特許訂正審判
2018-390075
レーザ加工装置
- 審判番号
- 2018-390075
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2006-069936
- 登録番号
- 特許第3990711号(P3990711)
- 請求日
- 2018年04月24日
- 審決日
- 2018年07月03日
- 公報発行日
- 2018年09月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】浜松ホトニクス 株式会社
- 【請求人代理人】長谷川 芳樹
- 【請求人代理人】柴田 昌聰
- 審判長/審判官
- 審判長 西村 泰英
- 審判官 栗田 雅弘
- 審判官 中川 隆司
- 分類
- P141 .841-Y (B23K) / P141 .851-Y (B23K) / P141 .857-Y (B23K)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項4号特許法126条3項特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第126条第3項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第3990711号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第3990711号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1〕及び〔2〕について訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判請求に係る特許第3990711号(以下「本件特許」という)は、2003年(平成15年)3月11日(優先権主張 2002年(平成14年)3月12日)を国際出願日とする特願2003-574373号の一部を平成18年3月14日に新たな特許出願(特願2006-69936号)としたものであって、平成19年7月27日に特許権の設定登録がなされ、平成30年4月24日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1,2について訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 本件訂正の内容
本件訂正の内容は、次のとおりである(下線部は訂正箇所を示す)。
1.訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「を備えることを特徴とするレーザ加工装置。」とあるのを、
「を備え、
前記切断予定ラインは、前記半導体基板の内側部分と外縁部との境界付近に始点及び終点が位置する、ことを特徴とするレーザ加工装置。」に訂正する。
2.訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に、
「前記制御部は、前記載置台及び前記集光用レンズの少なくとも1つの移動を制御することを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。」とあるのを、
「半導体基板の内部に、切断の起点となる改質領域を形成するレーザ加工装置であって、
前記半導体基板が載置される載置台と、
レーザ光を出射するレーザ光源と、
前記載置台に載置された前記半導体基板の内部に、前記レーザ光源から出射されたレーザ光を集光し、そのレーザ光の集光点の位置で前記改質領域を形成させる集光用レンズと、
前記改質領域を前記半導体基板の内部に形成するために、レーザ光の集光点を前記半導体基板の内部に位置させた状態で、前記半導体基板の切断予定ラインに沿ってレーザ光の集光点を移動させる制御部と、
前記載置台に載置された前記半導体基板を赤外線で照明する赤外透過照明と、
前記赤外透過照明により赤外線で照明された前記半導体基板における前記改質領域を撮像可能な撮像素子と、
を備え、
前記半導体基板はシリコン基板であり、
前記制御部は、前記載置台及び前記集光用レンズの少なくとも1つの移動を制御することを特徴とするレーザ加工装置。」に訂正する。
第4 当審の判断
1.訂正事項1
(1)訂正の目的について
訂正事項1は、請求項1に係る発明のレーザ加工装置が備える制御部が行う制御について、半導体基板の切断予定ラインが、「前記半導体基板の内側部分と外縁部との境界付近に始点及び終点が位置する」という限定を付加することで、制御内容を限定したものである。
よって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無について
上記(1)のとおり、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。この場合、当該訂正は願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものでなければならない。
そして、訂正事項1の内容は、願書に最初に添付した明細書の段落【0060】の「マスク36を用いずに、半導体基板1の内側部分32と外縁部31との境界付近に各切断予定ライン5の始点5a及び終点5bを位置させて、各切断予定ライン5に沿ってレーザ光の照射を行うことにより、内側部分32の内部に切断起点領域9a,9bを形成することも可能である。」という記載を根拠としており、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
よって、訂正事項1は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項1は、発明特定事項を直列的に付加するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について
訂正事項1による訂正後の請求項1に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができた本件特許の請求項1に係る発明を減縮するものである上、訂正事項1による訂正後の請求項1に係る発明について、特許査定された事情を変更すべき新たな事由を形成するものは、現時点では見当たらない。
よって、訂正事項1による訂正後の請求項1に係る発明が、特許出願の際独立して特許受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
2.訂正事項2
(1)訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前に請求項1の記載を引用する請求項2の記載を、当該請求項1の記載を引用しないものとする訂正と、訂正前の請求項2が引用する請求項1の「半導体基板」を「シリコン基板」にする訂正との、2つの訂正内容を含むものである。
そして、上記訂正事項2の前者の訂正は、訂正前の請求項2が訂正前の請求項1の記載を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1の記載を引用しない独立形式請求項に書き改めるものであるから、特許法第126条第1項ただし書第4号に掲げる他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。
また、上記訂正事項2の後者の訂正は、訂正前の請求項2が引用する請求項1に係る発明のレーザ加工装置が加工する半導体基板を、シリコン基板に限定することで、当該レーザ加工装置の仕様もシリコン基板の加工用に限定することも意味しているから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無について
上記(1)のとおり、訂正事項2は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正を含むものである。この場合、当該訂正は願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものでなければならない。
そして、訂正事項2の「シリコン基板」に限定する訂正の内容は、願書に最初に添付した明細書の段落【0015】の「シリコンウェハ等の半導体基板」という記載、同段落【0022】の「シリコン基板の厚さが500μm以下の場合、シリコン基板の内部ではレーザ光が80%以上透過する」という記載及び同段落【0038】の「実施例1に係る半導体基板1は、厚さ350μm、外径4インチの円板状のシリコンウェハ」という記載を根拠としており、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
よって、訂正事項2は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項2は、発明特定事項を直列的に付加するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではなく、また、請求項間の引用関係を解消し、請求項2の記載を請求項1の記載を引用しないものと改めるものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について
訂正事項2による訂正後の請求項2に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができた本件特許の請求項2に係る発明を減縮するものである上、訂正事項2による訂正後の請求項2に係る発明について、特許査定された事情を変更すべき新たな事由を形成するものは、現時点では見当たらない。
よって、訂正事項2による訂正後の請求項2に係る発明が、特許出願の際独立して特許受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
3.一群の請求項について
訂正前の請求項1及び2は、請求項2が、訂正の請求の対象である請求項1の記載を引用する関係にあるから、上記訂正事項1及び2は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項に対して請求されたものである。
ただし、訂正後の請求項2に係る訂正事項2は、引用関係の解消を目的とする訂正を含むものであって、特許権者から、訂正後の請求項2については、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することの求めがあったことから、請求項2は、請求項1とは別途訂正することを認めるものである。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第3項、第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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