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商標取消審判

2018-670058

リクイモリー、リキモリー、リクイ、リキ、モリー

審判番号
2018-670058
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
—
請求日
2018年12月27日
審決日
2019年09月04日
公報発行日
2020年01月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】大東潤滑株式会社
  • 【請求人代理人】涌井 謙一
  • 【請求人代理人】高橋 淳
  • 【請求人代理人】加藤 伸樹
  • 【請求人代理人】山本 典弘
  • 【請求人代理人】鈴木 一永
  • 【請求人代理人】工藤 貴宏
  • 【請求人代理人】三井 直人
  • 【被請求人】Liqui-Moly Gesellschaft mit beschrankter Haftung
  • 【被請求人代理人】稲葉 良幸
  • 【被請求人代理人】田中 克郎
  • 【被請求人代理人】石田 昌彦
  • 【被請求人代理人】太田 知成
  • 【被請求人代理人】廣中 健
  • 【被請求人代理人】右馬埜 大地
審判長/審判官
  • 審判長 榎本 政実
  • 審判官 早川 文宏
  • 審判官 大森 友子
分類
T132 .1 -Y (X04)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第1号、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

上記当事者間の国際商標登録第803684号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。

結論

本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。

理由

第1 本件商標 国際登録第803684号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成よりなり,2007年(平成19年)11月22日に国際商標登録出願(事後指定),第4類「Industrial oils and greases,including motor,gear,compressor oils as well as hydraulic oils;contact oils and greases;non-chemical additives for industrial oils and for fuel,particularly for gasoline and diesel oil;non-chemical additives for industrial greases,for industrial oils,for motor oils,gear oils,compressor oils and for hydraulic oils.」を指定商品として,平成21年5月22日に設定登録されたものである。 そして,本件審判の請求の登録は,平成31年1月11日にされたものである(以下,本件審判の請求の登録前3年以内を「本件要証期間内」という。)。 第2 請求人の主張 請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の指定商品中「non-chemical additives for industrial greases,for industrial oils,for motor oils,gear oils,compressor oils and for hydraulic oils」についてはその登録を取消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 (1)請求の理由 本件商標は,本件商標の指定商品中,第4類「non-chemical additives for industrial greases,for industrial oils,for motor oils,gear oils,compressor oils and for hydraulic oils」について,継続して3年以上日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 (2)答弁に対する弁駁 商品カタログ(乙1)については発行日が付されておらず,証拠として採用できない。 ウェブサイト及びインボイス(乙2~乙9)において使用された商標が,本件商標と社会通念上同一と認められる商標であるという点にことについては争わない。 しかしながら,本件商標権者が,本件商標を本件審判の請求に係る指定商品について使用しているとは認められない。 被請求人が,本件商標権者が本件商標を使用している商品であると主張して提出した証拠に掲載されている商品は,その商品説明等に「MoS2の作用により,エンジンオイルの持つ性能を向上」等の作用・効果を発揮すると,説明・紹介されているものである。 上記のような作用・効果は,添加剤を添加することによって生じる化学的な反応によって生起するものであるという事を踏まえるならば,これらの商品は,「エンジンオイル等に添加されることにより,化学的な反応を生起させて,燃費向上等の機能を発揮させる「化学品」であると解される。 したがって,本件商標が,本件審判の請求に係る指定商品と認めることはできない。 (3)まとめ 以上よりすると,被請求人の提出する各証拠によっては,本件商標権者等により,本件要証期間以内に,本件商標がその指定商品に使用されていることの証明はなされていないため,本件商標の指定商品中「non-chemical additives for industrial greases,for industrial oils,for motor oils,gear oils,compressor oils and for hydraulic oils」の取消を免れることはできない。 第3 被請求人の主張 被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。 (1)本件商標権者について 本件商標権者は,ドイツのバーデンーヴュルテンペルク州ウルムで,1957年(昭和32年)に設立された会社である。 本件商標権者の主力商品は二硫化モリブデンを配合したエンジンオイルであり,さらに,自動車・二輪自動車のエンジンオイル等のオイル交換の際に使用される添加剤(化学品を除く)なども製造・販売している。 (2)本件商標の使用事実について ア 本件商標権者は,我が国においては,東京都中央区に所在する「リキモリトレーディング株式会社」(以下「リキモリトレーディング社」という。)及び大阪市に所在する「株式会社谷尾商会」(以下「谷尾商会」という。)を含む販売代理店を通じて,エンジンオイル用添加剤,燃料用添加剤等の販売を行っている。 イ 本件商標権者の販売代理店であるリキモリトレーディング社が,インターネットを通じて配布した商品カタログ(乙1)の表紙には,本件商標が大きく表示されている。 当該商品カタログには,商品「エンジンオイル用添加剤,燃料用添加剤」が掲載され,各商品の包装容器にも本件商標が表示されている。 ウ 2016年(平成28年)11月28日及び2017年(平成29年)9月26日にウェイバック・マシン(ウェイバック・マシン(Wayback Machine)とは,アメリカの非営利団体インターネット・アーカイブが運用する,ある一時点でのウェブページの内容を保存するサービスである。以下同じ。)に保存された本件商標権者の販売代理店であるリキモリトレーディング社のウェブサイト(乙2,乙3)は,本件商標権者が,燃料用添加剤の販売を行っている事実を示すものであり,当該ウェブサイトの左上方には本件商標が表示されているとともに,掲載されている商品の包装容器には,本件商標が表示されている。 エ 本件商標権者は,本件要証期間内において,国内販売代理店であるリキモリトレーディング社に,本件商標を付した燃料用添加剤を販売した際のインボイスを送付した(乙4~9)。 なお,当該インボイスに記載した商品は,商品カタログ(乙1)及びウェブサイト(乙2,乙3)に掲載されている。 (3)使用商標について 上記証拠に表示されている使用商標と本件商標は,共に四隅を丸めた横長矩形の上半分を青色で,下半分を赤色で表し,そして,上段に「LIQUI」の文字を,下段に「MOLY」の文字を白抜きで表したものであるから,本件商標と使用商標は,同一の商標というべきものであるから,使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標といえる。 (4)使用商品 上記証拠に表示されている商品は,「エンジンオイル用添加剤」であり,これは,自家用自動車を保有する個人又は自動車整備を行う事業者等によって,自動車部品の潤滑性能向上等を目的として,完成品として購入されるものであり,自動車に注入されたエンジンオイルに,追加的に注入して使用される商品であり,本件審判請求に係る指定商品に該当する(乙10)。 (5)使用行為 ア 商品カタログ(乙1),ウェブサイト(乙2,乙3)には,商品の画像が掲載され,当該商品には,本願商標が付されている。 イ 商品カタログ(乙1),ウェブサイト(乙2,乙3)には,商品の長所や特徴が記載されているとともに,商品の価格が記載されている。 ウ インボイス(乙4~乙9)は,商品が我が国の販売代理店に販売された事実を示す請求書に本件商標が表示されている。 エ 以上の使用行為は,商標法第2条第3項第1号の「商品に標章を付する行為」及び同項第8号の「商品に関する広告,価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し,若しくは頒布し,又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当することは明らかである。 (6)使用時期及び使用場所について ア 商品カタログ(乙1)については,発行日,頒布日こ関する情報の記載がないところ,ウェブサイト及びインボイス(乙2~乙9)が作成又は頒布されたのは,いずれも本件要証期間内である。 イ 商品カタログ(乙1)及びウェブサイト(乙2,乙3)は,本件商標権者の我が国販売代理店であるリキモリトレーディング社によって作成,頒布されたカタログ,ウェブサイトであり,日本語で記載され,インターネットを通じて我が国の需要者,取引者に対して頒布されたものである。 ウ インボイス(乙4~乙9)は,外国語で記載されているとしても,本件商標権者の我が国販売代理店であるリキモリトレーディング社に発行されたものであることは明らかである。 (7)使用者 本件商標権者は,我が国における販売代理店であるリキモリトレーディング社及び谷尾商会に,日本における,本件商標を付した商品「エンジンオイル用添加剤,燃料用添加剤」等の販売を許諾していたものであるから,リキモリトレーディング社及び谷尾商会は,本件商標に関して本件商標権者の通常使用権者といえる。 (8)まとめ 以上のとおり,本件要証期間内において,本件商標の通常使用権者が,本件商標と同一の商標を,本件審判の請求に係る指定商品について使用していたことは明らかである。 第4 当審の判断 1 証拠及び被請求人の主張によれば,以下の事実が認められる。 (1)本件商標権者は,ドイツにおいて1957年(昭和32年)に創業した自動車・二輪自動車のエンジンオイル等の交換の際に使用される添加剤(化学品を除く)等を製造・販売する法人である(請求人の主張)。 (2)本件商標権者からリキモリトレーディング社に宛てたインボイス(請求書)(乙4~乙9)は,それぞれ注文日又は請求日を2016年(平成28年)4月18日(乙4),同年6月27日(乙5),2017年(平成29年)10月27日(乙6),同年12月6日(乙7),2018年(平成30年)5月9日(乙8)及び同年7月17日とするものである。 そして,当該請求書には,その右上に上半分を青色及び下半分を赤色で表した角丸の四角形中に,「LIQUI」及び「MOLY」の白抜き文字をそれぞれ上下の部分に配してなる商標(以下「本件使用商標」という。)が表されている。 さらに,当該請求書には,商品名「CERA TEC」,「HYDRAULIC LIFTER ADDITIVE」,「MOTOR OIL SAVER」及び「OIL SMOKE STOP」(以下,それぞれの商品名に係る商品を「本件使用商品」という。)についての記載がある。 (3)リキモリトレーディング社の商品カタログ(乙1)には,その表紙に「LIQUI/MOLY」の文字と「MADE IN GERMANY」の文字を組み合わせた標章の記載とともに,その内容のページにはそれぞれの商品について,以下の記載がある。 ア 商品名「CERA TEC」について,「エンジンオイル用/ハイテクセラミックのエンジン摩耗保護剤です。」との見出しの下,その特徴として「ローフリクション,摩耗保護性を向上させます。・・・オイル交換時に注入して頂くとより効果的です。」との記載,及びその使用方法として「エンジンを止め,エンジンが十分冷えた状態でオイルキャップを外し,本製品をオイル注入口から注入して下さい。」との記載がある。 イ 商品名「HYDRAULIC LIFTER ADDITIVE」について,「エンジンオイル用/油圧タペットの騒音が低下します。」との見出しの下,その特徴として「油圧タペットの騒音が低下し,油圧リフターの動作を最適化します。」との記載,及びその使用方法として「エンジンを止め,エンジンが十分冷えた状態でオイルキャップを外し,本製品をオイル注入口から注入して下さい。」との記載がある。 ウ 商品名「MOTOR OIL SAVER」について,「エンジンオイル用/オイル切れを防止します。」との見出しの下,その特徴として「バルブやシャフトのシールなどゴムやプラスチック製のエンジンシールを再生させて,オイルのシミを防ぎます。」との記載,及びその使用方法として「エンジンを止め,エンジンが十分冷えた状態でオイルキャップを外し,本製品をオイル注入口から注入して下さい。」との記載がある。 エ 商品名「OIL SMOKE STOP」について,「エンジンオイル用/排気煙が低減します。」との見出しの下,その特徴として「排気煙やエンジンオイルの過剰な燃焼を抑え,エンジンの圧縮状態を改善します。」との記載,及びその使用方法として「エンジンを止め,エンジンが十分冷えた状態でオイルキャップを外し,本製品をオイル注入口から注入して下さい。」との記載がある。 (4)2016年(平成28年)11月28日(乙2)及び2017年(平成29年)9月26日(乙3)にウェイバック・マシンに保存されたリキモリトレーディング社のウェブサイトには,その1葉目に「LIQUI/MOLY」の文字と「MADE IN GERMANY」の文字を組み合わせた標章の記載とともに,その3葉目に「エンジンオイル用添加剤」の見出しの下,商品名「CERA TEC」,「HYDRAULIC LIFTER ADDITIVE」,「MOTOR OIL SAVER」及び「OIL SMOKE STOP」とする商品が,その包装容器の画像とともに掲載されている。 そして,2016年(平成28年)11月28日(乙2)及び2017年(平成29年)9月26日(乙3)にウェイバック・マシンに保存された当該各ウェブサイトの内容は,同一のものと認められる。 2 判断 上記1において認定した事実によれば,以下のように判断できる。 (1)使用商標について ア 本件商標は,別掲のとおり,上半分を青色及び,下半分を赤色で表した角丸の四角形中に,「LIQUI」及び「MOLY」の白抜き文字をそれぞれ上下の部分に配してなるものである。 イ 他方,本件使用商標は,上記1(2)のとおり,上半分を青色及び,下半分を赤色で表した角丸の四角形中に,「LIQUI」及び「MOLY」の白抜き文字をそれぞれ上下の部分に配してなるものである。 ウ したがって,本件使用商標は,本件商標と外観において同一の構成よりなるものといえるから,本件商標と社会通念上同一の商標といえる。 (2)使用商品について 本件審判に係る指定商品は「non-chemical additives for industrial greases,for industrial oils,for motor oils,gear oils,compressor oils and for hydraulic oils」(参考訳:工業用グリース用・工業用油用・潤滑油用・ギヤ油用・圧縮機油用及び油圧油用の添加剤(化学剤を除く。))であるところ,本件使用商品は,上記1(3)のとおり,商品名を「CERA TEC」,「HYDRAULIC LIFTER ADDITIVE」,「MOTOR OIL SAVER」及び「OIL SMOKE STOP」とする商品(本件使用商品)は,エンジンの摩耗保護性を向上,騒音が低下,ゴムやプラスチック製のエンジンシールを再生,及び排気煙抑える等を目的として,当該商品をオイル注入口から注入されるものであるから,商品「エンジンオイル用添加剤」といえるものである。 そうすると,本件使用商品は,本件審判に係る指定商品に含まれることは明らかである。 (3)使用者及び使用時期について (ア)リキモリトレーディング社は本件商標権者に対し,2016年(平成28年)4月18日から2018年(平成30年)7月17日にかけて,定期的に商品を発注していると認められること,(イ)2016年(平成28年)11月28日(乙2)及び2017年(平成29年)9月26日(乙3)にウェイバック・マシンに保存された当該各ウェブサイトの内容は,同一のものと認められることからすると,当該期間に当該ウェブサイトに継続して掲載されていたと認められること,(ウ)ほぼ同時期において,ウェブサイト(乙2,乙3)に掲載されている商品と同一の商品名が請求書(乙4~9)に記載されていること,(エ)商品カタログ(乙1)及びウェブサイト(乙2,乙3)には,「LIQUI/MOLY」の文字と「MADE IN GERMANY」の文字を組み合わせた標章が表示されていることを総合して判断すると,本件商標権者は,本件商標権者に係る本件使用商品に関する請求書に本件使用商標を付して,リキモリトレーディング社に対し頒布したものと認められる。 (4)小括 以上によれば,本件商標権者は,本件要証期間内に日本国内において,本件審判の請求に係る指定商品中「non-chemical additives for industrial greases,for industrial oils,for motor oils,gear oils,compressor oils and for hydraulic oils」含まれる本件使用商品「エンジンオイル用添加剤」に関する取引書類に本件使用商標を付して頒布したと認めることができる。 この行為は,商標法第2条第3項第8号「商品に関する取引書類に標章を付して頒布する行為」に該当する。 3 請求人の主張に対し 請求人は,本件使用商品を含む本件商標権者が本件商標を使用している商品は,「MoS2の作用により,エンジンオイルの持つ性能を向上」等の作用・効果を発揮すると,説明・紹介されており,当該作用・効果は,添加剤を添加することによって生じる化学的な反応によって生起するものであって,これらの商品は,エンジンオイル等に添加されることにより,化学的な反応を生起させて,燃費向上等の機能を発揮させる「化学品」であると解されるため,本件使用商品は本件審判の請求に係る指定商品に含まれるものではない旨主張する。 しかしながら,本件使用商品は,たとえ,当該商品をエンジンオイルに加えた結果,化学的な反応を生起させるものとしても,上記2(2)のとおり,エンジンの摩耗保護性を向上及び騒音が低下等を目的として,エンジンオイルに添加されるものであるから,商品「エンジンオイル用添加剤」といえるものであって,当該添加剤を加えた結果,当該添加剤がエンジンオイルとの関係において生じる反応等の状況によって本件使用商品が商品「エンジンオイル用添加剤」であるとする判断を左右するものではない。 したがって,請求人の上記主張は,採用できない。 4 むすび 以上のとおり,被請求人は,本件要証期間内に日本国内において本件商標権者が本件審判の請求に係る指定商品「non-chemical additives for industrial oils and for fuel,particularly for gasoline and diesel oil」について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしたことを証明したものと認められる。 したがって,本件商標の登録は,本件審判の請求に係る指定商品について,商標法第50条の規定により,取り消すことができない。 よって,結論のとおり審決する。

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2018-670058

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