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特許異議申立

2017-700733

顔料着色剤組成物及び顔料分散剤

審判番号
2017-700733
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2015-184737
登録番号
特許第6124424号(P6124424)
請求日
2017年07月25日
審決日
2018年05月21日
公報発行日
2018年08月31日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】大日精化工業株式会社
  • 【権利者代理人】近藤 利英子
  • 【権利者代理人】菅野 重慶
  • 【権利者代理人】竹山 圭太
  • 【権利者代理人】岡田 薫
  • 【権利者】国立大学法人京都大学
  • 【権利者代理人】近藤 利英子
  • 【権利者代理人】菅野 重慶
  • 【権利者代理人】竹山 圭太
  • 【権利者代理人】岡田 薫
  • 【異議申立人】平川 弘子
審判長/審判官
  • 審判長 佐藤 健史
  • 審判官 瀬良 聡機
  • 審判官 冨永 保
分類
P1651.121-YAA(C09B) / P1651.537-YAA(C09B) / P1651.113-YAA(C09B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第36条第6項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の5第2項第1号、特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6124424号発明「顔料着色剤組成物及び顔料分散剤」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6124424号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1-6]、[7、8]について訂正することを認める。 特許第6124424号の請求項1ないし4、6ないし8に係る特許を維持する。 特許第6124424号の請求項5に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 特許第6124424号の請求項1ないし8に係る特許についての出願は、平成24年3月28日に出願された特願2012-74712号の一部を平成27年9月18日に新たな特許出願としたものであって、平成29年4月14日に特許権の設定登録がされ、同年5月10日にその特許公報が発行され、その後、その請求項1~8に係る発明の特許に対して、同年7月25日に、特許異議申立人 平川 弘子(以下「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、平成30年1月10日付けで取消理由の通知及び審尋がされ、その指定期間内である同年3月15日に意見書、回答書の提出及び訂正の請求があり、特許異議申立人から同年4月19日付けで意見書が提出されたものである。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 本件訂正請求による訂正の内容は以下の訂正事項1~24のとおりである。 (1)訂正事項1 訂正前の請求項1を「顔料、液媒体、前記顔料の分散安定性を向上させるための色素誘導体及び高分子分散剤を含有してなる油性の顔料分散液である顔料着色剤組成物であって、 前記高分子分散剤が、90質量%以上のメタクリレート系モノマーで構成された、アニオン性のAブロック、及びカチオン性のBブロックからなるアニオンカチオン性A-Bブロックコポリマーであり、 Aブロックは、少なくともメタクリル酸を含むメタクリレート系モノマーを構成成分としてなる、前記メタクリル酸由来のカルボキシル基を有し、Aのポリマーブロックの酸価が62.2~150mgKOH/gで、且つ、数平均分子量が3,000~20,000の鎖であり、 Bブロックは、少なくともアミノ基を有するメタクリレート系モノマーを構成成分とした、アミン価が100~400mgKOH/gで、且つ、Bのポリマーブロックの平均分子量が500~8,000の鎖であり、Bポリマーブロックのみにアミノ基を有するメタクリレート系モノマーに由来する構成単位が含まれており、 A-Bブロックコポリマー中のBブロックの含有量が5~50質量%であり、 A-Bブロックコポリマーの分子量の分布を示す分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下であり、 前記色素誘導体が、前記アミノ基とイオン結合し得る酸性である官能基を有し、 前記顔料の平均粒子径が10~150nmであり、 前記顔料100質量部に対する、前記高分子分散剤の含有量が10~100質量部で、且つ、前記色素誘導体の含有量が5~100質量部である ことを特徴とする顔料着色剤組成物。」(訂正箇所に下線を付した。以下同様。)とする。 (2)訂正事項2 訂正前の請求項5を削除する。 (3)訂正事項3 訂正前の請求項6を「前記顔料の平均粒子径が20~50nmであり、且つ、カラーフィルター用着色剤である請求項1~4のいずれか1項に記載の顔料着色剤組成物。」とする。 (4)訂正事項4 訂正前の【0088】の「(合成例4:AC-4)」を「(参考合成例4:AC-4)」とする。 (5)訂正事項5 訂正前の【0089】の「(合成例5:AC-5) 合成例4で使用したと同様の反応容器に、BzCl50.8g、及びPGM50.8gを用いたこと以外は、前述の合成例4の場合と同様にして、」を「(合成例5:AC-5) 参考合成例4で使用したと同様の反応容器に、BzCl50.8g、及びPGM50.8gを用いたこと以外は、前述の参考合成例4の場合と同様にして、」とする。 (6)訂正事項6 訂正前の【0094】の表1の「表1:合成例1~5で得られたポリマーの組成及び物性」を「表1:合成例1~3、5及び参考合成例4で得られたポリマーの組成及び物性」とし、表の1行目の「合成例4」を「参考合成例4」とする。 (7)訂正事項7 訂正前の【0097】の「(実施例1~6、比較例1及び2:顔料着色剤組成物)」を「(実施例1~4、6、参考例5、比較例1及び2:顔料着色剤組成物)」とする。 (8)訂正事項8 訂正前の【0101】の表4の1行目の「実施例5」を「参考例5」とする。 (9)訂正事項9 訂正前の【0103】の表5の1行目の「実施例5」を「参考例5」とする。 (10)訂正事項10 訂正前の【0104】の「表5に示すように、実施例1~6の顔料着色剤組成物(顔料分散液)に含まれる顔料の平均粒子径は、いずれも50nm以下であり、微細化された顔料が十分に微分散されていることが確認された。また、実施例1~6の顔料分散液のいずれも、初期の粘度は9mPa・s以下であった。さらに、初期の粘度と保存後の粘度を比較すると、粘度変化が極めて小さいことが分かる。以上より、実施例1~6の顔料分散液は十分な分散安定性を有することが明らかとなった。」を「表5に示すように、実施例1~4、6及び参考例5の顔料着色剤組成物(顔料分散液)に含まれる顔料の平均粒子径は、いずれも50nm以下であり、微細化された顔料が十分に微分散されていることが確認された。また、実施例1~4、6及び参考例5の顔料分散液のいずれも、初期の粘度は9mPa・s以下であった。さらに、初期の粘度と保存後の粘度を比較すると、粘度変化が極めて小さいことが分かる。以上より、実施例1~4、6及び参考例5の顔料分散液は十分な分散安定性を有することが明らかとなった。」とする。 (11)訂正事項11 訂正前の【0107】の「(実施例7~9:カラーフィルター用顔料着色剤組成物)」を「(実施例7、8及び参考例9:カラーフィルター用顔料着色剤組成物)」とする。 (12)訂正事項12 訂正前の【0108】の表6の1行目の「実施例9」を「参考例9」とし、11行目の「実施例5」を「参考例5」とする。 (13)訂正事項13 訂正前の【0109】の「実施例9」を「参考例9」とする。 (14)訂正事項14 訂正前の【0113】の「実施例7~9」を「実施例7、8及び参考例9」とする。 (15)訂正事項15 訂正前の【0114】の表7の4行目の「実施例9」を「参考例9」とする。 (16)訂正事項16 訂正前の【0115】の「表7に示したように、実施例7の赤色顔料インク-1、実施例8の緑色顔料インク-1、及び実施例9の青色顔料インク-1を用いて製造したガラス基板では、いずれも短時間で露光部の塗膜が溶解するとともに、溶解残渣(膜状のカス)が生ずることなく、良好な現像性を示した。なお、溶解せずに残存した塗膜の端部(エッジ)を顕微鏡で観察したところ、いずれもシャープであることが確認できた。すなわち、実施例7~9の顔料着色剤組成物(顔料インク)をカラーフィルターの製造に用いれば、現像時間を短縮することができることが確認され、その生産性の向上が期待される。」を「表7に示したように、実施例7の赤色顔料インク-1、実施例8の緑色顔料インク-1、及び参考例9の青色顔料インク-1を用いて製造したガラス基板では、いずれも短時間で露光部の塗膜が溶解するとともに、溶解残渣(膜状のカス)が生ずることなく、良好な現像性を示した。なお、溶解せずに残存した塗膜の端部(エッジ)を顕微鏡で観察したところ、いずれもシャープであることが確認できた。すなわち、実施例7、8及び参考例9の顔料着色剤組成物(顔料インク)をカラーフィルターの製造に用いれば、現像時間を短縮することができることが確認され、その生産性の向上が期待される。」とする。 (17)訂正事項17 訂正前の【0116】の「実施例7~9」を「実施例7、8及び参考例9」とする。 (18)訂正事項18 訂正前の【0119】の「実施例10~12」を「実施例10、11及び参考例12」とする。 (19)訂正事項19 訂正前の【0120】の表8の1行目の「実施例12」を「参考例12」とする。 (20)訂正事項20 訂正前の【0122】の表9の1行目の「実施例12」を「参考例12」とする。 (21)訂正事項21 訂正前の【0123】の「実施例10~12」を「実施例10、11及び参考例12」とする。 (22)訂正事項22 訂正事項【0124】の「(実施例13~15:カラーフィルター用顔料着色剤組成物) 実施例10~12で得たそれぞれの顔料分散液を用い、表10に示す各成分を表10に示す量(部)で配合し、混合機で十分混合して、カラーレジストである各色のカラーフィルター用顔料着色剤組成物(顔料インク)を得た。」を「(実施例13、14及び参考例15:カラーフィルター用顔料着色剤組成物) 実施例10、11及び参考例12で得たそれぞれの顔料分散液を用い、表10に示す各成分を表10に示す量(部)で配合し、混合機で十分混合して、カラーレジストである各色のカラーフィルター用顔料着色剤組成物(顔料インク)を得た。」とする。 (23)訂正事項23 訂正前の【0125】の表10の1行目の「実施例15」を「参考例15」とし、7行目の「実施例12」を「参考例12」とする。 (24)訂正事項24 訂正前の【0126】の「実施例13~15で得たそれぞれのカラーフィルター用顔料着色剤組成物を用い、以下のようにしてガラス基板を作製した。まず、シランカップリング剤で処理したガラス基板をスピンコーターにセットした。実施例13の「赤色顔料インク-2」を300rpmで5秒間の条件でガラス基板上にスピンコートした。そして、80℃で10分間プリベークした後、超高圧水銀灯を用いて100mJ/cm2の光量で露光し、赤色ガラス基板を製造した。また、上記と同様に、実施例14の「緑色顔料インク-2」、及び実施例15の「青色顔料インク-2」をそれぞれ用いたこと以外は、上記の赤色ガラス基板を製造した場合と同様にして、緑色ガラス基板及び青色ガラス基板を製造した。」を「実施例13、14及び参考例15で得たそれぞれのカラーフィルター用顔料着色剤組成物を用い、以下のようにしてガラス基板を作製した。まず、シランカップリング剤で処理したガラス基板をスピンコーターにセットした。実施例13の「赤色顔料インク-2」を300rpmで5秒間の条件でガラス基板上にスピンコートした。そして、80℃で10分間プリベークした後、超高圧水銀灯を用いて100mJ/cm2の光量で露光し、赤色ガラス基板を製造した。また、上記と同様に、実施例14の「緑色顔料インク-2」、及び参考例15の「青色顔料インク-2」をそれぞれ用いたこと以外は、上記の赤色ガラス基板を製造した場合と同様にして、緑色ガラス基板及び青色ガラス基板を製造した。」とする。 (25)訂正事項25 訂正前の請求項7を「構造中に活性水素基を有する顔料、酸性顔料又は酸性基含有色素誘導体で処理された顔料を分散させるための高分子分散剤を主成分として含有してなる顔料分散剤であって、 前記高分子分散剤が、90質量%以上のメタクリレート系モノマーで構成された、アニオン性のAブロック、及びカチオン性のBブロックからなるアニオンカチオン性A-Bブロックコポリマーであり、 Aブロックは、少なくともメタクリル酸を含むメタクリレート系モノマーを構成成分としてなる、前記メタクリル酸由来のカルボキシル基を有し、Aのポリマーブロックの酸価が62.2~150mgKOH/gで、且つ、数平均分子量が3,000~20,000の鎖であり、 Bブロックは、少なくともアミノ基を有するメタクリレート系モノマーを構成成分とした、アミン価が100~400mgKOH/gで、且つ、Bのポリマーブロックの平均分子量が500~8,000の鎖であり、Bポリマーブロックのみにアミノ基を有するメタクリレート系モノマーに由来する構成単位が含まれており、 A-Bブロックコポリマー中のBブロックの含有量が5~50質量%であり、 A-Bブロックコポリマーの分子量の分布を示す分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下であることを特徴とする顔料分散剤。」 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正の目的要件の適否について ア 訂正事項1、2、25について 訂正事項1は、請求項1の顔料着色剤組成物に含有される高分子分散剤のAのポリマーブロックの酸価の下限を訂正前よりさらに限定するとともに、顔料着色剤組成物に含有される顔料100質量部に対する、高分子分散剤及び色素誘導体の含有量比の上下限を限定したものであり、いずれも特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、訂正事項2は、請求項を削除するものであるので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 さらに、訂正事項25は、請求項7の顔料分散剤に含有される高分子分散剤のAのポリマーブロックの酸価の下限を訂正前よりさらに限定するものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 訂正事項3について 訂正事項2に伴い訂正前の請求項5が削除されたため引用する請求項の番号の不整合を解消したものであり、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 ウ 訂正事項4~24について 明細書に記載された【0088】の特許請求の範囲の記載との関係で不整合のあった合成例4を参考合成例4とするもの、及びそれにともなって合成例4と関連した実施例を参考例にしたものであって、いずれも明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (2)新規事項の有無について 訂正事項1、25の高分子分散剤のAのポリマーブロックの酸価の下限である「62.2」は、合成例2のAのポリマーブロックの酸価の数値として記載されており、訂正事項1の顔料着色剤組成物に含有される顔料100質量部に対する、高分子分散剤及び色素誘導体の含有量比の上下限の限定は、訂正前の請求項5に記載されたものである。 また、訂正事項2の請求項の削除やそれに伴う引用する請求項の番号の不整合の解消(訂正事項3)、特許請求の範囲の特定との関係で、明細書の実施例を参考例とすること(訂正事項4~24)は、新規事項といえないことは明らかである。 (3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項1~25に関連する事項は、明細書に記載された事項の範囲内において特許請求の範囲を減縮し、明瞭でない記載の釈明をしたものといえるから、実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものとはいえない。 3 一群の請求項について 訂正事項1に係る訂正前の請求項1~6について、請求項2~6はそれぞれ請求項1を引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~6に対応する訂正後の請求項1~6は、一群の請求項であり、本件訂正は、一群の請求項に対してなされたものである。 また、訂正事項25に係る訂正前の請求項7~8について、請求項8は請求項7を引用しているものであって、訂正事項25によって記載が訂正される請求項7に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項7~8に対応する訂正後の請求項7~8は、一群の請求項であり、本件訂正は、一群の請求項に対してなされたものである。 4 明細書の訂正に係る請求項について 明細書に関する訂正事項4~24は、いずれも、訂正前の一群の請求項である請求項1~6,又は一群の請求項である請求項7~8に関する訂正であり、一群の請求項に係る全てについて行われたものである。 5 小括 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は特許法第120条の5第2項第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第4項、及び同条第9項において準用する同法第126条第4項から第6項までの規定に適合するので、訂正後の[1~6],[7,8]についての訂正を認める。 第3 本件発明 本件訂正請求により訂正された訂正請求項1~4,6,7,8に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明4」,「本件発明6」,「本件発明7」,「本件発明8」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~4,6,7,8に記載された次のとおりのものである。 【請求項1】 顔料、液媒体、前記顔料の分散安定性を向上させるための色素誘導体及び高分子分散剤を含有してなる油性の顔料分散液である顔料着色剤組成物であって、 前記高分子分散剤が、90質量%以上のメタクリレート系モノマーで構成された、アニオン性のAブロック、及びカチオン性のBブロックからなるアニオンカチオン性A-Bブロックコポリマーであり、 Aブロックは、少なくともメタクリル酸を含むメタクリレート系モノマーを構成成分としてなる、前記メタクリル酸由来のカルボキシル基を有し、Aのポリマーブロックの酸価が62.2~150mgKOH/gで、且つ、数平均分子量が3,000~20,000の鎖であり、 Bブロックは、少なくともアミノ基を有するメタクリレート系モノマーを構成成分とした、アミン価が100~400mgKOH/gで、且つ、Bのポリマーブロックの平均分子量が500~8,000の鎖であり、Bポリマーブロックのみにアミノ基を有するメタクリレート系モノマーに由来する構成単位が含まれており、 A-Bブロックコポリマー中のBブロックの含有量が5~50質量%であり、 A-Bブロックコポリマーの分子量の分布を示す分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下であり、 前記色素誘導体が、前記アミノ基とイオン結合し得る酸性である官能基を有し、 前記顔料の平均粒子径が10~150nmであり、 前記顔料100質量部に対する、前記高分子分散剤の含有量が10~100質量部で、且つ、前記色素誘導体の含有量が5~100質量部であることを特徴とする顔料着色剤組成物。 【請求項2】 前記A-Bブロックコポリマーのアミン価が、47.5~134.1mgKOH/gである請求項1に記載の顔料着色剤組成物。 【請求項3】 前記Aブロックの酸価が、62.2~107.5mgKOH/gである請求項1又は2に記載の顔料着色剤組成物。 【請求項4】 前記色素誘導体の酸性である官能基が、スルホン酸基である請求項1~3のいずれか1項に記載の顔料着色剤組成物。 【請求項5】 (削除) 【請求項6】 前記顔料の平均粒子径が20~50nmであり、且つ、カラーフィルター用着色剤である請求項1~4のいずれか1項に記載の顔料着色剤組成物。 【請求項7】 構造中に活性水素基を有する顔料、酸性顔料又は酸性基含有色素誘導体で処理された顔料を分散させるための高分子分散剤を主成分として含有してなる顔料分散剤であって、 前記高分子分散剤が、90質量%以上のメタクリレート系モノマーで構成された、アニオン性のAブロック、及びカチオン性のBブロックからなるアニオンカチオン性A-Bブロックコポリマーであり、 Aブロックは、少なくともメタクリル酸を含むメタクリレート系モノマーを構成成分としてなる、前記メタクリル酸由来のカルボキシル基を有し、Aのポリマーブロックの酸価が62.2~150mgKOH/gで、且つ、数平均分子量が3,000~20,000の鎖であり、 Bブロックは、少なくともアミノ基を有するメタクリレート系モノマーを構成成分とした、アミン価が100~400mgKOH/gで、且つ、Bのポリマーブロックの平均分子量が500~8,000の鎖であり、Bポリマーブロックのみにアミノ基を有するメタクリレート系モノマーに由来する構成単位が含まれており、 A-Bブロックコポリマー中のBブロックの含有量が5~50質量%であり、 A-Bブロックコポリマーの分子量の分布を示す分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下であることを特徴とする顔料分散剤。 【請求項8】 前記A-Bブロックコポリマーのアミン価が、47.5~134.1mgKOH/gである請求項7に記載の顔料分散剤。 第4 取消理由 1 特許異議申立人が申し立てた取消理由 特許異議申立人が申し立てた取消理由の概要は以下のとおりである。 (1ア)訂正前の請求項7,8に係る特許は、当該請求項に係る発明が、本件出願前に日本国内又は外国において頒布された下記甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許法第29条の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 (1イ)訂正前の請求項1~8に係る特許は、当該請求項に係る発明が、本件出願前に日本国内又は外国において頒布された下記甲第1号証に記載された発明及び下記甲第2~5号証に記載の事項に基いて、又は甲第2号証に記載された発明及び下記甲第1,3~5号証に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 (1ウ)訂正前の請求項1~8に係る特許は、その特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に適合するものではないから、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。 (1エ)訂正前の請求項1~6に係る特許は、その特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に適合するものではないから、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。 (2)甲号証 甲第1号証:特開2012-32767号公報 甲第2号証:国際公開第2011/129078号 甲第3号証:特開2010-72293号公報 甲第4号証:カラーフィルターのプロセス技術とケミカルス、市村國宏、2006年1月31日 初版 第79~86頁 甲第5号証:特開2001-220520号公報 2 当審が通知した取消理由の概要 (1)訂正前の請求項1~8に係る特許に対して平成30年1月10日付けで当審が特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 理由1:請求項1~6に係る発明は、請求項1の「顔料の平均粒子径が10~150nmである」との記載、請求項6の「顔料の平均粒子径が20~50nmであり」との記載は平均粒子径がどの概念を選択して規定しているのか不明確であり、その特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に適合するものではないから、請求項1~6に係る特許は、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。 理由2:請求項1~8に係る発明は、刊行物1に記載された発明、及び刊行物3~5に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、請求項1~8に係る特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 理由3:請求項1~8に係る発明は、刊行物2に記載された発明、及び刊行物3~5に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、請求項1~8に係る特許は、特許法第29条の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 (2)引用刊行物 刊行物1:特開2012-32767号公報(甲第1号証) 刊行物2:国際公開第2011/129078号(甲第2号証) 刊行物3:特開2010-72293号公報(甲第3号証) 刊行物4:カラーフィルターのプロセス技術とケミカルス、市村國宏、2006年1月31日 初版 第79~86頁(甲第4号証) 刊行物5:特開2001-220520号公報(甲第5号証) なお、刊行物3~5は、本件発明の出願日時点での技術常識を示すものである。 第5 当審の判断 当審は、本件発明1~4,6~8は、当審の通知した取消理由及び特許異議申立人が申し立てた取消理由によっては、取り消すことはできないと判断する。 理由は以下のとおりである。 さらに、訂正前の請求項5に係る特許は、訂正により削除されているので、申立てを却下する。 当審が通知した取消理由の判断 1 理由1(特許法第36条第6項第2項)について (1)取消理由通知において、訂正前の請求項1~6の「顔料の平均粒子径」の平均粒子径の概念が不明確であると通知したところ、平成30年3月15日付け意見書において、特許権者は、「明細書の段落【0065】記載のとおり、「透過型電子顕微鏡(TEM)で観察して求める」ことで得た値であり、数平均粒子径である。 実施例で得た顔料粉末についての平均粒子径は、具体的には、透過型電子顕微鏡(商品名:H7100、日立製作所製)を使用して顔料粒子を撮影し、任意に選択した10個程度の顔料粒子の平均値として測定、及び、算出するという簡易な方法で測定した値である。」 と主張し、本件発明の「顔料の平均粒子径」の概念が数平均粒子径であること、及び具体的な測定方法を説明している。 この説明は、明細書の【0065】の「透過型電子顕微鏡(TEM)で観察して求める」との記載に合致していること、技術常識を示す甲第4号証の文献においても、第82頁に顔料の微粒子化の程度を「光透過性(高輝度),高コントラスト化には顔料の微粒子化や粒度分布の均一化が最も有効な方法であり,実際にCF用途には30~60nm程度の大きさに微細化調製された顔料が使用されている。」と平均粒子径の測定方法を特に明示せずに平均粒子径の数値範囲が記載されていることを考慮すると、請求項1の「顔料の平均粒子径が10~150nmである」との記載、請求項6の「顔料の平均粒子径が20~50nmであり」との記載に、測定法の明示がないからといって、第三者に不測の不利益を与えるほどの不明確な点はないといえる。 そして、本件明細書の背景技術の【0004】の「しかしながら、液晶カラーテレビジョン用のカラーフィルターについては、例えば、色濃度、光透過性、及びコントラスト比等のカラー表示性能(画素の性能)をより向上させることが要求されており、従来技術では十分に対応できていない。このような要求に対しては、使用する顔料の粒子径を小さくして超微粒子化することで、画素の性能を改良しようとする傾向にある。しかしながら、超微粒子化された顔料は、超微粒子化されない顔料と同じ質量であっても粒子個数が増加しているので、表面積も拡大している。このため、従来の技術では、超微粒子化した顔料の分散安定性を十分に維持することが困難である。」との記載から明らかなように、本件発明の平均粒子径の数値範囲は、従来技術でも知られた程度のものあるともいえる。 (2)したがって、上記の点において、請求項1~4,6に係る発明が不明確であるとはいえず、取消理由1は解消している。 2 理由2及び理由3について(特許法第29条第2項)について (1)引用刊行物(再掲) 刊行物1:特開2012-32767号公報(甲第1号証) 刊行物2:国際公開第2011/129078号(甲第2号証) 刊行物3:特開2010-72293号公報(甲第3号証) 刊行物4:カラーフィルターのプロセス技術とケミカルス、市村國宏、2006年1月31日 初版 第79~86頁(甲第4号証) 刊行物5:特開2001-220520号公報(甲第5号証) なお、刊行物3~5は、本件発明の出願日時点での技術常識を示すものである。 (2)刊行物の記載 ア 刊行物1 本件出願日前に頒布された刊行物であると認められる刊行物1には以下の記載がある。 (1a)「【請求項1】 次の成分(A)、(B)及び(C); (A)顔料を含む着色剤、 (B)下記式(1)で表される繰り返し単位(1)と、下記式(2)で表される繰り返し単位(2)と、酸性基を有する繰り返し単位(3)を含み、前記繰り返し単位(1)以外の繰り返し単位の合計に対する、前記繰り返し単位(2)の共重合割合が75質量%以上であり、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が1.0~1.9である共重合体、及び (C)架橋剤 を含有することを特徴とするカラーフィルタ用着色組成物。 【化1】 〔式(1)において、 R1は、水素原子又はメチル基を示し、 Zは、・・・又は-NR5R6(但し、R5及びR6は、相互に独立に、水素原子又は炭化水素基を示し、R5及びR6が互いに結合して飽和複素環を形成してもよい。)を示し、 X1は、2価の連結基を示す。〕 【化2】 〔式(2)において、 R7は、水素原子又はメチル基を示し、 R8は、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基を示す。〕 【請求項2】 前記(B)共重合体において、前記繰り返し単位(1)以外の繰り返し単位の合計に対する、前記繰り返し単位(2)の共重合割合が75~99質量%であり、かつ前記繰り返し単位(3)の共重合割合が1~20質量%である、請求項1に記載のカラーフィルタ用着色組成物。 【請求項3】 前記(B)共重合体が前記繰り返し単位(1)を有するAブロックと、前記繰り返し単位(2)及び前記繰り返し単位(3)を有するBブロックとを含むブロック共重合体である、請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用着色組成物。 【請求項4】 前記(B)共重合体の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が1.0~1.7である、請求項1~3のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成 物。 【請求項5】 更に(D)バインダー樹脂(但し、前記(B)成分を除く。)を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。 【請求項6】 更に(E)光重合開始剤を含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のカラーフィルタ用着色組成物。 【請求項7】 着色剤として更に染料を含むものである、請求項1~6のいずれか1項に記載の着色組成物。 【請求項8】 請求項1~7のいずれか1項に記載の着色組成物を用いて形成された着色層を備えてなるカラーフィルタ。 【請求項9】 請求項8に記載のカラーフィルタを具備する表示素子。 【請求項10】 次の成分(a1)、(B)及び(F); (a1)顔料、 (B)下記式(1)で表される繰り返し単位(1)と、下記式(2)で表される繰り返し単位(2)と、酸性基を有する繰り返し単位(3)を含み、前記繰り返し単位(1)以外の繰り返し単位の合計に対する、前記繰り返し単位(2)の共重合割合が75質量%以上であり、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が1.0~1.9である共重合体、及び (F)溶媒 を含有することを特徴とするカラーフィルタ用顔料分散液。 【化3】 〔式(1)において、 R1は、水素原子又はメチル基を示し、 Zは、・・・又は-NR5R6(但し、R5及びR6は、相互に独立に、水素原子又は炭化水素基を示し、R5及びR6が互いに結合して飽和複素環を形成してもよい。)を示し、 X1は、2価の連結基を示す。〕 【化4】 〔式(2)において、 R7は、水素原子又はメチル基を示し、 R8は、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基を示す。〕 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、カラーフィルタ用着色組成物、カラーフィルタ及び表示素子に関わり、より詳しくは、透過型あるいは反射型のカラー液晶表示素子、固体撮像素子、有機EL表示素子、電子ペーパー等に用いられるカラーフィルタに有用な着色層の形成に用いられる着色組成物、当該着色組成物を用いて形成された着色層を備えるカラーフィルタ、並びに当該カラーフィルタを具備する表示素子に関する。」(下線は当審にて追加。以下同様。) (1b)「【0013】 更に、本発明は、次の成分(a1)、(B)及び(F); (a1)顔料、 上記(B)共重合体、及び (F)溶媒 を含有することを特徴とするカラーフィルタ用顔料分散液を提供するものである。 【発明の効果】 【0014】 本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、色度特性に優れ、現像性及び保存安定性にも優れる。本発明の着色組成物を用いれば、コントラストの高い各色画素を有するカラーフィルタを得ることができる。 しがたって、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、カラー液晶表示素子用カラーフィルタ、固体撮像素子の色分解用カラーフィルタ、有機EL表示素子用カラーフィルタ、電子ペーパー用カラーフィルタを始めとする各種のカラーフィルタの作製に極めて好適に使用することができる。 【発明を実施するための形態】 【0015】 以下、本発明について詳細に説明する。 カラーフィルタ用着色組成物 以下、本発明のカラーフィルタ用着色組成物(以下、単に「着色組成物」という。)の構成成分について説明する。 【0016】 -(A)着色剤- 本発明の着色組成物は、(A)着色剤として(a1)顔料を含有する。(a1)顔料としては特に限定されるものではなく、有機顔料、無機顔料のいずれでもよい。本発明において(a1)顔料は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。もちろん、有機顔料と無機顔料を混合して使用することもできる。」 (1c)「【0049】 (B)共重合体の酸価は、保存安定性の観点から、好ましくは5~70mgKOH/g、より好ましくは10~55mgKOH/g、特に好ましくは15~45mgKOH/gである。ここで、本発明において「酸価」とは、共重合体溶液の溶媒を除いた不揮発分1gを中和するのに必要なKOHのmg数であり、具体的には、後掲の実施例に記載の方法により測定されるものをいう。 また、(B)共重合体のアミン価は、保存安定性の観点から、好ましくは10~200mgKOH/g、より好ましくは30~170mgKOH/g、特に好ましくは50~150mgKOH/gである。ここで、本発明において「アミン価」とは、共重合体溶液の溶媒を除いた不揮発分1gを中和するのに必要な酸と当量のKOHのmg数であり、具体的には、後掲の実施例に記載の方法により測定されるものをいう。 【0050】 (B)共重合体は、繰り返し単位(1)~繰り返し単位(3)を有する限り、特に限定されるものではないが、分散性をより高める点から、繰り返し単位(2)及び繰り返し単位(3)を有さず、繰り返し単位(1)を有するAブロックと、繰り返し単位(1)を有さず、繰り返し単位(2)及び繰り返し単位(3)を有するBブロックとを含む、ブロック共重合体であることが好ましい。該ブロック共重合体は、A-Bブロック共重合体又はB-A-Bブロック共重合体であることが好ましい。この場合、Aブロック/Bブロックの共重合比(質量比)は、5/95~70/30が好ましく、10/90~60/40がより好ましく、15/85~40/60が特に好ましい。」 (1d)「【0130】 <(B)共重合体の合成> 以下、「(B)共重合体の合成」に使用する原料の略称は、次のとおりである。 THF :テトラヒドロフラン EEMA:メタクリル酸1-エトキシエチル MA :メタクリル酸 nBMA:ノルマルブチルメタクリレート MMA :メタクリル酸メチル AIBN:2,2'-アゾビスイソブチロニトリル DAMA:ジメチルアミノエチルメタクリレート EHMA:2-エチルヘキシルメタクリレート BzMA:ベンジルメタクリレート PME-200:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油株式会社製) 【0131】 合成例1 反応容器にTHF600.30g、塩化リチウム(3.63質量%濃度THF溶液)10.80g、ジフェニルエチレン3.84gを加え、-60℃まで冷却した。その後、n-ブチルリチウム9.60g(15.36質量%濃度ヘキサン溶液)を加え、10分間熟成した。 次に、nBMA103.84g、EEMA13.45gの混合液を30分かけて滴下し、滴下後15分反応を継続した。そしてガスクロマトグラフィー(以下、GCと略す)を測定し、モノマーの消失を確認した。 次に、DMMA32.25gを滴下し、滴下後30分反応継続した。そして、GCを測定し、モノマーの消失を確認した後、メタノール3.42gを加えて反応を停止した。 得られた共重合体の50質量%濃度のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液220gを、160℃に加温し3時間熟成させた。その後、40質量%濃度のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液に調整した。このようにして、DAMA由来の繰り返し単位を有するAブロックと、MA及びnBMA由来の繰り返し単位を有するBブロックからなるブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体を「共重合体(B-1)」とする。 【0132】 合成例2 反応容器にTHF55.7g、塩化リチウム(4.54質量%濃度THF溶液)4.65g、ジフェニルエチレン0.45gを加え、-60℃まで冷却した。その後、n-ブチルリチウム1.22g(15.36質量%濃度ヘキサン溶液)を加え、10分間熟成した。 次に、EEMA1.66g、nBMA9.9g、MMA4.14gの混合液を120分かけて滴下し、滴下後15分反応を継続した。そしてGCを測定し、モノマーの消失を確認した。 次に、DMMA3.96gを滴下し、滴下後30分反応継続した。そして、GCを測定し、モノマーの消失を確認した後、メタノール0.41gを加えて反応を停止した。 得られた前駆体ポリマーの25質量%濃度のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液65.64g中に水16.44gを加え、100℃に加温し8時間反応させた。水分を留去し、40質量%濃度のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液に調整した。このようにして、DAMA由来の繰り返し単位を有するAブロックと、MA、nBMA及びMMA由来の繰り返し単位を有するBブロックからなるブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体を「共重合体(B-2)」とする。」 (1e)「【0142】 【表1】 (1f)「【0144】 調製例2~8及び比較調製例1~7 調製例1において、着色剤、(B)共重合体及び溶媒の種類及び量を表2に示すように変更した以外は調製例1と同様にして、顔料分散液(A-2)~(A-15)を調製した。 【0145】 <顔料分散液の評価> 得られた顔料分散液の粘度を、E型粘度計(東京計器製)を用いて測定した。また、得られた着色剤分散液を遮光ガラス容器に充填し、密閉状態で23℃にて14日間静置した後、E型粘度計(東京計器製)を用いて再度粘度を測定した。そして、調製直後の粘度に対する14日間保存後の粘度の増加率を算出し、増加率が5%未満の場合を「A」、5%以上10%未満の場合を「B」、10%以上の場合を「C」として評価した。評価結果を表2に示す。 【0146】 【表2】 【0147】 表2中、「G58」とはC.I.ピグメントグリーン58を、「Y150」とはC.I.ピグメントイエロー150を、「B15:6」とはC.I.ピグメントブルー15:6、「V23」とはC.I.ピグメントバイオレット23を、「Y179」とは有機染料であるC.I.ソルベントイエロー179を、「PGMEA」とはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを、「PGME」とはプロピレングリコールモノメチルエーテルを、それぞれ意味する。」 イ 刊行物2 本件出願日前に頒布された刊行物であると認められる刊行物2には以下の記載がある。 (2a)「3級アミノ基を有する繰り返し単位及び4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を含む重合体からなるブロック鎖(A)と、ポリオキシアルキレン鎖を有する繰り返し単位及び酸性基を有する繰り返し単位を含む共重合体からなるブロック鎖(B)とを含有することを特徴とする共重合体。」(特許請求の範囲[請求項1]) (2b)「【発明の詳細な説明】 新規共重合体 本発明は、分散剤として有用な新規な共重合体に関する。」 (2c)「実施例2 [0080](重合工程) 1000mLフラスコにTHF695.92g、塩化リチウム(3.63重量%濃度THF溶液)13.83gを加え、-60℃まで冷却した。その後、n-ブチルリチウム(15.36重量%濃度ヘキサン溶液)9.29gを加え、10分間熟成した。 次に、EEMA8.47g、nBMA71.15g、PEGMA31.16gの混合液を30分かけて滴下し、滴下後30分間反応を継続した。そしてGC・GPC(移動相THF、DMF)を測定し、モノマーの消失を確認した。 次にDMMA45.39gを滴下し、滴下後30分反応継続した。そしてGC・GPC(移動相DMF)を測定しモノマーの消失を確認した後、メタノール3.21gを加えて反応を停止した。 得られた共重合体をGPC(移動相DMF)により分析し、分子量(Mw)が5610、分子量分布が1.10、組成比がDMMA-[nBMA/PEGMA/EEMA]=29-[46/20/5]重量%の共重合体であることを確認した。 [0081](脱保護工程) 得られた共重合体の50重量%濃度のPGMEA溶液213gを、160℃に加温し3.5時間熟成させた。 得られた共重合体をGPC(移動相DMF)により分析し、分子量(Mw)が4800、分子量分布が1.12、組成比がDMMA-[nBMA/PEGMA/MA]=30-[47/20/3]重量%の共重合体であることを確認した。」(実施例2) (2d)「実施例4 [0084](重合工程) 1000mLフラスコにTHF683.03g、塩化リチウム(3.63重量%濃度THF溶液)11.92gを加え、-60℃まで冷却した。その後、n-ブチルリチウム(15.36重量%濃度ヘキサン溶液)8.32gを加え、10分間熟成した。 続いてMMA5.06gを添加し、5分間反応を継続した。そしてGC測定でモノマーの消失を確認後、一部をサンプリングしてGPC測定(移動相DMF)を行ったところ、分子量311(3.10量体)の重合体が生成していた。 次に、EEMA9.68g、EHMA22.0g、nBMA22.09g、MMA41.60g、BzMA16.83g、PEGMA13.75gの混合液を30分かけて滴下し、滴下後30分間、反応を継続した。そしてGC・GPC(移動相THF、DMF)を測定し、モノマーの消失を確認した。 次にDMMA42.06gを滴下し、滴下後30分間、反応を継続した。そしてGC・GPC(移動相DMF)を測定し、モノマーの消失を確認した後、メタノール4.48gを加えて反応を停止した。 得られた共重合体をGPC(移動相DMF)により分析し、分子量(Mw)が6980、分子量分布が1.10、組成比がDMMA-[MMA/nBMA/EHMA/PEGMA/BzMA/EEMA]=24-[27/13/13/8/10/5]重量%の共重合体であることを確認した。 (脱保護工程)  得られた前駆体ポリマーの50重量%濃度のPGMEA溶液212.32gを、160℃に加温し4時間反応させた。  得られた共重合体をGPC(移動相DMF)により分析し、分子量(Mw)が5300、分子量分布が1.13、組成比がDMMA-[MMA/nBMA/EHMA/PEGMA/BzMA/MA]=25-[28/13/13/8/10/3]重量%の共重合体であることを確認した。」 (2e)「[0087] 上記実施例1~4及び比較例1で得られた共重合体溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの40重量%溶液とした後、これらを顔料分散剤として用いて、以下の顔料分散液を調製した。 顔料としてC.I.ピグメントグリーン36とC.I.ピグメントイエロー150との60/40(質量比)混合物15質量部、顔料分散剤として上記実施例1~4及び比較例1で得られたいずれかの共重合体のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を10質量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55質量部及びジエチレングリコールメチルエチルエーテル20質量部を用いて、ビーズミルにより12時間混合・分散して顔料分散液を調製した。 その結果、実施例1~4で得られた共重合体を用いて調製された顔料分散液は、鮮やかな緑色を示し、23℃で2週間保管した後も、調製直後と変わらぬ粘度値を示した。一方、比較例1で得られた共重合体を用いて調製された顔料分散液は、鮮やかな緑色を示したが、23℃で2週間保管した後、粘度値が調製直後対比で9%増加した。」 (2f)「実施例1 [0078](重合工程) 1000mLフラスコにテトラヒドロフラン(以下、THFと略すことがある)594.35g、塩化リチウム(3.63重量%濃度THF溶液)10.98gを加え、-60℃まで冷却した。その後、n-ブチルリチウム7.89g(15.36重量%濃度ヘキサン溶液)を加え、10分間熟成した。 次に、メタクリル酸1-エトキシエチル(以下、EEMAと略すことがある)4.04g、メタクリル酸n-ブチル(以下、nBMAと略すことがある)61.33g、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(PME-200 日油株式会社製)(以下、PEGMAと略すことがある)26.19gの混合液を30分かけて滴下し、滴下後30分反応を継続した。そしてガスクロマトグラフィー(以下、GCと略す)・ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(以下、GPCと略す)(移動相THF、DMF)を測定し、モノマーの消失を確認した。 次にメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル(以下、DMMAと略すことがある)39.71gを滴下し、滴下後30分反応継続した。そして、GC・GPC(移動相DMF)を測定し、モノマーの消失を確認した後、メタノール3.21gを加えて反応を停止した。 得られた共重合体をGPC(移動相DMF)により分析し、分子量(Mw)が5260、分子量分布が1.09、組成比がDMMA-[nBMA/PEGMA/EEMA]=30-[47/20/3]重量%の共重合体であることを確認した。 [0079](脱保護工程) 得られた前駆体ポリマーの50重量%濃度のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと略すことがある)溶液200gを、160℃に加温し3時間反応させた。 得られた共重合体をGPC(移動相DMF)により分析し、分子量(Mw)が5140、分子量分布が1.08、組成比がDMMA-[nBMA/PEGMA/MA]=31-[47/20/2]重量%の共重合体であることを確認した(MAは、メタクリル酸を表す)。 ・・・ [実施例3] 【0082](重合工程) 1000mLフラスコにTHF578.66g、塩化リチウム(3.63重量%濃度THF溶液)11.20gを加え、-60℃まで冷却した。その後、n-ブチルリチウム(15.36重量%濃度ヘキサン溶液)7.34gを加え、10分間熟成した。 続いて、メタクリル酸メチル(以下、MMAと略すことがある)4.30gを添加し、5分間反応を継続した。そして、GC測定でモノマーの消失を確認後、一部をサンプリングしてGPC測定(移動相DMF)を行ったところ、分子量293(2.92量体)の重合体が生成していた。 次に、EEMA4.52g、メタクリル酸2-エチルヘキシル(以下、EHMAと略すことがある)19.80g、nBMA19.50g、MMA36.48g、メタクリル酸ベンジル(以下、BzMAと略すことがある)15.03g、PEGMA11.99gの混合液を30分かけて滴下し、滴下後30分間反応を継続した。そしてGC・GPC(移動相THF、DMF)を測定しモノマーの消失を確認した。 次にDMMA36.98gを滴下し、滴下後30分間、反応を継続した。そしてGC・GPC(移動相DMF)を測定しモノマーの消失を確認した後、メタノール3.21gを加えて反応を停止した。 得られた共重合体をGPC(移動相DMF)により分析し、分子量(Mw)が6780、分子量分布が1.08、組成比がDMMA-[MMA/nBMA/EHMA/PEGMA/BzMA/EEMA]=25-[28/13/13/8/10/3]重量%の共重合体であることを確認した。 [0083](脱保護工程) 得られた共重合体の50重量%濃度のPGMEA溶液200gを、160℃に加温し3時間反応させた。 得られた共重合体をGPC(移動相DMF)により分析し、分子量(Mw)が6120、分子量分布が1.10、組成比がDMMA-[MMA/nBMA/EHMA/PEGMA/BzMA/MA]=25-[28/13/14/8/10/2]重量%の共重合体であることを確認した。」 ウ 刊行物3 本件出願前に頒布された刊行物であると認められる刊行物3には以下の記載がある。 (3a)「【0017】 <カラーフィルタ用着色組成物> 本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、平均一次粒子径が10nm~40nmであるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとC.I.ピグメントイエロー150とからなる有機顔料(A)、一般式(I)で表される繰り返し単位と(メタ)アクリル酸を由来とする繰り返し単位とを含む共重合体(B)、重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)、及び有機溶剤(E)を含有することを特徴とする。 以下、本発明のカラーフィルタ用着色組成物を構成する各成分について、詳細に説明する。」 (3b)「【0027】 本発明のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンは、平均一次粒子径が10nm~40nmであるものを用いることを要する。 この範囲の平均一次粒子径のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンを用いることにより、分散性安定性や着色力に優れるカラーフィルタ用着色組成物が得られることから、この組成物を用いることで、輝度が高く、コントラストの高い画素部を形成することができる。」 (3c)「【0042】 本発明のカラーフィルタ用着色組成物においては、ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとC.I.ピグメントイエロー150とを組み合わせて用いる。組み合わせて用いるC.I.ピグメントイエロー150の平均一次粒子径も10nm~40nmであることが好ましい。このような平均一次粒子径を有するC.I.ピグメントイエロー150は、従来公知の方法、例えば、ニーダーや連続式の微粒化装置でソルトミリングを行うことによって、容易に得ることができる。 【0043】 本発明におけるポリハロゲン化亜鉛フタロシアニンとC.I.ピグメントイエロー150との併用割合は、質量換算で、前記ポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン100部当たり、C.I.ピグメントイエロー150が10部~100部とすることが好ましく、更に好ましくは15部~90部、最適には20部~80部である。 【0044】 〔共重合体(B)〕 本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、下記一般式(I)で表される繰り返し単位と(メタ)アクリル酸を由来とする繰り返し単位とを含む共重合体(B)を含有する。 この共重合体(B)は、優れた顔料分散効果を発揮するため、本発明の着色組成物中において顔料の凝集を防ぎ、顔料が微細に分散した状態を維持する働きをする。この凝集防止効果は乾燥させた塗布膜中でも発揮され、現像時の残渣の低減に寄与する。また、アルキレンオキシ部位は現像液との親和性が高く、非露光部の基板界面との密着性を下げることにより、現像時の残渣の更なる低減に寄与する。 本発明のカラーフィルタ用着色組成物における共重合体(B)の含有量は、有機顔料の合計100質量部に対して、好ましくは10質量部~200質量部、更に好ましくは20質量部~100質量部である。」 (3d)「【0075】 〔色素誘導体(G)〕 本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、分散後の顔料の再凝集を防止する効果を有する色素誘導体(G)を添加することが好ましい。 色素誘導体(G)の含有量は、有機顔料の合計100質量部に対して、好ましくは0.001質量部~40質量部、更に好ましくは1質量部~30質量部である。 【0076】 色素誘導体は、有機色素に塩基性又は酸性の置換基を導入した化合物である。有機色素には、一般に色素とは呼ばれていない淡黄色の芳香族多環化合物、例えば、ナフタレン、アントラキノン、アクリドン等も含まれる。色素誘導体としては、特開63-305173号公報、特公昭57-15620号公報、特公昭59-40172号公報、特公昭63-17102号公報、特公平5-9469号公報、特開平9-176511公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独で又は2種類以上を混合して用いることができる。」 (3e)「【0084】 また、色素誘導体が有する酸性基として具体的には、スルホン酸基、テレフタル酸モノアミドメチル基等が挙げられる。 スルホン酸基は、アルミニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム等の金属や、アミンと塩を形成していてもよい。 特に、酸性基を有する色素誘導体のアルミニウム塩は、処理顔料の分散効果が大きいため好適に用いられる。」 エ 刊行物4 本件出願前に頒布された刊行物であると認められる刊行物4には以下の記載がある。 (4a)「光の散乱強度は粒子径の6乗に比例し,粒子の屈折率にも影響されると考えられている。つまり,高透過(高輝度),高コントラスト化には顔料の微粒子化や粒度分布の均一化が最も有効な方法であり,実際にCF用途には30~60nm程度の大きさに微細化調整された顔料が使用されている。」(82頁表1下4~7行) (4b)「樹脂は構造中の官能基による顔料表面との酸塩基相互作用によって吸着する。しかしながら,有機顔料の表面は無極性に近く,樹脂吸着を促進し安定化させるためには分散剤の配合が必要とされる。上述の例では,高分子分散剤にシナジストを組み合わせた設計となっている。シナジストは顔料表面と分散剤や樹脂などの分散媒体との親和性を高めるためのもので,顔料表面に強固に吸着するアンカー部と分散媒体に親和性を有する極性部とからなり,顔料表面に吸着し表面を極性化する。シナジストには各種活性剤や顔料誘導体が用いられるが,特に,使用する顔料の類似構造体に極性基を導入したものや,それに準じた構造のものが優れ,極性によって酸性タイプ(カルボン酸基やスルホン酸基など),塩基性タイプ(アミノ基など),中性タイプがある。 図6に顔料誘導体の基本構造を示した。 [A]-(X)-(P) A:有機顔料の基本骨格(アンカー部) X:連結部(-CH2-)(-SO2-)(-CO-) 直接結合、その他 P:極性基(Polar Group・酸性基、塩基性基、中性基) 図6 顔料誘導体の基本構造 これらのシナジストや各種の分散剤は,顔料分散時に配合して使用することもできるが,表面処理剤として顔料に直接処理した方が有利な場合も多く,ケースに応じた使い方がされている。」(83頁図6及び図6下1~6行) オ 刊行物5 本件出願日前に頒布された刊行物であると認められる刊行物5には以下の記載がある。 (5a)「【0035】以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例および比較例中、部とは重量部を、%とは重量%をそれぞれ示す。また、顔料の一次粒子径は、透過型電子顕微鏡で観察して測定し、比表面積はBET法で測定した。実施例に先立ち、実施例で用いた色素誘導体を表1に示す。 【0036】 【表1】 」 (5b)「【0038】[実施例1]DPP顔料(チバスペシャルティケミカルズ社製「イルガジンDPP REDBO」、C.I.Pigment RED254)152部、色素誘導体(a)8部、塩化ナトリウム1600部、およびジエチレングリコール190部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で10時間混練した。つぎにこの混合物を3リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして塩化ナトリウムおよび溶剤を除いた後、80℃で1昼夜乾燥し、156.8部のカラーフィルタ用顔料(一次粒子径30~40nm、比表面積80m2/g)を得た。 ・・・ 【0040】[実施例3]色素誘導体(a)を色素誘導体(c)に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行い156.0部のカラーフィルタ用顔料(一次粒子径30~40nm、比表面積80m2/g)を得た。」 (3)刊行物に記載された発明 ア 刊行物1に記載された発明 (ア) 摘記(1a)には、請求項1に「(A)顔料を含む着色剤、 (B)下記式(1)で表される繰り返し単位(1)と、下記式(2)で表される繰り返し単位(2)と、酸性基を有する繰り返し単位(3)を含み、・・・、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が1.0~1.9である共重合体、及び (C)架橋剤 を含有する・・・カラーフィルタ用着色組成物。 【化1】 〔式(1)において、 R1は、水素原子又はメチル基を示し、 Zは、・・・又は-NR5R6(但し、R5及びR6は、相互に独立に、水素原子又は炭化水素基を示し、R5及びR6が互いに結合して飽和複素環を形成してもよい。)を示し、 X1は、2価の連結基を示す。〕 【化2】 〔式(2)において、 R7は、水素原子又はメチル基を示し、 R8は、脂肪族炭化水素基又は脂環式炭化水素基を示す。〕」が記載され、請求項3には、 「前記(B)共重合体が前記繰り返し単位(1)を有するAブロックと、前記繰り返し単位(2)及び前記繰り返し単位(3)を有するBブロックとを含むブロック共重合体である・・・請求項1又は2に記載のカラーフィルタ用着色組成物」が記載されている。 そして、その特許請求の範囲の記載に対応した具体例の記載として、上記摘記(1d)には、ブロック共重合体の合成例として、「<(B)共重合体の合成> 以下、「(B)共重合体の合成」に使用する原料の略称」 「THF :テトラヒドロフラン EEMA:メタクリル酸1-エトキシエチル MA :メタクリル酸 nBMA:ノルマルブチルメタクリレート MMA :メタクリル酸メチル AIBN:2,2'-アゾビスイソブチロニトリル DAMA:ジメチルアミノエチルメタクリレート EHMA:2-エチルヘキシルメタクリレート BzMA:ベンジルメタクリレート PME-200:メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート(日油株式会社製)」を記載した上で、 「合成例1 反応容器にTHF600.30g、塩化リチウム(3.63質量%濃度THF溶液)10.80g、ジフェニルエチレン3.84gを加え、-60℃まで冷却した。その後、n-ブチルリチウム9.60g(15.36質量%濃度ヘキサン溶液)を加え、10分間熟成した。 次に、nBMA103.84g、EEMA13.45gの混合液を30分かけて滴下し、滴下後15分反応を継続した。そしてガスクロマトグラフィー(以下、GCと略す)を測定し、モノマーの消失を確認した。 次に、DMMA32.25gを滴下し、滴下後30分反応継続した。そして、GCを測定し、モノマーの消失を確認した後、メタノール3.42gを加えて反応を停止した。 得られた共重合体の50質量%濃度のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液220gを、160℃に加温し3時間熟成させた。その後、40質量%濃度のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液に調整した。このようにして、DAMA由来の繰り返し単位を有するAブロックと、MA及びnBMA由来の繰り返し単位を有するBブロックからなるブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体を「共重合体(B-1)」とする。」と記載されている(BブロックをX1ブロック、AブロックをY1ブロックとする)。 さらに、摘記(1e)には、合成例1の共重合体B-1がMA 5質量部、nBMA73質量部、DAMA 22質量部から形成され、Mw/Mnが1.21、Mw8500、酸価33、アミン価79であることが示されている。 そして、ブロック共重合体(B-1)のMwは8500であり、Mw/Mnが1.21であるから、Mnは7025である。 X1ブロックとY1ブロックとの質量比は78(=5+73):22であるので、各ブロックのMnはX1ブロックが5479(=7025×(78/100))であり、Y1ブロックが1545(=7025×(22/100))であると計算できる。 また、X1ブロックは、MA 5質量部とnBMA 73質量部から構成され、MAの分子量が86.09g/molであるから、X1ブロックの酸価は、41.8(=(5/(5+73))/86.09×1000×56.11)mgKOH/gと計算できる。 Y1ブロックは、DAMAのみから構成されており、DAMAの分子量は157.21g/molであるから、Y1ブロックのアミン価は、356.9(=(22/22)/157.21×1000×56.11)mgKOH/gと計算できる。 したがって、刊行物1には、具体的記載として、「メタクリル酸(MA)及びノルマルブチルメタクリレート(nBMA)由来の繰り返し単位を有するX1ブロックと、ジメチルアミノエチルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するY1ブロックとからなり、 X1ブロックは、メタクリル酸を構成成分とし、X1ブロックの酸価が41.8mgKOH/gであり、且つ、数平均分子量が5479であり、 Y1ブロックは、ジメチルアミノエチルメタクリレートを構成成分とし、 Y1ブロックのアミン価が356.9mgKOH/gであり、且つ、数平均分子量が1545であり、 Y1ブロックのみにジメチルアミノエチルメタクリレートが含まれており、 X1-Y1ブロック共重合体中のY1ブロックの含有量が22質量%であり、 X1-Y1ブロック共重合体中のMw/Mnが1.21、アミン価が79mgKOH/gであるブロック共重合体(B-1)」に係る発明(以下「刊行物1-1発明」という。)が開示されているといえる。 (イ) また、特許請求の範囲の記載に対応した具体例の記載として、上記摘記(1d)には、ブロック共重合体の合成例として、「合成例2 反応容器にTHF55.7g、塩化リチウム(4.54質量%濃度THF溶液)4.65g、ジフェニルエチレン0.45gを加え、-60℃まで冷却した。その後、n-ブチルリチウム1.22g(15.36質量%濃度ヘキサン溶液)を加え、10分間熟成した。 次に、EEMA1.66g、nBMA9.9g、MMA4.14gの混合液を120分かけて滴下し、滴下後15分反応を継続した。そしてGCを測定し、モノマーの消失を確認した。 次に、DMMA3.96gを滴下し、滴下後30分反応継続した。そして、GCを測定し、モノマーの消失を確認した後、メタノール0.41gを加えて反応を停止した。 得られた前駆体ポリマーの25質量%濃度のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液65.64g中に水16.44gを加え、100℃に加温し8時間反応させた。水分を留去し、40質量%濃度のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液に調整した。このようにして、DAMA由来の繰り返し単位を有するAブロックと、MA、nBMA及びMMA由来の繰り返し単位を有するBブロックからなるブロック共重合体を得た。得られたブロック共重合体を「共重合体(B-2)」とする。」と記載されている(BブロックをX2ブロック、AブロックをY2ブロックとする)。 さらに、摘記(1e)には、合成例2の共重合体B-2が、MA 5質量部、MMA 23質量部、nBMA50質量部、DAMA 22質量部から形成され、Mw/Mnが1.19、Mw8100、酸価33、アミン価79であることが示されている。 そして、ブロック共重合体(B-2)のMwは8100であり、Mw/Mnが1.19であるから、Mnは6807である。 X2ブロックとY2ブロックとの質量比は78(=5+23+50):22であるので、各ブロックのMnはX2ブロックが5309(=6807×(78/100))であり、Y2ブロックが1497(=6807×(22/100))であると計算できる。 また、X2ブロックは、MA 5質量部とMMA 23質量部とnBMA 73質量部から構成され、MAの分子量が86.09g/molであるから、X2ブロックの酸価は、41.8(=(5/(5+23+50))/86.09×1000×56.11)mgKOH/gと計算できる。 Y2ブロックは、DAMAのみから構成されており、DAMAの分子量は157.21g/molであるから、Y2ブロックのアミン価は、356.9(=(22/22)/157.21×1000×56.11)mgKOH/gと計算できる。 したがって、刊行物1には、具体的記載として、「メタクリル酸、ノルマルブチルメタクリレート及びメタクリル酸メチル由来の繰り返し単位を有するX2ブロックと、ジメチルアミノエチルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するY2ブロックとからなり、 X2ブロックは、メタクリル酸を構成成分とし、X2ブロックの酸価が41.8mgKOH/gであり、且つ、数平均分子量が5309であり、 Y2ブロックは、ジメチルアミノエチルメタクリレートを構成成分とし、 Y2ブロックのアミン価が356.9mgKOH/gであり、且つ、数平均分子量が1497であり、 Y2ブロックのみにジメチルアミノエチルメタクリレートが含まれており、 X2-Y2ブロック共重合体中のY2ブロックの含有量が22質量%であり、 X2-Y2ブロック共重合体中のMw/Mnが1.19、アミン価が79mgKOH/gであるブロック共重合体(B-2)」に係る発明(以下「刊行物1-2発明」という。)が開示されているといえる。 (ウ) さらに、刊行物1には、摘記(1e)摘記(1f)に、顔料分散液の調製例1に関して、着色剤としてC.I.ピグメントグリーン58 9質量部及びC.I.ピグメントイエロー150 6質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 64.5質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル 8質量部、合成例1の共重合体B-1(MA 5質量部、nBMA73質量部、DAMA 22質量部から形成され、Mw/Mnが1.21、Mw8500、酸価33、アミン価79であるもの)溶液(不揮発成分=40質量%)12.5質量部を含むことが示されている。 そして、前述のとおり、各ブロックのMnはX1ブロックが5479であり、Y1ブロックが1545、X1ブロックの酸価は、41.8mgKOH/gと計算でき、Y1ブロックのアミン価は、356.9と計算できるので、具体的記載として、 「着色剤としてC.I.ピグメントグリーン58 9質量部及びC.I.ピグメントイエロー150 6質量部、 溶媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテル、 [メタクリル酸(MA)及びノルマルブチルメタクリレート(nBMA)由来の繰り返し単位を有するX1ブロックと、ジメチルアミノエチルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するY1ブロックとからなり、 X1ブロックは、メタクリル酸を構成成分とし、X1ブロックの酸価が41.8mgKOH/gであり、且つ、数平均分子量が5479であり、 Y1ブロックは、ジメチルアミノエチルメタクリレートを構成成分とし、 Y1ブロックのアミン価が356.9mgKOH/gであり、且つ、数平均分子量が1545であり、 Y1ブロックのみにジメチルアミノエチルメタクリレートが含まれており、 X1-Y1ブロック共重合体中のY1ブロックの含有量が22質量%であり、 X1-Y1ブロック共重合体中のMw/Mnが1.21、アミン価が79mgKOH/gであるブロック共重合体(B-1)] 5(=12.5×0.4)質量部を含有する顔料分散液」に係る発明(以下「刊行物1-3発明」という。)が記載されている。 (エ) また、摘記(1e)摘記(1f)に、顔料分散液の調製例2に関して、着色剤としてC.I.ピグメントグリーン58 9質量部及びC.I.ピグメントイエロー150 6質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 67質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル 8質量部、合成例2の共重合体B-2(MA 5質量部、MMA 23質量部、nBMA50質量部、DAMA 22質量部から形成され、Mw/Mnが1.19、Mw8100、酸価33、アミン価79であるもの)溶液(不揮発成分=40質量%)10質量部を含むことが示されている。 そして、前述のとおり、各ブロックのMnはX2ブロックが5309であり、Y1ブロックが1497、X2ブロックの酸価は、41.8mgKOH/gと計算でき、Y2ブロックのアミン価は、356.9と計算できるので、具体的記載として、 「着色剤としてC.I.ピグメントグリーン58 9質量部及びC.I.ピグメントイエロー150 6質量部、 溶媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテル、 [メタクリル酸、ノルマルブチルメタクリレート及びメタクリル酸メチル由来の繰り返し単位を有するX2ブロックと、ジメチルアミノエチルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するY2ブロックとからなり、 X2ブロックは、メタクリル酸を構成成分とし、X2ブロックの酸価が41.8mgKOH/gであり、且つ、数平均分子量が5309であり、 Y2ブロックは、ジメチルアミノエチルメタクリレートを構成成分とし、 Y2ブロックのアミン価が356.9mgKOH/gであり、且つ、数平均分子量が1497であり、 Y2ブロックのみにジメチルアミノエチルメタクリレートが含まれており、 X2-Y2ブロック共重合体中のY2ブロックの含有量が22質量%であり、 X2-Y2ブロック共重合体中のMw/Mnが1.19、アミン価が79mgKOH/gであるブロック共重合体(B-2)] 4(=10×0.4)質量部を含有する顔料分散液」(以下「刊行物1-4発明」という。)、 イ 刊行物2に記載された発明 (ア) 摘記(2a)には、請求項1に「3級アミノ基を有する繰り返し単位及び4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を含む重合体からなるブロック鎖(A)と、ポリオキシアルキレン鎖を有する繰り返し単位及び酸性基を有する繰り返し単位を含む共重合体からなるブロック鎖(B)とを含有することを特徴とする共重合体」が記載され、摘記(2b)には、分散剤として有用な新規な共重合体に関すると記載されている。 そして、その特許請求の範囲の記載に対応した具体例の記載として、摘記(2c)には、ブロック共重合体の実施例として、「実施例2 [0080](重合工程) 1000mLフラスコにTHF695.92g、塩化リチウム(3.63重量%濃度THF溶液)13.83gを加え、-60℃まで冷却した。その後、n-ブチルリチウム(15.36重量%濃度ヘキサン溶液)9.29gを加え、10分間熟成した。 次に、EEMA8.47g、nBMA71.15g、PEGMA31.16gの混合液を30分かけて滴下し、滴下後30分間反応を継続した。そしてGC・GPC(移動相THF、DMF)を測定し、モノマーの消失を確認した。 次にDMMA45.39gを滴下し、滴下後30分反応継続した。そしてGC・GPC(移動相DMF)を測定しモノマーの消失を確認した後、メタノール3.21gを加えて反応を停止した。 得られた共重合体をGPC(移動相DMF)により分析し、分子量(Mw)が5610、分子量分布が1.10、組成比がDMMA-[nBMA/PEGMA/EEMA]=29-[46/20/5]重量%の共重合体であることを確認した。 [0081](脱保護工程) 得られた共重合体の50重量%濃度のPGMEA溶液213gを、160℃に加温し3.5時間熟成させた。  得られた共重合体をGPC(移動相DMF)により分析し、分子量(Mw)が4800、分子量分布が1.12、組成比がDMMA-[nBMA/PEGMA/MA]=30-[47/20/3]重量%の共重合体であることを確認した。」と記載されている(nBMA/PEGMA/MAからなるブロックをX3ブロック、DMMAからなるブロックをY3ブロックとする)。 そして、ブロック共重合体(DMMA-[nBMA/PEGMA/MA]=30-[47/20/3])のMwは4800であり、Mw/Mnが1.21であるから、Mnは4286である。 X3ブロックとY3ブロックとの質量比は70(=47+20+3):30であるので、各ブロックのMnはX3ブロックが3000(=4286×(70/100))であり、Y3ブロックが1286(=4286×(30/100))であると計算できる。 また、X3ブロックは、nBMA 47質量部とPEGMA20質量部とMA 5質量部から構成され、MAの分子量が86.09g/molであるから、X3ブロックの酸価は、27.9(=(3/(47+20+3))/86.09×1000×56.11)mgKOH/gと計算できる。 Y3ブロックは、DAMAのみから構成されており、DAMAの分子量は157.21g/molであるから、Y3ブロックのアミン価は、356.9(=(30/30)/157.21×1000×56.11)mgKOH/gと計算できる。 ブロック共重合体中のY3ブロックの含有率は30質量%であり、Y3ブロックのアミン価は356.9mgKOH/gであるので、ブロック共重合体のアミン価は、107.1(356.9×(30/100))mgKOH/gと計算できる。 したがって、刊行物2には、具体的記載として、「メタクリル酸n-ブチル、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸由来の繰り返し単位を有するX3ブロックと、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル由来の繰り返し単位を有するY3ブロックとからなり、 X3ブロックは、メタクリル酸を構成成分とし、 X3ブロックの酸価が27.9mgKOH/gであり、且つ、数平均分子量が3000であり、 Y3ブロックは、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルを構成成分とし、 Y3ブロックのアミン価が356.9mgKOH/gであり、且つ数平均分子量が1286であり、 Y3ブロックのみにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルが含まれており、 X3-Y3ブロック共重合中のY3ブロックの含有量が30質量%であり、 X3-Y3ブロック共重合中の分子量分布が1.12、アミン価が107.1mgKOH/gであるブロック共重合体」に係る発明(以下「刊行物2-1発明」という。)が開示されているといえる。 (イ) また、特許請求の範囲の記載に対応した具体例の記載として、上記摘記(2d)には、ブロック共重合体の合成例として、「実施例4 [0084](重合工程) 1000mLフラスコにTHF683.03g、塩化リチウム(3.63重量%濃度THF溶液)11.92gを加え、-60℃まで冷却した。その後、n-ブチルリチウム(15.36重量%濃度ヘキサン溶液)8.32gを加え、10分間熟成した。 続いてMMA5.06gを添加し、5分間反応を継続した。そしてGC測定でモノマーの消失を確認後、一部をサンプリングしてGPC測定(移動相DMF)を行ったところ、分子量311(3.10量体)の重合体が生成していた。  次に、EEMA9.68g、EHMA22.0g、nBMA22.09g、MMA41.60g、BzMA16.83g、PEGMA13.75gの混合液を30分かけて滴下し、滴下後30分間、反応を継続した。そしてGC・GPC(移動相THF、DMF)を測定し、モノマーの消失を確認した。 次にDMMA42.06gを滴下し、滴下後30分間、反応を継続した。そしてGC・GPC(移動相DMF)を測定し、モノマーの消失を確認した後、メタノール4.48gを加えて反応を停止した。 得られた共重合体をGPC(移動相DMF)により分析し、分子量(Mw)が6980、分子量分布が1.10、組成比がDMMA-[MMA/nBMA/EHMA/PEGMA/BzMA/EEMA]=24-[27/13/13/8/10/5]重量%の共重合体であることを確認した。 (脱保護工程)  得られた前駆体ポリマーの50重量%濃度のPGMEA溶液212.32gを、160℃に加温し4時間反応させた。  得られた共重合体をGPC(移動相DMF)により分析し、分子量(Mw)が5300、分子量分布が1.13、組成比がDMMA-[MMA/nBMA/EHMA/PEGMA/BzMA/MA]=25-[28/13/13/8/10/3]重量%の共重合体であることを確認した。」と記載されている(MMA/nBMA/EHMA/PEGMA/BzMA/MAからなるブロックをX4ブロック、DMMAからなるブロックをY4ブロックとする)。 そして、ブロック共重合体(DMMA-[MMA/nBMA/EHMA/PEGMA/BzMA/MA]=25-[28/13/13/8/10/3])のMwは5300であり、Mw/Mnが1.13であるから、Mnは4690である。 X4ブロックとY4ブロックとの質量比は75(=28+13+13+8+10+3):25であるので、各ブロックのMnはX4ブロックが3518(=4690×(75/100))であり、Y4ブロックが1173(=4690×(35/100))であると計算できる。 また、X4ブロックは、MMA 28質量部、nBMA 13質量部、EHMA 13質量部、PEGMA8質量部、BzMA10質量部とMA 3質量部から構成され、MAの分子量が86.09g/molであるから、X4ブロックの酸価は、26.1(=(3/(28+13+13+8+10+3))/86.09×1000×56.11)mgKOH/gと計算できる。 Y4ブロックは、DAMAのみから構成されており、DAMAの分子量は157.21g/molであるから、Y4ブロックのアミン価は、356.9(=(25/25)/157.21×1000×56.11)mgKOH/gと計算できる。 ブロック共重合体中のY4ブロックの含有率は25質量%であり、Y4ブロックのアミン価は356.9mgKOH/gであるので、ブロック共重合体のアミン価は、89.2(356.9×(25/100))mgKOH/gと計算できる。 したがって、具体的記載として、「メタクリル酸メチル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸由来の繰り返し単位を有するX4ブロックと、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル由来の繰り返し単位を有するY4ブロックとからなり、 X4ブロックは、メタクリル酸を構成成分とし、 X4ブロックの酸価が26.1mgKOH/gであり、且つ、数平均分子量が3518であり、 Y4ブロックは、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルを構成成分とし、 Y4ブロックのアミン価が356.9mgKOH/gであり、且つ数平均分子量が1173であり、 Y4ブロックのみにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルが含まれており、 X4-Y4ブロック共重合中のY4ブロックの含有量が25質量%であり、 X4-Y4ブロック共重合中の分子量分布が1.13、アミン価が89.2mgKOH/gであるブロック共重合体」に係る発明(以下「刊行物2-2発明」という。)が開示されているといえる。 (ウ) 刊行物2には、摘記(2e)に、実施例2で得られた共重合体溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの40重量%溶液とした後、これを顔料分散剤として用いて、顔料としてC.I.ピグメントグリーン36とC.I.ピグメントイエロー150との60/40(質量比)混合物15質量部、顔料分散剤として実施例2で得られた共重合体のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40重量%溶液を10質量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55質量部及びジエチレングリコールメチルエチルエーテル20質量部を用いて、ビーズミルにより12時間混合・分散して顔料分散液を調製したことが記載されている。 そして、前述のとおり、各ブロックのMnはX3ブロックが3000であり、Y1ブロックが1286、X3ブロックの酸価が27.9mgKOH/gと、Y1ブロックのアミン価は、356.9mgKOH/gと、ブロック共重合体のアミン価は、107.1mgKOH/gと計算できるので、刊行物2には、具体的記載として、「着色剤としてC.I.ピグメントグリーン36 9量部及びC.I.ピグメントイエロー150 6質量部、 溶媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテル、 [メタクリル酸n-ブチル、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸由来の繰り返し単位を有するX3ブロックと、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル由来の繰り返し単位を有するY3ブロックとからなり、 X3ブロックは、メタクリル酸を構成成分とし、 X3ブロックの酸価が27.9mgKOH/gであり、且つ、数平均分子量が3000であり、 Y3ブロックは、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルを構成成分とし、 Y3ブロックのアミン価が356.9mgKOH/gであり、且つ数平均分子量が1286であり、 Y3ブロックのみにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルが含まれており、 X3-Y3ブロック共重合中のY3ブロックの含有量が30質量%であり、 X3-Y3ブロック共重合中の分子量分布が1.12、アミン価が107.1mgKOH/gであるブロック共重合体] 4(=10×0.4)質量部を含有する顔料分散液」に係る発明(以下「刊行物2-3発明」という。)が開示されているといえる。 (エ) 刊行物2には、摘記(2e)に、実施例4で得られた共重合体溶液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの40重量%溶液とした後、これを顔料分散剤として用いて、顔料としてC.I.ピグメントグリーン36とC.I.ピグメントイエロー150との60/40(質量比)混合物15質量部、顔料分散剤として実施例4で得られた共重合体のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40重量%溶液を10質量部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート55質量部及びジエチレングリコールメチルエチルエーテル20質量部を用いて、ビーズミルにより12時間混合・分散して顔料分散液を調製したことが記載されている。 そして、前述のとおり、各ブロックのMnはX4ブロックが3518であり、Y1ブロックが1173、X4ブロックの酸価が26.1mgKOH/gと、Y4ブロックのアミン価は、356.9mgKOH/gと、ブロック共重合体のアミン価は、89.2mgKOH/gと計算できるので、刊行物2には、具体的記載として、「着色剤としてC.I.ピグメントグリーン36 9量部及びC.I.ピグメントイエロー150 6質量部、 溶媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテル、 [メタクリル酸メチル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸由来の繰り返し単位を有するX4ブロックと、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル由来の繰り返し単位を有するY4ブロックとからなり、 X4ブロックは、メタクリル酸を構成成分とし、 X4ブロックの酸価が26.1mgKOH/gであり、且つ、数平均分子量が3518であり、 Y4ブロックは、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルを構成成分とし、 Y4ブロックのアミン価が356.9mgKOH/gであり、且つ数平均分子量が1173であり、 Y4ブロックのみにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルが含まれており、 X4-Y4ブロック共重合中のY4ブロックの含有量が25質量%であり、 X4-Y4ブロック共重合中の分子量分布が1.13、アミン価が89.2mgKOH/gであるブロック共重合体] 4(=10×0.4)質量部を含有する顔料分散液」に係る発明(以下「刊行物2-4発明」という。)が開示されているといえる。 (4)対比・判断 ア 本件発明1について (ア)刊行物1-3発明との対比・判断 a 対比 本件発明1と刊行物1-3発明とを対比すると、刊行物1-3発明の「着色剤として」の「C.I.ピグメントグリーン58」及び「C.I.ピグメントイエロー150」、「溶媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテル」、「ブロック共重合体(B-1)」、「顔料分散液」は、それぞれ、「色素」「液溶媒」「高分子分散剤」「油性の顔料分散液である顔料着色剤組成物」に該当する。 また、刊行物1-3発明の「メタクリル酸及びノルマルブチルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するX1ブロックと、ジメチルアミノエチルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するY1ブロックとからなり」は、本件発明の「高分子分散剤が、90質量%以上のメタクリレート系モノマーで構成された、アニオン性のAブロック、及びカチオン性のBブロックからなるアニオンカチオン性A-Bブロックコポリマーであり」に相当し、 刊行物1-3発明の「X1ブロックは、メタクリル酸を構成成分とし、」「数平均分子量が5479であり」は、本件発明1の「Aブロックは、少なくともメタクリル酸を含むメタクリレート系モノマーを構成成分としてなる、前記メタクリル酸由来のカルボキシル基を有し、」「且つ、数平均分子量が3,000~20,000の鎖であり」に該当し、 刊行物1-3発明の「Y1ブロックは、ジメチルアミノエチルメタクリレートを構成成分とし、Y1ブロックのアミン価が356.9mgKOH/gであり、且つ、数平均分子量が1545であり」は、本件発明1の「Bブロックは、少なくともアミノ基を有するメタクリレート系モノマーを構成成分とした、アミン価が100~400mgKOH/gで、且つ、Bのポリマーブロックの平均分子量が500~8,000の鎖であり」に該当する。 また、刊行物1-3発明の「Y1ブロックのみにジメチルアミノエチルメタクリレートが含まれており、」は、本件発明1の「Bポリマーブロックのみにアミノ基を有するメタクリレート系モノマーに由来する構成単位が含まれており、」に相当し、 刊行物1-3発明の「X1-Y1ブロック共重合体中のY1ブロックの含有量が22質量%であり、X1-Y1ブロック共重合体中のMw/Mnが1.21・・・である」ことは、本件発明1の「A-Bブロックコポリマー中のBブロックの含有量が5~50質量%であり、A-Bブロックコポリマーの分子量の分布を示す分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下であり」に該当する。 また、刊行物1-3発明の「着色剤としてピグメントグリーン58 9量部及びC.I.ピグメントイエロー150 6質量部、・・・ブロック共重合体(B-1)が5質量部」は、本件発明1の顔料に相当する着色剤15(9+6)質量部に本件発明1の高分子分散剤に相当するブロック共重合体(B-1)が5質量部含有されていることになることから、本件発明1の「前記顔料100質量部に対する、前記高分子分散剤の含有量が10~100質量部で」に該当する。 したがって、本件発明1と刊行物1-3発明とは、「顔料、液媒体、及び高分子分散剤を含有してなる油性の顔料分散液である顔料着色剤組成物であって、 前記高分子分散剤が、90質量%以上のメタクリレート系モノマーで構成された、アニオン性のAブロック、及びカチオン性のBブロックからなるアニオンカチオン性A-Bブロックコポリマーであり、 Aブロックは、少なくともメタクリル酸を含むメタクリレート系モノマーを構成成分としてなる、前記メタクリル酸由来のカルボキシル基を有し、且つ、数平均分子量が3,000~20,000の鎖であり、 Bブロックは、少なくともアミノ基を有するメタクリレート系モノマーを構成成分とした、アミン価が100~400mgKOH/gで、且つ、Bのポリマーブロックの平均分子量が500~8,000の鎖であり、Bポリマーブロックのみにアミノ基を有するメタクリレート系モノマーに由来する構成単位が含まれており、 A-Bブロックコポリマー中のBブロックの含有量が5~50質量%であり、 A-Bブロックコポリマーの分子量の分布を示す分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下であり、 前記顔料100質量部に対する、前記高分子分散剤の含有量が10~100質量部である顔料着色剤組成物。」である点で一致し、以下の点で相違する。 相違点1:本件発明1は、Aのポリマーブロックの酸価が62.2~150mgKOH/gであるのに対して、刊行物1-3発明は、X1ブロックの酸価が41.8mgKOH/gである点 相違点2:本件発明1は、顔料の分散安定性を向上させるための色素誘導体を有しているのに対して、刊行物1-3発明は、色素誘導体を有していない点 相違点3:本件発明1は、「色素誘導体が、高分子分散剤のアミノ基とイオン結合し得る酸性である官能基を有し」ていると特定されているのに対し、刊行物1-3発明は、そのような特定がない点 相違点4:本件発明1は、顔料の平均粒子径が10~150nmであることが特定されているのに対して、刊行物1-3発明は、顔料の平均粒子径が特定されていない点 相違点5:本件発明1は、「顔料100質量部に対する、」「色素誘導体の含有量が5~100質量部である」ことが特定されているのに対し、刊行物1-3発明は、色素誘導体を含有していない点 b 相違点の判断 以下、相違点について検討する。 (a)相違点1について 刊行物1には、【0049】【0050】には、3種の繰り返し単位を有する(B)共重合体に関する一般的記載として、「【0049】 (B)共重合体の酸価は、保存安定性の観点から、好ましくは5~70mgKOH/g、より好ましくは10~55mgKOH/g、特に好ましくは15~45mgKOH/gである。ここで、本発明において「酸価」とは、共重合体溶液の溶媒を除いた不揮発分1gを中和するのに必要なKOHのmg数であり、具体的には、後掲の実施例に記載の方法により測定されるものをいう。 また、(B)共重合体のアミン価は、保存安定性の観点から、好ましくは10~200mgKOH/g、より好ましくは30~170mgKOH/g、特に好ましくは50~150mgKOH/gである。ここで、本発明において「アミン価」とは、共重合体溶液の溶媒を除いた不揮発分1gを中和するのに必要な酸と当量のKOHのmg数であり、具体的には、後掲の実施例に記載の方法により測定されるものをいう。 【0050】 (B)共重合体は、繰り返し単位(1)~繰り返し単位(3)を有する限り、特に限定されるものではないが、分散性をより高める点から、繰り返し単位(2)及び繰り返し単位(3)を有さず、繰り返し単位(1)を有するAブロックと、繰り返し単位(1)を有さず、繰り返し単位(2)及び繰り返し単位(3)を有するBブロックとを含む、ブロック共重合体であることが好ましい。該ブロック共重合体は、A-Bブロック共重合体又はB-A-Bブロック共重合体であることが好ましい。この場合、Aブロック/Bブロックの共重合比(質量比)は、5/95~70/30が好ましく、10/90~60/40がより好ましく、15/85~40/60が特に好ましい。」と記載されているが、。繰り返し単位(2)及び繰り返し単位(3)を有さず、繰り返し単位(1)を有するAブロックと、繰り返し単位(1)を有さず、繰り返し単位(2)及び繰り返し単位(3)を有するBブロックとを含む、ブロック共重合体であることが好ましいことやAブロック/Bブロックの共重合比に関する記載はあるものの、相違点1に関する、刊行物1-3発明の、合成例1で使用した特定のモノマーで定義したX1ブロックの酸価をどのようにするべきかの直接の記載はない。 刊行物1-3発明は、合成例1として、特定のモノマー原料を特定の割合で、特定の共重合条件で形成したブロック共重合体製造に係る記載によって認定できる発明であって、例えば、あるモノマー成分の割合を変更した場合、当業者がそれ以外の成分の割合や共重合条件は変えずにそのまま共重合体を製造する動機付けはない。 また、刊行物1-3発明は、合成例1において、記載されたブロック共重合体のMw/Mnが1.21であることを前提にMnを計算によって数値を出して、最終的に発明を認定しているのであるから、たとえ刊行物1-3発明の顔料分散液において、Bブロックの酸価を変更するためにBブロックの割合を変更したとしても、刊行物1の【0142】の表1から共重合体の酸価が変化すると共重合体のMw/Mnの値が変化するのが読み取れ(摘記(1e))、一定であるとはいえないのであるから、Bブロックの酸価を変更した場合、Mnが算出できず、X1やY1のMnが算出できないことになるといえる。 したがって、当業者といえども、本件発明1のように、X1ブロックの酸価を62.2~150mgKOH/gと特定することは、容易に想到するとはいえない。 また、色素誘導体に関する刊行物3、顔料誘導体に関する刊行物4、色素誘導体に関する刊行物5の技術常識を考慮しても、相違点1が容易に想起できない技術的事項であることにかわりはない。 (b)効果について 本件発明1は、顔料の分散安定性を向上させるための色素誘導体および高分子分散剤を含有する顔料着色剤組成物として、高分子分散剤としてのA-Bブロックコポリマーの構成成分モノマ、モノマー割合、Aブロックの酸価、Bブロックのアミン価、各ブロックの平均分子量、分散度、色素誘導体官能基の種類、顔料の平均粒子径を特定することによって、超微粒子化した顔料の微分散と分散安定性に優れ、低粘度で長期保存安定性に優れ、塗布特性、現像性に優れ、色濃度、光透過性、コントラスト等の光学的特性に優れるという効果を両立して得ており(表1~表10)、当業者の予測を超えるものであるといえる。 (c)その他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、刊行物1-3発明及び技術常識から当業者が容易に発明することができるものとはいえない。 (d)本件発明1は、刊行物1-3発明及び刊行物3から5記載の技術的事項に基いて当業者が容易に発明することができたとはいえない。 (イ)刊行物1-4発明との対比・判断 a 対比・判断 本件発明1と刊行物1-4発明とを対比すると、刊行物1-4発明の「着色剤として」の「C.I.ピグメントグリーン58」及び「C.I.ピグメントイエロー150」、「溶媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテル」、「ブロック共重合体(B-2)」、「顔料分散液」は、それぞれ、「色素」「液溶媒」「高分子分散剤」「油性の顔料分散液である顔料着色剤組成物」に該当する。 また、刊行物1-4発明の「メタクリル酸、ノルマルブチルメタクリレート及びメタクリル酸メチル由来の繰り返し単位を有するX2ブロックと、ジメチルアミノエチルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するY2ブロックとからなり」は、本件発明の「高分子分散剤が、90質量%以上のメタクリレート系モノマーで構成された、アニオン性のAブロック、及びカチオン性のBブロックからなるアニオンカチオン性A-Bブロックコポリマーであり」に相当し、 刊行物1-4発明の「X2ブロックは、メタクリル酸を構成成分とし、」「且つ、数平均分子量が5309であり」は、本件発明1の「Aブロックは、少なくともメタクリル酸を含むメタクリレート系モノマーを構成成分としてなる、前記メタクリル酸由来のカルボキシル基を有し、」「且つ、数平均分子量が3,000~20,000の鎖であり」に該当し、刊行物1-4発明の「Y2ブロックは、ジメチルアミノエチルメタクリレートを構成成分とし、Y2ブロックのアミン価が356.9mgKOH/gであり、且つ、数平均分子量が1497であり、」は、本件発明1の「Bブロックは、少なくともアミノ基を有するメタクリレート系モノマーを構成成分とした、アミン価が100~400mgKOH/gで、且つ、Bのポリマーブロックの平均分子量が500~8,000の鎖であり」に該当する。 また、刊行物1-4発明の「Y2ブロックのみにジメチルアミノエチルメタクリレートがふくまれており、」は、本件発明1の「Bポリマーブロックのみにアミノ基を有するメタクリレート系モノマーに由来する構成単位が含まれており、」に相当し、 刊行物1-4発明の「X2-Y2ブロック共重合体中のY2ブロックの含有量が22質量%であり、X2-Y2ブロック共重合体中のMw/Mnが1.19・・・である」ことは、本件発明1の「A-Bブロックコポリマー中のBブロックの含有量が5~50質量%であり、A-Bブロックコポリマーの分子量の分布を示す分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下であり」に該当する。 また、刊行物1-4発明の「着色剤としてC.I.ピグメントグリーン58 9質量部及びC.I.ピグメントイエロー150 6質量部」本件発明1の顔料に相当する着色剤15(9+6)質量部に本件発明1の高分子分散剤に相当するブロック共重合体(B-2)が4質量部含有されていることになることから、本件発明1の「前記顔料100質量部に対する、前記高分子分散剤の含有量が10~100質量部で」に該当する。 本件発明1と刊行物1-4発明との一致点・相違点は、本件発明1と刊行物1-3発明との一致点・相違点と同様であり、上記(ア)で検討したのと同様の理由により、本件発明1は、刊行物1-4発明及び刊行物3から5記載の技術的事項に基いて当業者が容易に発明することができたものとはいえない。 (ウ)刊行物2-3発明との対比・判断 a 対比 本件発明1と刊行物2-3発明とを対比すると、刊行物2-3発明の「顔料として」の「C.I.ピグメントグリーン36」及び「C.I.ピグメントイエロー150」、「溶媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテル」、「ブロック共重合体」、「顔料分散液」は、それぞれ、「色素」「液溶媒」「高分子分散剤」「油性の顔料分散液である顔料着色剤組成物」に該当する。 また、刊行物2-3発明の「メタクリル酸n-ブチル、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸由来の繰り返し単位を有するX3ブロックと、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル由来の繰り返し単位を有するY3ブロックとからなり」は、本件発明の「高分子分散剤が、90質量%以上のメタクリレート系モノマーで構成された、アニオン性のAブロック、及びカチオン性のBブロックからなるアニオンカチオン性A-Bブロックコポリマーであり」に相当し、 刊行物2-3発明の「X3ブロックは、メタクリル酸を構成成分とし、」「且つ、数平均分子量が3000であり、」は、本件発明1の「Aブロックは、少なくともメタクリル酸を含むメタクリレート系モノマーを構成成分としてなる、前記メタクリル酸由来のカルボキシル基を有し、」「且つ、数平均分子量が3,000~20,000の鎖であり」に該当し、刊行物2-3発明の「Y3ブロックは、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルを構成成分とし、Y3ブロックのアミン価が356.9mgKOH/gであり、且つ数平均分子量が1286であり、」は、本件発明1の「Bブロックは、少なくともアミノ基を有するメタクリレート系モノマーを構成成分とした、アミン価が100~400mgKOH/gで、且つ、Bのポリマーブロックの平均分子量が500~8,000の鎖であり」に該当する。 また、刊行物2-3発明の「Y3ブロックのみにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルが含まれており、」は、本件発明1の「Bポリマーブロックのみにアミノ基を有するメタクリレート系モノマーに由来する構成単位が含まれており、」に相当し、 刊行物2-3発明の「X3-Y3ブロック共重合中のY3ブロックの含有量が30質量%であり、X3-Y3ブロック共重合中の分子量分布が1.12、・・・である」ことは、本件発明1の「A-Bブロックコポリマー中のBブロックの含有量が5~50質量%であり、A-Bブロックコポリマーの分子量の分布を示す分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下であり」に該当する。 また、刊行物2-3発明の「着色剤としてC.I.ピグメントグリーン36 9質量部及びC.I.ピグメントイエロー150 6質量部、・・・を含有」し、「ブロック共重合体」「4」「質量部を含むこと」は、は、本件発明1の顔料に相当する着色剤15(9+6)質量部に、本件発明1の高分子分散剤に相当するブロック共重合体が4質量部含有されていることになることから、本件発明1の「前記顔料100質量部に対する、前記高分子分散剤の含有量が10~100質量部で」に該当する。 したがって、本件発明1と刊行物2-3発明とは、「顔料、液媒体、及び高分子分散剤を含有してなる油性の顔料分散液である顔料着色剤組成物であって、 前記高分子分散剤が、90質量%以上のメタクリレート系モノマーで構成された、アニオン性のAブロック、及びカチオン性のBブロックからなるアニオンカチオン性A-Bブロックコポリマーであり、 Aブロックは、少なくともメタクリル酸を含むメタクリレート系モノマーを構成成分としてなる、前記メタクリル酸由来のカルボキシル基を有し、且つ、数平均分子量が3,000~20,000の鎖であり、 Bブロックは、少なくともアミノ基を有するメタクリレート系モノマーを構成成分とした、アミン価が100~400mgKOH/gで、且つ、Bのポリマーブロックの平均分子量が500~8,000の鎖であり、Bポリマーブロックのみにアミノ基を有するメタクリレート系モノマーに由来する構成単位が含まれており、 A-Bブロックコポリマー中のBブロックの含有量が5~50質量%であり、 A-Bブロックコポリマーの分子量の分布を示す分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下であり、 前記顔料100質量部に対する、前記高分子分散剤の含有量が10~100質量部である顔料着色剤組成物。」である点で一致し、以下の点で相違する。 相違点1’:本件発明1は、Aのポリマーブロックの酸価が62.2~150mgKOH/gであるのに対して、刊行物2-3発明は、X3ブロックの酸価が27.9mgKOH/gである点 相違点2’:本件発明1は、顔料の分散安定性を向上させるための色素誘導体を有しているのに対して、刊行物2-3発明は、色素誘導体を有していない点 相違点3’:本件発明1は、「色素誘導体が、高分子分散剤のアミノ基とイオン結合し得る酸性である官能基を有し」ていると特定されているのに対し、刊行物2-3発明は、そのような特定がない点 相違点4’:本件発明1は、顔料の平均粒子径が10~150nmであることが特定されているのに対して、刊行物2-3発明は、顔料の平均粒子径が特定されていない点 相違点5’:本件発明1は、「顔料100質量部に対する、」「色素誘導体の含有量が5~100質量部である」ことが特定されているのに対し、刊行物2-3発明は、色素誘導体を含有していない点 b 相違点の判断 以下、相違点について検討する。 (a)相違点1’について 刊行物2には、[0065]に、共重合体中のブロック鎖(A)、ブロック鎖(B)以外の含有しうるブロック鎖に関して、「本発明の共重合体は、ブロック鎖(A)及び(B)以外に、他の重合体からなるブロック鎖を有していてもよい。」と記載され、[0066]の共重合体中のブロック鎖(A)とブロック鎖(B)の比に関する一般的記載として、「 本発明の共重合体中のブロック鎖(A)とブロック鎖(B)の比は、特に制限はないが、重量%比で、10~40対90~60、好ましくは、15~35対85~65である。また、共重合体中の酸性基を有する繰り返し単位の含有割合は、0.5~20重量%、好ましくは、1~15質量%である。」と記載されているが、これは、3級アミノ基を有する繰り返し単位及び4級アンモニウム塩基を有する繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を含む重合体からなるブロック鎖(A)とポリオキシアルキレン鎖を有する繰り返し単位の少なくとも1種と酸性基を有するとされるブロック鎖(B)の比にすぎず、相違点1’に関する、刊行物2-3発明の、実施例2で使用した特定のモノマーで定義したX1ブロックの酸価をどのようにするべきかの直接の記載はない。 刊行物2-3発明は、実施例2として、特定のモノマー原料を特定の割合で、特定の共重合条件で形成したブロック共重合体製造に係る記載によって認定できる発明であって、例えば、あるモノマーの成分割合を変更した場合、当業者がそれ以外の成分の割合や共重合条件は変えずにそのまま共重合体を製造する動機付けはない。 また、刊行物2-3発明は、実施例2において、得られた共重合体のMw/Mnが1.12であることを前提にMnを計算によって数値を出して、最終的に発明を認定しているのであるから、たとえ刊行物2-3発明の顔料分散液において、ブロック鎖(B)の酸価を変更するためにブロック鎖(B)の割合を変更したとしても、刊行物2の実施例間で酸の割合が変化して共重合体の酸価が変化すると共重合体の分子量分布(Mw/Mn)の値が変化するのが読み取れ(実施例1~4摘記(2d)摘記(2f))、一定であるとはいえないのであるから、(B)ブロックの酸価を変更した場合、Mnが算出できず、X3やY3のMnが算出できないことになるといえる。 したがって、当業者といえども、本件発明1のように、X1ブロックの酸価を62.2~150mgKOH/gと特定することは、容易に想到するとはいえない。 また、色素誘導体に関する刊行物3、顔料誘導体に関する刊行物4、色素誘導体に関する刊行物5の技術常識を考慮しても、相違点1’が容易に想起できない技術的事項であることにかわりはない。 (c)その他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、刊行物2-3発明及び技術常識から当業者が容易に発明することができるものとはいえない。 (d)したがって、本件発明1は、刊行物2-3発明及び刊行物3から5記載の技術的事項に基いて当業者が容易に発明することができたものとはいえない。 (エ)刊行物2-4発明との対比・判断 a 対比・判断 本件発明1と刊行物2-4発明とを対比すると、刊行物2-4発明の「顔料として」の「C.I.ピグメントグリーン36」及び「C.I.ピグメントイエロー150」、「溶媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテル」、「ブロック共重合体」、「顔料分散液」は、それぞれ、「色素」「液溶媒」「高分子分散剤」「油性の顔料分散液である顔料着色剤組成物」に該当する。 また、刊行物2-4発明の「メタクリル酸メチル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸由来の繰り返し単位を有するX4ブロックと、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル由来の繰り返し単位を有するY4ブロックとからなり、」は、本件発明の「高分子分散剤が、90質量%以上のメタクリレート系モノマーで構成された、アニオン性のAブロック、及びカチオン性のBブロックからなるアニオンカチオン性A-Bブロックコポリマーであり」に相当し、 刊行物2-4発明の「X4ブロックは、メタクリル酸を構成成分とし、X4ブロックの酸価が26.1mgKOH/gであり、且つ、数平均分子量が3518であり、」は、本件発明1の「Aブロックは、少なくともメタクリル酸を含むメタクリレート系モノマーを構成成分としてなる、前記メタクリル酸由来のカルボキシル基を有し、Aのポリマーブロックの酸価が20~150mgKOH/gで、且つ、数平均分子量が3,000~20,000の鎖であり」に該当し、 刊行物2-4発明の「Y4ブロックは、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルを構成成分とし、Y4ブロックのアミン価が356.9mgKOH/gであり、且つ数平均分子量が1173であり、」は、本件発明1の「Bブロックは、少なくともアミノ基を有するメタクリレート系モノマーを構成成分とした、アミン価が100~400mgKOH/gで、且つ、Bのポリマーブロックの平均分子量が500~8,000の鎖であり」に該当する。 また、刊行物2-4発明の「Y4ブロックのみにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルが含まれており、」は、本件発明1の「Bポリマーブロックのみにアミノ基を有するメタクリレート系モノマーに由来する構成単位が含まれており、」に相当し、 刊行物2-4発明の「X4-Y4ブロック共重合中の分子量分布が1.13、・・・である」ことは、本件発明1の「A-Bブロックコポリマー中のBブロックの含有量が5~50質量%であり、A-Bブロックコポリマーの分子量の分布を示す分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下であり」に該当する。 また、刊行物2-4発明の「着色剤としてC.I.ピグメントグリーン36 9質量部及びC.I.ピグメントイエロー150 6質量部、・・・を含有」し、「ブロック共重合体」「4」「質量部を含むこと」は、は、本件発明1の顔料に相当する着色剤15(9+6)質量部に、本件発明1の高分子分散剤に相当するブロック共重合体が4質量部含有されていることになることから、本件発明1の「前記顔料100質量部に対する、前記高分子分散剤の含有量が10~100質量部で」に該当する。 したがって、本件発明1と刊行物2-4発明とは、「顔料、液媒体、及び高分子分散剤を含有してなる油性の顔料分散液である顔料着色剤組成物であって、 前記高分子分散剤が、90質量%以上のメタクリレート系モノマーで構成された、アニオン性のAブロック、及びカチオン性のBブロックからなるアニオンカチオン性A-Bブロックコポリマーであり、 Aブロックは、少なくともメタクリル酸を含むメタクリレート系モノマーを構成成分としてなる、前記メタクリル酸由来のカルボキシル基を有し、且つ、数平均分子量が3,000~20,000の鎖であり、 Bブロックは、少なくともアミノ基を有するメタクリレート系モノマーを構成成分とした、アミン価が100~400mgKOH/gで、且つ、Bのポリマーブロックの平均分子量が500~8,000の鎖であり、Bポリマーブロックのみにアミノ基を有するメタクリレート系モノマーに由来する構成単位が含まれており、 A-Bブロックコポリマー中のBブロックの含有量が5~50質量%であり、 A-Bブロックコポリマーの分子量の分布を示す分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下であり、 前記顔料100質量部に対する、前記高分子分散剤の含有量が10~100質量部である顔料着色剤組成物。」である点で一致し、以下の点で相違する。 相違点1”:本件発明1は、Aのポリマーブロックの酸価が62.2~150mgKOH/gであるのに対して、刊行物2-4発明は、X3ブロックの酸価が26.1mgKOH/gである点 相違点2”:本件発明1は、顔料の分散安定性を向上させるための色素誘導体を有しているのに対して、刊行物2-4発明は、色素誘導体を有していない点 相違点3”:本件発明1は、「色素誘導体が、高分子分散剤のアミノ基とイオン結合し得る酸性である官能基を有し」ていると特定されているのに対し、刊行物2-4発明は、そのような特定がない点 相違点4”:本件発明1は、顔料の平均粒子径が10~150nmであることが特定されているのに対して、刊行物2-4発明は、顔料の平均粒子径が特定されていない点 相違点5”:本件発明1は、「顔料100質量部に対する、」「色素誘導体の含有量が5~100質量部である」ことが特定されているのに対し、刊行物2-4発明は、色素誘導体を含有していない点 上記相違点1”~5”について検討するに、相違点1”は相違点1’同様の相違点であり、上記(ウ)で検討したのと同様の理由により、本件発明1は、刊行物2-4発明及び刊行物3から5記載の技術的事項に基いて当業者が容易に発明することができたものとはいえない。 (オ)小括 本件発明1は、刊行物1又は2に記載された発明及び刊行物3から5記載の技術的事項に基いて当業者が容易に発明することができたものとはいえない。 イ 本件発明2~4,6について 本件発明2は、本件発明1において、さらにA-Bブロックコポリマーのアミン価を特定したもの、本件発明3は、本件発明1において、さらにAブロックの酸価の上限を特定したもの、本件発明4は、本件発明1において、さらに色素誘導体の酸性である官能基をスルホン酸基に特定したもの、本件発明6は、本件発明1において、さらに顔料の平均粒子径の上下限を限定し、顔料の用途をカラーフィルター用着色剤に特定したものである。 したがって、いずれの発明も、アで検討のとおり、少なくとも刊行物1-3発明又は刊行物1-4発明との対比において、相違点1,刊行物2-3発明との対比において、相違点1’,刊行物2-4発明との対比において、相違点1”を有しており、色素誘導体に関する刊行物3、顔料誘導体に関する刊行物4、色素誘導体に関する刊行物5の技術常識を考慮しても、上記各相違点が容易に想起できない技術的事項であることにかわりはないため、刊行物1又は2に記載された発明及び刊行物3から5記載の技術的事項に基いてから当業者が容易に発明することができたものとはいえない。 ウ 本件発明7について (ア)刊行物1-1発明との対比・判断 a 対比 本件発明7と刊行物1-1発明とを対比すると、刊行物1-1発明の「メタクリル酸及びノルマルブチルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するX1ブロックと、ジメチルアミノエチルメタクリレート由来の繰り返し単位を有するY1ブロックとからなり」は、本件発明7の「高分子分散剤が、90質量%以上のメタクリレート系モノマーで構成された、アニオン性のAブロック、及びカチオン性のBブロックからなるアニオンカチオン性A-Bブロックコポリマーであり」に相当し、 刊行物1-1発明の「X1ブロックは、メタクリル酸を構成成分とし、」「且つ、数平均分子量が5479であり」は、本件発明7の「Aブロックは、少なくともメタクリル酸を含むメタクリレート系モノマーを構成成分としてなる、前記メタクリル酸由来のカルボキシル基を有し、」「且つ、数平均分子量が3,000~20,000の鎖であり」に該当し、 刊行物1-1発明の「Y1ブロックは、ジメチルアミノエチルメタクリレートを構成成分とし、Y1ブロックのアミン価が356.9mgKOH/gであり、且つ、数平均分子量が1545であり」は、本件発明7の「Bブロックは、少なくともアミノ基を有するメタクリレート系モノマーを構成成分とした、アミン価が100~400mgKOH/gで、且つ、Bのポリマーブロックの平均分子量が500~8,000の鎖であり」に該当する。 また、刊行物1-1発明の「Y1ブロックのみにジメチルアミノエチルメタクリレートが含まれており、」は、本件発明7発明の「Bポリマーブロックのみにアミノ基を有するメタクリレート系モノマーに由来する構成単位が含まれており、」に相当し、 刊行物1-1発明の「X1-Y1ブロック共重合体中のY1ブロックの含有量が22質量%であり、X1-Y1ブロック共重合体中のMw/Mnが1.21・・・である」ことは、本件発明7の「A-Bブロックコポリマー中のBブロックの含有量が5~50質量%であり、A-Bブロックコポリマーの分子量の分布を示す分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下であり」に該当し、刊行物1-1発明の「ブロック共重合体(B-1)」は、本件発明7の「高分子分散剤」に相当する。 したがって、本件発明7と刊行物1-1発明とは、「90質量%以上のメタクリレート系モノマーで構成された、アニオン性のAブロック、及びカチオン性のBブロックからなるアニオンカチオン性A-Bブロックコポリマーであり、 Aブロックは、少なくともメタクリル酸を含むメタクリレート系モノマーを構成成分としてなる、前記メタクリル酸由来のカルボキシル基を有し、Aのポリマーブロックの数平均分子量が3,000~20,000の鎖であり、 Bブロックは、少なくともアミノ基を有するメタクリレート系モノマーを構成成分とした、アミン価が100~400mgKOH/gで、且つ、Bのポリマーブロックの平均分子量が500~8,000の鎖であり、Bポリマーブロックのみにアミノ基を有するメタクリレート系モノマーに由来する構成単位が含まれており、 A-Bブロックコポリマー中のBブロックの含有量が5~50質量%であり、 A-Bブロックコポリマーの分子量の分布を示す分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下である高分子分散剤」である点で一致し、以下の点で相違する。 相違点7-1:本件発明7は、Aのポリマーブロックの酸価が62.2~150mgKOH/gであるのに対し、刊行物1-1発明においては、X1ブロックの酸価が41.8mgKOH/gである点 相違点7-2:本件発明7は、構造中に活性水素基を有する顔料、酸性顔料又は酸性基含有色素誘導体で処理された顔料を分散させるための高分子分散剤を主成分として含有してなる顔料分散剤であるのに対して、刊行物1-1発明は、そのような特定を有していない点 b 相違点の判断 以下、相違点について検討する。 (a)相違点7-1について 刊行物1には、【0049】【0050】には、3種の繰り返し単位を有する(B)共重合体に関する一般的記載として、「【0049】 (B)共重合体の酸価は、保存安定性の観点から、好ましくは5~70mgKOH/g、より好ましくは10~55mgKOH/g、特に好ましくは15~45mgKOH/gである。ここで、本発明において「酸価」とは、共重合体溶液の溶媒を除いた不揮発分1gを中和するのに必要なKOHのmg数であり、具体的には、後掲の実施例に記載の方法により測定されるものをいう。 また、(B)共重合体のアミン価は、保存安定性の観点から、好ましくは10~200mgKOH/g、より好ましくは30~170mgKOH/g、特に好ましくは50~150mgKOH/gである。ここで、本発明において「アミン価」とは、共重合体溶液の溶媒を除いた不揮発分1gを中和するのに必要な酸と当量のKOHのmg数であり、具体的には、後掲の実施例に記載の方法により測定されるものをいう。 【0050】 (B)共重合体は、繰り返し単位(1)~繰り返し単位(3)を有する限り、特に限定されるものではないが、分散性をより高める点から、繰り返し単位(2)及び繰り返し単位(3)を有さず、繰り返し単位(1)を有するAブロックと、繰り返し単位(1)を有さず、繰り返し単位(2)及び繰り返し単位(3)を有するBブロックとを含む、ブロック共重合体であることが好ましい。該ブロック共重合体は、A-Bブロック共重合体又はB-A-Bブロック共重合体であることが好ましい。この場合、Aブロック/Bブロックの共重合比(質量比)は、5/95~70/30が好ましく、10/90~60/40がより好ましく、15/85~40/60が特に好ましい。」と記載されているが、。繰り返し単位(2)及び繰り返し単位(3)を有さず、繰り返し単位(1)を有するAブロックと、繰り返し単位(1)を有さず、繰り返し単位(2)及び繰り返し単位(3)を有するBブロックとを含む、ブロック共重合体であることが好ましいことやAブロック/Bブロックの共重合比に関する記載はあるものの、相違点1に関する、刊行物1-1発明の、合成例1で使用した特定のモノマーで定義したX1ブロックの酸価をどのようにするべきかの直接の記載はない。 刊行物1-1発明は、合成例1として、特定のモノマー原料を特定の割合で、特定の共重合条件で形成したブロック共重合体製造に係る記載によって認定できる発明であって、例えば、あるモノマー成分割合を変更した場合、当業者がそれ以外の成分の割合や共重合条件は変えずにそのまま共重合体を製造する動機付けはない。 また、刊行物1-1発明は、合成例1において、記載されたブロック共重合体のMw/Mnが1.21であることを前提にMnを計算によって数値を出して、最終的に発明を認定しているのであるから、たとえ刊行物1-1発明の顔料分散液において、Bブロックの酸価を変更するためにBブロックの割合を変更したとしても、刊行物1の【0142】の表1から共重合体の酸価が変化すると共重合体のMw/Mnの値が変化するのが読み取れ(摘記(1e))、一定であるとはいえないのであるから、Bブロックの酸価を変更した場合、Mnが算出できず、X3やY3のMnが算出できないことになるといえる。 したがって、当業者といえども、本件発明7のように、X3ブロックの酸価を62.2~150mgKOH/gと特定することは、容易に想到するとはいえない。 また、色素誘導体に関する刊行物3、顔料誘導体に関する刊行物4、色素誘導体に関する刊行物5の技術常識を考慮しても、相違点1が容易に想起できない技術的事項であることにかわりはない。 (b)効果について 本件発明7は、顔料の分散安定性を向上させるための高分子分散剤を主成分として含有する顔料分散剤として、高分子分散剤のA-Bブロックコポリマーの構成成分モノマ、モノマー割合、各ブロックの割合、Aブロックの酸価、Bブロックのアミン価、各ブロックの平均分子量、分散度を特定することによって、超微粒子化した顔料の微分散と分散安定性に優れ、低粘度で長期保存安定性に優れ、塗布特性、現像性に優れ、色濃度、光透過性、コントラスト等の光学的特性に優れるという効果を両立して得ており(表1~表10)、当業者の予測を超えるものであるといえる。 (c)本件発明7は、刊行物1-1発明及び刊行物3から5記載の技術的事項に基いてから当業者が容易に発明することができたものとはいえない。 (イ)刊行物1-2発明との対比・判断 本件発明7と刊行物1-2発明との一致点・相違点は、本件発明7と刊行物1-1発明との一致点・相違点と同様であり、上記(ア)で検討したのと同様の理由により、本件発明7は、刊行物1-2発明及び刊行物3から5記載の技術的事項に基いてから当業者が容易に発明することができたものとはいえない。 (ウ)刊行物2-1発明との対比・判断 a 対比 本件発明7と刊行物2-1発明とを対比すると、刊行物2-3発明の「ブロック共重合体」、「顔料分散液」は、それぞれ、「高分子分散剤」「油性の顔料分散液である顔料着色剤組成物」に該当する。 また、刊行物2-1発明の「メタクリル酸n-ブチル、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸由来の繰り返し単位を有するX3ブロックと、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル由来の繰り返し単位を有するY3ブロックとからなり」は、本件発明7の「高分子分散剤が、90質量%以上のメタクリレート系モノマーで構成された、アニオン性のAブロック、及びカチオン性のBブロックからなるアニオンカチオン性A-Bブロックコポリマーであり」に相当し、 刊行物2-1発明の「X3ブロックは、メタクリル酸を構成成分とし、」「且つ、数平均分子量が3000であり、」は、本件発明7の「Aブロックは、少なくともメタクリル酸を含むメタクリレート系モノマーを構成成分としてなる、前記メタクリル酸由来のカルボキシル基を有し、」「且つ、数平均分子量が3,000~20,000の鎖であり」に該当し、刊行物2-1発明の「Y3ブロックは、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルを構成成分とし、Y3ブロックのアミン価が356.9mgKOH/gであり、且つ数平均分子量が1286であり、」は、本件発明7の「Bブロックは、少なくともアミノ基を有するメタクリレート系モノマーを構成成分とした、アミン価が100~400mgKOH/gで、且つ、Bのポリマーブロックの平均分子量が500~8,000の鎖であり」に該当する。 また、刊行物2-1発明の「Y3ブロックのみにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルが含まれており、」は、本件発明7の「Bポリマーブロックのみにアミノ基を有するメタクリレート系モノマーに由来する構成単位が含まれており、」に相当し、 刊行物2-1発明の「X3-Y3ブロック共重合中のY3ブロックの含有量が30質量%であり、X3-Y3ブロック共重合中の分子量分布が1.12、・・・である」ことは、本件発明7の「A-Bブロックコポリマー中のBブロックの含有量が5~50質量%であり、A-Bブロックコポリマーの分子量の分布を示す分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下であり」に該当する。 相違点7-1’:本件発明7は、Aのポリマーブロックの酸価が62.2~150mgKOH/gであるのに対し、刊行物2-1発明においては、X3ブロックの酸価が27.9mgKOH/gである点 相違点7-2’:本件発明7は、構造中に活性水素基を有する顔料、酸性顔料又は酸性基含有色素誘導体で処理された顔料を分散させるための高分子分散剤を主成分として含有してなる顔料分散剤であるのに対して、刊行物2-1発明は、そのような特定を有していない点 b 相違点の判断 以下、相違点について検討する。 (a)相違点7-1’について この相違点は、ア(ウ)bの相違点1’と同様で、ア(ウ)bの相違点1’で検討したとおり、当業者といえども容易に想到するとはいえない。 したがって、本件発明7は、刊行物2-1発明及び刊行物3から5記載の技術的事項に基いてから当業者が容易に発明することができたものとはいえない。 (エ)刊行物2-2発明との対比・判断 a 対比 本件発明7と刊行物2-2発明とを対比すると、刊行物2-2発明の「ブロック共重合体」、「顔料分散液」は、それぞれ、「高分子分散剤」「油性の顔料分散液である顔料着色剤組成物」に該当する。 また、刊行物2-2発明の「メタクリル酸メチル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸由来の繰り返し単位を有するX4ブロックと、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル由来の繰り返し単位を有するY4ブロックとからなり、」は、本件発明7の「高分子分散剤が、90質量%以上のメタクリレート系モノマーで構成された、アニオン性のAブロック、及びカチオン性のBブロックからなるアニオンカチオン性A-Bブロックコポリマーであり」に相当し、 刊行物2-2発明の「X4ブロックは、メタクリル酸を構成成分とし、X4ブロックの酸価が26.1mgKOH/gであり、且つ、数平均分子量が3518であり、」は、本件発明7の「Aブロックは、少なくともメタクリル酸を含むメタクリレート系モノマーを構成成分としてなる、前記メタクリル酸由来のカルボキシル基を有し、Aのポリマーブロックの酸価が20~150mgKOH/gで、且つ、数平均分子量が3,000~20,000の鎖であり」に該当し、 刊行物2-2発明の「Y4ブロックは、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルを構成成分とし、Y4ブロックのアミン価が356.9mgKOH/gであり、且つ数平均分子量が1173であり、」は、本件発明7の「Bブロックは、少なくともアミノ基を有するメタクリレート系モノマーを構成成分とした、アミン価が100~400mgKOH/gで、且つ、Bのポリマーブロックの平均分子量が500~8,000の鎖であり」に該当する。 また、刊行物2-2発明の「Y4ブロックのみにメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルが含まれており、」は、本件発明7の「Bポリマーブロックのみにアミノ基を有するメタクリレート系モノマーに由来する構成単位が含まれており、」に相当し、 刊行物2-2発明の「X4-Y4ブロック共重合中の分子量分布が1.13、・・・である」ことは、本件発明7の「A-Bブロックコポリマー中のBブロックの含有量が5~50質量%であり、A-Bブロックコポリマーの分子量の分布を示す分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.6以下であり」に該当する。 相違点7-1”:本件発明7は、Aのポリマーブロックの酸価が62.2~150mgKOH/gであるのに対し、刊行物2-1発明においては、X4ブロックの酸価が26.1mgKOH/gである点 相違点7-2”:本件発明7は、構造中に活性水素基を有する顔料、酸性顔料又は酸性基含有色素誘導体で処理された顔料を分散させるための高分子分散剤を主成分として含有してなる顔料分散剤であるのに対して、刊行物2-1発明は、そのような特定を有していない点 b 相違点の判断 以下、相違点について検討する。 (a)相違点7-1”について この相違点は、ア(エ)bの相違点1”と同様で、ア(エ)bの相違点1”で検討したとおり、当業者といえども容易に想到するとはいえない。 したがって、本件発明7は、刊行物2-2発明及び刊行物3から5記載の技術的事項に基いてから当業者が容易に発明することができたものとはいえない。 エ 本件発明8について 本件発明8は、本件発明7において、さらにA-Bブロックコポリマーのアミン価を特定したものである。 したがって、本件発明8も、ウで検討のとおり、少なくとも刊行物1-1発明又は刊行物1-2発明との対比において、相違点7-1,刊行物2-1発明との対比において、相違点7-1’,刊行物2-2発明との対比において、相違点7-1”を有しており、刊行物1又は2に記載された発明及び刊行物3から5記載の技術的事項から当業者が容易に発明することができるものとはいえない。 (7)特許異議申立人の主張についての検討 ア 特許異議申立人は、平成30年4月19日付け意見書5~6頁において、甲第1号証のX1ブロックの酸価が41.8mgKOH/gであるX1-Y1ブロック共重合体又はX2-Y2ブロック共重合体において、【0050】の(B)共重合体のAブロックとBブロックの共重合体比の記載をもとに計算からX1又はX2ブロックの酸価を62.2~107.5mgKOH/gに変更することは容易に想到する旨主張している。 しかしながら、刊行物1に記載された合成例1又は2に基づくX1-Y1ブロック共重合体又はX2-Y2ブロック共重合体を含む発明は、それぞれの合成例において、特定のモノマー原料を特定の割合で、特定の共重合条件で形成したブロック共重合体製造に係る記載によって認定できる発明であるから、あるモノマー成分割合を変更した場合、当業者がそれ以外の成分の割合いや共重合条件は変えずにそのまま共重合体を製造するとはいえない。 また、発明を認定した合成例において、ブロック共重合体のMw/Mnが特定の値であることを前提にMnを計算によって数値を出して、最終的に発明を認定しているところ、刊行物1に記載された顔料分散液において、Bブロックの酸価を変更するためにBブロックの割合を変更し、共重合体の酸価が変化すると共重合体のMw/Mnの値が変化するのが読み取れ、一定であるとはいえないのであるから、Bブロックの酸価を変更した場合のMnが算出できず、X1やY1又はX2-Y2のMnが算出できないことになるといえる。 したがって、単に一般的記載として、ブロック共重合体の重合体比の記載があるからといって、当業者といえども、X1ブロック又はX2ブロックの酸価を62.2~150mgKOH/gと特定することは、容易に想到するとはいえないことは前述のとおりであり、特許異議申立人の上記主張は採用できない。 イ 特許異議申立人は、平成30年4月19日付け意見書7~10頁において、特許権者が、平均粒子径の測定方法とその発明特定事項の位置付けを説明したのに対して、恣意的に粒子を選択したりする等の測定条件によっては規定する数値範囲が変化する旨主張している。 しかしながら、透過型電子顕微鏡で平均粒子径を測定する場合に選択する粒子をはじめとする測定条件は、恣意的にならないように設定することが前提であり、技術常識であるといえるから、前述のとおり、カラーフィルタ用の顔料に関する技術常識を示す文献においても必ずしも詳細な測定条件を示さず、本件発明に含まれる数値範囲を提示していることからも理解できるように、「顔料の平均粒子径が10~150nmであり」との特定が第三者に不測の不利益を与えるような不明確性を有しているとまではいえない。 したがって、特許異議申立人の上記主張は採用できない。 取消理由で採用しなかった特許異議申立人理由について 1 特許異議申立人は、訂正前の請求項1又は7に係る発明がBブロックのアミン価が100~400mgKOH/gと特定されているのに対して、実施例といえる合成例5のアミン価が124.9 mgKOH/gのもので作成した実施例6の顔料着色剤組成物の粘度が、比較例であるといえる合成例4(Bブロックのアミン価が21.4mgKOH/g)のもので作成した実施例5よりも粘度が大きいことを指摘し、合成例1~3のアミン価が356.9 mgKOH/gのものだけでは、Bブロックのアミン価が100~400mgKOH/gの範囲まで裏付けられているとはいえない旨主張している。 しかしながら、実施例6のものがわずかに粘度が大きいとしても、比較例1の流動性がなく測定不能になったものとの比較で物性を論じており、初期粘度が小さく、初期粘度及び保存後粘度の変化も小さい分散安定性に優れたものとして記載されていることは、【0104】の記載からも明らかで、粘度の点で、アルカリ現像性に問題のある比較例2より若干劣るとしても実施例6も本件発明1~7に対応する実施例として、特許請求の範囲を裏付けるものといえる。 したがって、実施例として、アミン価が124.9 mgKOH/gのもの(合成例5,実施例6)や356.9 mgKOH/gのもの(合成例1~3、実施例1~4)が存在しているのであるから、それらの範囲に近似したBブロックのアミン価が100~400mgKOH/gの範囲は裏付けられているといえる。 よって、上記特許異議申立人の主張は採用できない。 なお、特許権者は、Bブロックのアミン価が特許請求の範囲外の実施例5を参考例5と訂正している。 2 特許異議申立人は、訂正前の請求項7又は8に係る発明が甲第1号証(刊行物1)又は甲第2号証(刊行物2)に記載された発明であるとして、特許法第29条第1項第3号に関する理由を申し立てているので検討する。 訂正後の特許請求の範囲に記載された本件発明7又は8に関し、刊行物1-1発明又は刊行物1-2発明との対比で認定した相違点7-1(55頁)、刊行物2-1発明との対比で認定した相違点7-1’(58頁)、刊行物2-2発明との対比で認定した相違点7-1”(60頁)はいずれも前述のとおり実質的相違点であるので、特許異議申立人の特許法第29条第1項第3号に関する主張は採用できない。 第6 むすび 以上のとおり、請求項1~4,6~8に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立人が申し立てた理由及び証拠によっては、取り消されるべきものとはいえない。 また、他に請求項1~4,6~8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 さらに、請求項5に係る特許は、訂正により削除されたため、本件特許の請求項5に係る特許に関する申立てについては、対象となる請求項が存在しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2017-700733

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  • 2023-018169拒絶査定不服審判 / 2026-06-01 / 原査定取消(特許/登録すべき)ペンダントクロモフォアを有する水溶性ポリマー色素
    共通の審決分類: 113・C09B、121・C09B、537・C09B

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