特許訂正審判
2018-390095
シャトル式ワークテーブル装置及びシャトル式ワークテーブル交換方法
- 審判番号
- 2018-390095
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2003-104073外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年06月05日
- 審決日
- 2018年07月10日
- 公報発行日
- 2018年10月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 アマダホールディングス
- 【請求人代理人】豊岡 静男
- 分類
- P141 .841-Y (B23Q) / P141 .851-Y (B23Q) / P141 .852-Y (B23Q) / P141 .853-Y (B23Q)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項2号特許法126条1項3号特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第3項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第4326252号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第4326252号の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり、訂正後の請求項〔1-3〕について訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第4326252号は、平成15年4月8日にした特許出願(特願2003-104073号)の請求項1-4に係る発明について平成21年6月19日に特許権の設定登録がなされ、平成30年6月5日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨及び訂正事項
1.請求の趣旨
本件訂正審判の請求の要旨は、特許第4326252号の明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、訂正後の請求項1~3について訂正することを求めるものである。
2.訂正事項
本件訂正審判の請求にかかる訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下の訂正事項1ないし2のとおりである。(下線は請求人が付したもの。)
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「加工機側のワーク加工ステーションと、上下二段ステージからなるワーク搬出入側のワーク搬出入ステーションとの間を往復移動する自走式のパレットを備えたシャトル式ワークテーブル装置であって、加工済みワークが常に次加工ワークの下方に位置するように下段ステージに移送/載置され、次加工ワークをワーク加工ステーションへ移送後、上段ステージを退避させると同時に下段ステージを上方空間の所定位置まで上昇させ、加工済みワークを搬出可能とすると共に、パレットを下段から上段へ移し変えて、次加工ワーク搬入待ちの初期状態に戻る構成としたことを特徴とするシャトル式ワークテーブル装置。」とあるのを、
「加工機側のワーク加工ステーションと、上下二段ステージからなるワーク搬出入側のワーク搬出入ステーションとの間を往復移動する自走式のパレットを備えたシャトル式ワークテーブル装置であって、
上段ステージの退避機能を有する第1の作動装置と、
上下二段ステージを共に上昇/下降させる昇降装置と、
所定位置でパレットを保持するパレットストッパーを,パレット保持が可能な状態と保持ができない状熊とに切り替える第2の作動装置を備え、
加工済みワークが常に次加工ワークの下方に位置するように下段ステ-ジに移送/載置され,次加工ワークをワーク加工ステーションへ移送後、昇降装置により上下二段ステージを上方空間の所定位置まで上昇させ、第2の作動装置によりパレットストッパーをパレット保持が可能な状熊に切り替える動作を行い、第1の作動装置により上段ステージを退避させると同時に加工済みワークを搬出可能とすると共に、昇降装置により上下二段ステージの下降動作を開始させ、下降途中でパレットストッパーによりパレットを保持し、さらに下降動作を続けて上下二段ステージを所定位置まで下降させ、第1の作動装置により上段ステージの退避を解き、昇降装置により上下二段ステージを上昇させることにより、パレットを下段から上段へ移し変え、第2の差動装置によりパレットストッパーをパレット保持ができない状態に切り替えて、次加工ワーク搬入待ちの初期状態に戻る構成としたことを特徴とするシャトル式ワークテーブル装置。」
と訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3に
「請求項2記載のシャトル式ワークテーブル装置において、第1のパレット保持台を構成する昇降装置の昇降動作を上位、中位、下位の3点、または上位、下位の2点位置決め停止制御としたことを特徴とするシャトル式ワークテーブル装置。」とあるのを、
「請求項2記載のシャトル式ワークテーブル装置において、第1のパレット保持台を構成する昇降装置の昇降動作を上位、中位、下位の3点位置決め停止制御としたことを特徴とするシャトル式ワークテーブル装置。」
と訂正する。
第3 当審の判断
1.訂正の目的、新規事項の追加及び特許請求の範囲の拡張・変更の有無について
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、以下の(ア)及び(イ)に示す事項から構成されている。
(ア)「シャトル式ワークテーブル装置」について、訂正前には「加工機側のワーク加工ステーションと、上下二段ステージからなるワーク搬出入側のワーク搬出入ステーションとの間を往復移動する自走式のパレットを備えた」とされるに留まっていたのに対し、本件訂正により、更に「上段ステージの退避機能を有する第1の作動装置」、「上下二段ステージを共に上昇/下降させる昇降装置」、「所定位置でパレットを保持するパレットストッパーを,パレット保持が可能な状態と保持ができない状熊とに切り替える第2の作動装置」の3つを追加して「備え」るとしたもの。
(イ)「シャトル式ワークテーブル装置」が行う一連の動作のうち、「次加工ワークをワーク加工ステーションへ移送後」に引き続き行う動作を、訂正前には「上段ステージを退避させると同時に下段ステージを上方空間の所定位置まで上昇させ、加工済みワークを搬出可能とすると共に、パレットを下段から上段へ移し変えて、」としていたものを、訂正により「昇降装置により上下二段ステージを上方空間の所定位置まで上昇させ、第2の作動装置によりパレットストッパーをパレット保持が可能な状熊に切り替える動作を行い、第1の作動装置により上段ステージを退避させると同時に加工済みワークを搬出可能とすると共に、昇降装置により上下二段ステージの下降動作を開始させ、下降途中でパレットストッパーによりパレットを保持し、さらに下降動作を続けて上下二段ステージを所定位置まで下降させ、第1の作動装置により上段ステージの退避を解き、昇降装置により上下二段ステージを上昇させることにより、パレットを下段から上段へ移し変え、第2の差動装置によりパレットストッパーをパレット保持ができない状態に切り替えて、」としたもの。
そこで、上記(ア)及び(イ)の事項各々について検討する。
(ア)について
当該(ア)に係る事項の訂正は、装置が備えるべき部材を3つ追加することを内容とする訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
訂正により追加された上記3つの装置は、願書に最初に添付した明細書の発明の実施例1を記載した【0019】の「上段レール1a付きアーム1は、アーム退避機能を有する第1の作動装置(回転式作動装置:ロータリーアクチュエータ)3及び腕部4を介して昇降装置5の昇降部5aに接続され、下段レール2a付きアーム2は、梁部材6を介して上段レール1a付きアーム1と所定回隔離間して配設されると共に、ガイドブロック7と一体に形成され、上下両アーム1、2共前記ガイドブロック7を介し、ガイドポスト8に沿って昇降自在とする第1のパレット保持台D1、D1、D1’、D1’を構成し、更に第2の作動装置(回転式作動装置:ロータリーアクチュエータ)9を用いて所定位置でパレットP1、P2…を保持するパレットストッパー10を有する第2のパレット保持台D2、D2、D2’、D2’を構成し」と記載した箇所、及び、【0030】の「第2の回転式作動装置9が作動し、パレットストッパー10が90°回転してパレットP1を下方から支持可能な状態とする。」と記載した箇所を参照すると、
【0019】の「アーム退避機能を有する第1の作動装置3」は、訂正により追加した1つ目の「上段ステージの退避機能を有する第1の作動装置」に相当した記載であり、
【0019】の「昇降装置5」は、訂正により追加した2つ目の「上下二段ステージを共に上昇/下降させる昇降装置」に相当する記載であり、
【0019】の「第2のパレット保持台D2、D2、D2′、D2′」にある「所定位置でパレットP1、P2…を保持するパレットストッパー10」を作動させる「第2の作動装置9」は、【0030】の回転によりパレットP1を支持可能な状態とする記載を加えると、訂正により追加した3つ目の「所定位置でパレットを保持するパレットストッパーを、パレット保持が可能な状態と保持ができない状態とに切り替える第2の作動装置」に相当するものとした記載が、3つの装置各々についてなされているから、(ア)の事項は、願書に最初に添付した明細書に記載した事項の範囲内である。
(イ)について
まず、(イ)のうちで、(上段ステージを退避させると同時に)「下段ステージを上方空間の所定位置まで上昇させ、」を「上下二段ステージを上方空間の所定位置まで上昇させ、」へと訂正した箇所について検討する。
当該事項は、願書に添付した当初明細書の【0019】に、「昇降装置5」が「上段レール1a付きアーム1」と「下段レール2a付きアーム2」の両方に接続されている旨が記載されており、「上段レール1a付きアーム1」が上段ステージに、「下段レール2a付きアーム2」が下段ステージになる関係から、下段ステージだけを別途独立して上昇させる態様の開示はそもそも存在しなかったことに加えて、ステージの上昇が、上段ステージの待避と同時ではなく、待避の前に行われるものであるから、この訂正は願書に最初に添付した明細書に記載されている範囲内のものであり、誤記の訂正を目的とする訂正であると認められる。
次に、(イ)のうち、「第2の作動装置によりパレットストッパーをパレット保持が可能な状熊に切り替える動作を行い、第1の作動装置により上段ステージを退避させると同時に加工済みワークを搬出可能とすると共に、昇降装置により上下二段ステージの下降動作を開始させ、下降途中でパレットストッパーによりパレットを保持し、さらに下降動作を続けて上下二段ステージを所定位置まで下降させ、第1の作動装置により上段ステージの退避を解き、昇降装置により上下二段ステージを上昇させることにより、パレットを下段から上段へ移し変え、第2の差動装置によりパレットストッパーをパレット保持ができない状態に切り替えて、」へと訂正する部分について検討する。
当該訂正事項は、願書に添付した当初明細書の【0029】-【0038】にかけて説明された、動作4から動作12に関する記載事項であって、上記(ア)で追加された「第1の作動装置」に当たる「第1の作動装置3」や、「昇降装置」に当たる「昇降装置5」や、「第2の作動装置」に当たる「第2の作動装置9」が、各々の動作段階でどのように動作するのかを説明した部分に等しいと認められる。
そうすると、当該訂正は、上記(ア)によって追加された3つの装置が、訂正前の装置の一連の動作とどのように関係するのかを、整合をとりつつ補うことを目的としたものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正であると認められる。
また、(イ)全体の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではないことが明らかである。
以上纏めると、訂正事項1は、誤記の訂正、明瞭でない記載の釈明、及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、また、願書に添付した明細書及び図面に記載した事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前の択一的な記載を、一つの特定事項にする訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正と認められる。
また、訂正事項2は、願書に最初に添付した明細書及び添付図面の、実施例1の一連の動きを記載及び図示した部分である、【0023】-【0040】、及び、図3~図14を参照して解るとおり、最初は図3中のT1(【0025】:「初期状態の位置」)で停止し、図4で下方のT2(【0027】:「第2ポジションとなる中間位置」)まで動き停止し、一旦初期位置T1まで上昇(【0029】)し、通過点Tx1を通過して(【0033】)更に下方のT3(【0034】:「第3ポジションとなる最下点」)で停止し、再び通過点Tx2を通過してT1に戻る(【0036】-【0037】:「第1のポジションとなる上方所定位置T1に達し、初期の待機状態に戻る。」)とすることが看取できる。
そうすると、訂正事項2の「昇降装置の昇降動作を上位、中位、下位の3点位置決め停止制御とした」は、当初明細書ないし添付図面に記載した事項の範囲内のものと認められる。
更に、訂正事項2に係る訂正は、訂正の目的から見て、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではないことが明らかである。
(3)まとめ
よって、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号、第2号、及び第3号に掲げる事項を目的とするものに該当し、かつ同条第5項及び第6項の規定に適合する。
2.一群の請求項について
訂正事項1及び2に係る訂正前の請求項1~3について、請求項2は請求項1を引用し、請求項3は請求項2を引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~3に対応する訂正後の請求項1~3は、特許法126条第3項に規定する一群の請求項である。
3.独立特許要件について
上記のとおり、本件訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を含むものであるから、本件訂正後における特許請求の範囲の請求項1~3に記載された発明(以下、まとめて「本件訂正発明」という。)が独立して特許を受けることができるかどうかについて検討しても、本件訂正発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見できない。
よって、本件訂正の訂正事項1ないし2は、いずれも特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号、第2号、及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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