特許拒絶査定不服審判
2018-010824
提供装置、提供方法、及び提供プログラム
- 審判番号
- 2018-010824
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-085440外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年08月07日
- 審決日
- 2019年08月19日
- 公報発行日
- 2019年11月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ヤフー株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人酒井国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (G06Q) / P18 .561-Z (G06Q)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2017- 85440「提供装置、提供方法、及び提供プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年11月22日出願公開、特開2018-185575〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は,平成29年4月24日の出願であって,その手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年12月 8日付け:拒絶理由通知書
平成30年 2月13日 :意見書の提出
平成30年 4月27日付け:拒絶査定
平成30年 8月 7日 :審判請求書,手続補正書の提出
第2 平成30年8月7日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成30年8月7日にされた手続補正(以下,「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について
(1)本件補正による補正前後の特許請求の範囲は,次のとおりである。
ア 本件補正前の特許請求の範囲
「【請求項1】
事業者が指定した商品または商品のカテゴリを示す指定情報を取得する取得部と,
前記指定情報に対応するキーワードに関連する行動履歴における傾向を示す傾向情報を,前記事業者に提供する提供部と,
を備えることを特徴とする提供装置。
【請求項2】
前記提供部は,
前記指定情報に対応するキーワードに関連する行動を行ったユーザの属性情報を含む前記傾向情報を,前記事業者に提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の提供装置。
【請求項3】
前記提供部は,
前記指定情報に対応するキーワードに関連する行動を行ったユーザの年齢に関する情報を含む前記傾向情報を,前記事業者に提供する
ことを特徴とする請求項2に記載の提供装置。
【請求項4】
前記提供部は,
前記指定情報に対応するキーワードに関連する行動を行ったユーザの性別に関する情報を含む前記傾向情報を,前記事業者に提供する
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の提供装置。
【請求項5】
前記提供部は,
前記指定情報に対応するキーワードに関連する行動を行ったユーザの位置情報を含む前記傾向情報を,前記事業者に提供する
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の提供装置。
【請求項6】
前記提供部は,
情報提供に対して課金される前記事業者に,前記傾向情報を提供する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の提供装置。
【請求項7】
前記提供部は,
情報提供に対して入札された金額に基づいて決定された前記事業者に前記傾向情報を提供する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の提供装置。
【請求項8】
前記取得部は,
前記事業者と競合する競合事業者の商品または当該商品のカテゴリを示す指定情報を取得し,
前記提供部は,
前記事業者に,前記競合事業者に関する傾向情報を提供する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の提供装置。
【請求項9】
前記提供部は,
前記指定情報に対応するキーワードが用いられた検索における傾向を示す前記傾向情報を,前記事業者に提供する
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の提供装置。
【請求項10】
前記提供部は,
前記指定情報に対応するキーワードとともに検索に用いられた他のキーワードを含む前記傾向情報を,前記事業者に提供する
ことを特徴とする請求項9に記載の提供装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する提供方法であって,
事業者が指定した商品または商品のカテゴリを示す指定情報を取得する取得工程と,
前記指定情報に対応するキーワードに関連する行動履歴における傾向を示す傾向情報を,前記事業者に提供する提供工程と,
を含むことを特徴とする提供方法。
【請求項12】
事業者が指定した商品または商品のカテゴリを示す指定情報を取得する取得手順と,
前記指定情報に対応するキーワードに関連する行動履歴における傾向を示す傾向情報を,前記事業者に提供する提供手順と,
をコンピュータに実行させることを特徴とする提供プログラム。」
イ 本件補正後の特許請求の範囲(下線部は,補正箇所である。)
「 【請求項1】
事業者が指定した商品または商品のカテゴリを示す指定情報を取得する取得部と,
前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリと共起されたキーワードが用いられた検索における傾向を示す傾向情報を前記事業者に提供する提供部と,
を備えることを特徴とする提供装置。
【請求項2】
前記提供部は,
前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリと共起されたキーワードで検索を行ったユーザの属性情報を含む前記傾向情報を,前記事業者に提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の提供装置。
【請求項3】
前記提供部は,
前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリと共起されたキーワードで検索を行ったユーザの年齢に関する情報を含む前記傾向情報を,前記事業者に提供する
ことを特徴とする請求項2に記載の提供装置。
【請求項4】
前記提供部は,
前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリと共起されたキーワードで検索を行ったユーザの性別に関する情報を含む前記傾向情報を,前記事業者に提供する
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の提供装置。
【請求項5】
前記提供部は,
前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリと共起されたキーワードで検索を行ったユーザの位置情報を含む前記傾向情報を,前記事業者に提供する
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の提供装置。
【請求項6】
前記提供部は,
情報提供に対して課金される前記事業者に,前記傾向情報を提供する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の提供装置。
【請求項7】
前記提供部は,
情報提供に対して入札された金額に基づいて決定された前記事業者に前記傾向情報を提供する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の提供装置。
【請求項8】
前記取得部は,
前記事業者と競合する競合事業者の商品または当該商品のカテゴリを示す指定情報を取得し,
前記提供部は,
前記事業者に,前記競合事業者に関する傾向情報を提供する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の提供装置。
【請求項9】
前記提供部は,
前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリと共起されたキーワードとともに検索に用いられた他のキーワードを含む前記傾向情報を,前記事業者に提供する
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の提供装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する提供方法であって,
事業者が指定した商品または商品のカテゴリを示す指定情報を取得する取得工程と,
前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリと共起されたキーワードが用いられた検索における傾向を示す傾向情報を前記事業者に提供する提供工程と,
を含むことを特徴とする提供方法。
【請求項11】
事業者が指定した商品または商品のカテゴリを示す指定情報を取得する取得手順と,
前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリと共起されたキーワードが用いられた検索における傾向を示す傾向情報を前記事業者に提供する提供手順と,
をコンピュータに実行させることを特徴とする提供プログラム。」
(2)上記(1)によれば,本件補正は,次の補正事項を含むものである。
本件補正は,請求項1及び請求項1を引用する請求項2~9,請求項10並びに請求項11において,事業者に提供される「傾向情報」が「前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリと共起されたキーワードが用いられた検索」における「傾向」を示すものである旨(以下,「補正事項1」という。)を新たに特定するものである。
本件補正は,請求項2及び請求項2を引用する請求項3~9,請求項3及び請求項3を引用する請求項4~9,請求項4及び請求項4を引用する請求項5~9,並びに,請求項5及び請求項5を引用する請求項6~9において,さらに,「傾向情報」が「前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリと共起されたキーワードで検索を行ったユーザの」「属性情報」(請求項2),「年齢に関する情報」(請求項3),「性別に関する情報」(請求項4),「位置情報」(請求項5)を含むものである旨(以下,「補正事項2」という。)を新たに特定するものである。
2 補正の適否について
以下,補正事項1及び補正事項2について,本件補正が願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面(以下,「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものか否かを検討する。
(1)「前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリと共起されたキーワードが用いられた検索における傾向を示す傾向情報」について
ア 本件補正後の特許請求の範囲の「前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリと共起されたキーワードが用いられた検索における傾向を示す傾向情報」は,文言上,「共起されたキーワードが用いられた検索における傾向を示す」「傾向情報」であり,このうち,「共起されたキーワード」は,「前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリと共起されたキーワード」である。
これを,例えば,発明の詳細な説明の【0030】,【0031】の記載の例示と照らせば,商品「お茶X」と共起されたキーワードは,「苦い」,「高い」,「美味しい」などであり,「共起されたキーワードが用いられた検索」は,「苦い」,「高い」,「美味しい」等の「キーワードを含む全ての検索(「お茶X」を含まない。)」との意味を含むものである。
すなわち,補正事項1で補正された「提供部」は「前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリと共起されたキーワードが用いられた検索における傾向を示す傾向情報を前記事業者に提供する提供部」であり,「お茶X」を含まない「苦い」,「高い」,「美味しい」等のキーワードを含む「検索における傾向を示す傾向情報を前記事業者に提供する」構成を含んでいるといえる。
これに対して,当初明細書等においては,後記(2)のとおり,そのような提供部の技術思想が開示されていないから,補正事項1は新規事項の構成を含むものである。
イ 発明の詳細な説明に記載された事項を参酌して,本件補正後の特許請求の範囲の「傾向情報」を「前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリ(のキーワード)と(上記キーワードと)共起されたキーワード(と)が用いられた検索における傾向を示す傾向情報」と捉え,上記の例示に照らして,「前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリ(のキーワード)」は「お茶X」であり,「共起されたキーワード」は,「苦い」,「高い」,「美味しい」等であり,「お茶X」と,「苦い」,「高い」,「美味しい」等とが用いられた検索における傾向を示す傾向情報は,「商品「お茶X」とともにクエリとして用いられるキーワードのうち,65%が「苦い」であり,20%が「高い」であり,10%が「美味しい」であり,5%が「CM」であることを示す傾向情報であると捉えた場合も,後記(3)のとおり,補正事項2により補正された「前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリと共起されたキーワードで検索を行ったユーザの性別に関する情報を含む前記傾向情報」の技術思想は,発明の詳細な説明に記載されていない。
ウ してみると,本願発明の上記記載は,いずれの意味と捉えても,新規事項を含むものであり,当該記載を含む平成30年8月7日付け補正は却下すべきものと認める。
(2)補正事項1について
ア 事業者に提供される「傾向情報」について,当初明細書等には,次のとおり記載されている(下線は,当審が付した。)。
(ア)「【0020】
まず,提供装置100は,ユーザU1が利用する端末装置10-1からクエリを取得する(ステップS11-1)。図1の例では,提供装置100は,日時dt11-1において,端末装置10-1からクエリ「お茶X 苦い」を取得する。そして,提供装置100は,クエリ「お茶X 苦い」に対応する検索結果を端末装置10-1へ提供する(ステップS12-1)。また,提供装置100は,日時dt11-1において,ユーザU1がクエリ「お茶X 苦い」を用いて検索を行ったことを示す行動情報を行動情報記憶部123に記憶する。
【0021】
また,提供装置100は,ユーザU2が利用する端末装置10-2からクエリを取得する(ステップS11-2)。図1の例では,提供装置100は,日時dt11-2において,端末装置10-2からクエリ「お茶Y 甘い」を取得する。そして,提供装置100は,クエリ「お茶Y 甘い」に対応する検索結果を端末装置10-2へ提供する(ステップS12-2)。また,提供装置100は,日時dt11-2において,ユーザU2がクエリ「お茶Y 甘い」を用いて検索を行ったことを示す行動情報を行動情報記憶部123に記憶する。
【0022】
また,提供装置100は,ユーザU3が利用する端末装置10-3からクエリを取得する(ステップS11-3)。図1の例では,提供装置100は,日時dt11-3において,端末装置10-3からクエリ「スマホ バッテリ」を取得する。そして,提供装置100は,クエリ「スマホ バッテリ」に対応する検索結果を端末装置10-3へ提供する(ステップS12-3)。また,提供装置100は,日時dt11-2において,ユーザU3がクエリ「スマホ バッテリ」を用いて検索を行ったことを示す行動情報を行動情報記憶部123に記憶する。
(イ)「【0024】
まず,提供装置100は,ユーザU5が利用する端末装置10-5からクエリを取得する(ステップS11-5)。図1の例では,提供装置100は,日時dt11-5において,端末装置10-5からクエリ「お茶X 高い」を取得する。そして,提供装置100は,クエリ「お茶X 高い」に対応する検索結果を端末装置10-5へ提供する(ステップS12-5)。また,提供装置100は,日時dt11-5において,ユーザU5がクエリ「お茶X 高い」を用いて検索を行ったことを示す行動情報を行動情報記憶部123に記憶する。」
(ウ)「【0027】
そして,提供装置100は,指定情報に対応する情報を抽出する(ステップS14)。例えば,提供装置100は,検索に用いられたクエリから指定情報に対応する情報を抽出する。図1の例では,提供装置100は,指定情報「お茶X」に対応する文字列を含むクエリを抽出する。例えば,提供装置100は,ステップS11において取得したクエリに関する情報に基づいて,情報を抽出する。図1の例では,提供装置100は,行動情報記憶部123に記憶されたクエリに関する情報のうち,指定情報に対応するクエリに関する情報を抽出する。
【0028】
例えば,提供装置100は,ユーザU1がクエリ「お茶X」と組み合わせてクエリ「苦い」を用いたことを示す情報を行動情報記憶部123から抽出する。また,例えば,提供装置100は,ユーザU1が20代男性であること等を示すユーザU1に関するユーザ情報をユーザ情報記憶部122(図5参照)から抽出する。
【0029】
例えば,提供装置100は,ユーザU5がクエリ「お茶X」と組み合わせてクエリ「高い」を用いたことを示す情報を行動情報記憶部123から抽出する。また,例えば,提供装置100は,ユーザU5が30代女性であること等を示すユーザU5に関するユーザ情報をユーザ情報記憶部122(図5参照)から抽出する。
【0030】
そして,提供装置100は,抽出したクエリに関する情報に基づいて傾向情報を生成する(ステップS15)。図1の例では,提供装置100は,傾向情報記憶部124に示すような傾向情報を生成する。例えば,提供装置100は,商品「お茶X」とともにクエリとして用いられるキーワードのうち,65%が「苦い」であり,20%が「高い」であり,10%が「美味しい」であり,5%が「CM」であることを示す傾向情報を生成する。また,例えば,提供装置100は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,男性が「20%」であり,女性が「80%」であることを示す傾向情報を生成する。また,例えば,提供装置100は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,10代が「65%」等であることを示す傾向情報を生成する。
【0031】
そして,提供装置100は,事業者に傾向情報を提供する(ステップS16)。図1の例では,提供装置100は,指定情報の送信元である飲料メーカMAに生成した傾向情報を提供する。例えば,提供装置100は,商品「お茶X」とともにクエリとして用いられるキーワードのうち,65%が「苦い」であり,20%が「高い」であり,10%が「美味しい」であり,5%が「CM」であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。また,例えば,提供装置100は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,男性が「20%」であり,女性が「80%」であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。また,図1の例では,提供装置100は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,10代が「65%」等であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。」
(エ)「【0064】
図7の例は,商品「お茶X」とともにクエリとして用いられるキーワードのうち,65%が「苦い」であり,20%が「高い」であり,10%が「美味しい」であり,5%が「CM」であることを示す。また,図7の例では,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,男性が「20%」であり,女性が「80%」であることを示す。また,図7の例では,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,10代が「65%」等であることを示す。」
(オ)「【0074】
例えば,抽出部132は,取得部131により取得されたクエリに関する情報に基づいて,情報を抽出する。図1の例では,抽出部132は,行動情報記憶部123に記憶されたクエリに関する情報のうち,指定情報に対応するクエリに関する情報を抽出する。
【0075】
図1の例では,抽出部132は,ユーザU1がクエリ「お茶X」と組み合わせてクエリ「苦い」を用いたことを示す情報を行動情報記憶部123から抽出する。また,図1の例では,抽出部132は,ユーザU1が20代男性であること等を示すユーザU1に関するユーザ情報をユーザ情報記憶部122(図5参照)から抽出する。
【0076】
図1の例では,抽出部132は,ユーザU5がクエリ「お茶X」と組み合わせてクエリ「高い」を用いたことを示す情報を行動情報記憶部123から抽出する。また,図1の例では,抽出部132は,ユーザU5が30代女性であること等を示すユーザU5に関するユーザ情報をユーザ情報記憶部122(図5参照)から抽出する。」
(カ)「【0078】
図1の例では,生成部133は,商品「お茶X」とともにクエリとして用いられるキーワードのうち,65%が「苦い」であり,20%が「高い」であり,10%が「美味しい」であり,5%が「CM」であることを示す傾向情報を生成する。また,図1の例では,生成部133は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,男性が「20%」であり,女性が「80%」であることを示す傾向情報を生成する。また,図1の例では,生成部133は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,10代が「65%」であり,20代が「20%」等であることを示す傾向情報を生成する。」
(キ)「【0082】
図1の例では,提供部134は,商品「お茶X」とともにクエリとして用いられるキーワードのうち,65%が「苦い」であり,20%が「高い」であり,10%が「美味しい」であり,5%が「CM」であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。また,図1の例では,提供部134は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,男性が「20%」であり,女性が「80%」であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。また,図1の例では,提供部134は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,10代が「65%」であり,20代が「20%」等であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。」
(ク)「【0084】
図8に示すように,提供装置100は,検索に用いられたクエリを取得する(ステップS101)。図1の例では,提供装置100は,端末装置10-1からクエリ「お茶X 苦い」を取得する。また,図1の例では,提供装置100は,端末装置10-2からクエリ「お茶Y 甘い」を取得する。また,図1の例では,提供装置100は,端末装置10-3からクエリ「スマホ バッテリ」を取得する。また,図1の例では,提供装置100は,端末装置10-4からクエリ「天気」を取得する。また,図1の例では,提供装置100は,端末装置10-5からクエリ「お茶X 高い」を取得する。提供装置100は,ユーザU1~ユーザU5等の多数のユーザが検索に用いたクエリを取得する。また,提供装置100は,事業者から指定情報を取得する。図1の例では,提供装置100は,飲料メーカMAが利用する事業者装置20から商品「お茶X」を指定する指定情報を取得する。
【0085】
また,提供装置100は,指定情報に対応する情報を抽出する(ステップS102)。例えば,提供装置100は,検索に用いられたクエリから指定情報に対応する情報を抽出する。図1の例では,提供装置100は,指定情報「お茶X」に対応する文字列を含むクエリを抽出する。
【0086】
そして,提供装置100は,抽出したクエリに関する情報に基づいて傾向情報を生成する(ステップS103)。図1の例では,提供装置100は,傾向情報記憶部124に示すような傾向情報を生成する。
【0087】
そして,提供装置100は,事業者に傾向情報を提供する(ステップS104)。図1の例では,提供装置100は,商品「お茶X」とともにクエリとして用いられるキーワードのうち,65%が「苦い」であり,20%が「高い」であり,10%が「美味しい」であり,5%が「CM」であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。また,図1の例では,提供装置100は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,男性が「20%」であり,女性が「80%」であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。また,図1の例では,提供装置100は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,10代が「65%」であり,20代が「20%」等であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。」
(ケ)「【0090】
そして,提供装置100は,指定情報に対応する情報を抽出する。図9の例では,提供装置100は,指定情報「お茶Y」に対応する文字列を含むクエリを抽出する。例えば,提供装置100は,ユーザU2がクエリ「お茶Y」と組み合わせてクエリ「甘い」を用いたことを示す情報を行動情報記憶部123(図6参照)から抽出する。また,例えば,提供装置100は,ユーザU2が20代女性であること等を示すユーザU2に関するユーザ情報をユーザ情報記憶部122(図5参照)から抽出する。
【0091】
そして,提供装置100は,抽出したクエリに関する情報に基づいて傾向情報を生成する。図9の例では,提供装置100は,傾向情報記憶部124に示すような傾向情報を生成する。例えば,提供装置100は,商品「お茶Y」とともにクエリとして用いられるキーワードのうち,50%が「甘い」であり,20%が「安い」であり,10%が「美味しい」であり,5%が「コスパ良」であることを示す傾向情報を生成する。また,例えば,提供装置100は,商品「お茶Y」を検索するユーザのうち,男性が「5%」であり,女性が「95%」であることを示す傾向情報を生成する。また,図9の例では,商品「お茶Y」を検索するユーザのうち,10代が「90%」であり,20代が「5%」(不図示)等であることを示す傾向情報を生成する。
【0092】
そして,提供装置100は,事業者に傾向情報を提供する(ステップS22)。図9の例では,提供装置100は,指定情報の送信元である飲料メーカMAに生成した傾向情報を提供する。例えば,提供装置100は,商品「お茶Y」とともにクエリとして用いられるキーワードのうち,50%が「甘い」であり,20%が「安い」であり,10%が「美味しい」であり,5%が「コスパ良」であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。また,例えば,提供装置100は,商品「お茶Y」を検索するユーザのうち,男性が「5%」であり,女性が「95%」であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。また,図9の例では,商品「お茶Y」を検索するユーザのうち,10代が「90%」であり,20代が「5%」(不図示)等であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。」
(コ)「【0100】
そして,提供装置100は,事業者に傾向情報を提供する(ステップS33)。図10の例では,提供装置100は,飲料メーカMBに生成した傾向情報を提供する。例えば,提供装置100は,商品「お茶X」とともにクエリとして用いられるキーワードのうち,65%が「苦い」であり,20%が「高い」であり,10%が「美味しい」であり,5%が「CM」であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。また,例えば,提供装置100は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,男性が「20%」であり,女性が「80%」であることを示す傾向情報を飲料メーカMBに提供する。また,図10の例では,提供装置100は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,10代が「65%」であり,20代が「20%」(不図示)等であることを示す傾向情報を飲料メーカMBに提供する。なお,提供装置100は,上記に限らず種々の基準に基づいて傾向情報を提供する事業者を決定してもよい。例えば,提供装置100は,所定の閾値(例えば,15万円)以上の入札額の事業者を,傾向情報を提供する事業者として決定してもよい。この場合,提供装置100は,飲料メーカMB及び飲料メーカMCを,傾向情報を提供する事業者として決定してもよい。」
イ 補正事項1における「前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリと共起されたキーワードが用いられた検索」は,(1)アで上記したとおり,文言上,「お茶X」のような指定情報やこれに対応するキーワードを含んでいないから,「前記指定情報に対応するキーワードが用いられた検索」や「前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリを示すキーワードが用いられた検索」に該当しない検索を含む。例えば,「苦い」が指定情報である「お茶X」や「お茶Y」と「共起されたキーワード」であるとすると,「コーヒーZ 苦い」という検索も,「前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリと共起されたキーワードが用いられた検索」に該当することとなるから,補正事項1による補正後の請求項は,例えば,「苦い」というキーワードを用いた検索において指定情報となっていない「コーヒーZ」をキーワードとして同時に指定した割合等を傾向情報として生成し「お茶X」や「お茶Y」を指定した事業者に提供するものを含むものとなっている。
これに対し,当初明細書等の記載はアにおいて上記したとおりであり,そこでは,事業者に提供される「傾向情報」について,自社製品である指定情報に対応する「お茶X」を用いた検索の傾向として,これと共に検索に用いられたキーワード(「苦い」「高い」等)それ自体,指定情報に対応する「お茶X」を用いた検索においてこれらのキーワードが共に用いられた割合,及び,指定情報に対応する「お茶X」を用いた検索を行ったユーザの性別ごとや年代ごと等の属性とその具体的な割合等を傾向情報として生成して提供すること,並びに,競合事業者の商品である「お茶Y」を指定情報として指定した事業者に提供する傾向情報として,指定情報に対応する「お茶Y」を用いた検索の傾向情報を生成して提供すること等が記載されているものの,「前記指定情報に対応するキーワードが用いられた検索」や「前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリを示すキーワードが用いられた検索」に該当しない検索を含む検索に係る傾向情報を生成して指定した事業者に提供することは記載されていない。
そして,当初明細書等は,「事業者の指定に応じて適切な情報を提供する」(【0004】【0005】)ために「指定情報と対応するキーワード」が用いられた検索に係る傾向情報を提供することを記載したものなのであり,事業者に自らが指定していないキーワードを含むキーワード検索に係る傾向情報を提供するように一般化するための技術的事項を記載したものとなっていない。このことに照らせば,事業者に指定情報と対応するキーワード以外のキーワードが用いられた検索に係る傾向情報の提供を行うことは,当初明細書等に記載した事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものである。
(3)補正事項2について
ア 事業者に提供される「傾向情報」に含まれる「前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリと共起されたキーワードで検索を行ったユーザの」「属性情報」(請求項2),「年齢に関する情報」(請求項3),「性別に関する情報」(請求項4),及び,「位置情報」(請求項5)について,当初明細書等には,次のとおり記載されている(下線は,当審が付した。)。
(ア)「【0020】
まず,提供装置100は,ユーザU1が利用する端末装置10-1からクエリを取得する(ステップS11-1)。図1の例では,提供装置100は,日時dt11-1において,端末装置10-1からクエリ「お茶X 苦い」を取得する。そして,提供装置100は,クエリ「お茶X 苦い」に対応する検索結果を端末装置10-1へ提供する(ステップS12-1)。また,提供装置100は,日時dt11-1において,ユーザU1がクエリ「お茶X 苦い」を用いて検索を行ったことを示す行動情報を行動情報記憶部123に記憶する。
【0021】
また,提供装置100は,ユーザU2が利用する端末装置10-2からクエリを取得する(ステップS11-2)。図1の例では,提供装置100は,日時dt11-2において,端末装置10-2からクエリ「お茶Y 甘い」を取得する。そして,提供装置100は,クエリ「お茶Y 甘い」に対応する検索結果を端末装置10-2へ提供する(ステップS12-2)。また,提供装置100は,日時dt11-2において,ユーザU2がクエリ「お茶Y 甘い」を用いて検索を行ったことを示す行動情報を行動情報記憶部123に記憶する。
【0022】
また,提供装置100は,ユーザU3が利用する端末装置10-3からクエリを取得する(ステップS11-3)。図1の例では,提供装置100は,日時dt11-3において,端末装置10-3からクエリ「スマホ バッテリ」を取得する。そして,提供装置100は,クエリ「スマホ バッテリ」に対応する検索結果を端末装置10-3へ提供する(ステップS12-3)。また,提供装置100は,日時dt11-2において,ユーザU3がクエリ「スマホ バッテリ」を用いて検索を行ったことを示す行動情報を行動情報記憶部123に記憶する。
(イ)「【0024】
まず,提供装置100は,ユーザU5が利用する端末装置10-5からクエリを取得する(ステップS11-5)。図1の例では,提供装置100は,日時dt11-5において,端末装置10-5からクエリ「お茶X 高い」を取得する。そして,提供装置100は,クエリ「お茶X 高い」に対応する検索結果を端末装置10-5へ提供する(ステップS12-5)。また,提供装置100は,日時dt11-5において,ユーザU5がクエリ「お茶X 高い」を用いて検索を行ったことを示す行動情報を行動情報記憶部123に記憶する。」
(ウ)「【0027】
そして,提供装置100は,指定情報に対応する情報を抽出する(ステップS14)。例えば,提供装置100は,検索に用いられたクエリから指定情報に対応する情報を抽出する。図1の例では,提供装置100は,指定情報「お茶X」に対応する文字列を含むクエリを抽出する。例えば,提供装置100は,ステップS11において取得したクエリに関する情報に基づいて,情報を抽出する。図1の例では,提供装置100は,行動情報記憶部123に記憶されたクエリに関する情報のうち,指定情報に対応するクエリに関する情報を抽出する。
【0028】
例えば,提供装置100は,ユーザU1がクエリ「お茶X」と組み合わせてクエリ「苦い」を用いたことを示す情報を行動情報記憶部123から抽出する。また,例えば,提供装置100は,ユーザU1が20代男性であること等を示すユーザU1に関するユーザ情報をユーザ情報記憶部122(図5参照)から抽出する。
【0029】
例えば,提供装置100は,ユーザU5がクエリ「お茶X」と組み合わせてクエリ「高い」を用いたことを示す情報を行動情報記憶部123から抽出する。また,例えば,提供装置100は,ユーザU5が30代女性であること等を示すユーザU5に関するユーザ情報をユーザ情報記憶部122(図5参照)から抽出する。
【0030】
そして,提供装置100は,抽出したクエリに関する情報に基づいて傾向情報を生成する(ステップS15)。図1の例では,提供装置100は,傾向情報記憶部124に示すような傾向情報を生成する。例えば,提供装置100は,商品「お茶X」とともにクエリとして用いられるキーワードのうち,65%が「苦い」であり,20%が「高い」であり,10%が「美味しい」であり,5%が「CM」であることを示す傾向情報を生成する。また,例えば,提供装置100は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,男性が「20%」であり,女性が「80%」であることを示す傾向情報を生成する。また,例えば,提供装置100は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,10代が「65%」等であることを示す傾向情報を生成する。
【0031】
そして,提供装置100は,事業者に傾向情報を提供する(ステップS16)。図1の例では,提供装置100は,指定情報の送信元である飲料メーカMAに生成した傾向情報を提供する。例えば,提供装置100は,商品「お茶X」とともにクエリとして用いられるキーワードのうち,65%が「苦い」であり,20%が「高い」であり,10%が「美味しい」であり,5%が「CM」であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。また,例えば,提供装置100は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,男性が「20%」であり,女性が「80%」であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。また,図1の例では,提供装置100は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,10代が「65%」等であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。」
(エ)「【0036】
〔1-2.傾向情報〕
上述した傾向情報は一例であり,提供装置100は種々の情報を傾向情報として提供してもよい。例えば,提供装置100は,検索を行ったユーザの地域の分布を示す情報を傾向情報として提供してもよい。また,例えば,提供装置100は,事業者と競合する事業者(以下,「競合事業者」ともいう)の商品または当該商品のカテゴリを示す指定情報を取得し,競合事業者に関する傾向情報を事業者に提供してもよい。なお,この点についての詳細は後述する。」
(オ)「【0064】
図7の例は,商品「お茶X」とともにクエリとして用いられるキーワードのうち,65%が「苦い」であり,20%が「高い」であり,10%が「美味しい」であり,5%が「CM」であることを示す。また,図7の例では,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,男性が「20%」であり,女性が「80%」であることを示す。また,図7の例では,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,10代が「65%」等であることを示す。」
(カ)「【0074】
例えば,抽出部132は,取得部131により取得されたクエリに関する情報に基づいて,情報を抽出する。図1の例では,抽出部132は,行動情報記憶部123に記憶されたクエリに関する情報のうち,指定情報に対応するクエリに関する情報を抽出する。
【0075】
図1の例では,抽出部132は,ユーザU1がクエリ「お茶X」と組み合わせてクエリ「苦い」を用いたことを示す情報を行動情報記憶部123から抽出する。また,図1の例では,抽出部132は,ユーザU1が20代男性であること等を示すユーザU1に関するユーザ情報をユーザ情報記憶部122(図5参照)から抽出する。
【0076】
図1の例では,抽出部132は,ユーザU5がクエリ「お茶X」と組み合わせてクエリ「高い」を用いたことを示す情報を行動情報記憶部123から抽出する。また,図1の例では,抽出部132は,ユーザU5が30代女性であること等を示すユーザU5に関するユーザ情報をユーザ情報記憶部122(図5参照)から抽出する。」
(キ)「【0078】
図1の例では,生成部133は,商品「お茶X」とともにクエリとして用いられるキーワードのうち,65%が「苦い」であり,20%が「高い」であり,10%が「美味しい」であり,5%が「CM」であることを示す傾向情報を生成する。また,図1の例では,生成部133は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,男性が「20%」であり,女性が「80%」であることを示す傾向情報を生成する。また,図1の例では,生成部133は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,10代が「65%」であり,20代が「20%」等であることを示す傾向情報を生成する。」
(ク)「【0082】
図1の例では,提供部134は,商品「お茶X」とともにクエリとして用いられるキーワードのうち,65%が「苦い」であり,20%が「高い」であり,10%が「美味しい」であり,5%が「CM」であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。また,図1の例では,提供部134は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,男性が「20%」であり,女性が「80%」であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。また,図1の例では,提供部134は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,10代が「65%」であり,20代が「20%」等であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。」
(ケ)「【0084】
図8に示すように,提供装置100は,検索に用いられたクエリを取得する(ステップ
S101)。図1の例では,提供装置100は,端末装置10-1からクエリ「お茶X 苦い」を取得する。また,図1の例では,提供装置100は,端末装置10-2からクエリ「お茶Y 甘い」を取得する。また,図1の例では,提供装置100は,端末装置10-3からクエリ「スマホ バッテリ」を取得する。また,図1の例では,提供装置100は,端末装置10-4からクエリ「天気」を取得する。また,図1の例では,提供装置100は,端末装置10-5からクエリ「お茶X 高い」を取得する。提供装置100は,ユーザU1~ユーザU5等の多数のユーザが検索に用いたクエリを取得する。また,提供装置100は,事業者から指定情報を取得する。図1の例では,提供装置100は,飲料メーカMAが利用する事業者装置20から商品「お茶X」を指定する指定情報を取得する。
【0085】
また,提供装置100は,指定情報に対応する情報を抽出する(ステップS102)。例えば,提供装置100は,検索に用いられたクエリから指定情報に対応する情報を抽出する。図1の例では,提供装置100は,指定情報「お茶X」に対応する文字列を含むクエリを抽出する。
【0086】
そして,提供装置100は,抽出したクエリに関する情報に基づいて傾向情報を生成する(ステップS103)。図1の例では,提供装置100は,傾向情報記憶部124に示すような傾向情報を生成する。
【0087】
そして,提供装置100は,事業者に傾向情報を提供する(ステップS104)。図1の例では,提供装置100は,商品「お茶X」とともにクエリとして用いられるキーワードのうち,65%が「苦い」であり,20%が「高い」であり,10%が「美味しい」であり,5%が「CM」であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。また,図1の例では,提供装置100は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,男性が「20%」であり,女性が「80%」であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。また,図1の例では,提供装置100は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,10代が「65%」であり,20代が「20%」等であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。」
(コ)「【0090】
そして,提供装置100は,指定情報に対応する情報を抽出する。図9の例では,提供装置100は,指定情報「お茶Y」に対応する文字列を含むクエリを抽出する。例えば,提供装置100は,ユーザU2がクエリ「お茶Y」と組み合わせてクエリ「甘い」を用いたことを示す情報を行動情報記憶部123(図6参照)から抽出する。また,例えば,提供装置100は,ユーザU2が20代女性であること等を示すユーザU2に関するユーザ情報をユーザ情報記憶部122(図5参照)から抽出する。
【0091】
そして,提供装置100は,抽出したクエリに関する情報に基づいて傾向情報を生成する。図9の例では,提供装置100は,傾向情報記憶部124に示すような傾向情報を生成する。例えば,提供装置100は,商品「お茶Y」とともにクエリとして用いられるキーワードのうち,50%が「甘い」であり,20%が「安い」であり,10%が「美味しい」であり,5%が「コスパ良」であることを示す傾向情報を生成する。また,例えば,提供装置100は,商品「お茶Y」を検索するユーザのうち,男性が「5%」であり,女性が「95%」であることを示す傾向情報を生成する。また,図9の例では,商品「お茶Y」を検索するユーザのうち,10代が「90%」であり,20代が「5%」(不図示)等であることを示す傾向情報を生成する。
【0092】
そして,提供装置100は,事業者に傾向情報を提供する(ステップS22)。図9の例では,提供装置100は,指定情報の送信元である飲料メーカMAに生成した傾向情報を提供する。例えば,提供装置100は,商品「お茶Y」とともにクエリとして用いられるキーワードのうち,50%が「甘い」であり,20%が「安い」であり,10%が「美味しい」であり,5%が「コスパ良」であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。また,例えば,提供装置100は,商品「お茶Y」を検索するユーザのうち,男性が「5%」であり,女性が「95%」であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。また,図9の例では,商品「お茶Y」を検索するユーザのうち,10代が「90%」であり,20代が「5%」(不図示)等であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。」
(サ)「【0100】
そして,提供装置100は,事業者に傾向情報を提供する(ステップS33)。図10の例では,提供装置100は,飲料メーカMBに生成した傾向情報を提供する。例えば,提供装置100は,商品「お茶X」とともにクエリとして用いられるキーワードのうち,65%が「苦い」であり,20%が「高い」であり,10%が「美味しい」であり,5%が「CM」であることを示す傾向情報を飲料メーカMAに提供する。また,例えば,提供装置100は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,男性が「20%」であり,女性が「80%」であることを示す傾向情報を飲料メーカMBに提供する。また,図10の例では,提供装置100は,商品「お茶X」を検索するユーザのうち,10代が「65%」であり,20代が「20%」(不図示)等であることを示す傾向情報を飲料メーカMBに提供する。なお,提供装置100は,上記に限らず種々の基準に基づいて傾向情報を提供する事業者を決定してもよい。例えば,提供装置100は,所定の閾値(例えば,15万円)以上の入札額の事業者を,傾向情報を提供する事業者として決定してもよい。この場合,提供装置100は,飲料メーカMB及び飲料メーカMCを,傾向情報を提供する事業者として決定してもよい。」
(シ)「【0103】
また,実施形態に係る提供装置100において,提供部134は,指定情報に対応するキーワードに関連する行動を行ったユーザの属性情報を含む傾向情報を,事業者に提供する。
【0104】
このように,実施形態に係る提供装置100は,指定情報に対応するキーワードに関連する行動を行ったユーザの属性情報を含む傾向情報を,事業者に提供することにより,事業者の指定に応じて適切な情報を提供することができる。
【0105】
また,実施形態に係る提供装置100において,提供部134は,指定情報に対応するキーワードに関連する行動を行ったユーザの年齢に関する情報を含む傾向情報を,事業者に提供する。
【0106】
このように,実施形態に係る提供装置100は,指定情報に対応するキーワードに関連する行動を行ったユーザの年齢に関する情報を含む傾向情報を,事業者に提供することにより,事業者の指定に応じて適切な情報を提供することができる。
【0107】
また,実施形態に係る提供装置100において,提供部134は,指定情報に対応するキーワードに関連する行動を行ったユーザの性別に関する情報を含む傾向情報を,事業者に提供する。
【0108】
このように,実施形態に係る提供装置100は,指定情報に対応するキーワードに関連する行動を行ったユーザの性別に関する情報を含む傾向情報を,事業者に提供することにより,事業者の指定に応じて適切な情報を提供することができる。
【0109】
また,実施形態に係る提供装置100において,提供部134は,指定情報に対応するキーワードに関連する行動を行ったユーザの位置情報を含む傾向情報を,事業者に提供する。
【0110】
このように,実施形態に係る提供装置100は,指定情報に対応するキーワードに関連する行動を行ったユーザの位置情報を含む傾向情報を,事業者に提供することにより,事業者の指定に応じて適切な情報を提供することができる。」
イ 上記アで示した内容は,いずれも,事業者に提供される「傾向情報」に,「前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリ」の検索を行ったユーザの「属性情報」,「年齢に関する情報」,「性別に関する情報」,又は,「位置情報」が含まれることが示されるものであるといえる。
しかしながら,「傾向情報」を「前記指定情報が示す前記商品または前記商品のカテゴリ(のキーワード)と(上記キーワードと)共起されたキーワード(と)が用いられた検索における傾向を示す傾向情報」と解する(上記(1)イ)としても,商品「お茶X」を検索するために商品「お茶X」及びキーワード「高い」を用いて検索したユーザの属性情報(性別,年齢)を含むものではない。
上記(2)ア(ウ)【0030】の記載によれば,商品「お茶X」と共にクエリとして用いられるキーワードの割合を求めたものを含める傾向情報とするとともに,商品「お茶X」を検索したユーザの性別,年代等の割合を求めたものを傾向情報とするとしている。ユーザの性別,年代等の割合を求めるときに,商品「お茶X」を検索したユーザを母集合として求めており,「前記指定情報が示す商品又は前記商品カテゴリと共起したキーワードで検索を行った」ユーザを母集合としていない。当初明細書等のその他の記載においても同様であって,傾向情報が指定情報を示す商品「お茶X」等と共起されたキーワード「高い」等で検索を行ったユーザの属性情報(男女,年齢)を含むことを示す記載も示唆する記載もない。
そして,補正事項2のように,傾向情報に,商品「お茶X」等と共起されたキーワード「高い」等で検索を行ったユーザの属性情報(男女,年齢)を含めることは,商品又は商品のカテゴリに対応するキーワードが用いられた検索における傾向を示す傾向情報を「商品または商品カテゴリと共起されたキーワード」と「ユーザ」の「属性」の組み合わせの観点を導入することでより詳細なものにするものであり,当初明細書等に記載されている傾向情報の解析の手法とは概念が異なることは明らかである。
そうすると,本件補正においてする補正事項2は,明らかに当初明細書等と概念を異にする事項を含むことから当初明細書等には記載されてものとはいえない。
したがって,補正事項2は,当初明細書等には記載がなく,当初明細書等から自明でもないから,当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において,新たな技術的事項を導入するものである。
3 小括
以上のとおり,本件補正は,特許法17条の2第3項の規定に違反するものであり,同法159条1項で読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されるべきものである。
よって,上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
平成30年8月7日付け手続補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項1ないし12に係る発明は,出願時の請求項1ないし12に記載された事項により特定されるものと認められるところ,その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,以下のとおりのものである。
「【請求項1】
事業者が指定した商品または商品のカテゴリを示す指定情報を取得する取得部と,
前記指定情報に対応するキーワードに関連する行動履歴における傾向を示す傾向情報を,前記事業者に提供する提供部と,
を備えることを特徴とする提供装置。」
2 原査定における拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は,この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の引用文献1に記載された発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない,というものである。
記
引用文献1.特開2003-233704号公報
3 引用文献1
(1)原査定の拒絶の理由で引用された,本願出願前に,頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2003-233704号公報(平成15年8月22日出願公開,以下「引用文献1」という。)には,次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,インターネット等のデータ通信ネットワークを介し,顧客から的確で利便性の高いマーケティング情報を迅速に収集し,事業者に対して効果的なマーケティング情報を提供するマーケティング情報の収集提供システムに関する。
イ 「【0009】従来,マーケティングを行う場合には,顧客にアンケートを答えてもらうという手法が一般的に行われているが,アンケートに答えること自体が面倒臭いものであったり,アンケートに虚偽の回答がされたりして,あまり有効でないことも多い。
【0010】現在,インターネット上のウェブサイトは,重要な宣伝広告媒体であり,電子商取引の市場規模も拡大の一途にあることから,効果的なマーケティングを行うことが今後益々重要である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記した問題点に鑑みてなされたものであり,インターネット等のデータ通信ネットワークにおいて,ウェブサイトを利用中の顧客に,顧客毎の関心度の高い情報を優先的に提供して,顧客の利便性を向上せしめると共に,ウェブサイトを利用中の顧客から,顧客の手を煩わすことなく,的確で利便性の高いマーケティング情報を迅速に収集し,ウェブサイトに宣伝広告を出したり,電子商取引を行っている事業者に対して効果的なマーケティング情報を提供することのできるマーケティング情報の収集提供システムを提供することを目的とする。」
ウ 「【0030】図1は,本発明のマーケティング情報の収集提供システムにおける基本的な機器構成を示すブロック図である。図1において,1は本発明システムを示し,Sはサーバ,Cは顧客端末,Bは事業者端末であり,いずれもインターネットNに接続されている。なお,図1において,実線矢印は顧客端末Cからアクセスした場合のデータの流れを示し,点線矢印は事業者端末Bからアクセスした場合のデータの流れを示している。
【0031】サーバSは,インターネットNにウェブページを公開するHTTP(HyperText Transfer Protocol)サーバ(いわゆるHTTPデーモン)の機能を有するものであり,インターネットN上にウェブサイト,例えば,役務として飲食物の提供を行う飲食店を紹介するグルメ情報サイト等を構築している。
【0032】ウェブサイトを構成する各ウェブページは,HTML(HyperText Markup Language),XML(eXtensible Markup Language),CHTML(Compact HTML),HDML(Handheld Device Markup Language)等の各種ウェブページ記述言語(以下,HTML等という)によって適宜作成されているものである。
【0033】顧客端末C及び事業者端末Bとしては,インターネットNに接続してサーバSで公開されているウェブページを閲覧することが可能であれば,特に制限されず,種々のパーソナルコンピュータは勿論のこと,PDA(Personal Digital assistants)やウェブブラウザ機能付き携帯電話〔例えば,i-mode(R)対応携帯電話〕等の携帯情報端末を用いることもできる。
【0034】サーバSは,エージェント手段2を備える。該エージェント手段2は,ウェブサイトの利用者(顧客及び事業者)に対するユーザ・インタフェースと各種機能を提供する手段であり,HTML等と共に実行されるプログラム乃至スクリプトの群によって構成される。例えば,HTML等から呼び出されるPerl言語やC言語によるCGI(Common Gateway Interface)プログラムや,HTML等に命令文を埋め込むPHP(Personal Home Pages)スクリプト,Java(R)スクリプト,VBスクリプト或いはASP(Active Server Pages)等によって構成される。特に,PHPスクリプトは,各種のDBMS(DataBase Management System)との連携が比較的容易であり,本発明システムではデータベースを多用することから好適である。
エ 「【0035】また,サーバSは,カスタマ・データベース3,ビジネス・データベース5及びマーケティング・データベース7を備える。これらデータベースは,DBMSとして,例えば,各種のSQL(Structured Query Language)サーバ等が利用可能であり,具体的には,PostgreSQLやOracle(R)等がある。なお,これらデータベースとしては,ウェブサイトが小規模でデータ量が少ないのであれば,全てのデータとデリミタ(区切り文字)をテキストで作成したテキスト形式のデータベースをCGIプログラム等で操作するようにしたものであってもよい。
【0036】カスタマ・データベース3は,レコードとして,顧客ID毎の顧客情報4を有し,この顧客情報4には,フィールドとして,プロファイルデータ4a,嗜好データ4b,特徴因子累積データ4c,閲覧履歴データ4d,検索履歴データ4e,ブックマークデータ4fが含まれている。
【0037】ビジネス・データベース5は,レコードとして,商品又は役務ID毎の商取引情報6を有し,この商取引情報6には,フィールドとして,属性データ6a,特徴因子データ6b,評価データ6cが含まれている。
【0038】マーケティング・データベース7は,レコードとして,商品又は役務ID毎のマーケティング情報8を有し,このマーケティング情報8には,フィールドとして,リスト表示者データ8a,詳細閲覧者データ8b,検索者データ8c,アンケート回答者データ8d,ブックマーク登録者データ8eが含まれている。
【0039】なお,図示例では,ビジネス・データベース5とマーケティング・データベース7とが別々のファイルとして構成されている場合を示しているが,ビジネス・データベース5とマーケティング・データベース7とは,いずれも商品又は役務ID毎に管理されていることから,両者を併合して同一ファイルとして構成してもよく,要するに,商品又は役務ID毎に商取引情報6とマーケティング情報8とが記録され得るようにすればよいものである。」
オ 「【0041】図2は,本発明におけるカスタマ・データベースの一例を示す説明図である。図2において,3はカスタマ・データベースであり,レコードとして,顧客ID毎の顧客情報4が記録されているものである。顧客情報4には,フィールドとして,プロファイルデータ4a,嗜好データ4b,特徴因子累積データ4c,閲覧履歴データ4d,検索履歴データ4e,ブックマークデータ4fが含まれている。
【0042】プロファイルデータ4aには,年齢,性別,婚姻の有無,趣味や興味のあること,好きな街やよく行く街,年収,等々の顧客の個人的なデータが記録されており,顧客が本発明システムを初めて利用する際に,顧客IDの発行に伴って予め登録するものである。
【0043】嗜好データ4bには,カフェ,イタリアン,フレンチ,映画,渋谷,等々の顧客の個人的な好みの傾向を反映するようなキーワードからなるデータが記録されており,プロファイルデータ4aの場合と同様に,顧客が本発明システムを初めて利用する際に,予め登録するものである。」
カ 「【0048】図3は,本発明におけるビジネス・データベースの一例を示す説明図である。図3において,5はビジネス・データベースであり,レコードとして,商品又は役務ID毎に商取引情報6が記録されているものである。商取引情報6には,フィールドとして,属性データ6a,特徴因子データ6b,評価データ6cが含まれている。
【0049】属性データ6aは,商品又は役務の内容,連絡先等々の商品又は役務についての基本的情報を表すデータを記録したものである。図3では,事業者の役務として飲食物の提供が行われている飲食店の場合が例示されている。属性データ6aは,当該商品又は役務を取扱う事業者が本発明システムを利用する際に予め登録しておくものである。」
キ 「【0052】図4は,本発明におけるマーケティング・データベースの一例を示す説明図である。図4において,7はマーケティング・データベースであり,レコードとして,商品又は役務ID毎にマーケティング情報8が記録されているものである。マーケティング情報8には,フィールドとして,リスト表示者データ8a,詳細閲覧者データ8b,検索者データ8c,評価者・アンケート回答者データ8d,ブックマーク登録者データ8eが含まれている。
【0053】リスト表示者データ8aとは,事業者が取扱う商品又は役務の商取引情報のリスト表示処理をした顧客についての記録である。
【0054】詳細閲覧者データ8bとは,事業者が取扱う商品又は役務の商取引情報の閲覧処理をした顧客についての記録である。
【0055】検索者データ8cとは,事業者が取扱う商品又は役務の商取引情報のキーワード検索処理(図8参照)をした顧客,事業者が取扱う商品又は役務の商取引情報の嗜好検索処理(図9参照)をした顧客及び/又は事業者が取扱う商品又は役務の商取引情報の嗜好付与キーワード検索処理をした顧客についての記録を含むものである。即ち,検索処理の3態様(キーワード検索処理,嗜好検索処理及び嗜好付与キーワード検索処理)の内のいずれかを行った顧客についての記録である。なお,必要であれば,検索処理の3態様の夫々について,別々の検索者データ8cを構成するようにしてもよいし,検索処理の態様を例えばキーワード検索処理の1種類のみとした場合には,キーワード検索処理をした顧客のみを対象として,検索者データ8cに記録してもよい。また,図示していないが,キーワード検索処理又は嗜好付与キーワード検索処理で検索の対象となったキーワードについても,この検索者データ8cに記録するようにする。」
ク 「【0058】上述したリスト表示者データ8a,詳細閲覧者データ8b,検索者データ8c,評価者・アンケート回答者データ8d及びブックマーク登録者データ8eは,いずれも夫々の記録の対象となる処理が行われた際に,顧客の顧客情報4からマーケティングの対象となる項目を抽出し,該当する項目にその顧客の人数を累積的に記録し,各項目毎の人数に換算している。例えば,図4に示したリスト表示者データ8aであれば,リスト表示処理を行った人は,「20代」の人が「86」人,「30代」の人が「33」人,「未婚」の人が「60」人,「既婚」の人が「22」人,「カフェ」の嗜好を持つ人が「108」人,「イタリアン」の嗜好を持つ人が「121」人,「映画」の嗜好を持つ人が「161」人,等々であったことが記録されている。」
ケ 「【0059】図5は,本発明におけるマーケティング・データベースの他の一例を示す説明図である。図5では,上記図4の場合と同様,7はマーケティング・データベースであり,レコードとして,商品又は役務ID毎にマーケティング情報8が記録されているものである。マーケティング情報8には,フィールドとして,リスト表示者データ8a,詳細閲覧者データ8b,検索者データ8c,評価者・アンケート回答者データ8d,ブックマーク登録者データ8eが含まれているものであるが,各データの記録態様が異なる点で図4の場合と相違している。
【0060】即ち,図4に示した場合では,各処理を行った顧客について,各項目毎の人数に換算して記録していたが,図5に示したように,各処理を行った顧客の顧客IDを単純に累積的に記録することもできる。例えば,図5に示したリスト表示者データ8aであれば,リスト表示処理を行った人は,顧客IDが「qbq11122」「abd1125」「bdd2234」「adb5511」「csf2255」「pbe2599」「ucv3376」「abc11122」「abd1125」「ftf1524」等々の顧客であったことが記録されることとなる。
【0061】なお,このようにして顧客IDを単純に累積して記録した場合,マーケティング・データベース7の各レコードの各フィールドには,顧客IDが羅列されている状態にあり,このままでは,事業者にマーケティング情報8を提供することには不向きである。
【0062】そこで,事業者にマーケティング情報8を提供する際には,事前に,顧客ID,例えば「qbq11122」に基づいて,カスタマ・データベース3を照会し,顧客情報4からマーケティングの対象となる項目を抽出して,図4の場合と同様の形式に,各処理を行った顧客について,各項目毎の人数に換算して記録し直すようにすればよい。」
コ 「【0090】次に,図8は,本発明において,事業者が取扱う商品又は役務の商取引情報についてのキーワード検索処理(以下,通常検索という場合がある)と,そのマーケティング処理の流れを示すフロー図である。
【0091】前述したようにして,リスト表示ページ12が表示されるが,そのリスト表示ページ12には,顧客が任意のキーワード(以下,フリーキーワードという)でビジネス・データベース5の商取引情報を検索するための検索フォーム(テキストボックス)や,或いは,顧客が予め用意されているキーワード(以下,固定キーワードという)を選択してビジネス・データベース5の商取引情報を検索するためのチェックボックス,ラジオボタン,リストボックス等を常法によって形成する。なお,上記検索フォーム等は,リスト表示ページ12だけでなくメニューページ11等に形成してもよい。
【0092】そして,フリーキーワード又は固定キーワードによる通常検索の要求があった場合,例えば,検索ボタンのクリックがあった場合には,エージェント手段2は,入力又は選択されたキーワードをビジネス・データベース5の各商取引情報6から検索し,照応するキーワードを有する商取引情報6を見付け出して,そのURLを抽出し,そして,その商取引情報6における事業者の取扱う商品又は役務の名称(例えば,役務として飲食物の提供を行う飲食店であれば,その店舗名称。商品であれば,その商品名称。)に対応する上記URLへのリンクを付して,その商品又は役務の名称のリストを形成し,検索結果リスト表示ページ15に表示を行うようにする(キーワード検索処理)。
【0093】また,このキーワード検索処理を行う際には,キーワード検索処理の対象となったキーワードについて,カスタマ・データベース3の当該顧客IDにおける顧客情報4の検索履歴データ4eに記録し,更に,検索されて検索結果リスト表示ページ15に表示されることとなった商取引情報6に係る商品又は役務について,当該顧客の顧客情報4をカスタマ・データベース3から抽出し,キーワード検索処理の対象となったキーワードと共に,マーケティング・データベース7の当該商品又は役務IDにおけるマーケティング情報8に記録する(キーワード検索処理に対するマーケティング処理)。
【0094】即ち,前述したリスト表示者データ8a,詳細閲覧者データ8bの場合と同じ要領で,カスタマ・データベース3から該当する顧客IDの顧客情報4を抽出し,当該顧客の顧客情報4からプロファイルデータ4aと嗜好データ4bとを抽出し,マーケティング・データベース7に商品又は役務ID毎に構成されたマーケティング情報8における検索者データ8cに記録する。」
サ 「【0122】次に,図13は,本発明における事業者端末Bのモニタ画面の表示の推移を模式的に示す説明図である。ブラウザ9にウェブサイトのURLを入力することにより,サーバSのエージェント手段2にアクセスすると,エージェント手段2は,アクセスしてきた事業者を特定するために事業者認証ページ20を表示し,事業者IDとパスワードの入力を求める。
【0123】事業者認証が正常に行われた後,マーケティング情報表示ページ22を表示する。なお,事業者認証ページ20で入力される事業者IDと,マーケティング・データベース7における商品又は役務IDとは,予め関連付けておくようにし,事業者が単数の商品又は役務しか取扱っていない場合には,同じものでもよく,事業者が複数の商品又は役務を取扱っている場合には,いずれの商品又は役務IDにおけるマーケティング情報8を表示するのかについて,入力又は選択を促すようにする。
【0124】マーケティング情報表示ページ22は,商品又は役務ID毎のマーケティング情報8に基づいて形成される。この場合,図13に示したように,夫々のデータを常法によってグラフ化する等して,事業者の利便性の向上を図るようにすると,より効果的である。」
シ 図3には,ビジネスDB(ビジネス・データベース)において,「商品又は役務ID」ごとの商取引情報6の例として「属性データ」が「イタリア料理」等である例が図示されている。
(2)引用発明
上記(1)に記載した引用文献1の記載によれば,引用文献1には,次のとおりの発明(以下,「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
ウェブサイトを利用中の顧客から,顧客の手を煩わすことなく,的確で利便性の高いマーケティング情報を収集し,事業者に効果的なマーケティング情報を提供するためのマーケティング情報の収集システムにおける,ウェブサイトを構築するサーバであって,(【0001】【0011】【0030】)
プログラム乃至スクリプトの群によって構成され,ウェブサイトの利用者である顧客及び事業者に対するユーザ・インタフェースと各種機能を提供する手段である,エージェント手段と,(【0034】)
顧客ID毎にプロファイルデータや嗜好データ等の顧客情報を有するカスタマ・データベースと,(【0036】,【0042】,【0043】)
商品又は役務ID毎に商品又は役務についての基本的情報であって当該商品又は役務を取り扱う事業者により予め登録された「イタリア料理」等の属性データ等の商取引情報を有するビジネス・データベースと,(【0037】,【0049】)
商品又は役務ID毎に検索者データ等のマーケティング情報を有するマーケティング・データベースであって,この検索者データは,事業者が取り扱う商品又は役務の商取引情報のキーワード検索処理をした顧客等についての記録を含むであり,記録の対象となる処理が行われた際に,顧客の顧客情報からマーケティングの対象となる項目を抽出し,該当する項目にその顧客の人数を累積的に記録し,各項目毎の人数に換算したものである,マーケティング・データベースと,(【0038】,【0055】,【0058】)
上記エージェント手段は,
キーワード検索処理においては,任意のキーワードであるフリーキーワードでビジネス・データベースの商取引情報を検索するための顧客に表示される検索フォームによる通常検索の要求であるフリーキーワードによる通常検索の要求があった場合,入力されたキーワードをビジネス・データベースの各商取引情報から検索し,照応するキーワードを有する商取引情報を見つけ出して,そのURLを抽出し,URLへのリンクが付されたその商品又は役務の名称のリストを形成して表示を行い,さらに,表示された商品又は役務について,当該顧客の顧客情報のプロファイルデータと嗜好データをカスタマ・データベースから抽出し,キーワード検索処理の対象となったキーワードと共に,マーケティング・データベースの当該商品又は役務IDにおけるマーケティング情報の検索者データに記録し,(【0090】~【0094】)
ブラウザにウェブサイトのURLが入力されることによるアクセスに応じてアクセスしてきた事業者を特定するための事業者認証ページを表示し,事業者認証が正常に行われた後,商品又は役務ID毎のマーケティング情報に基づいて形成されるマーケティング情報表示ページを事業者端末のモニタ画面に表示する,(【0122】~【0124】)
サーバ。
4 引用発明との対比
引用発明の「事業者」,「商品又は役務」は,それぞれ,本願発明の「事業者」,「商品」に相当する。
引用発明のビジネス・データベースの商取引情報に含まれる「イタリア料理」等を含む属性データは,商品を取り扱う事業者による登録によって,「イタリア料理」等のキーワード検索処理をした顧客の顧客情報とその際のキーワードがマーケティング・データベースの当該商品のレコード中の検索者データに記録されるから,本願発明の「事業者が指定した商品または商品のカテゴリを示す指定情報」に相当する。
引用発明においては,マーケティング・データベースへの記録の対象となる処理としてのキーワード検索処理が行われた際には,顧客情報から抽出された項目と共にキーワードが記録され,例えば,「イタリア料理」というキーワード検索処理が行われた際には,自らが取り扱う商品の商取引情報の属性データに「イタリア料理」を含めた事業者があれば,その属性データが登録された商品を含む,URLへのリンクが付された名称のリストが表示されるとともに,検索した顧客のプロファイルデータと嗜好データから抽出した項目と「イタリア料理」というキーワードとが当該商品のレコード中の検索者データに記録され,こうして記録された検索者データ等に基づいてマーケティング情報が事業者に表示されて提供される。このことから,引用発明において,事業者に提供されるマーケティング情報は,「イタリア料理」というキーワードによるキーワード検索という行動についての顧客の傾向を示すものといえるから,この傾向が行動「履歴」における傾向か否かが明らかではないものの,指定情報に対応するキーワードに関連する行動の傾向を示す傾向情報である点において,本願発明の「前記指定情報に対応するキーワードに関連する行動履歴における傾向を示す傾向情報」に対応する。
以上によれば,本願発明と引用発明とは,以下の一致点において一致し,相違点において相違する。
<一致点>
事業者が指定した商品または商品のカテゴリを示す指定情報に対応するキーワードに関連する行動の傾向を示す傾向情報を前記事業者に提供する提供部
を備える提供装置
<相違点>
(相違点1)
本願発明は「指定情報を取得する取得部」を備えるのに対し,引用発明は,これを備える旨が明示されていない点
(相違点2)
本願発明の「傾向情報」は,「指定情報に対応するキーワードに関連する行動履歴における傾向」を示すものであるのに対し,引用発明の「傾向情報」は,キーワード検索を行った顧客の項目と当該キーワード検索で用いられた事業者が指定した属性データが含むキーワード等に基づくマーケティング情報であって,「指定情報に対応するキーワードに関連する行動履歴における傾向」を示すものか否か明らかではない点
5 判断
以下,相違点について検討をする。
(1)相違点1について
上記3(1)サ【0123】には「事業者が複数の商品又は役務を取扱っている場合には,いずれの商品又は役務IDにおけるマーケティング情報8を表示するのかについて,入力又は選択を促すようにする。」とあり,サーバSの有する機能が説明されている。サーバSは事業者に対して入力又は選択を促すことから,事業者が入力又は選択を行った場合に,サーバSは事業者が入力又は選択した結果を取得する構成であることは明らかである。そうすると,引用発明においても,事業者が指定した商品または商品のカテゴリを示す指定情報を取得する取得部を備える構成になっていることは明らかである。
(2)相違点2について
引用発明では,ある顧客からある商品の属性データに含まれるキーワードで検索がなされた後に,項目の値が同じである別の顧客から当該キーワードで検索がなされた場合,顧客の項目の値ごとの人数に換算して記録され,ある顧客によるキーワード検索と別の顧客によるキーワード検索とが異なる行動として記録されないものの,引用文献には,このような項目ごとの人数に換算しての記録は,その後に項目ごとの人数を算出するために顧客IDを記録することの代替である旨が記載されており(上記3(1)ケ【0059】~【0062】),複数の顧客が当該商品及び当該キーワードに係るキーワード検索を行った旨を示す顧客IDの記録によって,引用発明と同様のマーケティング情報を事業者に提供することが示唆されており,ここで示唆されている,複数の顧客IDの記録は,当該キーワードに係るキーワード検索という「行動」を行った「顧客」の「履歴」であるといえる。
してみると,引用発明において,上記の示唆に従って,顧客の項目の値ごとの人数に累積して記録する構成に代えて複数の顧客がキーワード検索を行った旨を示す顧客IDを記録する構成を採用し,「マーケティング情報」が示す「傾向」をキーワード検索という「行動」を行った「顧客」の「履歴」が示す「傾向」とすることは,当業者が容易になし得たことである。
(3)以上より,本願発明に係る発明の構成は,引用文献1の記載に基づき,当業者が容易に想到することができたものである。
そして,これらの相違点を総合的に勘案しても,本願発明の奏する作用効果は,引用発明の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず,格別顕著なものということはできない。
よって,本願発明は,引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
6 むすび
上記のとおりであるから,本願発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2018-010824