測位用データを送信する人工衛星3とともに車両用のいわゆる衛星航法システム4を構成している。アンテナ一体型ロケータ1およびナビゲーション装置2は、図示しない車両に搭載されている。アンテナ一体型ロケータ1は、ケーシング10内に、制御部11、アンテナ素子12、現在位置取得部13および記憶部14を備えている。制御部11は、図示しないCPU、ROMおよびRAMなどを有するマイクロコンピュータにより構成されており、ROMなどに記憶されているコンピュータプログラムに従ってアンテナ一体型ロケータ1全体を制御する。制御部11は、内蔵回路として、通信部15、I/O16、内蔵メモリ17、AD変換器18を有している。通信部15は、USB(Universal Serial Bus)規格の通信インターフェースで構成されている。通信部15は、外付けの物理層IC19(PHY)を介して、ナビゲーション装置2との間で各種のデータを通信する。なお、物理層IC19は、制御部11に内蔵されている構成であってもよい。I/O16は、制御部11と現在位置取得部13または記憶部14との間でデータの入出力を行うインターフェースである。I/O16は、制御部11と現在位置取得部13との間はUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)あるいはSPI(Serial Peripheral Interface)のシリアル通信によるデータ通信をサポートし、制御部11と記憶部14との間ではSDIOまたはSPIによるデータ通信をサポートしている。 【0019】 内蔵メモリ17は、不揮発性且つ読み書き可能な半導体メモリであるいわゆるフラッシュメモリで構成されている。この内蔵メモリ17には、例えば制御部11で実行されるコンピュータプログラムなどが記憶されている。なお、内蔵メモリ17は、ROMや記憶部14などと共用してもよい。AD変換器18は、周知のアナログ-デジタル変換器で構成されている。AD変換器18は、ジャイロセンサ20(GYRO)や加速度センサ21から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。ジャイロセンサ20は移動体に相当する図示しない車両の方位を検知し、加速度センサ21は車両の加速度を検知する。制御部11は、AD変換器18にてジャイロセンサ20および加速度センサ21で検知した車両の移動状態を取得する。すなわち、制御部11、ジャイロセンサ20および加速度センサ21は、特許請求の範囲の移動状態取得部に相当する。なお、移動状態取得部は、ジャイロセンサ20や加速度センサ21に加えて、車両の移動状態を検知する他のセンサ類を有していてもよい。 【0020】 アンテナ素子12は、人工衛星3から送信される測位用データを受信して現在位置取得部13に受け渡す。この場合、アンテナ素子12で受信した測位用データの高周波信号は、低雑音アンプ22(LNA)で増幅され、表面弾性波フィルタ23(SAW)で中心周波数付近の信号が抽出された後、RF信号として現在位置取得部13に入力される。 現在位置取得部13は、入力されたRF信号を制御部11により設定された設定値に基づいて変換し、現在位置を取得する。具体的には、現在位置取得部13は、内蔵回路として図示しないRFダウンコンバータ回路、ベースバンド処理回路および入出力インターフェース回路を有している。現在位置取得部13は、表面弾性波フィルタ23から入力されたRF信号をこれらの内蔵回路で処理することにより、現在位置を取得する。つまり、現在位置取得部13は、いわゆるGNSS(Global Navigation Satellite System)用のICで構成されている。この場合、現在位置取得部13は、制御部11によって予め設定された条件に基づいて現在位置を取得する。なお、これらRFダウンコンバータ回路やベースバンド処理回路を内蔵する現在位置取得部13の基本的な処理の内容は例えばGPS受信機などで一般的に用いられている周知の技術であるため、詳細な説明は省略する。 【0021】 本実施形態の場合、アンテナ素子12および現在位置取得部13は、GPS(Global Positioning System)、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、Galileo、ComPASS(Community-bus Planning Aid Simulation System)の規格に対応した人工衛星3から送信される測位用データの受信および現在位置の取得が可能である。なお、使用する航法衛星システムの規格が予め1つに決定されている場合などには、アンテナ素子12および現在位置取得部13にその規格のみに対応したものを用いてもよい。」 「【0038】 このように、アンテナ一体型ロケータ1は、人工衛星3から送信された測位用データに基づいて現在位置を取得し、ナビゲーション装置2からの要求に応じて、移動体情報および車両の移動状態のデータをナビゲーション装置2に提供する。また、ナビゲーション装置2は、アンテナ一体型ロケータ1から提供される移動体情報を利用してナビゲーション機能を実行する。 【0039】 以上説明した本実施形態によるアンテナ一体型ロケータ1およびナビゲーション装置2によれば、以下のような効果を得ることができる。 アンテナ一体型ロケータ1は、ケーシング10内にアンテナ素子12、現在位置取得部13、通信部15および制御部11を設けている。そして、制御部11は、現在位置取得部13で取得した現在位置を含む移動体情報を、ケーシング10の外部に設けられた例えばナビゲーション装置2などの車載装置に対して提供する。すなわち、アンテナ一体型ロケータ1は、移動体情報を提供する機能をモジュール化した構成となっている。このため、各種の車載装置にプラグインするだけで移動体情報を提供することができる。」 「【0045】 (第2実施形態) 本発明の第2実施形態によるアンテナ一体型ロケータおよび車載装置としての車両制御装置を図7を参照しながら説明する。第2実施形態では、主に、車載装置の種類すなわちアンテナ一体型ロケータから提供される移動体情報を利用するアプリケーションの種類が第1実施形態と異なっている。 【0046】 図7に示すように、第2実施形態のアンテナ一体型ロケータ40は、第1実施形態のアンテナ一体型ロケータ1とほぼ同一の構成である。ただし、車両制御装置41は、第1実施形態のナビゲーション装置2とは異なり大容量の地図データを記憶する必要性が少ない。そのため、アンテナ一体型ロケータ40は、車両制御装置41に提供するデータが内蔵メモリ17の容量に収まる場合、記憶部14を設けなくてもよい。勿論、必要となるデータが内蔵メモリ17に収まらない場合には、記憶部14を設けてもよい。また、本実施形態のアンテナ一体型ロケータ40は、車両制御装置41との通信方式としていわゆる車載LANの1つであるCAN(Controller Area Network)を採用している。そのため、アンテナ一体型ロケータ40は、車両制御装置41以外の車載機42との間の通信も可能になっている。つまり、複数の車載装置においてアンテナ一体型ロケータ40から提供される移動体情報を共有することが可能である。なお、通信方式は、CANに限らず他の車載LANの規格を採用してもよい。 【0047】 車両制御装置41は、いわゆるエンジン制御ECU(Electronic Control Unit)であり、外部の制御装置に相当する制御装置43および移動体情報取得部44を備えている。制御装置43は、第1実施形態の制御装置31と実質的に同じ構成である。また、移動体情報取得部44は、USB規格ではなくCANを採用しているものの、その実質的な機能は第1実施形態の移動体情報取得部33と同じである。本実施形態の場合、制御装置43は、図示しないエンジンへの燃料の噴射量の制御や図示しないアクセルの踏み込み量に応じたアクセル開度の調整などを行うとともに、車両制御装置41全体を制御する。車両制御装置41における移動体情報の利用形態としては、例えば省エネ運転支援や安全運転支援のアプリケーションが考えられる。以下、エンジンの制御を例示して説明するが、本発明は、例えばハイブリッド自動車や電気自動車の場合には走行用モータの制御に応用できることは勿論である。」 上記記載より、引用例Bには、「人工衛星から送信される測位用データを受信して現在位置取得部に受け渡すアンテナ素子と、入力したRF信号に基づいて現在位置を取得する現在位置取得部を備えるアンテナ一体型ロケータは、前記現在位置を含む移動体情報を、車内LANを介してナビゲーション装置とは異なるエンジン制御ECUに提供し、エンジン制御に用いること。」(以下「引用例B記載事項」という。)が記載されていると認められる。 第6 判断 1 本件訂正発明1について (1)対比 上記第3の本件訂正発明1と、上記第5の1で認定した甲1発明とを対比する。 a 甲1発明の「GNSSアンテナ」、「セルラ通信アンテナ」及び「DSRCアンテナ素子」は、それぞれ本件訂正発明1の「第1のアンテナ素子」、「第2のアンテナ素子」及び「第3のアンテナ素子」に相当し、甲1発明の「スマートアンテナモジュール」は、前記各アンテナを有する点で本件訂正発明1の「アンテナ素子部」と共通する。 b 甲1発明の「V2X通信プロセッサ」が有する「前記GNSSアンテナとGNSSレシーバを介して接続され、前記GNSSアンテナを介して得られた衛星ナビゲーション信号に基づいて車両の位置を特定する手段」は、「GNSSアンテナ」と当該「手段」とがゲートウェイECUを介さずに接続されることが明らかであり、「車両の位置を特定する」ことは、「車両の位置情報を算出する」ことに他ならないから、本件訂正発明1の「前記第1アンテナ素子と車両のゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第1アンテナ素子を介して得られた情報に基づいて、前記第1アンテナ素子が取り付けられた車両の位置情報を算出する第1処理部」に相当する。 c 甲1発明の「V2X通信プロセッサ」が有する「前記DSRCアンテナ素子とV2XRFトランシーバを介して接続され、前記DSRCアンテナ素子を介して車車間通信または車両-インフラ間通信を行う手段」について、「DSRCアンテナ素子」と当該「手段」とがゲートウェイECUを介さずに接続されることが明らかであり、本件訂正発明1の「車両の外からの情報を受信し、車両の情報を送信」することは、V2X通信することに他ならないから、甲1発明の前記「手段」は、本件訂正発明1の「前記第3アンテナ素子と前記ゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第3アンテナ素子を介して、前記車両の外からの情報を受信し、前記車両の情報を送信する第3処理部」に相当する。 d 甲1発明の「前記セルラ通信アンテナと接続され、前記セルラ通信アンテナを介してセルラ通信を行うLTEモデム」は、「セルラ通信アンテナ」と「LTEモデム」とがゲートウェイECUを介さずに接続されることが明らかであり、「セルラ通信」は「移動体通信」に含まれるから、本件訂正発明1の「前記第2アンテナ素子と前記ゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第2アンテナ素子を介して、移動体通信を行う第2処理部」に含まれる。 e 甲1発明の「車両のヒューマンマシンインターフェース(HMI)」と本件訂正発明1の「ゲートウェイECU」とは、「所定の接続先」である点で共通し、甲1発明の車内の「イーサネット」及び「イーサネットインターフェース」は、それぞれ本件訂正発明1の「車内LAN」及び「送受信部」に含まれるから、本件訂正発明1の「前記ゲートウェイECUと、車内LANを介して接続する送受信部」と、甲1発明の「車両のヒューマンマシンインターフェース(HMI)とイーサネットを介して接続するイーサネットインターフェース」は、「所定の接続先と、車内LANを介して接続する送受信部」である点で共通する。 f 甲1発明の「前記GNSSアンテナと、前記セルラ通信アンテナと、前記DSRCアンテナ素子は、前記SAMのカバーに覆われ」は、本件訂正発明1の「前記第1アンテナ素子と、前記第2アンテナ素子と、前記第3アンテナ素子は、ケースに覆われ」に相当する。 g 甲1発明の「TCMのケース」は本件訂正発明1の「筐体」に相当し、両者は、甲1発明の「LTEモデム」及び「イーサネットインターフェース」、すなわち本件訂正発明1の「第2処理部」及び「送受信部」が収納される点で共通するものの、甲1発明の、前記「第2処理部」及び「送受信部」に相当する2つの手段を有する「V2X通信プロセッサ」が、前記「TCMのケース」内には収納されていない点は、本件訂正発明1と相違する。 また、甲1発明の「前記イーサネットインターフェースを介して車両のヒューマンマシンインターフェース(HMI)と通信を行う」ことと本件訂正発明1の「前記第1処理部、前記第2処理部、前記第3処理部は、前記送受信部を介して、前記ゲートウェイECUと通信を行う」こととは、上記eより、「前記第1処理部、前記第2処理部、前記第3処理部は、前記送受信部を介して、所定の接続先と通信を行う」ことで共通する。 h 甲1発明の「V2Xアンテナシステム」は、本件訂正発明1の「アンテナ装置」に含まれる。 そうすると、本件訂正発明1と甲1発明とは、以下の点で一致し、また相違する。 (一致点) 「第1アンテナ素子と第2アンテナ素子と第3アンテナ素子とを有するアンテナ素子部と、 前記第1アンテナ素子と車両のゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第1アンテナ素子を介して得られた情報に基づいて、前記第1アンテナ素子が取り付けられた車両の位置情報を算出する第1処理部と、 前記第2アンテナ素子と前記ゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第2アンテナ素子を介して、移動体通信を行う第2処理部と、 前記第3アンテナ素子と前記ゲートウェイECUを介さずに接続され、前記第3アンテナ素子を介して、前記車両の外からの情報を受信し、前記車両の情報を送信する第3処理部と、 所定の接続先と、車内LANを介して接続する送受信部とを備え、 前記第1アンテナ素子と、前記第2アンテナ素子と、前記第3アンテナ素子は、ケースに覆われ、前記第2処理部、前記送受信部は、筐体に収納され、前記第1処理部、前記第2処理部、前記第3処理部は、前記送受信部を介して、前記所定の接続先と通信を行うことを特徴とするアンテナ装置。」 (相違点1) 「所定の接続先」について、本件訂正発明1では「ゲートウェイECU」であるのに対し、甲1発明では「車両のヒューマンマシンインターフェース(HMI)」である点。 この点に伴い、「筐体」について、本件訂正発明1では「前記ゲートウェイECUよりも前記アンテナ素子部に近い位置に配置された」ものであるのに対し、甲1発明ではこの点が特定されていない点。 (相違点2) 本件訂正発明1では、「前記第1処理部、前記第2処理部、前記第3処理部、前記送受信部」は「筐体に収納され」ているのに対し、甲1発明では、「前記LTEモデムと前記イーサネットインタフェース」は「TCMのケース」に収納されるものの、前記「第1処理部」及び前記「第3処理部」を合わせたものに相当する「V2X通信プロセッサ」の2つの手段がSAMに含まれる点。 (相違点3) 本件訂正発明1では、「前記第1処理部の基準クロックに関する情報は、前記第2処理部と前記第3処理部の少なくとも一方に送信されてタイミング制御のために用いられるか、前記ゲートウェイECUを介して送信されてタイミング制御のために用いられること」を特定しているのに対し、甲1発明ではこの特定がない点。 (2)判断 事案に鑑み、まず相違点3について検討する。 ア 上記第2の2(1)イで述べたように、本件訂正発明1の、第1処理部から送信される基準クロックに関する情報は、第1処理部が第1アンテナ素子を介して衛星の位置情報と時間情報を受信し、これらに基づいて調整した該第1処理部の基準クロックに関する情報であるといえ、この基準クロックに関する情報を、第2処理部、第3処理部ないしはゲートウェイECUを介して車両の各部へ送信し、それぞれの機器においてタイミング制御に用いること、すなわち、相違点3に係る上記構成により、それぞれの機器に前記第1アンテナ素子に相当するアンテナ素子や位置情報を算出する装置や基準クロックを調整する装置を設けずに構成することが可能になるという効果を奏するものといえる。 イ 一方、甲1に、「レシーバは、衛星ナビゲーション信号をGNSSアンテナから受信するために、GNSSアンテナ(例えば、図9のパッチアンテナ108等)にリンクされ、あるいは通信可能とされている。GNSSレシーバは、車両の位置を特定するために通信プロセッサに接続され、リンクされ、および/または通信可能とされている。」(段落【0054】)と記載されていることも勘案すると、前記通信プロセッサ、すなわち、甲1発明のV2X通信プロセッサの「車両の位置を特定する手段」(本件訂正発明1の「第1処理部」に対応する。)は、車両の位置に関する情報を生成し出力するものであるといえるものの、該「車両の位置を特定する手段」の基準クロックを生成し、又は調整することは記載がない。 ウ そして、相違点3に係る本件訂正発明1の「前記第1処理部の基準クロックに関する情報は、前記第2処理部と前記第3処理部の少なくとも一方に送信されてタイミング制御のために用いられるか、前記ゲートウェイECUを介して送信されてタイミング制御のために用いられること」という構成は、取消理由通知(決定の予告)で引用した各文献及び異議申立書に添付した各文献のいずれにも記載されていないから、相違点3に係る上記構成は、甲1発明と取消理由通知(決定の予告)で引用した各文献及び異議申立書に添付した各文献に記載した事項及び周知事項から当業者が容易に発明することができたものとはいえない。 エ ここで、例えば異議申立人が意見書に添付した甲第13号証の1ないし甲第13号証の6に記載されているように、「GPS受信機から他の処理部でタイミング制御に利用する1PPSのパルス信号を送信出力すること。」が周知事項であるとしても、上記イのとおり甲1発明の「車両の位置を特定する手段」は、基準クロックに関する情報を生成し、又は調整するものではないから、甲1発明に当該周知事項を適用する動機付けがない。したがって、相違点3に係る上記構成は、甲1発明と当該周知事項から当業者が容易に発明することができたものともいえない。 オ さらに、異議申立人は意見書(13頁の「(4)小括」の項参照。)において、訂正後の請求項1の「第1処理部の基準クロック」がGPSレシーバ等の位置情報を受信するアンテナがGPS衛生等の外部から受信するクロック情報(外部で調整済みの基準クロック)を含むものであれば、訂正後の請求項1は、甲1乃至甲8及び甲13の1乃至甲13の6に対して進歩性を有していない旨主張するが、上記第2の2(1)エで述べたとおり、本件訂正発明1の「前記第1処理部の基準クロックに関する情報」は、「外部で調整済みの基準クロック」を含むものではなく、第1処理部で調整したものと解されるから、異議申立人の上記主張は採用できない。 (3)小括 したがって、相違点1及び相違点2について判断するまでもなく、本件訂正発明1は、甲1発明と甲2乃至甲8、甲13の1乃至甲13の6並びに引用例A及びBに記載された事項により当業者が容易に発明することができたものではない。 2 本件訂正発明5について 上記第3の本件訂正発明5は、上記第3の本件訂正発明1を、さらに「前記ケースと、前記筐体は、前記車両における前記アンテナ素子部を保持する部材を挟む位置関係に配置されること」という事項により限定したものである。 そうすると、本件訂正発明5は、上記1(1)で示した相違点3に係る事項を含むから、上記1(2)で判断したのと同様の理由により、甲1発明と甲2乃至甲8、甲13の1乃至甲13の6並びに引用例A及びBに記載された事項により当業者が容易に発明することができたものではない。 3 本件訂正発明10について (1)対比 上記第3の本件訂正発明10と上記第5の1で認定した甲1発明とを対比する。 ここで、本件訂正発明1の「第2アンテナ素子」又は「第3アンテナ素子」が本件訂正発明10では「別のアンテナ素子」と表され、本件訂正発明1の「第2処理部」又は「第3処理部」が本件訂正発明10では「別の処理部」で表されること、及び、本件訂正発明1と甲1発明とを対比した上記第6の1(1)で述べた事項とを勘案すると、本件訂正発明10と甲1発明とは、以下の相違点を有する。 (相違点4) 「所定の接続先」について、本件訂正発明10では「ゲートウェイECU」であるのに対し、甲1発明では「車両のヒューマンマシンインターフェース(HMI)」である点。 この点に伴い、「筐体」について、本件訂正発明10では「前記ゲートウェイECUよりも前記アンテナ素子部に近い位置に配置された」ものであるのに対し、甲1発明ではこの点が特定されていない点。 (相違点5) 本件訂正発明10では、「前記第1処理部と前記送受信部」及び「前記別の処理部」は「筐体に収納され」ているのに対し、甲1発明では、「前記LTEモデムと前記イーサネットインタフェース」は「TCMのケース」に収納されるものの、前記「第1処理部」及び前記「別の処理部」を合わせたものに相当する「V2X通信プロセッサ」の2つの手段がSAMに含まれる点。 (相違点6) 本件訂正発明10では、「前記第1処理部の基準クロックに関する情報は、前記別の処理部に送信されてタイミング制御のために用いられるか、前記ゲートウェイECUを介して送信されてタイミング制御のために用いられること」を特定しているのに対し、甲1発明ではこの特定がない点。 (2)判断 事案に鑑み、まず相違点6について検討する。 ア 上記第2の2(1)イで述べた事項からみて、本件訂正発明10の、第1処理部から送信される基準クロックに関する情報は、第1処理部が第1アンテナ素子を介して衛星の位置情報と時間情報を受信し、これらに基づいて調整した該第1処理部の基準クロックに関する情報であるといえ、この基準クロックに関する情報を、第2処理部、第3処理部(すなわち別の処理部)ないしはゲートウェイECUを介して車両の各部へ送信し、それぞれの機器においてタイミング制御に用いること、すなわち、相違点6に係る上記構成により、それぞれの機器に前記第1アンテナ素子に相当するアンテナ素子や位置情報を算出する装置や基準クロックを調整する装置を設けずに構成することが可能になるという効果を奏するものといえる。 イ 一方、甲1に、「レシーバは、衛星ナビゲーション信号をGNSSアンテナから受信するために、GNSSアンテナ(例えば、図9のパッチアンテナ108等)にリンクされ、あるいは通信可能とされている。GNSSレシーバは、車両の位置を特定するために通信プロセッサに接続され、リンクされ、および/または通信可能とされている。」(段落【0054】)と記載されていることも勘案すると、前記通信プロセッサ、すなわち、甲1発明のV2X通信プロセッサの「車両の位置を特定する手段」(本件訂正発明10の「第1処理部」に対応する。)は、車両の位置に関する情報を生成し出力するものであるといえるものの、該「車両の位置を特定する手段」の基準クロックを生成し、又は調整することは記載がない。 ウ そして、相違点6に係る本件訂正発明10の「前記第1処理部の基準クロックに関する情報は、前記別の処理部に送信されてタイミング制御のために用いられるか、前記ゲートウェイECUを介して送信されてタイミング制御のために用いられること」という構成は、取消理由通知(決定の予告)で引用した各文献及び異議申立書に添付した各文献のいずれにも記載されていないから、相違点6に係る上記構成は、甲1発明と取消理由通知(決定の予告)で引用した各文献及び異議申立書に添付した各文献に記載した事項及び周知事項から当業者が容易に発明することができたものとはいえない。 エ ここで、例えば異議申立人が意見書に添付した甲第13号証の1ないし甲第13号証の6に記載されているように、「GPS受信機から他の処理部でタイミング制御に利用する1PPSのパルス信号を送信出力すること。」が周知事項であるとしても、上記イのとおり甲1発明の「車両の位置を特定する手段」は、基準クロックに関する情報を生成し、又は調整するものではないから、甲1発明に当該周知事項を適用する動機付けがない。したがって、相違点6に係る上記構成は、甲1発明と当該周知事項から当業者が容易に発明することができたものともいえない。 (3)小括 したがって、相違点4及び相違点5について判断するまでもなく、本件訂正発明10は、甲1発明と甲2乃至甲8、甲13の1乃至甲13の6並びに引用例A及びBに記載された事項により当業者が容易に発明することができたものではない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1、5及び10に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1、5及び10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 さらに、本件訂正により本件特許の請求項7及び9が削除された結果、同請求項7及び9に係る特許についての本件特許異議の申立ては対象を欠くこととなったため、特許法120条の8第1項において準用する同法135条の規定により、請求項7及び9に係る特許についての本件特許異議の申立ては却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2018-700841

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