特許訂正審判
2018-390114
符号化方法、符号化装置、プログラム、および記録媒体
- 審判番号
- 2018-390114
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2014-518696
- 登録番号
- 特許第5872034号(P5872034)
- 請求日
- 2018年08月08日
- 審決日
- 2018年10月01日
- 公報発行日
- 2019年01月25日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】日本電信電話 株式会社
- 【請求人代理人】中尾 直樹
- 【請求人代理人】中村 幸雄
- 【請求人代理人】義村 宗洋
- 審判長/審判官
- 審判長 清水 正一
- 審判官 樫本 剛
- 審判官 坂東 大五郎
- 分類
- P141 .853-Y (G10L) / P141 .854-Y (G10L) / P141 .855-Y (G10L) / P141 .841-Y (G10L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第3項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5872034号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第5872034号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔7~10、27、28〕、〔20~23〕について訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 経緯
本件訂正審判に係る特許第5872034号(以下、「本件特許」という。)に係る発明は、2013年(平成25年)5月29日(優先権主張 平成24年5月30日)を国際出願日として出願されたものであって、平成28年1月22日に特許権の設定登録がなされ、その後、平成30年8月8日に特許権者日本電信電話株式会社(以下、「請求人」という。)より、本件特許に対して本件訂正審判が請求されたものである。
第2 請求の趣旨、訂正の内容
1 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第5872034号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項7~10、20~23、27、28について訂正することを認める、との審決を求めるというものである。
2 訂正の内容
訂正の内容は、以下のとおりである。
(1)請求項20~23について
(1-1)訂正事項1
訂正前の特許請求の範囲の請求項20に「上記利得縮小更新部は、上記消費ビット数が上記配分ビット数よりも少ない場合に、上記消費ビット数に対応する利得の値を利得の上限値として設定する利得上限値設定部と、上記消費ビット数が上記配分ビット数よりも少なく、なおかつ、上記利得の下限値が設定されていない場合に、上記配分ビット数から上記消費ビット数を減算して得られる値が大きいほど、上記利得の更新前の値から更新後の値への減少分が大きくなるように上記利得の値を更新し、上記量子化部の処理を行わせる利得縮小部と、上記量子化正規化済サンプル列を可変長符号化し、サンプル列符号を得る可変長符号化部と、を含む符号化装置」と記載されているのを、訂正後の請求項20の「上記利得縮小更新部は、上記消費ビット数が上記配分ビット数よりも少ない場合に、上記消費ビット数に対応する利得の値を利得の上限値として設定する利得上限値設定部と、上記消費ビット数が上記配分ビット数よりも少なく、なおかつ、上記利得の下限値が設定されていない場合に、上記配分ビット数から上記消費ビット数を減算して得られる値が大きいほど、上記利得の更新前の値から更新後の値への減少分が大きくなるように上記利得の値を更新し、上記量子化部の処理を行わせる利得縮小部と、を含み、上記可変長符号化部は、上記量子化正規化済サンプル列を可変長符号化し、サンプル列符号を得る、符号化装置」に訂正する。これにより、請求項20を引用する請求項21~23も同様に訂正する。
(2)請求項7~10、27、28について
(2-1)訂正事項2
訂正前の特許請求の範囲の請求項7に「上記利得縮小更新ステップは、上記消費ビット数が上記配分ビット数よりも少ない場合に、上記消費ビット数に対応する利得の値を利得の上限値として設定する利得上限値設定ステップと、上記消費ビット数が上記配分ビット数よりも少なく、なおかつ、上記利得の下限値が設定されていない場合に、上記配分ビット数から上記消費ビット数を減算して得られる値が大きいほど、上記利得の更新前の値から更新後の値への減少分が大きくなるように上記利得の値を更新し、上記量子化ステップを行わせる利得縮小ステップと、上記量子化正規化済サンプル列を可変長符号化し、サンプル列符号を得る可変長符号化ステップと、を含む符号化方法」と記載されているのを、訂正後の請求項7の「上記利得縮小更新ステップは、上記消費ビット数が上記配分ビット数よりも少ない場合に、上記消費ビット数に対応する利得の値を利得の上限値として設定する利得上限値設定ステップと、上記消費ビット数が上記配分ビット数よりも少なく、なおかつ、上記利得の下限値が設定されていない場合に、上記配分ビット数から上記消費ビット数を減算して得られる値が大きいほど、上記利得の更新前の値から更新後の値への減少分が大きくなるように上記利得の値を更新し、上記量子化ステップを行わせる利得縮小ステップと、を含み、上記可変長符号化ステップは、上記量子化正規化済サンプル列を可変長符号化し、サンプル列符号を得る、符号化方法」に訂正する。これにより、請求項7を引用する請求項8~10、27、28も同様に訂正する。
第3 当審の判断
1 請求項20~23に係る訂正について
(1)訂正事項1について
(1-1)一群の請求項について
訂正事項1は、請求項20(訂正前の請求項20(以下同様。))について訂正をするものであるところ、請求項21~23は、いずれも請求項20を引用するから、実質的に訂正事項1により連動して訂正されるものであり、当該請求項20~23に対応する訂正後の請求項20~23は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
そして、本件訂正審判の請求は、訂正後の請求項20~23の一群の請求項について請求するものを含むから、特許法第126条第3項の規定に適合するものである。
(1-2)訂正の目的の適否について
訂正事項1は、利得縮小更新部が可変長符号化部を含むとされていたものを、含まないもの(すなわち可変長符号化部が利得縮小更新部の外にあるもの)へと訂正するものである。
ここで、訂正事項1が対象とする請求項20は、明細書の段落0071~0074及び図5に記載されている[第2実施形態の変形例]に対応するものである。
そして、上記段落中の段落0073に記載の「利得縮小更新部132」は、段落0031の「同一構成要素ないし同一処理には同一符号を割り当てて重複説明を省略する場合がある。」との記載に基づき、第1実施形態の「利得縮小更新部132」と同一の構成であると認められるところ、当該[第1実施形態]における段落0054の「利得縮小更新部132は、利得上限設定部112と、第2分岐部113と、第2利得更新部114と、利得縮小部115と、を含む。」との記載から、「利得縮小更新部132」に「可変長符号化部159」が含まれていないことは明らかである。
また、上記図5の記載からしても、「可変長符号化部159」が「利得縮小更新部132」に含まれていないことは明らかである。
以上から、上記利得縮小更新部が可変長符号化部を含むとされていたものを、含まないものへと訂正するものである訂正事項1は、請求項20における可変長符号化部と利得縮小更新部の関係に係る記載について、発明の詳細な説明及び図面の記載との間で不合理を生じていたものを正そうとするものである。また、訂正後の請求項21~23は、訂正後の請求項20を引用するものであり、訂正事項1に係る構成の他に変更される構成は存在しない。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(1-3)新規事項の追加の有無について
上記(1-2)における検討のとおり、訂正事項1は、段落0071~0074、及び図5の記載に基づいて、明瞭でない記載の釈明を行うものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に規定する要件に適合するものである。
(1-4)特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について
上記(1-2)における検討のとおり、訂正事項1は、記載を明瞭化するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第126条第6項に規定する要件に適合するものである。
(1-5)独立特許要件について
上記(1-2)における検討のとおり、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第7項に規定する独立特許要件は課されない。
2 請求項7~10、27、28に係る訂正について
(1)訂正事項2について
(1-1)一群の請求項について
訂正事項2は、請求項7(訂正前の請求項7(以下同様。))について訂正をするものであるところ、請求項8~10、27、28は、いずれも請求項7を引用するから、実質的に訂正事項2により連動して訂正されるものであり、当該請求項7~10、27、28に対応する訂正後の請求項7~10、27、28は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
そして、本件訂正審判の請求は、訂正後の請求項7~10、27、28の一群の請求項について請求するものを含むから、特許法第126条第3項の規定に適合するものである。
(1-2)訂正の目的の適否について
訂正事項2は、利得縮小更新ステップが可変長符号化ステップを含むとされていたものを、含まないもの(すなわち可変長符号化ステップが利得縮小更新ステップの外にあるもの)へと訂正するものである。
ここで、訂正事項2が対象とする請求項7は、請求項20の符号化装置の発明に対応した符号化方法の発明であり、前記符号化装置の各構成に対応したステップを具備するものであるから、訂正事項1が対象とする請求項20と同様に、明細書の段落0071~0074及び図5に記載されている[第2実施形態の変形例]に対応するものである。
したがって、訂正事項2は、上記第3の1(1)(1-2)と同様の理由により、請求項7における可変長符号化ステップと利得縮小更新ステップの関係に係る記載について、発明の詳細な説明及び図面の記載との間で不合理を生じていたものを正そうとするものである。また、訂正後の請求項8~10、27、28は、訂正後の請求項7を引用するものであり、訂正事項2に係る構成の他に変更される構成は存在しない。
よって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(1-3)新規事項の追加の有無について
上記(1-2)における検討のとおり、訂正事項2は、段落0071~0074、及び図5の記載に基づいて、明瞭でない記載の釈明を行うものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に規定する要件に適合するものである。
(1-4)特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について
上記(1-2)における検討のとおり、訂正事項2は、記載を明瞭化するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第126条第6項に規定する要件に適合するものである。
(1-5)独立特許要件について
上記(1-2)における検討のとおり、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第7項に規定する独立特許要件は課されない。
第4 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1及び2は、いずれも特許法第126条第1項ただし書第3号に規定された事項を目的とするものであり、かつ、同条第3項、第5項及び第6項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり決定する。
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