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特許拒絶査定不服審判

2018-004618

再利用可能なプラスチック製エアゾールディスペンサ

審判番号
2018-004618
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-525572外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年04月05日
審決日
2019年03月01日
公報発行日
2019年09月27日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (B65D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2016-525572「再利用可能なプラスチック製エアゾールディスペンサ」拒絶査定不服審判事件〔2015年4月30日国際公開、WO2015/061071、平成28年11月10日国内公表、特表2016-534948〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2014年10月14日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2013年10月23日、アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は、概略、次のとおりである。 平成28年6月16日   :手続補正書の提出 平成29年4月12日付け :拒絶理由通知書 平成29年10月18日  :意見書の提出 平成29年11月28日付け:拒絶査定 平成30年4月5日    :審判請求書の提出 平成30年5月17日   :手続補正書(方式)の提出 平成30年10月15日付け:拒絶理由通知書 平成31年1月16日   :意見書、手続補正書の提出(以下、この手続補正書による手続補正を「本件補正」という。) 第2 本願発明 (1)本願の特許請求の範囲の請求項1~15に係る発明は、本件補正により補正された特許請求の範囲の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1~15に記載されたとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。 「再利用可能な構成要素を含むエアゾールディスペンサ(20)であって、前記構成要素は、 第1の端部における閉じた端底部と第2の端部における開いた首部(24)とを有する外側容器(22)であって、外側容器(22)の内部容積を画定する、外側容器(22)と、 内部バッグ(32)であって、内部バッグ(32)の内部容積を画定し、噴霧可能な製品(42)を内部に有する内部バッグ(32)と、 前記内部バッグ(32)を前記首部(24)に接合する弁カップ(26)と、 前記エアゾールディスペンサ(20)からの製品(42)を選択的に分配するためのバルブアセンブリ(28)と、 前記首部(24)を通って周囲に漏れることを防止するシールと、を含み、 ここで、前記構成要素はそれぞれ、米国プラスチック工業協会によって規定される単一クラスの再利用可能材料からなる群から選択され、 前記外側容器(22)の直径は約7.62cm以下であり、 前記外側容器(22)の容積は約118cc~約1000ccの範囲であり、 前記エアゾールディスペンサ(20)は、前記内部バッグ(32)の外側でかつ前記外側容器(22)の内側に貯蔵される不燃性噴射剤(40)であって、ゲージ圧力は50℃において約1100kPa未満である、不燃性噴射剤(40)をさらに含む、エアゾールディスペンサ(20)。」 第3 拒絶の理由 当審が通知した平成30年10月15日付け拒絶理由のうち本願発明に対する理由は、次の理由を含んでいる。 「本願発明は、本願の優先日前日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1に記載された発明及び周知の技術(引用文献2~4参照)に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:米国特許出願公開第2012/0292338号明細書 引用文献2:国際公開第2005/085077号 引用文献3:特開平9-254945号公報 引用文献4:特開平8-230212号公報」 第4 引用文献の記載及び引用発明・技術 1.引用文献1 (1)引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、括弧内の和訳は、当審が付したものである。 ア.[0017] 「FIG. 1 is a perspective view of an aerosol dispenser according to the present invention having a plastic outer container and a bag.」 (図1はプラスチック製の外側容器およびバックを有する、本発明によるエアゾールディスペンサの斜視図である。) イ.[0018] 「FIG. 2A is an exploded perspective view of the aerosol dispenser of FIG. 1 having a collapsible bag.」 (図2Aは折り畳み式バックを有する、図1のエアゾールディスペンサの分解斜視図である。) ウ.[0031] 「Referring to FIGS. 1 , 2A and 2B, an aerosol dispenser 20 is shown. The aerosol dispenser 20 comprises a pressurizeable outer container 22 usable for such a dispenser. The outer container 22 may comprise plastic or metal, as are known in the art. The outer container 22 may have an opening. The opening is typically at the top of the pressurizeable container when the pressurizeable container is in its-in use position. The opening defines a neck 24, to which other components may be sealed.」 (図1、2Aおよび2Bを参照すると、エアゾールディスペンサ20が示されている。エアゾールディスペンサ20は、このようなディスペンサに使用することができる加圧可能な外側容器22を含む。外側容器22は、当該技術分野において既知のプラスチックまたは金属を含み得る。外側容器22は、開口部を有し得る。開口部は典型的に、加圧可能な容器がその使用位置にあるときに、加圧可能な容器の頂部にある。開口部は、他の構成要素が封止される首部24を画定する。) エ.[0032] 「A valve cup 26 may be sealed to the opening of the outer container 22, as described in further detail below. A valve assembly 28, in turn, may be disposed within the valve cup 26. The valve assembly 28 provides for retention of product 42 within the aerosol dispenser 20 until the product 42 is selectively dispensed by a user. ・・・」 (弁カップ26は、以下でさらに詳述されるように、外側容器22の開口部に封止され得る。続いてバルブアセンブリ28が弁カップ26内に配置され得る。バルブアセンブリ28は、製品42がユーザによって選択的に分配されるまで、製品42をエアゾールディスペンサ20内に保持する。・・・) オ.[0033] 「Selective actuation of the valve assembly 28 allows the user to dispense a desired quantity of the product 42 on demand. Illustrative and nonlimiting products 42 for use with the present invention may include shave cream, shave foam, body sprays, body washes, perfumes, cleansers, air fresheners, astringents, foods, paints, etc.」 (弁アセンブリ28の選択的な作動により、ユーザは所望の量の製品42を必要に応じて分配することができる。本発明とともに使用するための例示的および非限定的な製品42としては、剃毛クリーム、剃毛フォーム、ボディスプレー、ボディウォッシュ、香水、クレンザー、空気洗浄剤、収れん剤、食物、塗料などが挙げられる。) カ.[0034] 「Inside the outer container 22 may be a product delivery device. The product delivery device may comprise a collapsible bag 32 as shown in FIG. 2A. The collapsible bag 32 may be mounted in sealing relationship to the neck 24 of the container and/or to the valve assembly 28. This arrangement is known in the art as a bag-on-valve. The collapsible bag 32 may hold product 42 therein, and prevent intermixing of such product 42 with propellant 40. The propellant 40 may be stored outside the collapsible bag 32, and inside the outer container 22.」 (外側容器22内に製品供給装置があってもよい。製品供給装置は、図2Aに示されるように、折り畳み式バッグ32を含んでいてもよい。折り畳み式バッグ32は、容器の首部24、および/またはバルブアセンブリ28と封止関係で載置されてもよい。この構成は、バッグ・オン・バルブとして、当該技術分野において既知である。折り畳み式バッグ32は内部に製品42を保持し、このような製品42が噴射剤40と混合するのを防ぐことができる。噴射剤40は、折り畳み式バッグ32の外側でかつ外側容器22の内側に貯蔵されてもよい。) キ.[0043] 「If desired, the outer container 22, valve cup 26, valve assembly 28, dip tube 34 and/or collapsible bag 32 may be polymeric. By polymeric it is meant that the component is formed of a material which is plastic, comprises polymers, and/or particularly polyolefin, polyester or nylons.・・・」 (所望により、外側容器22、弁カップ26、バルブアセンブリ28、ディップチューブ34及び/または折り畳み式バッグ32は、ポリマーであり得る。ポリマーとは、構成要素が、プラスチックである材料から形成されることを意味し、ポリマー、及び/または特定のポリオレフィン、ポリエステル、またはナイロンを含む。・・・) ク.[0047] 「The outer container 22 may range from 6 to 40 cm in height, taken in the axial direction and from 4 to 60 cm in diameter if a round footprint is selected. The outer container 22 may have a volume ranging from 115 to 1000 cc exclusive of any components therein, such as a product delivery device. ・・・」 (外側容器22の軸方向高さは6~40cmの範囲であってもよく、丸い設置面積が選択された場合の直径は4~60cmであり得る。外側容器22は、製品供給装置などの内部のあらゆる構成要素を除き、115~1000ccの範囲の容積を有してもよい。・・・) ケ.[0052] 「It has been found that a plastic outer container 22 conforming to the aforementioned radius percentage and punt diameter to area ratio does not creep under pressures ranging from 100 to 970 kPa, and having a sidewall thickness less than 0.5 mm. The outer container 22 may be pressurized to an internal gage pressure of 100 to 970, 110 to 490 or 270 to 420 kPa. A particular aerosol dispenser 20 may have an initial propellant 40 pressure of 1100 kPA and a final propellant 40 pressure of 120 kPa, an initial propellant 40 pressure of 900 kPA and a final propellant 40 pressure of 300 kPa, an initial propellant 40 pressure of 500 kPA and a final propellant 40 pressure of 0 kPa, etc.」 (前述の半径割合および平底直径対面積の比に適合するプラスチックの外側容器22は、100~970kPaの範囲の圧力下ではクリープを起こさず、側壁厚さが0.5mm未満であることが分かっている。外側容器22は、内部ゲージ圧力100~970、110~490、または270~420kPaまで加圧される場合がある。特定のエアゾールディスペンサ20は、1100kPAの初期噴射剤40の圧力、および120kPaの最終噴射剤40の圧力、900kPAの初期噴射剤40の圧力、および300kPaの最終噴射剤40の圧力、500kPAの初期噴射剤40の圧力、および0kPaの最終噴射剤40の圧力等を有し得る。) コ.[0056]~[0057] 「・・・ The propellant 40 may particularly comprise a Trans-1,3,3,3-tetrafluoroprop-1-ene, and optionally a CAS number 1645-83-6 gas.」、「Such propellant 40 provide the benefit that they are not flammable.」 (噴射剤40は特に、トランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロバ-1-エン、及び任意にCAS番号1645-83-6ガスを含む場合がある。)、(このような噴射剤40は可燃性でないという利点を提供する。) サ.[0069]~[0070] 「When the desired propellant 40 pressure is reached, the valve cup 26 may be sealed to the neck 24 or top of the outer container 22 to prevent leakage therefrom. ・・・」、「Sealing may occur through sonic welding or ultrasonic welding as are known in the art. ・・・If desired, the valve cup 26 and the outer container 22 may have identical, or closely matched, melt indices, to improve sealing.・・・」 (所望の噴射剤40の圧力に達すると、弁カップ26は、首部24、または外側容器22の頂部に封止され得、そこからの漏れを防ぐ。・・・)、(封止は、当該技術分野において既知であるように、音波溶接または超音波溶接により行ってもよい。・・・所望により、弁カップ26及び外側容器22は、封止を改善するために、同一または緊密に適合したメルトインデックスを有し得る。・・・) シ.Fig.1 「 」 ス.Fig.2A 「 」 (2)上記(1)から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているといえる。 ア.引用文献1の上記(1)キ.には、外側容器22及び弁カップ26はプラスチックであることが示されており、上記(1)サ.には、弁カップ26は超音波溶接により外側容器22の首部24に封止されることが示されている。ここで、超音波溶接とは、超音波振動を与え、摩擦による発熱によって被接合材を溶融して接合する溶接方法であることは技術常識である。ゆえに、プラスチックの弁カップ26とプラスチックの外側容器22の首部24の間には、超音波溶接によりプラスチックの接合部分が形成され、当該接合部分は外側容器22内の噴射剤40が前記首部24を通って周囲に漏れることを防止するシールになるといえる。 イ.引用文献1の上記(1)ス.の図示から、外側容器22は下端部において端底部を有することが読み取れる。また、引用文献1の上記(1)カ.には、噴射剤40は外側容器22の内側に貯蔵されることが示されている。そうすると、外側容器22は、内側に噴射剤40を貯蔵するための内部容積を画定しており、前記端底部は閉じられているといえる。 ウ.引用文献1の上記(1)カ.には、折り畳み式バッグ32は、内部に製品42を保持していることが示されている。そうすると、折り畳み式バッグ32は、内部に製品42を保持するための内部容積を画定しているといえる。 エ.引用文献1の上記(1)オ.には、製品42として、ボディスプレー、香水、塗料が示されている。エアゾールディスペンサについて、このような製品は、噴霧により分配されることは技術常識である。 オ.引用文献1の上記(1)ス.の図示、及び上記(1)エ.及びカ.の記載によると折り畳み式バッグ32内の製品42はバルブアセンブリ28が配置された弁カップ26を経て分配されると解されるから、折り畳み式バッグ32は弁カップ26に備えられているといえる。また、上記ア.で示したとおり、弁カップ26は外側容器22の首部24に溶接される。ゆえに、前記弁カップ26は、前記折り畳み式バッグ32を前記首部24に接合するといえる。 カ.引用文献1の上記(1)コ.には、噴射剤40は可燃性でないことが示されている。ゆえに、引用文献1には、噴射剤40が不燃性噴射剤であることが示されているといえる。 キ.引用文献1の上記(1)ケ.には、「・・・プラスチックの外側容器22は、100~970kPaの範囲の圧力下ではクリープを起こさず・・・外側容器22は、内部ゲージ圧力100~970・・・kPaまで加圧される場合がある。」と記載されている上で、「特定のエアゾールディスペンサ20は、1100kPAの初期噴射剤40の圧力、および120kPaの最終噴射剤40の圧力、・・・および0kPaの最終噴射剤40の圧力等を有し得る。」と記載されているところ、圧力の単位として、「kPa」と「kPA」が記載されているが、「kPA」は「kPa」の明らかな誤記であるといえること、前者の外側容器22の内圧は後者の噴射剤40の圧力により発生すると解されるため両者は対応関係にあるといえること、噴射剤40が0kPaを有し得るとされているため技術常識からすれば噴射剤40の圧力は絶対圧ではなくゲージ圧で示されていると解されることから、上記後者の噴射剤40の圧力は前者の外側容器22の内圧と同様、ゲージ圧であるといえる。 (3)上記(1)及び(2)を踏まえると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されているといえる。 「外側容器22、折り畳み式バッグ32、弁カップ26、バルブアセンブリ28及びシールを含むエアゾールディスペンサ20であって、前記外側容器22、折り畳み式バッグ32、弁カップ26、バルブアセンブリ28及びシールは、 下端部における閉じた端底部と上端部における開いた首部24とを有する外側容器22であって、外側容器22の内部容積を画定する、外側容器22と、 折り畳み式バッグ32であって、折り畳み式バッグ32の内部容積を画定し、噴霧可能な製品42を内部に有する折り畳み式バッグ32と、 前記折り畳み式バック22を前記首部24に接合する弁カップ26と、 前記エアゾールディスペンサ20からの製品42を選択的に分配するためのバルブアセンブリ28と、 前記首部24を通って周囲に漏れることを防止するシールと、を含み、 ここで、前記外側容器22、折り畳み式バッグ32、弁カップ26、バルブアセンブリ28及びシールはそれぞれ、プラスチックであり、 前記外側容器22の直径は、4~60cmであり、 前記外側容器22のうち内部の構成要素を除いた容積は115~1000ccの範囲であり、 前記エアゾールディスペンサ20は、前記折り畳み式バッグ32の外側でかつ前記外側容器22の内側に貯蔵される不燃性噴射剤40であって、ゲージ圧力は120~1100、300~900、または0~500kPaである、不燃性噴射剤40をさらに含む、エアゾールディスペンサ20。」 2.引用文献2 (1)引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア.[0028] 「・・・容器本体1,11及び蓋部3,13は、アルミニウム又はスチール等の金属材料若しくはプラスチック材料から形成されていることが好ましい。容器本体1,11及び蓋部3,13とは、リサイクル性の観点から同一素材で形成することが好ましい。特にプラスチック材料から形成することが好ましく、レーザー溶接で高温まで加熱しなくても溶接が可能である。・・・」 イ.[図1] 「 」 (2)引用文献2の上記(1)ア.には、「容器本体1,11及び蓋部3,13とは、リサイクル性の観点から同一素材で形成することが好ましい。」と記載されているところ、容器本体と蓋とを同一素材で形成するという手段を採るのは、技術常識からみて、一旦、成形されたプラスチック等の材料を溶解して原材料として再利用するためと解されるから、前記「リサイクル性の観点」とは、原材料として再利用しやすいことを意味するものといえる。 (3)上記(1)及び(2)を踏まえると、引用文献2には次の技術が示されているといえる。 「原材料として再利用しやすくするため、各構成要素を同一素材の樹脂で形成すること。」 3.引用文献3 (1)引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア.【0012】 「・・・本体1、ノズル2、キャップ3をいずれも同じ樹脂とすることにより、リサイクルに際して分解の必要もなく、一体のまま押しつぶして回収することができる。回収後は圧縮、裁断の後溶解して再資源化する。」 イ.【図1】 「 」 (2)引用文献3の上記(1)ア.の記載からみて、引用文献3の「リサイクル」は原材料として再利用するリサイクルであるといえる。 (3)上記(1)及び(2)を踏まえると、引用文献3には次の技術が示されているといえる。 「原材料として再利用しやすくするため、各構成要素を同じ樹脂で形成すること。」 4.引用文献4 (1)引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア.【0008】 「【実施例】図1ないし図3に、本発明のインク容器の弁調節の主要な部品を示す。その片側に柔軟なつぶれることのできるプラスチックのインク容器22を取り付けた弁胴20が含まれている。インク容器22は、高密度ポリエチレンの薄いシートからなっていてもよく、その縁は熱でかしめて容器のインクを収容する内部を形成している。」 イ.【0010】 「弁胴は、好ましくは高密度ポリエチレンで形成されており・・・」 ウ.【0013】 「弁ホルダ24もまた弁胴20と一体的に形成されていて、弁胴の外面50から突出している。弁ホルダは、通常、弁26が密着してはまる中空の円筒形の部材を含む。弁は、弁胴同様高密度ポリエチレンで形成されており、たとえば射出成形によって形成されている。」 エ.【0031】 「【発明の効果】以上のように、本発明を用いると、弁調節のすべての部品が同じ種類の材料で作ることができるので、部品の分類が不要なので容器のリサイクルが非常に容易になる。・・・」 オ.【図1】 「 」 (2)引用文献4の上記(1)エ.には、「弁調節のすべての部品が同じ種類の材料で作ることができるので、部品の分類が不要なので容器のリサイクルが非常に容易になる。」と記載されているところ、すべての部品を同じ種類の材料で作るという手段を採るのは、技術常識からみて、部品を溶解して原材料として再利用するためと解されるから、前記「リサイクルが非常に容易」とは、原材料として再利用しやすいことを意味するものといえる。 (3)上記(1)及び(2)を踏まえると、引用文献4には次の技術が示されているといえる。 「原材料として再利用しやすくするため、各構成要素を同じ種類の樹脂材料で形成すること。」 第5 引用発明との対比 1.本願発明と引用発明1を対比すると、引用発明1における「エアゾールディスペンサ20」、「下端部」、「端底部」、「上端部」、「首部24」、「外側容器22」、「折り畳み式バッグ32」、「製品42」、「弁カップ26」、「バルブアセンブリ28」、「シール」、「不燃性噴射剤40」は、それぞれ、本願発明における「エアゾールディスペンサ」、「第1の端部」、「端底部」、「第2の端部」、「首部」、「外側容器」、「内部バッグ」、「製品」、「弁カップ」、「バルブアセンブリ」、「シール」、「不燃性噴射剤」に相当し、引用発明1における「外側容器22、折り畳み式バッグ32、弁カップ26、バルブアセンブリ28及びシール」は、本願発明における「構成要素」に相当する。 また、本願発明の「前記構成要素はそれぞれ、米国プラスチック工業協会によって規定される単一クラスの再利用可能材料からなる群から選択され」ることと、引用発明1の「前記外側容器22、折り畳み式バッグ32、弁カップ26、バルブアセンブリ28及びシールはそれぞれ、プラスチック」であることとは、構成要素がプラスチックであるという限りにおいて一致する。 また、本願の明細書の【0061】には、「外側容器22は、製品供給装置などの内部のあらゆる構成要素を除き、115~1000ccの範囲の容積を有してもよい。」と記載されていることから、本願発明の「外側容器の容積」は、外側容器の内部のうち構成要素を除いた容積であるといえ、引用発明1の「外側容器22のうち内部の構成要素を除いた容積」は、本願発明における「外側容器の容積」に相当する。このことから、外側容器の寸法と容積について、本願発明の「前記外側容器(22)の直径は約7.62cm以下であり、前記外側容器(22)の容積は約118cc~約1000ccの範囲であり」と、引用発明1の「前記外側容器22の直径は、4~60cmであり、前記外側容器22のうち内部の構成要素を除いた容積は115~1000ccの範囲であり」とは、外側容器が所定の直径と容積を有するという限りにおいて一致する。 さらに、不燃性噴射剤のゲージ圧力について、本願発明の「ゲージ圧力は50℃において約1100kPa未満である」と引用発明1の「ゲージ圧力は120~1100、300~900、または0~500kPaである」とは、不燃性噴射剤が所定のゲージ圧力を有するという限りにおいて一致する。 2.そうすると、本願発明と引用発明1との一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「構成要素を含むエアゾールディスペンサであって、前記構成要素は、 第1の端部における閉じた端底部と第2の端部における開いた首部とを有する外側容器であって、外側容器の内部容積を画定する、外側容器と、 内部バッグであって、内部バッグの内部容積を画定し、噴霧可能な製品を内部に有する内部バッグと、 前記内部バッグを前記首部に接合する弁カップと、 前記エアゾールディスペンサからの製品を選択的に分配するためのバルブアセンブリと、 前記首部を通って周囲に漏れることを防止するシールと、を含み、 ここで、前記構成要素はそれそれ、プラスチックであり、 前記外側容器は所定の直径を有し、 前記外側容器は所定の容積を有し、 前記エアゾールディスペンサは、前記内部バッグの外側でかつ前記外側容器の内側に貯蔵される不燃性噴射剤であって、所定のゲージ圧力を有する、不燃性噴射剤をさらに含む、エアゾールディスペンサ。」 <相違点1> 本願発明では、「構成要素」は、それぞれ、米国プラスチック工業協会によって規定される単一クラスの再利用可能材料からなる群から選択され、再利用可能であるのに対し、引用発明1では、「外側容器22、折り畳み式バッグ32、弁カップ26、バルブアセンブリ28及びシール」はプラスチックからなるものの、再利用については明らかでない点。 <相違点2> 本願発明では、外側容器の直径は約7.62cm以下であり、外側容器の容積は約118cc~約1000ccの範囲であるのに対して、引用発明1では、外側容器22の直径は、4~60cmであり、外側容器22の容積は、115~1000ccである点。 <相違点3> 本願発明では、不燃性噴射剤のゲージ圧力は、50℃において約1100kPa未満であるのに対し、引用発明1では、不燃性噴射剤40のゲージ圧力は、120~1100、300~900、または0~500kPaである点。 第6 判断 1.上記<相違点1>について検討する。 まず、本願発明の「再利用」とは、「米国プラスチック工業協会によって規定される単一クラスの再利用可能材料」と記載されていることからみて、単に中身を詰め替えて再利用するリサイクルではなく、原材料として再利用するリサイクルであると解される。この理解は、本願明細書の【0014】における「さらに他の再利用問題としては、種々の材料を消費者パッケージ物品(たとえばエアゾールディスペンサ)から分離して、再利用可能な材料蒸気にすることが挙げられる。」との記載とも整合する。 また、本願発明の「構成要素は、それぞれ、米国プラスチック工業協会によって規定される単一クラスの再利用可能材料からなる群から選択され」との事項は、本願発明の発明特定事項をすべて含む請求項2に係る発明が、「単一クラスの再利用可能材料から選択されるそれぞれの前記構成要素は、クラス1の再利用可能材料から選択される」と特定されており、この「クラス1」が、所定の融解温度、ガラス転移温度、およびヤング率を有する特定の樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET、PETE))を意味すること(本願明細書の【0014】~【0017】参照)からみて、例えば、構成要素の全てが同じPET(米国プラスチック工業協会によって規定されるクラス1の材料)から形成される等、構成要素の全てが同じ種類の樹脂材料から形成されることを意味するものである。 一般に、上記第4の2.(3)、3.(3)、及び4.(3)で示したように、原材料として再利用しやすくするため、各構成要素を同じ種類の樹脂材料で形成することは、周知の技術である。引用発明1について、資源を有効に利用することは当業者であれば通常着想し得たといえるから、上記周知の技術を採用する動機があるといえる。そうすると、引用文献1における、プラスチックの構成要素である「外側容器22、折り畳み式バッグ32、弁カップ26、バルブアセンブリ28及びシール」について、上記周知の技術を採用し、再利用しやすいように、同じ種類の樹脂材料から形成することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。そして、同じ種類に分類される樹脂として、「米国プラスチック工業協会によって規定される単一クラスの再利用可能材料」とすることは、当業者が必要によりなし得た事項であり、もって上記<相違点1>に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 また、引用発明1について、上記周知の技術を採用することに、技術的な阻害要因があるとはいえない。 2.上記<相違点2>について検討する。 引用発明1において、外側容器22の直径及び容積は、エアゾールディスペンサの持ち運びやすさや、求められる外側容器22内の製品42及び不燃性噴射剤40の量等に応じて、当業者であれば適宜設計し得たことである。 そうすると、引用発明1の外側容器22の直径は4~60cmであり、外側容器22の容積は115~1000ccであるところ、直径を上記範囲内で約7.62cm以下とし、容積を上記範囲内で約118cc~約1000cc程度とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。 3.上記<相違点3>について検討する。 引用文献1の上記第4の1.(1)ケ.には、「外側容器22は、100~970kPaの範囲の圧力下ではクリープを起こさず、・・・外側容器22は、内部ゲージ圧力100~970、110~490、または270~420kPaまで加圧される場合がある。」と記載されている。この記載から、外側容器22は、内部ゲージ圧力が100~970kPaではクリープを起こさないといえる。 ここで、エアゾールディスペンサの外側容器は、車内に放置した場合等に温度が上昇し、50℃程度になることは、一般的にあり得ることである。 そうすると、外側容器22が、このような場合でもクリープを起こさないように、内部ゲージ圧力すなわち不燃性噴射剤のゲージ圧力を50℃でも100~970kPaを満たすようにすることは、当業者であれば容易になし得たことである。 4.そして、<相違点1>~<相違点3>を総合的に勘案しても、本願発明の奏する作用効果は、引用発明1及び上記周知の技術(引用文献2~4参照)から当業者であれば予測できる範囲内のものにすぎず、格別顕著なものともいえない。 5.なお、請求人は、平成31年1月16日に提出した意見書の4-3.(7)において、「引用文献2-4に記載の容器は噴射剤を収容する機能を有しません。よって、引用文献1に記載の発明に、引用文献2-4に記載の発明を適用すると、引用文献1に記載の発明が有する、容器内に充填される製品を噴射する機能が失われると思料致します。したがって、引用文献1に記載の発明と、引用文献2-4に記載の発明とを組み合わすことに阻害要因が存在し、当業者では、引用文献1-4に記載の発明から、本願請求項1に記載の発明や本願請求項5に記載の発明に容易に想到することができないと思料致します。」と主張している。 しかしながら、引用文献2~4の「原材料として再利用しやすくするため、各構成要素を同じ種類の樹脂材料で形成すること」との周知事項と、噴射剤を収容する機能を有さないこととは、一体不可分のものではなく、引用文献1に記載の発明(上記第4の1.(3)で示した引用発明1)は、そもそも、噴射剤を収容する機能を有するものであるから、引用発明1に引用文献2~4に示される「原材料として再利用しやすくするため、各構成要素を同じ種類の樹脂材料で形成すること。」という周知事項を適用するにあたって噴射剤を有さないことをも適用する必要性は認められない。 ゆえに、請求人の上記主張は当を得たものではなく、採用することができない。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明1及び周知の技術(引用文献2~4参照)に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-004618

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