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特許異議申立

2018-700099

スクラバ液処理プロセス

審判番号
2018-700099
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2015-127646
登録番号
特許第6177835号(P6177835)
請求日
2018年02月06日
審決日
2018年09月04日
公報発行日
2018年12月28日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】アルファ・ラバル・コーポレイト・エービー
  • 【権利者代理人】蔵田 昌俊
  • 【権利者代理人】峰 隆司
  • 【権利者代理人】飯野 茂
  • 【権利者代理人】森川 元嗣
  • 【異議申立人】村上 友一
  • 【異議申立人】田口 雅士
審判長/審判官
  • 審判長 豊永 茂弘
  • 審判官 山崎 直也
  • 審判官 小川 進
分類
P1651.121-YAA(C02F) / P1651.537-YAA(C02F) / P1651.851-YAA(C02F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第4項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6177835号発明「スクラバ液処理プロセス」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6177835号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔10-15〕について訂正することを認める。 特許第6177835号の請求項1ないし9に係る特許を維持する。 特許第6177835号の請求項10ないし15に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

【理 由】 第1.手続の経緯 特許第6177835号は、平成27年 6月25日を出願日とする特願2015-127646号について、平成29年 7月21日に設定登録がされ、同年 8月 9日に特許掲載公報が発行されたものであり、その後、その請求項1~15に係る特許に対し、平成30年 2月 6日付けで特許異議申立人 村上 友一(以下、「特許異議申立人1」という。)により特許異議の申立てがされ、同年2月 8日付けで特許異議申立人 田口 雅士(以下、「特許異議申立人2」という。)により特許異議の申立てがされ、平成30年 4月25日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成30年 7月17日付けで意見書の提出及び訂正の請求がされたものである。 第2.訂正の適否についての判断 1.訂正の内容 平成30年 7月17日付け訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次の訂正事項1~6よりなる。 (ア)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項10を、削除する。 (イ)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項11を、削除する。 (ウ)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項12を、削除する。 (エ)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項13を、削除する。 (オ)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項14を、削除する。 (カ)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項15を、削除する。 2.訂正の適否 (ア)訂正事項1について 訂正事項1は、訂正前の請求項10を削除する訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定されている特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないため、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (イ)訂正事項2~6について 訂正事項2~6は、それぞれ、訂正前の請求項11~15を削除する訂正するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定されている特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、訂正事項1と同様に訂正要件に適合するものである。 3.一群の請求項について 訂正事項1に係る訂正前の請求項10を訂正事項2~6に係る訂正前の請求項11~15が直接または間接的に引用していることから、訂正前の請求項10~15は、一群の請求項である。 したがって、訂正事項1~6は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項について請求するものである。 4.むすび 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、同条第4項の規定及び第9項で準用する第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔10-15〕について訂正を認める。 第3.本件発明について 上記「第2.」のとおり、本件訂正請求による訂正が認められるから、本件訂正請求により訂正された訂正請求項1~9に係る発明(以下「本件発明1」~「本件発明9」という。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~9に記載された事項により特定される次のとおりのものと認められる。 「【請求項1】 排ガススクラバからの汚れたスクラバ液を浄化するシステムであって、前記システムは、 前記汚れたスクラバ液から少なくとも汚染物質相と浄化されたスクラバ液とを分離するディスクスタック遠心分離機であって、分離しているディスクの積み重ねで分離空間を取り囲むロータと、前記分離用空間の中に延びる汚れたスクラバ液用の分離機入口と、前記分離用空間から延びる浄化されたスクラバ液用の第1の分離機出口と、前記分離用空間から延びる汚染物質相用の第2の分離機出口と、を備えるディスクスタック遠心分離機と、 前記分離機入口へ排ガススクラバからの汚れたスクラバ液を輸送するための第1の輸送システムと、 前記第1の分離機出口から再び前記排ガススクラバへ浄化されたスクラバ液を輸送するための第2の輸送システムと、 前記浄化されたスクラバ液の一部を抜き取るための前記第2の輸送システムに接続されたブリードオフ輸送システムと、 抜き取られたスクラバ液を受け入れるための前記ブリードオフ輸送システムに接続された汚排水タンクと、 前記汚排水タンクから前記第1の輸送システムへスクラバ液を輸送するための廃液低減輸送システムと、 前記ディスクスタック遠心分離機の作業負荷情報を受信すると共に、前記情報に基づいて前記廃液低減輸送システムにおけるスクラバ液の輸送を調整するように構成された制御ユニットと、 を備えるシステム。 【請求項2】 前記ブリードオフ輸送システムにおける前記スクラバ液の少なくとも1つの特性を測定するための前記ブリードオフ輸送システムに接続されたスクラバ液品質管理装備をさらに備える、請求項1に記載のシステム。 【請求項3】 船外に前記ブリードオフ輸送システムにおけるスクラバ液を輸送するための船外輸送システムをさらに備え、ここにおいて、前記制御ユニットは、前記スクラバ液品質管理装備から情報を受け取ると共に、前記スクラバ液品質管理装備からの前記情報に基づいて前記汚排水タンクと船外との間の浄化されたスクラバ液の輸送を調整するようにさらに構成されている、請求項2に記載のシステム。 【請求項4】 前記ディスクスタック遠心分離機の前記第2の分離機出口は、前記分離空間の周囲に配置されており、ここにおいて、前記システムは、前記第2の分離機出口に接続された排出廃液タンクをさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。 【請求項5】 前記排出廃液タンクは、前記汚排水タンクと同じである、請求項4に記載のシステム。 【請求項6】 前記排出廃液タンクから前記汚排水タンクへの液体輸送システムをさらに備える、請求項4に記載のシステム。 【請求項7】 前記第1の輸送システムにおける前記スクラバ液へpH調整添加剤を添加するための前記第1の輸送システムに接続された化学薬品添加ユニットをさらに備える、請求項1から6のいずれかに記載のシステム。 【請求項8】 前記ブリードオフ輸送システムは、いかなるさらなる遠心分離機もない、請求項1から7のいずれかに記載のシステム。 【請求項9】 前記ディスクスタック遠心分離機の前記第2の分離機出口は、前記分離空間の周囲に配置されており、前記分離機は、いかなるさらなる汚染物質相用の出口もない、請求項1から8のいずれかに記載のシステム。」 第4.取消理由について 1.訂正前の請求項10~15に係る特許に対して、平成30年 4月25日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 本件請求項10~15に係る特許は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 2.請求項10~15に対して通知した取消理由に対し、平成30年 7月17日付けで行われた訂正の請求により、請求項10~15は削除された。 3.まとめ 以上のとおりであるから、本件特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものでない。 第5.取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 1.特許異議申立人1の申立て理由について 特許異議申立人1は、証拠として下記甲第1号証~甲第5号証(以下、「甲1」~「甲5」という。)を提出し、本件特許発明1~15は、甲1に記載された発明及び甲2~甲5に記載された技術手段に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるので、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反するものだから、取り消すべきものである旨主張している。 甲第1号証(甲1):特表2013-534866号公報 甲第2号証(甲2):特開平11-62554号公報 甲第3号証(甲3):特開平6-99102号公報 甲第4号証(甲4):特開平3-293045号公報 甲第5号証(甲5):特開2004-249277号公報 2.特許異議申立人2の申立て理由について 特許異議申立人2は、証拠として下記甲第1号証~甲第3号証(以下、特許異議申立人1の提出した証拠と区別するために、それぞれ「甲1」、「甲6」、「甲7」という。)を提出し、本件特許発明1~15は、甲1に記載された発明及び甲6、甲7に記載された技術手段に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるので、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反するものだから、取り消すべきものである旨主張している。 甲第1号証(甲1):特表2013-534866号公報 甲第2号証(甲6):特開2012-192346号公報 甲第3号証(甲7):特開2015-80755号公報 3.甲1発明の認定 甲1には、以下の事項が記載されている。 (ア)「【請求項1】 排出ガススクラバー流体ループ(9)からの汚染されたスクラバー流体のための浄化設備であり、 前記スクラバー流体ループ(9)から汚染されたスクラバー流体の一部を抜き取るための手段と、 前記汚染されたスクラバー流体の前記一部から少なくとも汚染物質相と浄化されたスクラバー流体を分離するためのディスクスタック遠心分離機(12,12’)を備えており、その分離機は、分離ディスク(15,15’)のスタックを備えた分離空間(14,14’)を取り囲んでいるローター(13,13’)と、前記分離空間の中へ延びている前記汚染されたスクラバー流体の前記一部のための分離機入口(11,11’)と、前記分離空間から延びている浄化されたスクラバー流体のための第一の分離機出口(16,16’)と、前記分離空間から延びている前記汚染物質相のための第二の分離機出口(17,17’)を備えており、さらに、 前記汚染されたスクラバー流体の前記一部を前記分離機入口に案内するための手段と、 前記浄化されたスクラバー流体を前記第一の分離機出口から放出するための手段と、 前記汚染物質相を前記第二の分離機出口から回収するための手段を備えている浄化設備。」 (イ)「【0035】 浄化設備は、汚染されたスクラバー流体の一部をスクラバー流体ループから抜き取るための、スクラバー流体ループ9の下流でスクラバー出口4に接続されたチューブを備えている。汚染されたスクラバー流体の前記一部をディスクスタック遠心分離機12の入口11へ送るためのチューブに分離機供給ポンプ10が接続されている。・・・遠心分離機12は、切頭円錐形の分離ディスクのスタック15を包含し、分離機入口11がその中まで延びている分離空間14を取り囲んでいるローター13を有している。遠心分離機12はさらに、浄化されたスクラバー流体の放出のための分離空間の径方向内側部分から延びている第一の分離機出口16と、分離空間の径方向外側部分からローターを通って延びている、浄化されたスクラバー流体よりも高い密度の分離された相の放出のための放出ポートまたはノズルの形をしている第二の出口17を備えている。浄化されたスクラバー流体のための第一の分離機出口16は、放出のために船の外側に、または一時的貯蔵のためのタンクに通じている。第二の分離機出口17は、汚染された相のための貯蔵タンクに接続されている。」 (ウ)「【0041】 図4は、図2に前に説明されたものに似た、排出ガススクラバー流体のための浄化設備を示しており、ディスクスタック遠心分離機12’は、スクラバー流体ループ9から、この場合はバッファータンク6から抜き取られた汚染されるスクラバー流体を浄化するために配置されている。・・・第一の分離機出口34は、バッファータンク6の入口36に接続され、浄化ループを閉じている。代替案として、第一の分離機出口はまた、放出のために船の外側に、または一時的貯蔵のためのタンクに通じている出口に接続され、それにより、第一の分離機出口34からの浄化されたスクラバー流体の一部を図3に示されたものに似た、第一の分離機12’からの浄化されたスクラバー流体の一部と別にまたは一緒に放出してもよい。」 (エ)「【0044】 いずれかの図に示された浄化設備は、図5に示された品質管理デバイス38をさらに備えていてもよい。この品質管理デバイス38は、第一の分離機出口に16’または16を下流に接続された図1~5のいずれかに一つに含まれていてもよい。品質管理デバイス38は、品質がある必要または所定の品質レベルよりも低い場合に、浄化されたスクラバー流体の流れをそらすように適合されている。したがって、浄化されたスクラバー流体は、スクラバー流体ループ9に、たとえば、バッファータンク6に、分離機入口11または11に、または個別のタンク(図示せず)にそらされ得る、および/または、戻され得る。」 (オ)「【図4】 」 (カ)「【図5】 」 よって、記載事項(ア)から(カ)によれば、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認める。 「排出ガススクラバー流体ループからの汚染されたスクラバー流体のための浄化設備であり、 前記スクラバー流体ループから汚染されたスクラバー流体の一部を抜き取るための手段と、 前記汚染されたスクラバー流体の前記一部から少なくとも汚染物質相と浄化されたスクラバー流体を分離するためのディスクスタック遠心分離機を備えており、その分離機は、分離ディスクのスタックを備えた分離空間を取り囲んでいるローターと、前記分離空間の中へ延びている前記汚染されたスクラバー流体の前記一部のための分離機入口と、前記分離空間から延びている浄化されたスクラバー流体のための第一の分離機出口と、前記分離空間から延びている前記汚染物質相のための第二の分離機出口を備えており、 前記汚染されたスクラバー流体の前記一部を前記分離機入口に案内するための手段と、 前記浄化されたスクラバー流体を前記第一の分離機出口から放出するための手段と、 前記汚染物質相を前記第二の分離機出口から回収するための手段と、 品質管理デバイスを前記第一の分離機出口に備えており、 前記浄化されたスクラバー流体のための前記第一の分離機出口は、放出のために船の外側に、または一時的貯蔵のためのタンクに通じており、 前記浄化されたスクラバー流体の品質がある必要または所定の品質レベルよりも低い場合に、前記品質管理デバイスは、前記浄化されたスクラバー流体を、スクラバー流体ループであるバッファータンク、前記分離機入口または個別のタンクに流れをそらすように適合している浄化設備。」 4.対比・判断 本件特許発明1と甲1発明とを対比する。 甲1発明の「排出ガススクラバー流体ループ」は、本件特許発明1の「排ガススクラバ」に相当し、以下同様に、「汚染された」は「汚れた」に、「スクラバー流体」は「スクラバ液」に、「浄化設備」は、「浄化するシステム」に、「分離ディスクのスタックを備えた分離空間を取り囲んでいるローター」は「分離するディスクスタックを取り囲むロータ」に、「前記汚染されたスクラバー流体の前記一部を前記分離機入口に案内するための手段」は、「前記分離機入口へ排ガススクラバからの汚れたスクラバ液を輸送するための第1の輸送システム」に、それぞれ相当する。 また、甲1発明において、「浄化されたスクラバー流体を、スクラバー流体ループであるバッファータンク」に流れをそらす手段は、本件特許発明1の「第1の分離機出口から再び前記排ガススクラバへ浄化されたスクラバ液を輸送するための第2の輸送システム」に相当し、甲1発明の「第一の分離機出口」から通じている「一時的貯蔵のためのタンク」は、本件特許発明1の「汚排水タンク」に相当し、「第一の分離機出口」から「汚排水タンク」まで通じている手段は、本件特許発明1の「浄化されたスクラバ液」「を抜き取るための前記第2の輸送システムに接続されたブリードオフ輸送システム」に相当する。 してみれば、本件特許発明1と甲1発明は、 「排ガススクラバからの汚れたスクラバ液を浄化するシステムであって、前記システムは、 前記汚れたスクラバ液から少なくとも汚染物質相と浄化されたスクラバ液とを分離するディスクスタック遠心分離機であって、分離しているディスクの積み重ねで分離空間を取り囲むロータと、前記分離用空間の中に延びる汚れたスクラバ液用の分離機入口と、前記分離用空間から延びる浄化されたスクラバ液用の第1の分離機出口と、前記分離用空間から延びる汚染物質相用の第2の分離機出口と、を備えるディスクスタック遠心分離機と、 前記分離機入口へ排ガススクラバからの汚れたスクラバ液を輸送するための第1の輸送システムと、 前記第1の分離機出口から再び前記排ガススクラバへ浄化されたスクラバ液を輸送するための第2の輸送システムと、 前記浄化されたスクラバ液を抜き取るための前記第2の輸送システムに接続されたブリードオフ輸送システムと、 抜き取られたスクラバ液を受け入れるための前記ブリードオフ輸送システムに接続された汚排水タンクと、 を備えるシステム。」で一致し、以下の点で相違する。 (相違点) 本件特許発明1は、「汚排水タンクから前記第1の輸送システムへスクラバ液を輸送するための廃液低減輸送システムと、前記ディスクスタック遠心分離機の作業負荷情報を受信すると共に、前記情報に基づいて前記廃液低減輸送システムにおけるスクラバ液の輸送を調整するように構成された制御ユニット」を備えるのに対し、甲1発明は、一時的貯蔵のためのタンクから分離機入口へスクラバー流体を輸送するためのシステム及び該システムにおけるスクラバ液の輸送を調整するように構成された制御ユニットを備えていない点。 上記相違点に係る本件特許発明1の発明特定事項における「廃液低減輸送システム」と「制御ユニット」とは、本件特許明細書の段落【0021】~【0023】の記載によれば、遠心分離機が利用可能であるときに、汚排水タンク中の浄化されたスクラバ液を第1の輸送システムへ輸送するための一体的な特定事項であるところ、甲2(特許請求の範囲及び明細書の段落【0022】)、甲3(明細書の段落【0009】、【0013】)、甲4(明細書の第3頁左上欄第5行~右下欄第7行)には、機器の作業負荷情報に基づいて、対象機器を制御することが一般的であることが示されているだけであるし、甲5(特許請求の範囲、明細書の段落【0023】~【0033】)に記載された技術的事項は、オゾン処理において、排出された処理水の一部を抜き出し、被処理水の供給経路に戻すことだけである。 また、甲6(明細書の段落【0002】、【0009】、【0010】、【0014】~【0018】、図2)に記載された技術的事項は、遠心分離装置の内部において、旋回流が安定するまで、遠心分離装置で分離された処理水のすべてを循環ラインを通じて、原水槽に戻すことだけであるし、甲7(明細書の段落【0001】、【0021】、【0027】~【0033】、図1)に記載された技術的事項は、回転式膜ろ過装置において、ろ過室の圧力(作業負荷情報)に基づいて、回転式膜ろ過装置への循環水の供給を制御することだけである。 してみれば、甲2~7のいずれにおいても、一体的な特定事項である「汚排水タンクから前記第1の輸送システムへスクラバ液を輸送するための廃液低減輸送システムと、前記ディスクスタック遠心分離機の作業負荷情報を受信すると共に、前記情報に基づいて前記廃液低減輸送システムにおけるスクラバ液の輸送を調整するように構成された制御ユニット」を設けることについて、記載も示唆もないから、甲1発明において、甲2~甲7記載の各技術的事項を組み合わせても、上記相違点に係る本件特許発明1の発明特定事項を設けることには、到達し得ない。 また、上記相違点に係る本件特許発明1の発明特定事項を備えることによって奏される、陸上に廃棄されなければならない船内のスクラバ液の総量を減少できるように、汚排水タンク中の浄化されたスクラバ液を抜き取るという効果は、甲1~7の記載に基いて予想し得る範囲のものでもない。 よって、本件特許発明1は、甲1発明及び甲2~5に記載された技術的事項から当業者が容易に発明をすることができたものとは認められず、また、甲1発明及び甲6,7に記載された技術的事項から当業者が容易に発明をすることができたものとも認められない。 さらに、異議申立人1及び2の提出した証拠を併せて検討しても、本件特許発明1は、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 本件特許発明1を引用する本件特許発明2~9についても同様である。 第6.むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由及び証拠によっては、本件請求項1~9に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1~9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 さらに、請求項10~15は削除されたため、本件特許の請求項10~15に対する特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2018-700099

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