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特許異議申立

2017-700362

薬剤を分散させるための医療器具

審判番号
2017-700362
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2010-156947
登録番号
特許第6005899号(P6005899)
請求日
2017年04月12日
審決日
2018年05月24日
公報発行日
2018年07月27日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】バイエル・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
  • 【権利者代理人】青木 篤
  • 【権利者代理人】三橋 真二
  • 【権利者代理人】渡辺 陽一
  • 【権利者代理人】中島 勝
  • 【権利者代理人】武居 良太郎
  • 【権利者代理人】石田 敬
  • 【権利者代理人】福本 積
  • 【権利者代理人】古賀 哲次
  • 【権利者代理人】中村 和美
  • 【異議申立人】渡辺 広基
審判長/審判官
  • 審判長 内藤 真徳
  • 審判官 長屋 陽二郎
  • 審判官 高木 彰
分類
P1651.121-Y (A61M) / P1651.536-Y (A61M) / P1651.537-Y (A61M)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第113条第4号、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第4項第1号、特許法第120条の4第1項、特許法第120条の5第1項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6005899号発明「薬剤を分散させるための医療器具」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6005899号の請求項1ないし14に係る特許を維持する。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 特許第6005899号(以下「本件特許」という。)の請求項1ないし14についての出願は、2003年(平成15年)8月26日(パリ条約による優先権主張2002年(平成14年)9月20日、ドイツ)を国際出願日とする特許出願である特願2004-538694号の一部を、平成22年7月9日に分割して新たな特許出願としたものであって(特願2010-156947号)、平成28年9月16日に特許権の設定登録がなされた(特許公報の発行日は平成28年10月12日)。 その後、平成29年4月12日に特許異議申立人 渡辺 広基(以下「申立人」という。)より特許異議の申立てがなされ、平成29年6月20日付けで申立人に対し審尋が通知され、その指定期間内である平成29年7月14日に申立人より回答書が提出され、さらに、平成29年9月12日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である平成29年12月13日に特許権者より意見書の提出がなされたものである。 なお、申立人は、平成30年3月6日付けで異議取下書を提出したが、特許法第120条の4第1項の規定により、特許異議の申立ては特許法第120条の5第1項の規定による通知があった後は取り下げることができないことから、平成30年4月19日付けで却下された。 第2 本件発明 本件特許の請求項1ないし14の特許に係る発明(以下「本件発明1」などということがある。また、これらを総称して単に「本件発明」ということがある。)は、明細書及び図面の記載からみて、それぞれ、特許請求の範囲の請求項1ないし14に記載された事項により特定される、次のとおりのものと認める。 「【請求項1】 特定の病変組織又は臓器部分の選択的な治療のために、活性物質を放出するバルーンカテーテルであって、 活性物質がパクリタキセルを含んでなるとともに、 バルーン表面に、パクリタキセルが乾燥固体として、分子量2000D未満の低分子マトリックス物質中、最大5μg/mm2の投与量となるように付着されてなり、且つ、 組織との接触後に活性物質が直ちに放出される、バルーンカテーテル。 【請求項2】 特定の病変組織又は臓器部分の選択的な治療のために、活性物質を放出するバルーンカテーテルであって、 活性物質がパクリタキセルを含んでなるとともに、 バルーン表面に、パクリタキセルが乾燥固体として、水に容易に溶解する分子量2000D未満の低分子マトリックス物質中、最大5μg/mm2の投与量となるように付着されてなり、且つ、 組織との接触後に活性物質が直ちに放出される、バルーンカテーテル。 【請求項3】 バルーンカテーテルの材料が、ポリアミド、ポリアミド混合物およびコポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンおよびコポリマー、ポリウレタン、天然ゴム、並びにその誘導体から選択される、請求項1又は2に記載のバルーンカテーテル。 【請求項4】 バルーン表面が、滑らかな表面、粗い表面、又は構造化された表面である、請求項1又は2に記載のバルーンカテーテル。 【請求項5】 パクリタキセルの粒径が5μm未満である、請求項1~4の何れか1項記載のバルーンカテーテル。 【請求項6】 パクリタキセルがアモルファス粒子の形態で存在する、請求項1~5の何れか1項記載のバルーンカテーテル。 【請求項7】 組織との短期接触に使用される請求項1~6の何れか1項記載のバルーンカテーテル。 【請求項8】 冠状動脈拡張に使用される、請求項1~7の何れか1項記載のバルーンカテーテル。 【請求項9】 バルーンの直径が2~4mm、長さが1.0~4.0cmである、請求項8記載のバルーンカテーテル。 【請求項10】 ステントと結合される、請求項1~9の何れか1項記載のバルーンカテーテル。 【請求項11】 血管壁の過剰増殖の低減に使用される、請求項1~10の何れか1項記載のバルーンカテーテル。 【請求項12】 バルーンカテーテルの膨張によって誘発される血管壁の過剰増殖の低減に使用される、請求項11記載のバルーンカテーテル。 【請求項13】 ステントが存在する領域の血管壁の過剰増殖の低減に使用される、請求項11又は12記載のバルーンカテーテル。 【請求項14】 ステントが移植できない血管の血管壁の過剰増殖の低減に使用される、請求項11又は12記載のバルーンカテーテル。」 第3 取消理由の概要 当審において、請求項1ないし14に係る特許に対して通知した取消理由は、要旨次のとおりである。 (1)取消理由A1 特許異議申立書(以下、単に「申立書」ということがある。)の「3.申立ての理由」「(4)具体的理由」「オ 実施可能要件なし(特許法第36条第4項第1号の規定に反する)で特許されない理由」で詳述されるように、本件発明1及び2の発明特定事項である「分子量2000D未満の低分子マトリックス物質」及び「最大5μg/mm2の投与量」について、その数値範囲全体について顕著な効果を示す実施例が存在せず、範囲外とした比較例も存在しないから、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載は、本件発明を当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものではない。 よって、本件特許明細書の記載は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていないから、本件発明1~14に係る特許は、特許法第113条第4号により取り消すべきものである。 (2)取消理由A2 特許異議申立書の「3.申立ての理由」「(4)具体的理由」「カ サポート要件なし(特許法第36条第6項第1号の規定に反する)で特許されない理由」で詳述されるように、本件発明1及び2の発明特定事項である「分子量2000D未満の低分子マトリックス物質」及び「最大5μg/mm2の投与量」について、その数値範囲全体について顕著な効果を示す実施例が存在せず、範囲外とした比較例も存在しないから、本件発明は、当業者がその発明の課題が解決できると認識し得るものではなく、したがって、本件発明1~14は、特許法第36条第6項第1号に規定するサポート要件を満たしておらず、本件発明1~14に係る特許は、特許法第113条第4号により取り消すべきものである。 (3)取消理由B 本件発明1~5、7~14は、「活性物質」としての「パクリタキセル」が「アモルファス粒子の形態」である場合のほかに、「パクリタキセル」が結晶質の形態である場合(以下、「異なる形態の発明1~5、7~14」という。)を含むものとも解釈することができる。 この解釈を前提とすると、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載は、異なる形態の発明1~5、7~14を、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものではない。また、異なる形態の発明1~5、7~14は、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載された発明ではない。 よって、本件発明1~5、7~14は、特許法第36条第6項第1号及び第4項第1号に規定する要件を満たしていないから、本件発明1~5、7~14に係る特許は、特許法第113条第4号により取り消すべきものである。 第4 取消理由についての判断 1 取消理由A1について 取消理由A1は、概ね(1)本件発明1及び2の発明特定事項である「分子量2000D未満の低分子マトリックス物質」につき、明細書に十分開示されていない、(2)本件発明1及び2の発明特定事項である「最大5μg/mm2の投与量」につき、明細書に十分開示されていない、というものであるところ、以下各々につき検討する。 (1)「分子量2000D未満の低分子マトリックス物質」 ア 本件発明1及び2の「分子量2000D未満の低分子マトリックス物質」との発明特定事項に関連する本件特許明細書の記載としては、「【0026】・・・好適なマトリックス物質は、低分子(分子量<5000D、好ましくは<2000D)の親水性物質、例えば造影剤および医療の様々な診断上の手順のため生体内で使用される染料、糖および関連物質、例えば糖アルコール、低分子ポリエチレングリコール、生体適合性の有機および無機塩、例えば安息香酸塩、ならびにサリチル酸の塩または他の誘導体などである。」と記載され、「造影剤」、「糖アルコール」、「低分子ポリエチレングリコール」、「サリチル酸」「の誘導体」などが列挙されている。 イ そして、本件特許明細書の実施例5a(段落【0038】)においては、マトリックス物質として「Ultravist 300(・・・造影剤)」を用いることが具体的に示され、実施例7B(段落【0040】)に造影剤たる「Ultravist370」を用いることが示される。同様に、実施例5b(段落【0038】)では、マトリックス物質として糖アルコールたる「マンニトール」を用いることが示され、実施例5d(段落【0038】)では、サリチル酸の誘導体たる「アセチルサリチル酸」を用いることが示されている。 そして、特許権者が平成29年12月13日付け意見書(以下、「特許権者意見書」という。)にて主張するように(意見書第4ページ上段付近)、これら「Ultravist 300」、「Ultravist370」、「マンニトール」及び「アセチルサリチル酸」の分子量は、いずれも2000D未満である。 ウ 申立人が申立書にて主張するように(申立書第14ページ上段付近)、上記イで指摘した実施例のうち再狭窄抑制試験を行った結果も示されているのは、実施例7Bのみであるが、他の3つの実施例についても再狭窄抑制試験の結果までは示されていないものの、パクリタキセルを含有する分子量2000D未満の低分子マトリックス物質をバルーン・カテーテル表面にコーティングすることが示されていることから、当業者が過度の試行錯誤なく「分子量2000D未満の低分子マトリックス物質」を選択するに十分資するものである。 エ さらに、特許権者意見書添付の乙第1号証(Nijhoff et al. Clin Res. Cardiol., (2016), 105:401-411)の「Abstract」(要約)には、尿素(分子量約60D)、セラック(分子量約587D)を低分子マトリックス物質としてバルーン上にパクリタキセルをコーティングしたところ、有意な再狭窄抑制効果が得られたとの追加実験データが示されている。 オ 以上を総合すると、本件発明1及び2の(バルーン・カテーテルにパクルタキセルをコーティングするための)「分子量2000D未満の低分子マトリックス物質」との発明特定事項については、過度の試行錯誤や複雑高度な実験を必要とすることなく、当業者が実施可能であるというべきである。 (2)「最大5μg/mm2の投与量」 ア 本件発明1及び2の「最大5μg/mm2の投与量」との発明特定事項に関連する本件特許明細書の記載としては、「【0025】これらの物質は、様々な医療品の表面上に、乾燥固体として・・・存在する。・・・投与量は所望の効果と使用された薬物の効能に依存する。それは最大5μg/mm2までであり、この容量は上限を構成することもない。よりわずかな投与量を扱うことはより簡単である。」と記載されている。 イ また、実施例7B(段落【0040】)には、「ブタ冠状動脈における血管形成術およびステント挿入術後の再狭窄抑制の試験・・・3.5×20mmまたは3.0×20mmの、BMT製Joker Lite型の折り畳まれたバルーン・カテーテルを・・・活性物質含有量は、平均して溶液(B)中への2回の浸漬後に250μg、溶液(B)中への5回の浸漬後に500μg・・・パクリタキセルによりコートされたカテーテル・・・」と記載されているところ(下線は当審にて付与)、これらの記載に基づいて単位面積あたりの投与量を計算すれば、(a)250μg/220mm2=1.13μg/mm2、(b)250μg/188.5mm2=1.33μg/mm2、(c)500μg/220mm2=2.27μg/mm2、(d)500μg/188.5mm2=2.66μg/mm2の4つの異なる5μg/mm2以下のデータ値において、有意な再狭窄抑制効果が得られることが示されている。 ウ これらを併せ考えると、本件発明1及び2の(バルーン・カテーテルにパクリタキセルを)「最大5μg/mm2の投与量となるように付着さ」せるとの発明特定事項については、過度の試行錯誤や複雑高度な実験を必要とすることなく、当業者が再狭窄抑制を実施可能であるというべきである。 (3)小括 以上により、本件発明1及び2の発明特定事項である「分子量2000D未満の低分子マトリックス物質」及び「最大5μg/mm2の投与量」との発明特定事項は、明細書に十分開示されているというべきであり、取消理由A1には理由がない。 2 取消理由A2について (1)本件発明の課題 本件特許明細書の段落【0012】の記載等から見て、本件発明の課題は、製造容易で、健康な組織に損害を与えることなく強い治療効果を与える、特定の組織領域または臓器部分内への薬物(パクリタキセル)放出のための器具を提供することにあるものと認められる。 (2)サポート要件の検討 ア 取消理由A2は、概ね(1)本件発明1及び2は、「分子量2000D未満の低分子マトリックス物質」及び「最大5μg/mm2の投与量」との発明特定事項を備えた発明であるところ、発明の詳細な説明において、当業者が発明の課題が解決できると認識できるような範囲を超えたものである、というものである イ このうち、本件発明1及び2の「分子量2000D未満の低分子マトリックス物質」との発明特定事項に関連する本件特許明細書の記載は、上記1(1)ア及びイにて指摘したとおりであり、かかる具体的な実施例を複数含む記載によって、当業者が上記発明の課題が解決できると認識できるような範囲のものと考えられる。 ウ また、本件発明1及び2の「最大5μg/mm2の投与量」との発明特定事項に関連する本件特許明細書の記載は、上記1(2)ア及びイにて指摘したとおりであり、かかる具体的な実施例を複数含む記載によって、当業者が上記発明の課題が解決できると認識できるような範囲のものと考えられる。 (3)小括 以上により、本件発明1及び2の発明特定事項である「分子量2000D未満の低分子マトリックス物質」及び「最大5μg/mm2の投与量」との発明特定事項は、発明の詳細な説明の記載によって当業者が上記発明の課題が解決できると認識できるような範囲のものというべきであり、取消理由A2も理由がない。 3 取消理由Bについて ア 本件発明におけるパクリタキセルの結晶・非結晶に関連する本件特許明細書の記載としては、「【0025】・・・最も優れた粒径のアモルファス非晶性構造であることが特に好ましい。有効用量が最小またはアモルファス粒子の形で存在し;より大きな粒子は組織における活性物質濃度にほとんど寄与しないが、あらゆる障害も引き起こさないことは十分である。・・・」とあるところ、該記載はパクリタキセルが「アモルファス非晶性構造であることが特に好ましい」としているものの、「アモルファス」の形態に限定する趣旨とまではいえない。また、本件特許明細書には、パクリタキセルを「アモルファス」の形態に限定する記載は見当たらない。 イ また、(本件特許の優先日後の文献ではあるが)特許権者意見書添付の乙第2号証(Pyo et al., Drying Technology, (2007), 25:1759-1767)には、パクリタキセル及びアセトンを含む溶液から溶媒を蒸散させることで(アモルファス形態ではなく)結晶質形態のパクリタキセルを含むコーティングが得られることが示されており(下記TABLE1のSampleJの行を参照)、このようなことは技術常識であると考えられる。 ウ これらを併せ考えれば、当業者であれば、過度の試行錯誤を要することなく結晶質形態及びアモルファス形態の何れのパクリタキセルコーティングを実施可能であり、また、本件特許明細書の記載を不当に一般化・拡張することなく本件発明1~5、7~14を合理的に導き出せるというべきである。 よって、取消理由Bは理由がない。 第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 申立人は、申立書において、本件発明1及び2並びにそれらを引用する本件発明3ないし14につき、主に甲第1号証(特表平5-505132号公報、以下、単に「甲1」なとどいう。)、甲2(米国特許第6280411号明細書)及び甲3(特表2003-520210号公報)から、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1ないし14に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである旨主張する。 これにつき検討するに、 ア まず、甲1には、バルーンカテーテルから放出される薬剤について、(i)「薬剤は、再狭窄制限剤、血小板凝集抑制剤、抗平滑筋細胞分芽増殖薬及び診断用染料からなるグループから選択される」と記載されているものの(請求項2)、薬剤が「パクリタキセル」を含む旨の記載は見当たらず、(ii)薬剤は「薬剤は、マイクロカプセル型ポリマー被覆結晶の、バルーン壁に恒久的もしくは一時的に接着した薬剤もしくは受容器担持薬剤の形でバルーンに適用される」ものであって(第3ページ右上欄上段付近)、低分子マトリックスによって付着されたものではなく、(iii)投与量についても明記されていない。 イ また、甲2は、バルーンカテーテル(拡張可能な基材)にポリエチレンオキサイド等のポリマー被膜を設け、その被膜に体内の目的位置に送達させる薬剤を混入させることが記載され、薬剤としてパクリタキセルが例示されているものの(申立人作成の抄訳等参照)、申立人も認めるように(申立書第12ページ上段付近)、ポリエチレンオキサイドは数万以上の分子量を有するものであるから、「低分子マトリックス」ということはできず、また、投与量についても明記されていない。 ウ 次に、甲3には、「【0143】(実施例16)(カテーテルコーティング)バルーン拡張カテーテル・・・は、以下のように、本発明の処方物でコーティングされる:分枝PEG、MW=40,000(Shearwater Polymers)を、1ml当たり50mgのPEG濃度および1ml当たり10mgのパクリタキセル濃度で、t-ブタノール中にパクリタキセル(Natural Pharmaceuticals、Cambridge、MA)とともに溶解させた。この物質を、微粒子化し、そして乾燥チャンバ内のステントの表面上に堆積させた。・・・カテーテルを、血管形成のために使用する。バルーンは、狭い血管の位置で膨張する。パクリタキセル含有コーティングは、バルーンが高圧下で膨張するときに血管壁に染み込む。パクリタキセルの局所的効果は、線維芽細胞増殖を減少させる。」と記載されているところ、パクリタキセルを含む分枝PEGを、「ステントの表面上に堆積させ」ることは明記されているものの、バルーン表面に堆積させるものかは不明である。 エ これらを併せ考えると、申立人の、本件発明1及び2並びにそれらを引用する本件発明3ないし14につき、主に甲1、甲2及び甲3から想到容易という主張には理由がない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、取消理由によっては、本件請求項1ないし14に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1ないし14に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2017-700362

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