特許異議申立
2017-700954
マグロ類養殖魚及びその用途
- 審判番号
- 2017-700954
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2016-155840
- 登録番号
- 特許第6106795号(P6106795)
- 請求日
- 2017年10月05日
- 審決日
- 2019年03月05日
- 公報発行日
- 2019年06月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】日本水産株式会社
- 【権利者代理人】特許業務法人太陽国際特許事務所
- 【異議申立人】上田 精一
- 【異議申立人】成田 隆臣
- 【異議申立人】伊藤 匠
- 審判長/審判官
- 審判長 小野 忠悦
- 審判官 井上 博之
- 審判官 住田 秀弘
- 分類
- P1651.111-YAA(A01K) / P1651.113-YAA(A01K) / P1651.121-YAA(A01K) / P1651.851-YAA(A01K)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第1号、特許法第29条第2項、特許法第120条の8第1項、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6106795号発明「マグロ類養殖魚及びその用途」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第6106795号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-14〕、〔15-18〕、19、20について訂正することを認める。
特許第6106795号の請求項1ないし7、9ないし15、17、19ないし20に係る特許を維持する。
特許第6106795号の請求項8、16、18に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
特許第6106795号の請求項1~20に係る特許についての出願は、平成28年8月8日(優先権主張平成27年8月7日)に出願したものであって、平成29年3月10日付けでその特許権の設定登録がされ、平成29年4月5日に特許掲載公報が発行された。その後、平成29年10月5日に特許異議申立人上田精一(以下「申立人A」という。)、特許異議申立人成田隆臣(以下「申立人B」という。)及び特許異議申立人伊藤匠(以下「申立人C」という。)より、請求項1~20に係る特許に対して特許異議の申立てがされ、平成29年12月13日付けで取消理由(発送日平成29年12月19日)が通知され、その指定期間内である平成30年2月16日に意見書の提出及び訂正請求がされ、同年4月4日に申立人A、申立人Bから、同年4月5日に申立人Cから、それぞれ意見書が提出された。そして、同年5月10日付けで訂正拒絶理由が通知され、同年6月12日に意見書及び訂正請求取下書が提出され、同年7月26日付けで取消理由(決定の予告)(発送日同年8月1日)が通知され、その指定期間内である同年10月1日付けで意見書の提出及び訂正請求がされ、同年11月29日に申立人B、申立人Cから、同年11月30日に申立人Aから、それぞれ意見書が提出されたものである。
第2 訂正請求について
1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は以下の(1)~(14)のとおりである。(下線は訂正箇所を示す。)
(1)訂正事項1-1
請求項1に、
「筋肉、肝臓及び眼球からなる群より選択される少なくとも1つが100gあたり2mg以上のビタミンEを含む、マグロ類養殖魚。」
とあるのを、
「100 gあたり30mg以上のビタミンEを含む筋肉、100gあたり30mg以上のビタミンEを含む肝臓及び100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む眼球からなる群より選択される少なくとも1つを含むマグロ属の魚類である、マグロ類養殖魚。」
と訂正する。
請求項1の記載を引用する請求項2~7、9~14も同様に訂正する。
(2)訂正事項1-2
請求項8を削除する。
(3)訂正事項1-3
請求項9に、
「ビンナガ、クロマグロ、ミナミマグロ、タイセイヨウマグロ、タイセイヨウクロマグロ、キハダ、メバチ、コシナガ、ハガツオ又はスマである」
とあるのを、
「ビンナガ、クロマグロ、ミナミマグロ、タイセイヨウマグロ、タイセイヨウクロマグロ、キハダ、メバチ又はコシナガである」
と訂正する。
請求項9の記載を引用する請求項12~14も同様に訂正する。
(4)訂正事項1-4
請求項9に、
「請求項1~請求項8のいずれか1項記載のマグロ類養殖魚。」
とあるのを、
「請求項1~請求項7のいずれか1項記載のマグロ類養殖魚。」
と訂正する。
(5)訂正事項1-5
請求項10に、
「請求項1~請求項8のいずれか1項記載のマグロ類養殖魚。」
とあるのを、
「請求項1~請求項7のいずれか1項記載のマグロ類養殖魚。」
と訂正する。
(6)訂正事項1-6
請求項11に、
「ビンナガ、クロマグロ、タイセイヨウマグロ、タイセイヨウクロマグロ、キハダ、メバチ、コシナガ、ハガツオ又はスマである」
とあるのを、
「ビンナガ、クロマグロ、タイセイヨウマグロ、タイセイヨウクロマグロ、キハダ、メバチ又はコシナガである」
と訂正する。
請求項11の記載を引用する請求項12~14も同様に訂正する。
(7)訂正事項1-7
請求項12に、
「請求項1~請求項11のいずれか1項記載のマグロ類養殖魚。」
とあるのを、
「請求項1~請求項7及び請求項9~請求項11のいずれか1項記載のマグロ類養殖魚。」
と訂正する。
(8)訂正事項1-8
請求項13に、
「請求項1~請求項12のいずれか1項記載のマグロ類養殖魚。」
とあるのを、
「請求項1~請求項7及び請求項9~請求項12のいずれか1項記載のマグロ類養殖魚。」
と訂正する。
(9)訂正事項2-1
請求項15に、
「100gあたり2mg以上のビタミンEを含む、マグロ類養殖魚の可食部。」
とあるのを、
「100gあたり30mg以上のビタミンEを含む筋肉、100gあたり30mg以上のビタミンEを含む肝臓及び100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む眼球からなる群より選択される少なくとも1つを含むマグロ属の魚類である、マグロ類養殖魚の可食部。」
と訂正する。
請求項15の記載を引用する請求項17も同様に訂正する。)
(10)訂正事項2-2
請求項16を削除する。
(11)訂正事項2-3
請求項17に、
「赤身又は脂身である」とあるのを、
「前記筋肉が、赤身又は脂身である」と訂正する。
(12)訂正事項2-4
請求項18を削除する。
(13)訂正事項3-1
請求項19に、
「100gあたり2mg以上のビタミンEを含むマグロ類養殖魚の可食部の非加熱品と、」
とあるのを。
「100gあたり30mg以上のビタミンEを含む筋肉、100gあたり30mg以上のビタミンEを含む肝臓及び100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む眼球からなる群より選択される少なくとも1つを含むマグロ属の魚類であるマグロ類養殖魚の可食部の非加熱品と、」
と訂正する。
(14)訂正事項4-1
請求項20に、
「100gあたり2mg以上のビタミンEを含むマグロ類養殖魚の可食部の加熱品と、」
とあるのを、
「100gあたり30mg以上のビタミンEを含む筋肉、100gあたり30mg以上のビタミンEを含む肝臓及び100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む眼球からなる群より選択される少なくとも1つを含むマグロ属の魚類であるマグロ類養殖魚の可食部の加熱品と、」
と訂正する。
2 訂正の適否
(1)訂正事項1-1、2-1、3-1、4-1について
ア 訂正の目的の適否について
訂正事項1-1、2-1、3-1、4-1は、それぞれ請求項1、15、19、20について、マグロ類養殖魚を「マグロ属の魚類」と限定すると共に、ビタミンEの含有量についても「2mg以上」から「30mg以上」又は「27.1mg以上」と限定し、さらに訂正事項2-1、3-1、4-1は、「可食部」を「筋肉」、「肝臓」又は「眼球」と限定したものといえるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するか否かについて
上記アで説示したように、訂正事項1-1、2-1、3-1、4-1は魚類の種類及びビタミンEの含有量について限定したものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
マグロ属の魚類とすることは、願書に添付した明細書(以下「明細書」という。)の段落【0012】に記載されており、筋肉及び肝臓が「100gあたり30mg以上のビタミンEを含む」点については、明細書の段落【0015】に記載されている。また、眼球が「100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む」点については、明細書の段落【0099】(表2)において、眼球におけるα-トコフェロール(ビタミンE)の含有量が27.1mg/100gであることが記載されており、段落【0015】における「好ましくは、・・・20mg以上、30mg以上・・・」の記載と合わせて見れば、眼球が「100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む」態様についても記載されているに等しい事項であるといえる。
(2)訂正事項1-2、2-2、2-4について
訂正事項1-2、2-2、2-4は、それぞれ請求項8、16、18を削除するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)訂正事項1-3、1-6について
訂正事項1-3、1-6は、それぞれ請求項9、11における魚についての択一的な記載から「ハガツオ」、「スマ」を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかである。
(4)訂正事項1-4、1-5、1-7、1-8について
訂正事項1-4、1-5、1-7、1-8は、上記訂正事項1-2の訂正に伴って、引用する請求項を整合させるものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項1-4、1-5、1-7、1-8は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことは明らかである。
(5)訂正事項2-3について
訂正事項2-3は、上記訂正事項2-1の「筋肉」と限定した訂正と整合させるものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項2-3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことは明らかである。
(6)一群の請求項について
訂正前の請求項1~14、請求項15~18は、それぞれ請求項2~14、請求項16~18が、訂正の請求の対象である請求項1、請求項15の記載をそれぞれ引用する関係にあるから、訂正前の請求項1~14及び請求項15~18は、訂正前においてそれぞれ一群の請求項に該当するものである。したがって、訂正の請求は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項ごとにされたものである。
(7)申立人の主張について
申立人Aは平成30年11月30日付け意見書において、申立人Bは平成30年11月29日付け意見書において、訂正事項1-1、2-1、3-1、4-1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正ではない旨主張する。
しかしながら、上記(1)ウで説示したように、訂正事項1-1、2-1、3-1、4-1は、明細書の段落【0015】、【0099】の記載から導き出せる事項であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正ではないとはいえない。
3 小括
したがって、上記訂正請求による訂正事項1-1~4-1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項、第6項の規定に適合するので、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の記載のとおり、訂正後の請求項〔1-14〕、〔15-18〕、19、20について訂正することを認める。
第3 特許異議の申立てについて
1 訂正後の請求項1~7、9~15、17、19、20に係る発明
上記訂正請求により訂正された請求項1~7、9~15、17、19、20に係る発明(以下「本件発明1」等という。)は、以下のとおりのものである。(下線は訂正箇所を示す。)
「【請求項1】
100gあたり30mg以上のビタミンEを含む筋肉、100gあたり30mg以上のビタミンEを含む肝臓及び100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む眼球からなる群より選択される少なくとも1つを含むマグロ属の魚類である、マグロ類養殖魚。
【請求項2】
配合飼料を含む餌料で飼育管理されることにより得られた、請求項1記載のマグロ類養殖魚。
【請求項3】
比幽門垂重量が、2%以上である請求項1又は請求項2記載のマグロ類養殖魚。
【請求項4】
100gあたり2mg以上のビタミンEを含む幽門垂を有する請求項1~請求項3のいずれか1項記載のマグロ類養殖魚。
【請求項5】
総魚体重が20kg以上である請求項1~請求項4のいずれか1項記載のマグロ類養殖魚。
【請求項6】
尾叉長が90cm以上である請求項1~請求項5のいずれか1項記載のマグロ類養殖魚。
【請求項7】
肥満度が20以上である請求項1~請求項6のいずれか1項記載のマグロ類養殖魚。
【請求項9】
ビンナガ、クロマグロ、ミナミマグロ、タイセイヨウマグロ、タイセイヨウクロマグロ、キハダ、メバチ又はコシナガである請求項1~請求項7のいずれか1項記載のマグロ類養殖魚。
【請求項10】
北半球を生息域とする魚類を主食とするマグロ類である請求項1~請求項7のいずれか1項記載のマグロ類養殖魚。
【請求項11】
ビンナガ、クロマグロ、タイセイヨウマグロ、タイセイヨウクロマグロ、キハダ、メバチ又はコシナガである請求項10記載のマグロ類養殖魚。
【請求項12】
鰓、内臓、尾部及び頭部からなる群より選択される部位の少なくともひとつが除去されている請求項1~請求項7及び請求項9~請求項11のいずれか1項記載のマグロ類養殖魚。
【請求項13】
鰓及び内臓が除去された形態である請求項1~請求項7及び請求項9~請求項12のいずれか1項記載のマグロ類養殖魚。
【請求項14】
全重量が17kg以上である請求項13記載のマグロ類養殖魚。
【請求項15】
100gあたり30mg以上のビタミンEを含む筋肉、100gあたり30mg以上のビタミンEを含む肝臓及び100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む眼球からなる群より選択される少なくとも1つを含むマグロ属の魚類である、マグロ類養殖魚の可食部。
【請求項17】
前記筋肉が、赤身又は脂身である請求項15記載のマグロ類養殖魚の可食部。
【請求項19】
100gあたり30mg以上のビタミンEを含む筋肉、100gあたり30mg以上のビタミンEを含む肝臓及び100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む眼球からなる群より選択される少なくとも1つを含むマグロ属の魚類であるマグロ類養殖魚の可食部の非加熱品と、可食部の非加熱品を収容する容器と、を含む、マグロ類養殖魚の非加熱食品。
【請求項20】
100gあたり30mg以上のビタミンEを含む筋肉、100gあたり30mg以上のビタミンEを含む肝臓及び100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む眼球からなる群より選択される少なくとも1つを含むマグロ属の魚類であるマグロ類養殖魚の可食部の加熱品と、可食部の加熱品を収容する容器と、を含む、マグロ類養殖魚の加熱食品。」
2 取消理由の概要
訂正前の請求項1~20に係る特許に対して平成30年7月26日付けで特許権者に通知した取消理由(決定の予告)の要旨は、次のとおりである。
本件特許の請求項1~11、15~18に係る発明は、刊行物1に記載された発明又は刊行物2に記載された発明と同一であり、その特許は特許法第29条第1項第1号又は第3号の規定に違反してされたものである。
また、本件特許の請求項1~20に係る発明は、刊行物1に記載された発明、刊行物2に記載された発明、及び刊行物7、刊行物8、刊行物11並びに刊行物19に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではあるから、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
3 刊行物の記載
刊行物1:升間主計、クロマグロ・キハダの親魚養成と産卵生態に関する研究、九州大学審査学位論文、近大水研報13号、2013年(申立人Aの甲第1号証、申立人Cの甲第2号証)
刊行物2:平成25年度クロマグロ養殖用餌料高度化促進事業に関する報告書、一般社団法人マリノフォーラム21クロマグロ養殖用餌料高度化促進事業グループ、平成26年3月(申立人Aの甲第2号証、申立人Bの甲第1号証)
刊行物3:クロマグロ養殖用餌料高度化促進事業(平成23~25年度水産庁補助事業)、一般社団法人マリノフォーラム21主催平成25年度公開成果報告会資料、平成26年3月27日開催(申立人Aの甲第3号証、申立人Bの甲第2号証、申立人Cの甲第5号証)
刊行物4:一般社団法人マリノフォーラム21、公開成果報告会、平成26年、インターネット<URL:http://www.mfl21.or.jp/140327houkokukai.shtml> (申立人Aの甲第4号証)
刊行物5:Jeffrey G. Buchanan & Philip M. Thomas、Improving the Color Shelf Life of Farmed Southern Bluefin Tuna (Thunnus maccoyii) Flesh with Dietary Supplements of Vitamins E and C and Selenium、Journal of Aquatic Food Product Technology, Vol.17 Issue 3、2008 (申立人Aの甲第5号証、申立人Cの甲第1号証)
刊行物6:P.M. THOMAS & J. BUCHANAN、The use of dietary antioxidants to extend colour shelf life in farmed juvenile Southern Bluefin Tuna(Thunnus maccoyii)、2007.07.17、インターネット<https://en.engormix.com/aquaculture/articles/the-use-dietary-antioxidants-t33828.htm>(申立人Aの甲第6号証、申立人Cの甲第3号証)
刊行物7:マグロ類の人工種苗による新規養殖技術の開発、独立行政法人水産総合研究センター、平成21年3月15日(申立人Aの甲第7号証、申立人Cの甲第4号証)
刊行物8:中村泉、マグロ学、講談社、p.6-9、30-55、60、61、68、69、72、73(申立人Aの甲第8号証)
刊行物9:平岡芳信ほか1名、水産物のエイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸、食品中の健康機能性成分の分析法マニュアル、産技連四国食品健康産業分科会食品機能成分分析研究会編、平成23年3月9日受理(申立人Aの甲第9号証)
刊行物10:加藤愛ほか1名、マグロ内臓を原料とした魚醤油の開発、日本醸造協会誌、105巻1号、2010年1月、p.31-35(申立人Aの甲第10号証)
刊行物11:石原幸雄、鳥取県で水揚げされる魚介類の食品・栄養学的特性の解明、鳥取大学大学院連合農学研究科学位論文、2013年(申立人Aの甲第11号証)
刊行物12:マグロの部位と加工形態、TUNA QUEEN WEB SITE、TOREI(東洋冷蔵株式会社)、2005年、インターネット<http://www.tunaqueen.com/minijiten/bui.html> (申立人Aの甲第12号証、申立人Bの甲第8号証)
刊行物13:登録実用新案第3065363号公報(申立人Aの甲第13号証)
刊行物14:登録実用新案第3066526号公報(申立人Aの甲第14号証)
刊行物15:坂田潤弥ほか1名、クロマグロの飼料と消化機能に関する研究、愛媛大学南予水産研究センター、2015年3月31日(申立人Bの甲第3号証)
刊行物16:特開平11-308970号公報(申立人Bの甲第4号証)
刊行物17:特開2011-177170号公報(申立人Bの甲第5号証)
刊行物18:特開2013-188207号公報(申立人Bの甲第6号証)
刊行物19:杉井麒三郎ほか1名、二,三の魚類におけるビタミンEの分布、Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries、Vol.34、No.5、1968年1月13日受理(申立人Bの甲第7号証)
刊行物20:幽門垂(ゆうもんすい)、「魚類,角上魚類,魚類剥製,中央魚類」、インターネット<http://myfishes.blog77.fc2.com/blog-entry-691.html>(申立人Cの甲第6号証)
刊行物21:渡辺武彦ほか2名、マグロ頭部の有用脂質成分、東海水研報、第127号、平成元年3月(申立人Aの甲第15号証、申立人Cの平成30年4月5日付け意見書の参考資料2)
刊行物22:東秀雄ほか2名、魚類におけるトコフェロール類の役割に関する研究、The Vitamin Society of Japan、Vol.41、No.1、1970年(申立人Aの甲第16号証、申立人Cの平成30年4月5日付け意見書の参考資料4)
刊行物23:兼松弘ほか4名、魚介類および藻類中のトコフェロール含量ならびに同族体組織について、日本栄養・食糧学会誌、Vo1.36 No.4、p.239-245、1983年(申立人Aの甲第17号証)
刊行物24:竹内昌昭編、水産学シリーズ81魚肉の栄養成分とその利用(日本水産学会監修)、株式会社恒星社厚生閣、p.54-63、平成2年10月25日発行(申立人Aの甲第18号証)
刊行物25:Saw Mya Linn et al.、Effect of Dietary Vitamin E Supplementation on Growth Performance and Oxidative Condition of Red Sea Bream Pagrus major、Aquaculture Sci. 、62(4)、p.329-339、2014(申立人Aの甲19号証)
刊行物26:内藤幸次ほか1名、6 水産物のビタミンEに関する研究 I 魚介類のE含量、95頁~102頁(申立人Aの甲20号証)
刊行物27:Bimol C Roy、Proximate and Fatty Acid Compositions in Different Flesh Cuts of Cultured,Cultured Fasted,and Wild Pacific Bluefin Tuna(Thunnus orientalis),Journal of Aquatic Food Product Technology、19: p.284-297、2010(申立人Aの甲21号証)
刊行物28:五十嵐脩、技術用語解説「ビタミンE」、398頁(申立人Aの甲第22号証)
刊行物29:さまざまな生物におけるビタミンEの選択的体内輸送と機能、9号、521頁、523頁、2012年9月(申立人Aの甲第23号証)
刊行物30:Takafumi Ito et al.、Effects of α-Tocopherol Levels in Extrusion Pellets on In vivo Lipid Peroxidation Levels and Antioxidant Activities in Cultured Yellowtail Seriola quinqueradiata Injected with the Causative Bacteria of Fish Jaundice、Fisheries Science、65(5)、p.679-683、1999(申立人Aの甲第24号証)
刊行物31:D.R.TOCHER et al.、Effects of dietary vitamin E on antioxidant defence mechanisms of juvenile turbot (Scophthalmus maximus L.),halibut(Hippoglossus hippoglossus L.)and sea bream (Sparus aurata L.)、Aquaculture Nutrition、p.195-207、2002 (申立人Aの甲第25号証)
刊行物32:G.Stephan et al.、Lipid peroxidation in turbot(Scophthalmus maximus) tissue:effect of dietary vitaminE and dietary n-6 or n-3 polyunsaturated fatty acids、 Aquaculture 130、p.251-268、1995 (申立人Aの甲第26号証)
刊行物33:Yu-Hung Lin et al.、Dietary vitamin E requirement of grouper, Epinephelus malabaricus, at two lipid levels, and their effects on immune responses、Aquaculture 248、p.235-244、2005(申立人Aの甲第27号証)
刊行物34:B.N.Paul et al.、Dietary vitamin E requirement of mrigal, Cirrhinus mrigala fry、Aquaculture 242、p.529-536、2004(申立人Aの甲第28号証)
刊行物35:S.K. Sau et al.、Dietary vitamin E requirement, fish performance and carcass composition of rohu (Labeo rohita)fry、Aquaculture 240、p.359-368、2004 (申立人Aの甲第29号証)
刊行物36:熊井英水ほか2名、近畿大学プロジェクト クロマグロ完全養殖、成山堂書店、p.86-95、平成22年3月28日初版発行(申立人Aの甲第30号証)
刊行物37:国際公開第2013/061892号(申立人Cの平成30年4月5日付け意見書の参考資料1)
刊行物38:山本尚俊、マグロ養殖業の歴史的展開と今後の展望、長崎大学水産学部研究報告 第93号)、p.59-77、2012(申立人Cの平成30年4月5日付け意見書の参考資料3)
刊行物39:Ronald w. HARDY et al.、Aquaculture Feed and Seafood Quality、水研センター研報、第31号、p.43-50、平成22年(2010)(申立人Cの平成30年11月29日付け意見書の参考資料1)
(1)平成30年7月26日付け取消理由通知(決定の予告)(以下単に「取消理由通知」という。)において引用した刊行物1には、次の記載があり、以下の発明(以下「刊1発明」という。)が記載されていると認められる。(下線は当決定で付与。以下同じ。)
ア 「第1章 クロマグロの親魚養成,産卵および仔稚魚の形態発達」(44頁1行)
イ 「b)親魚
1993年8月に高知県沖で漁獲された当歳魚(ヨコワ)が約1年間沖縄県本部町の民間養殖業者により育てられた。このうち189尾を1994年6月に本センター地先に設置した前述のφ40m円型網生賓に収容し養成を開始した。収容時のサイズは尾叉長73.4cm(範囲:66.0~80.0, n=10),平均体重8.3kg(範囲:6,4~11.7, n=10)であった。その後,1995年9月に,それまで生残していた172尾のうち95尾を仕切り網へ移し(以下仕切網群),77尾は引き続き円型網生賓(以下網生葺群)で養成し,両施設での比較試験を開始した。」(45頁下から9行~3行)
ウ 「c)給餌・・・餌には冷凍のマアジTrachurus japonicus,マサバScomber japonicus(1996年2月から)を主体に給餌し,2000年9月(2001年4月まで同様に餌を与えた仕切網群を除いて)以降はサバを主体に給餌した。1999年3月からは3~10月の間にイカの1種Todarodes sp. も併せて給餌した。餌は水切り後に秤量し,給餌直前にビタミン類を添加して与えた。ビタミン類はヘルシーミックス40(松村薬品工業(株))に対して,ビクミックスE(ニッチク薬品工業(株))を1,ビタミンCコーティング(ロッシュ・ビタミン・ジャパン(株))を2,乾燥胆末(ミクニ化学産業(株))を1,水産用トーアラーゼ(東亜薬品工業(株))を5の割合で混合した。乾燥胆末は2003年から使用を中止した。添加量は餌の重量に対して約0. 5%とした。」(45頁末行~46頁13行)
エ 「Fig.1-14に1993年群の尾叉長の成長を示した。年齢10.3と11.3歳の2尾の個体が尾叉長279.0cmに達し,最大であった。」(56頁21行~22行)
オ 「1993年群の体重成長をFigs. 1-22, 1-23に示した。最大体重は仕切網群の個体で観察された,11.2歳,581kgであった。」(58頁下から2~1行)
カ 「c)サンプリングと分析
分析に供したサンプルは,主に釣獲によって得た。・・・取り揚げたのち,直ぐに陸上施設に運び,体測定を済ませた後,第1背鰭後端から体軸に垂直に切断し,200~300gの背肉,腹肉,血合肉を採取した(Fig. 1-32)。さらに,肝臓,生殖腺を採り,直ちに-80℃で保存した。・・・分析は各部位の一般成分,脂肪酸組成,生殖腺,肝臓ではさらにビタミンC,Eについて行った。」(64頁下から4行~65頁8行)
キ 「c)ビタミン
分析結果をTablel-7に示した。肝臓中のビタミンC,E量は雌雄間で有意差が認められなかった(P=0.21,0.75)ことから,データを込みにして検討した。・・・ビタミンEは5.lmg/100g(1.8~9.4mg/100g),変動係数は29.4, 35.9と高く,個体間でのばらつきが大きいことを示した。生殖腺では・・・ビタミンEは3.6mg/100g(l.2~14.7mg/100g)・・・を示した。変動係数はビタミンEで69.0,ビタミンCでは雌で22.2,雄で28,5であった。」(71頁3行~17行)
ク 「肥満度は養成したクロマグロでは宮下ら(2000)が,天然魚の収容時で15~20,その後20~21を中心に推移し,概ね15~30の範囲で,成長に伴って微増したことを報告している。天然魚の肥満度は,伊藤(2004)の図から読み取り,大型魚には伊藤(2004)の求めた換算係数1.12を乗じて推定した。推定した肥満度は小型魚で21を中心とした値を示し,大型魚では18~20と推定された。本研究では尾叉長50cm以下で平均19.8(13.1~28.6), 50cm 以上で22.8(16.2~31.3)であり,成長に伴って,特に50cm 以下では急速に肥満し,それ以上では宮下ら(2000)と同様に緩やかに増加した。これらの値は天然魚に比べて高く,宮下ら(2004)の値よりもやや高かった。」(74頁下から9行~75頁下から9行)
ケ Fig.1-14のグラフからFork length(尾叉長)が50cm程度から250cm程度に分布していることが看て取れる。Fig.1-22のグラフからBody weight(体重)が100kg程度から500kg程度まで分布していることが看て取れる。Tablel-7の表から、Liver(肝臓)中のビタミンEは5.1±1.8mg/100g、Gonad(生殖腺)中のビタミンEは3.6±2.5mg/100gであることが看て取れる。
コ 上記イの記載から、餌にはビタミン類が添加され、ビタミンEも添加されていると解されるから、ビタミンE添加配合飼料を含む餌ということができる。
サ 上記ア~コの記載を踏まえると以下の刊1発明が記載されていると認められる。
刊1発明
「ビタミンE添加配合飼料を含む餌で飼育管理されることにより得られた、
肝臓中に、100gあたり5.1mg±1.8mgのビタミンEを含み、
魚体重が100kg~500kg程度であり、
尾叉長が50cm~250cm程度であり、
肥満度が16.2~31.3である、
クロマグロ。」
(2)取消理由通知において引用した刊行物2には、次の記載があり、以下の発明(以下「刊2発明」という。)が記載されていると認められる。
ア 「4-2 クロマグロの配合飼料飼育条件と飼育環境
4-2-1 飼育条件
・・・近畿大学大島事業場の・・・生貰にて、・・・クロマグロ人工種苗を・・・飼育を行った。」(4頁下から7行~3行)
イ 「4-3-5 ビタミン含量
背筋肉中のビタミン含量を分析した結果、配合飼料区の総トコフェロール・・・は、生餌給餌区に比べ総トコフェロールで10倍…と高い値を示した。(表6)」(11頁3行~6行)
ウ 表4(魚体測定結果)から、配合飼料の場合、尾叉長111.0±5.2cm、体重31.3±4.5kg、肥満度22.8±1.5であることが看て取れる。表6(ビタミン含量)から、配合飼料の場合、背筋肉中の総トコフェロールは201.7±49.6mg/kgであることが看て取れる。ビタミン含量201.7±49.6mg/kgは、20.17±4.96mg/100gと換算できる。トコフェロールは技術常識からビタミンEであると解される。
エ 上記ア~ウの記載を踏まえると、以下の刊2発明が記載されていると認められる。
刊2発明
「尾叉長が111.0±5.2cm、体重が31.3±4.5kg、肥満度が22.8±1.5であり、
背筋肉中のビタミンE含量が20.17±4.96mg/100gである、
配合飼料を含む餌で飼育された、
クロマグロ」
(3)取消理由通知において引用した刊行物3は、刊行物2の内容を要約した資料となっているので、実質的に上記刊2発明と同じ内容が記載されていると認められる。
(4)取消理由通知において引用した刊行物5には、次の記載がある。
「ABSTRACT
The use of dietary antioxidants to increase the shelf life of farmed southern bluefin tuna (SBT)flesh was examined…using…high-vitamin pellet (HV)fortified with vitamin E, vitamin c, and selenium.・・・Muscle vitamin levels were significantly higher in the HV group than the Control group for vitamin E(20.4±1.74 vs 9.7±0.89 mg/kg)・・・」(285頁、ABSTRUCT)
(仮訳;養殖ミナミマグロ(SBT:southern bluefin tuna)肉の保存期間を長くするための食餌中の抗酸化物質の使用について、標準ペレット(対照)又はビタミンE、ビタミンC及びセレニウムで強化した高ビタミンペレット(HV)・・・を用いて・・・調査した。・・・ビタミンE (20.4±1.74 vs 9.7±0. 89mg/kg)・・・について、筋肉のビタミンレベルはHV群で対照群よりも有意に高かった。・ ・ ・)
(5)取消理由通知において引用した刊行物6には、次の記載がある。
ア 「(仮訳)魚の畜養
この研究で使用されたSBT(ミナミクロマグロ)は,グレートオーストラリア湾(Great Australian Bight)の商業的なマグロ事業者によって網で捕られた。これらの魚は,その後,南オーストラリア州ホートリンカーンのボストン湾近くの生簀(pontoon)で飼われた。実験開始時にSBTの筋肉内のビタミンC、ビタミンE、及びセレニウム濃度を測定するために,採取した魚10匹からマグロ筋肉試料を採取した。」(FISH HUSBANDRYの項)
イ 「(仮訳)魚のサンプリング
網による収穫直後に,魚を標準的な業界のプラクティスに従って直ちに殺した(Thomas et al.,2003)。屠殺後,各魚の出血傷に挿入された17mmのステンレス鋼コアリングツールを用いて,筋肉試料を魚から切除した。得られた筋肉の一部を液体窒素中で直ちに凍結し残りを剖検後の色評価のために氷上に保存した。」(FISH SAMPLINGの項)
ウ 「(仮訳)分析手順
各SBTから採取した筋肉について,ビタミンC、ビタミンE及びセレニウムの濃度を分析した。α-トコフェリル及びdl-α-トコフェリルアセテート濃度は,D'Antignana et al.によりSBT筋肉のために改変されたHuo(1999)の方法に基づくHPLCによって決定された(2004)。」(ANALYTICAL PROCEDURESの項)
エ Table4.からDiet1、Diet2において、α-Tocopherolがそれぞれ42.1±3.4mg/kg、38.8±2.4mg/kgであることが看て取れる。
(6)取消理由通知において引用した刊行物7には、次の記載がある。(当決定注;頁数は申立人Aの甲第7号証の表示で記載)
ア 「2.中課題名「採卵技術の高度化に関する研究開発」・・・生餌給餌との比較結果からクロマグロ親魚養成餌料として・・・確認した。」(19頁下から5行~20頁1行)
イ 「(2)小課題名「卵質の向上に適した親魚用配合飼料の開発」
1)研究目的
平成18年採捕のヨコワを配合飼料で育成し、・・・配合飼料の開発に取り組む。」(22頁9行~13行)
ウ 「表1 魚体測定結果」(23頁)の「6期 配合区」において魚体重26,475±3,607g、尾叉長109.9±1.7cm、肥満度21.5±2.2、比幽門重値3.6±1.3%であることが看て取れる。
エ 「表3 飼料成分の魚体への蓄積結果 可食部中のビタミンE含有量(mg/100g)」(24頁)の「配合区」においてビタミンE含有量が6.18±3.22~6.95±2.60であることが看て取れる。
オ ヨコワがクロマグロの幼魚であることは技術常識である。
(7)取消理由通知において引用した刊行物8には、次の記載がある。
「クロマグロは、・・・分布の中心は北半球にある(図15)。」(34頁10行~12行)
(8)取消理由通知において引用した刊行物11には、次の記載がある。
ア 「水揚げされたクロマグロは・・・鰓と内臓を除去し・・・入札にかけられる。・・・内臓は余すところなく食しており、卵巣は塩漬けにし・・・「ボッタルガ(カラスミ)」が製造されている」(85頁下から9行~末行)
イ 「クロマグロの市場で取引される魚体重の約8%から19%,平均14%が,鰓・内臓及び生殖腺の重量となることが分かった。」(88頁4行~5行)
(9)取消理由通知において引用した刊行物19には、次の記載がある。
ア 「II.魚類体内におけるビタミンEの分布
・・・
(1)カツオ体各部のビタミンEの分布」(422頁下から6行~3行)
イ 「この図より明らかなようにビタミンEは特定の臓器に集中して蓄積されぬ点が」(424頁4行)
(10)刊行物21には、次の記載がある。
ア 表4において、ミナミ(1)(ミナミマグロ)の眼組織、眼筋肉、頭部筋肉のビタミンE含量(mg/組織100g)がそれぞれ12.2、2.3、2.5であることが看て取れる。
イ 「またビタミンEでも・・・ミナミマグロでは頭部に分布する割合が筋肉に分布する割合より多く,この点も特徴的といえる。」(74頁下から14行~12行)
(11)刊行物22には、次の記載がある。
ア Table2には、カツオの各部位のToc含量が記載されている。
イ Table4において、マグロ(とろ)のToc含量が、462μ/g oil、8550μ/100g tissueであることが看て取れる。
(12)刊行物23には、次の記載がある。
「海産魚・・・の可食部に含まれるToc同族体・・・含量の分析結果・・・同じマグロでも脂肪分の多い組織(”とろ”)のほうが高い値を示した。」(240頁右欄6行~15行)
(13)刊行物24、28、29には、α一トコフェロール(ビタミンE)が魚類で合成されず、専ら摂取によって体内に取り込まれることが記載されていると認められる。
(14)刊行物25には、マダイに、ビタミンEをそれぞれ0、100、200、400mg含有する飼料を30日間与えた試験について、飼料中の含有量に依存して、肝臓及び筋肉中のビタミンE含有量が増加していることが記載されていると認められる。
(15)刊行物26、30~35には、魚類一般に、ビタミンEは様々な組織に蓄積され、肝臓には特に蓄積し易いことが記載されていると認められる。
(16)刊行物27、36には、別れ身は、背側の中トロ以上に脂肪の多い筋肉であることが記載されていると認められる。
(17)刊行物37には、吐出能力1t/hの同方向回転完全噛み合い型2軸タイプのエクストルーダ(Buhler社製)を用いて養魚用配合飼料を製造したことが記載されていると認められる。
(18)刊行物38には、次の記載がある。
「1.はじめに ・・・ つまり,マグロ養殖産業は・・・1990年代以降,急激な拡大・成長路線を駆け上ってきた。」(59頁左欄1行~右欄1行)
(19)刊行物39には、養殖魚の栄養組成が餌の組成により制御できること、及び養殖魚の組織中のビタミンE含量が餌に含まれる含量に比例して増加することが記載されていると認められる。
4 取消理由通知に記載した取消理由(第29条第1項第1号、第3号、第29条第2項)について
(1)本件発明1について
ア 刊1発明を主引例として
(ア)対比
a 刊1発明の「ビタミンE添加配合飼料を含む餌で飼育管理されることにより得られた」、「クロマグロ」は、マグロ属の魚類であるマグロ類養殖魚といえるから、本件発明1の「マグロ属の魚類である、マグロ類養殖魚」に相当する。
b 刊1発明の「肝臓中に、100gあたり5.1mg±1.8mgのビタミンEを含み」は、本件発明1の「100gあたり30mg以上のビタミンEを含む筋肉、100gあたり30mg以上のビタミンEを含む肝臓及び100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む眼球からなる群より選択される少なくとも1つを含む」と、「ビタミンEを含む肝臓」の点で共通する。
c 上記a、bから、本件発明1と刊1発明は、以下の相違点1で相違する。
<相違点1>
マグロ属の魚類である、マグロ類養殖魚について、本件発明1が「100gあたり30mg以上のビタミンEを含む筋肉、100gあたり30mg以上のビタミンEを含む肝臓及び100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む眼球からなる群より選択される少なくとも1つを含む」のに対し、刊1発明では、「肝臓中に、100gあたり5.1mg±1.8mgのビタミンEを含」む点。
(イ)判断
上記相違点1について検討するに、刊行物2~39には、「マグロ属の魚類である、マグロ類養殖魚」について、「筋肉」又は「肝臓」に「30mg以上」あるいは「眼球」に「27.1mg以上」のビタミンEを含有することは記載されておらず、また、このような含有量とすることが設計事項であるとはいえず、さらに当業者が容易に想到しうる程度のことともいえない。
イ 刊2発明を主引例として
(ア)対比
a 刊2発明の「配合飼料を含む餌で飼育された、クロマグロ」は、マグロ属の魚類であるマグロ類養殖魚といえるから、本件発明1の「マグロ属の魚類である、マグロ類養殖魚」に相当する。
b 刊2発明の「背筋肉中のビタミンE含量が20.17±4.96mg/100gである」は、本件発明1の「100gあたり30mg以上のビタミンEを含む筋肉、100gあたり30mg以上のビタミンEを含む肝臓及び100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む眼球からなる群より選択される少なくとも1つを含む」と、「ビタミンEを含む筋肉」の点で共通する。
c 上記a、bから、本件発明1と刊2発明は、以下の相違点2で相違する。
<相違点2>
マグロ属の魚類である、マグロ類養殖魚について、本件発明1が「100gあたり30mg以上のビタミンEを含む筋肉、100gあたり30mg以上のビタミンEを含む肝臓及び100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む眼球からなる群より選択される少なくとも1つを含む」のに対し、刊2発明では、「背筋肉中のビタミンE含量が20.17±4.96mg/100gである」点。
(イ)判断
上記相違点2について検討するに、刊行物1、3~39には、「マグロ属の魚類である、マグロ類養殖魚」について、「筋肉」又は「肝臓」に「30mg以上」あるいは「眼球」に「27.1mg以上」のビタミンEを含有することは記載されておらず、また、このような含有量とすることが設計事項であるとはいえず、さらに当業者が容易に想到しうる程度のことともいえない。
ウ 小括
したがって、本件発明1は刊1発明又は刊2発明と同一ではなく、さらに刊1発明又は刊2発明において、それぞれ相違点1又は2に係る本件発明1の構成にすることは、当業者が容易に想到し得ることとはいえない。
(2)本件発明2~7、9~14について
本件発明2~7、9~14は、本件発明1に従属し、本件発明1の発明特定事項をすべて含むものであるから、本件発明1と同様の理由(上記(1)参照)により、本件発明2~7、9~11は刊1発明又は刊2発明と同一ではなく、さらに刊1発明又は刊2発明において、相違点1又は2に係る本件発明2~7、9~14の構成にすることは、当業者が容易に想到し得ることではない。
(3)本件発明15、17、19、20について
本件発明15、17、19、20は、ビタミンEの含有量について本件発明1と同じ構成を有しているから、本件発明1と同様の理由(上記(1)参照)により、本件発明15、17は刊1発明又は刊2発明と同一ではなく、さらに刊1発明又は刊2発明において、相違点1又は2に係る本件発明15、17、19、20の構成にすることは、当業者が容易に想到し得ることではない。
(4)申立人の主張について
ア 申立人Aは、「このような従来の知見によれば、ビタミンEを富化した配合飼料をマグロに給餌して筋肉中のビタミンE含有量を増大させたことを報告する刊行物2、3、5~7を見た当業者は、これらの刊行物に記載するマグロの肝臓および眼球中のビタミンE含有量が筋肉中のビタミンE含有量より高く、刊行物2および3に記載するマグロの背筋肉中のビタミンE含有量に比べ、同じマグロの中央背側竜骨筋中のビタミンE含有量がより高く、刊行物5乃至7に記載するマグロの赤身中のビタミンE含有量に比べ、同じマグロの中央背側普通筋浅部(中トロ)および中央背側竜骨筋中のビタミンE含有量がより高いであろうことは当然に予想するはずである。また、甲8号証に開示する天然マグロの肝臓中のビタミンE含有量に照らし、ビタミンEを富化した配合飼料を給餌した刊行物2、3、5~7のマグロでは、少なくとも、甲8号証に開示する肝臓中のビタミンE含有量の最低値以上のビタミンEを肝臓に蓄積しているであろうことを当然に予測する。従って、本発明の属する技術分野の当業者は、刊行物2、3、5~7に記載する発明から、訂正後の本件発明を容易に想到し得る。また、特許権者が主張する増大したビタミンE含有量によってもたらされる効果は、ビタミンEを増大させることで一般的に期待されるものに過ぎない。
よって、本件特許発明は、刊行物2、3、および5~7に記載する発明に加え、刊行物1、8~20並びに甲15~30に記載する技術的事項から容易に成し得るものである。
また、「魚類でのビタミンEの合成及び体内への蓄積に影響を及ぼす主な要因」に関して上述のような知見を持つ当業者は、刊行物2、3、5~7に記載するマグロの筋肉、肝臓および眼球中のビタミンE含有量を更に増大させたマグロ、その可食部およびそれを含む食品を得ようとして、生餌区と遜色ない生育を達成していることを確認しながら、これら飼料中のビタミンEの含有量を増やしたり、飼料の給与期間を延長することを容易に想到する。これにより、刊行物2、3、および5~7に記載するマグロの各組織のビタミンE含有量がより増大したマグロが得られ、得られたマグロが訂正後の本件発明の構成要件を充足することが想定される。
以上に照らし、訂正後の本件発明は、刊行物2、3、および5~7に記載する発明に加え、刊行物1、8~20並びに甲15~29に記載する技術的事項から容易に成し得るものである。」(申立人Aの平成30年11月30日付け意見書19頁下から4行~20頁下から2行)旨、主張する。
当該主張について検討すると、飼料中のビタミンEの含有量の増加が、マグロの筋肉、肝臓、眼球中のビタミンEの含有量にプラスの影響を与えること、及びマグロのある部位には他の部位よりもビタミンEがたまりやすいことが周知であったとしても、本件発明1のようなビタミンEの含有量とする動機付けといえず、また、本件発明1のようなビタミンEの含有量とすることが当業者が通常調整し得る数値範囲であるともいえないことから、上記したように、刊1発明又は刊2発明において、相違点1又は2に係る構成にすることは、当業者が容易に想到し得ることではない。
イ 申立人Bは、「ウ 刊行物2には、養殖マグロの背筋肉中のビタミンEが201.7±49.6mg/Kg、すなわち100gあたり20.17±4.96mgであることが記載されている。この記載中の±の後に示された数値が、最小値と最大値を表すものではなく、バラツキの程度を示す標準偏差であることは、当業者には自明である。また、養殖マクロの背筋肉中のビタミンEの含有量は個体によってバラツキがあり、そのような値が正規分布をとることも当業者の技術常識である。
そして、「平均-1×標準偏差」~「平均+1×標準偏差」内に、あるデータが含まれる確率が約68%であり、「平均-2×標準偏差」~「平均+2×標準偏差」内に、あるデータが含まれる確率が約95%であることは、当業者に広く知られている。(参考資料1)
・・・
したがって、・・・当業者は、約95%が201.7±2×49.6mg/Kg、すなわち102.5~300.9mg/Kgに含まれ、同時に、300mg/Kg以上のもの、すなわち100gあたり30mg以上のものが約2.5%(すなわち、40尾に1尾程度、刊行物2で3年間に飼育された573尾(=240尾+190尾+143尾:刊行物2の4頁4-2-1参照)であれば、12~14尾程度)存在することを直ちに理解する。
・・・
エ すなわち、刊行物2(甲第1号証)の記載に接した当業者は、背筋肉中のビタミンEが30mg/100g以上の養殖マグロが約2.5%(40尾につき1尾程度、500尾につき12尾程度)は存在することを理解するのであるから、刊行物2には、背筋肉中のビタミンEが30mg/100g以上の養殖マグロの存在が実質的に開示されている(記載されているに等しい)といえる。
そして、養殖マグロの背筋肉中のビタミンE含有量を測定して、そのようなマグロ養殖魚を選別することは、必要であれば、当業者が容易に行うことができる。」(申立人Bの平成30年11月29日付け意見書6頁下から5行~8頁9行)旨、主張する。
当該主張について検討すると、申立人Bの上記主張は、統計学上理論的には「背筋肉中のビタミンEが30mg/100g以上の養殖マグロ」が存在しうるということを示しているだけであって、「201.7±49.6mg/Kg」の記載から当業者が「背筋肉中のビタミンEが30mg/100g以上の養殖マグロ」が含まれることを直ちに認識できるわけではないから実質的に記載されているとまではいえず、またそのような数値に着目する理由になるともいえない。したがって、上記したように、刊1発明又は刊2発明において、相違点1又は2に係る構成にすることは、当業者が容易に想到し得ることではない。
ウ 申立人Cは、「したがって、本件特許明細書に記載されている育成方法は公知の育成方法であり、甲第5号証(刊行物2)に記載の100gあたり25.13mgのビタミンEを含む筋肉を含むマグロ属の魚類である、マグロ類養殖魚に対して、さらにビタミンE含量を増加させた餌を給餌すれば、背筋中のビタミンE含量はさらに増加し、100gあたり30mg以上になる蓋然性が高い。よって、当業者ならば、甲第3号証(刊行物6)、甲第4号証(刊行物7)、甲第5号証(刊行物2)、参考資料1及び参考資料2の記載から、筋肉中の100gあたり30mg以上のビタミンEを含む筋肉を含むマグロ属の魚類である、マグロ類養殖魚を得ることができることに容易に想到することができる。」(申立人Cの平成30年11月29日付け意見書8頁13行~21行)、「従って、甲第5号証(刊行物2)の背筋中の総トコフェロール含量が100gあたり25.13mgのマグロの肝臓中及び眼球中のビタミンE含量は、100gあたり30mgを大きく上回る蓋然性が高い。よって、「100gあたり30mg以上のビタミンEを含む肝臓を含む、マグロ類養殖魚」及び(1)-3 「100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む眼球を含む、マグロ類養殖魚」は新規性を有しないと思料する。
さらに、1-(1)で述べたように、甲第5号証(刊行物2)に記載の100gあたり25.13mgのビタミンEを含む筋肉を含むマグロ属の魚類である、マグロ類養殖魚に対して、さらにビタミンE含量を増加させた餌を給餌すれば、背筋中のビタミンE含量はさらに増加し、100gあたり30mg以上になる蓋然性が高く、このようなマグロの肝臓中及び眼球中のビタミンE含量は、当然100gあたり30mgを超えることが予測される。
よって、当業者ならば、甲第3号証(刊行物6)、甲第4号証(刊行物7)、甲第5号証(刊行物2)、参考資料3及び参考資料4の記載から、100gあたり30mg以上のビタミンEを含む肝臓を含むマグロ属の魚類である、マグロ類養殖魚、及び100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む眼球を含むマグロ属の魚類である、マグロ類養殖魚を得ることができることに容易に想到することができる。」(申立人Cの平成30年11月29日付け意見書9頁下から1行~10頁16行)旨、主張する。
当該主張について検討すると、飼料中のビタミンEの含有量の増加が、マグロの筋肉、肝臓、眼球中のビタミンEの含有量にプラスの影響を与えること、及びマグロのある部位には他の部位よりもビタミンEがたまりやすいことが周知であったとしても、本件発明1のようなビタミンEの含有量とする動機付けといえず、また、本件発明1のようなビタミンEの含有量とすることが当業者が通常調整し得る数値範囲であるともいえないことから、上記したように、刊1発明又は刊2発明において、相違点1又は2に係る構成にすることは、当業者が容易に想到し得ることではない。
(5)まとめ
したがって、本件発明1~7、9~11、15、17は、刊1発明又は刊2発明と同一ではなく、その特許は特許法第29条第1項第1号又は第3号の規定に違反してされたものではない。
また、本件発明1~7、9~15、17、19、20は、刊1発明、刊2発明及び刊行物3~39に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。
5 本件訂正後に申立人より主張された取消理由について(第36条第4項第1項、第36条第6項第1号、第36条第6項第2号)
(1)第36条第4項第1項について
申立人A、B、Cは、それぞれ申立人Aの平成30年11月30日付け意見書、申立人Bの平成30年11月29日付け意見書及び申立人Cの平成30年11月29日付け意見書において、本件発明1~20の「100gあたり30mg以上のビタミンEを含む筋肉、100gあたり30mg以上のビタミンEを含む肝臓及び100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む眼球からなる群より選択される少なくとも1つを含む」の構成について、本件明細書の発明の詳細な説明には、当業者がその実施をすることができる程度の記載がなされていない旨、主張している。
しかしながら、本件明細書の発明の詳細な説明には、実施例1として養殖魚育成飼料の作製及びクロマグロの育成について記載され(本件明細書【0092】~【0104】)、表2には、中央背側竜骨筋32.5mg/100g、眼球27.1mg/100g、肝臓183.0mg/100gという本件発明の上記構成を満たす実施例が記載されており、これらの記載事項は当業者が実施するにあたり参酌できる事項が記載されているといえるから、本件明細書の発明の詳細な説明には、当業者がその実施をすることができる程度の記載がなされているといえる。
(2)第36条第6項第1号について
申立人A、B、Cは、それぞれ申立人Aの平成30年11月30日付け意見書、申立人Bの平成30年11月29日付け意見書及び申立人Cの平成30年11月29日付け意見書において、本件発明1~20は発明の詳細な説明に記載したものではない旨、主張している。
しかしながら、本件発明1~20の「100gあたり30mg以上のビタミンEを含む筋肉、100gあたり30mg以上のビタミンEを含む肝臓及び100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む眼球」の構成は、第2の2(1)ウでも説示したように、筋肉及び肝臓が「100gあたり30mg以上のビタミンEを含む」点については、本件明細書の段落【0015】に記載されている。また、眼球が「100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む」点については、明細書の段落【0099】(表2)において、眼球におけるα-トコフェロール(ビタミンE)の含有量が27.1mg/100gであることが記載されており、段落【0015】における「好ましくは、・・・20mg以上、30mg以上・・・」の記載と合わせて見れば、眼球が「100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む」態様についても記載されているに等しい事項であるといえる。そして、本件発明17の「前記筋肉が、赤身又は脂身である」点について、本件明細書の【0016】には筋肉として赤身、脂身が存在することが記載されている。
したがって、本件発明1~20は発明の詳細な説明に記載したものといえる。
(3)第36条第6項第2号について
申立人A、Cは、それぞれ申立人Aの平成30年11月30日付け意見書及び申立人Cの平成30年11月29日付け意見書において、本件発明1~20の「100gあたり30mg以上のビタミンEを含む筋肉、100gあたり30mg以上のビタミンEを含む肝臓及び100gあたり27.1mg以上のビタミンEを含む眼球からなる群より選択される少なくとも1つを含む」の構成は、上限が設定されていないから、明確でない旨、主張している。
しかしながら、本件発明の上記構成が意味していることは文字通り理解できるものであり、上限は設定されていなくとも、技術常識に基づいて、本件発明の上記構成は把握できる程度のものであるから、本件発明1~20は明確でないとまではいえない。
6 請求項8、16、18に対する特許異議の申立てについて
上記第2のとおり、請求項8、16、18を削除する本件訂正が認められたので、請求項8、16、18に対する本件特許異議の申立ては、その対象が存在しないものとなった。
したがって、請求項8、16、18に対する本件特許異議の申立ては、不適法な特許異議の申立てであるから、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定によって却下すべきである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、平成30年7月26日付け取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由、証拠によっては、本件請求項1~7、9~15、17、19、20に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1~7、9~15、17、19、20に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
そして、請求項8、16、18に対する本件特許異議の申立ては、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定によって却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2017-700954