商標拒絶査定不服審判
2018-650033
スーパーソル、スーパーソール、スーパーエスオーエル、スーパーゾール、スーパーゾル
- 審判番号
- 2018-650033
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 0445679
- 請求日
- 2018年06月11日
- 審決日
- 2018年11月01日
- 公報発行日
- 2019年01月25日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】RHODIA CHIMIE
- 【請求人代理人】特許業務法人浅村特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 田中 幸一
- 審判官 榎本 政実
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T18 .261-WY (001) / T18 .262-WY (001) / T18 .263-WY (001) / T18 .264-WY (001)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
2017年5月2日に事後指定が記録された国際登録第445679号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。
結論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
1 本願商標
本願商標は、「SUPERSOL」の欧文字を書してなり、日本国を指定する国際登録において指定された第1類「Chemical products dispersed in organic solvents for wire drawing in submerged dies.」を指定商品として、2017年(平成29年)5月2日に国際商標登録出願(事後指定)されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5259566号商標(以下「引用商標」という。)は、「SUPER SOL」の欧文字と「スーパーゾル」の片仮名を上下2段に書してなり、平成20年10月30日に登録出願、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤」を含む、第5類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同21年8月21日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、「SUPERSOL」の欧文字を書してなるところ、該文字は、辞書類に載録された成語とは認められず、かつ、特定の語義を有する語として一般に親しまれているともいえないものであるから、特定の意味合いを有しない造語として理解されるものである。
そして、欧文字からなる造語の場合は、我が国で一般に普及したローマ字又は英語の読みに倣って称呼されるものであるから、本願商標は、英語の読みに倣って「スーパーソル」の称呼を生じるものであり、また、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、「SUPER SOL」の欧文字と「スーパーゾル」の片仮名を上下2段に書してなるところ、下段の「スーパーゾル」の片仮名は、上段の「SUPER SOL」の欧文字部分の読みを表したものと認められることから、引用商標は、「スーパーゾル」の称呼を生じるものである。
また、その構成中の「SUPER」及び「スーパー」の文字部分は、「より優れた」等の意味を有する語であり、また、「SOL」の文字部分は、下段の「ゾル」の読み仮名との関係では「コロイド溶液」の意味を有するドイツ語として辞書類に載録が認められるものの、これらが結合して、我が国で親しまれた熟語的意味合いが生じるものとは認められないから、構成文字全体としては特定の語義を有しない一種の造語として理解されるとみるのが相当である。
そうすると、引用商標は、「スーパーゾル」の称呼を生じるものであり、また、全体として、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標との類否について検討するに、本願商標と引用商標の構成中の「SUPER SOL」の欧文字部分は、5文字目と6文字目の間に空白の有無という差異はあるものの、そのつづりを同一にするから、両者は、外観上、近似した印象を与えるものである。
次に、称呼においては、本願商標から生じる「スーパーソル」と引用商標から生じる「スーパーゾル」の称呼は、ともに全体が6音の構成(長音を含む。)からなるところ、両者の差異音は、第5音目における「ソ」と「ゾ」の音であり、これらは、「ソ」の清音と濁音の差異にすぎないことから、本願商標と引用商標とを一連に称呼するときは、全体の語調語感が近似し、称呼上、聴き誤るおそれがあるものである。
さらに、観念においては、本願商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないから、観念上、比較することができない。
以上によれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観において近似し、称呼において類似するものであるから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的に勘案すれば、両商標は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本願商標の指定商品である「Chemical products dispersed in organic solvents for wire drawing in submerged dies.」(仮訳:水中の鋳型での伸線用の有機溶媒に分散した化学品。以下「本願指定商品」という。)と引用商標の指定商品中の第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤」(以下「引用指定商品」という。)の類否について、以下、検討する。
ア 本願指定商品について
本願指定商品は、メッキワイヤー等の伸線加工作業において、太い素線を、加熱しながら伸線機のダイス(鋳型)にとおして細線、極細線を作るという用途にのみ使用される潤滑用化学剤であって、主に脂肪酸せっけん、油剤界面活性剤、防腐剤、防錆剤等を原材料として、金属加工用化学品を取り扱うメーカーにより製造され、専ら、伸線加工作業を行う金属加工メーカーに向けて販売されるものであり、需要者の範囲は、当該伸線加工作業を行う金属加工メーカーである。
イ 引用指定商品について
引用指定商品は、いずれも、専ら家庭で使用する食品加工の材料として用いられるものである。
まず、「アイスクリーム用凝固剤」は、アイスクリームの組織を滑らかにし、保形性を良くするための材料として使用されるものであって、主に種子抽出物(ローカストビーンガム等)、ゼラチン、寒天、ペクチン等を原材料として、製菓材料や食品添加物等を取り扱うメーカーにより製造され、一般消費者向けに通販用ウェブサイトや店舗において販売されるものであり、需要者の範囲は、アイスクリームの材料を求める一般消費者である。
次に、「家庭用食肉軟化剤」は、食肉をやわらかく調理するための材料として使用されるものであって、主に酵母エキス、pH調整剤、酵素等を原材料として、調味料や食品添加物等を取り扱うメーカーにより製造され、一般消費者向けに通販用ウェブサイトや店舗において販売されるものであり、需要者の範囲は、食肉をやわらかく調理するための材料を求める一般消費者である。
また、「ホイップクリーム用安定剤」は、ホイップクリームの保水性維持、離水防止のための材料として使用されるものであって、主に増粘多糖類を原材料として、製菓材料や食品添加物等を取り扱うメーカーにより製造され、一般消費者向けに通販用ウェブサイトや店舗において販売されるものであり、需要者の範囲は、ホイップクリームの材料を求める一般消費者である。
ウ 本願指定商品と引用指定商品の類否について
以上のとおり、本願指定商品と引用指定商品とは、たとえ両者が化学品メーカーで製造される製品(化学製品)であるとしても、両者の用途、原材料、生産部門、販売部門、需要者の範囲は、いずれも明らかに異なり、一致する点を見いだせない。
そうすると、本願指定商品である「Chemical products dispersed in organic solvents for wire drawing in submerged dies.」と引用指定商品である「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤」とは、それらの用途、原材料、生産部門、販売部門、需要者の範囲等からみて、別異のものであり、これらに同一又は類似の商標が使用されたとしても、その出所について混同を生じるおそれはない、互いに非類似の商品であるというのが相当である。
エ 小括
上記アないしウのとおり、本願商標の指定商品である「Chemical products dispersed in organic solvents for wire drawing in submerged dies.」(仮訳:水中の鋳型での伸線用の有機溶媒に分散した化学品)と引用商標の指定商品中の第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤」とは、非類似の商品である。
(5)まとめ
以上によれば、本願商標と引用商標とは類似する商標ではあるものの、本願商標は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものではないから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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