特許拒絶査定不服審判
2018-008879
遊技機
- 審判番号
- 2018-008879
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-080937外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年06月27日
- 審決日
- 2019年06月03日
- 公報発行日
- 2019年09月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社平和
- 【請求人代理人】特許業務法人青海特許事務所
- 分類
- P18 .121-WZ (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016- 80937号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成29年10月19日出願公開、特開2017-189417号〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
1 手続の経緯
本願は、平成28年4月14日の出願であって、平成29年1月30日付けで拒絶の理由が通知され、同年3月24日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月8日付けで最後の拒絶理由が通知され、同年10月11日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成30年3月26日付けで、平成29年10月11日提出の手続補正書でした補正の却下の決定がされるとともに、平成30年3月26日付けで拒絶査定がなされた。これに対し同年6月27日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出され、これに対して、平成31年1月23日付けで当審において拒絶の理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年3月1日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成31年3月1日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(A~Iは、本願発明を分説するため当審で付与した。)。
(本願発明)
「【請求項1】
A 遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、
B 前記遊技領域に設けられ、遊技球が進入可能な始動領域と、
C 前記始動領域への遊技球の進入を条件として、所定の保留情報を取得して記憶部に記憶する保留記憶手段と、
D 始動条件の成立により、前記記憶部に記憶された保留情報を読み出して大当たりの当選可否を判定する判定手段と、
E 前記判定手段により大当たり当選の判定結果が導出されると、遊技者に遊技利益を付与する遊技利益付与手段と、
F 前記保留情報に対応する保留表示の表示パターンを決定するとともに、決定した該表示パターンで該保留表示を、前記記憶部に記憶された保留情報のそれぞれに対応した表示を行う保留表示領域と、前記始動条件の成立により読み出された保留情報に対応した表示を行う当該保留表示領域とからなる表示部に表示する保留表示手段と、
G 前記保留表示領域から前記当該保留表示領域に向かって表示されていく一の保留表示の前記表示パターンが、前記保留表示領域から前記当該保留表示領域に亘って複数回変化する表示パターンに決定された場合に、この決定された表示パターンの変化タイミングのうち、少なくとも2以上の変化タイミングを演出対象とし、該演出対象とされた2以上の変化タイミングと同数の特定画像を、該一の保留表示が該保留表示領域に表示されてから前記当該保留表示領域に表示されている期間に表示可能とする特定画像表示手段と、を備え、
H 前記特定画像の演出動作に伴って前記保留表示領域または前記当該保留表示領域に表示される一の保留表示が複数回変化し得る
I ことを特徴とする遊技機。」
3 拒絶の理由の概要
当審拒絶理由は、平成30年6月27日に提出された手続補正書により補正がされた請求項1に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の引用文献1に記載された発明及び周知の技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、との理由を含むものである。
引用文献1:特開2016-47128号公報
(当審拒絶理由では、周知の技術の例示として、
引用文献2:特開2016-34432号公報
引用文献3:特開2016-36497号公報
引用文献4:特開2015-211780号公報
を例示している。)
4 引用文献に記載された事項
当審拒絶理由に引用され、本願の出願前に頒布された上記引用文献1には、「遊技機」の発明に関し、図面と共に以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
(1)「【0007】
(1)上記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、
識別情報の可変表示を実行して表示結果を導出し、当該表示結果として予め定められた特定表示結果(例えば、大当り図柄となる特別図柄や大当り組合せの確定飾り図柄など)を導出したときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態など)になる遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
未だ開始されていない識別情報の可変表示を保留記憶として記憶する保留記憶手段(例えば、第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部など)と、
識別情報の可変表示を開始するときに前記保留記憶手段から読み出した保留記憶に基づいて、当該識別情報の可変表示結果を前記特定表示結果とするか否かを決定する開始時決定手段(特別図柄の変動表示を開始するときに遊技制御用マイクロコンピュータ100(CPU103)が、乱数値MR1などに基づいて表示結果が大当りとなるかはずれかとなるかを判定する部分)と、
前記開始時決定手段の決定結果に基づいて、識別情報の可変表示中に、識別情報の表示結果が前記特定表示結果となる可能性を予告する予告演出(例えば、予告演出A、予告演出B、ステップアップ予告演出など)を実行する予告演出実行手段(例えば、予告演出実行決定テーブルに基づいて、予告演出を決定する演出制御用CPU120など)と、
前記保留記憶手段が記憶する保留記憶に対応して保留表示領域(例えば、第1保留表示領域5Haや第2保留表示領域5Hbなど)に特定表示(例えば、保留表示図柄など)を表示する保留表示手段(例えば、第1保留表示領域5Haや第2保留表示領域5Hbに保留表示図柄を表示する画像表示装置5など)と、
未だ開始されていない識別情報の可変表示に対応する保留記憶に基づいて、対象となった保留記憶の識別情報の可変表示が実行される以前に開始前予告演出(例えば、チャンス目(特殊表示結果)や先読みゾーン突入演出など)を実行する開始前予告演出実行手段(例えば、先読み演出決定処理で先読み演出を決定する演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記開始前予告演出実行手段は、
前記保留表示手段が表示する前記特定表示の表示態様を制御する表示態様制御手段(例えば、保留表示図柄の表示色を制御する演出制御用CPU120など)を含み、
前記表示態様制御手段は、前記保留表示手段が表示する前記特定表示の表示態様を現在の表示態様から他の表示態様に変化させ(例えば、保留表示図柄の表示色を変化させるなど)、
前記特定表示の表示態様には、通常態様(例えば、青色など)と、前記通常態様とは異なる特殊態様(例えば、白色及び灰色など)と、前記通常態様及び前記特殊態様とは異なる態様であって、前記特定遊技状態になる割合を予告する予告態様(例えば、黄色、緑色、赤色、及び、虹色など)と、が含まれ、
前記表示態様制御手段は、
前記保留表示手段が表示する前記特定表示の表示態様を前記予告態様にする特定演出を実行し(例えば、保留表示図柄の表示色を黄色、緑色、赤色、又は、虹色にするなど)、
前記保留表示手段が表示する前記特定表示の表示態様が前記通常態様であるときよりも前記特殊態様であるときの方が当該特定表示の表示態様を前記予告態様に変化させる割合が高くなるように、前記特定演出を実行し(例えば、図25~図44の各保留表示パターン決定テーブルにおいて、青色から予告態様の表示色に変化するパターンを含む保留表示パターンの決定割合の合計値(又は平均値)よりも、灰色又は白色から予告態様の表示色に変化する態様を含む保留表示パターンの決定割合の合計値(又は平均値)それぞれの方が高くなるようにするなど)、
前記特定演出の実行期間と当該実行期間以外の期間とで、前記保留表示手段が表示する、当該特定演出の対象でない他の前記特定表示の表示態様を前記特殊態様にする割合が異なるように、前記特定表示の表示態様を制御し(例えば、構成42など)、
前記開始前予告演出実行手段が実行する前記開始前予告演出は、前記予告演出実行手段が実行している前記予告演出から分岐して実行される識別情報の可変表示中の演出として実行可能である(例えば、演出制御用CPU120が、ステップアップ予告演出の1つのステップから先読み予告演出へ強制的に分岐する予告演出を実行するなど)、
ことを特徴とする。」
(2)「【図面の簡単な説明】
【0019】
・・・
【図5】始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
・・・
【図9】特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。
・・・
【図59】全期間保留表示パターンの構成例を示す図である。」
(3)「【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
・・・
【0026】
画像表示装置5の画面上には、表示エリア5Hが配置されている。表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。・・・」
(4)「【0034】
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
・・・
【0039】
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。・・・
・・・
【0041】
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。・・・
・・・
【0043】
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したこと(スイッチがオンになったこと)を示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態にする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
・・・
【0048】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
(5)「【0066】
遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたこと(第1始動口スイッチ22Aがオンになったこと)などにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
【0067】
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたこと(第2始動口スイッチ22Bがオンになったこと)などにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。・・・」
(6)「【0071】
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。・・・
・・・
【0073】
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。・・・」
(7)「【0092】
なお、後で詳述するが、図53などに示すように、第1特図ゲームに対応した可変表示(保留中の可変表示)に対応する保留表示図柄Hは、表示エリア5Hにおける向かって左側の領域である第1保留表示領域5Haに表示される。第2特図ゲームに対応した可変表示(保留中の可変表示)に対応する保留表示図柄Hは、表示エリア5Hにおける向かって右側の領域である第2保留表示領域5Hbに表示される。
【0093】
また、後で詳述するが、この実施の形態では、第1保留表示領域5Ha又は第2保留表示領域5Hbに表示していた保留表示図柄Hであって、現在実行中の可変表示に対応する保留表示図柄Hを表示エリア5Hにおける中央の今回保留表示領域5Hcに表示する(図53参照)。
・・・
【0096】
また、後で後述するが、この実施の形態では、保留表示図柄の表示態様を変化させるときに、演出の結果として表示態様を変化させる作用演出が実行されることがある(図56、57など)。この実施の形態では、態様の異なる複数の作用演出が用意されている。作用演出が実行されると、作用演出の結果として、保留表示図柄の表示態様が変化する。・・・」
(8)「【0105】
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。なお、遊技制御用タイマ割込処理の終了時には、割込み許可状態に設定される。これによって、遊技制御用タイマ割込み処理は、タイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとに実行されることになる。
・・・
【0110】
特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かなどの決定や変動パターンの決定、当該決定結果に基づく特別図柄表示装置4における表示動作の制御(特図ゲームの実行)、大当り遊技状態の特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定(ラウンド遊技や短期開放制御の実行)などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。特別図柄プロセス処理の詳細は後述するが、タイマ割り込みの発生毎に特別図柄プロセス処理が実行されることによって、可変表示結果や変動パターンの決定、当該決定に基づく特図ゲームの実行、大当り遊技状態などが実現される。」
(9)「【0125】
次に、特別図柄プロセス処理について説明する。図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図5は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
・・・
【0129】
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データ(図6参照)が抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。・・・
【0130】
図7(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。・・・
・・・
【0132】
図7(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。・・・
・・・
【0134】
ステップS210の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を行う(ステップS211)。入賞時乱数値判定処理は、上述のように、始動入賞時の判定を行う処理であり、ステップS209で抽出した乱数値MR1~3のうちの乱数値MR1及びMR3に基づいて、当該乱数値の実行対象の可変表示の可変表示結果が「大当り」になるか否か及び当該可変表示の変動カテゴリ(図13)を判定する処理である。・・・
(10)「【0144】
その後、ステップS408のあと又はステップS409のあと、CPU103は、ステップS209で抽出された変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定されている大当り用変動カテゴリ決定テーブル又はハズレ用変動カテゴリ決定テーブルを参照し、乱数値MR3と合致する決定値に割り当てられている変動カテゴリを判定する(ステップS409)(当審注:図8において「変動カテゴリの判定」がS416であり、S409が「大当り用の変動カテゴリ決定テーブルを参照」であることからみて、上記「(ステップS409)」は「(ステップS416)」の誤記と認め、以下、「(ステップS409)」は「(ステップS416)」と表記する。)。・・・
・・・
【0148】
図4に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110~S117の処理のいずれかを選択して実行する。
【0149】
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。・・・
【0150】
図9は、特別図柄通常処理として、ステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
【0151】
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。・・・
・・・
【0153】
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1特図保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
・・・
【0155】
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、ステップS209の処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。」
(11)「【0157】
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。・・・
・・・
【0163】
特図表示結果が「大当り」でない場合(ステップS240;No)、ステップS243のあとには、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。」
(12)「【0219】
図20は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、まず、保留表示設定処理を実行する(ステップS162)。
【0220】
図21は、保留表示設定処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す保留表示設定処理では、演出制御用CPU120は、まず、第1始動入賞時コマンドバッファ及び第2始動入賞時コマンドバッファをチェックし(ステップS501)、新たな受信コマンド(始動入賞時コマンド)が保留表示番号「1」~「4」のいずれかに対応する格納領域に格納されているかを判定する(ステップS502)。新たな受信コマンドが格納されていない場合には(ステップS502;No)、保留表示設定処理を終了する。
・・・
【0230】
ステップS506では、ターゲットの表示開始時(当該保留発生時)、次変動、次次変動、次次次変動における保留表示図柄(ターゲット)の表示態様のパターン(保留表示パターン)を決定する。ステップS506では、演出モード、保留発生時の保留記憶数、変動カテゴリに応じて、図25から図44のいずれかの保留表示パターン決定テーブルを参照して、保留表示パターンを決定する。」
(13)「【0278】
また、設定される演出制御パターンは、第1保留表示領域5Ha(第1変動開始指定コマンド受信フラグがオン状態などであることによって第1変動開始指定コマンドを受信している場合)又は第2保留表示領域5Hb(第2変動開始指定コマンド受信フラグがオン状態などであることによって第2変動開始指定コマンドを受信している場合)に表示させている保留表示図柄のうち最も左側の表示位置に表示していた保留表示図柄を今回保留表示領域5Hcに移動表示させ、かつ、同じ保留表示領域のその他の表示位置に保留表示図柄が表示されている場合には当該保留表示図柄を1つ左の表示位置に移動表示させるものでもある。この移動表示は、飾り図柄の可変表示の開示時(当審注:「開示」は「開始」の誤記と認め、以下、「開示」は「開始」と表記する。)に行われる。なお、保留表示図柄の移動表示の際には、その表示態様が維持されるが、ステップS702で予告バッファから読み出した内容が保留表示図柄の表示態様を変化させるものである場合には、その内容に従って、移動表示させる際に保留表示図柄の表示色を、その内容が示す変化後の表示色に変化させるようにする。」
(14)「【0295】
図56のように、作用演出Aの実行時には、例えば、ブーメランS1がターゲットに向かって移動し、ブーメランS1がターゲットの保留表示図柄H(第2保留表示領域5Hbの一番右の図柄)にぶつかると、ぶつかった保留表示図柄Hの表示色が変化する。なお、作用演出が実行されても、保留表示図柄Hの表示色が変化しない場合があってもよく、この場合には、例えば、ブーメランS1が途中で消える(図56の二段目右側の画像)。
【0296】
図57のように、作用演出Bの実行時には、例えば、星S2がターゲットに向かって移動し、星S2がターゲットの保留表示図柄H(第2保留表示領域5Hbの一番右の図柄)にぶつかると、ぶつかった保留表示図柄Hの表示色が変化する。なお、作用演出が実行されても、保留表示図柄Hの表示色が変化しない場合があってもよく、この場合には、例えば、星S2が途中で消える(図57の二段目右側の画像)。
【0297】
図58のように、今回保留予告の実行時には、今回保留表示領域5Hcに表示された保留表示図柄Hの表示色が変更される。表示色は、切り替わるように変更されてもよいし、徐々に表示色を変化させて変更されてもよい。また、作用演出などの演出を実行してから表示色を変更してもよい。今回保留予告は、リーチ成立前の所定タイミングや、リーチ成立後の可変表示結果導出前の所定タイミングで行われてもよい。」
(15)「【0320】
また、変化させる特定表示が、今回表示領域に表示された特定表示も対象とする場合には、図59に示すような、今回保留領域の保留表示図柄の表示色(今回保留の欄)も指定する保留表示パターン(以下、全期間保留表示パターンともいう。)を用意して、図21のステップS506にて、当該全期間保留表示パターンを選択するための全期間保留表示パターン決定テーブル(例えば、図25~図44それぞれのテーブルの保留表示パターンを今回保留領域の保留表示図柄の表示色(今回保留の欄)も含む全期間保留表示パターンに置き換えたもの)を参照し、保留表示領域及び今回表示領域に表示していく特定表示の表示態様の変遷を一括して決定してもよい。」
(16)始動入賞判定処理示すフローチャートである(上記(2)参照)図5から、始動入賞判定処理(ステップ101)は、ステップS201~ステップS214からなることを看て取ることができる。
(17)特別図柄通常処理を示すフローチャートである(上記(2)参照)図9から、特別図柄通常処理(ステップS110)が、ステップS232~S248を含むことを看て取ることができる。
(18)全期間保留表示パターンの構成を示す(上記(2)参照)図59から、全期間保留表示パターンの保留表示パターンには、M3-43~M3-51の5パターンがあり、保留表示パターンM3-48において、
・保留発生時:灰色
・次変動(保留=3):灰色→黄色
・次次変動(保留=2):黄色→灰色
・次次次変動(保留=1):灰色→緑色
・今回変動(保留=0):緑色→赤色
と変化するパターンを備えることを看て取ることができる。
そして、上記記載事項(1)~(15)に記載された事項及び図面に記載された事項(16)~(18)を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる(a~iは、本願発明のA~Iに対応させて当審にて付与した。また、丸括弧内に示された段落番号は、引用文献における引用箇所を示す。)。
(引用発明)
「a 遊技球が打ち込まれ(【0020】)、遊技領域が形成されている遊技盤2から構成され(【0020】)、遊技領域を遊技球が流下し(【0066】)、
b 遊技領域における普通入賞球装置6A(【0039】)に第1始動入賞口(第1始動領域)が形成され(【0066】)、遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入し(【0066】)、
遊技領域における普通可変入賞球装置6B(【0039】)に第2始動入賞口(第2始動領域)が形成され(【0067】)、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入し(【0067】)、
c 第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲームの保留データを記憶する第1特図保留記憶部(【0130】)、及び第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲームの保留データを記憶する第2特図保留記憶部(【0132】)と、を備え(【0007】)、
主基板11が搭載され(【0041】)、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、CPU103を備えて構成され(【0048】)、
CPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして記憶し(【0130】、【0132】)、
d CPU103は、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行し、遊技制御用タイマ割込処理には、特別図柄プロセス処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれ(【0105】)、
特別図柄プロセス処理では、特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し(【0110】)、
CPU103は、ステップS110の特別図柄通常処理を、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行し(【0148】、【0149】)、
特別図柄通常処理として、ステップS110にて実行される処理において(【0150】)、特別図柄通常処理(ステップS110)は、ステップS232~S248を含み(図9)、
第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには第2特図保留記憶部の先頭領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出し(ステップS232)(【0151】)、
第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定し(ステップS235)(【0153】)、
第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部の先頭領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出し(ステップS236)(【0155】)、
特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定し(ステップS239)(【0157】)、
e 特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定し(【0163】)、
大当り図柄が導出表示されたときには、大当り遊技状態に制御され(【0071】)、
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となり(【0073】)
特別可変入賞球装置7は、ソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え(【0034】)、
主基板11には、ソレノイド回路111が搭載され、ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド82をオン状態にする信号を、大入賞口扉用のソレノイド82に伝送し(【0043】)、
f CPU103は、始動入賞判定処理を実行し(ステップS101)(【0125】)、
始動入賞判定処理(ステップ101)は、ステップS201~ステップS214からなり(図5)
ステップS209の処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出され、抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、記憶され(ステップS210)(【0129】)、
続いて、入賞時乱数値判定処理を行い(ステップS211)(【0134】)、CPU103は、ステップS209で抽出された変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、乱数値MR3と合致する決定値に割り当てられている変動カテゴリを判定し(ステップS416)(【0144】)、
演出制御用CPU120は、保留表示設定処理を実行し(ステップS162)(【0219】)、
保留表示設定処理では(【0220】)、ターゲットの表示開始時(当該保留発生時)、次変動、次次変動、次次次変動における保留表示図柄(ターゲット)の表示態様のパターン(保留表示パターン)を決定し、保留表示パターンの決定は、変動カテゴリに応じて、保留表示パターン決定テーブルを参照して、決定し(【0230】)、
画像表示装置5の画面上には、表示エリア5Hが配置され(【0026】)、
第1特図ゲームに対応した可変表示(保留中の可変表示)に対応する保留表示図柄Hは、表示エリア5Hにおける向かって左側の領域である第1保留表示領域5Haに表示され、第2特図ゲームに対応した可変表示(保留中の可変表示)に対応する保留表示図柄Hは、表示エリア5Hにおける向かって右側の領域である第2保留表示領域5Hbに表示され(【0092】)、
第1保留表示領域5Ha又は第2保留表示領域5Hbに表示していた保留表示図柄Hであって、現在実行中の可変表示に対応する保留表示図柄Hを表示エリア5Hにおける中央の今回保留表示領域5Hcに表示し(【0093】)、
gh 第1保留表示領域5Ha又は第2保留表示領域5Hbに表示させている保留表示図柄のうち最も左側の表示位置に表示していた保留表示図柄を今回保留表示領域5Hcに移動表示させ、かつ、同じ保留表示領域のその他の表示位置に保留表示図柄が表示されている場合には当該保留表示図柄を1つ左の表示位置に移動表示させ、移動表示は、飾り図柄の可変表示の開始時に行われ(【0278】)、
変化させる特定表示が、今回表示領域に表示された特定表示も対象とし、今回保留領域の保留表示図柄の表示色(今回保留の欄)も指定する保留表示パターン(以下、全期間保留表示パターンという。)を用意し、保留表示領域及び今回表示領域に表示していく特定表示の表示態様の変遷を一括して決定し(【0320】)、
全期間保留表示パターンの保留表示パターンには、M3-43~M3-51の5パターンがあり、保留表示パターンM3-48において、
・保留発生時:灰色
・次変動(保留=3):灰色→黄色
・次次変動(保留=2):黄色→灰色
・次次次変動(保留=1):灰色→緑色
・今回変動(保留=0):緑色→赤色
と変化するパターンを備え(図59)、
保留表示図柄の表示態様を変化させるときに、演出の結果として表示態様を変化させる作用演出が実行されることがあり、作用演出が実行されると、保留表示図柄の表示態様が変化し(【0096】)、
作用演出Aの実行時には、ブーメランS1がターゲットに向かって移動し、ブーメランS1がターゲットの保留表示図柄Hにぶつかると、ぶつかった保留表示図柄Hの表示色が変化し(【0295】)、
作用演出Bの実行時には、星S2がターゲットに向かって移動し、星S2がターゲットの保留表示図柄Hにぶつかると、ぶつかった保留表示図柄Hの表示色が変化し(【0296】)、
今回保留予告の実行時には、今回保留表示領域5Hcに表示された保留表示図柄Hの表示色が変更され、作用演出を実行してから表示色を変更してもよい(【0297】)、
i パチンコ遊技機(【0020】)。」
5 本願発明と引用発明の対比
本願発明と引用発明とを分説にしたがって対比する。
(a)引用発明の構成aの「遊技球が流下し」、「遊技領域」、「遊技盤2」、は、それぞれ本願発明の構成Aの「遊技球が流下する」、「遊技領域」「遊技盤」に相当する。
してみると、引用発明の構成aは、本願発明の構成Aに相当する。
(b)引用発明の構成bの「第1始動入賞口(第1始動領域)」、「第2始動入賞口(第2始動領域)」は、いずれも本願発明の構成Bの「始動領域」に相当する。
また、引用発明の構成bの「形成され」ること、「遊技領域を流下した遊技球が」「進入」することは、それぞれ本願発明の構成Bの、「設けられ」ること、「遊技球が進入可能な」ことに相当する。
してみると、引用発明の構成bは、本願発明の構成Bに相当する。
(c)引用発明の構成cの「第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生した」こと、「第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生した」ことは、いずれも本願発明の構成Cの「始動領域へ」「遊技球の進入」したことに相当する。
また、引用発明の構成cの「特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データなど」の「保留データ」は、本願発明の構成Cの「保留情報」に相当するとともに、引用発明の構成cの「第1特図保留記憶部」、「第2特図保留記憶部」は、いずれも本願発明の構成Cの「記憶部」に相当する。
また、引用発明の構成cの「特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データ」を「乱数回路104等から抽出」することは、本願発明の構成Cの「所定の保留情報を取得」することに相当する。
そして、引用発明の構成cにおいて、「特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3」を「抽出」する「CPU103」、並びに「第1特図保留記憶部」及び「第2特図保留記憶部」(記憶部)は、本願発明の「保留記憶手段」に相当する。
してみると、引用発明の構成cは、本願発明の構成Cに相当する。
(d)引用発明の構成dの「特図プロセスフラグの値が“0”のとき」は、本願発明の構成Dの「始動条件」に相当する。
また、引用発明の構成dの「第2特図保留記憶部の先頭領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出」すこと(ステップS232)、及び「第1特図保留記憶部の先頭領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出」すこと(ステップS236)は、いずれも本願発明の構成Dの「記憶部に記憶された保留情報を読み出」すことに相当する。
また、引用発明の構成dの「特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定」すること(ステップS239)は、本願発明の構成Dの「大当たりの当選可否を判定する」ことに相当する。
そして、引用発明の構成dにおける
・「第2特図保留記憶部の先頭領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出」す(記憶部に記憶された保留情報を読み出す)「ステップS232」、
・「第1特図保留記憶部の先頭領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出」す(記憶部に記憶された保留情報を読み出す)「ステップS236」、
・「特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定」(大当たりの当選可否を判定)する「ステップS239」
は、同構成dによればいずれも「特別図柄通常処理(ステップS110)」に「含」まれるものであって、当該「特別図柄通常処理(ステップS110)」は、「CPU103」が「実行」するものであるから、引用発明の構成dにおける「CPU103」は、本願発明の構成Dの
「記憶部に記憶された保留情報を読み出して大当たりの当選可否を判定する判定手段」に相当するものといえる。
してみると、引用発明の構成dは、本願発明の構成Dに相当する。
(e)引用発明における「「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定」すること(大当たりの当選可否を判定すること)は、上記(d)に説示のとおり、引用発明における「CPU103」(判定手段)によってなされるものである。したがって、引用発明の構成eの「特図表示結果が「大当り」であると判定された場合」は、本願発明の構成Eの「判定手段により大当たり当選の判定結果が導出される」ことに相当する。
また、引用発明の構成eの、「大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態とな」ることは、本願発明の構成Eの「遊技者に遊技利益を付与する」ことに相当する。
そして、引用発明の構成eの「特別可変入賞球装置7」は、「ソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え」、「ソレノイド回路111」が、「遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド82をオン状態にする信号を、大入賞口扉用のソレノイド82に伝送」しているのだから、「特別可変入賞球装置7」を「遊技者にとって有利な第1状態」としているのは、「ソレノイド回路111」及び「遊技制御用マイクロコンピュータ100」であるということができる。
そうすると、引用発明の構成eにおける「ソレノイド回路111」及び「遊技制御用マイクロコンピュータ100」は、本願発明の構成Eの「遊技利益付与手段」に相当する。
してみると、引用発明の構成eは、本願発明の構成Eに相当する。
(f)
ア 引用発明の「保留データ」が本願発明の「保留情報」に相当することは、上記(c)にて説示のとおりである。
また、引用発明の構成fの「保留表示パターン」は、「保留表示図柄(ターゲット)の表示態様のパターン」であるのだから、本願発明の構成Fの「保留表示の表示パターン」に相当するとともに、引用発明の構成fにおいて、「保留表示パターン」「を決定」することは、本願発明の構成Fの「保留表示の表示パターンを決定する」ことに相当する。
そして、引用発明の構成fによれば、
「保留データ」(保留情報)は、「特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データ」であり、
「変動カテゴリ決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、・・・変動カテゴリを判定し」、
「保留表示パターンの決定は、変動カテゴリに応じて」「決定」しているのだから、引用発明の構成fの「保留表示パターン」(保留表示の表示パターン)は、「保留データ」(保留情報)に「対応する」ものといえる。
そうすると、引用発明の構成fは、同構成の上記各記載より、本願発明の構成Fの「保留情報に対応する保留表示の表示パターンを決定する」との構成を有するものである。
イ 引用発明の構成fの「保留表示図柄」が「表示」される「第1保留表示領域5Ha」及び「第2保留表示領域5Hb」は、本願発明の構成Fの「保留表示領域」に相当する。
そして、引用発明の構成fでは、「保留表示パターン」(保留表示の表示パターン)は、「ターゲットの表示開始時(当該保留発生時)、次変動、次次変動、次次次変動における保留表示図柄(ターゲット)の表示態様のパターン」「を決定」しているのだから、「保留表示図柄(ターゲット)」の「表示態様」(保留表示)は、「保留表示パターン」(保留表示の表示パターン)に「対応した表示」であるといえ、上記アによれば「保留情報」の「それぞれに対応した表示」であるといえる。
してみると、引用発明の構成fは、同構成の上記各記載より、本願発明の構成Fの「決定した該表示パターンで該保留表示を、前記記憶部に記憶された保留情報のそれぞれに対応した表示を行う保留表示領域」との構成を有するものである。
ウ 引用発明の構成fの「今回保留表示領域5Hc」は、本願発明の構成Fの「当該保留表示領域」に相当する。
また、引用発明の構成fの「現在実行中の可変表示に対応する保留表示図柄」を「表示」することは、上記(d)での説示をふまえると、本願発明の構成Fの「始動条件の成立により読み出された保留情報に対応した表示を行う」ことに相当する。
そうすると、引用発明の構成fは、本願発明の構成Fの「前記始動条件の成立により読み出された保留情報に対応した表示を行う当該保留表示領域」との構成を有するものである。
エ 引用発明の構成fの「第1保留表示領域5Ha」及び「第2保留表示領域5Hb」(保留表示領域)並びに「今回保留表示領域5Hc」(当該保留表示領域)を含む「表示エリア5H」は、本願発明の構成Fの「保留表示領域と」「当該保留表示領域とからなる表示部」に相当する。
そして、引用発明の構成fの「画像表示装置5」は、その「画面上」に「表示エリア5H」(表示部)が配置されているのだから、「表示部に表示」する「保留表示手段」に相当する。
上記ア~エから、引用発明の構成fは、本願発明の構成Fに相当する。
(g)
ア 引用発明の「第1保留表示領域5Ha」及び「第2保留表示領域5Hb」が本願発明の「保留表示領域」に相当し、引用発明の「今回保留表示領域5Hc」が本願発明の「当該保留表示領域」に相当することは、上記(f)にて説示のとおりであり、引用発明の構成ghの「第1保留表示領域5Ha又は第2保留表示領域5Hbに表示させている保留表示図柄のうち最も左側の表示位置に表示していた保留表示図柄を今回保留表示領域5Hcに移動表示させ、かつ、同じ保留表示領域のその他の表示位置に保留表示図柄が表示されている場合には当該保留表示図柄を1つ左の表示位置に移動表示させ」ることは、本願発明の構成Gの「前記保留表示領域から前記当該保留表示領域に向かって表示されていく」ことに相当する。
イ 引用発明の構成ghの
「保留表示パターンM3-48において、
・保留発生時:灰色
・次変動(保留=3):灰色→黄色
・次次変動(保留=2):黄色→灰色
・次次次変動(保留=1):灰色→緑色
・今回変動(保留=0):緑色→赤色
と変化するパターン」
は、本願発明の構成Gの「前記保留表示領域から前記当該保留表示領域に亘って複数回変化する表示パターン」に相当する。
また、引用発明の構成ghの「保留表示領域及び今回表示領域に表示していく特定表示の表示態様の変遷を一括して決定」することは、本願発明の構成Gの「前記保留表示領域から前記当該保留表示領域に亘って」「変化する表示パターンに決定」することに相当する。
そうすると、引用発明の構成ghは、同構成の上記各記載より、本願発明の構成Gの「前記保留表示領域から前記当該保留表示領域に亘って複数回変化する表示パターンに決定された場合」との構成を有するものである。
ウ 引用発明の構成ghの「作用演出A」、「ブーメランS1」は、それぞれ、本願発明の構成Gの「演出」、「特定画像」に相当する。
また、引用発明の構成ghの「ターゲット」は、同構成fの保留表示図柄(ターゲット)との記載から、本願発明の構成Gの「一の保留表示」に相当する。
また、引用発明の構成ghの「作用演出A」の「ブーメランS1」(特定画像)は、「ブーメランS1がターゲットの保留表示図柄Hにぶつかると、ぶつかった保留表示図柄Hの表示色が変化」するのだから、「作用演出A」(演出)は、「変化タイミング」を「演出対象」としたものといえる。
また、引用発明の構成ghの「作用演出A」の「ブーメランS1」(特定画像)は、「ターゲット」(一の保留表示)「に向かって移動し、」「ブーメランS1」(特定画像)が「ターゲット」(一の保留表示)の「保留表示図柄にぶつかる」のだから、引用発明の構成ghの「ブーメランS1」(特定画像)は、同構成fの「表示エリア5H」(表示部)に表示されるものであることは明らかであり、引用発明において「表示エリア5H」(表示部)が配置されている「画像表示装置5」(上記(f)エを参照)は、本願発明の構成Gの「特定画像表示手段」に相当する。
また、引用発明の構成ghの「作用演出A」の「ブーメランS1」(特定画像)は、「ターゲット」(一の保留表示)「に向かって移動し、」「ブーメランS1」(特定画像)が「ターゲット」(一の保留表示)の「保留表示図柄にぶつかる」のだから、「ブーメランS1」(特定画像)は、「ターゲット」(一の保留表示)が「保留表示領域に表示されてから前記当該保留表示領域に表示されている期間」に表示されるものといえる。
また、引用発明の構成ghの「作用演出B」の「星S2」もまた、それぞれ本願発明の構成Gの「演出」、「特定画像」に相当し、それぞれ上記「作用演出A」、「ブーメランS1」に対する説示と同様のことがいえる。
してみると、上記ア~ウから、引用発明の構成ghは、本願発明の構成Gと、
「G′前記保留表示領域から前記当該保留表示領域に向かって表示されていく一の保留表示の前記表示パターンが、前記保留表示領域から前記当該保留表示領域に亘って複数回変化する表示パターンに決定され、
変化タイミングを演出対象とし、特定画像を、該一の保留表示が該保留表示領域に表示されてから前記当該保留表示領域に表示されている期間に表示可能とする特定画像表示手段と、を備え」
る点で共通する。
(h)引用発明の構成ghの
「保留表示パターンM3-48において、
・保留発生時:灰色
・次変動(保留=3):灰色→黄色
・次次変動(保留=2):黄色→灰色
・次次次変動(保留=1):灰色→緑色
・今回変動(保留=0):緑色→赤色
と変化する」ことは、本願発明の構成Hの「前記保留表示領域または前記当該保留表示領域に表示される一の保留表示が複数回変化」することに相当する。
してみると、引用発明の構成ghは、本願発明の構成Hと、
「H′前記保留表示領域または前記当該保留表示領域に表示される一の保留表示が複数回変化し得る」
との点で共通する。
(i)引用発明の構成iの「パチンコ遊技機」は、本願発明の構成Iの「遊技機」に相当する。
してみると、引用発明の構成iは、本願発明の構成Iに相当する。
そうすると、上記(a)~(I)によれば、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は以下のとおりである。
(一致点)
「A 遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、
B 前記遊技領域に設けられ、遊技球が進入可能な始動領域と、
C 前記始動領域への遊技球の進入を条件として、所定の保留情報を取得して記憶部に記憶する保留記憶手段と、
D 始動条件の成立により、前記記憶部に記憶された保留情報を読み出して大当たりの当選可否を判定する判定手段と、
E 前記判定手段により大当たり当選の判定結果が導出されると、遊技者に遊技利益を付与する遊技利益付与手段と、
F 前記保留情報に対応する保留表示の表示パターンを決定するとともに、決定した該表示パターンで該保留表示を、前記記憶部に記憶された保留情報のそれぞれに対応した表示を行う保留表示領域と、前記始動条件の成立により読み出された保留情報に対応した表示を行う当該保留表示領域とからなる表示部に表示する保留表示手段と、
G′前記保留表示領域から前記当該保留表示領域に向かって表示されていく一の保留表示の前記表示パターンが、前記保留表示領域から前記当該保留表示領域に亘って複数回変化する表示パターンに決定され、
変化タイミングを演出対象とし、特定画像を、該一の保留表示が該保留表示領域に表示されてから前記当該保留表示領域に表示されている期間に表示可能とする特定画像表示手段と、を備え
H′前記保留表示領域または前記当該保留表示領域に表示される一の保留表示が複数回変化し得る
I 遊技機。」
(相違点1)(構成Gについて)
「前記保留表示領域から前記当該保留表示領域に向かって表示されていく一の保留表示の前記表示パターンが、前記保留表示領域から前記当該保留表示領域に亘って複数回変化する表示パターンに決定された場合」において、本願発明では、
「この決定された表示パターンの変化タイミングのうち、少なくとも2以上の変化タイミングを演出対象とし、該演出対象とされた2以上の変化タイミングと同数の特定画像を」「表示可能とする」のに対し、引用発明では、「決定された表示パターンの変化タイミングのうち、少なくとも2以上の変化タイミングを演出対象とし、該演出対象とされた2以上の変化タイミングと同数の特定画像を」「表示可能」としているか否か不明である点。
(相違点2)(構成Hについて)
「前記保留表示領域または前記当該保留表示領域に表示される一の保留表示が複数回変化」すること(以下、単に「複数回変化」という)について、本願発明では、「前記特定画像の演出動作に伴って」複数回変化し得るのに対し、引用発明では、「前記特定画像の演出動作に伴」うものか否か不明である点。
6 判断
上記相違点1及び2について検討する。相違点1及び2は関連するので、まとめて検討することとする。
(1)引用発明は、その構成ghにおける、
「保留表示図柄の表示態様を変化させるときに、演出の結果として表示態様を変化させる作用演出が実行されることがあり、作用演出が実行されると、保留表示図柄の表示態様が変化し、
作用演出Aの実行時には、ブーメランS1がターゲットに向かって移動し、ブーメランS1がターゲットの保留表示図柄Hにぶつかると、ぶつかった保留表示図柄Hの表示色が変化し、
作用演出Bの実行時には、星S2がターゲットに向かって移動し、星S2がターゲットの保留表示図柄Hにぶつかると、ぶつかった保留表示図柄Hの表示色が変化し、
今回保留予告の実行時には、今回保留表示領域5Hcに表示された保留表示図柄Hの表示色が変更され、作用演出を実行してから表示色を変更してもよい」との構成から、
「変化タイミングを演出対象とし、特定画像を、該一の保留表示が該保留表示領域に表示されてから前記当該保留表示領域に表示されている期間に表示可能とする」
との構成を備えるものであることは、上記「5 本願発明と引用発明の対比 」(g)にて説示のとおりである。
一方、同引用発明は、その構成ghにおいて、
「・保留発生時:灰色
・次変動(保留=3):灰色→黄色
・次次変動(保留=2):黄色→灰色
・次次次変動(保留=1):灰色→緑色
・今回変動(保留=0):緑色→赤色
と変化する」「保留表示パターンM3-48」で「保留表示領域及び今回表示領域に表示していく特定表示の表示態様の変遷を一括して決定」する(本願発明の「前記保留表示領域から前記当該保留表示領域に亘って複数回変化する表示パターンに決定」することに相当)のだから(上記「5 本願発明と引用発明の対比 」(g)参照)、当該パターンに決定した際に、当該パターンにおけるすべての変化タイミングを演出対象として、特定画像(ブーメランS1又は星S2)を表示し、もって、「少なくとも2以上の変化タイミングを演出対象とし、該演出対象とされた2以上の変化タイミングと同数の特定画像を」「表示可能」とし、「特定画像の演出動作に伴って」複数回変化し得るものとすることは、当業者が容易に想到することである。
したがって、引用発明から、上記相違点1及び2に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
(2)仮に、引用発明から直ちに上記(1)のようにいうことができないとしても、保留表示領域から当該保留表示領域に向かって表示されていく一の保留表示の表示が、保留表示領域から当該保留表示領域に亘って複数回変化する遊技機において、変化タイミングのすべてを、特定画像による演出対象とし、演出対象とされた変化タイミングと同数の特定画像を表示可能とすることが、例えば以下の文献にみられるように、従来より周知の事項である。
・特開2016-36497号公報
(特に、【0345】の、
「また、始動入賞の発生時に「保留予告演出D」の実行を決定した場合には、次の変動表示において作用演出を実行し、その作用演出を実行するタイミングで保留表示を通常表示態様から特殊表示態様のうちの青色の丸形表示に変更して保留予告演出の実行を開始する。また、さらに次の変動表示において作用演出を実行し、その作用演出を実行するタイミングで保留表示を青色の丸形表示から特殊表示態様のうちの赤色の丸形表示に変更する。」
との記載や、【0397】の
「次に、保留予告演出の演出態様の具体例について説明する。・・・このうち、図44は、作用演出を伴う保留予告演出(本例では、保留予告演出D)の演出態様の具体例を示している。」
との記載、【0399】の
「図44(4)に示す例では、作用演出として、所定のキャラクタが登場し、その所定のキャラクタが予告対象の保留表示に向かって青色のボールなどを投げるような態様の演出が実行される場合が示されている。」
との記載、【0401】の
「次いで、作用演出の終了タイミングとなると、図44(5)に示すように、1回目の予告対象の保留表示の表示態様の変更が行われる」
との記載、【0402】の
「次いで・・・図44(7)に示すように、・・・作用演出の実行タイミングとなると、図44(8)に示すように、演出図柄の変動表示中に作用演出が実行される。図44(8)に示す例では、作用演出として、・・・赤色のボールなどを投げるような態様の演出が・・・示されている。」
との記載、【0403】の
「次いで、作用演出の終了タイミングとなると、図44(9)に示すように、2回目の予告対象の保留表示の表示態様の変更が行われる」
との記載、及び図44を参照。)(下線は当審で付した。以下同様。)
・特開2016-7473号公報
(特に、【0230】の、
「図20は、変化タイミング決定テーブルを示す説明図である。・・・図20(C)は、・・・変化パターンとして「青→赤」が決定された時の変化タイミング決定テーブルである。図20(D)は、・・・変化パターンとして「青→赤」が決定された時の変化タイミング決定テーブルである。」
との記載、図20(C)(D)において、保留数が4の場合に、「白→白→青→赤」と保留表示が2回変化する旨の記載、
【0339】の
「保留表示を変化させる場合には、必ず、キャラクタAまたはキャラクタBによる特定演出が実行されるようにする。」
との記載を参照(上記「キャラクタAまたはキャラクタB」は、本願発明の「特定画像」に相当する表示である。)。
また、当該文献には、【0215】に
「キャラクタ95が保留表示に作用すると見せかけて実際には作用せずに白色態様保留表示18cAが変化しない「変化ガセ演出」を実行したりする。」
と記載されているものの、【0263】には、
「図23(B)を参照して、変化ガセ演出決定テーブルは、保留記憶数に応じて、変化ガセ演出の具体的な態様(キャラクタAまたはキャラクタBのいずれかが変化ガセ演出を実行するか、変化ガセ演出を実行しないかの態様)に対する・・・乱数値の振分けが定められている。」
と記載され、当該図23(B)には、例えば保留数4の場合において「キャラA(ガセ)」は14%、「キャラB(ガセ)」は6%であって、「変化演出無し」が80%である旨が示されており、当該ガセ演出の割合からみて、当該文献において一の保留表示の色(表示)が複数回変化する際、変化タイミングのすべてを、特定画像による演出対象とし、演出対象とされた変化タイミングと同数の特定画像を表示可能としていることは明らかである。)
上記従来より周知の事項を考慮すれば、引用発明の「前記保留表示領域から前記当該保留表示領域に向かって表示されていく一の保留表示の前記表示パターンが、前記保留表示領域から前記当該保留表示領域に亘って複数回変化する表示パターンに決定された場合」において、「この決定された表示パターンの変化タイミングのうち、少なくとも2以上の変化タイミングを演出対象とし、該演出対象とされた2以上の変化タイミングと同数の特定画像を」「表示可能」とし、同引用発明の「前記保留表示領域または前記当該保留表示領域に表示される一の保留表示が複数回変化」することについて、「前記特定画像の演出動作に伴って」複数回変化し得るとすることは、当業者が適宜なしうる事項というべきであり、引用発明に上記周知の事項を用いることで、上記相違点1及び2に係る構成とすることは、当業者が適宜になし得たことである。
7 本願発明が奏する効果について
本願発明が奏する作用効果について検討してみても、本願発明が奏する作用効果は、当業者が、引用発明、若しくは引用発明及び周知の事項から予測し得るものであって、格別のものということはできない。
8 請求人の主張について
審判請求人は、平成31年3月1日提出の意見書の「5.意見」「(2)理由2(進歩性)について」において、本願の請求項1の「特定画像を該一の保留表示と並行して表示する」との事項を「演出対象とされた2以上の変化タイミングと同数の特定画像を、該一の保留表示が該保留表示領域に表示されてから前記当該保留表示領域に表示されている期間に表示可能とする」ものであると補正した旨を示すとともに、同意見書の同箇所において、引用文献1~4には、補正後の本願発明特有の構成については何ら記載も示唆もなされておらず、いくら当業者といえども、これらの引用文献に記載された発明に基づいて本願発明に容易に想到することができたとするのは極めて困難である旨の主張がされている。
しかし、上記「6 判断」にて説示のとおり、保留表示領域から当該保留表示領域に向かって表示されていく一の保留表示の表示が、保留表示領域から当該保留表示領域に亘って複数回変化する遊技機において、変化タイミングのすべてを、特定画像による演出対象とし、演出対象とされた変化タイミングと同数の特定画像を表示可能とすることが、従来より周知の事項であり、引用発明の「前記保留表示領域から前記当該保留表示領域に向かって表示されていく一の保留表示の前記表示パターンが、前記保留表示領域から前記当該保留表示領域に亘って複数回変化する表示パターンに決定された場合」において、「この決定された表示パターンの変化タイミングのうち、少なくとも2以上の変化タイミングを演出対象とし、該演出対象とされた2以上の変化タイミングと同数の特定画像を」「表示可能」とし、同引用発明の「前記保留表示領域または前記当該保留表示領域に表示される一の保留表示が複数回変化」することについて、「前記特定画像の演出動作に伴って」複数回変化し得るとすることは、当業者が適宜なしうる事項である。
9 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2018-008879