特許訂正審判
2018-390025
ダンパ
- 審判番号
- 2018-390025
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2013-065548
- 登録番号
- 特許第6143517号(P6143517)
- 請求日
- 2018年02月05日
- 審決日
- 2018年07月24日
- 公報発行日
- 2018年10月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】KYB 株式会社
- 【請求人代理人】石川 憲
- 【請求人代理人】天野 泉
- 【請求人】東日本旅客鉄道 株式会社
- 【請求人代理人】石川 憲
- 【請求人代理人】天野 泉
- 【請求人】公益財団法人 鉄道総合技術研究所
- 【請求人代理人】石川 憲
- 【請求人代理人】天野 泉
- 審判長/審判官
- 審判長 平田 信勝
- 審判官 尾崎 和寛
- 審判官 内田 博之
- 分類
- P141 .853-Y (F16F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第6項、特許法第126条第5項、特許法第131条の2第1項、特許法第126条第4項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6143517号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6143517号の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第6143517号は、平成25年3月27日に特許出願され、平成29年5月19日に特許権の設定登録がされたものであって、その後平成30年2月5日付けで本件審判の請求がされ、同年3月20日付けで訂正拒絶理由が通知され、同年4月20日に意見書及び手続補正書の提出がされたものである。
第2 請求について
1.請求の趣旨
本件審判請求の趣旨は、特許第6143517号の明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
2.訂正の適否
上記「第1」のとおり、本件特許の特許権者は、本件審判請求に対しての当審からの訂正拒絶理由通知に対して平成30年4月20日に手続補正書を提出して、訂正請求書に添付した明細書について補正することを求めた(以下、「本件補正」という。)。
以下、本件訂正の内容及び本件補正の内容を列挙し、本件補正が訂正請求書の要旨を変更するものか否かを検討した後、訂正の適否について検討する。
(1)本件補正前の本件訂正の内容
本件審判請求に係る訂正(以下、「本件訂正」という。)に関しては、上記のとおり本件補正が求められているところ、本件補正前の訂正の内容は、次のとおりである(下線は、訂正箇所である。)。
ア 訂正事項1
願書に添付した明細書の段落【0010】に「上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段は、シリンダと、上記シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、上記シリンダ内に移動自在に挿入されて一端が上記ピストンに連結されるピストンロッドと、上記シリンダ内に上記ピストンで区画された伸側室と圧側室と、タンクとを備えたダンパにおいて、上記伸側室と上記圧側室とを連通する高減衰通路と、上記高減衰通路に設けられて通過する液体の流れに抵抗を与える高減衰バルブと、上記圧側室と上記タンクとを連通する排出通路および圧側吸込通路と、上記排出通路に設けられて上記圧側室から上記タンクへ向かう液体の流れに抵抗を与えるベースバルブと、上記圧側吸込通路に設けられて上記タンクから上記圧側室へ向かう液体の流れのみを許容する圧側チェックバルブと、上記伸側室と上記タンクとを連通する伸側吸込通路と、上記伸側吸込通路に設けられて上記タンクから上記伸側室へ向かう液体の流れのみを許容する伸側チェックバルブと、上記タンクから伸びるとともに途中で分岐して上記伸側室と上記圧側室とに通じる低減衰通路と、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記伸側室側に設けられて上記伸側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容するとともに通過する液体の流れに抵抗を与える伸側低減衰バルブと、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記圧側室側に設けられて上記圧側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容するとともに通過する液体の流れに抵抗を与える圧側低減衰バルブと、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記タンク側に設けられて上記低減衰通路を開閉する開閉弁と、上記低減衰通路に上記伸側低減衰バルブと並列するように設けた伸側オリフィスと、上記低減衰通路に上記伸側低減衰バルブに並列されるとともに上記伸側オリフィスに直列に設けられて上記伸側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容する伸側バイパスチェックバルブと、上記低減衰通路に上記圧側低減衰バルブと並列するように設けた圧側オリフィスと、上記低減衰通路に上記圧側低減衰バルブに並列されるとともに上記圧側オリフィスに直列に設けられて上記圧側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容する圧側バイパスチェックバルブとを備えたことを特徴とする。」とあるのを、「また、ユニフロー型のダンパでは、収縮作動時には、ピストンロッドがシリンダ内に侵入するため、ピストンロッドがシリンダ内に侵入する体積分の作動油がシリンダ内から排出されるのみであるものの、伸長作動時には、ピストンによってシリンダ内の伸側室が圧縮されて当該伸側室から作動油がタンクへ排出されるだけでなく、拡大される圧縮室ではピストンの断面積にピストンの移動距離を乗じた容積分の作動油が不足するので、この不足分の作動油をタンクから吸い込む必要がある。よって、ピストンの受圧面積を大きくする場合、ダンパが伸長作動時にタンクからシリンダ内へ吸い込む作動油量も必然的に多くなる。」に訂正する。
イ 訂正事項2
願書に添付した明細書の段落【0014】に「上記した目的を達成するために、本発明の課題解決手段は、シリンダと、当該シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、上記シリンダ内に移動自在に挿入されて一端が上記ピストンに連結されるピストンロッドと、上記シリンダ内に上記ピストンで区画された伸側室と圧側室と、タンクとを備えたダンパにおいて、上記伸側室と上記圧側室とを連通する高減衰通路と、上記高減衰通路に設けられて通過する液体の流れに抵抗を与える高減衰バルブと、上記圧側室と上記タンクとを連通する排出通路および圧側吸込通路と、上記排出通路に設けられて上記圧側室から上記タンクへ向かう液体の流れに抵抗を与えるベースバルブと、上記圧側吸込通路に設けられて上記タンクから上記圧側室へ向かう液体の流れのみを許容する圧側チェックバルブと、上記伸側室と上記タンクとを連通する伸側吸込通路と、上記伸側吸込通路に設けられて上記タンクから上記伸側室へ向かう液体の流れのみを許容する伸側チェックバルブと、上記タンクから伸びるとともに途中で分岐して上記伸側室と上記圧側室とに通じる低減衰通路と、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記伸側室側に設けられて上記伸側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容するとともに通過する液体の流れに抵抗を与える伸側低減衰バルブと、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記圧側室側に設けられて上記圧側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容するとともに通過する液体の流れに抵抗を与える圧側低減衰バルブと、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記タンク側に設けられて当該低減衰通路を開閉する開閉弁とを備えたことを特徴とする。」とあるのを、「上記した目的を達成するために、本発明の課題解決手段は、シリンダと、上記シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、上記シリンダ内に移動自在に挿入されて一端が上記ピストンに連結されるピストンロッドと、上記シリンダ内に上記ピストンで区画された伸側室と圧側室と、タンクとを備えたダンパにおいて、上記伸側室と上記圧側室とを連通する高減衰通路と、上記高減衰通路に設けられて通過する液体の流れに抵抗を与える高減衰バルブと、上記圧側室と上記タンクとを連通する排出通路および圧側吸込通路と、上記排出通路に設けられて上記圧側室から上記タンクへ向かう液体の流れに抵抗を与えるベースバルブと、上記圧側吸込通路に設けられて上記タンクから上記圧側室へ向かう液体の流れのみを許容する圧側チェックバルブと、上記伸側室と上記タンクとを連通する伸側吸込通路と、上記伸側吸込通路に設けられて上記タンクから上記伸側室へ向かう液体の流れのみを許容する伸側チェックバルブと、上記タンクから伸びるとともに途中で分岐して上記伸側室と上記圧側室とに通じる低減衰通路と、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記伸側室側に設けられて上記伸側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容するとともに通過する液体の流れに抵抗を与える伸側低減衰バルブと、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記圧側室側に設けられて上記圧側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容するとともに通過する液体の流れに抵抗を与える圧側低減衰バルブと、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記タンク側に設けられて上記低減衰通路を開閉する開閉弁と、上記低減衰通路に上記伸側低減衰バルブと並列するように設けた伸側オリフィスと、上記低減衰通路に上記伸側低減衰バルブに並列されるとともに上記伸側オリフィスに直列に設けられて上記伸側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容する伸側バイパスチェックバルブと、上記低減衰通路に上記圧側低減衰バルブと並列するように設けた圧側オリフィスと、上記低減衰通路に上記圧側低減衰バルブに並列されるとともに上記圧側オリフィスに直列に設けられて上記圧側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容する圧側バイパスチェックバルブとを備えたことを特徴とする。」に訂正する。
(2)本件補正の内容
本件補正の内容は次のとおりである(下線は補正箇所を示す。)。
ア 補正事項1
審判請求書第2頁第18行目から第4頁第5行目までの「ア 訂正事項1」を下記のように補正する。
「ア 訂正事項1
願書に添付した明細書の段落【0010】に「上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段は、シリンダと、上記シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、上記シリンダ内に移動自在に挿入されて一端が上記ピストンに連結されるピストンロッドと、上記シリンダ内に上記ピストンで区画された伸側室と圧側室と、タンクとを備えたダンパにおいて、上記伸側室と上記圧側室とを連通する高減衰通路と、上記高減衰通路に設けられて通過する液体の流れに抵抗を与える高減衰バルブと、上記圧側室と上記タンクとを連通する排出通路および圧側吸込通路と、上記排出通路に設けられて上記圧側室から上記タンクへ向かう液体の流れに抵抗を与えるベースバルブと、上記圧側吸込通路に設けられて上記タンクから上記圧側室へ向かう液体の流れのみを許容する圧側チェックバルブと、上記伸側室と上記タンクとを連通する伸側吸込通路と、上記伸側吸込通路に設けられて上記タンクから上記伸側室へ向かう液体の流れのみを許容する伸側チェックバルブと、上記タンクから伸びるとともに途中で分岐して上記伸側室と上記圧側室とに通じる低減衰通路と、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記伸側室側に設けられて上記伸側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容するとともに通過する液体の流れに抵抗を与える伸側低減衰バルブと、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記圧側室側に設けられて上記圧側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容するとともに通過する液体の流れに抵抗を与える圧側低減衰バルブと、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記タンク側に設けられて上記低減衰通路を開閉する開閉弁と、上記低減衰通路に上記伸側低減衰バルブと並列するように設けた伸側オリフィスと、上記低減衰通路に上記伸側低減衰バルブに並列されるとともに上記伸側オリフィスに直列に設けられて上記伸側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容する伸側バイパスチェックバルブと、上記低減衰通路に上記圧側低減衰バルブと並列するように設けた圧側オリフィスと、上記低減衰通路に上記圧側低減衰バルブに並列されるとともに上記圧側オリフィスに直列に設けられて上記圧側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容する圧側バイパスチェックバルブとを備えたことを特徴とする。」とあるのを、「また、ユニフロー型のダンパでは、伸長作動時に、拡大する圧側室でタンクから吸い込む液体量は、ピストンの断面積にピストンの移動量を乗じた容積分となる。」に訂正する。」
イ 補正事項2
審判請求書第6頁第5行目から第7頁第3行目までの「訂正事項1(a),(b),(c)」を下記のように補正する。
「(ア)訂正事項1
(a)訂正の目的について
上記訂正事項1は、「発明が解決しようとする課題」の説明中に、唐突に本発明の課題解決手段が記載されており、他の記載との関係で不明瞭となっている訂正前の段落0010の記載を明瞭にするものである。
したがって、上記訂正事項1は、特許法第126条第1項但し書き第3号の明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(b)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
上記(a)の理由から明らかなように、上記訂正事項1は、単に明細書中の「発明が解決しようとする課題」の欄の明瞭でない記載を釈明するためのものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。
(c)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること
上記訂正事項1は、段落0047の「他方、従来のユニフローダンパでは、伸長作動時に圧側室で吸い込む液体量は、ピストンの断面積にピストンの移動量を乗じた容積分である。」との記載に基づいてされた訂正である。
したがって、上記訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることは明らかであり、特許法第126条第5項に適合するものである。」
ウ 補正事項3
審判請求書第7頁第4行目から8行目までの「訂正事項1(d)」を削除する。
エ 補正事項4
審判請求書第7頁12行目から13行目の「特許法第126条第1項ただし書第2号」とあるのを「特許法第126条第1項但し書き第2号」とする。」
(3)本件補正の適否
ア 審判請求書の補正はその要旨を変更するものであってはならないものであるところ(特許法第131条の2第1項)、要旨の変更とは、審判請求書の記載事項のうち、特に請求の趣旨の記載を変更することによって,補正の前後間で請求の基礎である「審判を申し立てている事項」の同一性や範囲を変更することである(審判便覧 54-05.1P 1.概要)。
イ 上記補正事項1-3による審判請求書の補正は、訂正事項1が、願書に添付した明細書の段落【0010】の記載に関し、それ自体の記載内容が他の記載との関係において不合理を生じているのを正すものであるといえる訂正であり、本来「明瞭でない記載の釈明」を目的とすべきであったのを、誤って「誤記の訂正」としたものを正しくするための補正であって、しかも、実質的には補正前の訂正事項1の一部を削除するものといえ、いわゆる訂正事項の減縮的変更に相当する補正である。したがって、補正事項1-3による審判請求書の補正は「審判を申し立てている事項」の同一性や範囲を変更するものではない。
よって、補正事項1-3は、審判請求書の要旨を変更するものではない。
ウ 上記補正事項4による審判請求書の補正は、軽微な瑕疵の補正といえ、審判請求書の要旨を変更するものではない。
エ 以上のとおりであるから、本件補正は認められ、そして本件補正によって平成30年3月20日付けで通知した訂正拒絶理由は解消したといえる。
(4)本件訂正の内容
上記(3)のとおり、本件補正が認められるから、本件訂正の内容は次のとおりとなる(下線は、訂正箇所である。)。
ア 訂正事項1
願書に添付した明細書の段落【0010】に「上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段は、シリンダと、上記シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、上記シリンダ内に移動自在に挿入されて一端が上記ピストンに連結されるピストンロッドと、上記シリンダ内に上記ピストンで区画された伸側室と圧側室と、タンクとを備えたダンパにおいて、上記伸側室と上記圧側室とを連通する高減衰通路と、上記高減衰通路に設けられて通過する液体の流れに抵抗を与える高減衰バルブと、上記圧側室と上記タンクとを連通する排出通路および圧側吸込通路と、上記排出通路に設けられて上記圧側室から上記タンクへ向かう液体の流れに抵抗を与えるベースバルブと、上記圧側吸込通路に設けられて上記タンクから上記圧側室へ向かう液体の流れのみを許容する圧側チェックバルブと、上記伸側室と上記タンクとを連通する伸側吸込通路と、上記伸側吸込通路に設けられて上記タンクから上記伸側室へ向かう液体の流れのみを許容する伸側チェックバルブと、上記タンクから伸びるとともに途中で分岐して上記伸側室と上記圧側室とに通じる低減衰通路と、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記伸側室側に設けられて上記伸側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容するとともに通過する液体の流れに抵抗を与える伸側低減衰バルブと、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記圧側室側に設けられて上記圧側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容するとともに通過する液体の流れに抵抗を与える圧側低減衰バルブと、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記タンク側に設けられて上記低減衰通路を開閉する開閉弁と、上記低減衰通路に上記伸側低減衰バルブと並列するように設けた伸側オリフィスと、上記低減衰通路に上記伸側低減衰バルブに並列されるとともに上記伸側オリフィスに直列に設けられて上記伸側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容する伸側バイパスチェックバルブと、上記低減衰通路に上記圧側低減衰バルブと並列するように設けた圧側オリフィスと、上記低減衰通路に上記圧側低減衰バルブに並列されるとともに上記圧側オリフィスに直列に設けられて上記圧側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容する圧側バイパスチェックバルブとを備えたことを特徴とする。」とあるのを、「また、ユニフロー型のダンパでは、伸長作動時に、拡大する圧側室でタンクから吸い込む液体量は、ピストンの断面積にピストンの移動量を乗じた容積分となる。」に訂正する。
イ 訂正事項2
願書に添付した明細書の段落【0014】に「上記した目的を達成するために、本発明の課題解決手段は、シリンダと、当該シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、上記シリンダ内に移動自在に挿入されて一端が上記ピストンに連結されるピストンロッドと、上記シリンダ内に上記ピストンで区画された伸側室と圧側室と、タンクとを備えたダンパにおいて、上記伸側室と上記圧側室とを連通する高減衰通路と、上記高減衰通路に設けられて通過する液体の流れに抵抗を与える高減衰バルブと、上記圧側室と上記タンクとを連通する排出通路および圧側吸込通路と、上記排出通路に設けられて上記圧側室から上記タンクへ向かう液体の流れに抵抗を与えるベースバルブと、上記圧側吸込通路に設けられて上記タンクから上記圧側室へ向かう液体の流れのみを許容する圧側チェックバルブと、上記伸側室と上記タンクとを連通する伸側吸込通路と、上記伸側吸込通路に設けられて上記タンクから上記伸側室へ向かう液体の流れのみを許容する伸側チェックバルブと、上記タンクから伸びるとともに途中で分岐して上記伸側室と上記圧側室とに通じる低減衰通路と、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記伸側室側に設けられて上記伸側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容するとともに通過する液体の流れに抵抗を与える伸側低減衰バルブと、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記圧側室側に設けられて上記圧側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容するとともに通過する液体の流れに抵抗を与える圧側低減衰バルブと、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記タンク側に設けられて当該低減衰通路を開閉する開閉弁とを備えたことを特徴とする。」とあるのを、「上記した目的を達成するために、本発明の課題解決手段は、シリンダと、上記シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、上記シリンダ内に移動自在に挿入されて一端が上記ピストンに連結されるピストンロッドと、上記シリンダ内に上記ピストンで区画された伸側室と圧側室と、タンクとを備えたダンパにおいて、上記伸側室と上記圧側室とを連通する高減衰通路と、上記高減衰通路に設けられて通過する液体の流れに抵抗を与える高減衰バルブと、上記圧側室と上記タンクとを連通する排出通路および圧側吸込通路と、上記排出通路に設けられて上記圧側室から上記タンクへ向かう液体の流れに抵抗を与えるベースバルブと、上記圧側吸込通路に設けられて上記タンクから上記圧側室へ向かう液体の流れのみを許容する圧側チェックバルブと、上記伸側室と上記タンクとを連通する伸側吸込通路と、上記伸側吸込通路に設けられて上記タンクから上記伸側室へ向かう液体の流れのみを許容する伸側チェックバルブと、上記タンクから伸びるとともに途中で分岐して上記伸側室と上記圧側室とに通じる低減衰通路と、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記伸側室側に設けられて上記伸側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容するとともに通過する液体の流れに抵抗を与える伸側低減衰バルブと、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記圧側室側に設けられて上記圧側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容するとともに通過する液体の流れに抵抗を与える圧側低減衰バルブと、上記低減衰通路の上記分岐点よりも上記タンク側に設けられて上記低減衰通路を開閉する開閉弁と、上記上記低減衰通路に上記伸側低減衰バルブと並列するように設けた伸側オリフィスと、上記低減衰通路に上記伸側低減衰バルブに並列されるとともに上記伸側オリフィスに直列に設けられて上記伸側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容する伸側バイパスチェックバルブと、上記低減衰通路に上記圧側低減衰バルブと並列するように設けた圧側オリフィスと、上記低減衰通路に上記圧側低減衰バルブに並列されるとともに上記圧側オリフィスに直列に設けられて上記圧側室から上記タンクへ向かう液体の流れのみを許容する圧側バイパスチェックバルブとを備えたことを特徴とする。」に訂正する。
(5)本件訂正の適否
ア 訂正事項1
(ア)訂正の目的
訂正事項1は、訂正前の請求書に添付した明細書の段落【0010】の記載に関し、前後の段落の記載との関係で記載内容が整合しておらず、それ自体の記載内容が他の記載との関係において不合理を生じているのを正すものであるといえる訂正であり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的としたものといえる。
(イ)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無
訂正事項1は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正には該当しない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(ウ)新規事項追加の有無
特許権者は、訂正事項1は、願書に添付した明細書の段落【0047】の「他方、従来のユニフローダンパでは、伸長作動時に圧側室で吸い込む液体量は、ピストンの断面積にピストンの移動量を乗じた容積分である。」との記載に基づいてされた訂正であると主張するところ、願書に添付した明細書の段落【0005】及び【0006】に従来技術としてユニフロー型のダンパが挙げられ、また、同段落【0011】でダンパの作動油の移動量について述べられ、更に、同段落【0015】でユニフロー型のダンパ作動油の移動量に関する課題を解決する旨述べられていることからすれば、願書に添付した明細書の段落【0047】の記載に基づく訂正は、新たな技術的事項を導入するものでない。したがって、訂正事項1は願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであるといえ、特許法第126条第5項に適合するものである。
イ 訂正事項2
(ア)訂正の目的
訂正事項2は、発明の詳細な説明の記載を請求項1の記載と整合するように訂正するものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
なお、特許権者は、訂正の目的を、「誤記の訂正」を目的とするものとしているが(本件補正後の審判請求書第6ページ下から2行~1行)、訂正事項2は、それ自体の記載内容が他の記載との関係において不合理を生じている記載を正すものといえるから、「誤記の訂正」ではなく「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものといえる。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的としたものといえる。
(イ)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無
訂正事項2は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正には該当しない。
したがって、訂正事項2は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(ウ)新規事項追加の有無
訂正事項2は、請求項1の記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第126条第5項に適合するものである。
ウ 一群の請求項
訂正事項1及び2による、願書に添付した明細書の訂正は、当該明細書に係る一群の請求項の全てに関係するものである。
したがって、訂正事項1及び2は、特許法第126条第4項の規定に適合するものである。
エ 独立特許要件
上記ア及びイで述べたとおり、訂正事項1及び2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的としたものといえるから、特許法第126条第7項に規定する要件は課されない。
第3 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、いずれも、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第4項ないし第6項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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