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特許異議申立

2024-700976

通信装置

審判番号
2024-700976
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-025078
登録番号
7462955
請求日
2024年10月08日
審決日
2024年11月29日
公報発行日
2024年12月27日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社川本製作所
  • 【権利者代理人】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
  • 【異議申立人】新井 誠一
審判長/審判官
  • 審判長 柿崎 拓
  • 審判官 窪田 治彦
  • 審判官 長馬 望
分類
P1651.537-Y (F04B) / P1651.113-Y (F04B) / P1651.121-Y (F04B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条
データ出所
審決公報(XML)

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特許第7462955号発明「通信装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7462955号の請求項1~6に係る特許を維持する。

理由

理 由 結 論 特許第7462955号の請求項1~6に係る特許を維持する。 理 由 第1 手続の経緯の概略 特許第7462955号の請求項1~6に係る特許(以下「本件特許」という。)についての手続の経緯は、概ね、次のとおりである。すなわち、令和3年2月19日に出願され(特願2021-25078号)、令和6年3月29日に特許権の設定登録がされ、令和6年4月8日に特許掲載公報が発行されたところ、これに対し、令和6年10月8日に特許異議申立人新井誠一より、特許異議の申立てがされたものである。 第2 本件発明 本件特許の請求項1~6に係る発明(以下、本件特許に係る発明を請求項の番号に従って、「本件発明1」などといい、総称して「本件発明」という。)は、特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。 「【請求項1】 ポンプのイベントごとに信号を出力可能な複数の出力端子を有するポンプ装置に取り付け可能な通信装置であって、 前記複数の出力端子の各々に電気的に個別に接続されることにより、前記複数の出力端子の各々から前記信号が個別に入力される複数の入力端子と、 前記複数の入力端子の各々から入力された信号を個別に検出する検出部と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記イベントに応じた出力情報であって、前記信号が入力された入力端子の端子番号を含む前記出力情報を管理装置に送信する通信部と、 を備え、 前記管理装置は、予め前記複数の入力端子の各々の端子番号と、当該入力端子に入力される信号が示すイベントとを関連付けて設定し、前記送信された出力情報に基づいて前記イベントを管理する、通信装置。 【請求項2】 前記複数の入力端子に個別に入力される複数の信号は、前記ポンプの運転に関するイベントに応じた信号、前記ポンプの故障に関するイベントに応じた信号、前記ポンプが接続する受水槽の水位に関するイベントに応じた信号、のうちの少なくとも1つを含む、 請求項1に記載の通信装置。 【請求項3】 前記検出部は、前記信号の立ち上がりを検出した第1の検出結果と、前記信号の立ち下がりを検出した第2の検出結果との各々を通信部に送出する、 請求項1又は2に記載の通信装置。 【請求項4】 入力基板と、 通信基板と、 を備え、 前記入力基板は、前記複数の入力端子及び前記検出部が実装され、 前記通信基板は、前記通信部が実装される、 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の通信装置。 【請求項5】 電源ノイズをフィルタする電源基板の二次側に電源端子を有する前記ポンプ装置に対し、前記電源端子に電気的に接続されることにより、前記電源端子から電源を取得し、当該取得した電源の電圧を調整して前記検出部及び前記通信部に供給する電源部、 を備えた請求項1乃至4のいずれか一項に記載の通信装置。 【請求項6】 前記通信部は、前記出力情報をシリアル通信により前記管理装置に送信する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の通信装置。」 第3 特許異議申立ての理由の概要 特許異議申立人(以下「申立人」という。)は、甲第1号証~甲第3号証(以下、証拠の番号に従って「甲1」などという。)を提出し、請求項1~6に係る特許は、次の理由により取り消すべき旨主張している。 1 36条6項1号(サポート要件違反) 「既設のポンプ装置に後付け可能な通信装置を提供すること」という、発明の詳細な説明に記載された課題を解決するための手段が請求項1~6に反映されていないから、請求項1~6の記載はサポート要件に適合しない。 2 36条6項2号(明確性要件違反) 本件発明は、「管理装置」という他のサブコンビネーションによって「通信装置」がどのように特定されるのか、明確に把握することができず、「ポンプ装置に取り付け可能」とはいかなることか不明であるから、請求項1~6の記載は明確性要件に適合しない。 3 29条1項3号及び29条2項(新規性・進歩性欠如) 本件発明1、3は、甲1に記載された発明に基づいて新規性及び進歩性を欠き、本件発明2、3、5、6は、甲1に記載された発明及び甲2に記載された発明に基づいて進歩性を欠き、本件発明4は、甲1に記載された発明、甲2に記載された発明及び周知技術(甲3)に基づいて進歩性を欠く。 (証拠方法) 甲1:特開2014-70330号公報 甲2:特開2008-19763号公報 甲3:特開平11-205471号公報 第4 特許異議申立ての理由についての判断 1 理由1(36条6項1号)について (1) 申立人は、本件特許明細書の発明の詳細な説明に「シリアル通信に対応していない旧機種のポンプ装置10に接続するための入力基板41に接続可能なコネクタ43と、前述したシリアル通信可能なコネクタ(図示せず)とを備えた構成」(【0030】)にするという解決手段が記載されているが、そのような構成が請求項1~6に反映されていないことを理由に、請求項1~6の記載はサポート要件に適合しない、と主張している(特許異議申立書第4・2)。 (2) そこで、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載をみるに、その記載によれば、本件発明は、「ポンプ装置に取り付け可能な通信装置に関する。」(【0001】)もので、「近年、ポンプ装置では、メンテナンス作業を行う作業者の高齢化や後継者不足に伴い、遠距離通信を用いた遠隔地から監視可能な製品が望まれている。例えば、ポンプ装置の故障状況や運転状況などの情報を遠距離通信により取得したい要望がある。しかしながら、ポンプ装置は、一般的に10年程度の製品寿命を有して長持ちするため、あらかじめ遠距離通信機能をもつ新機種に置き換えにくい状況にある。」(【0002】)といった状況を踏まえてなされたもので、「既設のポンプ装置に後付け可能な通信装置を提供すること」(【0004】)を解決しようとする課題とするものであることがわかる。 そして、発明の詳細な説明には、実施形態に関し、以下の事項が記載されている(下線は当審にて付与した。以下同様。)。 ・ポンプ装置10は、例えば建物に給水し、故障状況や運転状況といった、ポンプのイベントごとに信号を出力可能な複数の出力端子A1~A10を有する装置である(【0011】、【0012】、【0016】、【0020】、【0027】、【0028】、図2、3)。 ・通信装置40は、入力部411と通信部421を備え、入力部411は、複数の入力端子を有する端子台41Bと、信号検出部413を備える。端子台41Bは、制御装置30の各々の出力端子A1~A10に配線ケーブル等を介して接続可能な複数の入力端子B1~Bnを備える(n:任意の自然数)。複数の入力端子B1~Bnは、複数の出力端子A1~A10の各々に電気的に個別に接続されることにより、複数の出力端子A1~A10の各々から信号が個別に入力され、信号検出部413は、複数の入力端子B1~Bnの各々から入力された信号を個別に検出し、通信部421は、信号検出部413の検出結果に基づいて、イベントに応じた出力情報であって、信号が入力された入力端子B2,B3,B5~B10の端子番号を含む当該出力情報を管理サーバ70に送信する(【0029】、【0034】、【0036】、【0044】、図2、3)。 ・管理サーバ70は、予め複数の入力端子の各々の端子番号と、当該入力端子に入力される信号が示すイベントとを関連付けて設定し、送信された出力情報に基づいてイベントを管理する(【0032】)。 ・通信装置40を後付けしてシリアル通信を行う時の動作例は、後付け時のステップS10と、通信時のステップS20とを含む(【0064】、図11)。通信装置40を後付けするステップS10では、作業者により、通信装置40を既設のポンプ装置10に後付けする後付け作業が行われ(ステップS11)、通信装置40の入力端子B1~B10を制御装置30の出力端子A1~A10に接続する(【0065】)。ステップS10の終了後、通信時のステップS20では、制御装置30は、イベント毎に信号を出力端子A2,A3,A5~A10から出力し(ステップS21)、出力された信号は、入力端子B2,B3,B5~B10を介して通信装置40に入力され(【0068】)、通信装置40は、入力された信号を検出し、検出結果に基づいて、イベントに応じた出力情報を管理サーバ70に送信し(ステップS22)、出力情報は、信号が入力された入力端子の端子番号を含んでいる(【0069】)。管理サーバ70は、出力情報を受信すると、当該出力情報に基づいて、設定テーブル73aを参照し、故障の有無や、運転状態を判別する(ステップS23)(【0070】)。 ・実施形態によれば、通信装置は、ポンプのイベントごとに信号を出力可能な複数の出力端子を有するポンプ装置に取り付け可能な装置である。通信装置は、複数の入力端子と、検出部と、通信部とを備えている。複数の入力端子は、複数の出力端子の各々に電気的に個別に接続されることにより、複数の出力端子の各々から信号が個別に入力される。検出部は、複数の入力端子の各々から入力された信号を個別に検出する。通信部は、検出部の検出結果に基づいて、イベントに応じた出力情報であって、当該信号が入力された入力端子の端子番号を含む当該出力情報を管理装置に送信する。これにより、既設のポンプ装置に後付け可能な通信装置を提供することができる。従って、係る通信装置を後付けすることにより、通信非対応の既設のポンプ装置にも通信対応化を実現させることができる(【0072】)。 (3) 以上のような、発明の詳細な説明の記載によれば、通信装置は、複数の入力端子と、検出部と、通信部とを備え、複数の入力端子は、ポンプのイベントごとに信号を出力可能な複数の出力端子の各々に電気的に個別に接続されることにより、複数の出力端子の各々から信号が個別に入力され、検出部は、複数の入力端子の各々から入力された信号を個別に検出し、通信部は、検出部の検出結果に基づいて、イベントに応じた出力情報であって、当該信号が入力された入力端子の端子番号を含む当該出力情報を管理装置に送信することにより、当該課題を解決することができたことがわかる。 そうすると、本件発明は、請求項1に記載された事項を備えることにより、当該課題を解決することができたものと認められる。 そして、本件発明の通信装置は、ポンプ装置が有する複数の出力端子の各々に接続される複数の入力端子を備えることが特定されているから、「シリアル通信に対応していない旧機種のポンプ装置10に接続するための入力基板41に接続可能なコネクタ43と、前述したシリアル通信可能なコネクタ(図示せず)とを備えた構成」(【0030】)を備えなければ、既設のポンプ装置に後付け可能な通信装置を提供することが不可能であるということはなく、当該構成が課題を解決する上で必須のものとは認められない。 よって、申立人の主張は、採用することができない。 また、その他、本件発明が、発明の詳細な説明に記載したものではないとすべきところは認められない。 以上のとおりであるから、本件発明は、発明の詳細な説明に記載された課題を解決するための手段が反映されていないとは認められず、請求項1~6の記載がサポート要件に適合しないとは認められない。 2 理由2(36条6項2号)について (1) 申立人は、以下の点を理由に、請求項1~6の記載は明確性要件に適合しない、と主張している(特許異議申立書第4・3)。 ア 本件発明は、「管理装置」という他のサブコンビネーションによって「通信装置」がどのように特定されるのか、明確に把握することができない。 イ 本件発明における「ポンプ装置に取り付け可能」とはいかなることか不明である。 (2) まず、「管理装置」に関する事項についてみるに、請求項1には、「通信装置」が「前記検出部の検出結果に基づいて、前記イベントに応じた出力情報であって、前記信号が入力された入力端子の端子番号を含む前記出力情報を管理装置に送信する通信部」を備える旨記載されているところ、この記載から、「通信部」がどのようなものであるか明確に把握することができる。 そして、この「通信部」が「出力情報」を送信する相手である「管理装置」について、請求項1に「前記管理装置は、予め前記複数の入力端子の各々の端子番号と、当該入力端子に入力される信号が示すイベントとを関連付けて設定し、前記送信された出力情報に基づいて前記イベントを管理する」と記載されているが、当該「管理装置」に関する事項が「通信装置」の「通信部」とは直接関わらない事項であるとしても、このような記載があることにより、「通信部」の内容が不明確になるとすべき事情は特段認められない。 次に、「ポンプ装置に取り付け可能」の点についてみるに、請求項1に「ポンプのイベントごとに信号を出力可能な複数の出力端子を有するポンプ装置に取り付け可能な通信装置であって」、「前記複数の出力端子の各々に電気的に個別に接続されることにより、前記複数の出力端子の各々から前記信号が個別に入力される複数の入力端子」を備える旨記載されている。 そして、このような記載から、複数の入力端子が、複数の出力端子の各々に電気的に個別に接続されることで、「通信装置」が当該「ポンプ装置」に取り付け可能となっていることが明確に把握することができ、発明を特定する上でそれで足りることは、請求項の記載から明らかである。 よって、申立人の主張は、採用することができない。 また、その他、請求項1~6において、その記載が不明確なところは認められない。 以上のとおりであるから、本件発明は明確であり、請求項1~6の記載が明確性要件に適合しないとは認められない。 3 理由3(29条1項3号及び29条2項)について (1) 甲1について ア 甲1に記載された事項 甲1には以下の事項が記載されている。 ・「【請求項1】 複数の真空弁ユニットのそれぞれに貯留された汚水を真空下水管経由で真空ステーションに搬送する下水道システムにおける真空弁ユニット監視装置であって、 前記複数の真空弁ユニットごとに対して備えられた複数のセンサがそれぞれ異なる検出対象を検出して出力したセンサ信号を入力する信号入力部と、 前記信号入力部により入力されたセンサ信号のうちで検出対象が異常であることを示している異常指示センサ信号が有るか否かについて判定する判定部と、 前記異常指示センサ信号を出力したセンサを備える真空弁ユニットを示す信号を真空弁ユニット通知用の複数の信号線を利用して出力し、前記異常指示センサ信号を出力したセンサの検出対象の種別を示す信号を検出対象種別通知用の信号線を利用して出力する信号出力部と、 前記判定部により異常指示センサ信号が有ると判定されるのに応じて、当該異常指示センサ信号を出力したセンサを備える真空弁ユニットを示すように選択した真空弁ユニット通知用の信号線から信号を出力させるとともに、前記異常指示センサ信号を出力したセンサの検出対象の種別を示すように選択した検出対象種別通知用の信号線から信号を出力させるように前記信号出力部を制御する信号出力制御部と を備えることを特徴とする真空弁ユニット監視装置。」 ・「【0013】 図1は、本発明の実施形態における下水道システムの構成例を示している。本実施形態における下水道システムは、複数の真空弁ユニットのそれぞれに貯留された汚水を真空下水管経由で真空ステーションに搬送する、真空式といわれるものである。 本実施形態における下水道システムは、図1に示すように、複数の住宅10に対応する。 例えば住宅10(あるいは商業設備、公共設備などであってもよい)の近傍には、真空弁ユニット11が設置される。この真空弁ユニット11は、地中の自然流下管21を介して1または複数の住宅10と接続されている。また、真空弁ユニット11と真空ステーション40における集水タンク41との間は、真空下水管22により接続されている。 真空弁ユニット11は、汚水を貯留する汚水ますや、真空下水管22に接続される真空弁などを備える。 【0014】 住宅10から排出された排水(汚水)は、自然流下管21を通過して真空弁ユニット11における汚水ますに流入し、ここで貯留される。汚水ますに貯留された汚水は、真空ステーション40にて発生された真空圧(大気圧よりも低い圧力)によって真空下水管22を通過して気液混送流となり、真空ステーション40の集水タンク41まで搬送される。 【0015】 真空ステーション40は、真空ポンプ方式により真空弁ユニット11のそれぞれに貯留された汚水を吸引するように集めたうえで、集めた汚水を、例えば公共下水道23へと供給する。このために、真空ステーション40は、集水タンク41、真空ポンプ42及び圧送ポンプ43を備える。 【0016】 真空ポンプ42は、密閉された集水タンク41内の空気を吸引することにより、集水タンク41と接続される真空下水管22に真空圧を発生させる。例えば真空ポンプ42は、真空下水管22を0.4気圧程度の真空状態とする。これにより、各真空弁ユニット11にて貯留された汚水が吸引され集水タンク41に流入する。 このように集水タンク41に貯留された汚水は、圧送ポンプ43によって例えば公共下水道23に排出される。 【0017】 また、真空ステーション40は、下水道システムにおける複数の真空弁ユニット11の各々に異常の発生がしていないか否かを監視する。このために、真空ステーション40は、制御盤100と、通報装置200を備える。 【0018】 ここで、下水道システムにおける複数の真空弁ユニット11には、それぞれ、弁センサ12-1と水位センサ12-2が備えられる。 弁センサ12-1は、真空弁ユニット11における真空弁の開閉状態(開閉しているか否か)を検出対象として検出するセンサである。弁センサ12-1は、例えば、真空弁が閉状態であることを検出しているときには「Hi」のセンサ信号を出力し、真空弁が開状態であることを検出しているときには「Low」のセンサ信号を出力する。 【0019】 また、水位センサ12-2は、真空弁ユニット11における汚水ますの水位を検出対象として検出するセンサである。水位センサ12-2は、汚水ますの水位が一定以上であることを検出しているときには「Hi」のセンサ信号を出力し、汚水ますの水位が一定未満であることを検出しているときには「Low」のセンサ信号を出力する。 各真空弁ユニット11に備えられる弁センサ12-1と水位センサ12-2の各センサ信号は、伝送線網30を経由して制御盤100に入力される。 なお、以降において弁センサ12-1と水位センサ12-2とを特に区別して説明する必要の無い場合には、センサ12と記載する。 【0020】 制御盤100は、真空弁ユニット11ごとに備えられる弁センサ12-1と水位センサ12-2のセンサ信号をそれぞれ監視する。これにより、制御盤100は、真空弁ユニット11ごとにおける弁の開閉状態についての異常と汚水ますの水位についての異常が発生しているか否かについてそれぞれ判定する。そして、異常が発生した場合には、その異常が発生した真空弁ユニット11と、異常の発生が弁の開閉状態と水位のいずれにおけるものであるのかを示す通知信号を通報装置200に対して出力する。 【0021】 通報装置200は、入力した通知信号にしたがって、異常が発生した真空弁ユニット11と、異常の発生が真空弁の開閉状態または汚水ますの水位に関するものであることを示す通報を管理者に対して行う。一例として、通報装置200は、例えば通報のためのメールを作成し、作成したメールを管理者のメールアドレス宛に送信する。また、予め登録された携帯電話番号を呼び出し、通報の音声メッセージを送話音声として送信する。」 ・「【図1】 [図:0001417679000001.jpg] 」 ・「【0022】 図2は、制御盤100におけるセンサ信号の入力と、通知信号の出力についての一般的な構成例を示している。 図1に示す伝送線網30は、各真空弁ユニット11の弁センサ12-1と水位センサ12-2のセンサ信号ごとに対応する信号線を含む伝送線網である。これに応じて、制御盤100は、各真空弁ユニット11の弁センサ12-1と水位センサ12-2の各センサ信号を個別に入力する。 【0023】 図2においては、下水道システムにおいて100個の真空弁ユニット11が備えられる場合の例を示している。これら100個の真空弁ユニット11には、それぞれ、#1~#100までのユニット番号が割り当てられている。 センサ信号Sv#1は、ユニット番号#1の真空弁ユニット11に備えられる弁センサ12-1から出力されたセンサ信号である。センサ信号Sw#1は、同じユニット番号#1の真空弁ユニット11に備えられる水位センサ12-2から出力されたセンサ信号である。 同様に、センサ信号Sv#2~Sv#100は、それぞれ、ユニット番号#2~#100の真空弁ユニット11に備えられる弁センサ12-1から出力されたセンサ信号である。センサ信号Sw#2~Sw#100は、それぞれ、ユニット番号#2~#100の真空弁ユニット11に備えられる水位センサ12-2から出力されたセンサ信号である。 【0024】 この場合の制御盤100は、上記のように入力されたセンサ信号Sv#1~Sv#100、Sw#1~Sw#100ごとの監視を行う。この監視により、制御盤100は、センサ信号Sv#1~Sv#100のうちで弁の開閉状態が異常であることを示しているものが有るか否かについて判定する。また、制御盤100は、センサ信号Sw#1~Sw#100のうちで、汚水ますの水位が異常であることを示しているものが有るか否かについて判定する。 【0025】 このように、制御盤100は、200のセンサ信号Sv#1~Sv#100、Sw#1~Sw#100のそれぞれを監視することにより、真空弁ユニット11ごとの弁の開閉状態または汚水ますの水位についての異常の有無を判定する。そのうえで、この場合の制御盤100は、異常の発生を通知するための通知信号として、200のセンサ信号Sv#1~Sv#100、Sw#1~Sw#100ごとに対応付けられた同じ200個の通知信号Iv#1~Iv#100、Iw#1~Iw#100を出力する。 【0026】 具体例として、例えば、ユニット番号#2の真空弁ユニット11の弁センサ12-1から出力されたセンサ信号Sv#2が異常であることを示していると判定した場合、制御盤100は、以下のように通知信号を出力する。つまり、制御盤100は、通知信号Iv#1~Iv#100、Iw#1~Iw#100のうち、通知信号Iv#2を出力する。 【0027】 図2の通報装置200は、200個の通知信号Iv#1~Iv#100、Iw#1~Iw#100が個別に出力されるのに応じて、同じ200個の入力端子Ti1~Ti200を備える。 上記のように制御盤100から出力された通知信号Iv#2は、通報装置200における入力端子Ti3に入力される。通報装置200は、入力端子Ti1~Ti200ごとに、ユニット番号と検出対象の種別(真空弁の開閉状態または汚水ますの水位)を対応付けて記憶している。通報装置200は、上記のように入力端子Ti3に通知信号が入力されるのに応じて、ユニット番号#2の真空弁ユニット11における真空弁について異常が発生したことを認識する。そして、通報装置200は、ユニット番号#2の真空弁ユニット11における真空弁について異常が発生したことをメール送信などにより管理者に通報する。」 ・「【図2】 [図:0001417679000002.jpg] 」 イ 甲1に記載された発明について (ア) 前記アの甲1の記載からすると、次のことがわかる。 ・ユニット番号#n(n=1~100、以下同じ。)の真空弁ユニット11が、ユニット番号#nの真空弁ユニット11における真空弁の開閉状態を検出してセンサ信号Sv#nを出力するとともに、汚水ますの水位が一定以上か否かを検出してセンサSw#nを出力すること、制御盤100に、真空弁ユニット11からのセンサ信号Sv#n、Sw#nが入力されること(【0018】、【0019】、【0022】、【0023】、図1、2)。 ・制御盤100に、センサ信号Sv#n、Sw#nが個別に入力されること(【0022】、図2)。 ・制御盤100は、センサ信号Sv#n、Sw#nごとの監視を行い、弁の開閉状態が異常であることを示しているものが有るか否か、汚水ますの水位が異常であることを示しているものが有るか否かについて判定すること(【0024】、【0025】)。 ・制御盤100は、異常の発生を通知するための通知信号として、センサ信号Sv#n、Sw#nごとに対応付けられた通知信号Iv#n、Iw#nを通報装置200に出力し、例えば、ユニット番号#2の真空弁ユニット11から出力されたセンサ信号Sv#2が異常であることを示していると判定した場合、通知信号Iv#2を出力すること(【0025】、【0026】、図2)。 ・通報装置200は、200個の通知信号Iv#n、Iw#nが個別に出力されるのに応じて、200個の入力端子Ti1~Ti200を備え、入力端子Ti1~Ti200ごとに、ユニット番号と検出対象の種別(真空弁の開閉状態または汚水ますの水位)を対応付けて記憶しており、例えば、入力端子Ti3に通信信号が入力される場合には、ユニット番号#2の真空弁ユニット11における真空弁について異常が発生したことを認識し、メール送信などにより管理者に通報すること(【0025】、【0027】、図2)。 (イ) 以上を踏まえると、甲1には以下の発明が記載されていると認められる(以下「甲1発明」という。)。 (甲1発明) 「ユニット番号#n(n=1~100、以下同じ。)の真空弁ユニット11における真空弁の開閉状態を検出してセンサ信号Sv#nを出力するとともに、ユニット番号#nの真空弁ユニット11における汚水ますの水位が一定以上か否かを検出してセンサ信号Sw#nを出力する真空弁ユニット11からのセンサ信号Sv#n、Sw#nが入力される制御盤100であって、 センサ信号Sv#n、Sw#nが個別に入力され、 センサ信号Sv#n、Sw#nごとの監視を行い、弁の開閉状態が異常であることを示しているものが有るか否か、汚水ますの水位が異常であることを示しているものが有るか否かについて判定し、 異常の発生を通知するための通知信号として、センサ信号Sv#n、Sw#nごとに対応付けられた通知信号Iv#n、Iw#nを通報装置200に出力し、例えば、ユニット番号#2の真空弁ユニット11から出力されたセンサ信号Sv#2が異常であることを示していると判定した場合、通知信号Iv#2を出力し、 通報装置200は、200個の通知信号Iv#n、Iw#nが個別に出力されるのに応じて、200個の入力端子Ti1~Ti200を備え、入力端子Ti1~Ti200ごとに、ユニット番号と検出対象の種別(真空弁の開閉状態または汚水ますの水位)を対応付けて記憶しており、例えば、入力端子Ti3に通信信号が入力される場合には、ユニット番号#2の真空弁ユニット11における真空弁について異常が発生したことを認識し、メール送信などにより管理者に通報する、 制御盤100。」 (2) 甲2について ア 甲2に記載された事項 ・「【背景技術】 【0002】 集合住宅やオフィスビルなどの建物では、水道本管からの水を給水末端(給水栓や給湯器など)に供給するためにポンプ装置が広く用いられている。このポンプ装置の異常停止は断水に直結するため、このような建物ではポンプを複数台備えてバックアップ機能を持たせることが必要不可欠である。このため、建物には、複数台のポンプが設置され、運転中に特定のポンプの故障が検知された場合には、他の正常なポンプに運転を切替えて給水を継続するようになっている。 【0003】 通常、このようなポンプの故障の有無は、遠方監視装置により監視されている。例えば、ポンプの流入側の圧力や吐出側の圧力の低下、ポンプの回転速度を制御するインバータの故障などが発生すると、故障の発生を知らせるON/OFFスイッチが入り、これにより遠方監視装置に故障の発生を通報する。」 ・「【0009】 図1に示すように、このポンプ遠隔管理システムは、ポンプ10と、このポンプ10の運転を制御する制御盤(ポンプ制御部)20と、制御盤20に接続される通信装置50と、通信装置50に接続されるモデム60と、モデム60に接続される遠隔管理センター(遠隔管理装置)70とを備えている。ポンプ10、制御盤20、通信装置50、およびモデム60は、1つのポンプ装置(給水装置)として建物の敷地内に設置され、遠隔管理センター70はNTT回線などのネットワーク回線を通じてポンプ装置と通信を行う。」 ・「【0021】 図1に示すように、通信装置50は、通信部50aとプロトコル変換機50bとを備えている。通信部50aは、制御盤20からポンプ装置の運転情報や故障情報を一定間隔(例えば、250ms毎)で取得するように構成されている。プロトコル変換機50bは、制御盤20から取得した各種情報(データ)をTCP/IPネットワークデータに変換するためのものである。このプロトコル変換機50bにより、NTT回線などのネットワーク回線を通じて遠隔管理センター70と制御盤20との間でデータの送受信が可能となる。制御盤20と通信装置50との間、および通信装置50とモデム60との間を接続するためのインターフェイスとしては、RS-232Cが用いられている。なお、通信装置50と遠隔管理センター70とを接続するネットワーク回線は、有線に限られず、無線であってもよい。この場合は、モデムに代えて、ユビキタスモジュールなどの通信モジュールが用いられる。 【0022】 制御盤20のプログラム内には一括故障アドレスが設けられており、ポンプ10に何らかの異常が発生すると、この一括故障アドレスによって指定されるデータ(以下、一括故障データという)が変化するようになっている。より詳しくは、一括故障データは、吸込圧力、吐出圧力、インバータ18、圧力タンク36内の圧力、ポンプ10に供給される電流値、漏電などの所定の故障項目に異常があるか否かを示す記号としての役割を担い、これらの故障項目のいずれかに異常が生じた場合に、一括故障データ(ビット)が変化(例えば、正常時には0、異常時には1に変化)するようになっている。 【0023】 上述した通信装置50は、定期的にこの一括故障データを読み出し、ポンプ10に故障が生じていないかどうかを監視する。そして、一括故障データが変化したときは、通信装置50はポンプ10に故障が生じたと判断し、上記故障項目の全てのデータを読み出すようになっている。そして、通信装置50は、取得したデータのうち、異常が見られたデータのみを故障情報として遠隔管理センター70に送信する。遠隔管理センター70では、通信装置50から送られてきたデータを読み取り、これをポンプ装置の故障状態を示す情報に変換し、具体的な故障項目を表示する。」 ・「【図1】 [図:0001417679000003.jpg] 」 ・「【0030】 なお、図2に示す実施形態は、ポンプが水道本管に直接接続された例であるが、水道水をいったん貯留する受水槽をポンプの上流に設置し、この受水槽に貯留された水をポンプにより各給水末端に供給することとしてもよい。また、本実施形態は、共同住宅やオフィスビルなどの建物に水を供給するためのポンプ装置に本発明を適用した例を示すものであるが、本発明はこの例に限らず、他の用途のポンプにも適用することができる。また、本実施形態では、インバータを用いたポンプ装置の場合について説明されているが、本発明は商用電源で直接駆動される固定速ポンプを用いたポンプ装置にも適用できる。受水槽を用いた場合は、受水槽の水位信号が運転情報や故障情報として追加され、固定速ポンプを用いた場合は、インバータ故障や回転速度の情報が不要になるなど、ポンプ装置の構成によって、運転情報や故障情報を構成する項目が変更される。」 ・「【図2】 [図:0001417679000004.jpg] 」 イ 甲2に記載された発明について 前記アの甲2の記載からすると、甲2には以下の発明が記載されていると認められる(以下「甲2発明」という。)。 (甲2発明) 「ポンプ装置(給水装置)におけるポンプ10の運転を制御する制御盤20とRS-232Cで接続される通信装置50であって、 制御盤20からの一括故障データ(吸込圧力、吐出圧力、インバータ18、圧力タンク36内の圧力、ポンプ10に供給される電流値、漏電などの所定の故障項目に異常が生じた場合にビットが変化するデータ)や故障項目を読み出し、 RS-232Cでモデム60と接続され、モデム60を介して異常が見られたデータを故障情報として遠隔管理センター70に送信する、通信装置50。」 (3) 本件発明1についての検討 ア 対比 (ア) 本件発明1と甲1発明とを、その機能に照らして対比する。 a 甲1発明の「真空弁の開閉状態」、「汚水ますの水位が一定以上か否か」は、本件発明1の「ポンプのイベント」と同様、「イベント」であるといえ、「センサ信号Sv#nを出力するとともに、…センサSw#nを出力する」ために、「真空弁ユニット11」が複数の出力端子を有することは明らかであるから、甲1発明は、本件発明1と、「イベントごとに信号を出力可能な複数の端子を有する」点で共通する。 また、甲1発明の「真空弁ユニット11からのセンサ信号Sv#n、Sw#nが入力される」点は、本件発明1の「ポンプ装置に取り付け可能」である点と、「監視対象装置と通信可能」であるとの限りで一致する。 そして、甲1発明の「制御盤100」は、本件発明1の「通信装置」に相当する。 b 甲1発明において、「制御盤100」に「センサ信号Sv#n、Sw#nが個別に入力され(る)」ためには、「制御盤100」が複数の入力端子を有し、その複数の入力端子が「真空弁ユニット11」の複数の出力端子に電気的に個別に接続されることは明らかであるから、甲1発明は、本件発明1と、「前記複数の出力端子の各々に電気的に個別に接続されることにより、前記複数の出力端子の各々から前記信号が個別に入力される複数の入力端子」を備える点で一致する。 c 甲1発明は、「制御盤100」が「センサ信号Sv#n、Sw#nごとの監視を行い、弁の開閉状態が異常であることを示しているものが有るか否か、汚水ますの水位が異常であることを示しているものが有るか否かについて判定(する)」機能を有するところ、「制御盤100」の複数の入力端子の各々から入力される「センサ信号Sv#n、Sw#n」を個別に検出していることは明らかであるから、この「判定(する)」機能は、本件発明1の「検出部」に相当する。 d 甲1発明は、「制御盤100」が「異常の発生を通知するための通知信号として、センサ信号Sv#n、Sw#nごとに対応付けられた通知信号Iv#n、Iw#nを通報装置200に出力し、例えば、ユニット番号#2の真空弁ユニット11から出力されたセンサ信号Sv#2が異常であることを示していると判定した場合、通知信号Iv#2を出力(する)」機能を有するところ、「異常の発生を通知するため」の「通知信号Iv#n、Iw#n」は、前記「判定(する)」機能の結果に基づくもので、「センサ信号Sv#n、Sw#nごとに対応付けられた」ものであるから、イベントに応じた信号といえる。 そして、後記のとおり甲1発明の「通報装置200」は、本件発明1の「管理装置」に相当するから、この「出力(する)」機能は、本件発明1の「通信部」と、「前記検出部の検出結果に基づいて、前記イベントに応じた出力情報」を「管理装置に送信する通信部」を備える点で共通する。 e 甲1発明の「通報装置200」は「200個の通知信号Iv#n、Iw#nが個別に出力されるのに応じて、200個の入力端子Ti1~Ti200を備え、入力端子Ti1~Ti200ごとに、ユニット番号と検出対象の種別(真空弁の開閉状態または汚水ますの水位)を対応付けて記憶しており、例えば、入力端子Ti3に通信信号が入力される場合には、ユニット番号#2の真空弁ユニット11における真空弁について異常が発生したことを認識し、メール送信などにより管理者に通報する」ものであるところ、この通報に基づいて「真空弁の開閉状態」(開閉しているか否か)、「汚水ますの水位が一定以上か否か」のイベントが管理されることとなるから、本件発明1の「管理装置」に相当する。 そして、本件発明1における「管理装置」に関する事項は、「通信装置」、特に「通信部」の構成に直接関わらない事項であるから、「管理装置」の具体的な内容に関しては、本件発明1と甲1発明との間の相違点とはならない。 f 以上のとおりであるから、本件発明1と甲1発明とは、次の点で一致し、相違する。 (一致点) 「イベントごとに信号を出力可能な複数の出力端子を有する監視対象装置と通信可能な通信装置であって、 前記複数の出力端子の各々に電気的に個別に接続されることにより、前記複数の出力端子の各々から前記信号が個別に入力される複数の入力端子と、 前記複数の入力端子の各々から入力された信号を個別に検出する検出部と、 前記検出部の検出結果に基づいて、前記イベントに応じた出力情報を管理装置に送信する通信部と、 を備える、通信装置。」 (相違点1) イベントに関し、本件発明1は「ポンプ」のイベントであるのに対し、甲1発明は、「真空弁ユニット11」におけるイベントである点。 (相違点2) 監視対象装置と通信可能な点に関し、本件発明1は、「ポンプ装置に取り付け可能な」ものであるのに対し、甲1発明は、「真空弁ユニット11からのセンサ信号Sv#n、Sw#nが入力される」ものであって、そのように構成されていない点。 (相違点3) イベントに応じた出力情報に関し、本件発明1は、「前記信号が入力された入力端子の端子番号を含む」出力情報であるのに対し、甲1発明は、「異常の発生を通知するための通知信号として、センサ信号Sv#n、Sw#nごとに対応付けられた通知信号Iv#n、Iw#nを通報装置200に出力し、例えば、ユニット番号#2の真空弁ユニット11から出力されたセンサ信号Sv#2が異常であることを示していると判定した場合、通知信号Iv#2を出力(する)」ものの、「異常の発生を通知するための通知信号」として、センサ信号Sv#n、Sw#nが入力された入力端子の端子番号を含むものは出力しない点。 イ 判断 (ア) 事案に鑑み、まず、前記相違点3について検討する。 a 上記のような前記相違点3に関し、甲1発明は、本件発明1と構成上相違しており、本件発明1は、それにより、後記のとおり、顕著な効果を奏するものであるから、この点は構成として実質的な相違点である。 よって、その余の事項を検討するまでもなく、本件発明1は、甲1に記載された発明であるとは認められない。 b 甲1には、「制御盤100」が、「異常の発生を通知するための通知信号」として、センサ信号Sv#n、Sw#nが入力された入力端子の端子番号を含む情報を出力することについて、特段記載、示唆はない。通知信号Iv#n、Iw#nの出力先である「通報装置200」の構成を考慮すると、甲1発明において、「制御盤100」が、センサ信号Sv#n、Sw#nが入力された入力端子の端子番号を含む情報を出力することについて、特段動機付けは認められない。 また、甲2をみても、甲2には甲2発明が記載されているものの、入力端子の端子番号を含む情報を送信することについて、特段記載、示唆はない。 この点は、甲3をみても同様である。 そうすると、甲1発明において、「制御盤100」が、「異常の発生を通知するための通知信号」として、センサ信号Sv#n、Sw#nが入力された入力端子の端子番号を含む情報を出力することについて、動機付けは認められず、甲1発明において、前記相違点3に係る本件発明1の構成とすることが、当業者にとって、容易に想到することができた事項であるとは認められない。 そして、本件発明1は、前記相違点3を含む構成を有することにより、「既設のポンプ装置に後付け可能な通信装置を提供することができる。」(本件特許明細書【0006】、【0072】)もので、「係る通信装置を後付けすることにより、通信非対応の既設のポンプ装置にも通信対応化を実現させることができる。」(同【0072】)といった、顕著な効果を奏するものである。 よって、その余の事項を検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明及び甲2発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 c なお、申立人は、甲1発明において、例えば、ユニット番号#2からのセンサ信号Sv#2と通知信号Iv#2とが対応付けられていることから、「センサ信号Sv#n、Sw#nごとに対応付けられた通知信号Iv#n、Iw#n」を出力することは、本件発明1の「入力端子の端子番号を含む前記出力情報」と一致する旨主張している(特許異議申立書第4・4(2)アd)。 しかしながら、甲1発明における「通知信号Iv#n、Iw#n」は、ユニット番号#nの真空弁ユニット11の弁センサ12-1と水位センサ12-2から出力されるセンサ信号Sv#n、Sw#nに関して、そのセンサ信号Sv#n、Sw#nごとに対応付けられた複数の通知信号であるにとどまり、その通知信号に入力端子の端子番号を含む情報が含まれていないことは明らかである。 よって、申立人の主張は、採用することができない。 ウ 以上のとおりであるから、本件発明1は、甲1に記載された発明であるとは認められず、甲1発明及び甲2発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとも認められない。 (4) 本件発明2~6についての検討 ア 本件発明2、5及び6は、本件発明1を特定するための事項を全て含むものであるから、その余の事項を検討するまでもなく、本件発明2、5及び6は、本件発明1と同様の理由により、甲1発明及び甲2発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 イ 本件発明3は、本件発明1を特定するための事項を全て含むものであるから、その余の事項を検討するまでもなく、本件発明3は、本件発明1と同様の理由により、甲1に記載された発明であるとは認められず、甲1発明及び甲2発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとも認められない。 ウ 本件発明4は、本件発明1を特定するための事項を全て含むものであるから、その余の事項を検討するまでもなく、本件発明4は、本件発明1と同様の理由により、甲1発明、甲2発明及び甲3に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。 第5 むすび 以上のとおり、本件特許(請求項1~6に係る特許)は、特許法36条6項1号及び同項2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものとは認められず、同法29条1項及び同条2項の規定に違反してされたものとは認められないから、特許異議申立ての理由により取り消すことはできない。 また、他に本件特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700976

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